特許訂正審判
2026-390001
半導体装置
- 審判番号
- 2026-390001
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2021-206799
- 登録番号
- 7783041
- 請求日
- 2025年12月24日
- 審決日
- 2026年02月26日
- 公報発行日
- 2026年05月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ローム株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 藤田 年彦
- 審判官 横井 亜矢子
- 審判官 東松 修太郎
- 分類
- P141 .852-Y (H10H)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7783041号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7783041号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第7783041号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める、というものである。
第2 手続の経緯
特許第7783041号(以下「本件特許」という。)は、令和3年12月21日に出願された特願2021-206799号の請求項1~6に係る発明について、令和7年12月1日に特許権の設定登録がされたものである。
そして、令和7年12月24日に本件訂正審判の請求がされた。
第3 訂正の内容
本件訂正審判により請求された訂正の内容は、次の訂正事項(以下「本件訂正事項」という。)からなる。なお、下線部は訂正の前後の対応箇所を示す。
<本件訂正事項>
特許請求の範囲の請求項1において「前記隔壁は、平面視において前記半導体チップと前記第2端との間に位置するように前記基板上に配置されている、半導体装置。前記基板は・・・」と記載されているのを、「前記隔壁は、平面視において前記半導体チップと前記第2端との間に位置するように前記基板上に配置されており、前記基板は・・・」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2から請求項6も同様に訂正する)。
第4 当合議体の判断
1 訂正の目的
(1) 訂正前の請求項1の記載(設定登録時の請求項1の記載)は、次のとおりである(下線は訂正箇所に対応する訂正前の箇所を示すために当合議体で付した。)。
「【請求項1】
基板と、
半導体チップと、
接続材と、
ボンディングワイヤと、
隔壁とを備え、
前記半導体チップは、前記接続材を介在させて前記基板上に配置されており、
前記ボンディングワイヤは、第1端及び第2端を有し、かつ前記第1端において前記半導体チップに接続されているとともに前記第2端において前記基板に接続されており、
前記隔壁は、平面視において前記半導体チップと前記第2端との間に位置するように前記基板上に配置されている、半導体装置。
前記基板は、第1主面及び第2主面を有する基材と、前記第1主面上に配置されている第1導体パターン及び第2導体パターンとを有し、
前記第1導体パターン及び前記第2導体パターンは、平面視において、前記基板の長手方向に沿って間隔を空けて並んでおり、
前記隔壁は、前記第1導体パターンの表面及び前記第2導体パターンの表面を覆わないように前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとの間に位置している前記第1主面上に配置されている、半導体装置。」
(2) 前記請求項1の記載における「前記隔壁は、平面視において前記半導体チップと前記第2端との間に位置するように前記基板上に配置されている、半導体装置。前記基板は・・・半導体装置。」は、「…半導体装置。」という文の後に「前記・・・」という文が続いており、請求項が一文で記載されて一の発明対象(物の発明であれば物)を特定することが通常であることに鑑みれば、請求項1の記載の途中の「…半導体装置。」という記載が誤記であることは明らかである。
(3) また、訂正前の請求項1における、
「 基板と、
半導体チップと、
接続材と、
ボンディングワイヤと、
隔壁とを備え、
前記半導体チップは、前記接続材を介在させて前記基板上に配置されており、
前記ボンディングワイヤは、第1端及び第2端を有し、かつ前記第1端において前記半導体チップに接続されているとともに前記第2端において前記基板に接続されており、
前記隔壁は、平面視において前記半導体チップと前記第2端との間に位置するように前記基板上に配置されている」
という記載と、
「 前記基板は、第1主面及び第2主面を有する基材と、前記第1主面上に配置されている第1導体パターン及び第2導体パターンとを有し、
前記第1導体パターン及び前記第2導体パターンは、平面視において、前記基板の長手方向に沿って間隔を空けて並んでおり、
前記隔壁は、前記第1導体パターンの表面及び前記第2導体パターンの表面を覆わないように前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとの間に位置している前記第1主面上に配置されている」
という記載が、一の「半導体装置」を特定すべきものであることは、本件特許明細書の【0010】~【0024】、【図1】及び【図2】における「(実施形態に係る半導体装置の構成)」の記載に照らして明らかである。
(4) そうすると、本件訂正事項による訂正は、誤記を本来その意であることが明細書、特許請求の範囲又は図面の記載などから明らかな内容の字句、語句に正すものであり、訂正前の記載が当然に訂正後の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるものであるから、本件訂正事項による訂正は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる、誤記の訂正を目的とするものである。
2 新規事項の追加及び特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の有無
本件訂正事項による訂正は、誤記の訂正を目的とするものであって、本来その意であることが明細書、特許請求の範囲又は図面の記載から明らかな内容の字句、語句に正すものであり、訂正前の記載が当然に訂正後の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるものである。
したがって、本件訂正事項による訂正が、ア)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の全てを総合することによって導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでなく、かつ、イ)実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもないことは、明らかである。
よって、本件訂正事項による訂正は、特許法126条5項及び6項の規定に適合する。
3 独立特許要件
本件訂正事項による訂正は誤記の訂正を目的とするものであって、本来その意であることが明細書、特許請求の範囲又は図面の記載から明らかな内容の字句、語句に正すものであり、訂正前の記載が当然に訂正後の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるものであるところ、当合議体は、本件訂正事項による訂正後の請求項1~6に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由を発見しない。
したがって、本件訂正事項による訂正は、特許法126条7項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条5項、6項及び7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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