特許拒絶査定不服審判
2016-000678
改善された熱摩耗特性を有するトレッドブロック
- 審判番号
- 2016-000678
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2013-546085
- 請求日
- 2016年01月15日
- 審決日
- 2017年06月23日
- 公報発行日
- 2017年08月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム
- 【請求人代理人】西島 孝喜
- 【請求人代理人】弟子丸 健
- 【請求人代理人】田中 伸一郎
- 【請求人代理人】松下 満
- 【請求人代理人】倉澤 伊知郎
- 【請求人】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
- 【請求人代理人】西島 孝喜
- 【請求人代理人】弟子丸 健
- 【請求人代理人】田中 伸一郎
- 【請求人代理人】松下 満
- 【請求人代理人】倉澤 伊知郎
- 審判長/審判官
- 審判長 氏原 康宏
- 審判官 和田 雄二
- 審判官 平田 信勝
- 分類
- P18 .121-WY (B60C) / P18 .536-WY (B60C) / P18 .537-WY (B60C)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2013-546085号「改善された熱摩耗特性を有するトレッドブロック」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 6月28日国際公開、WO2012/087272、平成26年 2月13日国内公表、特表2014-503418号、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2010年12月20日を国際出願日とする出願であって、平成26年4月22日付けで拒絶理由通知がされ、同年7月23日に意見書及び手続補正書が提出され、平成27年1月8日付けで拒絶理由通知がされ、同年27年4月8日に意見書及び手続補正書が提出され、同年9月11日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対し、平成28年1月15日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、平成29年1月10日付けで拒絶理由通知(以下「当審拒絶理由通知」という。)がされ、同年4月10日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1ないし14に係る発明(以下「本願発明1ないし14」という。)は、平成29年4月10日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された事項により特定されるとおりの発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明であると認められる。
「【請求項1】
大型車両用タイヤであって、
タイヤ操作中の地面接触用のトレッド部;
前記トレッド部中に配置された少なくとも1つのトレッドブロックであって、地面接触表面を規定し、重心を有し、半径方向に沿った高さHを有するトレッドブロック;さらに前記トレッドブロックに規定され、前記トレッドブロックの地面接触表面に沿って開口している開口部であって、前記トレッドブロックの重心と半径方向で整列し、半径方向に沿った前記トレッドブロック内の前記開口部の最も深い部分の非ゼロ深さDが、前記トレッドブロックの高さHの0.25未満である開口部;
を含み、
前記開口部が、投影表面積S1を有し、前記トレッドブロックが非開口地面接触表面積S2を有し、S1のS2に対する比率が5パーセント~25パーセントの範囲にある、
タイヤ。」
なお、本願発明2ないし14は、本願発明1を減縮した発明である。
第3 刊行物
1 刊行物1について
原査定の拒絶の理由に引用された特開2001-55017号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。下線は実施例1の下線部を除いて当審で付与した。以下同様。
(1a)「【請求項2】 トレッドの周方向に延びる2本の周方向溝と、該周方向溝によって画成された3本のリブとを備え、前記リブのうち両側のショルダーリブがその全幅にわたるタイヤ幅方向に沿って延びるラグ溝を有するリブラグ型パターンの空気入りタイヤにおいて、ショルダーリブ間のセンターリブが周方向に沿って複数の閉鎖溝を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項3】 前記センターリブは周方向に隣り合う閉鎖溝間に両周方向溝に開口する連結溝を有し、該連結溝の深さが周方向溝対比10~100%の範囲内である請求項2記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】 前記閉鎖溝の面積Aが踏面部のパターン1ピッチ当たりに占める割合が、当該踏面部のパターン1ピッチ当たりの面積Sを次式、
S=P×Tw
(式中、Pは1ピッチの周方向長さ、Twはトレッド幅を表す)で規定した場合、次式、
A/S×100=0.5~20(%)
で表される関係を満足する請求項1~3のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】 前記閉鎖溝の溝深さが周方向溝対比20~100%の範囲内である請求項1~4のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。」
(1b)「【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。
実施例1
図1、7および8に示すトレッドパターンを有するサイズ12R22.5の空気入りラジアルタイヤを試作した。これらを夫々実施例1~3とする。実施例1のタイヤのトレッドパターンの各値は下記の通りであり、実施例2および実施例3のタイヤについても基本的に実施例1のタイヤに準じて各値を定めた。
【0019】トレッド幅(Tw):236mm
周方向溝1a、1bの深さ:21.1mm
(ラグ溝3a、3c)
深さ:21.1mm
幅:31.5mm(ショルダー端部において)
(閉鎖溝4)
深さ:12.4mm(周方向溝対比58.8%)
閉鎖溝の占める割合(A/S×100):1.6%
周方向に対する角度(θ):30°
幅:9.3mm
ピッチ長さP:71.5mm×SL
(センターリブの連結溝5)
深さ:13.9mm(周方向溝対比65.9%)
幅:11mm
・・・
【0021】実施例および比較例のタイヤを内圧8.7kgf/cm2にて2DD形式のダンプの車両に装着して約15万kmの実車走行試験を行い、耐摩耗性の評価を行った。」
(1c)以下の図1、図5が記載されている。
以上によれば、刊行物1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「トレッドの周方向に延びる2本の周方向溝と、該周方向溝によって画成された3本のリブとを備え、前記リブのうち両側のショルダーリブがその全幅にわたるタイヤ幅方向に沿って延びるラグ溝を有するリブラグ型パターンの空気入りタイヤにおいて、ショルダーリブ間のセンターリブが周方向に沿って複数の閉鎖溝を有し、
前記センターリブは周方向に隣り合う閉鎖溝間に両周方向溝に開口する連結溝を有し、
前記閉鎖溝の面積Aが踏面部のパターン1ピッチ当たりに占める割合が、当該踏面部のパターン1ピッチ当たりの面積Sを次式、
S=P×Tw
(式中、Pは1ピッチの周方向長さ、Twはトレッド幅を表す)で規定した場合、次式、
A/S×100=0.5~20(%)
で表される関係を満足し、
前記閉鎖溝の溝深さが周方向溝対比20~100%の範囲内である
空気入りタイヤ。」
2.刊行物2について
原査定の拒絶の理由に引用された特開平5-96913号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(2a)「【請求項1】 深溝によって区画されたブロックを有する重荷重用空気入りタイヤであって、
開口面積が前記ブロックの踏面面積1に対して0.01~0.06の範囲に設定された開口部を有し前記深溝の溝深さの1/4~3/4の範囲の深さに形成されると共に前記開口部側が底面側よりも広くされた小穴を前記ブロックの中央部に設けたことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。」
(2b)「【0009】
【作用】請求項1記載の発明の重荷重用空気入りタイヤでは、ブロックの中央部に小穴が設けられているため、ブロックの耐摩耗性確保のためにブロックを大型化してもブロック内部で発生した熱は小穴を介して外部へ放出される。このため、ブロック内の温度上昇が抑制され、ブロックの劣化が防止される。さらに、この小穴は、開口部が長尺状とされているために小石等が咬み込みにくく、仮に咬み込みが起こっても開口部側が徐々に広くされいるため小穴から即座に排出される。したがって、石の咬み込によるベルトの損傷を起こす恐れがない。なお、小穴の深さが深溝の溝深さの1/4よりも小さい場合には放熱効果が少なく、4/5よりも深い場合にはブロックの剛性が低下するため好ましくない。また、小穴の開口面積がブロックの踏面面積1に対して0.01未満の場合には放熱の効果が少なく、0.06を超える場合には、ブロックの剛性が低下して耐摩耗性が悪化するため好ましくない。」
第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「空気入りタイヤ」は、12R22.5のサイズで、2DD形式のダンプの車両への装着が想定されているので(上記摘示(1b))、本願発明1の「大型車両用タイヤ」に相当するといえる。
イ 引用発明の「トレッド」は、技術常識に照らし、本願発明1の「タイヤ操作中の地面接触用のトレッド部」に相当するといえる。
ウ 引用発明の「センターリブ」は、「トレッドの周方向に延びる2本の周方向溝」「によって画成され」、「周方向に隣り合う閉鎖溝間に両周方向溝に開口する連結溝を有」するものであり、これと図1(上記摘示(1c))を併せみると、両周方向溝と連結溝とに囲まれたセンターリブ部分を把握することができる。そして、かかるセンターリブ部分は、地面と接触する面、周方向溝及び連結溝の溝底からタイヤ半径方向に沿った高さ、及び重心を有する、トレッドに配置された一つのブロックとして把握することができるから、本願発明1の「前記トレッド部中に配置された少なくとも1つのトレッドブロックであって、地面接触表面を規定し、重心を有し、半径方向に沿った高さHを有するトレッドブロック」に相当するといえる。
エ 引用発明の「閉鎖溝」は、図1を参酌すると、ウで述べたセンターリブ部分の地面と接触する面に沿って開口していることが明らかであるから、本願発明1の「前記トレッドブロックに規定され、前記トレッドブロックの地面接触表面に沿って開口している」「開口部」に相当するといえる。
以上より、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
<一致点>
「大型車両用タイヤであって、
タイヤ操作中の地面接触用のトレッド部;
前記トレッド部中に配置された少なくとも1つのトレッドブロックであって、地面接触表面を規定し、重心を有し、半径方向に沿った高さHを有するトレッドブロック;さらに前記トレッドブロックに規定され、前記トレッドブロックの地面接触表面に沿って開口している開口部;
を含む、
タイヤ。」
<相違点>
本願発明1は、開口部が「トレッドブロックの重心と半径方向で整列」するように配置されるものであって、「半径方向に沿った前記トレッドブロック内の前記開口部の最も深い部分の非ゼロ深さDが、前記トレッドブロックの高さHの0.25未満であ」り、「前記開口部が、投影表面積S1を有し、前記トレッドブロックが非開口地面接触表面積S2を有し、S1のS2に対する比率が5パーセント~25パーセントの範囲にある」という構成を備えているのに対し、引用発明では、閉鎖溝がそのように配置されるものか特定されておらず、「前記閉鎖溝の溝深さが周方向溝対比20~100%の範囲内であ」り、「前記閉鎖溝の面積Aが踏面部のパターン1ピッチ当たりに占める割合が、当該踏面部のパターン1ピッチ当たりの面積Sを次式、
S=P×Tw
(式中、Pは1ピッチの周方向長さ、Twはトレッド幅を表す)で規定した場合、次式、
A/S×100=0.5~20(%)
で表される関係を満足」する構成を備えている点。
(2)相違点についての判断
刊行物2には、上記摘示(2a)に記載のとおり、「深溝によって区画されたブロックを有する重荷重用空気入りタイヤであって、開口面積が前記ブロックの踏面面積1に対して0.01~0.06の範囲に設定された開口部を有し前記深溝の溝深さの1/4~3/4の範囲の深さに形成されると共に前記開口部側が底面側よりも広くされた小穴を前記ブロックの中央部に設けた重荷重用空気入りタイヤ」が記載されており、刊行物2に記載の「深溝によって区画されたブロック」は本願発明1の「1つのトレッドブロック」に相当し、以下同様に、「重荷重用空気入りタイヤ」は「大型車両用タイヤ」に、「開口面積」は「投影表面積S1」に、「踏面面積」は「非開口地面接触表面積S2」に、「開口部」は「開口」に、「小穴」は「開口部」に、「深溝の溝深さ」は「トレッドブロックの高さH」に、「小穴」の「深さ」は「開口部の最も深い部分の非ゼロ深さD」に、それぞれ相当するといえるから、刊行物2には、小穴の深さ〔開口部の最も深い部分の非ゼロ深さD〕が、深溝の溝深さ〔トレッドブロックの高さH〕の0.25~0.75であり、かかる小穴の開口面積〔投影表面積S1〕のブロックの踏面面積〔トレッドブロックの非開口地面接触表面積S2〕に対する比率が1パーセント~6パーセントの範囲にある技術が記載されているといえる(以下「刊行物2の技術事項」という。なお、〔〕内の記載事項は、本願発明1の対応する構成を示す。)。
刊行物2の技術事項によれば、開口面積に係る数値限定、すなわち、本願発明1のS1のS2に対する比率に係る数値限定において、5パーセント~6パーセントの範囲において一部数値範囲が重複する部分を有するものの、小穴の深さに係る数値限定、すなわち、本願発明1の非ゼロ深さDとトレッドブロックの高さの比に係る数値限定においては、数値範囲が完全に外れていることがわかる。
ここで、刊行物2には、「小穴の深さが深溝の溝深さの1/4よりも小さい場合には放熱効果が少なく、4/5よりも深い場合にはブロックの剛性が低下するため好ましくない。また、小穴の開口面積がブロックの踏面面積1に対して0.01未満の場合には放熱の効果が少なく、0.06を超える場合には、ブロックの剛性が低下して耐摩耗性が悪化するため好ましくない。」(上記摘示(2b))と記載されているように、刊行物2の技術事項における、小穴の深さ及び開口面積に係る数値限定の技術的意義は、トレッドブロックにおける放熱性と剛性(耐摩耗性)を確保するという点で共通するということができるから、刊行物2の技術事項においては、いずれか一方の数値限定が満たされれば足りるということは想定されていないというべきである。
そうすると、引用発明に対し、刊行物2の技術事項を適用するに当たり、開口面積に係る数値限定、すなわち、本願発明1のS1のS2に対する比率に係る数値限定のみを切り離して適用することに合理的な理由はなく、小穴の深さに係る数値限定、すなわち、本願発明1の非ゼロ深さDとトレッドブロックの高さの比に係る数値限定を一体のものとして適用することに合理性があるというべきであるから、引用発明に刊行物2の技術事項を適用しても、少なくとも相違点に係る本願発明1の「前記開口部の最も深い部分の非ゼロ深さDが、前記トレッドブロックの高さHの0.25未満であ」るという構成に至ることはなく、相違点に係る本願発明1の構成は、引用発明及び刊行物2の技術事項に基づいて、当業者が容易に想到しうるものではないというべきである。
また、引用発明では、閉鎖溝〔開口部〕の面積A〔投影表面積S1〕の比率は、トレッドの幅Twと踏面部のパターン1ピッチの周方向長さの積で算出される面積Sに対する比率として求められるものであり、かかる面積Sは、刊行物2の技術事項のブロックの踏面面積〔非開口地面接触表面積S2〕とは直接関連性のないパラメータといえることから、引用発明の前記面積Aの前記面積Sに対する比率と刊行物2の技術事項の前記開口面積の前記ブロックの踏面面積に対する比率とは、そもそも置換可能な関係にあるということもできない。すなわち、引用発明において、「前記閉鎖溝の面積Aが踏面部のパターン1ピッチ当たりに占める割合が、当該踏面部のパターン1ピッチ当たりの面積Sを次式、
S=P×Tw
(式中、Pは1ピッチの周方向長さ、Twはトレッド幅を表す)で規定した場合、次式、
A/S×100=0.5~20(%)
で表される関係を満足」する構成に代えて、刊行物2の技術事項である「小穴の開口面積〔投影表面積S1〕のブロックの踏面面積〔トレッドブロックの非開口地面接触表面積S2〕に対する比率を1パーセント~6パーセントの範囲に設定した技術」を適用すること自体、当業者が容易に想到しうることということはできない。
さらにいうと、引用発明において、「閉鎖溝の溝深さ」の「周方向溝」に対する比率、すなわち上記相違点に係る本願発明1の構成の「開口部の最も深い部分の非ゼロ深さD」の「トレッドブロックの高さH」に対する比率についてみると、引用発明では、比率が20%~100%の範囲がよいとされており、特に図5(上記摘示(1c))を参照すると、40%~100%の範囲で発熱耐久性が向上していることが理解できるところ、本願発明1では、比が0.25未満、比率にすると25%未満がよいとされており、20%~25%の範囲において重複する領域はあるものの、本願発明1において望ましくないとされる数値範囲が引用発明は望ましい数値範囲として理解できるものである。
そうすると、引用発明において、かかる比率の数値範囲の上限を25%未満とする合理的な理由はないから、上述のとおり、比率の数値範囲の一部が重複するとしても、これをもって直ちに、上記相違点に係る本願発明1の「前記開口部の最も深い部分の非ゼロ深さDが、前記トレッドブロックの高さHの0.25未満であ」るとする構成について、当業者が容易に想到しうることということはできない。
以上より、本願発明1は、引用発明及び刊行物2の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
2 本願発明2ないし14について
本願発明2ないし14は本願発明1を減縮するものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明及び刊行物2の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
第5 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定は、請求項1ないし14について上記刊行物1及び2に加え、刊行物3(特開昭63-162306号公報)、刊行物4(特開2010-120534号公報)及び刊行物5(特開2009-196425号公報)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。
しかしながら、本願発明1ないし14については、上記「第4 1(2)及び2」において判断したように、少なくとも上記相違点に係る本願発明1の構成は刊行物1に記載された発明(引用発明)及び刊行物2の技術事項から、当業者が容易に想到しうるものということはできず、上記刊行物3ないし5についても、上記相違点に係る本願発明1の構成の数値限定に係る構成について記載ないし示唆するものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第6 当審拒絶理由について
当審において通知した、特許法第36条第6項第1号及び2号、並びに第4項第1号についての拒絶の理由は、平成29年4月10日付け手続補正により補正された結果、これらの拒絶の理由は解消した。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明1ないし14は、当業者が引用発明、刊行物2の技術事項、刊行物3ないし5に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由及び当審の拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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