特許拒絶査定不服審判
2015-020642
樹脂複合材料及び樹脂複合材料の製造方法
- 審判番号
- 2015-020642
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2011-237545
- 請求日
- 2015年11月19日
- 審決日
- 2017年12月05日
- 公報発行日
- 2018年01月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】積水化学工業株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 祥吾
- 審判官 上坊寺 宏枝
- 審判官 守安 智
- 分類
- P18 .113-WYF(C08L) / P18 .121-WYF(C08L) / P18 .16 -WYF(C08L) / P18 .537-WYF(C08L) / P18 .536-WYF(C08L) / P18 .03 -WYF(C08L)
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2011-237545「樹脂複合材料及び樹脂複合材料の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 6月 7日出願公開、特開2012-107233、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
本願は、平成23年10月28日(優先権主張 平成22年10月28日)の出願であって、その請求項1ないし8に係る発明は、平成29年10月6日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
ただし、平成22年10月28日付出願を基礎とする優先権主張は、以下の理由により認めることができない。
本願請求項1ないし8に係る発明において、樹脂複合材料は、合成樹脂微粒子に薄片化黒鉛が分散されたものである。
しかしながら、優先権の主張の基礎となる先の出願(特願2010-241950号、以下、「先の出願」という。)の出願当初の明細書および特許請求の範囲(以下、「当初明細書等」という。)には、樹脂複合材料は、合成樹脂に薄片化黒鉛が分散されたものとされるものの、合成樹脂を微粒子の形態とすることの記載は何ら存在せず、樹脂複合材料の製造方法として合成樹脂の溶液に薄片化黒鉛の分散液を混合することが記載され、その製造方法により樹脂複合材料を製造した具体例として本願明細書中の実施例1、2と同じ実施例1、2のみが記載されており、これらの実施例は樹脂微粒子の形態にないものであることは、請求人が平成29年4月19日提出の回答書においても認めている。
そして、合成樹脂に薄片化黒鉛等のフィラーを分散させるにあたり、合成樹脂を樹脂微粒子の形態とすることは自明な事項ではなく、本願明細書の段落【0028】において「上記合成樹脂は、粒子径20nm~30μmの樹脂微粒子であることが好ましい。その場合には、合成樹脂と薄片化黒鉛の接触面積が大きくなる。そのため、樹脂複合材料の燃焼後の燃焼残渣が効果的に増加する。従って、樹脂複合材料の難燃性を効果的に高めることができる。」と記載され、平成27年11月19日提出の審判請求書においても、「本願発明においては、上記のように合成樹脂微粒子を用いているので、本願明細書の段落[0028]に記載されているように、合成樹脂と薄片化黒鉛との接触面積を大きくすることができ、その結果、樹脂複合材料の難燃性を効果的に高めることができます。」と述べるように、明らかに新たな技術的事項を導入するものといえる。(なお、本願明細書の段落【0028】に相当する記載は、先の出願には存在しない。)
よって、本願請求項1ないし8に係る発明は、先の出願の当初明細書等に記載した事項の範囲内のものとはいえないから、国内優先権の主張の効果は認められない。
そして、本願については、原査定の拒絶理由および当審が通知した拒絶理由を検討してもそれらの理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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