特許拒絶査定不服審判
2015-014789
空気入りタイヤ
- 審判番号
- 2015-014789
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2011-031282
- 請求日
- 2015年08月06日
- 審決日
- 2017年05月11日
- 公報発行日
- 2017年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ブリヂストン
- 【請求人代理人】杉村 憲司
- 【請求人代理人】山口 雄輔
- 審判長/審判官
- 審判長 島田 信一
- 審判官 一ノ瀬 覚
- 審判官 氏原 康宏
- 分類
- P18 .121-WZ (B60C) / P18 .536-WZ (B60C) / P18 .537-WZ (B60C) / P18 .55 -WZ (B60C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2011- 31282号「空気入りタイヤ」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 9月 6日出願公開、特開2012-166765号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成23年2月16日に出願されたものであって、平成26年9月24日付けで拒絶理由が通知され、同年11月28日に意見書及び手続補正書が提出され、平成27年4月30日付けで拒絶査定がされ、同年8月6日に拒絶査定不服審判が請求され、その後、当審において平成28年6月14日付けで拒絶理由が通知され、同年7月1日に意見書及び手続補正書が提出され、同年9月13日付けで拒絶理由が通知され、同年11月21日に意見書及び手続補正書が提出され、平成29年1月30日付けで最後の拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年4月3日に意見書が提出されたものである。
第2 当審の判断
1 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成28年11月21日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「トレッド部から一対のサイドウォール部を介して一対のビード部にわたってトロイド状に延びる少なくとも1プライからなるカーカスと、該カーカスの外面に沿って配設され、
タイヤ赤道面に対して0°以上5°以下の角度で配列されたコードをゴム被覆してなる少なくとも1層の周方向ベルト層からなる周方向ベルトと、該周方向ベルトのタイヤ径方向外方に隣接して配設され、タイヤ赤道面に対し所定の傾斜角度で配列されたコードをゴム被覆してなる少なくとも2層の傾斜ベルト層を、コードがタイヤ赤道面を挟んで相互に交差するように順次積層形成してなる交差ベルトとを備え、
前記交差ベルトを構成する傾斜ベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置する最内傾斜ベルト層の幅と、該最内傾斜ベルト層にタイヤ径方向内側で隣接する最外周方向ベルト層の幅とが、ともにタイヤ断面幅の0.70倍以上であり、
前記最外周方向ベルト層の端縁位置は、前記最内傾斜ベルト層の端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離が5mm以上であり、
前記最内傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に隣接する外側傾斜ベルト層の端縁位置は、
前記最内傾斜ベルト層の端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離が5mm以上30mm以内であり、
トレッド部踏面に、タイヤ周方向に延びる少なくとも2本の周方向溝により区画形成された複数の陸部列を備え、
タイヤ赤道面を中心とし、タイヤ赤道面からタイヤ幅方向両外側にトレッド幅の25%ずつ離間した点の間のタイヤ幅方向領域をトレッド部中央領域とし、該トレッド部中央領域のタイヤ幅方向両側に位置する、該トレッド部中央領域とトレッド端との間の領域をトレッド部側方領域とするとき、
前記トレッド部中央領域に、2本の周方向溝と、該2本の周方向溝により区画される中央陸部列とを有し、
前記トレッド部中央領域のタイヤ幅方向両側に位置する、前記トレッド部側方領域のそれぞれに、1本ずつの周方向溝を有し、
前記最外周方向ベルト層、前記最内傾斜ベルト層および外側傾斜ベルト層の端縁位置が、前記トレッド部側方領域の周方向溝よりもタイヤ幅方向外側に位置することを特徴とする、空気入りタイヤ。」
2 引用文献の記載事項及び認定事項
(1)記載事項
当審拒絶理由に「引用文献1」として示され、本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2008/102667号(以下「引用文献」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は当審で付加した。以下「ア」~「ク」の記載事項は、それぞれ「記載事項ア」~「記載事項ク」という。)
ア 「[0009] この発明に係る空気入りラジアルタイヤは、少なくとも一対の、場合によっては複数対のビードコアに係留した、トロイド状のカーカス、すなわち、一枚以上のカーカスプライからなるラジアル構造のトロイド状カーカスのクラウン域の外側で、トレッド表面を形成するトレッドゴムの内側に、周方向に直線状、ジグザグ状等の形態で延在する、コード、フィラメントその他の補強素子からなる一層以上のベルト強化層と、タイヤ赤道面に対して相互に逆方向に延びるそれぞれのベルトコードからなる二層以上のベルト層にて形成したベルトとのそれぞれを、半径方向の内側から順次に配設し、二層以上のベルト層のベルトコード交錯域の幅をタイヤ幅の65~90%の範囲、ベルト強化層の最大幅をタイヤ幅の60~85%の範囲とするとともに、タイヤへの正規内圧充填姿勢での、ベルトの、タイヤ赤道面上での、タイヤ軸線からの半径(R0)と、ベルト側縁位置での半径(R1)との差(R0-R1)の、ベルト半幅に対するベルト半径比を0.06以下としてなるものである。」
イ 「[0037] 図中1はトレッド部を、2は、トレッド部1のそれぞれの側部に連続して、半径方向内方側へ延びる一対のサイドウォール部を、そして3は、各サイドウォール部2の内周側に連続するビード部をそれぞれ示す。」
ウ 「[0038] ここでは、ビード部3に配設した、複数対とすることができるも、図では一対としたビードコア4の周りに、それぞれの側部部分を巻上げて係留した、たとえば、一枚のカーカスプライからなるトロイド状のカーカス5のクラウン域の外側で、そのカーカス5と、トレッド部1に配設されてトレッド表面6を形成するトレッドゴム7との間に、トレッド部1の周方向へ直線状もしくはジグザグ状、図では直線状に延びるコード、フィラメント等の補強素子、たとえばコードからなる、相互に等幅の二層のベルト強化層8a,8bと、タイヤ赤道面Eに対して相互に逆方向に延びるそれぞれのベルトコードからなる二層以上、図では二層のベルト層9a,9bからなるベルト10とを半径方向の内方側から順次に配設し、このようなベルト10の、二層のそれぞれのベルト層9a,9bの幅をともに、最広幅ベルト強化層8a,8bの幅w0より広幅とする一方で、外層側のベルト層9bの幅を、最広幅となる内層側のベルト層9aの幅wより狭幅とし、また、二層のベルト層9a,9bの、ベルトコード交錯域の幅w1をタイヤ幅Wの65~90%の範囲とするとともに、最広幅ベルト強化層の幅w0をタイヤ幅Wの60~85%の範囲とする。」
エ 「[0039] またここでは、図示のような、タイヤへの正規内圧充填姿勢での、ベルト10、この実施形態では最広幅のベルト層9aの、タイヤ赤道面E上での、タイヤ軸線からの半径R0と、ベルト側縁位置での、通常はそれより小さい、同様の半径R1との差(R0-R1)の、ベルト半幅、すなわち、最広幅ベルト層の半幅w/2に対するベルト半径比(R0-R1/w/2)を0.06~0.02の範囲とする。」
オ 「[0044]】 ところで、このような間ゴムの引張弾性率をベルト強化層の被覆ゴムの引張弾性率以下としたときは、その間ゴムの高い柔軟性の下で、歪を一層効果的に吸収させることができる。」
カ 「[0048] 図3は、他の実施形態を示す、図1(b)と同様の幅方向断面図であり、図3(a)に示すものは、最広幅ベルト強化層8a,8bの幅w0を、図1に示すものより広幅とすることで、両ベルト強化層8a,8bの側部部分をともに、外層側のベルト層9bより幅方向の外側へ突出させるとともに、ベルト強化層8a,8bおよびベルト層9a,9b、とくには、それらの側部部分の、図示の断面内での延在形態を、図1(b)に示すところとは若干変更することで、ベルト半径差(R0-R1)をそれより小さくしたものである。」
「[0049] また、図3(b)に示すものは、最広幅ベルト強化層8a,8bの幅w0を、図3(a)に示すものと同様とし、ベルト層9a,9bの幅および延在形態も、図3(a)に示すものと同様とする一方で、ベルト強化層8a,8bの側部部分の延在形態を変更することで、ベルト強化層8bの側縁位置を通る半径方向線分上での、ベルト強化層8bを形成するコードと、ベルト層9aを形成するベルトコードとのコード中心線間距離tを先のいずれの場合よりも大きくしたものである。」
キ 「[0051] サイズが435/45 R22.5の実施例タイヤ、従来例タイヤおよび比較例タイヤのそれぞれを、14.00×22.5のリムに組付けるとともに、充填空気圧を900kPaとして、ベルト耐久性能および、トレッド表面の耐摩耗性のそれぞれを評価した。
[0052] ここで、実施例タイヤ1は図1,2に示すトレッド部構造を、実施例タイヤ2,3はそれぞれ、図3(a)、(b)に示す構造を有するものとし、また、実施例タイヤ4~6はそれぞれ、図4(a)、(b)、(c)に示す構造を有するものとした。
そして従来例タイヤは図5(a)に示す構造を、比較例タイヤ1,2はそれぞれ、図5(b)、(c)に示す構造を有するものとした。
これらのタイヤの寸法諸元は、評価結果と併せて、表1に示す。」
ク [表1]において、[図3](b)に係る「実施例タイヤ3」の列には、「タイヤ幅」が435mm、「トレッド幅」が390mm、「ベルト強化層幅w0」が340mm、「ベルト層9a幅」が360mm、「ベルト層9b幅」が330mm、「ベルト半径比(R0-R1/w/2)」が0.04であることが記載されている。
(2)認定事項
上記記載事項ア~クに加え、次の事項が認定できる。(以下「ア」~「カ」の認定事項は、それぞれ「認定事項ア」~「認定事項カ」という。)
ア 記載事項ウには、「ベルト強化層8a」と「ベルト強化層8b」が「相互に等幅」であることが記載されていることから、[表1]における「ベルト強化層幅w0」は、「ベルト強化層8a,8b」の幅を示すことは明らかである。そして、記載事項ク及び[図1]~[図3]の記載より、[図3](b)に係る「実施例タイヤ3」においても、「ベルト強化層8a」と「ベルト強化層8b」が「相互に等幅」であって、「ベルト強化層8b」の幅は340mmであることが理解できる。
イ 記載事項クより、「ベルト層9a」の幅は「タイヤ幅」の0.83倍(=360/435)であり、記載事項ク及び認定事項アより、「ベルト強化層8b」の幅は「タイヤ幅」の0.78倍(=340/435)であるといえる。
ウ 記載事項エより、ベルト層9aに関し、ベルト半径比を、最広幅ベルトの半幅w/2に対する比をとっていることから、少なくともベルト層9aは、タイヤ幅方向でみて、その幅方向中心位置はタイヤ赤道面に配置されていることが明らかである。そして、他のベルト層、ベルト強化層についてもタイヤ赤道面に対し幅方向で左右非対称の位置に配置することの記載はないので、同様にそれらの幅方向中心位置はタイヤ赤道面に配置されていると解するのが相当である。
そうすると、記載事項ク及び認定事項アより、「ベルト強化層8b」の端縁位置は、「ベルト層9b」の端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離が10mm(=(360-340)/2)であり、また、記載事項クより、「ベルト層9b」の端縁位置は、「ベルト層9a」の端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離が15mm(=(360-330)/2)であるといえる。
エ 記載事項オの「ベルト強化層の被覆ゴム」との記載より、「ベルト強化層8a,8b」の「コード」は、ゴム被覆されているものであることは明らかである。
オ 記載事項ウより、「ベルト強化層8b」は、「内層側のベルト層9a」にタイヤ径方向内側で隣接するものであり、「外層側のベルト層9b」は、「内層側のベルト層9a」にタイヤ径方向外側で隣接するものであることは明らかである。
カ [図1](a)の記載とタイヤの技術常識からみて、トレッド表面6には、タイヤ周方向に延びる少なくとも2本の周方向溝により区画形成された複数の陸部列が備えられていることが把握できる。そして、引用文献に中心的に記載されるのは、トレッド表面6ではなく「トレッド部構造」に係るものであって、[表1]には、各実施例比較例の「タイヤ幅」、「トレッド幅」が全て同一であることが示されており、また、トレッド表面6の構成が大幅に異なれば、耐久性、耐摩耗性等の評価項目に影響を与えかねないことから、それら各実施例比較例はトレッド表面6の条件を一定とした上で内部の「トレッド部構造」を変更して性能評価していると解するのが自然であるところ、記載事項キからみて、[図1]、[図2]に係る「実施例タイヤ1」と他の実施例タイヤとは、トレッドの内部の「トレッド部構造」が異なるものであって、[図3](b)に周方向溝の記載がなくても単に図示省略されているだけで、[図3](b)に係る「実施例タイヤ3」においても、トレッド表面6は「実施例タイヤ1」と同様の構成となっていると解するのが相当である。
3 引用文献に記載された発明
上記2の記載事項ア~ク及び認定事項ア~カより、引用文献(特に[図3](b)に係る「実施例タイヤ3」)には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める。
「トレッド部1と、トレッド部1のそれぞれの側部に連続して、半径方向内側へ延びる一対のサイドウォール部2を、各サイドウォール部2の内周側に連続するビード部3と、ビード部3のビードコア4の周りに、それぞれの側面部分を巻上げて係留した一枚のカーカスプライからなるトロイド状のカーカス5と、該カーカス5のクラウン域の外側で、そのカーカス5と、トレッド部1に配設されてトレッド表面6を形成するトレッドゴム7との間に、トレッド部1の周方向へ直線状に延びるコードをゴム被覆してなる相互に等幅の二層のベルト強化層8a,8bと、タイヤ赤道面Eに対して相互に逆方向に延びるそれぞれのベルトコードからなる二層のベルト層9a,9bからなるベルト10を順に配設し、
前記ベルト10を構成する二層のベルト層9a、9bのうち内層側のベルト層9aの幅wが、タイヤ幅Wの0.83倍であり、該内層側のベルト層9aにタイヤ径方向内側で隣接するベルト強化層8bの幅w0が、タイヤ幅Wの0.78倍であり、
前記ベルト強化層8bの端縁位置は、前記内層側のベルト層9aの端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離が10mmであり、
前記内層側のベルト層9aにタイヤ径方向外側に隣接する外層側のベルト層9bの端縁位置は、前記内層側のベルト層9aの端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離が15mmであり、
タイヤへの正規内圧充填姿勢での、ベルト層9aの、タイヤ赤道面E上での、タイヤ軸線からの半径R0と、ベルト側縁位置での半径R1との差(R0-R1)の、ベルト半幅w/2に対するベルト半径比を0.04としてなり、
トレッド表面6に、タイヤ周方向に延びる少なくとも2本の周方向溝により区画形成された複数の陸部列を有する空気入りラジアルタイヤ。」
4 対比、判断
(1)対比
本願発明と引用発明とを対比する。
ア 後者の「トレッド部1」は前者の「トレッド部」に相当し、以下同様に、「サイドウォール部2」は「サイドウォール部」に、「ビード部3」は「ビード部」に、「カーカスプライ」は「プライ」に、「カーカス5」は「カーカス」に、「トレッド表面6」は「トレッド部踏面」に、「ベルト強化層8a」と「ベルト強化層8b」の単体は「周方向ベルト層」に、「二層のベルト強化層8a,8b」は「周方向ベルト」に、「ベルトコード」は「コード」に、「ベルト層9a,9b」は「傾斜ベルト層」に、「ベルト10」は「交差ベルト」に、「内層側のベルト層9a」は「最内傾斜ベルト層」に、「ベルト強化層8b」は「最外周方向ベルト層」に、「タイヤ幅W」は「タイヤ断面幅」に、「外層側のベルト層9b」は「外側傾斜ベルト層」に、「空気入りラジアルタイヤ」は「空気入りタイヤ」に相当する。
イ 後者の「トレッド部1と、トレッド部1のそれぞれの側部に連続して、半径方向内側へ延びる一対のサイドウォール部2を、各サイドウォール部2の内周側に連続するビード部3と、ビード部3のビードコア4の周りに、それぞれの側面部分を巻上げて係留した一枚のカーカスプライからなるトロイド状のカーカス5と、」と、前者の「トレッド部から一対のサイドウォール部を介して一対のビード部にわたってトロイド状に延びる少なくとも1プライからなるカーカスと、」とは、「トレッド部から一対のサイドウォール部を介して一対のビード部にわたってトロイド状に延びるプライからなるカーカスと、」の限度で一致するといえる。
ウ 後者の「該カーカス5のクラウン域の外側で、そのカーカス5と、トレッド部1に配設されてトレッド表面6を形成するトレッドゴム7との間に、トレッド部1の周方向へ直線状に延びるコードをゴム被覆してなる相互に等幅の二層のベルト強化層8a,8bと、タイヤ赤道面Eに対して相互に逆方向に延びるそれぞれのベルトコードからなる二層のベルト層9a,9bからなるベルト10を順に配設し、」と、前者の「タイヤ赤道面に対して0°以上5°以下の角度で配列されたコードをゴム被覆してなる少なくとも1層の周方向ベルト層からなる周方向ベルトと、該周方向ベルトのタイヤ径方向外方に隣接して配設され、タイヤ赤道面に対し所定の傾斜角度で配列されたコードをゴム被覆してなる少なくとも2層の傾斜ベルト層を、コードがタイヤ赤道面を挟んで相互に交差するように順次積層形成してなる交差ベルトとを備え、」とは、「コードをゴム被覆してなる周方向ベルト層からなる周方向ベルトと、該周方向ベルトのタイヤ径方向外方に隣接して配設され、タイヤ赤道面に対し所定の傾斜角度で配列されたコードからなる傾斜ベルト層を、コードがタイヤ赤道面を挟んで相互に交差するように順次積層形成してなる交差ベルトとを備え、」の限度で一致するといえる。
エ 後者の「前記ベルト10を構成する二層のベルト層9a、9bのうち内層側のベルト層9aの幅wが、タイヤ幅Wの0.83倍であり、該内層側のベルト層9aにタイヤ径方向内側で隣接するベルト強化層8bの幅w0が、タイヤ幅Wの0.78倍であり、」と、前者の「前記交差ベルトを構成する傾斜ベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置する最内傾斜ベルト層の幅と、該最内傾斜ベルト層にタイヤ径方向内側で隣接する最外周方向ベルト層の幅とが、ともにタイヤ断面幅の0.70倍以上であり、」とは、「前記交差ベルトを構成する傾斜ベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置する最内傾斜ベルト層の幅と、該最内傾斜ベルト層にタイヤ径方向内側で隣接する最外周方向ベルト層の幅とが、タイヤ断面幅の所定の倍率であり、」の限度で一致するといえる。
オ 後者の「前記ベルト強化層8bの端縁位置は、前記内層側のベルト層9aの端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離が10mmであり、」と、前者の「前記最外周方向ベルト層の端縁位置は、前記最内傾斜ベルト層の端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離が5mm以上であり、」とは、「前記最外周方向ベルト層の端縁位置は、前記最内傾斜ベルト層の端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離が所定値であり、」の限度で一致するといえる。
カ 後者の「前記内層側のベルト層9aにタイヤ径方向外側に隣接する外層側のベルト層9bの端縁位置は、前記内層側のベルト層9aの端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離が15mmであり、」と、後者の「前記最内傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に隣接する外側傾斜ベルト層の端縁位置は、前記最内傾斜ベルト層の端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離が5mm以上30mm以内であり、」とは、「前記最内傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に隣接する外側傾斜ベルト層の端縁位置は、前記最内傾斜ベルト層の端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離が所定値であり、」の限度で一致するといえる。
キ 後者の「トレッド表面6に、タイヤ周方向に延びる少なくとも2本の周方向溝により区画形成された複数の陸部列を有する」は、前者の「トレッド部踏面に、タイヤ周方向に延びる少なくとも2本の周方向溝により区画形成された複数の陸部列を備え、」に相当する。
ク そうすると、両者の一致点、相違点は次のとおりである。
[一致点]
「トレッド部から一対のサイドウォール部を介して一対のビード部にわたってトロイド状に延びるプライからなるカーカスと、該カーカスの外面に沿って配設され、コードをゴム被覆してなる周方向ベルト層からなる周方向ベルトと、該周方向ベルトのタイヤ径方向外方に隣接して配設され、タイヤ赤道面に対し所定の傾斜角度で配列されたコードからなる傾斜ベルト層を、コードがタイヤ赤道面を挟んで相互に交差するように順次積層形成してなる交差ベルトとを備え、
前記交差ベルトを構成する傾斜ベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置する最内傾斜ベルト層の幅と、該最内傾斜ベルト層にタイヤ径方向内側で隣接する最外周方向ベルト層の幅とが、タイヤ断面幅の所定の倍率であり、
前記最外周方向ベルト層の端縁位置は、前記最内傾斜ベルト層の端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離が所定値であり、
前記最内傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に隣接する外側傾斜ベルト層の端縁位置は、前記最内傾斜ベルト層の端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離が所定値であり、
トレッド部踏面に、タイヤ周方向に延びる少なくとも2本の周方向溝により区画形成された複数の陸部列を備えた空気入りタイヤ。」
[相違点1]
「プライ」の数に関し、本願発明は、「少なくとも1」であるのに対し、引用発明は、「一枚」である点。
[相違点2]
「周方向ベルト」に関し、本願発明は、そのコードの角度が「タイヤ赤道面に対して0°以上5°以下の角度で配列された」というものであり、かつ、「少なくとも1層の周方向ベルト層」からなるものであるのに対し、引用発明は、「コード」が周方向の延びるものではあるが、その具体的な配列角度が明らかでなく、「相互に等幅の二層のベルト強化層8a,8b」からなる点。
[相違点3]
「交差ベルト層」に関し、本願発明は、そのコードが「ゴム被覆してなる」ものであり、かつ、「少なくとも2層の傾斜ベルト層」からなるものであるのに対し、引用発明は、ベルトコードがゴム被覆されているのか明らかでなく、「二層のベルト層9a,9b」からなる点。
[相違点4]
「前記交差ベルトを構成する傾斜ベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置する最内傾斜ベルト層の幅と、該最内傾斜ベルト層にタイヤ径方向内側で隣接する最外周方向ベルト層の幅」の「タイヤ断面幅」に対する「所定の倍率」に関し、本願発明は、ともに「0.70倍以上」であるのに対し、引用発明は、それぞれ「0.83倍」、「0.78倍」である点。
[相違点5]
「前記最外周方向ベルト層の端縁位置」の「前記最内傾斜ベルト層の端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離」の「所定値」に関し、本願発明は、「5mm以上」であるのに対し、引用発明は、「10mm」である点。
[相違点6]
「前記最内傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に隣接する外側傾斜ベルト層の端縁位置」の「前記最内傾斜ベルト層の端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離」の「所定値」に関し、本願発明は、「5mm以上30mm以内」であるのに対し、引用発明は、「15mm」である点。
[相違点7]
「陸部列」に関し、本願発明が「タイヤ赤道面を中心とし、タイヤ赤道面からタイヤ幅方向両外側にトレッド幅の25%ずつ離間した点の間のタイヤ幅方向領域をトレッド部中央領域とし、該トレッド部中央領域のタイヤ幅方向両側に位置する、該トレッド部中央領域とトレッド端との間の領域をトレッド部側方領域とするとき、前記トレッド部中央領域に、2本の周方向溝と、該2本の周方向溝により区画される中央陸部列とを有し、前記トレッド部中央領域のタイヤ幅方向両側に位置する、前記トレッド部側方領域のそれぞれに、1本ずつの周方向溝を有し、前記最外周方向ベルト層、前記最内傾斜ベルト層および外側傾斜ベルト層の端縁位置が、前記トレッド部側方領域の周方向溝よりもタイヤ幅方向外側に位置する」のに対し、引用発明は上記の事項を有するのか明らかでない点。
(2)判断
ア [相違点1]について
本願発明の「少なくとも1プライ」ということは、1プライの場合も含むことになり、この場合、引用発明と何ら相違しない。さらに、2プライ以上の場合を検討しても、記載事項アに「一枚以上のカーカスプライ」と記載され、2プライ以上とすることの示唆があることから、当業者であれば必要に応じて適宜設定し得たことである。
したがって、相違点1に係る本願発明の事項は、引用発明も実質的に有しているか、あるいは、引用発明において当該事項を有するものとすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
イ [相違点2]について
引用発明の「コード」も周方向に延びるものであるから、実質的には、「タイヤ赤道面に対して0°以上5°以下の角度」という事項を有するものと解される。あるいは、空気入りタイヤにおいて、周方向ベルトのコードを当該角度の範囲内のものとすることは、特段文献を例示するまでもなく周知技術といえ、引用発明の「コード」の角度をそのような範囲内のものとすることは、当業者であれば必要に応じて適宜設定し得たことである。
また、本願発明の「少なくとも1層の周方向ベルト層」ということは、2層の周方向ベルトの場合も含むことになり、この場合、引用発明と何ら相違しない。さらに、1層あるいは3層以上の場合を検討しても、記載事項アに「一層以上のベルト強化層」と記載され、1層とすること、あるいは、層の上限数を限定しない示唆があることから、当業者であれば必要に応じて適宜設定し得たことである。
したがって、相違点2に係る本願発明の事項は、引用発明も実質的に有しているか、あるいは、引用発明において、当該事項を有するものとすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
ウ [相違点3]について
空気入りタイヤに用いる「交差ベルト層」に用いるコードは、ゴム被覆してなるものが通常用いられることから、引用発明の「ベルトコード」も実質的にはゴム被覆されてなるものと解される。あるいは、ゴム被覆することは、設計的事項にすぎない。
また、本願発明の「少なくとも2層の傾斜ベルト層」ということは、2層の傾斜ベルト層である場合も含むことになり、この場合、引用発明と何ら相違しない。さらに、3層以上の場合を検討しても、記載事項アに「二層以上のベルト層」と記載され、層の上限数を限定しない示唆があることから、当業者であれば必要に応じて適宜設定し得たことである。
したがって、相違点3に係る本願発明の事項は、引用発明も実質的に有しているか、あるいは、引用発明において、当該事項を有するものとすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
エ [相違点4]について
本願発明の「前記交差ベルトを構成する傾斜ベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置する最内傾斜ベルト層の幅と、該最内傾斜ベルト層にタイヤ径方向内側で隣接する最外周方向ベルト層の幅」の「タイヤ断面幅」に対する「所定の倍率」が、ともに「0.70倍以上」ということは、それぞれ「0.83倍」、「0.78倍」である場合も含むことになり、この場合、引用発明と何ら相違しない。また、本願明細書を検討しても、「0.70倍」という値に特に臨界的意義があるものとも認められず、「0.70倍以上」とすることは、当業者であれば必要に応じて適宜設定し得たことである。
したがって、相違点4に係る本願発明の事項は、引用発明も実質的に有しているか、あるいは、引用発明において、当該事項を有するものとすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
オ [相違点5]について
「前記最外周方向ベルト層の端縁位置」の「前記最内傾斜ベルト層の端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離」の「所定値」に関し、本願発明が「5mm以上」ということは、「10mm」である場合も含むことになり、この場合、引用発明と何ら相違しない。また、本願明細書を検討しても、「5mm」という値に特に臨界的意義があるものとも認められず、「5mm以上」とすることは、当業者であれば必要に応じて適宜設定し得たことである。
したがって、相違点5に係る本願発明の事項は、引用発明も実質的に有しているか、あるいは、引用発明において、当該事項を有するものとすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
カ [相違点6]について
「前記最内傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に隣接する外側傾斜ベルト層の端縁位置」の「前記最内傾斜ベルト層の端縁位置からタイヤ幅方向内方へ測定したタイヤ幅方向距離」の「所定値」に関し、本願発明の「5mm以上30mm以内」ということは、「15mm」である場合も含むことになり、この場合、引用発明と何ら相違しない。また、本願明細書を検討しても、「5mm」または「30mm」という値に特に臨界的意義があるものとも認められず、「5mm以上30mm以内」とすることは、当業者であれば必要に応じて適宜設定し得たことである。
したがって、相違点6に係る本願発明の事項は、引用発明も実質的に有しているか、あるいは、引用発明において、当該事項を有するものとすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
キ [相違点7]について
(ア)引用文献の[図1](a)の記載とタイヤの技術常識から、トレッド部表面6の構造として、タイヤ赤道面で割った半分において、周方向溝が2本あることが把握できるが、残り半分は、図示省略されていて、その構造が明らかではない。
しかしながら、周方向溝により区画形成された複数の陸部列を備えた空気入りタイヤにおいて、「タイヤ赤道面を中心とし、タイヤ赤道面からタイヤ幅方向両外側にトレッド幅の25%ずつ離間した点の間のタイヤ幅方向領域をトレッド部中央領域とし、該トレッド部中央領域のタイヤ幅方向両側に位置する、該トレッド部中央領域とトレッド端との間の領域をトレッド部側方領域とするとき、前記トレッド部中央領域に、2本の周方向溝と、該2本の周方向溝により区画される中央陸部列とを有し、前記トレッド部中央領域のタイヤ幅方向両側に位置する、前記トレッド部側方領域のそれぞれに、1本ずつの周方向溝を有する」ものは、例えば、特開2006-69341号公報(特に段落【0025】、【図1】参照。)、特開2004-196169号公報(特に段落【0014】、【図1】参照。)に示されるように、本願出願前の周知技術といえるものであって、このような技術を引用発明の周方向溝及び陸部列に適用することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
なお、請求人は、上記適用に関し平成29年4月3日に提出の意見書(以下「意見書」という。)において、上記周知技術の例示文献に示されるものは乗用車用タイヤであるから、引用発明のトラック・バス用タイヤに適用しようとすることは到底あり得ない旨主張する。しかしながら、乗用車用タイヤあるいはトラック・バス用タイヤ等各種タイヤ毎の特有の問題のみを解決する技術でないのであれば、適宜各種タイヤに用いることが可能であることは当業者にとって常識的なことであり(必要とあらば、特開2008-114824号公報の段落【0014】、特開平11-245629号公報の段落【0007】等参照。)、上記周知技術の例示文献である特開2006-69341号公報あるいは特開2004-196169号公報には、乗用車用タイヤに限定したものであることの記載はなく、周方向溝に関する事項が乗用車用タイヤ特有の問題のみを解決するためのものであることを伺わせる事情も見当たらないことから、上記主張は採用できない。
(イ)次に、引用発明において、「前記最外周方向ベルト層、前記最内傾斜ベルト層および外側傾斜ベルト層の端縁位置が、前記トレッド部側方領域の周方向溝よりもタイヤ幅方向外側に位置する」という事項を有するものであるのか、引用文献において文章の明示がなく、一応は明らかではない。
しかしながら、下記参考図に示すように、[図3](b)の前提となる[図1](a)には、「ベルト強化層8b」(最外周方向ベルト層)、「内層側のベルト層9a」(最内傾斜ベルト層)、「外層側のベルト層9b」(外側傾斜ベルト層)の端縁位置は、「トレッド部最側方の周方向溝」よりも、明らかにタイヤ幅方向外側に位置するように記載されている。
〔参考図〕引用文献の[図1](a)に、当審が説明文と矢印を付加した。
そして、[表1]において、[図1](a)に係る「実施例タイヤ1」の列に、「タイヤ幅」が435mm、「トレッド幅」が390mm、「ベルト強化層幅w0」(ベルト強化層8bの幅)が300mm、「ベルト層9a幅」が360mm、「ベルト層9b幅」が330mmであることが記載されており、記載事項クと比較すると、「タイヤ幅」、「トレッド幅」、「ベルト層9a幅」、「ベルト層9b幅」が同じで、「ベルト強化層幅w0」(ベルト強化層8bの幅)は[図3](b)に係る「実施例タイヤ3」の方が40mm広いことが理解できる。
そうすると、認定事項カと併せ、引用発明においても「ベルト強化層8b」、「内層側のベルト層9a」、「外層側のベルト層9b」の一方の端縁位置は、「トレッド部最側方の周方向溝」よりも、タイヤ幅方向外側に位置することが明らかといえるから、上記(ア)の適用をした場合、上記「トレッド部最側方の周方向溝」は本願発明の「トレッド部側方領域の周方向溝」に相当し、かつ、他方についても同様構成となり、「前記最外周方向ベルト層、前記最内傾斜ベルト層および外側傾斜ベルト層の端縁位置が、前記トレッド部側方領域の周方向溝よりもタイヤ幅方向外側に位置する」ものとなる。
したがって、引用発明において、相違点7に係る本願発明の事項を有するものとすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
なお、請求人は、意見書において、[図1](a)以外の図面には周方向溝の記載がなく、また、裁判例を3つ挙げて[図1](a)からベルト強化層8b、内層側のベルト層9a、外層側のベルト層9bの端縁位置が、トレッド部最側方の周方向溝よりもタイヤ幅方向外側に位置するものであることを認定できない旨主張する。しかしながら、当該裁判例は、願書に添付された図面から、具体的な寸法、角度、曲率等を求めることが適切でないことを説示するものであって、部材同士の相対的な位置関係を図面から看取することを全て不可とするような説示がされているわけではない。そして、[図1](a)の記載に接した当業者であるなら、「トレッド部最側方の周方向溝」と「ベルト強化層8b」、「内層側のベルト層9a」、「外層側のベルト層9b」の端部位置の位置関係を明確に把握できることは上述したとおりであり、さらに、[図3](b)に係る「実施例タイヤ3」のトレッド表面6も、[図1](a)に係る「実施例タイヤ1」と同様と判断できるのは認定事項カのとおりであるので、上記主張は採用できない。
(ウ)なお、仮に、[図3](b)及び[図1](a)から「トレッド部最側方の周方向溝」と「ベルト強化層8b」、「内層側のベルト層9a」、「外層側のベルト層9b」の端部位置との位置関係を把握することができないと解釈したとしても、空気入りタイヤにおいて、カーカス層を除くトレッド内部に設けられた全ての層の端部をトレッド部最側方の周方向溝よりもタイヤ幅方向外側に位置させることは、例えば、特開2010-215115号公報の段落【0012】及び【図1】、特開2010-254027号公報の段落【0016】及び【図1】~【図2】、特開2009-113544号方向の段落【0027】及び【図1】~【図3】に示されるように周知の構成であり、このような周知の構成と上記(ア)の指摘事項とを鑑みれば、引用発明において「前記最外周方向ベルト層、前記最内傾斜ベルト層および外側傾斜ベルト層の端縁位置が、前記トレッド部側方領域の周方向溝よりもタイヤ幅方向外側に位置する」ものとすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
(エ)そして、本願発明の作用効果について検討しても、引用発明及び周知技術から予測できる程度のものであって、格別でない。
(オ)以上検討したとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2015-014789