特許訂正審判
2024-390044
ポリエステル系粘着剤、光学部材用粘着シート及びポリエステル系粘着剤組成物
- 審判番号
- 2024-390044
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2022-092424
- 登録番号
- 7480804
- 請求日
- 2024年05月17日
- 審決日
- 2024年10月17日
- 公報発行日
- 2025年01月31日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】三菱ケミカル 株式会社
- 【請求人代理人】西藤 征彦
- 【請求人代理人】井▲崎▼ 愛佳
- 【請求人代理人】西藤 優子
- 【請求人代理人】寺尾 茂泰
- 審判長/審判官
- 審判長 門前 浩一
- 審判官 弘實 由美子
- 審判官 光本 美奈子
- 分類
- P141 .852-Y (C09J)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項、特許法第126条、特許法第126条第4項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7480804号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7480804号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~9について訂正することを認める。
理由
理 由
以下、下線は合議体による。
第1 手続の経緯
本件訂正審判に係る特許第7480804号(以下「本件特許」という。)についての出願は、平成30年3月27日(優先権主張 平成29年3月30日 日本国)に出願された特願2018-59991号(以下「原出願」という。)の一部を、令和4年6月7日に新たな出願としたものであって、令和6年4月30日に特許権の設定登録(請求項の数9)がなされたものである。
そして、同年5月17日に本件訂正審判の請求がされたものである。
第2 審判請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第7480804号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~9について訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「ポリエステル樹脂(A)と可塑剤(C)との割合が、ポリエステル系樹脂(A)に含まれる水酸基および/またはカルボキシル基の1当量に対して、架橋剤(C)に含まれる反応性基が0.2~10当量であり」との記載を、「ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(C)との割合が、ポリエステル系樹脂(A)に含まれる水酸基および/またはカルボキシル基の1当量に対して、架橋剤(C)に含まれる反応性基が0.2~10当量であり」に訂正する。請求項1の記載を引用する請求項2~9も同様に訂正する。
2 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0010】の「ポリエステル樹脂(A)と可塑剤(C)との割合が、ポリエステル系樹脂(A)に含まれる水酸基および/またはカルボキシル基の1当量に対して、架橋剤(C)に含まれる反応性基が0.2~10当量であり」との記載を「ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(C)との割合が、ポリエステル系樹脂(A)に含まれる水酸基および/またはカルボキシル基の1当量に対して、架橋剤(C)に含まれる反応性基が0.2~10当量であり」に訂正する。
3 訂正事項3
願書に添付した明細書の段落【0129】の「・・・であった。であった。」との記載を「・・・であった。」に訂正する。
4 訂正事項4
願書に添付した明細書の段落【0132】の「・・・であった。であった。」との記載を「・・・であった。」に訂正する。
第4 当審の判断
1 一群の請求項について
本件訂正前の請求項2~9は請求項1を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
したがって、本件訂正前の請求項1~9は特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
そして、訂正事項1は、この一群の請求項に対して請求されたものである。
2 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
本件特許の設定登録時の明細書には、「ポリエステル系樹脂」と「可塑剤」、及び、「ポリエステル系樹脂」と「架橋剤」との割合について、以下の記載がある。
「かかる可塑剤(D)の含有量は、前記ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、2~30重量部であることが好ましく、特に好ましくは3~20重量部、更に好ましくは4~10重量部である。」(【0086】)
「かかる架橋剤(C)の含有量は、ポリエステル系樹脂(A)の分子量と用途目的により適宜選択できるが、通常は、ポリエステル系樹脂(A)に含まれる水酸基および/またはカルボキシル基の1当量に対して、架橋剤(C)に含まれる反応性基が、0.2~10当量となる割合で架橋剤(C)を含有することが好ましく、特に好ましくは0.5~5当量、更に好ましくは0.5~3当量である。」(【0082】)
このように設定登録時の明細書には、「ポリエステル系樹脂(A)に含まれる水酸基および/またはカルボキシル基の1当量に対して、架橋剤(C)に含まれる反応性基が、0.2~10当量となる割合で架橋剤(C)を含有する」ことが記載されており、本件訂正前の請求項1の「ポリエステル系樹脂(A)と可塑剤(C)との割合が、ポリエステル系樹脂(A)に含まれる水酸基および/またはカルボキシル基の1当量に対して、架橋剤(C)に含まれる反応性基が、0.2~10当量となる割合で架橋剤(C)を含有する」との記載は、設定登録時の明細書との関係で誤りであり、正しくは「ポリエステル系樹脂(A)と架橋剤(C)との割合が、ポリエステル系樹脂(A)に含まれる水酸基および/またはカルボキシル基の1当量に対して、架橋剤(C)に含まれる反応性基が、0.2~10当量となる割合で架橋剤(C)を含有する」であることが自明である。
したがって、訂正事項1は誤記を訂正するものであって、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)出願日における願書に最初に添付した明細書、請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるかについて
訂正事項1は誤記の訂正を目的とするものであるので、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件出願当初明細書」という。)に記載した事項の範囲内においてしなければならないところ、本件出願当初明細書には、前記(1)の【0082】と同じ記載がなされているから、訂正事項1は、本件出願当初明細書に記載した事項の範囲内の訂正であるといえ、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(2)で述べたとおり、訂正事項1は「・・・ポリエステル樹脂(A)と可塑剤(C)との割合が、・・・」という誤記を、単に「・・・ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(C)との割合が、・・・」という正しい記載に訂正するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも、変更するものでもなく、特許法第126条第6項の規定を満たす。
(4)独立して特許を受けることができるものであること
訂正事項1は、上述のとおり、「・・・ポリエステル樹脂(A)と可塑剤(C)との割合が、・・・」という誤記を、単に「・・・ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(C)との割合が、・・・」という正しい記載に訂正するものであり、この訂正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際、独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2~9についても同様である。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定を満たすものである。
3 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
訂正前の本件特許の設定登録時の明細書【0010】の「・・・ポリエステル樹脂(A)と可塑剤(C)との割合が、ポリエステル系樹脂(A)に含まれる水酸基および/またはカルボキシル基の1当量に対して、架橋剤(C)に含まれる反応性基が0.2~10当量であり」との記載は、上記2(1)のとおり設定登録時の明細書【0082】及び【0086】との関係で誤りであり、正しくは「・・・ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(C)との割合が、ポリエステル系樹脂(A)に含まれる水酸基および/またはカルボキシル基の1当量に対して、架橋剤(C)に含まれる反応性基が0.2~10当量であり」であることが自明である。
したがって、訂正事項2は誤記を訂正するものであって、特許法126条1項ただし書き2号に掲げる事項を目的とするものである。
(2)出願日における願書に最初に添付した明細書、請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるかについて
訂正事項2は誤記の訂正を目的とするものであるので、本件出願当初明細書に記載した事項の範囲内においてしなければならないところ、本件出願当初明細書には、前記(1)の【0082】と同じ記載がなされているから、訂正事項2は、本件出願当初明細書に記載した事項の範囲内の訂正であるといえ、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、上述のとおり、「・・・ポリエステル樹脂(A)と可塑剤(C)との割合が、・・・」という誤記を、単に「・・・ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(C)との割合が、・・・」という正しい記載に訂正するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも、変更するものでもなく、特許法第126条第6項の規定を満たす。
(4)独立して特許を受けることができるものであること
訂正事項2は、上述のとおり、「・・・ポリエステル樹脂(A)と可塑剤(C)との割合が、・・・」という誤記を、単に「・・・ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(C)との割合が、・・・」という正しい記載に訂正するものであり、この訂正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際、独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2~9についても同様である。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定を満たすものである。
4 訂正事項3、4について
(1)訂正の目的について
本件特許の設定登録時の明細書には、「・・・であった。であった。」(【0129】、【0132】)と記載されており、本件訂正前の【0129】、【0132】の「・・・であった。であった。」との記載は、日本語として誤りであり、正しくは「・・・であった。」であることが自明である。
したがって、訂正事項3、4は誤記を訂正するものであって、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)出願日における願書に最初に添付した明細書、請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるかについて
本件訂正審判請求は誤記の訂正を目的とするものであるので、本件出願当初明細書に記載した事項の範囲内においてしなければならないところ、「・・・であった。であった。」から「であった。」を一つ削除する訂正事項3及び4は、本件出願当初明細書に記載した事項の範囲内の訂正であるといえ、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上述したとおり、訂正事項3、4は「・・・であった。であった。」という誤記を、単に「・・・であった。」という正しい記載に訂正するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも、変更するものでもなく、特許法第126条第6項の規定を満たす。
(4)独立して特許を受けることができるものであること
訂正事項3、4は、上述のとおり、「・・・であった。であった。」という誤記を、単に「・・・であった。」という正しい記載に訂正するものであり、この訂正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際、独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2~9についても同様である。
したがって、訂正事項3、4は、特許法第126条第7項の規定を満たすものである。
5 訂正事項2~4に関係する請求項
訂正事項2~4は、誤記を訂正することを目的とするものであり、これは一群の請求項1~9に関係する訂正である。したがって、訂正事項2~4は、特許法第126条第4項に適合する。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書2号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ、同条第5項~第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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