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特許訂正審判

2025-390148

熱変色性筆記具

審判番号
2025-390148
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2009-501165
登録番号
5302881
請求日
2025年10月20日
審決日
2026年01月09日
公報発行日
2026年04月24日
結論
訂正認容
当事者
  • 【請求人】パイロットインキ株式会社
  • 【請求人代理人】宮嶋 学
  • 【請求人代理人】柏 延之
  • 【請求人】株式会社パイロットコーポレーション
  • 【請求人代理人】宮嶋 学
  • 【請求人代理人】柏 延之
審判長/審判官
  • 審判長 川俣 洋史
  • 審判官 山本 一
  • 審判官 殿川 雅也
分類
P141 .841-Y (B43K) / P141 .851-Y (B43K) / P141 .857-Y (B43K) / P141 .854-Y (B43K) / P141 .855-Y (B43K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項4号特許法126条3項特許法126条5項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第5302881号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第5302881号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔5、7、10~12〕について訂正することを認める。

理由

理 由 第1 手続等の経緯 特許第5302881号(以下、「本件特許」という。)に係る出願は、2008年(平成20年)2月8日(優先権主張 平成19年2月26日、平成19年7月21日及び平成20年1月15日)を国際出願日とする日本語特許出願であって、その請求項1~12に係る発明について平成25年6月28日に特許権の設定登録がなされたものである。 その後、令和7年10月20日に本件訂正審判の請求がなされ、これに対し、同年11月5日付けで手続補正指令書(方式)が通知され、同月26日に手続補正書(方式)が提出されたものである。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第5302881号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項5、7、10~12について訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。 第3 訂正の内容 本件訂正審判請求による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項1~4のとおりである。(本項における下線は訂正箇所を示す。) 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項5のうち、請求項1、3、4を引用するものを削除し、「前記操作部を前記軸筒の側壁より径方向外方に突出させ、前記操作部を前方に押圧操作することにより、ペン先没入状態からペン先突出状態にする出没機構を備える請求項1~4のいずれか1項に記載の熱変色性筆記具。」 と記載されている請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、 「熱変色性インキを内蔵した熱変色性筆記具であって、 内部に前記熱変色性インキを収容する筆記体と、 内部に前記筆記体を前後方向に移動可能に収容する軸筒と、 前記筆記体のペン先を前記軸筒の前端孔から出没させるための操作部と、 前記熱変色性インキの筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で該筆跡を熱変色させることが可能な低摩耗性の弾性材料からなる摩擦部と、を備え、 前記軸筒の前端であるペン先支持部は硬質材料よりなり、 軟質材料からなる前記摩擦部を前記ペン先支持部の前端外面に設け、 前記摩擦部と前記ペン先支持部は2色成形により一体に形成され、 前記操作部を前記軸筒の側壁より径方向外方に突出させ、 前記操作部を前方に押圧操作することにより、ペン先没入状態からペン先突出状態にする出没機構を備える ことを特徴とする熱変色性筆記具。」 と記載する。また、これを引用する請求項10、11、12も同様に訂正する。 2 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項7のうち、請求項3を引用するものを削除し、 「前記操作部を前記軸筒の後端に設け、前記操作部を前方に押圧操作することにより、ペン先没入状態からペン先突出状態にする出没機構を備える請求項2又は3に記載の熱変色性筆記具。」 と記載されている請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、 「熱変色性インキを内蔵した熱変色性筆記具であって、 内部に前記熱変色性インキを収容する筆記体と、 内部に前記筆記体を前後方向に移動可能に収容する軸簡と、 前記筆記体のペン先を前記軸筒の前端孔から出没させるための操作部と、 前記熱変色性インキの筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で該筆跡を熱変色させることが可能な低摩耗性の弾性材料からなる摩擦部と、を備え、 前記軸筒の前端であるペン先支持部は硬質材料よりなり、 軟質材料からなる前記摩擦部を前記ペン先支持部の前端外面に設け、 前記摩擦部と前記ペン先支持部は2色成形により一体に形成され、 前記操作部を前記軸筒の後端に設け、 前記操作部を前方に押圧操作することにより、ペン先没入状態からペン先突出状態にする出没機構を備える ことを特徴とする熱変色性筆記具。」 と記載する。また、これを引用する請求項11、12も同様に訂正する。 3 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項11における「請求項1~10のいずれか1項に記載の熱変色性筆記具。」との記載を、請求項1~4、6、8~9を引用するものを削除し、「請求項5、7、10のいずれか1項に記載の熱変色性筆記具。」と訂正する。 4 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項12における「請求項1~10のいずれか1項に記載の熱変色性筆記具。」との記載を、請求項1~4、6、8~9を引用するものを削除し、「請求項5、7、10のいずれか1項に記載の熱変色性筆記具。」と訂正する。 第4 当審の判断 1 一群の請求項について 訂正前の請求項10~12はそれぞれ請求項5を直接的または間接的に引用するものであって、請求項5に連動して訂正される。したがって、訂正前の請求項5、10~12は、特許法第126条第3項に規定される一群の請求項である。 また、訂正前の請求項11、12はそれぞれ請求項7を直接的または間接的に引用するものであって、請求項7に連動して訂正される。したがって、訂正前の請求項7、11、12は、特許法第126条第3項に規定される一群の請求項である。 さらに、請求項11、12を介して請求項5、7、10~12は連関している関係にあるから、訂正前の請求項5、7、10~12は特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。 そして、訂正事項1~4は、この一群の請求項に対して訂正するものである。 したがって、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第3項の規定に適合する。 2 訂正事項1 (1)訂正の目的 ア 訂正事項1は、以下の訂正事項からなるものである。 (ア)訂正前の請求項5において引用する請求項の一部を削除し、請求項2を引用する請求項5の記載を独立項形式に改める訂正事項。 (イ)訂正前の請求項2を引用する請求項5の「軸筒」について「前記軸筒の前端であるペン先支持部は硬質材料よりなり」という構成を加えるとともに、「摩擦部」について「軟質材料からなる」との構成を加え、「前記摩擦部を前記軸筒の前端に設け」るとの構成を、「前記摩擦部を前記ペン先支持部の前端外面に設け」るとの構成に限定し、さらに、「前記摩擦部と前記ペン先支持部は2色成形により一体に形成され」るとの構成を加えることにより限定する訂正事項。 (ウ)訂正前の請求項2を引用する請求項5の「操作部」を「前記軸筒の前端以外の部位に設けた」ことを削除する訂正事項。 イ 以下、訂正の目的を判断する。 (ア)前記ア(ア)の訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 (イ)前記ア(ウ)の訂正事項では、記載が削除されているが、これにより訂正前後の「前記操作部を前記軸筒の側壁より径方向外方に突出させ」るとの構成がなんら変更されるものではないから、前記ア(イ)及び(ウ)の訂正事項により、訂正後の請求項5は、訂正前の請求項2を引用する請求項5に対して、記載事項が限定されている。したがって、前記ア(イ)及び(ウ)の訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 (2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項1は、前記(1)イ(ア)のとおり、請求項間の引用関係を解消して独立項形式へ改め、さらに前記(1)イ(イ)のとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合する。 (3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること ア 訂正後の請求項5に係る発明は、「前記操作部を前記軸筒の側壁より径方向外方に突出させ」、「前記操作部を前方に押圧操作することにより、ペン先没入状態からペン先突出状態にする出没機構を備える」「熱変色性筆記具」であるところ、当該出没機構を備える熱変色性筆記具に関して、本件明細書等には、以下の記載がある。なお、下線部は合議体が付したものである。 「【0011】 [3]本願の第3の発明は、前記第2の発明において、前記前端孔31を有する軸筒2のペン先支持部3が硬質材料よりなり、前記軸筒2のペン先支持部3の前端外面に軟質材料よりなる摩擦部4を設けたことを要件とする。 【0012】 前記第3の発明の熱変色性筆記具1は、ペン先支持部3が硬質材料からなるため、軸筒2の前端孔31から外部にペン先81が突出した状態(筆記時)において、ペン先81外面または筆記体8のペン先81近傍外面が、硬質材料からなるペン先支持部3の前端孔31内面により支持される。それにより、ペン先81のぐらつきが抑えられ、安定した筆記感が得られる。また、前記硬質材料よりなるペン先支持部3の前端外面に軟質材料よりなる摩擦部4を形成したことにより、筆跡を摩擦変色させる際、摩擦部4のぐらつきが抑えられ、安定した摩擦変色作業が可能となる。」 「【0060】 ・摩擦部 尚、本発明で、前記摩擦部4を構成する軟質材料とは、弾性を有する樹脂(ゴム、エラストマー)が挙げられ、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン共重合体)、フッ素系樹脂、クロロプレン樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。前記摩擦部4を構成する軟質材料は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)からなるものよりも、紙面等の摩擦で摩耗屑が殆ど生じない低摩耗性の弾性材料からなるものが有効である。前記摩擦部4は、軸筒2のペン先支持部3の外面に2色成形により一体に形成する構成、または摩擦部4を構成する別部品を軸筒2のペン先支持部3に固着(例えば、嵌着、圧入、螺着、接着)する構成が挙げられる。前記摩擦部4は、軸筒2の軟質部材からなる把持部51(グリップ部)と一体に形成する構成でもよい。 【0061】 ・軸筒 前記前端孔31を備えた軸筒2のペン先支持部3は、ペン先突出状態のペン先81外面または筆記体8のペン先81近傍外面を支持するものである。前記ペン先支持部3を構成する硬質材料は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト、ポリプロプレン、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂等)または金属等が挙げられる。」 「【0071】 ・・・中略・・・ 3 ペン先支持部 31 前端孔 4 摩擦部 ・・・中略・・・ 【0098】 <第5の実施の形態> 本発明の熱変色性筆記具の第5の実施の形態を図10及び図11に示す。 本実施の形態の熱変色性筆記具1は、軸筒2と、軸筒2内に前後方向に移動可能に収容された複数本の筆記体8とからなる。 【0099】 軸筒2内には、複数本の筆記体8の各々が前後方向(軸方向)に移動可能に収容されている。前記筆記体8の各々は、弾発体7(具体的には圧縮コイルスプリング)により、後方に付勢されている。 【0100】 前記軸筒2には、ペン先81を出没させる出没機構が内蔵されている。本実施の形態では、前記出没機構として、いわゆるサイドスライド式が採用される。前記出没機構は、軸筒2側壁より径方向外方に突出された各々の操作部5を、弾発体7の後方付勢に抗して前方に押圧操作することにより、前端孔31よりペン先81を出没させるものである。 ・・・中略・・・ 【0113】 軸筒2の前端部外面(即ち前軸2aの前端部外面)には、軟質材料(例えば、SBS樹脂、SEBS樹脂等の低摩耗性の弾性材料)よりなる摩擦部4が形成される。前記摩擦部4は、軸筒2外面に、2色成形、嵌合、圧入、螺合、接着等の手段により、固着される。」 「【図10】 [図:0001434065000001.jpg] 」 イ 前記ア【0011】、【0012】、【0061】より、「軸筒」について「前記軸筒の前端であるペン先支持部は硬質材料よりなり」という構成が記載されていたと認められる。 ウ 前記ア【0011】、【0012】、【0060】、【0113】、図10より、「摩擦部」について「軟質材料からなる」こと、「前記摩擦部を前記ペン先支持部の前端外面に設け」ること、さらに、「前記摩擦部と前記ペン先支持部は2色成形により一体に形成され」ることが記載されていたと認められる。 エ したがって、訂正事項1は、新たな技術的事項を導入しないものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 (4)独立特許要件について 訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を訂正の目的に含むものであるから、本件訂正後の請求項5及び請求項5を直接的または間接的に引用する請求項10~12に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなくてはならないとの要件(いわゆる独立特許要件)を満たす必要がある。 しかしながら、当該発明がそれぞれ特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由を見いだせない。 よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 3 訂正事項2 (1)訂正の目的 ア 訂正事項2は、以下の訂正事項からなるものである。 (ア)訂正前の請求項7において引用する請求項の一部を削除し、請求項2を引用する請求項7の記載を独立項形式に改める訂正事項。 (イ)訂正前の請求項2を引用する請求項7の「軸筒」について「前記軸筒の前端であるペン先支持部は硬質材料よりなり」という構成を加えるとともに、「摩擦部」について「軟質材料からなる」との構成を加え、「前記摩擦部を前記軸筒の前端に設け」るとの構成を、「前記摩擦部を前記ペン先支持部の前端外面に設け」るとの構成に限定し、さらに、「前記摩擦部と前記ペン先支持部は2色成形により一体に形成され」るとの構成を加えることにより限定する訂正事項。 (ウ)訂正前の請求項2を引用する請求項7の「操作部」を「前記軸筒の前端以外の部位に設けた」ことを削除する訂正事項。 イ 以下、訂正の目的を判断する。 (ア)前記ア(ア)の訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 (イ)前記ア(ウ)の訂正事項では、記載が削除されているが、これにより訂正前後の「前記操作部を前記軸筒の後端に設け」るとの構成がなんら変更されるものではないから、前記ア(イ)及び(ウ)の訂正事項により、訂正後の請求項7は、訂正前の請求項2を引用する請求項7に対して、記載事項が限定されている。したがって、前記ア(イ)及び(ウ)の訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 (2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項2は、前記(1)イ(ア)のとおり、請求項間の引用関係を解消して独立項形式へ改め、さらに、前記(1)イ(イ)のとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合する。 (3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること ア 訂正後の請求項7に係る発明は、「前記操作部を前記軸筒の後端に設け」、「前記操作部を前方に押圧操作することにより、ペン先没入状態からペン先突出状態にする出没機構を備える」「熱変色性筆記具」であるところ、当該出没機構を備える熱変色性筆記具に関して、本件明細書等には、前記2(3)アに加え、以下の記載がある。 「【0071】 ・・・中略・・・ 3 ペン先支持部 31 前端孔 4 摩擦部 ・・・中略・・・ 【0072】 <第1の実施の形態> 本発明の熱変色性筆記具の第1の実施の形態を図1乃至図5に示す。 本実施の形態の熱変色性筆記具1は、軸筒2と、軸筒2内に前後方向に移動可能に収容された筆記体8とからなる。 【0073】 ・軸筒 前記軸筒2は、硬質材料(例えば、ポリカーボネイト樹脂)の射出成形によって得られる。前記軸筒2の前端部は、先細状に形成される。前記先細状の前端部の前端(即ち軸筒2の前端)には前端孔31が前後方向に貫設される。前記前端孔31を通して、軸筒2内に収容した筆記体8のペン先81が出没可能(即ち外部に突出可能且つ軸筒2内に没入可能)となる。前記軸筒2の後部外面には、ポケット等に挟持可能なクリップ6が突設される。また、前記軸筒2内には、筆記体8を常時後方に付勢する弾発体7(具体的には圧縮コイルスプリング)が収容される。前記軸筒2は、前軸と該前軸の後端に着脱自在に螺着される後軸とからなるため、前記軸筒2内から前記筆記体8を取り出して交換することが可能である。 【0074】 ・ペン先支持部 前記前端孔31を備える軸筒2の前端は、ペン先81が軸筒2の前端より外部に突出した状態(筆記時)において、ペン先81の径方向外面を支持するペン先支持部3となる。前記ペン先支持部3は、軸筒2の前端に一体に形成されるため、軸筒2と同じ硬質材料(例えば、ポリカーボネイト樹脂)によって構成される。 【0075】 ・摩擦部 前記軸筒2の前端外面(即ちペン先支持部3の前端外面)に、軟質材料(例えば、SBS樹脂、SEBS樹脂等の低摩耗性の弾性材料)からなる摩擦部4が設けられる。 ・・・中略・・・ 【0079】 前記摩擦部4は、軸筒2の前端外面に別部品を固着すること(例えば、嵌着、圧入、螺着、接着等)により得られる。または、前記摩擦部4は、軸筒2との2色成形により得られる。 【0080】 ・出没機構 前記軸筒2には、ペン先を出没させる出没機構が内蔵されている。本実施の形態では、前記出没機構として、いわゆる後端ノック式が採用される。前記出没機構は、前記軸筒2の後端より後方に突出された操作部5を、前方に押圧することによって、筆記体8を後方付勢に抗して前方に移動させ、ペン先没入状態からペン先突出状態にするものである。さらに、本実施の形態では、再度、操作部5を前方に押圧することにより、ペン先突出状態からペン先没入状態にすることができる。」 「【図1】 [図:0001434065000002.jpg] 」 イ 前記2(3)ア【0011】、【0012】、【0061】、前記ア【0074】より、「軸筒」について「前記軸筒の前端であるペン先支持部は硬質材料よりなり」という構成が記載されていたと認められる。 ウ 前記2(3)ア【0011】、【0012】、【0060】、前記ア【0074】、図1より、「摩擦部」について「軟質材料からなる」こと、「前記摩擦部を前記ペン先支持部の前端外面に設け」ること、さらに、「前記摩擦部と前記ペン先支持部は2色成形により一体に形成され」ることが記載されていたと認められる。 エ したがって、訂正事項2は、新たな技術的事項を導入しないものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 (4)独立特許要件について 訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を訂正の目的に含むものであるから、本件訂正後の請求項7及び請求項7を直接的または間接的に引用する請求項11~12に係る発明は、独立特許要件を満たす必要がある。 しかしながら、当該発明がそれぞれ特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由を見いだせない。 よって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 4 訂正事項3及び4 (1)訂正の目的 訂正事項3は、請求項11において引用する請求項の一部を削除することにより、引用請求項数を削減するものであり、訂正事項4は、請求項12において引用する請求項の一部を削除することにより、引用請求項数を削減するものである。 したがって、訂正事項3及び4は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定される「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 (2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 前記(1)のとおり、訂正事項3及び4は、引用する請求項の一部を削除することにより、引用請求項数を削減するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合する。 (3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項3及び4は、引用する請求項の一部を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 (4)独立特許要件について 訂正事項3及び4は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を訂正の目的に含むものであるから、本件訂正後の請求項11及び12に係る発明は、独立特許要件を満たす必要があるところ、当該発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由を見いだせない。 よって、訂正事項3及び4に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項、及び第5項~第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2025-390148

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