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特許拒絶査定不服審判

2025-002404

プログラム、方法、およびシステム

審判番号
2025-002404
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2023-112426
請求日
2025年02月17日
審決日
2025年12月08日
公報発行日
2026年02月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社Cygames
  • 【請求人代理人】田中 伸一郎
  • 【請求人代理人】須田 洋之
  • 【請求人代理人】山崎 一夫
  • 【請求人代理人】大塚 文昭
  • 【請求人代理人】近藤 直樹
  • 【請求人代理人】那須 威夫
  • 【請求人代理人】林 陽和
審判長/審判官
  • 審判長 藤田 年彦
  • 審判官 山崎 仁之
  • 審判官 秋田 将行
分類
P18 .575-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2023-112426「プログラム、方法、およびシステム」拒絶査定不服審判事件〔令和 7年 1月20日出願公開、特開2025- 9425〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 この出願は、令和5年7月7日の出願であって、その手続の経緯は、概略、以下の通りである。 令和 5年 8月 7日 :新規性喪失の例外証明書の提出 令和 6年 1月26日付け:拒絶理由通知書 同年 5月31日 :意見書及び手続補正書の提出 同年 7月12日付け:拒絶理由通知書 同年 9月24日 :意見書及び手続補正書の提出 同年11月13日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) 令和 7年 2月17日 :審判請求書及び手続補正書の提出 第2 令和7年2月17日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和7年2月17日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由](補正の適否の判断) 1 本件補正について(補正の内容) 本件補正は、特許請求の範囲について、下記(1)に示す本件補正前の特許請求の範囲の請求項1~6を、下記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~6へと補正するものである。 (1)本件補正前の特許請求の範囲 「 【請求項1】 第1の期間にわたって開催され、前記第1の期間よりも短い第2の期間ごとに第1の報酬をユーザに付与可能な第1のイベントを管理することと、 前記第1のイベント中にゲームの実行に基づく第1の条件が満たされるごとに所定のパラメータを変化させ、当該所定のパラメータに応じて前記第1の報酬の内容を変化させることと、 前記所定のパラメータの変化に応じた前記第1の報酬の内容の変化を前記ユーザに報知することと、 前記所定のパラメータを前記第2の期間ごとに初期化することと、 前記所定のパラメータが初期化されてから前記第2の期間が経過した場合、または前記所定のパラメータが前記第2の期間内に所定値に達した場合に、前記ユーザに前記第1の報酬を付与することと、 をコンピュータに実行させるための、プログラム。 【請求項2】 前記第2の期間ごとに前記第1の報酬とは異なり内容が変化しない第2の報酬を前記ユーザに付与可能な第2のイベントを管理すること を前記コンピュータに実行させるための、請求項1に記載のプログラム。 【請求項3】 前記所定のパラメータの変化に応じた前記第1の報酬の内容の変化を前記ユーザに報知するときに、現在の前記所定のパラメータを示す第1画像と、現在の前記第1の報酬の内容を示す第2の画像と、を含む画像を出力すること を前記コンピュータに実行させるための、請求項1に記載のプログラム。 【請求項4】 前記第1の条件に含まれる複数の条件と、当該複数の条件の各々が満たされることに応じて前記所定のパラメータが変化する量と、の対応関係を示すように予め設定されたリストに基づいて、前記第1の条件が満たされるごとに所定のパラメータを変化させ、当該所定のパラメータに応じて前記第1の報酬の内容を変化させること を前記コンピュータに実行させるための、請求項1に記載のプログラム。 【請求項5】 第1の期間にわたって開催され、前記第1の期間よりも短い第2の期間ごとに第1の報酬をユーザに付与可能な第1のイベントを管理することと、 前記第1のイベント中にゲームの実行に基づく第1の条件が満たされるごとに所定のパラメータを変化させ、当該所定のパラメータに応じて前記第1の報酬の内容を変化させることと、 前記所定のパラメータの変化に応じた前記第1の報酬の内容の変化を前記ユーザに報知することと、 前記所定のパラメータを前記第2の期間ごとに初期化することと、 前記所定のパラメータが初期化されてから前記第2の期間が経過した場合、または前記所定のパラメータが前記第2の期間内に所定値に達した場合に、前記ユーザに前記第1の報酬を付与することと、 を含む、方法。 【請求項6】 第1の期間にわたって開催され、前記第1の期間よりも短い第2の期間ごとに第1の報酬をユーザに付与可能な第1のイベントを管理し、 前記第1のイベント中にゲームの実行に基づく第1の条件が満たされるごとに所定のパラメータを変化させ、当該所定のパラメータに応じて前記第1の報酬の内容を変化させ、 前記所定のパラメータの変化に応じた前記第1の報酬の内容の変化を前記ユーザに報知し、 前記所定のパラメータを前記第2の期間ごとに初期化し、 前記所定のパラメータが初期化されてから前記第2の期間が経過した場合、または前記所定のパラメータが前記第2の期間内に所定値に達した場合に、前記ユーザに前記第1の報酬を付与する、 ように構成されている、システム。」 (2)本件補正後の特許請求の範囲 「 【請求項1】 第1の期間にわたって開催され、前記第1の期間よりも短い第2の期間ごとに第1の報酬をユーザに付与可能な第1のイベントを、前記第1の期間に対応する管理情報であって、前記第1の期間内で前記第2の期間が設定されるタイミングに関する情報と、前記第2の期間に対応して設定されるゲームの実行に基づく第1の条件と、が予め登録された管理情報を用いて管理することと、 前記第1のイベント中に前記第1の条件が満たされるごとに所定のパラメータを変化させ、当該所定のパラメータに応じて前記第1の報酬の内容を変化させることと、 前記所定のパラメータの変化に応じた前記第1の報酬の内容の変化を前記ユーザに報知することと、 前記所定のパラメータを前記第2の期間ごとに初期化することと、 前記所定のパラメータが初期化されてから前記第2の期間が経過した場合、または前記所定のパラメータが前記第2の期間内に所定値に達した場合に、前記ユーザに前記第1の報酬を付与することと、 をコンピュータに実行させるための、プログラム。 【請求項2】 前記第2の期間ごとに前記第1の報酬とは異なり内容が変化しない第2の報酬を前記ユーザに付与可能な第2のイベントを管理すること を前記コンピュータに実行させるための、請求項1に記載のプログラム。 【請求項3】 前記所定のパラメータの変化に応じた前記第1の報酬の内容の変化を前記ユーザに報知するときに、現在の前記所定のパラメータを示す第1画像と、現在の前記第1の報酬の内容を示す第2の画像と、を含む画像を出力すること を前記コンピュータに実行させるための、請求項1に記載のプログラム。 【請求項4】 前記管理情報は、前記第1の条件に含まれる複数の条件と、当該複数の条件の各々が満たされることに応じて前記所定のパラメータが変化する量と、の対応関係がさらに予め設定されたリストであり、当該リストを用いて、前記第1の条件が満たされるごとに所定のパラメータを変化させ、当該所定のパラメータに応じて前記第1の報酬の内容を変化させること を前記コンピュータに実行させるための、請求項1に記載のプログラム。 【請求項5】 第1の期間にわたって開催され、前記第1の期間よりも短い第2の期間ごとに第1の報酬をユーザに付与可能な第1のイベントを、前記第1の期間に対応する管理情報であって、前記第1の期間内で前記第2の期間が設定されるタイミングに関する情報と、前記第2の期間に対応して設定されるゲームの実行に基づく第1の条件と、が予め登録された管理情報を用いて管理することと、 前記第1のイベント中に前記第1の条件が満たされるごとに所定のパラメータを変化させ、当該所定のパラメータに応じて前記第1の報酬の内容を変化させることと、 前記所定のパラメータの変化に応じた前記第1の報酬の内容の変化を前記ユーザに報知することと、 前記所定のパラメータを前記第2の期間ごとに初期化することと、 前記所定のパラメータが初期化されてから前記第2の期間が経過した場合、または前記所定のパラメータが前記第2の期間内に所定値に達した場合に、前記ユーザに前記第1の報酬を付与することと、 を含む、方法。 【請求項6】 第1の期間にわたって開催され、前記第1の期間よりも短い第2の期間ごとに第1の報酬をユーザに付与可能な第1のイベントを、前記第1の期間に対応する管理情報であって、前記第1の期間内で前記第2の期間が設定されるタイミングに関する情報と、前記第2の期間に対応して設定されるゲームの実行に基づく第1の条件と、が予め登録された管理情報を用いて管理し、 前記第1のイベント中に前記第1の条件が満たされるごとに所定のパラメータを変化させ、当該所定のパラメータに応じて前記第1の報酬の内容を変化させ、 前記所定のパラメータの変化に応じた前記第1の報酬の内容の変化を前記ユーザに報知し、 前記所定のパラメータを前記第2の期間ごとに初期化し、 前記所定のパラメータが初期化されてから前記第2の期間が経過した場合、または前記所定のパラメータが前記第2の期間内に所定値に達した場合に、前記ユーザに前記第1の報酬を付与する、 ように構成されている、システム。」 (3)補正事項 上記(1)及び(2)のとおり、本件補正による補正事項は、以下のものを含めると認める。 ア 補正事項1 本件補正前の請求項1の発明特定事項である「第1のイベントを管理」することについて、本件補正により、「第1のイベントを、前記第1の期間に対応する管理情報であって、前記第1の期間内で前記第2の期間が設定されるタイミングに関する情報と、前記第2の期間に対応して設定されるゲームの実行に基づく第1の条件と、が予め登録された管理情報を用いて管理」するとする補正(以下「補正事項1」という。)。 イ 補正事項2 本件補正前の請求項4の発明特定事項である「前記第1の条件に含まれる複数の条件と、当該複数の条件の各々が満たされることに応じて前記所定のパラメータが変化する量と、の対応関係を示すように予め設定されたリストに基づいて、前記第1の条件が満たされるごとに所定のパラメータを変化させ、当該所定のパラメータに応じて前記第1の報酬の内容を変化させる」について、本件補正により「前記管理情報は、前記第1の条件に含まれる複数の条件と、当該複数の条件の各々が満たされることに応じて前記所定のパラメータが変化する量と、の対応関係がさらに予め設定されたリストであり、当該リストを用いて、前記第1の条件が満たされるごとに所定のパラメータを変化させ、当該所定のパラメータに応じて前記第1の報酬の内容を変化させること」とする補正(以下「補正事項2」という。)。 ウ 補正事項3 本件補正前の請求項5の発明特定事項である「第1のイベントを管理」することについて、本件補正により、「第1のイベントを、前記第1の期間に対応する管理情報であって、前記第1の期間内で前記第2の期間が設定されるタイミングに関する情報と、前記第2の期間に対応して設定されるゲームの実行に基づく第1の条件と、が予め登録された管理情報を用いて管理」するとする補正(以下「補正事項3」という。)。 エ 補正事項4 本件補正前の請求項6の発明特定事項である「第1のイベントを管理」することについて、本件補正により、「第1のイベントを、前記第1の期間に対応する管理情報であって、前記第1の期間内で前記第2の期間が設定されるタイミングに関する情報と、前記第2の期間に対応して設定されるゲームの実行に基づく第1の条件と、が予め登録された管理情報を用いて管理」するとする補正(以下「補正事項4」という。)。 2 補正の適否 (1)新規事項について 本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)の【0060】~【0066】及び図10記載に基づくものであり、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 (2)補正の目的について 補正事項1,3,4は、本件補正前の発明特定事項である「第1の期間にわたって開催され、前記第1の期間よりも短い第2の期間ごとに第1の報酬をユーザに付与可能な第1のイベントを管理」することについて、「前記第1の期間に対応する管理情報であって、前記第1の期間内で前記第2の期間が設定されるタイミングに関する情報と、前記第2の期間に対応して設定されるゲームの実行に基づく第1の条件と、が予め登録された管理情報を用いて」管理することを特定するものであり、補正事項2は「リスト」が、補正事項1により特定された「管理情報」であることを特定するものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2項に規定するところの特許請求の範囲の減縮(いわゆる「限定的減縮」)を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 3 独立特許要件について (1)本件補正発明 本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(符号A等は、分説するために合議体で付した。)。 「 【請求項1】 A 第1の期間にわたって開催され、前記第1の期間よりも短い第2の期間ごとに第1の報酬をユーザに付与可能な第1のイベントを、前記第1の期間に対応する管理情報であって、前記第1の期間内で前記第2の期間が設定されるタイミングに関する情報と、前記第2の期間に対応して設定されるゲームの実行に基づく第1の条件と、が予め登録された管理情報を用いて管理することと、 B 前記第1のイベント中に前記第1の条件が満たされるごとに所定のパラメータを変化させ、当該所定のパラメータに応じて前記第1の報酬の内容を変化させることと、 C 前記所定のパラメータの変化に応じた前記第1の報酬の内容の変化を前記ユーザに報知することと、 D 前記所定のパラメータを前記第2の期間ごとに初期化することと、 E 前記所定のパラメータが初期化されてから前記第2の期間が経過した場合、または前記所定のパラメータが前記第2の期間内に所定値に達した場合に、前記ユーザに前記第1の報酬を付与することと、 F をコンピュータに実行させるための、プログラム。」 (2)引用発明 ア 引用文献等に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された「[モンスト]モン玉はいつ引く?時間帯やタイミングは?,モンスト攻略スタディ,[online],2019年 9月28日,[2024年 7月12日検索],インターネット<URL:https://monst-study.com/montama-gacha>」(以下「引用文献等」という。)は、インターネット上に表示された情報であることから、電気通信回線を利用して公衆に利用可能となった情報であると認められる。 そして、引用文献等には、次の事項が記載されている(なお、下線は引用発明の認定に関連する箇所等を示すために合議体が付した。)。 (ア)記載事項1 「モンストのモン玉はいつ引くのが良いのか、時間帯やタイミング、ポイントの効率的な上げ方と当たりキャラについてまとめています。」 (イ)記載事項2 「モン玉ガチャ ▼開催期間 9月29日(日)4:00~10月29日(火)23:59 ▼モン玉ガチャとは? オーブを使わずに無料で引けるガチャです。ログインやスタミナを消費することでレベルアップして、排出対象を豪華にできます。」 (ウ)記載事項3 「モン玉ガチャを引こう! [図:0001431924000001.jpg] レベル2の★5確定で引く 頑張ってレベル5まで貯めるのがめんどい方は早々にレベル2の星5確定で引いちゃいましょう。 レベル3、4の限定キャラ狙いで引く 限定キャラが出る確率はかなり低いですが、欲しいキャラがピックアップされている月の場合はレベル3、4で引くのもありです。 レベル5のモン玉リドラまで頑張る 25日以上頑張ってポイントを貯めて「モン玉エネルギー」を溜めるためにも、レベル5で引きましょう。 レベル5M(モンパス会員限定)で引く 毎月1万ポイント貯めなければいけませんが、モンパス会員の方はレベル5Mで引く方がお得です。」 (エ)記載事項4 「レベルに応じて排出キャラが豪華に [図:0001431924000002.jpg] 」 (オ)記載事項5 「ポイントの効率的な貯め方 モンパス会員になる モンパス会員になれば、1日上限「300pt」が「400pt」になるので、非常に貯めやすくなります。 ログインしてポイント ログインすることでモン玉「100ポイント」ゲットできます。モン玉開催期間中、毎日ログインすると「3000ポイント」貯まります。 引き忘れに注意しないといけませんが、ログインだけでレベル3のモン玉ガチャを引けます。 スタミナを消費してポイント クエストで消費したスタミナ分をポイントとしてゲットできます。亀クエなどだったら、簡単にポイントを貯めれます。 マルチゲストでもポイント マルチプレイゲスト時でも半分のポイントをゲットできます。 1日の上限は300ポイント 1日にゲットできるモン玉ポイントは「300ポイント」までです。 レベル5は25日かかる 25日間「300ポイント」貯めれば「7500ポイント」となり、レベル5にできます。」 (カ)記載事項6 「モン玉まとめ 無料で★5キャラを確実にゲットできる素晴らしいガチャです。 貯めたポイントは翌月に持ち越せないため、引き忘れは非常にもったいないです。」 イ 引用文献等の記載から認定される事項 上記アの記載から、以下のことがいえる。 (ア)認定事項1 上記ア(イ)の「▼モン玉ガチャとは?オーブを使わずに無料で引けるガチャです。」との記載において、一般に「ガチャ」とは、オンラインゲームの中で、偶然性を利用して、ゲームの利用者に対してアイテム等を供給する仕組みを意味するから、「モン玉ガチャ」はオンラインゲームの仕組みの一部であることは明らかである。 そして、オンラインゲームが、コンピュータに実行させるプログラムにより実現されていることは明らかである。 (イ)認定事項2 上記ア(ウ)に記載された画像が、ゲーム画面であることは明らかである。また、当該画像の左側中段には、緑色の球体画像の内部に「Lv2」と表示された図形が表示されており、その右側には「★5確定!」と表示され、その下には「ガチャる」と記載されたボタンに指差し図形の指部が触れるとともに「タップ」の文字が表示され、上記ア(ウ)の文中には「レベル2の★5確定で引く」と記載されていることからすれば、「Lv2」と「★5確定!」の表示が、現在のレベルと排出対象を意味していることは明らかである。 よって、引用文献等1には、ゲーム画面に現在のレベルと排出対象を表示することが記載されていると認められる。 ウ 引用発明の認定 上記アに摘記した記載事項及び上記イの認定事項より、引用文献等には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める(符号a等は、本件補正発明の符号A等に対応させて合議体が付した。)。 「a 開催期間が9月29日(日)4:00~10月29日(火)23:59でログインやスタミナを消費することでレベルアップして、排出対象を豪華にできる期間限定のガチャであり(記載事項2、記載事項3(画像右下の記載))、欲しいキャラがピックアップされている月の場合はレベル3、4で引く場合もあり、また、毎月1万ポイント貯めなければならないがレベル5Mで引くことが得な場合もある(記載事項3)、モン玉ガチャをコンピュータに実行させるプログラムであって(認定事項1)、 b クエストで消費したスタミナ分をポイントとしてゲットでき、ログインすることで「100ポイント」ゲットでき、モン玉開催期間中、毎日ログインすることで「3000ポイント」貯まり、引き忘れに注意しないといけないが、ログインだけでレベル3のモン玉ガチャを引くことができ、また、25日間「300ポイント」貯めれば「7500ポイント」となってレベル5にでき、レベルアップで排出対象を豪華にでき(記載事項2及び5)、 c ゲーム画面に現在のレベルと排出対象を表示し(認定事項2)、 d 貯めたポイントを翌月に持ち越せないため、引き忘れが生じる(記載事項6)、 f モン玉ガチャをコンピュータに実行させるプログラム(認定事項1)。」 (3)周知技術 ア 周知例1 (ア)周知例1に記載された事項 本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2018-481号公報(以下「周知例1」という。)には、次の事項が記載されている(なお、下線は周知技術の認定に関連する箇所を示すために合議体が付した。)。 「【0059】 図10は、イベントデータベースDB3の一例を示す図である。図10に示すように、イベントデータベースDB3には、ゲームシステム1において開催されるゲームイベントに関するデータが格納される。例えば、イベントデータベースDB3には、複数のゲームイベントの開催期間にまたがるシーズンを一意に識別するシーズンIDに関連付けて、各シーズンの期間、シーズン中に開催される個々のゲームイベントを一意に識別するイベントID、ゲームイベントの名称、開催期間、及び期間別ボーナスデータDT1が格納されている。各シーズンの期間は、一定の長さを有する期間であればよく、全てのシーズンで共通の長さであってもよいし、シーズンごとに長さが異なってもよい。ここでは、1年が2つに分けられており、ある年の4月から9月までのシーズンと、その年の10月から翌年の3月までのシーズンと、が設定されている。例えば、シーズンは、ゲームキャラクタの追加タイミングと対応するように設定されていてもよい。ゲームイベントの開催期間は、一定の長さを有する期間であればよく、全てのゲームイベントで共通の長さであってもよいし、ゲームイベントごとに長さが異なってもよい。なお、ゲームイベントの開催期間は、次のゲームイベントとの間が空かないように連続的に設定されていてもよいが、次のゲームイベントの開催期間と間が空いていてもよい。例えば、図10に示すイベントNとイベントOとのように、開催期間が連続的でなくてもよい。」 「【図10】 [図:0001431924000003.jpg] 」 (イ)周知例1から認定される技術 上記(ア)の記載から、周知例1には、データベースに複数のゲームイベントの開催期間を格納する技術(以下「周知技術1」という。)が記載されていると認められる。 イ 周知例2 (ア)周知例2に記載された事項 本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった「2019/11/7アップデート内容~P5コラボ第二弾!~,[online],2019年11月8日,[2025年11月13日検索],インターネット<URL:https://ameblo.jp/fal-game/entry-12543279987.html>」(以下「周知例2」という。)には、次の事項が記載されている(なお、下線は周知技術の認定に関連する箇所を示すために合議体が付した。)。 「ペルソナ5コラボ開始 期間:2019年11月7日-2019年11月28日 ペルソナ5コラボ第二弾が開始! コラボ宝箱【ペルソナ5コラボ真髄2】がついに登場! 今回の目玉はこちらです! ・・・ 他にも、特殊アクション・アイコンや落書き等のアイテムを獲得できます!」 「真髄を獲得した後はなるべく早めに開封してください。 イベント終了後、まだ開封されていない真髄はシステムによって自動的に開封され、その全ボーナスはメールを通して配布されます。 前回同様、回しそこねてしまったガチャ券は無駄にはならず自動で回されるみたいですね。 ただ、やっぱり自分で回して当てたいという欲求は誰にでもあると思います。 自分の力で当てたい!という方は回し忘れが無いようにお気をつけください。」 (イ)周知例2から認定される技術 上記(ア)に記載の「イベント」が「2019年11月7日-2019年11月28日」の期間に開催される「ペルソナ5コラボ」であることは明らかである。 また、上記(ア)の「前回同様、回しそこねてしまったガチャ券は無駄にはならず自動で回されるみたいですね。」が、その前に記載されている「イベント終了後、まだ開封されていない真髄はシステムによって自動的に開封され、その全ボーナスはメールを通して配布されます。」を受けての記載であることを踏まえれば、「開封」と「(ガチャを)回す」は共に「ガチャを引く」ことを意味しており、「イベント終了後、まだ開封されていない真髄」と「回しそこねてしまったガチャ券」は共に「引き忘れたガチャ」を意味していることは明らかである。また、「ボーナス」が「配布」されることが、ガチャを引いたことで獲得された「アイテム」の付与を意味することは明らかである。 以上のことから、周知例2には、イベント期間終了後、引き忘れたガチャがある場合、システムが自動でガチャを引き、獲得されたアイテムを付与する技術(以下「周知技術2」という。)が記載されていると認められる。 ウ 周知例3 (ア)周知例3に記載された事項 本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2020-74966号公報(以下「周知例3」という。)には、次の事項が記載されている(なお、下線は周知技術の認定に関連する箇所を示すために合議体が付した。)。 「【0045】 ガチャ期待度とは、ガチャによる抽選処理の際の、抽選結果の期待値を表した指標である。図3では、ガチャ期待度が0から400以上の値で表され、且つその値が「白色」「青色」「緑色」「赤色」「虹色」のいずれかに属することを示す。ガチャ期待度の値は、後述するように、クエストが終了する毎に上昇し、その値が図3の閾値を超える毎に色が移り変わっていく。そして、この色の情報は、ゲーム装置5のディスプレイ61への表示の際に利用される。」 「 [図:0001431924000004.jpg] 」 「【0119】 [第2実施形態] <ゲームの説明> 前記第1実施形態では、クエストの実行回数が所定回数に達した際にガチャによる抽選処理が行われる場合を説明したが、本実施形態で説明するゲームでは、規定したスケジュールに従って所定期間がすべて経過した際にガチャによる抽選処理が行われる。」 「【0144】 また、所定期間がすべて経過するよりも前に、ガチャ期待度がその上限値を示す閾値“400”に達した場合、抽選実行手段233は、所定期間がすべて経過することを待たずに、上限値に相当するガチャ期待度「虹色」に応じた選択割合を抽選リスト222から抽出し、抽選処理を実行する。この場合、抽選実行手段233は、所定期間がすべて経過したことにより抽選処理を行う場合よりも、希少価値(レアリティ)の高いゲーム媒体「キャラクタA」「キャラクタB」を、確実に選択する。」 (イ)周知例3から認定される技術 上記(ア)の記載から、周知例3には、所定期間がすべて経過した際にガチャによる抽選処理が行われるゲームにおいて、抽選結果の期待値を表した指標であるガチャ期待値が上限値に達した場合、所定期間が全て経過するよりも前に、上限値に相当するガチャ期待度に応じた選択割合で抽選処理を実行する技術(以下「周知技術3」という。)、が記載されている。なお、同内容の文献として、特許第6740317号公報、特開2020-124608号公報、特許第7071667号公報、特開2022-90131号公報がある。 (4)対比 本件補正発明と引用発明を対比する。 ア 構成Aについて 引用発明の「モン玉ガチャ」は「期間限定のガチャ」であるから、「9月29日(日)4:00~10月29日(火)23:59」の開催期間に引くことができるガチャであるといえる。 また、引用発明は「毎月1万ポイント貯めなければならないがレベル5Mで引くことが得な場合もある」ことから、毎月1万ポイント貯めれば、毎月レベル5Mでモン玉ガチャを引くことができるものであり、「欲しいキャラがピックアップされている月の場合はレベル3、4で引く場合もあ」ることから、月によってピックアップされるキャラが変わるものである。 これより、モン玉ガチャは、「9月29日(日)4:00~10月29日(火)23:59」の1か月のみならず、毎月繰り返し行われるものであることは明らかであり、各月の「モン玉ガチャ」の開催期間が本件補正発明の「第2の期間」に、毎月の「モン玉ガチャ」の開催により連続する期間が本件補正発明の「第1の期間」に相当する。なお、「モン玉ガチャ」が毎月行われることは当業者に周知の事項である(「「モン玉」でひける「モン玉ガチャ」開催!ログインやクエストで「モン玉」をレベルアップさせて、豪華ガチャを引こう!本開催より「モン玉リドラ」の入手方法が変更に!(期間:8/27~9/28),モンスターストライク公式サイト,[online],2019年8月22日,インターネット<URL:https://www.monster-strike.com/news/20190822_6.html>」、「「モン玉」でひける「モン玉ガチャ」開催!ログインやクエストで「モン玉」をレベルアップさせて、豪華ガチャを引こう!(期間:9/29~10/29),モンスターストライク公式サイト,[online],2019年9月27日,インターネット<URL:https://www.monster-strike.com/news/20190927_2.html>」を参照)。 さらに、このようなモン玉ガチャをプログラムが実行するためには、モン玉ガチャの実行に必要な情報を有し、それを用いて管理していることは明らかである。 これより、本件補正発明と引用発明は、「第1の期間にわたって開催され、前記第1の期間よりも短い第2の期間ごとに第1の報酬をユーザに付与可能な第1のイベントを」、「情報を用いて管理する」という点で共通する。 イ 構成Bについて 引用発明の「ポイント」及び「排出対象」は、本件補正発明の「所定のパラメータ」及び「第1の報酬の内容」に相当する。 また、引用発明は「クエスト」で「スタミナ」を「消費」することや、「ログイン」することで、それぞれ「ポイント」をゲットすることから、引用発明の「クエスト」で「スタミナ」を「消費」すること及び「ログイン」が、本件補正発明の「第1の条件」に相当する。 さらに、「3000ポイント」貯まると「レベル3」に、「7500ポイント」となれば「レベル5」になること、そして、「レベルアップで排出対象を豪華」にすることから、引用発明は「ポイント」によって決まる「レベル」に応じて「排出対象」が変化するものである。 よって、引用発明の構成bは、本件補正発明の構成Bに相当する構成を有する。 ウ 構成Cについて 引用発明の「ゲーム画面に現在のレベルと排出対象を表示」することは、「ポイント」によって決まる「レベル」に応じて「排出対象」が変化する(上記イ参照)ことからすれば、本件補正発明の「前記所定のパラメータの変化に応じた前記第1の報酬の内容の変化を前記ユーザに報知すること」に相当する。 よって、引用発明の構成cは、本件補正発明の構成Cに相当する構成を有する。 エ 構成Dについて 上記アに示したように、「モン玉ガチャ」が毎月繰り返し行われることは明らかであるから、引用発明の「貯めたポイントは翌月に持ち越せない」ことが、ポイントを次の開催期間である「翌月」に持ち越さず、現在の開催期間終了時に初期化することを意味することは明らかである。 よって、引用発明の構成dは、本件補正発明の構成Dに相当する構成を有する。 オ 構成Fについて 引用発明の構成fは、本件補正発明の構成Fに相当する構成を有する。 したがって、本件補正発明と引用発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。 [一致点] 「第1の期間にわたって開催され、前記第1の期間よりも短い第2の期間ごとに第1の報酬をユーザに付与可能な第1のイベントを、情報を用いて管理することと、 前記第1のイベント中に前記第1の条件が満たされるごとに所定のパラメータを変化させ、当該所定のパラメータに応じて前記第1の報酬の内容を変化させることと、 前記所定のパラメータの変化に応じた前記第1の報酬の内容の変化を前記ユーザに報知することと、 前記所定のパラメータを前記第2の期間ごとに初期化することと、 をコンピュータに実行させるための、プログラム。」 [相違点1] 第1イベントを、本件補正発明は、「前記第1の期間に対応する管理情報であって、前記第1の期間内で前記第2の期間が設定されるタイミングに関する情報と、前記第2の期間に対応して設定されるゲームの実行に基づく第1の条件と、が予め登録された管理情報」を用いて管理するのに対し、引用発明はどのような情報を用いて管理するか不明である点。 [相違点2] 第1の報酬が、本件補正発明は「前記所定のパラメータが初期化されてから前記第2の期間が経過した場合、または前記所定のパラメータが前記第2の期間内に所定値に達した場合」に付与するのに対し、引用発明は「モン玉ガチャ」を「開催期間」に「引く」ことで付与される点。 (5)判断 上記各相違点について、以下、検討する。 ア [相違点1]について 上記(4)ア、エに示したように、引用発明は、1か月の「開催期間」で毎月繰り返し行い、現在の開催期間終了時にポイントを初期化するモン玉ガチャを「コンピュータに実行させるプログラム」であるところ、これらの処理をコンピュータに実行させるためには、毎月の「モン玉ガチャ」の開催により連続する期間(本件補正発明の「第1の期間」に相当する。)の中での、各月の「開催期間」の開始日時と終了日時の情報(本件補正発明の「第2の期間が設定されるタイミングに関する情報」に相当する。)を予め記憶しておき、現在の日時が開催期間内か否かを判断する必要があることは明らかであるから、そのような各月の「開催期間」の開始日時と終了日時の情報を予め登録(記憶)しておき、これを管理情報として用いて管理する処理をコンピュータに実行させるものとすることは設計事項にすぎない。なお、周知例1に記載されるように、データベースに複数のゲームイベントの開催期間を格納する技術は周知である。 また、引用発明は、各月の「開催期間」中に、「クエストで消費したスタミナ分をポイントとしてゲットでき、ログインすることで「100ポイント」ゲットでき」ることを「コンピュータに実行させるプログラム」であるところ、これらの処理を実行するためには、各月の「開催期間」中にポイントがゲットできる「クエスト」で「スタミナ」を「消費」すること及び「ログイン」(本件補正発明の「第1の条件」に相当する。)に係る情報を予め記憶しておく必要があることは明らかであるから、各月の「開催期間」中にポイントがゲットできる「クエスト」で「スタミナ」を「消費」すること及び「ログイン」に係る情報を予め登録(記憶)しておき、これを管理情報として用いて管理する処理をコンピュータに実行させるものとすることは設計事項にすぎない。 以上のことから、引用発明において、本件補正発明の「前記第1の期間に対応する管理情報であって、前記第1の期間内で前記第2の期間が設定されるタイミングに関する情報と、前記第2の期間に対応して設定されるゲームの実行に基づく第1の条件と、が予め登録された管理情報を用いて管理」することに相当する構成を備えるようにすることは設計事項にすぎず、当業者が容易になし得たことである。 イ [相違点2]について 引用発明の「引き忘れに注意しないといけない」や、上記(2)ア(カ)の「引き忘れは非常にもったいないです。」との記載は、引き忘れにより生じる不利益を示唆するものと認められる。 ここで、引き忘れにより生じる不利益に対して、周知例2に見られるように、イベント期間終了後、引き忘れたガチャがある場合、システムが自動的にガチャを引き、獲得されたアイテムを付与することが周知であることからすると、引用発明にこの周知技術を適用して、「開催期間」にモン玉ガチャを引き忘れた場合、自動的にガチャを引き、排出された排出キャラをユーザに付与するように構成することで、本件補正発明の「前記所定のパラメータが初期化されてから前記第2の期間が経過した場合」に「前記ユーザに前記第1の報酬を付与する」構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 また、周知例3に見られるように、抽選結果の期待値を表した指標であるガチャ期待値が上限値に達した場合(本件補正発明の「前記所定のパラメータが前記第2の期間内に所定値に達した場合」に相当する。)、所定期間が全て経過するよりも前に、抽選処理を実行することが周知であることからすると、引用発明において、レベルが最大値である「レベル5M」となった時点で、直ちに「レベル5M」に対応する排出対象を排出するように構成することで、本件補正発明の「前記所定のパラメータが前記第2の期間内に所定値に達した場合」に「前記ユーザに前記第1の報酬を付与する」構成とすることは、当業者にとって容易である。 (6)審判請求人の主張について 審判請求人は令和7年2月17日提出の審判請求書において、引用文献等には、モン玉ガチャなるイベントが繰り返し開催されるという内容が開示されておらず、「貯めたポイントは翌月に持ち越せない」という記載は、単に、翌月になるとイベントが終了するためポイントを使う機会が無くなる、という意味に読み取るのが最も自然だと思われ、この記載から「開催期間が1ヶ月間のイベント「モン玉」が繰り返し行われるものであり、」という意味を読み取るのはいわゆる後知恵に相当する旨主張する。 しかしながら、上記(4)アに示したとおり、引用発明の「毎月1万ポイント貯めなければならないが」との事項や、「欲しいキャラがピックアップされている月」との事項から、引用発明のモン玉ガチャが、1か月の開催期間を毎月繰り返し行うものであることは明らかであり、また、「モン玉ガチャ」が毎月行われることは当業者に周知の事項でもある。そして、これを踏まえれば「貯めたポイントは翌月に持ち越せない」との記載が、翌月に開催されるモン玉ガチャにポイントを持ち越せないという意味であることは明らかである。 また、審判請求人は審判請求書において、引用発明は、仮に、モン玉ガチャなるイベントが1回だけでなく複数回開催されるものであったとしても、それが繰り返し開催されることを前提に設計されているのか否か、つまりモン玉ガチャなるイベントについて、本件補正発明のように「第1のイベントを、前記第1の期間に対応する管理情報であって、前記第1の期間内で前記第2の期間が設定されるタイミングに関する情報と、前記第2の期間に対応して設定されるゲームの実行に基づく第1の条件と、が予め登録された管理情報を用いて管理」することを想定しているのか否か、全く明らかではない旨主張する。 しかしながら、上記(5)アで示したとおり、引用発明のプログラムが、1か月の「開催期間」を毎月繰り返し行い、現在の開催期間終了時にポイントを初期化することを、コンピュータで実行させるためには、毎月の「モン玉ガチャ」の開催により連続する期間の中での、各月の「開催期間」の開始日時と終了日時の情報を予め記憶しておき、現在の日時が開催期間内か否かを判断する必要があることは明らかであり、そのような各月の「開催期間」の開始日時と終了日時の情報を予め登録(記憶)しておき、これを管理情報として用いて管理する処理をコンピュータに実行させるものとすることは設計事項にすぎない。 また、引用発明のプログラムが「開催期間」中に、「クエストで消費したスタミナ分をポイントとしてゲットでき、ログインすることで「100ポイント」ゲットでき」ることを、コンピュータで実行させるためには、各月の「開催期間」中にポイントがゲットできる「クエスト」で「スタミナ」を「消費」すること及び「ログイン」に係る情報を予め記憶しておく必要があることは明らかであるから、各月の「開催期間」中にポイントがゲットできる「クエスト」で「スタミナ」を「消費」すること及び「ログイン」に係る情報を予め登録(記憶)しておき、これを管理情報として用いて管理する処理をコンピュータに実行させるものとすることは設計事項にすぎない。 したがって、引用発明において、本件補正発明の「第1のイベントを、前記第1の期間に対応する管理情報であって、前記第1の期間内で前記第2の期間が設定されるタイミングに関する情報と、前記第2の期間に対応して設定されるゲームの実行に基づく第1の条件と、が予め登録された管理情報を用いて管理」することに相当する構成を備えるようにすることは設計事項にすぎず、当業者が容易になし得たことである。 よって、審判請求人の審判請求書での主張は、いずれも採用することができない。 (7)まとめ 上記(1)~(6)より、本件補正発明は、引用発明及び周知技術1~3に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。 したがって、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4 むすび(補正の却下の決定のむすび) 以上に検討したところによれば、本件補正は、上記3で検討したとおり、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであり、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和7年2月17日に提出された手続補正書による補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和6年9月24日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。(なお、符号A等は分説のため合議体が付した。) 「 【請求項1】 A’ 第1の期間にわたって開催され、前記第1の期間よりも短い第2の期間ごとに第1の報酬をユーザに付与可能な第1のイベントを管理することと、 B 前記第1のイベント中にゲームの実行に基づく第1の条件が満たされるごとに所定のパラメータを変化させ、当該所定のパラメータに応じて前記第1の報酬の内容を変化させることと、 C 前記所定のパラメータの変化に応じた前記第1の報酬の内容の変化を前記ユーザに報知することと、 D 前記所定のパラメータを前記第2の期間ごとに初期化することと、 E 前記所定のパラメータが初期化されてから前記第2の期間が経過した場合、または前記所定のパラメータが前記第2の期間内に所定値に達した場合に、前記ユーザに前記第1の報酬を付与することと、 F をコンピュータに実行させるための、プログラム。」 2 原査定における拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、本願発明は、上記第2 3(2)で記載した引用文献等に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものを含むものである。 3 引用発明 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献等に記載された引用発明は、上記第2 3(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、第2 2(2)において検討したとおり、本件補正発明から「前記第1の期間に対応する管理情報であって、前記第1の期間内で前記第2の期間が設定されるタイミングに関する情報と、前記第2の期間に対応して設定されるゲームの実行に基づく第1の条件と、が予め登録された管理情報を用いて」管理することを省いたものであって、本願発明と引用発明を対比すると、上記第2 3(4)の相違点1が存在しないこととなる。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに相違点1に係る構成を含めて限定を付加したものである本件補正発明が、引用発明及び周知技術1~3に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるから、主に相違点1に係る構成を削除した本願発明は引用発明及び周知技術2~3に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。 第4 むすび(結論) 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2025-002404

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