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特許無効審判

2014-800155

審判番号
2014-800155
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2009-087378外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2014年09月12日
審決日
2015年11月10日
公報発行日
2018年12月28日
結論
訂正認容・請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P1123.121-YAA(C08J) / P1123.537-YAA(C08J)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第134条の2第1項、特許法第134条の2第9項、特許法第36条、特許法第123条、特許法第29条、特許法第169条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

上記当事者間の特許第5143073号発明「紙オムツへの吸水剤の使用」の特許無効審判事件について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 請求のとおり訂正を認める。 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。

理由

【理 由】 第1 請求 特許第5143073号(請求項の数は8)の請求項1に係る発明についての特許(以下「本件特許」という。)を無効とする,審判費用は被請求人の負担とする旨の審決。 第2 主な手続の経緯等 被請求人は,発明の名称を「紙オムツへの吸水剤の使用」とする本件特許の特許権者である。 本件特許は,平成11年2月25日(優先日 平成10年3月3日)にされた特許出願(特願平11-49111号)の一部を新たな特許出願としてされた出願に係るものであり,平成24年11月30日に設定登録されたものである。 請求人は,平成26年9月12日,本件特許について特許無効審判を請求し,これに対して被請求人は,平成26年12月5日付けで審判事件答弁書を提出した。 審判長は,平成27年1月27日付けで両当事者に対し口頭審理における審理事項を通知し(審理事項通知書),これに対して,請求人は同年3月10日付けで口頭審理陳述要領書を,被請求人は同日付けで口頭審理陳述要領書(同月13日付け手続補正書により補正されている),同月18日付けで口頭審理陳述要領書(2)を提出した。 平成27年3月24日,請求人代理人ら,被請求人代理人らの出頭のもと,第1回口頭審理が行われた。 審判長は,平成27年4月8日付けで両当事者に対し審決の予告をし,これに対して,被請求人は同年6月12日付けで訂正請求書を提出した。これに対して,請求人は同年8月5日付けで弁駁書を提出した。 第3  本件訂正の可否 1 被請求人の請求の趣旨 願書に添付した明細書及び特許請求の範囲(以下「本件明細書」という。)について,訂正請求書に添付された訂正した明細書及び特許請求の範囲(以下「本件訂正明細書」という。)のとおりに訂正する。 2 訂正の要旨 被請求人の求めた訂正について,訂正事項ごとに掲記すると,概略,以下のとおりである。 (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を以下のとおり訂正する。 ・ 訂正前 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなる,吸水剤。」 ・ 訂正後 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 2個以上の重合性不飽和基または2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させたポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなる,吸水剤。」 (2) 訂正事項2 明細書の【0007】を以下のとおり訂正する。 ・ 訂正前 「本発明者らは,上記目的を達成するため鋭意検討した結果,尿吸収用途における吸収性物品,特に紙オムツへの吸水剤の使用に際し,耐尿性に優れた下記の吸水剤を用いるようにすれば,上記課題を解決できることを見出し,本発明を完成するに至った。 即ち,本発明の紙オムツへの吸水剤の使用は,吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなる,吸水剤。」 ・ 訂正後 「本発明者らは,上記目的を達成するため鋭意検討した結果,尿吸収用途における吸収性物品,特に紙オムツへの吸水剤の使用に際し,耐尿性に優れた下記の吸水剤を用いるようにすれば,上記課題を解決できることを見出し,本発明を完成するに至った。 即ち,本発明の紙オムツへの吸水剤の使用は,吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする。 2個以上の重合性不飽和基または2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させたポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなる,吸水剤。」 (3) 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項2を以下のとおり訂正する。 ・ 訂正前 「前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものである,請求項1に記載の吸水剤の使用。」 ・ 訂正後 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり,前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものである,吸水剤。」 (4) 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項3を以下のとおり訂正する。 ・ 訂正前 「前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものである,請求項1または2に記載の吸水剤の使用。」 ・ 訂正後 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり,前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものである,吸水剤。」 (5) 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項4を以下のとおり訂正する。 ・ 訂正前 「表面架橋剤がエポキシ化合物ある,請求項1から3までのいずれかに記載の吸水剤の使用。」 ・ 訂正後 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり,表面架橋剤がエポキシ化合物ある,吸水剤。」 (6) 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項5を以下のとおり訂正する。 ・ 訂正前 「エポキシ化合物がエチレングリコールジグリシジルエーテルである,請求項4に記載の吸水剤の使用。」 ・ 訂正後 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり,表面架橋剤がエポキシ化合物あり,エポキシ化合物がエチレングリコールジグリシジルエーテルである,吸水剤。」 (7) 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項6を以下のとおり訂正する。 ・ 訂正前 「表面架橋剤で架橋処理する吸水性樹脂の含水率が1~50%である,請求項1から5までのいずれかに記載の吸水剤の使用。」 ・ 訂正後 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり,表面架橋剤で架橋処理する吸水性樹脂の含水率が1~50%である,吸水剤。」 (8) 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項7を以下のとおり訂正する。 ・ 訂正前 「前記イオン封鎖剤の配合が吸水性樹脂とイオン封鎖剤の混合に際し吸水性樹脂の固形分100重量部に対し0.5~10重量部の割合の水を用いてなされている,請求項1から6までのいずれかに記載の吸水剤の使用。」 ・ 訂正後 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり,前記イオン封鎖剤の配合が吸水性樹脂とイオン封鎖剤の混合に際し吸水性樹脂の固形分100重量部に対し0.5~10重量部の割合の水を用いてなされている,吸水剤。」 (9) 訂正事項9 特許請求の範囲の請求項8を以下のとおり訂正する。 ・ 訂正前 「吸水性樹脂100重量部に対し0.001~10重量部の無機粉末を含み,当該無機粉末がコールターカウンター法により測定される平均粒子径200μm以下の二酸化珪素および珪酸(塩)から選ばれる無機粉末である,請求項1から7までのいずれかに記載の吸水剤の使用。」 ・ 訂正後 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり,吸水性樹脂100重量部に対し0.001~10重量部の無機粉末を含み,当該無機粉末がコールターカウンター法により測定される平均粒子径200μm以下の二酸化珪素および珪酸(塩)から選ばれる無機粉末である,吸水剤。」 (10) 訂正事項10 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項9を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものである,吸水剤。」 (11) 訂正事項11 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項10を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物ある,吸水剤。」 (12) 訂正事項12 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項11を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物あり, エポキシ化合物がエチレングリコールジグリシジルエーテルである,吸水剤。」 (13) 訂正事項13 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項12を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 表面架橋剤で架橋処理する吸水性樹脂の含水率が1~50%である,吸水剤。」 (14) 訂正事項14 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項13を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記イオン封鎖剤の配合が吸水性樹脂とイオン封鎖剤の混合に際し吸水性樹脂の固形分100重量部に対し0.5~10重量部の割合の水を用いてなされている,吸水剤。」 (15) 訂正事項15 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項14を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 吸水性樹脂100重量部に対し0.001~10重量部の無機粉末を含み,当該無機粉末がコールターカウンター法により測定される平均粒子径200μm以下の二酸化珪素および珪酸(塩)から選ばれる無機粉末である,吸水剤。」 (16) 訂正事項16 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項15を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物ある,吸水剤。」 (17) 訂正事項17 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項16を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物あり, エポキシ化合物がエチレングリコールジグリシジルエーテルである,吸水剤。」 (18) 訂正事項18 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項17を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 表面架橋剤で架橋処理する吸水性樹脂の含水率が1~50%である,吸水剤。」 (19) 訂正事項19 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項18を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 前記イオン封鎖剤の配合が吸水性樹脂とイオン封鎖剤の混合に際し吸水性樹脂の固形分100重量部に対し0.5~10重量部の割合の水を用いてなされている,吸水剤。」 (20) 訂正事項20 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項19を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 吸水性樹脂100重量部に対し0.001~10重量部の無機粉末を含み,当該無機粉末がコールターカウンター法により測定される平均粒子径200μm以下の二酸化珪素および珪酸(塩)から選ばれる無機粉末である,吸水剤。」 (21) 訂正事項21 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項20を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物あり, 表面架橋剤で架橋処理する吸水性樹脂の含水率が1~50%である,吸水剤。」 (22) 訂正事項22 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項21を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物あり, 前記イオン封鎖剤の配合が吸水性樹脂とイオン封鎖剤の混合に際し吸水性樹脂の固形分100重量部に対し0.5~10重量部の割合の水を用いてなされている,吸水剤。」 (23) 訂正事項23 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項22を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物あり, 吸水性樹脂100重量部に対し0.001~10重量部の無機粉末を含み,当該無機粉末がコールターカウンター法により測定される平均粒子径200μm以下の二酸化珪素および珪酸(塩)から選ばれる無機粉末である,吸水剤。」 (24) 訂正事項24 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項23を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物あり, エポキシ化合物がエチレングリコールジグリシジルエーテルであり, 表面架橋剤で架橋処理する吸水性樹脂の含水率が1~50%である,吸水剤。」 (25) 訂正事項25 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項24を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物あり, エポキシ化合物がエチレングリコールジグリシジルエーテルであり, 前記イオン封鎖剤の配合が吸水性樹脂とイオン封鎖剤の混合に際し吸水性樹脂の固形分100重量部に対し0.5~10重量部の割合の水を用いてなされている,吸水剤。」 (26) 訂正事項26 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項25を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物あり, エポキシ化合物がエチレングリコールジグリシジルエーテルであり, 吸水性樹脂100重量部に対し0.001~10重量部の無機粉末を含み,当該無機粉末がコールターカウンター法により測定される平均粒子径200μm以下の二酸化珪素および珪酸(塩)から選ばれる無機粉末である,吸水剤。」 (27) 訂正事項27 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項26を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物あり, 表面架橋剤で架橋処理する吸水性樹脂の含水率が1~50%であり, 前記イオン封鎖剤の配合が吸水性樹脂とイオン封鎖剤の混合に際し吸水性樹脂の固形分100重量部に対し0.5~10重量部の割合の水を用いてなされている,吸水剤。」 (28) 訂正事項28 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項27を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物あり, 表面架橋剤で架橋処理する吸水性樹脂の含水率が1~50%であり, 吸水性樹脂100重量部に対し0.001~10重量部の無機粉末を含み,当該無機粉末がコールターカウンター法により測定される平均粒子径200μm以下の二酸化珪素および珪酸(塩)から選ばれる無機粉末である,吸水剤。」 (29) 訂正事項29 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項28を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物あり, エポキシ化合物がエチレングリコールジグリシジルエーテルであり, 表面架橋剤で架橋処理する吸水性樹脂の含水率が1~50%であり, 前記イオン封鎖剤の配合が吸水性樹脂とイオン封鎖剤の混合に際し吸水性樹脂の固形分100重量部に対し0.5~10重量部の割合の水を用いてなされている,吸水剤。」 (30) 訂正事項30 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項29を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物あり, エポキシ化合物がエチレングリコールジグリシジルエーテルであり, 表面架橋剤で架橋処理する吸水性樹脂の含水率が1~50%であり, 吸水性樹脂100重量部に対し0.001~10重量部の無機粉末を含み,当該無機粉末がコールターカウンター法により測定される平均粒子径200μm以下の二酸化珪素および珪酸(塩)から選ばれる無機粉末である,吸水剤。」 (31) 訂正事項31 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項30を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物あり, 表面架橋剤で架橋処理する吸水性樹脂の含水率が1~50%であり, 前記イオン封鎖剤の配合が吸水性樹脂とイオン封鎖剤の混合に際し吸水性樹脂の固形分100重量部に対し0.5~10重量部の割合の水を用いてなされており, 吸水性樹脂100重量部に対し0.001~10重量部の無機粉末を含み,当該無機粉末がコールターカウンター法により測定される平均粒子径200μm以下の二酸化珪素および珪酸(塩)から選ばれる無機粉末である,吸水剤。」 (32) 訂正事項32 特許請求の範囲に新たな請求項として以下のとおりの請求項31を追加する。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなり, 前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が,内部架橋剤を0.005~2モル%(対単量体)の割合で含むものであり, 前記吸水性樹脂が,吸水性樹脂100重量部に対し表面架橋剤0.005~10重量部となる割合でさらに表面架橋処理されてなるものであり, 表面架橋剤がエポキシ化合物あり, エポキシ化合物がエチレングリコールジグリシジルエーテルであり, 表面架橋剤で架橋処理する吸水性樹脂の含水率が1~50%であり, 前記イオン封鎖剤の配合が吸水性樹脂とイオン封鎖剤の混合に際し吸水性樹脂の固形分100重量部に対し0.5~10重量部の割合の水を用いてなされており, 吸水性樹脂100重量部に対し0.001~10重量部の無機粉末を含み,当該無機粉末がコールターカウンター法により測定される平均粒子径200μm以下の二酸化珪素および珪酸(塩)から選ばれる無機粉末である,吸水剤。」 3 本件訂正の可否についての判断 本件訂正の可否について,以下判断する。 (1) 訂正事項1について ア 訂正事項1は,請求項1において,ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体について,「2個以上の重合性不飽和基または2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させた」との要件を付加する事項(以下,「訂正事項1A」という。)と,イオン封鎖剤について,「ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれる」とあるのを「ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれる」と訂正する事項(以下,「訂正事項1B」という。)とからなるものである。 イ 訂正事項1Aについて検討すると,この訂正は,「ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体」を特定のものに限定するものであるから,特許法134条の2第1項ただし書き第1号に掲げる,特許請求の範囲を減縮することを目的とするものであるといえる。 しかも,ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体が「2個以上の重合性不飽和基または2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させた」ものであることは,本件明細書の【0012】に記載がある。そうすると,訂正事項1Aの訂正は,本件明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり,また実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 ウ そして,訂正事項1Bについて検討すると,この訂正は,イオン封鎖剤の選択肢である4つの化合物を2つの化合物に限定するものであり,択一的要素の削除に該当するから,特許法134条の2第1項ただし書き第1号に掲げる,特許請求の範囲を減縮することを目的とするものであるといえる。 しかも,訂正事項1Bの訂正は,本件明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり,また実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないことは明らかであるから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (2) 訂正事項2について この訂正は,本件明細書の【0007】の記載について,特許請求の範囲の請求項1の記載との整合を図るためのものであり,特許法134条の2第1項ただし書き第3号に掲げる,明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,本件明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり,また実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないことは明らかであるから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (3) 訂正事項3について この訂正は,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (4) 訂正事項4について この訂正は,請求項1の記載を引用する請求項3の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (5) 訂正事項5について この訂正は,請求項1の記載を引用する請求項4の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (6) 訂正事項6について この訂正は,請求項1の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項5の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (7) 訂正事項7について この訂正は,請求項1の記載を引用する請求項6の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (8) 訂正事項8について この訂正は,請求項1の記載を引用する請求項7の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (9) 訂正事項9について この訂正は,請求項1の記載を引用する請求項8の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (10) 訂正事項10について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (11) 訂正事項11について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項4の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (12) 訂正事項12について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項5の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (13) 訂正事項13について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項6の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (14) 訂正事項14について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項7の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (15) 訂正事項15について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項8の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (16) 訂正事項16について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項4の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (17) 訂正事項17について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項5の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (18) 訂正事項18について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項6の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (19) 訂正事項19について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項7の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (20) 訂正事項20について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項8の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (21) 訂正事項21について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項6の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (22) 訂正事項22について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項7の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (23) 訂正事項23について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項8の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (24) 訂正事項24について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項5の記載を引用する請求項6の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (25) 訂正事項25について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項5の記載を引用する請求項7の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (26) 訂正事項26について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項5の記載を引用する請求項8の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (27) 訂正事項27について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項6の記載を引用する請求項7の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (28) 訂正事項28について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項6の記載を引用する請求項8の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (29) 訂正事項29について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項5の記載を引用する請求項6の記載を引用する請求項7の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (30) 訂正事項30について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項5の記載を引用する請求項6の記載を引用する請求項8の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (31) 訂正事項31について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項6の記載を引用する請求項7の記載を引用する請求項8の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (32) 訂正事項32について この訂正は,実質的にみて,請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項5の記載を引用する請求項6の記載を引用する請求項7の記載を引用する請求項8の記載を,請求項間の引用関係を解消し,独立型式請求項へ改めるための訂正であると認められるから,特許法134条の2第1項ただし書き第4号に掲げる,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるといえる。 しかも,この訂正は,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法134条の2第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (33) 小括 上記(1)~(32)のとおり,訂正事項1~32に係る訂正はいずれも,特許法134条の2第1項ただし書き各号に掲げるいずれかの事項を目的とするものであり,しかも同条9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に違反するものでもない。 (34) 訂正事項3~32の独立特許要件について 本件特許無効審判事件においては,第1のとおり,請求項2~8が無効審判の請求の対象とされておらず,また訂正事項3~32が,特許請求の範囲の減縮,誤記又は誤訳の訂正を目的とするものでもないから,訂正事項3~32について,特許法134条の2第9項で読み替えて準用する同法126条7項の規定(いわゆる独立特許要件)は適用されない。 よって,結論のとおり,本件訂正を認める。 第4 本件発明の要旨 上記第3のとおり本件訂正は認容されるから,審決が判断の対象とすべき特許に係る発明は本件訂正後のものである。そして,その要旨は,本件訂正明細書の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 2個以上の重合性不飽和基または2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させたポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなる,吸水剤。」 第5 当事者の主張 1 無効理由に係る請求人の主張 本件特許は,下記(1)及び(2)のとおりの無効事由があるから,特許法123条1項2号及び4号に該当し,無効とすべきものである(第1回口頭審理調書及び主張の全趣旨)。 また,証拠方法として書証を申出,下記(3)のとおりの文書(甲1~甲11)を提出する。 (1) 無効事由1及び2(進歩性欠如について) 本件発明は,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない発明である。 すなわち,本件発明は,甲1を主引例として,甲2に記載された発明,さらには甲3の1,2,甲4の1,2並びに甲5の1,2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである(無効事由1)。 また,本件発明は,甲6の1ないし甲6の12及び甲7の記載を参酌すれば,甲1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである(無効事由2)。 (2) 無効事由3(サポート要件について) 特許請求の範囲(請求項1)の記載が,特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない。 すなわち,本件発明の「イオン封鎖剤の配合割合」について,下限値は「0.0001重量部」であり,本件訂正明細書にも,「0.0001重量部よりも少ないと耐尿性向上の効果が得られない。」(【0018】)と記載されているにもかかわらず,「0.0001重量部」の実施例はない。他方,上限値は「10重量部」であるにもかかわらず,実施例の上限値は,DTPA-5Naでは「0.1重量部」,TTHA-6Na及びCyDTAでは「0.01重量部」に過ぎない。 よって,本件訂正明細書において,イオン封鎖剤の配合割合の全範囲において,本件発明の課題を解決したことをサポートする開示はないから,本件発明の範囲まで拡張又は一般化できない。 (3) 証拠方法(なお,甲1~甲5の2,甲9の1,甲10及び甲11は,本件特許に係る優先日の前に頒布された刊行物である。) ・甲1 特開平8-337726号公報 ・甲2 特開平5-149号公報 ・甲3の1 特開昭63-146964号公報 ・甲3の2 特開平1-210463号公報 ・甲4の1 上野景平著「キレート滴定法」昭和47年6月15日改訂14版,株式会社南江堂発行,13~26頁 ・甲4の2 「第20版/総合カタログ」平成8年3月15日,株式会社同仁化学研究所発行,430~431頁 ・甲5の1 特開平8-52203号公報 ・甲5の2 特開平8-127725号公報 ・甲6の1 事実実験公正証書(1),平成26年9月11日公証人竹中邦夫作成,平成26年第500号 ・甲6の2 事実実験公正証書(2),平成26年9月11日公証人八木良一作成,平成26年第0246号 ・甲6の3 事実実験公正証書(3),平成26年9月11日公証人水落徹男作成,平成26年第292号 ・甲6の4 事実実験公正証書(4),平成26年9月11日公証人杉浦三智夫作成,平成26年第0231号 ・甲6の5 事実実験公正証書(5),平成26年9月11日公証人榎本巧作成,平成26年第415号 ・甲6の6 事実実験公正証書(6),平成26年9月11日公証人大西良孝作成,平成26年第0296号 ・甲6の7 事実実験公正証書(7),平成26年9月11日公証人水落徹男作成,平成26年第293号 ・甲6の8 事実実験公正証書(8),平成26年9月11日公証人大西良孝作成,平成26年第0297号 ・甲6の9 事実実験公正証書(9),平成26年9月11日公証人竹中邦夫作成,平成26年第501号 ・甲6の10 事実実験公正証書(10),平成26年9月11日公証人榎本巧作成,平成26年第416号 ・甲6の11 事実実験公正証書(11),平成26年9月11日公証人杉浦三智夫作成,平成26年第0232号 ・甲6の12 事実実験公正証書(12),平成26年9月11日公証人八木良一作成,平成26年第0247号 ・甲7 平成26年9月10日,住友精化株式会社 吸水性樹脂研究所 横山秀樹作成の陳述書 ・甲8 平成27年2月13日,住友精化株式会社 吸水性樹脂研究所 横山秀樹作成の乙第1号証の追試実験に関する報告書 ・甲9の1 「ドータイト試薬 総合カタログ-第11版-」昭和52年3月15日,合資会社同仁化学研究所発行,88頁 ・甲9の2 「DOJINDO  第29版/総合カタログ」平成26年3月28日,株式会社同仁化学研究所発行,272頁 ・甲10 増田房善著「高吸水性ポリマー」,共立出版株式会社発行,111~113頁 ・甲11 特開昭58-117222号公報 2 被請求人の主張 本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求める。請求人主張の無効事由1~3は,いずれも理由がない。 また,証拠方法として書証を申出,下記のとおりの文書(乙1~9の3)を提出する。 ・乙1 2014年12月5日,株式会社日本触媒 吸水性樹脂研究所 松本智嗣作成の実験報告書 ・乙2 Shazand petrochemical companyのウェブサイトのホームページと製品カタログ(「Chemical Prodacts」及び「Chemical Grade Polyethylene glycol(PEG)」と題する頁)を印刷した書面 ・乙3 特開2004-67879号公報 ・乙4 2015年3月10日,株式会社日本触媒 吸水性樹脂研究所 松本智嗣作成の実験報告書 ・乙5 「平成26年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)高吸水性樹脂」平成27年3月,特許庁発行,8頁 ・乙6 増田房善著「高吸水性ポリマー」1987年11月15日初版,共立出版株式会社発行,8,9,20~23及び46~51頁 ・乙7の1 F.L.Buchholz et.al「Modern Superabsorbent Polymer Technology」1997年11月,WILLY-VCH,97頁 ・乙7の2 WILEY(乙7の1の出版社)のホームページ(URL http://wiley.com/WileyCDA/WileyTitle/productCd-0471194115.html)の出力物 ・乙8 栗村芳実ほか「鉄(III)キレートによるアスコルビン酸の接触酸化」,工業化学雑誌,72巻8号(昭和44年8月),1698~1702頁 ・乙9の1 特開平8-67821号公報 ・乙9の2 乙9の1に係る特許出願(特願平6-228615号)における平成15年7月25日付け手続補正書 ・乙9の3 乙9の1に係る特許出願(特願平6-228615号)における平成15年7月25日付け意見書 第6 当合議体の判断 当合議体は,本件特許について,以下述べるように,無効事由1~3はいずれも理由がなく,よって本件特許を無効とすることはできないと解する。 請求人の主張する無効事由1及び2は,共に甲1を主引例とするいわゆる進歩性の欠如(29条2項の要件充足性)を主張するものである点で共通するものであるから,進歩性に係る無効事由1及び2をまとめて「無効事由A」として以下判断する。 1 本件発明について 本件発明の要旨は,上記第4で認定のとおりである。 2 証拠について (1) 甲1の記載 本件特許に係る優先日の前に日本国内において頒布された刊行物である甲1には,次の記載がある。(下線は,審決において付した。) ア 「【請求項1】 下記要件(1)~(3)を具備することを特徴とする高吸水性樹脂。 (1)生理食塩水中30分膨潤後の遠心脱水法による吸水量が35g/g以上である。 (2)生理食塩水中15時間膨潤後の可溶分ポリマー量が高吸水性樹脂量に対して20重量%以下である。 (3)L-アスコルビン酸ナトリウムを0.05重量%溶解させた生理食塩水中15時間膨潤後の可溶分ポリマー量が高吸水性樹脂量に対して20重量%以下である。 【請求項2】 上記要件(1)に代えて下記要件(1)’を具備する請求項1記載の高吸水性樹脂。 (1)’生理食塩水中30分膨潤後の遠心脱水法による吸水量が40g/g以上である。 【請求項3】 上記要件(2)及び(3)に代えて下記要件(2)’及び(3)’をそれぞれ具備する請求項1又は2記載の高吸水性樹脂。 (2)’生理食塩水中15時間膨潤後の可溶分ポリマー量が高吸水性樹脂量に対して10重量%以下である。 (3)’L-アスコルビン酸ナトリウムを0.05重量%溶解させた生理食塩水中15時間膨潤後の可溶分ポリマー量が高吸水性樹脂量に対して10重量%以下である。 【請求項4】 還元性化合物を実質的に含有しない請求項1~3のいずれかに記載の高吸水性樹脂。 【請求項5】 ラジカル連鎖禁止剤を実質的に含有しない請求項1~4のいずれかに記載の高吸水性樹脂。 【請求項6】 請求項1~5のいずれかに記載の高吸水性樹脂を使用する吸収性物品。」(特許請求の範囲) イ 「高吸水性樹脂の飽和吸水量,遠心脱水後の吸水量を増大させる処方としては,一般的には架橋剤量を低減させることが考えられる。しかしながら,架橋剤量を必要以上に低減すると,体液が高吸水性樹脂と接してその樹脂の劣化,分解が起こった場合,高吸水性樹脂の体液保持能力が低下してしまうという問題があった。 従って,本発明の目的は,体液(尿,経血,汗等)の吸収物性に優れるだけでなく,体液を吸収した状態でも分解・劣化しにくい吸収性物品の薄型化に極めて適した高吸水性樹脂及びこれを使用する吸収性物品を提供することである。」(段落【0004】~【0005】) ウ 「上記要件(1)~(3)についてそれぞれ説明すると,まず,上記要件(1)は,生理食塩水中30分膨潤後の遠心脱水法による吸水量が35g/g以上であることである。従来,幼児用,大人用若しくは失禁者用使い捨ておむつ又は生理用ナプキン等の吸収性物品における吸収体に用いられる高吸水性樹脂は,一般的に遠心脱水法による吸水量が30g/gあるいはそれ以下のものが多い。しかしながら,遠心脱水法による吸水量が35g/g未満の値を有する吸水性樹脂を使用した吸収性物品では,本発明が所望する水準の薄型化を達成することができない。従って,本発明においては,上記遠心脱水法による吸水量を35g/g以上とした。 次に,上記要件(2)は,生理食塩水中15時間膨潤後の可溶分ポリマー量が高吸水性樹脂量に対して20重量%以下であることである。該可溶分ポリマー量が20重量%を超える高吸水性樹脂が生理用ナプキン等の吸収性物品中に存在すると,吸水時にべとつきが生じ,液保持性が不十分となる。従って,本発明においては,上記可溶分ポリマー量を高吸水性樹脂量に対して20重量%以下とした。 上記要件(3)は,L-アスコルビン酸ナトリウムを0.05重量%溶解させた生理食塩水中15時間膨潤後の可溶分ポリマー量が高吸水性樹脂量に対して20重量%以下であることである。該可溶分ポリマー量が20重量%を超えると,該高吸水性樹脂を使用する吸収性物品を実際に使用した場合,該高吸水性樹脂が体液を吸収したとき,経時的に劣化,分解する傾向となる。従って,本発明においては,上記可溶分ポリマー量を高吸水性樹脂量に対して20重量%以下とした。」(段落【0012】~【0014】) エ 「本発明の高吸水性樹脂の基本構造については特に制限はなく,例えば,ポリアクリル酸塩架橋体,…のようなカルボキシル基又はその塩を有する高分子化合物の部分架橋体…が挙げられる。特に吸水の性能の点からは,…特にポリアクリル酸塩架橋体を用いることが好ましい。通常,これらの重合体及び共重合体に含まれるカルボキシル基は,好ましくは40~90モル%,更に好ましくは50~90モル%は,その水素原子がアルカリ金属で置換された状態にある。… その構成単位にカルボキシル基及び/又はカルボキシレート基を有する高吸水性樹脂としては,一般に,水溶性ビニルモノマー,例えば,アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体であり,ポリアクリル酸及びその塩並びにポリメタクリル酸及びその塩を例示することが出来る。ポリアクリル酸塩や,ポリメタクリル酸塩としては,ナトリウム塩,カリウム塩を好ましく用いることができる。…アクリル酸重合体を中和してその塩にする場合には,アクリル酸重合体の中和度が,上述の通り40~90モル%であることが好ましく,更に50~90モル%であることが吸水物性及びコストの点から好ましい。」(段落【0015】~【0016】) オ 「また,本発明の高吸水性樹脂が上記要件(1)及び(2)を具備する為には,高吸水性樹脂製造の際の開始剤の種類及び量,架橋剤の種類,量及び添加時期も重要な因子となる。以下,これらについて詳述する。 上記重合開始剤としては,一般にラジカル開始剤が用いられる。かかるラジカル開始剤としては,…過硫酸カリウム,過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩…を挙げることができる。… これらの重合開始剤のなかでも,過硫酸カリウム,過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩…を用いることが特に好ましい。上記重合開始剤の添加量は,該重合開始剤の種類によっても異なるが,概ね上記水溶性ビニルモノマーに対して,好ましくは0.01~1重量%であり,更に好ましくは0.02~0.6重量%であり,一層好ましくは0.03~0.4重量%である。上記添加量が0.01重量%に満たないと,残存未反応モノマーが増えてしまい,一方,上記添加量が1重量%を超えると,本発明の上記要件(1)の遠心脱水法による吸水量が35g/g以上であることを達成しにくくなるので上記範囲内とすることが好ましい。また,上記重合開始剤の中でも,特に過酸化物及び過硫酸塩を用いる場合には,架橋反応も伴い,添加量が多いと架橋反応が進みすぎ,上記要件(1)の遠心脱水法による吸水量が35g/g以上であることは達成できない。従って,過酸化物及び過硫酸塩を用いる場合には,その添加量を水溶性ビニルモノマーに対して0.03~0.4重量%と少量にすることが好ましい。」(段落【0018】~【0020】) カ 「本発明の高吸水性樹脂を製造するに際しては,重合前,重合時又は重合後に,公知の架橋剤を反応系に添加することができる。以下,かかる架橋剤について説明する。 上記架橋剤としては,例えば,…エチレングリコールグリシジルエーテル,ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル,ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどのポリグリシジルエーテル;エピクロルヒドリン,α-メチルクロルヒドリンなどのハロエポキシ化合物;グルタールアルデヒド,グリオキザールなどのポリアルデヒド;グリセリンなどのポリオール;エチレンジアミンなどのポリアミン…などを挙げることができる。上記架橋剤の添加量は,最終生成ポリマーの所望の性状に従い適宜調整し得るが,通常生成ポリマーに対して好ましくは0.001~1重量%の範囲になる様に添加し,さらに好ましくは,0.005~0.5重量%の範囲になる様に添加することが好ましく,一層好ましくは,0.01~0.2重量%の範囲になる様に添加する。本発明の上記要件(1)の遠心脱水法による吸水量が35g/g以上であることを達成するには,遠心脱水法による吸水量が30g/g以下である吸水性樹脂と比較して,上記架橋剤の添加量を低減する必要があり,本発明の場合,上記範囲内が好ましく用いられる。更に,上記添加量が0.001重量%に満たないと,生理食塩水中膨潤後の可溶分ポリマー量が増えてしまい,本発明の上記要件(2)を満たさなくなる。一方,上記添加量が1重量%を超えると,遠心脱水法による吸水量が35g/g未満になることが多く,本発明の上記要件(1)を満たさなくなるので上記範囲内とすることが好ましい。」(段落【0021】~【0022】) キ 「また,上記架橋剤の中でも,ポリビニル化合物以外の架橋剤を使用する場合には,重合後に架橋することができる。その場合,重合後に生成ポリマー中の含水率を制御し,架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤を添加する際のポリマー中含水率によっても,遠心脱水法による吸水量は変化するが,本発明における最適な含水率は,架橋剤との兼ね合いで決まる。即ち,遠心脱水法による吸水量が35g/g以上であることを達成するには,高含水率下では少ない架橋剤量,低含水率下では多い架橋剤量を用いることが好ましい。」(段落【0023】) ク 「本発明の高吸水性樹脂が上記要件(1)及び(2)を具備するための主な手段については,上述の通りである。一方,本発明の高吸水性樹脂が上記要件(3)を具備するためには,いかなる方法を用いてもよいが,下記○1(審決注:元の記載は丸付き数字であるが,表記できないのでこの様に表現する。)~○4の方法のうちの少なくとも1つを行うことが有効である。 方法○1 [高吸水性樹脂の重合工程中又は重合工程後,キレート化合物を高吸水性樹脂に添加する方法] ここで上記キレート化合物とは,例えば,多価カルボン酸誘導体,ヒドロキシカルボン酸誘導体,イミノジ酢酸誘導体,有機酸アミド誘導体,N-アシル化アミノ酸誘導体,リン酸エステル誘導体,ホスホン酸誘導体及び多価ホスホン酸誘導体並びにそれらのアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩等が挙げられるが,これらの例示に限定されるものではない。 … 上記キレート化合物の有効添加量は,該キレート化合物の種類,及び該キレート化合物を添加する前の高吸水性樹脂の性質によっても異なるが,高吸水性樹脂100重量部に対し概ね0.001~10重量%であることが好ましく,0.005~5重量%であることが更に好ましく,0.01~3重量%であることが一層好ましい。上記添加量が0.001%に満たないと,本発明の上記要件(3)を満たす効果は小さく,一方上記添加量が10重量%を超えても本発明の上記要件(3)を満たす効果は変わらない。」(段落【0029】~【0038】) ケ 「〔実施例1〕攪拌機,還流冷却器,滴下ロート,窒素ガス導入管を付した1000ml4つ口フラスコにシクロヘキサン400ml,エチルセルロース(ハーキュレス製,商品名エチルセルロースN-100)0.625g(0.5重量%対生成ポリマー)を仕込み,窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出し,75℃まで昇温した。別のフラスコ中において,アクリル酸102.0gをイオン交換水25.5gで希釈し,外部より冷却しつつ,30wt%水酸化ナトリウム水溶液140gで中和した。次いで,過硫酸カリウム0.204g(0.2%対アクリル酸)を水7.5gに溶解させたものを添加溶解した後,窒素ガスを吹き込み水溶液内に残存する酸素を除去した。このフラスコ内容物を上記4つ口フラスコに1時間かけて滴下し,重合した。重合終了後,脱水管を用い,共沸脱水を行い,高吸水性樹脂の含水量を高吸水性樹脂100重量部に対して30重量部に調整した。その後,ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製,商品名デナコールEX-512)0.04g(0.04wt%対アクリル酸)を水4gに溶解・添加し,75~80℃で1時間反応させた。冷却後,シクロヘキサンをデカンテーションで除き,高吸水性樹脂含水物を得た。この高吸水性樹脂含水物(乾燥重量100g)を双腕型ニーダーに入れモノアルキルリン酸エステル(アルキル基炭素原子数16)の5%水溶液を20g(固形分で対高吸水性樹脂1重量%)噴霧添加し,十分攪拌混合し,次いで,80~100℃で50Torrに加熱減圧下で乾燥させ,高吸水性樹脂組成物を得た。評価を行うに当たり,850μm以上の粒子を除いた。以下の実施例においても,同様の操作を行った。評価結果を表2に示す。 〔実施例2~14〕表2に示すように,分散剤の種類及び量,開始剤の種類及び量,架橋剤の量,架橋時の含水率,添加剤の種類及び量を変え,実施例1と同様の操作を行い,高吸水性樹脂組成物を得た。これらの高吸水性樹脂組成物について実施例1と同様に評価を行った。各々の評価結果を表2に示す。」(段落【0072】~【0073】) コ 「【表2】 」(段落【0081】) サ 「注1)分散剤 EC;ハーキュレス製,エチルセルロースN-100 AG;ドデシルグルコシド(糖縮合度1.25) ES;花王製,ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート,エマールE-27C(27%水溶液),実施例の添加量は水溶液換算。 注2)開始剤 KPS;過硫酸カリウム V-50;和光純薬製,2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ハイドロクロライド 注3)親水性ポリマー PEI(600);日本触媒製,ポリエチレンイミン,エポミンSP-006 PEI(7万);日本触媒製,ポリエチレンイミン,エポミンSP-1000 PAlAm(1万);日東紡績製,ポリアリルアミンPAA-L 注4)添加剤 【化1】 」(段落【0085】~【0086】) シ 「【発明の効果】以上,詳述した通り,本発明の高吸水性樹脂は,吸収物性に優れるだけではなく,尿,経血,汗用の体液を吸収した状態でも分解/劣化しにくく,幼児用,大人用若しくは失禁者用の使い捨ておむつ又は婦人用の生理用ナプキン等の吸収性物品に特に有効に用いられ,しかも薄型吸収体に極めて適したものである。」(段落【0090】) (2) 甲1に記載された発明 上記(1)ア~シで摘記したところ(特に下線を付した部分)によれば,甲1には,次のとおりの発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認めることができる。 「アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩等の水溶性ビニルモノマーに対して,重合開始剤として0.03~0.4重量%の量の過硫酸カリウム,過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩を使用して重合した後に,ポリビニル化合物以外の架橋剤を生成ポリマーに対して0.001~1重量%の範囲で添加反応させることによって得られた中和度が40~90モル%であるポリアクリル酸塩架橋体の重合工程後,キレート化合物をポリアクリル酸塩架橋体100重量部に対し0.001~10重量%の量で添加することによって製造された, 下記要件(1)~(3)を具備する高吸水性樹脂の, 幼児用,大人用若しくは失禁者用使い捨ておむつにおける吸収体への使用。 (1)生理食塩水中30分膨潤後の遠心脱水法による吸水量が35g/g以上である。 (2)生理食塩水中15時間膨潤後の可溶分ポリマー量が高吸水性樹脂量に対して20重量%以下である。 (3)L-アスコルビン酸ナトリウムを0.05重量%溶解させた生理食塩水中15時間膨潤後の可溶分ポリマー量が高吸水性樹脂量に対して20重量%以下である。」 3 無効事由A(進歩性)について (1) 本件発明と甲1発明との対比 本件発明と甲1発明を対比すると,甲1発明の「高吸水性樹脂」は本件発明の「吸水剤」に,甲1発明の「幼児用,大人用若しくは失禁者用使い捨ておむつ」は本件発明の「紙オムツ」に,それぞれ相当する。 また,甲1において,「ポリアクリル酸塩や,ポリメタクリル酸塩としては,ナトリウム塩,カリウム塩を好ましく用いることができる」(上記2(1)エ)と記載され,甲1の実施例における具体的なものとして,「アクリル酸…を…水酸化ナトリウム…で中和した」(上記2(1)ケ)と記載されていることに鑑みれば,甲1発明の「アクリル酸アルカリ金属塩」は,「アクリル酸ナトリウム塩」を具体的な態様として包含するものであるから,本件発明の「アクリル酸ナトリウム塩」に相当するといえる。そうすると,甲1発明の「生成ポリマー」は,本件発明の「ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物」に相当するといえる。 また,甲1発明における「ポリビニル化合物以外の架橋剤」は,「エチレングリコールグリシジルエーテル,ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル,ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどのポリグリシジルエーテル;エピクロルヒドリン,α-メチルクロルヒドリンなどのハロエポキシ化合物」(上記2(1)カ)が記載されているから,本件発明における「カルボキシル基と反応し得る」「架橋剤」に相当するといえる。 また,甲1発明の「キレート化合物」は,本件発明の「イオン封鎖剤」に相当することは明らかであり,それらの使用割合についても,甲1発明における「キレート化合物をポリアクリル酸塩架橋体100重量部に対し0.001~10重量%の量」は,本件発明における「吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合」と重複する部分を包含する。 そうすると,本件発明と甲1発明を対比すると,両者の一致点及び相違点は,次のとおりと認めることができる。 ・ 一致点 吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする,紙オムツへの吸水剤の使用。 ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂は架橋剤で架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合でイオン封鎖剤が配合されてなる,吸水剤。 ・ 相違点1 架橋剤で架橋処理される前の対象物であるポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物について,本件発明は,「架橋体」からなり「2個以上の重合性不飽和基または2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させた」ものであると特定するのに対し,甲1発明は,「アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩等の水溶性ビニルモノマーに対して,重合開始剤として0.03~0.4重量%の量の過硫酸カリウム,過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩を使用して重合し」て得られた「生成ポリマー」と特定する点。 ・ 相違点2 架橋剤による架橋処理について,本件発明は,吸水性樹脂の表面近傍がさらに架橋処理されてなると特定するのに対し,甲1発明は,表面を架橋することに関し特に明記していない点。 ・ 相違点3 イオン封鎖剤(キレート化合物)の種類について,本件発明は「ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれる」と特定するのに対し,甲1発明は単に「キレート化合物」と特定する点。 (2) 判断 ア 相違点1について 上記相違点1について,以下に検討する。 (ア) 一般に,使い捨ておむつ等における吸収体において,内部架橋をすること,また,そのための具体的な手段として,内部架橋剤を使用せず,重合開始剤である過酸化物や過硫酸塩を使用した自己架橋型や,内部架橋剤を使用した内部架橋剤型は当業者の技術常識である。 そして,甲1発明の「重合開始剤として0.03~0.4重量%の量の過硫酸カリウム,過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩を使用して重合し」て得られた「生成ポリマー」は,甲1に「過酸化物及び過硫酸塩を用いる場合には,架橋反応も伴い」(上記2(1)オ)と記載されていることからも,いわゆる自己架橋型の内部架橋を有するものであると解される。 ところで,自己架橋により内部架橋して得られた吸収体と内部架橋剤を使用して内部架橋して得られた吸収体とを比較すれば,両者はその分子構造が異なるものとなるのは明らかである。 そして,使い捨ておむつ等における吸収体には,体液の高い吸収倍率,優れた吸収速度,吸引力,少ない液戻り量,あるいは通液性,膨潤ゲルのゲル強度,ゲルブロッキングの防止といった,場合によっては相反するような複数の特性を兼ね備えることが必要とされるものと認められるところ,これらの特性は,上記分子構造の相違によって相互に複雑に影響を受けることとなり,その結果,両者の吸収体としての特性が変化するものと認められる。 そうすると,甲1発明に接した当業者は,甲1発明における自己架橋型の内部架橋に代えて,あるいはさらに加えて,内部架橋剤型の内部架橋を適用しようとはしないはずである。甲1発明から相違点1に係る構成を想到することは困難であるといえる。 (イ) さらに,甲1の段落【0021】の記載をみても,それの示唆にはならない。 すなわち,甲1には,段落【0021】に,架橋剤を添加するに際しては,「重合前」,「重合時」又は「重合後」に添加することができる(上記2(1)カ)と記載されているものの,当該記載は,架橋剤を添加する時期が異なることを単に示しているにすぎず,いわんや,架橋剤をそれらの段階の複数で添加することを意味するものでもない(実際のところ,甲1の具体的な例をみても,実施例1~14は架橋剤を「重合後」に添加し,実施例15及び16は架橋剤を「重合前」に添加するものと認められ,架橋剤を「重合前」,「重合時」又は「重合後」のうちのいずれかの段階の複数で添加する例は1つも記載されていない。)。 (ウ) ところで,甲1発明は,アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩等の水溶性ビニルモノマーを重合した後に,ポリビニル化合物以外の架橋剤を添加反応させることによってポリアクリル酸塩架橋体を製造するものである。 ここで,上記記載からみて,甲1発明においては,当該「重合後」に架橋剤を添加したものに相当すると認められ,内部架橋剤の使用を意図していないものと認められるから,甲1発明において,内部架橋剤の使用に加えて表面架橋をするとの技術思想は存在しないといえる。 そうすると,甲1発明において,「重合後に」架橋剤を添加することに加えて,さらに,架橋剤を「重合前」あるいは「重合時」にも添加することは,当業者であっても容易であるとはいえない。 (エ) 仮に,高吸水性樹脂の製造において,2個以上の重合性不飽和基または2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させ,さらに重合後に架橋剤を反応させることが周知技術であったとしても,甲1発明において,さらに,2個以上の重合性不飽和基または2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させることの動機付けがあるとはいえない。 そして,それによりもたらされる,吸水性樹脂の吸水諸特性をバランス良く改善しつつ,尿を吸収したときの経時的な劣化の少ない,耐尿性に優れるという効果は当業者が予測し得るものであるとはいえない。 イ 請求人の主張に対して 請求人は,甲1には吸水性樹脂の内部架橋につき,自己架橋型のほか,架橋剤添加型の説明もされ,また,これらは本件発明の技術分野で周知技術であるから,相違点1は実質的な相違点とはなりえないと主張している(弁駁書13~16頁)。 しかしながら,甲1発明では,「アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩等の水溶性ビニルモノマーに対して,重合開始剤として0.03~0.4重量%の量の過硫酸カリウム,過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩を使用して重合して得られた生成ポリマー」であることから,上記2(1)オの摘示から,生成ポリマーが架橋構造を有するものであることは理解できるものの,甲1の記載や本件優先日の技術常識を踏まえても,また,請求人の提出した証拠によっても,当該生成した架橋構造が,2個以上の重合性不飽和基または2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させることにより生成した内部架橋構造と全く等価なものであって,これらの(内部)架橋生成手段が自由に置換可能なものであるとまではいえない。 したがって,相違点1が実質的な相違点でないとする請求人の主張は採用することができない。 ウ 小括 以上のとおりであるから,相違点2及び3について検討するまでもなく,本件発明は甲1発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 したがって,請求人主張の無効事由Aには,理由がない。 4 無効事由3(サポート要件)について (1) 本件発明に適用されるサポート要件について 特許法36条6項1号には,特許請求の範囲の記載は,「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること」でなければならない旨が規定されている。 特許請求の範囲の記載が,サポート要件に適合するか否かは,特許請求の範囲の記載と明細書の発明の詳細な説明の記載とを対比し,特許請求の範囲に記載された発明が,発明の詳細な説明に記載された発明で,発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲内のものであるか否か,また,その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断される。 (2) 本件発明に係るサポート要件の充足の有無について これを本件発明についてみると,本件訂正明細書には,以下のとおりの記載がある。 ア 「【技術分野】 本発明は吸水剤の使用に関する。更に詳しくは,尿吸収時の劣化の少ない,尿吸収用途における吸収性物品,特に紙オムツへの吸水剤の使用に関する。」(段落【0001】) イ 「【背景技術】 近年,紙おむつ,生理用ナプキン,いわゆる失禁パッドなどの衛生材料には,その構成材として,尿や経血等の体液を吸収させることを目的として,吸水性樹脂(吸水剤)が幅広く利用されている。 このような吸水性樹脂としては,例えば,デンプン-アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物(特許文献1),デンプン-アクリル酸グラフト重合体の中和物(特許文献2),酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体のケン化物(特許文献3),アクリロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解物(特許文献4),またはこれらの架橋体,逆相懸濁重合によって得られた自己架橋型ポリアクリル酸ナトリウム(特許文献5),ポリアクリル酸部分中和物架橋体(特許文献6)等が知られている。 かかる吸水性樹脂に望まれる特性としては,水性液体に接した際の高い吸収倍率や優れた吸収速度,通液性,膨潤ゲルのゲル強度,水性液体を含んだ基材から水を引き上げる吸引力等が挙げられる。しかしながら,これらの特性間の関係は必ずしも正の相関関係を示さず,例えば,吸収倍率の高いものほど通液性,ゲル強度,吸収速度等の物性は低下してしまうという問題を有している。 この様な吸水性樹脂の吸水諸特性をバランスよく改良する方法として吸水性樹脂の表面近傍を架橋する技術が知られており,これまでに様々な方法が提案されている。 例えば,架橋剤として,多価アルコールを用いる方法(特許文献7,特許文献8),多価グリシジル化合物,多価アジリジン化合物,多価アミン化合物,多価イソシアネート化合物を用いる方法(特許文献9),多価金属を用いる方法(特許文献10,特許文献11,特許文献12),モノエポキシ化合物を用いる方法(特許文献13),エポキシ化合物とヒドロキシ化合物とを用いる方法(特許文献14),アルキレンカーボネートを用いる方法(特許文献15)等が知られている。 しかしながら,これら表面処理により吸水諸特性はバランスは改善されてきてはいるものの,吸水性樹脂をおむつの吸収体に用いると経時的に吸水性樹脂が劣化し,通液性が低下したりゲル強度が低下し,おむつから尿が漏れてしまうという問題があった。吸水性樹脂の劣化は吸水性樹脂の表面から起こり,可溶分が溶出し,通液性やゲル強度が低下する。このような吸水性樹脂の劣化は微量の金属イオンと尿中に含まれるL-アスコルビン酸により起きると考えられている。」(段落【0002】~【0004】) ウ 「【発明が解決しようとする課題】 従って,本発明の目的は,尿を吸収したときの経時的な劣化の少ない,耐尿性に優れた吸水剤の紙オムツへの使用を提供することにある。」(段落【0006】) エ 「【課題を解決するための手段】 本発明者らは,上記目的を達成するため鋭意検討した結果,尿吸収用途における吸収性物品,特に紙オムツへの吸水剤の使用に際し,耐尿性に優れた下記の吸水剤を用いるようにすれば,上記課題を解決できることを見出し,本発明を完成するに至った。 即ち,本発明の紙オムツへの吸水剤の使用は,吸水剤として下記の吸水剤を用いることを特徴とする。 2個以上の重合性不飽和基または2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させたポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるものであり,かつ,該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなる,吸水剤。」(段落【0007】) オ 「【発明の効果】 本発明によれば,尿による経時的な劣化や溶出成分の少ない吸水剤を,尿吸収用途における吸収性物品,特に紙オムツへの使用に容易に供することが出来る。」(段落【0008】) カ 「【発明を実施するための形態】 以下,本発明を詳細に説明する。 本発明で用いることのできる吸水性樹脂としては,…ポリアクリル酸部分中和物架橋体…を挙げることができる。 このような吸水性樹脂は一般に不飽和カルボン酸,例えばアクリル酸,メタクリル酸…およびこれらの中和物から選ばれる一種以上を必須に含む単量体成分を重合させることにより得られる。好ましい単量体成分は,アクリル酸,メタクリル酸およびこれらのリチウム,ナトリウム,カリウム等のアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩である。」(段落【0010】~【0011】) キ 「…吸水性樹脂は…2個以上の重合性不飽和基や2個以上の反応性基を有する内部架橋剤をごく少量共重合または反応させたものが望ましい。…」(段落【0012】) ク 「…本発明では,例えば,上記の様にして得られたカルボキシル基を有する吸水性樹脂に対して,イオン封鎖剤とカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤を混合することにより,耐尿性の優れた吸水剤を得ることができる。」(段落【0014】) ケ 「本発明に用いられるイオン封鎖剤としては,以下の化合物が挙げられる。… これらイオン封鎖剤の中でも好ましくはカルボキシル基を3個以上有するアミノカルボン酸及びその塩であり,中でもジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミノテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸及びその塩が,耐尿性の点で最も好ましい。 本発明において上記イオン封鎖剤の使用量は,表面近傍の架橋に用いる表面架橋剤によって異なるが,通常吸水性樹脂の固形分100重量部に対して0.0001~10重量部,好ましくは0.0002~5重量部の範囲である。使用量が10重量部を越えると,使用に見合う効果が得られず不経済になるばかりか,吸収量が低下するなどの問題が生じる。また,0.0001重量部よりも少ないと耐尿性向上の効果が得られない。…」(段落【0015】~【0018】) コ 「本発明に用いることのできるカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤としては,…エチレングリコールジグリシジルエーテル…等のエポキシ化合物等が挙げられるが,特に限定されるものではない。」(段落【0019】) サ 上記ア~コで適示のほか,本願訂正明細書には,本件発明の特定事項を全て満たす実施例1~4の吸水剤について,その劣化可溶性成分溶出量(【0034】)が11.3~13.8%であり(【表1】),他方,本件発明におけるイオン封鎖剤を含まない他は実施例1と同様にした比較例1の吸水剤の劣化可溶性成分溶出量が24.5%であることが記載されている(【表1】)。 (3) 本件発明の課題や技術的意義など 上記(2)から,本件発明について,概ね次のとおりのことがいえる。 ア 尿吸収用途における吸収性物品,特に紙オムツへの吸水剤として,従来,ポリアクリル酸部分中和物架橋体等が知られており,かかる吸水性樹脂に望まれる特性としては,水性液体に接した際の高い吸収倍率や優れた吸収速度,通液性,膨潤ゲルのゲル強度,水性液体を含んだ基材から水を引き上げる吸引力等が挙げられるが,これらの特性間の関係は必ずしも正の相関関係を示さず,例えば,吸収倍率の高いものほど通液性,ゲル強度,吸収速度等の物性は低下してしまうという問題を有していた。そこで,この様な吸水性樹脂の吸水諸特性をバランスよく改良する方法として吸水性樹脂の表面近傍を架橋する技術が知られており,これまでに様々な方法が提案されていた。 しかしながら,これら表面処理により吸水諸特性のバランスは改善されてきてはいるものの,吸水性樹脂をおむつの吸収体に用いると経時的に吸水性樹脂が劣化し,通液性が低下したりゲル強度が低下し,おむつから尿が漏れてしまうという問題があった。当該吸水性樹脂の劣化は吸水性樹脂の表面から起こり,可溶分が溶出し,通液性やゲル強度が低下するものであって,このような吸水性樹脂の劣化は微量の金属イオンと尿中に含まれるL-アスコルビン酸により起きると考えられていた。 イ このような従来の課題を解決すべく,本件発明は,その特定事項である「2個以上の重合性不飽和基または2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させたポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるもの」を用い,かつ,「該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなる」吸水剤を紙オムツへ使用することで,吸水性樹脂の吸水諸特性をバランスよく改良すると共に,尿を吸収した時の経時的な劣化の少ない,耐尿性にも優れた吸収剤の紙オムツへの使用を提供するといった課題解決を図るものである。 ウ そして,「2個以上の重合性不飽和基または2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させたポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂を含み該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるもの」を用いることで,吸水性樹脂の吸水諸特性をバランスよく改良した吸水剤であることが理解できる。 また,「該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合で,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなる」ものを用いることで,耐尿性に優れた吸水剤となることが理解できる。 例えば,実施例1~4と比較例1との対比から,本件発明は,特定のイオン封鎖剤を含むことで,劣化可溶性成分溶出量の少ない吸収剤が得られることが理解できる。 エ そうすると,当業者であれば,上記した本件訂正明細書の記載から,紙オムツへの吸水剤の使用に際して,「2個以上の重合性不飽和基または2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させたポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体からなる吸水性樹脂」を含み,「該吸水性樹脂はその表面近傍が前記ポリアクリル酸ナトリウム塩部分中和物架橋体のカルボキシル基と反応し得る表面架橋剤でさらに架橋処理されてなるもの」であり,かつ,「該吸水性樹脂100重量部に対し0.0001~10重量部の配合割合」で,「ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸およびこれらの塩の中から選ばれるイオン封鎖剤が配合されてなる」,吸水剤を用いることで,吸水性樹脂の吸水諸特性をバランスよく改良すると共に,尿を吸収したときの経時的な劣化の少ない,耐尿性に優れた吸水剤の紙オムツへの使用を提供するといった課題の解決を図ることができることを当業者は認識できるといえる。 したがって,本件発明に係る特許請求の範囲の記載は,当業者が本件発明の課題を解決できると認識できる範囲内のものであるといえるから,サポート要件を満たすものである。 (4) 請求人の主張に対し ア 請求人は,本件訂正明細書の記載からすると,本件発明の課題は,「本件イオン封鎖剤を配合しない場合」との比較ではなく,「他のイオン封鎖剤を配合した場合」と比較して,経時的な劣化の少ない,耐尿性に優れた吸水剤を得ることであると主張し,本件発明のイオン封鎖剤の配合量の数値範囲は0.0001~10重量部であるにもかかわらず,実施例の上限値は0.1あるいは0.01重量部にすぎず,しかも,本件発明のイオン封鎖剤以外のイオン封鎖剤を配合した比較例はなく,本件発明のイオン封鎖剤が他のイオン封鎖剤と比較して耐尿性において良好な効果を示すという本件発明の課題を解決したことを裏付ける記載は一切存在しない旨主張する。 しかし,請求人の上記主張は以下のとおり採用できない。 イ 本件発明の課題が,本件発明のイオン封鎖剤を配合した場合に,他のイオン封鎖剤を配合した場合と比較して,経時的な劣化の少ない,耐尿性に優れた吸水剤を得ることであるとする請求人の主張は,その具体的な根拠を欠くものである。すなわち,本件発明の課題は,上記のとおり,尿を吸収したときの経時的な劣化の少ない,耐尿性に優れた吸水剤の紙オムツへの使用を提供するものであると認められ,これは,本件発明のイオン封鎖剤を配合した場合において,イオン封鎖剤が存在しない場合と比較しての効果があれば良いものであると解される。 例えば,本件訂正明細書の【0015】~【0018】には,以下のとおり,本件発明のイオン封鎖剤を配合した場合に課題を解決できる旨が記載されている。 「本発明に用いられるイオン封鎖剤としては,以下の化合物が挙げられる。… これらイオン封鎖剤の中でも好ましくはカルボキシル基を3個以上有するアミノカルボン酸及びその塩であり,中でもジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸,シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸,N-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸及びその塩が,耐尿性の点で最も好ましい。」 そして,本件優先日の技術常識を踏まえても,また,請求人の提出した証拠によっても,本件発明のイオン封鎖剤を配合した場合に,本件発明の課題を解決できないものであるとはいえない。 ウ また,本件発明のイオン封鎖剤を実施例に記載されているもの以外の範囲の配合量で使用した場合の本件発明が,課題を解決できると認識できる範囲のものでないとする請求人の主張は,その具体的な根拠を欠くものである。 例えば,本件訂正明細書の【0018】には,以下のとおり,本件発明のイオン封鎖剤を実施例に記載されているもの以外の範囲の配合量で使用した場合に課題を解決できる旨が記載されている。 「使用量が10重量部を越えると,使用に見合う効果が得られず不経済になるばかりか,吸収量が低下するなどの問題が生じる。また,0.0001重量部よりも少ないと耐尿性向上の効果が得られない。」 そして,本件優先日の技術常識を踏まえても,また,請求人の提出した証拠によっても,本件発明のイオン封鎖剤を実施例に記載されているもの以外の範囲の配合量で使用した場合に,本件発明のイオン封鎖剤を配合しない場合と比較して,本件発明の課題を解決できないものであるとはいえない。 (5) まとめ 以上のとおりであるから,請求人の主張する無効事由3には,理由がない。 第7 むすび 以上のとおり,請求人の主張する無効事由1~3はいずれも理由がなく,よって本件特許を無効とすることはできない。 審判に関する費用については,特許法169条2項で準用する民事訴訟法61条の規定により,請求人が負担すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。

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2014-800155

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