特許拒絶査定不服審判
2015-017782
ε型銅フタロシアニン顔料及びそれを用いたカラーフィルタ用顔料組成物
- 審判番号
- 2015-017782
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2011-198219外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2015年09月30日
- 審決日
- 2017年02月13日
- 公報発行日
- 2017年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .561-WZ (C09B) / P18 .55 -WZ (C09B) / P18 .537-WZ (C09B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法17条の2第3項特許法36条6項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2011-198219「ε型銅フタロシアニン顔料及びそれを用いたカラーフィルタ用顔料組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 4月 4日出願公開、特開2013- 60487〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
1.手続の経緯
本願は、平成23年9月12日に特許出願され、平成27年2月6日付けの拒絶理由通知に対して、平成27年3月13日付けで意見書の提出がなされ、
平成27年8月7日付けの拒絶査定に対して、平成27年9月30日付けで審判請求がなされ、
平成28年9月9日付けの拒絶理由通知に対して、平成28年11月4日付けで意見書の提出とともに手続補正がなされ、
平成28年11月17日付けの拒絶理由通知(最後)に対して、平成29年1月10日付けで意見書の提出とともに手続補正がなされたものである。
2.平成29年1月10日付け手続補正についての補正の却下の決定
〔補正の却下の決定の結論〕
平成29年1月10日付け手続補正を却下する。
〔理由〕
(1)補正の内容
平成29年1月10日付け手続補正(以下「第2回目の手続補正」という。)は、補正前の請求項1における
「広角X線回折スペクトルに基づき(式1)により算出されるε化率が65~75であり、且つ、ブラッグ角2θが7.7°における半値幅が0.56°~0.75°であり、且つブラッグ角2θが9.3°における半値幅が0.66°~0.85°であることを特徴とするε型銅フタロシアニン顔料。
ε化率=(1-A/B)×100 (式1)
(式中、Aは、ブラッグ角2θ=6.8°における絶対強度、Bはブラッグ角2θ=7.6°における絶対強度を表す。)。」との記載を、補正後の請求項1における
「広角X線回折スペクトルに基づき(式1)により算出されるε化率が65~75であり、且つ、ブラッグ角2θが7.7°における半値幅が0.56°~0.75°であり、且つブラッグ角2θが9.3°における半値幅が0.66°~0.85°であることを特徴とするε型銅フタロシアニン顔料。
ε化率=(1-A/B)×100 (式1)
(式中、Aは、ブラッグ角2θ=6.8°における絶対強度、Bはブラッグ角2θ=7.6°±0.1°におけるピークの絶対強度を表す。)。」との記載に改める補正を含むものである。
(2)補正の適否
ア.はじめに
補正後の請求項1の記載には「Aは、ブラッグ角2θ=6.8°における絶対強度」という事項が導入されているところ、当該事項が『当業者によって、明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項であり、補正が、このようにして導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものである』か否か〔参考判決:平成18年(行ケ)第10563号〕について、以下に検討する。
イ.当初明細書等の記載
本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)には、次のとおりの記載がある。
「【請求項1】広角X線回折スペクトルに基づき(式1)により算出されるε化率が65~75であり、且つ、ブラッグ角2θが7.7°における半値幅が0.56°~0.75°であり、且つブラッグ角2θが9.3°における半値幅が0.66°~0.85°であることを特徴とするε型銅フタロシアニン顔料。
ε化率=(1-A/B)×100 (式1)
(式中、Aは、ブラッグ角2θ=6.8°±0.1°におけるピークの絶対強度、Bはブラッグ角2θ=7.6°±0.1°におけるピークの絶対強度を表す。)。」
「【0012】即ち本発明は、広角X線回折スペクトルに基づき(式1)により算出されるε化率が65~75であり、且つ、ブラッグ角2θが7.7°における半値幅が0.56°~0.75°であり、且つブラッグ角2θが9.3°における半値幅が0.66°~0.85°であることを特徴とするε型銅フタロシアニン顔料を提供する。
ε化率=(1-A/B)×100 (式1)
(式中、Aは、ブラッグ角2θ=6.8°±0.1°におけるピークの絶対強度、Bはブラッグ角2θ=7.6°±0.1°におけるピークの絶対強度を表す。)。」
「【0064】(実施例1)
平均粒子径80nmのε型銅フタロシアニン顔料(FASTOGEN(登録商標) Blue AE-8(DIC株式会社製ε型銅フタロシアニン顔料、粉末X線回折の7.7°の半値幅は0.35°、9.3°の半値幅は、0.42°で、ε化率は81であった。))85部、銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体5部、アクリル系樹脂10部、粉砕した塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール210部をニーダー中で、内容物の温度を80~90℃に保って10時間湿式摩砕を行った。その後、内容物の温度を100℃として湿式摩砕を2時間行い、完了した。得られた内容物を大過剰の水で洗浄、濾過し、ろ液の比電導度が原水の比電導度+20μS/cm以下となるまで水洗することによって、ε型銅フタロシアニン顔料組成物のウエットケーキを得た。得られたウエットケーキをビーカーに移し、60~70℃の水4300部を加え、攪拌分散してスラリーとした。引き続き、425部の20%塩酸を前記顔料スラリー中に添加し、液温60℃を保ちながら1時間攪拌した。その後、濾過、温水洗浄、乾燥、粉砕し、ε型銅フタロシアニン顔料を得た。粉末X線回折の7.7°の半値幅は0.668°、9.3°の半値幅は、0.802°で、ε化率は70%であった。」
ウ.対比・判断
当初明細書等の請求項1及び段落0012の記載においては、その「ε化率=(1-A/B)×100」という「式1」で表される「ε化率」について、そのAを「ブラッグ角2θ=6.8°±0.1°におけるピークの絶対強度」として「ε化率」が定義されている。
これに対して、第2回目の手続補正による補正後の請求項1の記載においては、そのAを「Aは、ブラッグ角2θ=6.8°における絶対強度」として「ε化率」が定義されている。
してみると、当初明細書等における「ε化率」の定義と、本件補正の補正後の請求項1の記載における「ε化率」の定義が、相互に異なっている。
そして、出願当初の「6.8°±0.1°」の範囲にある「ピーク」を基準にした絶対強度「A」に基づいて算出される「ε化率」と、第2回目の手続補正による補正後の「6.8°」を基準にした絶対強度「A」に基づいて算出される「ε化率」とは、その技術的意味が明らかに変わることになるから、当該「ε化率」の定義の変更が、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項であるとはいえず、新たな技術的事項を導入しないものであると認めることはできない。
エ.請求人の主張
平成29年1月10日付けの意見書の第2頁において、審判請求人は『該指摘を受けて、当初明細書等に記載した事項の範囲において、「Bはブラッグ角2θ=7.6°±0.1°におけるピークの絶対強度を表す。」との記載に補正をしました。当該補正は、平成28年9月9日起案の拒絶理由通知書に記載の拒絶理由に対して、誤った解釈をした結果、Bはブラッグ角2θ=7.6°における絶対強度を表す。」の補正をしてしまったことを受けて、この度の補正をしたものであり、出願当初のε化率を算出する際に記載したBの定義に戻した補正であります。』と主張している。
これは絶対強度「A」の定義を変えたことに対する反論ではないので、新規事項についての判断を左右するものではない。さらに、仮に「Bはブラッグ角2θ=7.6°における絶対強度を表す」との補正が「誤った解釈をした結果」であり、正しくは「Bはブラッグ角2θ=7.6°±0.1°におけるピークの絶対強度を表す」であったとすると、平成28年11月4日付けの意見書の第11頁の「C)ε化率の算出手順」の結果は、そのBが「5743」ではなく「6267」となり、その「ε化率」が「(1-1710/6267)×100=73%」と算出され、本願明細書の段落0064の「実施例1」における「ε化率は70%であった」という結果と整合しなくなる。このため、上記主張は参酌できない。
オ.まとめ
したがって、第2回目の手続補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものとはいえないので、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしておらず、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、〔補正の却下の決定の結論〕のとおり決定する。
3.本願発明について
(1)本願発明
第2回目の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~9に係る発明は、平成28年11月4日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の記載からみて、その請求項1~9に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
(2)通知された拒絶の理由
ア.理由1(新規事項)及び理由2(サポート要件)
平成28年11月17日付けの拒絶理由通知においては、その〔理由1〕として「平成28年11月4日付けでした手続補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。」との理由と、その〔理由2〕として「この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に適合するものではなく、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない。」との理由が通知されている。
イ.〔理由1〕の概要
上記〔理由1〕の「下記の点」として、平成28年11月17日付けの拒絶理由通知においては、次の点が指摘されている。
「2.理由1について
(1)平成28年11月4日付けの手続補正(以下「第1回目の手続補正」という。)は、本願出願当初の特許請求の範囲の請求項1における「(式中、Aは、ブラッグ角2θ=6.8°±0.1°におけるピークの絶対強度、Bはブラッグ角2θ=7.6°±0.1°におけるピークの絶対強度を表す。)」との記載部分を「(式中、Aは、ブラッグ角2θ=6.8°における絶対強度、Bはブラッグ角2θ=7.6°における絶対強度を表す。)」との記載に改める補正からなるものである。
(2)そこで、補正後の請求項1に導入されている「Aは、ブラッグ角2θ=6.8°における絶対強度」及び「Bはブラッグ角2θ=7.6°における絶対強度」という事項が『当業者によって、明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項であり、補正が、このようにして導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものである』か否か〔参考判決:平成18年(行ケ)第10563号〕について、以下に検討する。
(3)本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)には、次のとおりの記載がある。
「【請求項1】広角X線回折スペクトルに基づき(式1)により算出されるε化率が65~75であり、且つ、ブラッグ角2θが7.7°における半値幅が0.56°~0.75°であり、且つブラッグ角2θが9.3°における半値幅が0.66°~0.85°であることを特徴とするε型銅フタロシアニン顔料。
ε化率=(1-A/B)×100 (式1)
(式中、Aは、ブラッグ角2θ=6.8°±0.1°におけるピークの絶対強度、Bはブラッグ角2θ=7.6°±0.1°におけるピークの絶対強度を表す。)。」
「【0012】即ち本発明は、広角X線回折スペクトルに基づき(式1)により算出されるε化率が65~75であり、且つ、ブラッグ角2θが7.7°における半値幅が0.56°~0.75°であり、且つブラッグ角2θが9.3°における半値幅が0.66°~0.85°であることを特徴とするε型銅フタロシアニン顔料を提供する。
ε化率=(1-A/B)×100 (式1)
(式中、Aは、ブラッグ角2θ=6.8°±0.1°におけるピークの絶対強度、Bはブラッグ角2θ=7.6°±0.1°におけるピークの絶対強度を表す。)。」
「【発明の効果】【0016】本発明のε型銅フタロシアニン顔料は、広角X線回折スペクトルに基づき(式1)により算出されるε化率が65~75であり、且つ、ブラッグ角2θが7.7°における半値幅が0.56°~0.75°であり、且つブラッグ角2θが9.3°における半値幅が0.66°~0.85°を有するので、従来のε型銅フタロシアニン顔料に比べて、微細化と高いε化率を両立するという格別顕著な効果を奏する。」
(4)すなわち、当初明細書等の段落0012においては、その「ε化率=(1-A/B)×100」という「式1」で表される「ε化率」について、そのAを「ブラッグ角2θ=6.8°±0.1°におけるピークの絶対強度」とし、そのBを「ブラッグ角2θ=7.6°±0.1°におけるピークの絶対強度」として、±0.1°の範囲にある「ピーク」を基準に「ε化率」が定義されていたのに対して、補正後の請求項1においては、その「ε化率」のAを「Aは、ブラッグ角2θ=6.8°における絶対強度」とし、そのBを「Bはブラッグ角2θ=7.6°における絶対強度」として、特定のブラッグ角におけるX線回折図のピークではない部分を基準に「ε化率」が定義されているので、第1回目の手続補正による補正の前後で「式1」で表される「ε化率」の定義が別異のものに変更されていることが明らかである。
(5)より具体的には、平成28年11月4日付けの意見書の第11頁に示されるX線回折図(本願明細書の段落0064の実施例1に対応するもの)に基づいて検証するに、補正前の定義に基づくBの値は7.7°のピーク(7.6°±0.1°の範囲内のピーク)における絶対強度の「6267」となるのに対し、補正後の定義に基づくBの値は7.6°における絶対強度の「5743」となるので、その「ε化率」の意味するところが変更されていることは明らかである。
(6)そして、出願当初の±0.1°の範囲にある「ピーク」を基準にした「ε化率」の定義を、補正後の当該「ピーク」を基準にしない「ε化率」の定義に変更することが、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項であると認めるに足る事情は見当たらず、出願当初の定義を別異の定義に変更することが、新たな技術的事項を導入しないものであると認めるに足る事情も見当たらない。
(7)したがって、第1回目の手続補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものとはいえないので、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。」
ウ.〔理由2〕の概要
上記〔理由2〕の「下記の点」として、平成28年11月17日付けの拒絶理由通知においては、次の点が指摘されている。
「3.理由2について
(1)本願請求項1~9に係る発明は、その請求項1に記載された「(式1)により算出されるε化率」が「65~75」の範囲にあることを発明特定事項とするものであって、当該「ε化率」を算出するための(式1)における「A」及び「B」は、本願請求項1において「(式中、Aは、ブラッグ角2θ=6.8°における絶対強度、Bはブラッグ角2θ=7.6°における絶対強度を表す。)」として定義されている。
(2)これに対して、本願明細書の発明の詳細な説明には、次のとおりの記載がなされている。
「【0012】即ち本発明は、広角X線回折スペクトルに基づき(式1)により算出されるε化率が65~75であり、且つ、ブラッグ角2θが7.7°における半値幅が0.56°~0.75°であり、且つブラッグ角2θが9.3°における半値幅が0.66°~0.85°であることを特徴とするε型銅フタロシアニン顔料を提供する。
ε化率=(1-A/B)×100 (式1)
(式中、Aは、ブラッグ角2θ=6.8°±0.1°におけるピークの絶対強度、Bはブラッグ角2θ=7.6°±0.1°におけるピークの絶対強度を表す。)。」
(3)すなわち、本願明細書の発明の詳細な説明における「ε化率」を算出するための(式1)における「A」及び「B」の定義が、本願請求項1の記載における定義と異なっているので、本願請求項1~9に係る発明が、本願明細書の発明の詳細な説明に記載されているとは認められない。
(4)したがって、本願請求項1~9の記載は、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであるとは認められないから、特許法第36条第6項第1号に適合するものではない。」
4.当審の判断
(1)理由1(新規事項)について
第1回目の手続補正による補正後の請求項1に導入されている「Aは、ブラッグ角2θ=6.8°における絶対強度」及び「Bはブラッグ角2θ=7.6°における絶対強度」という事項が『当業者によって、明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項であり、補正が、このようにして導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものである』か否か〔参考判決:平成18年(行ケ)第10563号〕について、以下に検討する。
本願の当初明細書等の段落0012においては、その「ε化率=(1-A/B)×100」という「式1」で表される「ε化率」について、そのAを「ブラッグ角2θ=6.8°±0.1°におけるピークの絶対強度」とし、そのBを「ブラッグ角2θ=7.6°±0.1°におけるピークの絶対強度」として、その「ε化率」が定義されていたのに対して、第1回目の手続補正による補正後の請求項1においては、そのAを「Aは、ブラッグ角2θ=6.8°における絶対強度」とし、そのBを「Bはブラッグ角2θ=7.6°における絶対強度」として、その「ε化率」が定義されているので、第1回目の手続補正による補正の前後で「式1」で表される「ε化率」の定義が別異のものに変更されていることが明らかである。
そして、出願当初の「6.8°±0.1°」の範囲及び「7.6°±0.1°」の範囲にある「ピーク」を基準にした絶対強度「A」及び「B」に基づいて算出される「ε化率」と、第1回目の手続補正による補正後の「6.8°」及び「7.6°」を基準にした絶対強度「A」及び「B」に基づいて算出される「ε化率」とは、その技術的意味が明らかに変わることになるから、当該「ε化率」の定義の変更が、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項であるとはいえず、新たな技術的事項を導入しないものであると認めることはできない。
したがって、第1回目の手続補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものとはいえないので、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
(2)理由2(サポート要件)について
本願請求項1において「(式中、Aは、ブラッグ角2θ=6.8°における絶対強度、Bはブラッグ角2θ=7.6°における絶対強度を表す。)」として定義されている。
これに対して、本願明細書の段落0012には「(式中、Aは、ブラッグ角2θ=6.8°±0.1°におけるピークの絶対強度、Bはブラッグ角2θ=7.6°±0.1°におけるピークの絶対強度を表す。)。」との説明がなされている。
すなわち、本願明細書の発明の詳細な説明における「ε化率」を算出するための(式1)における「A」及び「B」の定義が、本願請求項1の記載における定義と異なっているので、本願請求項1に係る発明が、本願明細書の発明の詳細な説明に記載されているとは認められない。
したがって、本願請求項1の記載は、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであるとは認められないから、特許法第36条第6項第1号に適合するものではなく、本願は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない。
5.むすび
以上のとおり、第1回目の手続補正は特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしておらず、また、本願は特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていないから、その余の事項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2015-017782