審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2024-016264

飲料テイクアウト方法

審判番号
2024-016264
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-105807
請求日
2024年10月10日
審決日
2025年11月17日
公報発行日
2025年12月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】アルテミラ製缶株式会社
  • 【請求人代理人】青山 正和
審判長/審判官
  • 審判長 梶尾 誠哉
  • 審判官 小川 将之
  • 審判官 今井 聖和
分類
P18 .121-WY (B67C)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-105807「飲料テイクアウト方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 6月10日出願公開、特開2021- 88407、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和2年6月19日(優先権主張 令和元年11月25日)の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年11月21日付け:拒絶理由通知 令和6年1月12日:意見書、手続補正書の提出 令和6年4月25日付け:拒絶理由通知(最後) 令和6年5月31日:意見書、手続補正書の提出 令和6年7月22日付け:補正の却下の決定、拒絶査定 令和6年10月10日:審判請求書、手続補正書の提出 第2 補正の却下の決定及び原査定の概要 1.補正の却下の決定の概要 令和6年7月22日付け補正の却下の決定は、令和6年5月31日提出の手続補正書でした補正は、特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものであるところ、当該補正後の請求項1~8に係る発明は、下記の引用文献1~13に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、独立特許要件を満たさないから、令和6年5月31日提出の手続補正書でした補正は却下すべきである、というものである。 [引用文献等一覧] 引用文献1.米国特許出願公開第2015/0113921号明細書 引用文献2.特開平11-175845号公報 引用文献3.国際公開第2019/185847号 引用文献4.中国実用新案第203095564号明細書 引用文献5.特開2006-131285号公報 引用文献6.特開2016-081290号公報 引用文献7.特開2017-071421号公報 引用文献8.特開2001-129900号公報 引用文献9.特開平03-043397号公報 引用文献10.特開2004-217246号公報 引用文献11.特開2016-155602号公報 引用文献12.欧州特許出願公開第1357082号明細書 引用文献13.特開2018-144867号公報 2.原査定の概要 上記補正の却下の決定と同日付でした拒絶査定(原査定)は、令和6年1月12日提出の手続補正書の特許請求の範囲に記載された事項により特定される本願の請求項1~8に係る発明は、上記引用文献1~13に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 第3 本願発明 本願の請求項1~7に係る発明は、令和6年10月10日提出の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される発明であり、そのうちの請求項1に係る発明(以下「本願発明1」という。)は、以下のとおりである。 「[請求項1] 飲料を提供する店舗において、複数の飲料を充填可能な飲料充填サーバと、ボトル缶と、該ボトル缶に装着され、前記ボトル缶を封止するキャップ材とを用いて実行される飲料テイクアウト方法であって、 前記複数の飲料又はこれら飲料の名称が記載されたメニューを顧客に提示する飲料提示ステップと、提示された前記複数の飲料から前記顧客に選択された飲料を飲料充填サーバによって前記ボトル缶に充填する飲料充填ステップと、前記飲料が充填された前記ボトル缶に前記キャップ材を被せてキャッピング装置によりキャッピングするキャッピングステップと、キャッピングされた前記ボトル缶を前記顧客にテイクアウトさせるテイクアウトステップと、を備え、 前記飲料充填サーバは、複数設けられるとともに、各飲料充填サーバのコック及び注ぎ口、並びに前記キャッピング装置は、前記店舗内のカウンターの正面に位置し前記顧客が視認可能な棚上に配置されているとともに、前記キャッピング装置のカバーは透明であり、前記顧客がキャッピングの様子を視認可能であり、 前記テイクアウトステップ前に、前記ボトル缶の外面に、充填された前記飲料の名称及び消費期限を明示する消費期限明示ステップを備えることを特徴とする飲料テイクアウト方法。」 本願の請求項2~7に係る発明は、本願発明1を減縮した飲料テイクアウト方法の発明である。 第4 引用文献の記載 1.引用文献1の記載と引用発明 (1)引用文献1の記載内容 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の記載がある。 “[0013] It is another aspect of the present invention to provide a method for filling, seaming, distributing, and selling a beverage in a metallic container wherein the beverage in the metallic container has a superior shelf life when compared to other containers such as bottled beverages with threaded caps. After the metallic container is filled with a beverage, the metallic container end closure is seamed onto the metallic container. In one embodiment of the present invention, an attendant or the consumer may use a seamer to form a double seam between the peripheral curl of the metallic container end closure and the neck of the metallic container. The double seaming apparatus can be powered by manual force, or utilize electric, pneumatic, or hydraulic energy to form the double seam. The seaming apparatus creates a double seam between the metallic container end closure and the metallic container which hermetically seals the beverage or foodstuff in the metallic container.” (当審訳)「本発明の別の態様は、金属容器に飲料を充填し、シーミングし、配布し、販売する方法を提供することであり、この方法では、金属容器内の飲料は、ねじ込みキャップ付きのボトル入り飲料などの他の容器と比較して、優れた保存期間を有する。金属容器に飲料を充填した後、金属容器の端部閉止具を金属容器にシーム加工する。本発明の一実施形態では、係員または消費者は、シーマーを使用して、金属容器の端部閉止具の周縁カール部と金属容器の首部との間に二重巻締を形成することができる。二重巻締装置は、手動力で駆動することも、電気、空気圧、または油圧エネルギーを利用して二重巻締を形成することもできる。巻締装置は、金属容器の端部閉止具と金属容器との間に二重巻締を形成し、金属容器内の飲料または食品を気密に密封する。」 “[0050]Referring now to FIG. 5, a flowchart of one embodiment of the present invention is provided. To begin, a consumer makes an entrance 40 to a first location 42, which may be a bar with taps, stools, and a seamer. Next, the consumer selects which content 44 he or she would like to purchase. The consumer may make the request to an attendant or may simply make a content selection 44 for himself or herself.If the consumer is in a bar, the content may be a beverage such as an IPA. ・・・ [0051]The consumer then makes a container selection 46, wherein the container may take on a variety of sizes, shapes, and/or materials. In preferred embodiments, the container is comprised of metal. However, one skilled in the art will appreciate alternative embodiments wherein the material of a container is not metallic. For example, the material can be any material that may be secured to an end closure to hermetically seal the contents therein. Like the content selection 44, the consumer may make the request for the container selection 46 to an attendant at the first location 42, and the consumer may choose the container for its desired properties. After the content selection 44 and the container selection 46, the container is filled 48 with contents such as beverages or foodstuffs. The container filling 48 may be performed by an attendant or the consumer.” (当審訳)「[0050]ここで図5を参照すると、本発明の一実施形態のフローチャートが示されている。最初に、消費者は、第1の場所42に入場40する。第1の場所42は、タップ、スツール、シーマー(seamer)を備えたバーでもよい。次に、消費者は、彼又は彼女が購入したい内容物の選択44を行う。消費者は、係員にリクエストすることもできるし、単に自分で内容物の選択44をすることもできる。消費者がバーにいるならば、内容物はIPAのような飲料かもしれない。 ・・・ [0051]次に、消費者は容器(container)の選択46を行う。容器は、様々なサイズ、形状、および/または材質から選択することができる。好ましい実施形態では、容器は金属で構成される。しかし、当業者であれば、容器の材質が金属ではない代替実施形態も理解できるであろう。例えば、容器の材質は、内容物を密閉するために端部閉止具(end closure)に固定できる任意の材料とすることができる。内容物の選択44と同様に、消費者は第1の場所42の係員に容器の選択46をリクエストすることができ、消費者は所望の特性に基づいて容器を選択することができる。内容物の選択44と容器の選択46の後、飲料や食品などの内容物が容器に充填48される。容器への充填48は、係員または消費者によって行われる。」 “[0053]Once the container has been filled with the appropriate content, the container is seamed 50. As described above, in a preferred embodiment, an end closure 2 is double seamed onto a container body 18 to form a hermetically sealed container. In other embodiments, the container seaming 50 may be a triple seam, an interference fit, a compression fit, a weld, a snap-on, or any other type of interconnection. In addition, a seam may have a variety of power sources such as manual, electric, pneumatic, hydraulic power, etc. Upon completion of the container seaming 50, the container may be distributed and sold 52 to the consumer, after which the consumer may exit 54 the first location 42.” [0054]After the consumer has exited the first location 42, he or she may consume 56 the contents of the container and dispose 58 of the container. The end closure 2 that is seamed onto the container body 18 may comprise a pull tab and a tear panel. In this configuration, the consumer pivots the pull tab and opens the tear panel such that the consumer has broken the hermetic seal of the container, and the consumer has access to the contents of the container. ・・・” (当審訳) 「[0053]容器に適切な内容物が充填されると、容器はシーム(seam)加工50される。上述のように、好ましい実施形態では、端部閉止具2は容器本体18に二重巻締めされて、気密封止された容器を形成する。容器のシーム加工50は、三重巻締め、締まり嵌め、圧縮嵌め、溶接、スナップオン、またはその他の種類の相互接続であってもよい。さらに、シーム加工には、手動、電気、空気圧、油圧などの様々な動力源が用いられる。容器のシーム加工50が完了すると、容器は消費者に配布・販売52され、その後、消費者は第1の場所42から退出54することができる。 [0054]消費者は、第1の場所42から退出した後、容器の内容物を消費56し、容器を廃棄58する。容器本体18にシーム加工された端部閉止具2は、プルタブとティアパネルを備えていてもよい。この構成では、消費者はプルタブを動かしてティアパネルを開くことで、容器の密閉状態を破り、容器の内容物にアクセスすることができる。・・・」 “[0056]In the embodiment depicted in FIG. 6, the consumer makes the content selection 44 and the container selection 46 at a second location 60. This leaves the filling 48, seaming 50, and distribution and sale 52 steps at the first location 42. Thus, the consumer need not spend as much time at the first location 42 if he or she is under a time constraint or the first location 42 is simply too busy. [0057]The second location 60 may be any location other than the first location. For example, the second location 60 may simply be at the back of a busy bar or restaurant. In other words, the second location 60 may be in the same building or room as the first location 42. In other embodiments, the second location 60 may be a car, a home, a place of business or work, a place of manufacture, or any other location. [0058]The communication between the second location 60 and the first location 42 may comprise a number of forms. In one embodiment, a consumer in the second location 60 may make a verbal or visual communication to an attendant in the first location 42. After this communication, the attendant fills the container 48 and seams an end closure 2 on to a container body 18 to form a hermetically sealed container. The consumer may enter 40 the first location 42 for the distribution and sale 52 of the container, then exit 54 the first location 42 and consume 56 the content of the container and dispose 58 of the container. In other embodiments, an electronic device such as a cell phone may be used to complete one or more steps of the present invention. One skilled in the art will appreciate that the various steps or actions of embodiments of the present invention may be performed in any order. For example, the consumer may enter 40 the first location 42 only for the distribution and sale 52 of the container, or the consumer may enter 40 the first location 42 to view the filling 48 and seaming 50 steps to assure the quality of the process.” (当審訳) 「[0056]図6に示す実施形態では、消費者は第2の場所60で内容物の選択44と容器の選択46を行う。これにより、充填48、シーム加工50、および配布と販売52のステップは第1の場所で行われる。したがって、消費者は、時間的な制約がある場合や、単に第1の場所42が混雑している場合に、第1の場所42でそれほど多くの時間を費やす必要はない。 [0057]第2の場所60は、第1の場所以外の任意の場所とすることができる。例えば、第2の場所60は、単に混雑したバーやレストランの奥にある場合もある。言い換えれば、第2の場所60は、第1の場所42と同じ建物または部屋にある場合もある。他の実施形態では、第2の場所60は、車内、自宅、事業所、職場、製造場所、またはその他の場所でもよい。 [0058]第2の場所60と第1の場所42との間の通信は、様々な形態をとることができる。一実施形態では、第2の場所60にいる消費者は、第1の場所42にいる係員に口頭または視覚的に通信することができる。この通信の後、係員は容器48に容器を充填し、端部閉止具2を容器本体18に巻き締めて密閉容器を形成する。消費者は、容器の配布および販売52のために第1の場所42に入場40し、その後、第1の場所42から退場54し、容器の内容物を消費56し、容器を廃棄58することができる。他の実施形態では、携帯電話などの電子機器を用いて、本発明の1つ以上のステップを完了することができる。当業者は、本発明の実施形態の様々なステップまたは動作が任意の順序で実行できることを理解するであろう。たとえば、消費者は、容器の配布および販売52のためだけに最初の場所42に入場40することも、充填48及びシーム加工50のステップを見て工程の品質を確認するために、第1の場所42に入場40することもできる。」 [図:0001429743000001.jpg] [図:0001429743000002.jpg] (2)引用発明の認定 上記(1)に摘記された記載内容を整理すると、次のようになる。 ア [0050]には、タップ、スツール、シーマーを備えたバーが記載され、消費者が当該バーに入場し、内容物(飲料)を選択してバーの係員にリクエストすることが記載されている。 イ [0051]には、消費者は容器を選択してバーの係員にリクエストすること、その後、係員が飲料を容器に充填することが記載されている。また、容器は金属で構成されることが好ましいことが記載されている。 ウ [0053]には、容器に飲料が充填されると、端部閉止具が容器本体に二重巻締され、気密封止された容器を形成するシーム加工が行われることが記載されている。また、シーム加工の後、容器は消費者に配布、販売され、その後、消費者はバーから退出することが記載されている。 エ [0054]には、バーを退出した消費者が、容器の密閉状態を破り、飲料を消費することが記載されている。 オ 上記ア、ウ、エによれば、引用文献1の[0050]~[0054]に記載された実施形態では、飲料が充填された容器が消費者によりテイクアウトされていることが記載されていると理解できる。そうすると、引用文献1には、飲料が充填された容器のテイクアウト方法の発明が記載されているといえる。 カ 上記イ、ウから、上記テイクアウト方法は、金属で構成された容器と、端部閉止具とを用いて実行されていることが理解できる。 キ また、[0056]~[0058]に記載された実施形態のうち、[0058]には、消費者が、「充填48及びシーム加工50のステップを見て工程の品質を確認するために、第1の場所42に入場40することもできる。」ことが記載されている。ここで、[0050]~[0054]に記載された実施形態と[0056]~[0058]に記載された実施形態は、消費者が飲料や容器を選択する場所が異なるものの、バーで行われる充填、シーム加工、配布・販売の各工程については同様であるから、[0050]~[0054]に記載された実施形態でも、消費者が充填及びシーム加工のステップを見て工程の品質を確認できるようになっているものと理解できる。 したがって、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 [引用発明] 「タップ、スツール、シーマーを備えたバーにおいて、金属で構成された容器と、端部閉止具を用いて実行される、飲料が充填された容器のテイクアウト方法であって、 バーに入場した消費者が飲料と容器を選択して係員にリクエストするステップと、 係員が容器に飲料を充填するステップと、 容器に飲料が充填されると、端部閉止具が容器本体に二重巻締され、気密封止された容器を形成するシーム加工が行われるステップと、 シーム加工された容器が消費者に配布、販売されるステップと、 を有し、 消費者が、充填及びシーム加工のステップを見て工程の品質を確認することができる、 テイクアウト方法。」 第5 当審の判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明を対比する。 ア 引用発明における「バー」は、本願発明1における「飲料を提供する店舗」に相当する。 イ 引用発明における「バー」は、「タップ」(注ぎ口)を備えているから、「コック」も備えているといえるところ、「注ぎ口」や「コック」につながる、本願における「飲料充填サーバ」に相当する構成を備えることは明らかである。また、引用発明では、消費者が飲料を選択してリクエストしていることから、「バー」には、「飲料充填サーバ」が複数設けられており、複数種類の飲料を充填可能であることも明らかである。そうすると、本願発明1と引用発明は、「複数の飲料を充填可能な飲料充填サーバ」を備える点で一致する。 ウ 上記ア、イから、本願発明1と引用発明は、「飲料を提供する店舗において、複数の飲料を充填可能な飲料充填サーバ」を「用いて実行される、飲料テイクアウト方法」である点で一致する。 エ 引用発明は、消費者が飲料を選択してバーの係員にリクエストするステップを含むことから、その前提として、消費者が選択可能な飲料を記載したメニューを消費者に提示する何らかのステップを有していることは常識から明らかである。そうすると、本願発明1と引用発明は、「前記複数の飲料又はこれら飲料の名称が記載されたメニューを顧客に提示する飲料提示ステップ」を有する点で一致する。 オ 引用発明における「金属で構成された容器」及び「端部封止具」は、本願発明1における「ボトル缶」及び「キャップ材」に対応し、これらは、「容器」及び「封止部材」である点で共通する。 そして、上記エを踏まえると、引用発明における「係員が容器に飲料を充填するステップ」と、本願発明1における「提示された前記複数の飲料から前記顧客に選択された飲料を飲料充填サーバによって前記ボトル缶に充填する飲料充填ステップ」とは、「提示された前記複数の飲料から前記顧客に選択された飲料を飲料充填サーバによって前記容器に充填する飲料充填ステップ」の点で一致する。 カ 引用発明における「容器に飲料が充填されると、端部閉止具が容器本体に二重巻締され、気密封止された容器を形成するシーム加工が行われるステップ」と、本願発明1における「前記飲料が充填された前記ボトル缶に前記キャップ材を被せてキャッピング装置によりキャッピングするキャッピングステップ」とは、「前記飲料が充填された前記容器に封止部材を被せて封止装置により封止する封止ステップ」である点で共通する。 キ 本願発明1における「キャッピングされた前記ボトル缶を前記顧客にテイクアウトさせるテイクアウトステップ」と、引用発明における「シーム加工された容器が消費者に配布、販売されるステップ」とは、「封止された前記容器を前記顧客にテイクアウトさせるテイクアウトステップ」である点で共通する。 ク 上記イから、本願発明1と引用発明は、「前記飲料充填サーバは、複数設けられる」点で一致する。また、引用発明における「バー」は、「消費者が、充填及びシーム加工を見て工程の品質を確認できる」構成となっているから、引用発明における「タップ」(注ぎ口)や「コック」、「シーム加工」する「封止装置」も、消費者に視認可能に配置されていると理解できる。 そうすると、本願発明と引用発明は、「前記飲料充填サーバは、複数設けられるとともに、各飲料充填サーバのコック及び注ぎ口、並びに前記封止装置は、前記顧客が視認可能に配置され、前記顧客が封止の様子を視認可能であり」との点で共通する。 上記ア~クによれば、本願発明1と引用発明の一致点及び相違点は、以下のとおりである。 [一致点] 「飲料を提供する店舗において、複数の飲料を充填可能な飲料充填サーバと、容器と、封止部材とを用いて実行される飲料テイクアウト方法であって、 前記複数の飲料又はこれら飲料の名称が記載されたメニューを顧客に提示する飲料提示ステップと、 提示された前記複数の飲料から前記顧客に選択された飲料を飲料充填サーバによって前記容器に充填する飲料充填ステップと、 前記飲料が充填された前記容器に前記封止部材を被せて封止装置により封止する封止ステップと、 封止された前記容器を前記顧客にテイクアウトさせるテイクアウトステップと、 を備え、 前記飲料充填サーバは、複数設けられるとともに、各飲料充填サーバのコック及び注ぎ口、並びに前記封止装置は、前記顧客が視認可能である、 飲料テイクアウト方法。」 [相違点1] 本願発明1は、「ボトル缶」と、「該ボトル缶に装着され、前記ボトル缶を封止するキャップ材」を用いた「テイクアウト方法」であり、「キャッピングされたボトル缶」をテイクアウトさせるのに対し、引用発明では、「金属で構成された容器」と「端部閉止具」を用いた「テイクアウト方法」である点。 [相違点2] 本願発明1は、飲料を「ボトル缶」に充填する「飲料充填ステップ」と、「前記飲料が充填された前記ボトル缶に前記キャップ材を被せてキャッピング装置によりキャッピングするキャッピングステップ」と、「キャッピングされた前記ボトル缶」を顧客にテイクアウトさせる「テイクアウトステップ」を有するのに対し、引用発明では、飲料が「金属で構成された容器」に充填されると、「端部閉止具が容器本体に二重巻締され、気密封止された容器を形成するシーム加工が行われ」、シーム加工された容器が消費者に配布、販売される点。 [相違点3] 本願発明1では「前記キャッピング装置は、前記店舗内のカウンターの正面に位置し前記顧客が視認可能な棚上に配置されているとともに、前記キャッピング装置のカバーは透明であり、」「前記顧客がキャッピングの様子を視認可能」であるのに対し、引用発明ではこれらの事項が特定されていない点。 [相違点4] 本願発明1では、「前記テイクアウトステップ前に、前記ボトル缶の外面に、充填された前記飲料の名称及び消費期限を明示する消費期限明示ステップを備える」のに対し、引用発明ではこれらの事項が特定されていない点。 (2)相違点についての検討 はじめに相違点1について検討する。 ア 本願明細書【0005】~【0006】には、従来技術である特許文献2(引用文献1と同じ文献)の課題として、金属容器端部閉止具により閉塞された充填容器を開封するのは顧客にとって煩雑であること、一度開封してしまうと飲料をそのまま保存することが難しく、利便性が低いことが記載されているから、本願発明1は、それらの課題を解決するために「ボトル缶と、該ボトル缶に装着され、前記ボトル缶を封止するキャップ材」を用いたものであると理解できる。 イ そこで、上記アを前提に、相違点1の容易想到性について検討すると、引用文献2~13には、飲料テイクアウト方法において、「ボトル缶と、該ボトル缶に装着され、前記ボトル缶を封止するキャップ材」を用いることは記載も示唆もされていないし、本願出願時に周知技術であったということもできない。 また、引用文献1の[0013]には、引用発明の、金属容器と端部閉止具を用いて二重巻締により密封する方法は、ねじ込みキャップ付きのボトル入り飲料と比較して優れた保存期間を有する旨が記載されているから、引用発明において、「金属容器」と「端部閉止具」に代えて、「ボトル缶」と「ボトル缶を封止するキャップ材」を用いることには、阻害要因があるといえる。 そうすると、引用発明において、相違点1に係る構成を採用することは、当業者が容易になし得たことではない。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明及び引用文献2~13に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2.本願の請求項2~7に係る発明について 本願の請求項2~7に係る発明は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明1の「ボトル缶と、該ボトル缶に装着され、前記ボトル缶を封止するキャップ材」の構成を備えるものであるから、上記1(2)と同様の理由により、引用文献1~13に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第6 原査定について 上記第5で検討したとおり、本願の請求項1~7に係る発明は、原査定で引用された引用文献1~13に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第7 結び 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2024-016264

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決11件(アルテミラ製缶株式会社)
  • 2024-002194拒絶査定不服審判 / 2026-01-08 / 原査定取消(特許/登録すべき)缶体
    同じ当事者: アルテミラ製缶株式会社
  • 2022-010929拒絶査定不服審判 / 2023-11-08 / 原査定取消(特許/登録すべき)缶の製造方法
    同じ当事者: アルテミラ製缶株式会社
  • 2022-013512拒絶査定不服審判 / 2023-10-17 / 原査定取消(特許/登録すべき)缶体
    同じ当事者: アルテミラ製缶株式会社
  • 2022-005190拒絶査定不服審判 / 2023-08-15 / 原査定取消(特許/登録すべき)ボトル缶及びキャップ付きボトル缶
    同じ当事者: アルテミラ製缶株式会社
  • 2021-014224拒絶査定不服審判 / 2023-02-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)ボトル缶
    同じ当事者: アルテミラ製缶株式会社
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)24件(121・B67C)
  • 2025-011504拒絶査定不服審判 / 2026-02-13 / 原査定取消(特許/登録すべき)内容物充填システム及び内容物入り容器の製造方法
    共通の審決分類: 121・B67C
  • 2024-016620拒絶査定不服審判 / 2025-12-05 / 原査定取消(特許/登録すべき)内容物充填システム及び内容物充填方法
    共通の審決分類: 121・B67C
  • 2024-004551拒絶査定不服審判 / 2025-11-14 / 原査定取消(特許/登録すべき)容器を充填するためのシステム及び方法
    共通の審決分類: 121・B67C
  • 2023-013765拒絶査定不服審判 / 2025-06-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)無菌充填機の洗浄・殺菌方法及び無菌充填機
    共通の審決分類: 121・B67C
  • 2023-012922拒絶査定不服審判 / 2025-05-22 / 請求不成立飲料充填装置の洗浄・殺菌方法及び装置
    共通の審決分類: 121・B67C

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存