意匠拒絶査定不服審判
2025-015880
表示情報選択用画像
- 審判番号
- 2025-015880
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2024-008938
- 登録番号
- 1828061
- 請求日
- 2025年10月06日
- 審決日
- 2026年04月22日
- 公報発行日
- 2026年06月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社長谷工コーポレーション
- 【請求人代理人】弁理士法人藤本パートナーズ
- 審判長/審判官
- 審判長 前畑 さおり
- 審判官 綿貫 浩一
- 審判官 高野 洋
- 分類
- D18 .113-WY (N3-1)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
意願2024- 8938「表示情報選択用画像」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、画像の部分について意匠登録を受けようとする、令和6年(2024年)5月1日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は、以下のとおりである。
令和 7年(2025年) 2月19日付け 拒絶理由通知書
同年 4月 2日 意見書の提出
同年 6月27日付け 拒絶査定
同年 10月 6日 審判請求書の提出
令和 8年(2026年) 3月16日 面接
第2 本願の意匠
本願の意匠は、意匠に係る画像を「表示情報選択用画像」とし、その画像(以下「本願意匠」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載したとおりとしたものであって、意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「赤色に着色された部分を除く部分が、意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである。(別紙第1参照)
第3 原査定における拒絶の理由及び引用の意匠
原審の拒絶理由通知に基づく原査定の拒絶の理由は、本願意匠が、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似するものであるから、意匠法3条1項3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものである。(別紙第2参照)
(引用意匠)
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2023年 5月24日
受入日 特許庁意匠課受入2023年 6月26日
掲載者 Bulpara Ltd
表題 Smart Girl: AI Girlfriend - Google Play のアプリ
掲載ページのアドレス
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.bulpara.smartgirlvirtualassistant
に掲載された「スマートフォン用ソフトウェアのエンターテインメント関連機能の画像(縦長)」の意匠のうち本願の意匠登録を受けようとする部分に相当する部分
(特許庁意匠課公知資料番号第RJ05101411号)
第4 当審の判断
1 本願意匠と引用意匠の対比
(1)意匠に係る画像の用途の対比
本願意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)に係る画像は、どちらも、表示情報の選択用画像であるから、両意匠に係る画像の用途は一致する。
(2)本願部分と引用意匠において本願部分に相当する部分の画像の用途及び機能の対比
本願部分と引用意匠において本願部分に相当する部分(以下「引用部分」といい、本願部分とあわせて「両部分」という。)は、どちらも、選択の対象となる情報を横に並べて表示し、ひと目で分かりやすくするという用途及び機能を有するものであるから、両部分の画像の用途及び機能は一致する。
(3)両部分の位置、大きさ及び範囲の対比
両部分の画像全体に対する位置については、どちらも、略縦長矩形状の外枠内の左右中央に略矩形状の区画(選択ボタン)を整列して2列、複数行配置したうちの1行目の2つの区画であるから一致し、大きさ及び範囲は、1行目を除く複数の区画と、外枠内上方寄りの文字列と、1行目の区画内の絵(シンボル)と文字列を除いた部分であるから概ね範囲は一致するが、意匠全体における当該意匠登録を受けようとする部分の大きさは、本願部分は、約70%であるのに対し、引用部分は、約80%であるから相違する。
(4)両部分の画像の態様の対比
両部分の画像の態様を対比すると、その態様には、主として以下の共通点及び相違点が認められる。
ア 共通点
両部分は、全体に色彩を伴うグラデーションを施した略縦長長方形の外枠の中央やや上方寄りに、略矩形状の白色の区画を2つ横に並べて配置したものである点において共通する。
イ 相違点
(ア)各部の長さの比率等
(ア-1)外枠の縦横の長さの比率について、本願部分は、約1.3:1であるのに対し、引用部分は、約1.4:1で、引用部分の方がやや縦長である点、
(ア-2)区画の縦横の長さの比率について、本願部分は、約1:1の略正方形であるのに対し、引用部分は、約1.14:1の略縦長角丸長方形である点、
(イ)外枠の態様
(イ-1)模様及び色彩について、本願部分は、灰色のグラデーションを横方向に施しているのに対し、引用部分は、赤色のグラデーションを左上から右下に掛けて斜め方向に施している点、
(イ-2)余地について、本願部分は、中央右下寄りに区画1つ分程の余地を設けているのに対し、引用部分は、余地は設けていない点、
において相違する。
2 両意匠の類否判断
(1)意匠に係る画像の用途の類否判断
両意匠の意匠に係る画像の用途は一致するから、同一である。
(2)両部分の画像の用途及び機能の類否判断
両部分の画像の用途及び機能は一致するから、同一である。
(3)両部分の位置、大きさ及び範囲の評価
両部分の画像全体に対する位置及び範囲は概ね一致するが、大きさは相違する。しかしながら、両部分の大きさの差は僅かであって、さほど目に付くものではないから、両部分の類否判断に与える影響は小さい。
したがって、両部分の画像全体に対する位置、大きさ及び範囲は、類似する。
(4)両部分の画像の態様の類否判断
ア 共通点の評価
共通点は、両部分の画像の態様を概括的に捉えた場合における共通した態様にすぎないものであるから、この共通点が、両部分の類否判断に与える影響は小さい。
イ 相違点の評価
(相違点ア)各部の長さの比率等について、両部分は、外枠及び区画の縦横の長さの比率や区画の四隅の角の処理が相違するが、いずれも格別目立つ相違ではなく、常套的になされる改変の範囲内のものであるから、需要者に異なる美感を与えるものとはいえず、(相違点ア)が、両部分の類否判断に与える影響は小さい。
(相違点イ)外枠の態様について、まず、(イ-1)外枠の模様及び色彩についてであるが、色彩自体の相違は、異なる色彩の選択によって生じる差異に過ぎないから、意匠の評価としては微弱であり、両部分の類否判断にほとんど影響を及ぼさないものであり、グラデーションの態様における相違も方向の違いのみであるから、微弱なものといわざるを得ないが、(イ-2)余地については、本願部分の中央右下寄りの余地は比較的大きく、余地を設けていない引用部分と比較すると、目に付く相違であるところ、本願部分の構成要素を俯瞰してみると、略縦長長方形の外枠において、全体に灰色のグラデーションを横方向に施し、中央右下寄りに区画1つ分程の余地を設けた態様は、引用部分にはない新規な特徴を醸成しており、需要者に別異の美感を起こさせるものといえるから、(相違点イ)が、両部分の類否判断に与える影響は大きい。
ウ 両部分の画像の態様の類否判断
両部分の画像の態様における共通点及び相違点についての個別評価に基づき、両部分を部分全体として総合的に観察した場合、両部分は、(相違点ア)が両部分の類否判断に与える影響は小さいものの、(相違点イ)が両部分の類否判断に大きな影響を与えているのに対し、共通点は、両部分の類否判断に与える影響は小さいものであるから、本願部分の画像の態様は、引用部分の画像の態様に類似しないものである。
(5)小括
以上のとおり、両意匠は、意匠に係る画像の用途が同一であり、両部分の画像の用途及び機能が同一で、位置、大きさ及び範囲は類似するが、両部分の画像の態様において類似しないものであるから、本願意匠は、引用意匠には類似しないものである。
第5 むすび
以上のとおりであって、本願意匠は、引用意匠に類似せず、意匠法3条1項3号に掲げる意匠に該当しないものである。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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