特許拒絶査定不服審判
2024-015342
半導体装置の製造方法、異常予兆検知方法、異常予兆検知プログラム、及び基板処理装置
- 審判番号
- 2024-015342
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-551153
- 請求日
- 2024年09月25日
- 審決日
- 2025年07月28日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
- 【請求人代理人】弁理士法人太陽国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 梶尾 誠哉
- 審判官 今井 聖和
- 審判官 緑川 隆
- 分類
- P18 .121-WY (H01L) / P18 .572-WY (H01L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法17条の2第5項特許法159条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-551153「半導体装置の製造方法、異常予兆検知方法、異常予兆検知プログラム、及び基板処理装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 3月31日国際公開、WO2022/064814、請求項の数(20)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2021年(令和3年)7月12日(優先権主張 2020年(令和2年)9月23日)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年12月25日付け 拒絶理由通知書
令和6年 3月 5日 意見書及び手続補正書の提出
同年 6月28日付け 拒絶査定
同年 9月25日 審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和6年9月25日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年9月25日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1についての補正を含むものであり、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載及び本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおりである。
(1) 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明
「 【請求項1】
複数のステップを含むプロセスレシピを実行させて、基板を処理する半導体装置の製造方法であって、
前記プロセスレシピを実行しつつ、前記基板を処理する処理室の雰囲気を排気する部材の振動データを真空引きイベント開始時に振動センサから取得する振動データ取得工程と、
取得した前記振動データに基づいて、前記部材の回転周波数における振動の大きさと、前記回転周波数の整数倍の対比周波数における振動の大きさとの比が、予め設定された異常予兆閾値を超える場合に、異常予兆有と検知する異常予兆検知工程と、
を有する半導体装置の製造方法。」
(2) 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明
「 【請求項1】
基板を処理室内へ搬入する基板搬入ステップ、前記処理室で前記基板に成膜する成膜ステップ、及び前記基板を前記処理室外へ搬出する基板搬出ステップを含むプロセスレシピを実行させて、前記基板を処理する半導体装置の製造方法であって、
前記基板を搬送する搬送部材、前記基板を回転させる回転部材を含む、装置を構成する構成部材のうち少なくとも一つの部材の振動データを振動センサから取得する振動データ取得工程と、
取得した前記振動データに基づいて、異常予兆有を検知する異常予兆検知工程と、を有し、
前記振動データ取得工程では、前記基板搬入ステップおよび前記基板搬出ステップにおいて、前記搬送部材の振動データを取得し、前記成膜ステップにおいて、前記回転部材の振動データを取得する半導体装置の製造方法。」
なお、下線は、本件補正によって変更された箇所に対して当審にて付した。
2 本件補正の適否
(1) 補正事項について
本件補正は、少なくとも以下の補正事項を含んでいる。
ア 請求項1の「振動データ取得工程」において、取得する「振動データ」から「前記基板を処理する処理室の雰囲気を排気する部材の振動データ」を削除する補正、「真空引きイベント開始時に」振動データを取得するとの発明特定事項を削除する補正(以下、「補正事項1」という。)
イ 請求項1の「異常予兆検知工程」において、「前記部材の回転周波数における振動の大きさと、前記回転周波数の整数倍の対比周波数における振動の大きさとの比が、予め設定された異常予兆閾値を超える場合に、」異常予兆有と検知するとの発明特定事項を削除する補正(以下、「補正事項2」という。)
(2) 補正の目的について
ア 本件補正前の請求項1には、「前記基板を処理する処理室の雰囲気を排気する部材の振動データ」及び「真空引きイベント開始時に」との発明特定事項があり、本件補正前の請求項1に係る発明の「振動データ取得工程」は、当該発明特定事項を備えていた。
しかしながら、補正事項1によって、当該発明特定事項が削除されたため、本件補正後の請求項1に係る発明の「振動データ取得工程」は、「前記基板を処理する処理室の雰囲気を排気する部材の振動データ」を取得することと、「真空引きイベント開始時に」振動データを取得することに限定されなくなった。
そうすると、補正事項1は、発明特定事項を限定するものではないから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものとはいえない。
また、補正事項1は、明瞭でない記載の釈明、請求項の削除、誤記の訂正を目的とするものでもないことは明らかである。
イ 本件補正前の請求項1には、「前記部材の回転周波数における振動の大きさと、前記回転周波数の整数倍の対比周波数における振動の大きさとの比が、予め設定された異常予兆閾値を超える場合に、」との発明特定事項があり、本件補正前の請求項1に係る発明の「異常予兆検知工程」は、当該発明特定事項を備えていた。
しかしながら、補正事項2によって、当該発明特定事項が削除されたため、本件補正後の請求項1に係る発明の「異常予兆検知工程」は、「前記部材の回転周波数における振動の大きさと、前記回転周波数の整数倍の対比周波数における振動の大きさとの比が、予め設定された異常予兆閾値を超える場合に、」異常予兆有と検知することに限定されなくなった。
そうすると、補正事項2は、明瞭でない記載の釈明、請求項の削除、誤記の訂正を目的とするものでもないことは明らかである。
ウ したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項各号に掲げるいずれの目的にも該当しない。
3 本件補正についてのむすび
以上によれば、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~20に係る発明は、令和6年3月5日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~20に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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