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特許拒絶査定不服審判

2016-008732

エレベータシステム

審判番号
2016-008732
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-045251外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年06月13日
審決日
2017年06月26日
公報発行日
2017年10月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (B66B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012- 45251「エレベータシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 9月12日出願公開、特開2013-180857〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件出願は、平成24年3月1日の出願であって、平成27年9月30日付けで拒絶理由が通知され、これに対して平成27年12月4日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成28年5月13日付けで拒絶査定がされ、これに対して平成28年6月13日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され、平成28年10月27日に上申書が提出され、その後、当審において、平成29年1月23日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、これに対して平成29年3月22日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本件出願の請求項1ないし8に係る発明は、平成29年3月22日に提出された手続補正書により補正された明細書及び特許請求の範囲並びに願書に最初に添付された図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定されるものであるところ、本件出願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次の事項により特定されるとおりのものであると認める。 「【請求項1】 エレベータかご又は昇降路もしくは乗場に設置され、前記エレベータかご内又は昇降路内又は乗場の、前記エレベータかごの巻上機およびブレーキを含まないエレベータ設備と接続される第1通信コントローラと、 前記第1通信コントローラとシリアル通信ネットワーク及び個別通信線で接続されて通信を行い、前記第1通信コントローラから前記エレベータ設備の情報を取得する第2通信コントローラと、 前記第2通信コントローラに接続され、前記エレベータ設備の情報を基に前記巻上機及び前記ブレーキを制御することにより前記エレベータかごの運転を制御する制御手段とを備え、 前記個別通信線は前記シリアル通信ネットワークで通信される信号とは別に個別に信号を通信し、 前記第1通信コントローラは、前記シリアル通信ネットワークで、通信エラーが発生した場合に当該通信エラーの内容や通信情報の種別を前記個別通信線を用いて前記第2通信コントローラへ送信し、 前記第2通信コントローラは、前記第1通信コントローラが送信した通信エラーの内容や通信情報の種類を判断し、 前記制御手段は、前記第2通信コントローラの当該判断に基づき前記エレベータかごを運転継続し、または最寄階停止し、または非常停止させる、 エレベータシステム。」 第3 引用刊行物 1 刊行物1 (1)刊行物1の記載事項 当審拒絶理由に引用された、本件出願前に頒布された刊行物である特開平8-245099号公報(以下、「刊行物1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0002】 【従来の技術】近年のエレベータは、マイコンの積極的な導入により高性能化・高機能化が一層顕著になり、その制御信号の本数も飛躍的に増加してきている。そのエレベータの制御装置は、機械室内に設置され、制御装置内部の信号授受はもとより、かご・ホール・及び昇降路など、自分自身が担当するエレベータの受け持ち部分に対して各部の条件信号を一手に入力し、また判定結果を出力する形態となっている。 【0003】この種従来のエレベータ制御装置と対かご・昇降路等とのインターフェイス(以降I/Fと記載する)部の関係の概略構成は、図6に示すように構成されている。エレベータ機械室1内にエレベータ制御回路2が設置され、エレベータ制御回路2は、エレベータかご3やホール・昇降路等と、各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6、及び直列伝送線5を用いて接続されている。 【0004】この場合のかご接点入出力信号4としては、例えばかご点検入力スイッチ、かご積載荷重検出用接点、かご戸開釦入力信号、ホールドアゾーン(かご位置とホールドアとの相対位置関係を示す)検出信号、ドア開閉状態信号、かごドア全閉検出信号入力等、フェールセーフの観点から重要視される安全関連機器の信号を中心に構成されている。 【0005】また、各種昇降路入出力接点信号6としては、昇降路頂部あるいは底部における各種制動用リミットスイッチ入力、各部安全確認信号等、これらもかご接点入出力信号4と同様の安全関連機器信号中心の構成であり、両者とも並列信号として処理されている。 【0006】一方、直列伝送線5は、かご操作パネルにおける行き先階登録信号、ホールのエレベータ呼び信号、各種表示信号等により構成されており、前述した各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6に対して付加機能・サービス機能の関連信号を中心にとりまとめているのが特徴であり、一対の伝送線に多数の制御信号を載せることで、信号電線本数の低減に寄与している。 【0007】低階床のエレベータシステム・特殊用途物件等一部に於いては、前述した直列伝送線5を用いず、全て各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6にて対応する場合もある。 【0008】エレベータ制御回路2内には、入出力インターフェイス(I/F)回路8、直列伝送I/F回路9および制御用マイコン16を備え、制御用マイコン16は、前述した各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6とは、入出力I/F回路8を介して信号の授受を実現しており、また、直列伝送線5とは直列伝送I/F回路9を通じてつながっている。その他、入出力I/F回路8は盤内入出力信号7とも結合しているが、これは例えば制御装置内の点検スイッチ入力や機械室内に設置された地震計接点、監視盤等へのエレベータ状態信号の供出などが該当する。 【0009】図7は、図6のエレベータ制御回路2の入出力I/F回路8及びその周辺におけるその入力部分を示すもので、電源供給回路11、外部検出接点12、ダミー抵抗13、電源系を変換するための絶縁回路14、入力バッファ15、制御用マイコン16を備えている。 【0010】入力バッファ15は絶縁回路14と制御用マイコン16の間に設けられ、電源変換入力信号14aをラッチするためのものである。また絶縁回路14の1次側には、検出接点12に電流信号12aを供給するための電源供給回路11が接続されている。この場合、入力バッファ15と制御用マイコン16は、マイコン制御基板部に該当する。 【0011】一般的にこのマイコン制御基板内のIC回路の駆動電源は5V系もしくは3V系にて構成されているが、外部の入出力接点等は24V系もしくはそれ以上の電源系にて構成する必要がある。これは、かごもしくは昇降路の接点信号は、伝搬距離が長い為、途中の電圧降下の影響を考慮する必要があること、ノイズ等外因に左右され難いしっかりした電源系統が必要だからである。 【0012】絶縁回路14は、前述した外部入出力接点系の電源と、マイコン系の電源とを電気的に分離しており、フォトカプラ等を用いて入力信号の電源系変換処理を実施している。フォトカプラによる絶縁処理は、ノイズ耐性向上の他に、接点異常時等事故により、サージ・突入電流がマイコンを直撃し、異常制御の誘発回避の有効手段としても適当であり、システムの信頼性向上に寄与している。 【0013】図7の回路において、外部検出接点12が閉じると、電源供給回路11による供給電流が絶縁回路14の1次側を介して検出接点12に流れ込む。これにより絶縁回路14内のフォトカプラがオンするので、信号の変化がマイコン電源系に伝わり、電源変換入力信号14aとして入力バッファ15に出力される。制御用マイコン16は、一連の処理の中で外部検出接点12の状態を探るべく定期的に入力ラッチ信号16aを出力する。入力バッファ15は入力ラッチ信号16aを受けて、電源変換入力信号14aをマイコン入力信号15aとして提出する。制御用マイコン16は、本方式により各種検出接点の状態を把握し、内容に応じた制御を展開するのである。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】以上のべた従来のエレベータ制御装置の外部I/F機構は、各種外部検出接点12が閉じている場合、電源供給回路11が電流を流し続ける構成である。一般的には、マイコン制御技術の進展により直列伝送線5の網羅する伝送情報量の増大により、接点検出式の並列伝送信号は減る傾向にあるが、特にフェールセーフの観点から乗客の安全に関わる信号線は特に直列伝送化しづらく、現状の標準型エレベータに於いては60点以上の並列伝送入力信号が存在しており、更に非常用エレベータ等の特殊用途になると100点以上になる場合もある。これらの検出接点12の全部が同時に閉成することこそ皆無であるが、電源供給回路11は、最も検出接点12の閉成が重複した場合において連続通電した場合を想定し、電源容量を設定する必要がある。」(段落【0002】ないし【0014】) (2)上記(1)及び図面の記載から分かること ア 上記(1)及び図6の記載によれば、刊行物1には、エレベータ制御装置が記載されていることが分かる。 イ 上記(1)及び図6の記載(特に、段落【0003】ないし【0006】及び図6の記載)によれば、刊行物1に記載されたエレベータ制御装置は、エレベータかご3やホール・昇降路等の巻上機およびブレーキを含まないエレベータ設備が、エレベータ制御回路2に対して各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6及び直列伝送線5の信号等の信号を授受するのであるから、エレベータかご3又は昇降路もしくはホールに設置され、前記エレベータかご3内又は昇降路内又はホールの、前記エレベータかご3の巻上機およびブレーキを含まないエレベータ設備と接続される第1のインターフェイス部を備えることが分かる。 ウ 上記(1)及び図6の記載(特に、段落【0008】及び図6の記載)によれば、刊行物1に記載されたエレベータ制御装置は、第1のインターフェイス部と直列伝送線5及び各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6の伝送線で接続されて通信を行い、前記第1のインターフェイス部から前記エレベータ設備の情報を取得する入出力I/F回路8及び直列伝送I/F回路9からなる第2のインターフェイス部を備えることが分かる。 エ 上記(1)及び図6の記載(特に、段落【0008】、【0009】及び【0013】並びに図6の記載)によれば、刊行物1に記載されたエレベータ制御装置は、第2のインターフェイス部に接続され、前記エレベータ設備の情報を基に前記エレベータかご3の運転を制御する制御用マイコン16とを備えることが分かる。 オ 上記(1)及び図6の記載(特に、段落【0002】ないし【0006】及び図6の記載)によれば、刊行物1に記載されたエレベータ制御装置において、各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6の伝送線は前記直列伝送線5で通信される信号とは別に個別に信号を通信することが分かる。 (3)引用発明 上記(1)及び(2)を総合して、本願発明の表現に倣って整理すると、引用刊行物には、次の事項からなる発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「エレベータかご3又は昇降路もしくはホールに設置され、前記エレベータかご3内又は昇降路内又はホールの、前記エレベータかご3の巻上機およびブレーキを含まないエレベータ設備と接続される第1のインターフェイス部と、 前記第1のインターフェイス部と直列伝送線5及び各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6の伝送線で接続されて通信を行い、前記第1のインターフェイス部から前記エレベータ設備の情報を取得する入出力I/F回路8及び直列伝送I/F回路9からなる第2のインターフェイス部と、 前記第2のインターフェイス部に接続され、前記エレベータ設備の情報を基に前記エレベータかご3の運転を制御する制御用マイコン16とを備え、 前記各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6の伝送線は前記直列伝送線5で通信される信号とは別に個別に信号を通信する、 エレベータ制御装置。」 2 刊行物2 (1)刊行物2の記載事項 当審拒絶理由に引用された、本件出願前に頒布された刊行物である再公表特許第2007/052346号(以下、「刊行物2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「【0001】 この発明は、群管理制御盤に実装されたパラレル-シリアル変換装置とエレベーターの各制御盤の間に複数の伝送路を設け、共通信号の通信の信頼性を向上するエレベーターの通信制御装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来のエレベーターの通信制御装置においては、群管理制御ユニットとエレベーターの各制御ユニットが単一の伝送線によって接続されている(例えば、特許文献1参照)。 【0003】 【特許文献1】特開2002-302350号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 上述したような従来のエレベーターの通信制御装置では、群管理制御ユニットと各制御ユニット間を接続する単一の伝送線が断線などで故障した場合や、群管理制御ユニットが故障した場合などに、フロアーカット情報や、災害管制情報などの制御ユニットに必要な共通信号が各制御ユニットに取り込めないという問題点があった。 【0005】 この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、群管理制御盤に実装されたパラレル-シリアル変換装置とエレベーターの各制御盤の間を接続する伝送路が断線などで故障した場合や、群管理制御装置が故障した場合などでも、制御盤に必要な共通信号を各制御盤に取り込むことができるエレベーターの通信制御装置を得るものである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 この発明に係るエレベーターの通信制御装置は、ビルの各階床に設置された乗場釦による乗場呼び信号に応じてエレベーターのかごの割り付け制御を行う群管理制御装置と、前記群管理制御装置からのかごの割り付け信号、かごからのかご呼び信号に応じてエレベーターのかごの昇降をそれぞれ制御する複数の制御盤と、前記複数の制御盤が必要とする共通信号を入力する入力手段と、前記入力手段と前記群管理制御装置を接続し、前記入力手段と前記複数の制御盤を接続し、かつ、前記群管理制御装置と前記複数の制御盤を接続し、前記共通信号を伝送する第1の伝送路と、前記入力手段と前記群管理制御装置を接続し、前記共通信号を伝送する第2の伝送路と、前記群管理制御装置と前記複数の制御盤を接続し、前記共通信号及び前記共通信号以外の信号を伝送する第3の伝送路とを設け、前記群管理制御装置は、前記第1の伝送路を介した前記共通信号の通信が正常に行われているかを判断し、前記共通信号の通信が正常でない場合には、前記共通信号の入力先を前記第1の伝送路から前記第2の伝送路に切り換え、前記制御盤は、前記第1の伝送路を介した前記共通信号の通信が正常に行われているかを判断し、前記共通信号の通信が正常でない場合には、前記共通信号の入力先を前記第1の伝送路から前記第3の伝送路に切り換え、前記第1の伝送路を介した前記共通信号の通信が正常でない場合には、前記第2の伝送路及び前記第3の伝送路を介して前記入力手段から前記複数の制御盤へ前記共通信号を伝送するものである。 【発明の効果】 【0007】 この発明に係るエレベーターの通信制御装置は、群管理制御盤に実装されたパラレル-シリアル変換装置とエレベーターの各制御盤の間を接続する伝送路が断線などで故障した場合や、群管理制御装置が故障した場合などでも、制御盤に必要な共通信号を各制御盤に取り込むことができるという効果を奏する。」(段落【0001】ないし【0007】) イ 「【0011】 図1において、この発明の実施例1に係るエレベーターの通信制御装置は、群管理盤1000と、複数台のエレベーターの制御盤2000とが設けられている。この群管理盤1000は、ビルの各階床に設置された乗場釦(図示せず)による乗場呼び信号に応じてエレベーターのかごの割り付け制御を行う。また、このエレベーターの制御盤2000は、群管理盤1000からのかごの割り付け信号や、かご(図示せず)からのかご呼び信号に応じてエレベーターのかごの昇降を制御する。 【0012】 群管理盤1000には、ビルの各階床に設置された乗場釦(図示せず)による乗場呼び信号に応じてエレベーターのかごの割り付け制御を行う群管理制御装置1と、スイッチ201により模擬した共通信号(例えば、フロアーカット情報、災害管制情報)をパラレルからシリアルへ変換するパラレル-シリアル変換装置(入力手段)12とが実装されている。なお、このフロアーカット情報は、特定の要求に応じて外部機器から各制御盤2000に入力され、各制御盤2000は、それぞれ、フロアーカット情報に基づき共通に指定された階床のかご呼びを無効にする。また、この災害管制情報は、地震、火災、停電などに応じて外部機器から各制御盤2000に入力され、各制御盤2000は、それぞれ、災害管制情報に基づき共通の救出運転などの災害管制運転を行う。 【0013】 さらに、群管理制御装置1とパラレル-シリアル変換装置12は、第1の伝送路101及び第2の伝送路102により接続されている。群管理制御装置1は、ビルの各階床に設置された乗場釦(図示せず)による乗場呼び信号に応じてエレベーターのかごの割り付け制御を行う群管理制御回路10と、伝送インターフェース(I/F)(第1の伝送インターフェース)11とから構成されている。この伝送インターフェース11内で、第2の伝送路102と第3の伝送路103は、スイッチ301を介して機能的に接続されている。なお、このスイッチ301は、ソフトウェアで形成されている。また、第1の伝送路101と第2の伝送路102は、共通信号専用の伝送路であり、第3の伝送路103は、共通信号と共通信号以外の信号を伝送する伝送路である。 【0014】 一方、複数台のエレベーターの制御盤2000には、それぞれ、群管理盤1000からのかごの割り付け信号や、かご(図示せず)からのかご呼び信号に応じてエレベーターのかごの昇降を制御するエレベーター制御装置2と、伝送インターフェース(I/F)(第2の伝送インターフェース)31とが実装されている。この伝送インターフェース31は、群管理盤1000内に実装されている群管理制御装置1及びパラレル-シリアル変換装置12と、制御盤2000に実装されているエレベーター制御装置2間の通信制御を中継する。さらに、エレベーター制御装置2は、エレベーター制御回路20と、伝送インターフェース(I/F)21とから構成されている。伝送インターフェース21は、かご伝送線104を介してかご機器(図示せず)と接続されている。また、伝送インターフェース31は、第3の伝送路103を介して群管理制御装置1と接続され、第1の伝送路101を介して群管理制御装置1及びパラレル-シリアル変換装置12と接続されている。さらに、伝送インターフェース31とエレベーター制御装置2は、伝送線106を介して接続されている。また、伝送インターフェース31は、乗場伝送線105を介して乗場機器(図示せず)と接続されている。 【0015】 図2は、この発明の実施例1に係るエレベーターの通信制御装置のパラレル-シリアル変換装置の構成を示すブロック図である。図2において、パラレル-シリアル変換装置12は、各種の演算処理を行う制御手段としてのCPU(中央処理装置)3001と、CPU3001の演算データなどを格納するRAM3002と、共通信号などを入力する入力ポート3003と、CPU3001の制御プログラムを格納するROM3004と、第1の伝送路101を介して通信を行う第1シリアルインターフェース(I/F)3005と、第2の伝送路102を介して通信を行う第2シリアルインターフェース(I/F)3006と、外部機器へ信号を出力する出力ポート3007とから構成される。なお、パラレル-シリアル変換装置12は、共通信号を第1の伝送路101と第2の伝送路102に常に出力する。 【0016】 図3は、この発明の実施例1に係るエレベーターの通信制御装置の群管理制御装置の伝送インターフェースの構成を示すブロック図である。図3において、伝送インターフェース11は、各種の演算処理を行う制御手段としてのCPU(中央処理装置)3101と、CPU3101の演算データなどを格納するRAM3102と、群管理制御回路10とデータのやり取りをする2ポートRAM3103と、CPU3101の制御プログラムを格納するROM3104と、第1の伝送路101を介して通信を行う第1シリアルインターフェース(I/F)3105と、第2の伝送路102を介して通信を行う第2シリアルインターフェース(I/F)3106と、第3の伝送路103を介して通信を行う第3シリアルインターフェース(I/F)3107とから構成される。 【0017】 図4は、この発明の実施例1に係るエレベーターの通信制御装置の制御盤の伝送インターフェースの構成を示すブロック図である。図4において、伝送インターフェース31は、各種の演算処理を行う制御手段としてのCPU(中央処理装置)3201と、CPU3201の演算データなどを格納するRAM3202と、CPU3201の制御プログラムを格納するROM3203と、第1の伝送路101を介して通信を行う第1シリアルインターフェース(I/F)3204と、伝送線106を介して通信を行う第2シリアルインターフェース(I/F)3205と、第3の伝送路103を介して通信を行う第3シリアルインターフェース(I/F)3206と、乗場伝送線105を介して通信を行う第4シリアルインターフェース(I/F)3207とから構成される。」(段落【0011】ないし【0017】) ウ 「【0022】 図6において、ステップS200では、伝送インターフェース31のCPU3201は、第1の伝送路101を介した共通信号の通信が正常に行われているかを判断する。すなわち、第1の伝送路101の断線などの故障による共通信号の有無や、共通信号の形式、構成が正常か異常か等で、第1の伝送路101を介した共通信号の通信が正常か否かを判断する。正常と判断された場合は、ステップS204へ進み、パラレル-シリアル変換装置12との入出力は、第1の伝送路101を介して行う。次に、ステップS203で、伝送線106を介してエレベーター制御装置2内のエレベーター制御回路20との入出力を行う。 【0023】 通信が正常に行われていないと判断された場合には、ステップS201へ進み、CPU3201は、共通信号の入力先を、第1の伝送路101から第3の伝送路103に切り換える。次に、ステップS202では、パラレル-シリアル変換装置12からの入力は、パラレル-シリアル変換装置12→第2の伝送路102→伝送インターフェース11→第3の伝送路103を介して行う。エレベーター制御装置2内のエレベーター制御回路20との入出力は、ステップS203で伝送線106を介して行う」(段落【0022】及び【0023】) (2)刊行物2記載の技術 上記(1)アないしウ並びに図1ないし4及び図6の記載(特に、上記(1)ウ及び図6の記載)によれば、刊行物2には、次の事項からなる技術(以下「刊行物2記載の技術」という。)が記載されていると認める。 「群管理制御装置1の第1の伝送インターフェース11と、エレベータ制御装置2の第2の伝送インターフェース31とを、第1の伝送路101及び第3の伝送路103を介して接続したエレベータの通信制御装置において、 第2の伝送インターフェース31は、第1の伝送路101で、第1の伝送路101の断線などの故障による共通信号の有無や、共通信号の形式、構成が異常であることにより、通信が正常に行われていないと判断された場合には、共通信号の入力先を、第1の伝送路101から第3の伝送路103に切り替えるようにした技術。」 3 刊行物3 (1)刊行物3の記載事項 当審拒絶理由に引用された、本件出願前に頒布された刊行物である特開2004-48474号公報(以下、「刊行物3」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「【請求項4】 乗かごとエレベータ制御装置間のデータ伝送をパケット単位で行うエレベータのデータ伝送装置において、 伝送するデータを、エレベータの安全に関わる第1のデータと、エレベータの制御に関わる第2のデータと、エレベータの制御に関わらない第3のデータとに分割するとともに、少なくとも前記第1のデータを含む複数の前記データを組み合わせたパケットを生成可能なパケット生成手段と、前記第1のデータの安全信号CRC符号を生成する安全信号CRC符号生成手段と、パケットの更新および再送を制御するパケット送信制御手段と、再送時間をカウントする再送時間カウンタと、再送回数をカウントする再送回数カウンタと、送信パケットにCRC符号を生成するCRC生成部を有する送信手段と、受信パケットCRCをチェックするCRCチェック部を有する受信手段と、受信したパケットからデータを取り出すパケット解読手段と、エレベータ停止信号を出力するエレベータ停止信号設定手段とを備え、前記パケット生成手段はそれぞれのパケットに、データの組合せに基づきパケットの重要度を示すパケット種別を設定するとともに、前記パケット送信制御手段は重要度の高いパケットの伝送異常を検出したとき前記エレベータ停止信号設定手段にエレベータ停止信号の出力を促しエレベータを停止させることを特徴とするエレベータのデータ伝送装置。 【請求項5】 前記エレベータ制御装置側の前記パケット送信制御手段は、前記再送時間カウンタによりパケットの再送時間を管理し、重要度の高い同一パケットの再送が所定の再送時間を越えたとき前記エレベータ停止信号設定手段にエレベータ停止信号の出力を促しエレベータを停止させることを特徴とする請求項4記載のエレベータのデータ伝送装置。 【請求項6】 前記エレベータ制御装置側の前記パケット送信制御手段は、前記再送回数カウンタによりパケットの再送回数を管理し、重要度の高い同一パケットの再送が所定の再送回数を越えたとき前記エレベータ停止信号設定手段にエレベータ停止信号の出力を促しエレベータを停止させることを特徴とする請求項4記載のエレベータのデータ伝送装置。 【請求項7】 前記エレベータ制御装置側の前記パケット送信制御手段は、前記再送時間カウンタおよび再送回数カウンタによりパケットの再送時間および再送回数を管理し、重要度の高いパケット以外のパケットの再送要求が所定の再送時間または所定の再送回数を越えて発生したとき当該パケットを破棄するとともに、新規パケットの生成を指令することを特徴とした請求項4記載のエレベータのデータ伝送装置。」(【特許請求の範囲】の【請求項4】ないし【請求項7】) イ 「【0009】 さらに、本発明の請求項4に係る発明は、・・・略・・・ 【0010】 本発明の請求項4に係る発明によれば、送信側では、パケット生成手段により、エレベータの安全に関わる第1のデータ、安全信号CRC符号、パケットの重要度を示すパケット種別を含むパケットを生成するとともに、送信手段によりCRC符号をパケットに付加し送信を行う。一方、受信側では受信手段によりCRC符合のチェックを行い、かつパケット解読手段により安全信号CRC符号のチェックを行う。このとき受信手段およびパケット解読手段でビット誤りを検出すると、同一パケットの再送要求を行う。この後、受信側からの再送要求に対してパケット送信制御手段は、再送時間カウンタおよび再送回数カウンタを介して重要度の高いパケットの伝送異常を検出すると、エレベータ停止信号設定手段にエレベータ停止信号の出力を促しエレベータを停止させる。これにより重要度の高いパケットの伝送異常によるエレベータの誤制御を防止することができる。 【0011】 さらにまた、本発明の請求項5記載の発明は、・・・略・・・ 【0012】 このように構成した本発明の請求項5に係る発明によれば、受信側からの再送要求に対してパケット送信制御手段は、再送時間カウンタによりパケットの再送時間を管理し、重要度の高い同一パケットの再送が所定の再送時間を越えたことを検出すると、エレベータ停止信号設定手段にエレベータ停止信号の出力を促しエレベータを停止させる。これにより重要度の高いパケットの伝送異常によるエレベータの誤制御を防止することができる。 【0013】 また、本発明の請求項6記載の発明は、・・・略・・・ 【0014】 このように構成した本発明の請求項6に係る発明によれば、受信側からの再送要求に対してパケット送信制御手段は、再送回数カウンタによりパケットの再送回数を管理し、重要度の高い同一パケットの再送が所定の再送回数を越えたことを検出すると、エレベータ停止信号設定手段にエレベータ停止信号の出力を促しエレベータを停止させる。これにより重要度の高いパケットの伝送異常によるエレベータの誤制御を防止することができる。 【0015】 さらに、本発明の請求項7記載の発明は、・・・略・・・ 【0016】 このように構成した本発明の請求項7に係る発明によれば、受信側からの再送要求に対してパケット送信制御手段は、前記再送時間カウンタおよび再送回数カウンタによりパケットの再送時間および再送回数を管理し、重要度の高いパケット以外のパケットの再送要求が所定の再送時間または所定の再送回数を越えて発生したとき当該パケットを破棄するとともに、新規パケットの生成を指令しこれを送信する。これによって、重要度の高いエレベータの安全に関するデータの伝送遅延を低減することができる。」(段落【0009】ないし【0016】) ウ 「【0019】 本実施形態のエレベータの伝送装置2、22は図1に示すように、エレベータ制御装置1と乗かご制御装置21間で音声信号8、28、制御信号9、29および安全信号10、30に基づくデータの伝送をアンテナ3、23を介して無線にてパケット単位で行う。なお、前記の安全信号10、30はエレベータの安全に関わる第1のデータ、前記の制御信号9、29および音声信号8、28はエレベータの制御に関わる第2のデータに分類される。 【0020】 そして、エレベータ制御装置1側の伝送装置2は、エレベータ制御装置1間で各種信号、すなわちエレベータ停止信号7、音声信号8、制御信号9および安全信号10の入出力を行うバッファ11と、伝送装置2の総括的な制御を行うCPU5と、送受信データを格納するメモリ6と、送信パケットにCRC符号を生成するCRC生成部14を有する送信手段12と、受信パケットCRCをチェックするCRCチェック部15を有する受信手段13と、アンテナ3に接続され、無線によりデータの送受信を行う無線モデム4とを備えている。また、前記のCPU5は図2に示すように、少なくとも第1のデータ、すなわち安全信号10に基づくデータを含む複数のデータを組み合わせたパケットを生成可能なパケット生成手段40と、第1のデータの安全信号CRC符号を生成する安全信号CRC符号生成手段42と、パケットの更新および再送を制御するパケット送信制御手段43と、再送要求に応じた同一データの再送時間をカウントする再送時間カウンタ44と、再送要求に応じた同一データの再送回数をカウントする再送回数カウンタ45と、受信したパケットからデータを取り出すパケット解読手段41と、エレベータ停止信号を出力するエレベータ停止信号設定手段46とを備えている。 【0021】 さらに、乗かご21側の伝送装置22は、乗かご制御装置21間で各種信号、すなわち音声信号28、制御信号29および安全信号30の入出力を行うバッファ31と、伝送装置22の総括的な制御を行うCPU25と、送受信データを格納するメモリ26と、送信パケットにCRC符号を生成するCRC生成部34を有する送信手段32と、受信パケットCRCをチェックするCRCチェック部35を有する受信手段33と、アンテナ23に接続され、無線によりデータの送受信を行う無線モデム24とを備えている。また、前記のCPU25は図3に示すように、少なくとも第1のデータ、すなわち安全信号30に基づくデータを含む複数のデータを組み合わせたパケットを生成可能なパケット生成手段90と、第1のデータの安全信号CRC符号を生成する安全信号CRC符号生成手段92と、パケットの更新および再送を制御するパケット送信制御手段93と、再送要求に応じた同一データの再送時間をカウントする再送時間カウンタ94と、再送要求に応じた同一データの再送回数をカウントする再送回数カウンタ95と、受信したパケットからデータを取り出すパケット解読手段91とを備えている。 【0022】 また、パケット生成手段40、90により生成される第1パケット50には例えば図4に示すように、アドレス60と、再送を管理するための通信番号61と、パケットの重要度を示すパケット種別62と、安全信号10に基づく安全信号データ63と、安全信号CRC符号生成手段42により生成された安全信号CRC符号64と、制御信号9に基づく制御信号データ65と、モデムパラメータ66と、CRC生成部34により生成されたパケットCRC符号67とが含まれるとともに、第2パケット51には、アドレス70と、再送を管理するための通信番号71と、パケットの重要度を示すパケット種別72と、安全信号10に基づく安全信号データ73と、安全信号CRC符号生成手段42により生成された安全信号CRC符号74と、音声信号8に基づく音声信号データ75と、モデムパラメータ76と、CRC生成部34により生成されたパケットCRC符号77とが含まれ、かつ、第3パケット52には、アドレス80と、再送を管理するための通信番号81と、パケットの重要度を示すパケット種別82と、安全信号10に基づく安全信号データ83と、安全信号CRC符号生成手段42により生成された安全信号CRC符号84と、エレベータの制御に関わらない第3のデータに分類されるその他データ85と、モデムパラメータ86と、CRC生成部34により生成されたパケットCRC符号87とが含まれている。なお、安全信号CRC符号生成手段42、92のCRC生成多項式を16ビットとしたとき、第1のデータ、すなわち安全信号データ63、73、83は16ビット以下とする。 【0023】 さらに、受信側となるパケット解読手段41、91は、受信したパケットのアドレス60、70および80、通信番号61、71および81、パケット種別62、72および82、安全信号データ63、73および83、安全CRC符号64、74および84、制御信号データ65、音声信号データ75、その他データ85、モデムパラメータ66、76および86を解読し、安全信号CRC符号64、74および84に基づきCRCチェックを行い、ビット誤りがない場合は安全信号データ63、73、83、制御信号データ65、音声信号データ75、その他データ85をバッファ11、31に出力するとともに、ビット誤りを検出した場合は、バッファ11、31に出力せずパケット送信制御手段43、93にデータの再送要求を行う。 【0024】 また、パケット送信制御手段43、93は、再送要求に応じて同一データの再送制御を行うととも、再送時間カウンタ44および再送回数カウンタ45を起動し、再送時間または再送回数を管理する。そして、エレベータ制御装置1側のパケット送信制御手段43にあっては重要度の高い第1パケット50の再送が規定再送時間または規定再送回数を越えて発生したときエレベータ停止信号設定手段46にエレベータの停止を促す。一方、重要度の高い第1パケット50以外のパケット、すなわち第2パケット51および第3パケット52の再送が規定再送時間または規定再送回数を越えて発生したとき、再送パケットを破棄し、新規パケットの生成を指令する。」(段落【0019】ないし【0024】) エ 「【0027】 まず、エレベータ制御装置1から乗かご制御装置21へのデータ送信動作を図5に基づき説明する。エレベータ伝送装置2は手順S1としてエレベータ制御装置1より音声信号8、制御装置9および安全信号10をバッファ11に入力し、CPU5のパケット生成手段40により手順S2として図3に示すように第1パケット50、第2パケット51および第3パケット52を生成する。このときパケット送信制御手段43は手順S3としてデータ受信手段33およびパケット解読手段41により再送要求が設定されているか判断するとともに、再送要求が設定されていないことを判断すると手順S4としてメモリ6に重要度の高いパケットから順次更新格納し、手順S11に移行する。一方、手順S3で再送要求が設定されていることを判断するとパケット送信制御手段43は手順S5としてメモリ6の内容を前回送信したパケットのまま保持するとともに、手順S6として再送時間カウンタ44および再送回数カウンタ45を起動して再送時間または再送回数をカウントし、手順S7として同一パケットの再送回数または再送時間が所定値を越えたかどうかを判断する。このとき再送回数または再送時間が所定値を越えていない場合は手順S11に移行する。また、手順S7で再送回数または再送時間が所定値を越えたことを判断すると、パケット送信制御手段43は手順S8として再送するパケットの重要度が高いかどうかをパケット種別62、72、82に基づき判断するとともに、当該パケットが重要度の高い第1パケット50である場合、手順S9としてエレベータ停止信号設定手段46を介してエレベータ停止信号7をエレベータ制御装置1に出力する。一方、手順S8で当該パケットが重要度が低い第2パケット51あるいは第3パケット52であることを判断すると、手順S10として再送パケットを破棄して新規パケットにメモリ6のデータを更新格納する。送信手段12は手順S11としてメモリ6に格納されている各パケットにCRC生成手段14によりCRC符号67、77、87を付加し、手順S12として無線モデム4およびアンテナ3を介して乗かご制御装置21側のエレベータ伝送装置22にデータの送信を行う。 【0028】 ・・・略・・・ 【0029】 本発明の実施形態によれば、重要度の高いエレベータの安全に関わる第1のデータ、すなわち安全信号データ63、73、83は優先的に全てのパケットに含まれることから、エレベータの安全に関わるデータを確実かつ迅速に伝送することができる。また、重要度の高いエレベータの安全に関わる第1のデータ、すなわち安全信号データ63、73、83に独立して安全信号CRC符号64、74、84を付加してビット誤りを検出することにより、エレベータの安全に関わるデータをより確実に送受信することができる。さらに、パケット送信制御手段43は再送時間カウンタ44および再送回数カウンタ45を介して重要度の高い第1パケット50の伝送異常、すなわち第1パケット50の再送が所定の再送時間を越えたこと、および第1パケット50の再送が所定の再送回数を越えたことを検出するとエレベータを停止させることにより、重要度の高いパケットの伝送異常によるエレベータの誤制御を防止することができる。また、パケット送信制御手段43は重要度の高いパケット以外の第2パケット51および第3パケット52の再送要求が所定の再送時間または所定の再送回数を越えて発生したとき当該パケットを破棄するとともに、新規パケットの生成を指令しこれを送信することにより、重要度の高いエレベータの安全に関するデータの伝送遅延を低減することができる。」(段落【0027】ないし【0029】) (2)刊行物3記載の技術 上記(1)アないしエ及び図1ないし6の記載(特に、【請求項4】、段落【0010】、【0024】、【0027】及び【0029】並びに図1ないし6の記載)によれば、刊行物3には、次の事項からなる技術(以下「刊行物3記載の技術」という。)が記載されていると認める。 「乗かご制御装置21側のデータ伝送装置22と、エレベータ制御装置1側のデータ伝送装置2と、エレベータ制御装置1とを備え、乗かご制御装置21側のデータ伝送装置22とエレベータ制御装置1側のデータ伝送装置2との間のデータ伝送をパケット単位で行うようにしたエレベータにおいて、エレベータ制御装置1側のデータ伝送装置2は、パケットの伝送異常を検出した場合に、パケット送信制御手段43がパケットの重要度を判断し、エレベータ制御装置1は、パケット送信制御手段43がエレベータの安全に関わる重要度の高いパケットであると判断したとき、エレベータ停止信号設定手段46が出力するエレベータ停止信号により、エレベータを停止させるようにした技術。」 第4 対比 本願発明(以下、「前者」ともいう。)と引用発明(以下、「後者」ともいう。)とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。 ・後者における「エレベータかご3」は、前者における「エレベータかご」に相当し、以下同様に、「ホール」は「乗場」に、「第1のインターフェイス部」は「第1通信コントローラ」に、「直列伝送線5」は「シリアル通信ネットワーク」に、「各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6の伝送線」は「個別通信線」に、「入出力I/F回路8及び直列伝送I/F回路9からなる第2のインターフェイス部」又は「第2のインターフェイス部」は「第2通信コントローラ」に、「制御用マイコン16」は「制御手段」に、「エレベータ制御装置」は「エレベータシステム」に、それぞれ相当する。 したがって、両者は、 「エレベータかご又は昇降路もしくは乗場に設置され、前記エレベータかご内又は昇降路内又は乗場の、前記エレベータかごの巻上機およびブレーキを含まないエレベータ設備と接続される第1通信コントローラと、 前記第1通信コントローラとシリアル通信ネットワーク及び個別通信線で接続されて通信を行い、前記第1通信コントローラから前記エレベータ設備の情報を取得する第2通信コントローラと、 前記第2通信コントローラに接続され、前記エレベータ設備の情報を基に前記エレベータかごの運転を制御する制御手段とを備え、 前記個別通信線は前記シリアル通信ネットワークで通信される信号とは別に個別に信号を通信する、 エレベータシステム。」の点で一致し、以下の点で相違している。 (1)相違点1 「制御手段」に関し、本願発明においては、「エレベータ設備の情報を基に巻上機及びブレーキを制御することによりエレベータかごの運転を制御する」のに対して、引用発明においては、「エレベータ設備の情報を基にエレベータかご3の運転を制御する」ものの、巻上機及びブレーキを制御するものであるか否か明らかでない点(以下、「相違点1」という。)。 (2)相違点2 本願発明においては、「第1通信コントローラは、シリアル通信ネットワークで、通信エラーが発生した場合に通信エラーの内容や通信情報の種別を個別通信線を用いて第2通信コントローラへ送信し、 第2通信コントローラは、第1通信コントローラが送信した通信エラーの内容や通信情報の種類を判断し、 制御手段は、第2通信コントローラの判断に基づきエレベータかごを運転継続し、または最寄階停止し、または非常停止させる」のに対して、 引用発明においては、第1のインターフェイス部、第2のインターフェイス部及び制御用マイコン16がそのような動作をするか否か不明(第1のインターフェイス部が、直列伝送線5で、通信エラーが発生した場合に通信エラーの内容や通信情報の種別を各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6の伝送線を用いて第2のインターフェイス部へ送信し、第2のインターフェイス部が、第1のインターフェイス部が送信した通信エラーの内容や通信情報の種類を判断し、制御用マイコン16が、第2のインターフェイス部の判断に基づきエレベータかご3を運転継続し、または最寄階停止し、または非常停止させるか否か不明)である点(以下、「相違点2」という。)。 第5 判断 上記相違点について検討する。 1 相違点1について 当審拒絶理由に引用された、本件出願前に頒布された刊行物である特開2003-300680号公報(特に、段落【0027】ないし【0035】、【0040】及び【0041】並びに図1ないし3)に記載されているように、「エレベータかごの運転を制御する制御手段において、エレベータかごの巻上機およびブレーキを含まないエレベータ設備の情報を基に、巻上機及びブレーキを制御することによりエレベータかごの運転を制御すること」は、本件出願の出願前にごく普通に行われていること(以下、「周知技術」という。)である。 そうすると、引用発明において、周知技術に基づき、上記相違点1に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 2 相違点2について (1)相違点2の検討に先立ち、刊行物2記載の技術を本願発明の発明特定事項の用語又はその上位概念の用語を用いて表現するために、本願発明と刊行物2記載の技術(以下、「後者2」ともいう。)との対応関係について、その機能、構造又は技術的意義を考慮して検討する。 ・後者2における「第1の伝送インターフェース11」は前者における「第1通信コントローラ」に相当し、以下同様に、「第2の伝送インターフェース31」は「第2通信コントローラ」に、「エレベータの通信制御装置」は「エレベータシステム」に、「第1の伝送路101で、第1の伝送路101の断線などの故障による共通信号の有無や、共通信号の形式、構成が異常であることにより、通信が正常に行われていないと判断された場合」は「通信エラーが発生した場合」に、それぞれ相当する。 ・後者2における「群管理制御装置1」は、前者における「エレベータかごの巻上機およびブレーキを含まないエレベータ設備」に、「一方の設備」という限りにおいて一致する。 ・後者2における「エレベータ制御装置2」は、前者における「巻上機及び前記ブレーキを制御することにより前記エレベータかごの運転を制御する制御手段」に、「他方の設備」という限りにおいて一致する。 ・後者2における「第1の伝送路101」は、前者における「シリアル通信ネットワーク」に、「第1の通信線」という限りにおいて一致する。 ・後者2における「第3の伝送路103」は、前者における「個別通信線」に、「第2の通信線」という限りにおいて一致する。 ・後者2における「共通信号の入力先を、第1の伝送路101から第3の伝送路103に切り替える」は、前者における「通信エラーの内容や通信情報の種別を前記個別通信線を用いて前記第2通信コントローラへ送信」するに、「所定の信号を第2の通信線を用いて第2通信コントローラへ送信する」という限りにおいて一致する。 したがって、刊行物2記載の技術は、本願発明の用語又は本願発明の上位概念の用語で表現すると、次のとおりの技術ということができる。 「一方の設備の第1通信コントローラと、他方の設備の第2通信コントローラとを、第1の通信線及び第2の通信線を介して接続したエレベータシステムにおいて、 第2通信コントローラは、第1の通信線で、第1の通信線の通信エラーが発生した場合には、所定の信号を第2の通信線を用いて第2通信コントローラへ送信するようにした技術。」 (2)同様に、刊行物3記載の技術を本願発明の発明特定事項の用語又はその上位概念の用語を用いて表現するために、本願発明と刊行物3記載の技術(以下、「後者3」ともいう。)との対応関係について、その機能、構造又は技術的意義を考慮して検討する。 ・後者3における「乗かご制御装置21側のデータ伝送装置22」は前者における「第1通信コントローラ」に相当し、以下同様に、「エレベータ制御装置1側のデータ伝送装置2」は「第2通信コントローラ」に、「エレベータ」は「エレベータシステム」に、「パケット送信制御手段」は「第2通信コントローラ」に、「エレベータ制御装置1」は「制御手段」に、それぞれ相当する。 ・後者3における「シリアル通信ネットワーク及び個別通信線で接続されて通信を行」うは、前者における「データ伝送をパケット単位で行う」に、「通信を行う」という限りにおいて一致する。 ・後者3における「パケットの重要度」は、前者における「通信情報の種別」又は「通信情報の種類」に相当し、前者における「通信エラーの内容や通信情報の種別」は、「通信エラーの内容」及び「通信情報の種別」のいずれか一方を示すものであり、また、前者における「通信エラーの内容や通信情報の種類」は、「通信エラーの内容」及び「通信情報の種類」のいずれか一方を示すものである。 そうすると、後者3における「エレベータ制御装置1側のデータ伝送装置2は、パケットの伝送異常を検出した場合に、パケット送信制御手段43がパケットの重要度を判断し」は、前者における「第2通信コントローラは、第1通信コントローラが送信した通信エラーの内容や通信情報の種類を判断し」に相当する。 ・後者3における「エレベータ制御装置1は、パケット送信制御手段43がエレベータの安全に関わる重要度の高いパケットであると判断したとき、エレベータ停止信号設定手段46が出力するエレベータ停止信号により、エレベータを停止させる」は、重要度の高くないパケットであると判断した場合にはエレベータかごを運転継続することは明らかであるから、前者における「制御手段は、第2通信コントローラの判断に基づきエレベータかごを運転継続し、または最寄階停止し、または非常停止させる」に、「制御手段は、第2通信コントローラの判断に基づきエレベータかごを運転継続し、または停止させる」という限りにおいて一致する。 したがって、刊行物3記載の技術は、本願発明の用語又は本願発明の上位概念の用語で表現すると、次のとおりの技術ということができる。 「第1通信コントローラと、第2通信コントローラと、エレベータ制御装置1とを備え、第1通信コントローラと第2通信コントローラとの間のデータ伝送をパケット単位で行うようにしたエレベータシステムにおいて、第2通信コントローラは、第1通信コントローラが送信した通信エラーの内容や通信情報の種類を判断し、制御手段は、第2通信コントローラの判断に基づきエレベータかごを運転継続し、または停止させるようにした技術。」 (3)そこで上記相違点2について検討すると、刊行物2記載の技術は、通信エラーが発生した場合でも、情報の伝送を行うことを可能とするものである(刊行物2における段落【0005】、【0007】及び【0012】を参照。)ところ、エレベータにおいて、一方の設備と他方の設備との間の通信エラーが発生し、情報が伝送できないと、エレベータの制御に支障があるため、通信エラーの発生を防止すること及び通信エラー発生時にエレベータの制御に必要な情報の伝送を確保することは、普遍的な課題であり、引用発明においても、第1のインターフェイス部と第2のインターフェイス部との間の通信エラーの発生を防止すること及び通信エラーの発生時にエレベータの制御に必要な情報の伝送を確保することは内在する課題であるから、引用発明において、刊行物2記載の技術を適用し、第1のインターフェイス部(本願発明の「第1通信コントローラ」に相当。括弧内は、以下同様。)が、直列伝送線5(シリアル通信ネットワーク)で、通信エラーが発生した場合にエレベータの制御に必要な情報を各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6の伝送線(個別通信線)を用いて第2のインターフェイス部(第2通信コントローラ)と通信するようにすることは、当業者が容易に想到できたことである。 ここで、直列伝送線5(シリアル通信ネットワーク)を用いて通信する予定の情報を、各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6の伝送線(個別通信線)を用いて通信することは、情報の通信形式をシリアル-パラレル変換することによって可能であり、技術的な困難性はない。 また、刊行物3記載の技術は、情報の伝送異常(通信エラー)によるエレベータの誤制御を防止するものである(刊行物3における段落【0010】及び【0029】を参照。)ところ、エレベータにおいて、一方の設備と他方の設備との間の情報の通信エラーにより、誤制御のおそれがあるため、情報の通信エラーによるエレベータの誤制御を防止することは、普遍的な課題であり、引用発明においても、情報の通信エラーによるエレベータの誤制御を防止することは内在する課題であるから、引用発明において、刊行物3記載の技術を適用し、第2のインターフェイス部(本願発明の「第2通信コントローラ」に相当。括弧内は、以下同様。)が、通信エラーの内容や通信情報の種類を判断し、制御用マイコン16(制御手段)が、第2のインターフェイス部(第2通信コントローラ)の判断に基づきエレベータかご3(エレベータかご)を運転継続し、または停止させるようにすることは、当業者が容易に想到できたことである。 ここで、エレベータにおいて、異常(例えば、地震等)の発生時にエレベータかごを最寄り階停止又は非常停止させることは、本件出願の出願前にごく普通に行われていること(以下、「慣用技術」という。)であるから、引用発明において、刊行物3記載の技術を適用する際、慣用技術に倣って 制御用マイコン16(制御手段)が、第2のインターフェイス部(第2通信コントローラ)の判断に基づきエレベータかご3(エレベータかご)を運転継続し、または最寄階停止し、または非常停止させることは、当業者が適宜なし得ることである。 ところで、引用発明において、刊行物2記載の技術及び刊行物3記載の技術を適用すると、第1のインターフェイス部(第1通信コントローラ)及び第2のインターフェイス部(第2通信コントローラ)の間で双方向に通信がされることから、通信エラーの発生は、第1のインターフェイス部(第1通信コントローラ)及び第2のインターフェイス部(第2通信コントローラ)のいずれかにおいて検出されるところ、第1のインターフェイス部(第1通信コントローラ)側で通信エラーが発生したことを検出するときにおいては、第1のインターフェイス部(第1通信コントローラ)は、直列伝送線5(シリアル通信ネットワーク)で、通信エラーが発生した場合に通信エラーの内容や通信情報の種別を各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6の伝送線(個別通信線)を用いて第2のインターフェイス部(第2通信コントローラ)へ送信し、第2のインターフェイス部(第2通信コントローラ)は、第1のインターフェイス部(第1通信コントローラ)が送信した通信エラーの内容や通信情報の種類を判断するものとなる。 なお、刊行物2記載の技術において、第3の伝送路103がエレベータ制御装置2への共通信号をそのまま伝送するものであるとしても、引用発明において、刊行物2記載の技術及び刊行物3記載の技術を適用することにより、引用発明における各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6の伝送線(個別信号線)を用いて通信エラーの内容や通信情報の種別を送信するように構成することが格別困難であるとはいえない。 そうすると、引用発明において、刊行物2記載の技術、刊行物3記載の技術及び慣用技術に基づき、第1のインターフェイス部(第1通信コントローラ)が、直列伝送線5(シリアル通信ネットワーク)で、通信エラーが発生した場合に通信エラーの内容や通信情報の種別を各種かご接点入出力信号4や各種昇降路入出力接点信号6の伝送線(個別通信線)を用いて第2のインターフェイス部(第2通信コントローラ)へ送信し、第2のインターフェイス部(第2通信コントローラ)が、第1のインターフェイス部(第1通信コントローラ)が送信した通信エラーの内容や通信情報の種類を判断し、制御用マイコン16(制御手段)が、第2のインターフェイス部(第2通信コントローラ)の判断に基づきエレベータかご3(エレベータかご)を運転継続し、または最寄階停止し、または非常停止させるようにし、上記相違点2に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 4 そして、本願発明は、全体としてみても、引用発明、刊行物2記載の技術、刊行物3記載の技術、周知技術及び慣用技術から予測される以上の格別な効果を奏するものではない。 したがって、本願発明は、引用発明、刊行物2記載の技術、刊行物3記載の技術、周知技術及び慣用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 第6 むすび 上記第5のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件出願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-008732

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