特許拒絶査定不服審判
2024-014195
表皮材及び表皮材の製造方法
- 審判番号
- 2024-014195
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-051734
- 請求日
- 2024年09月04日
- 審決日
- 2026年02月18日
- 公報発行日
- 2026年05月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】共和レザー株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人太陽国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 松永 稔
- 審判官 綿引 隆
- 審判官 今井 聖和
- 分類
- P18 .121-WZ (D06N)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020- 51734「表皮材及び表皮材の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 9月27日出願公開、特開2021-147740〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年3月23日の出願であって、その手続の経緯の概要は以下のとおりである。
令和 5年10月11日付け:拒絶理由通知書
令和 6年 2月13日 :意見書、手続補正書の提出
同年 5月24日付け:拒絶査定(以下、「原査定」という。)
同年 9月 4日 :審判請求書、手続補正書の提出
同年10月11日 :手続補正書(方式)の提出
令和 7年10月29日付け:拒絶理由通知書(以下、この拒絶理由通知書で通知した拒絶理由を「当審拒絶理由」という。)
同年12月25日 :意見書、手続補正書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1~13に係る発明は、令和7年12月25日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~13に記載した事項により特定されるものであり、そのうち、請求項1、7に係る発明(以下、「本願発明1」、「本願発明7」という。)は、次のとおりのものである。
「 【請求項1】
少なくとも表皮層を備え、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する表皮材であり、
前記貫通孔は、前記表皮材の全面に亘り、規則的に配列され、
前記表皮材は、前記表皮材を平面視した場合、平面視で円形の貫通孔であって、サイズが互いに異なる複数種の貫通孔を有し、
貫通孔の相当円直径が0.5mm~2.0mmであり、
前記表皮層の全域に対する貫通孔の開孔率が3%~15%である表皮材。
(但し、ステッチを有するものを除く。)」
「 【請求項7】
少なくとも表皮層を備え、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する表皮材であり、
前記表皮材は、前記表皮材を平面視した場合、平面視で円形の貫通孔であって、サイズが互いに異なる複数種の貫通孔を有する孔あき領域と、貫通孔を有しない非孔あき領域とを有し、
前記貫通孔は、前記表皮材の前記孔あき領域の全面に亘り、規則的に配列され、
貫通孔の相当円直径が0.5mm~2.0mmであり、
前記表皮層の全域に対する貫通孔の開孔率が3%~15%であり、
前記孔あき領域は、隣接する最短距離に存在する貫通孔同士を直線で結んだ場合に、一定サイズであって同じ形状の多角形を連続して形成する領域を指す、
表皮材。
(但し、ステッチを有するものを除く。)」
第3 当審拒絶理由の概要
本願発明1、7に対する当審拒絶理由は、以下の理由を含むものである。
理由2-1 本願発明7は、引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
理由2-2 本願発明1は、引用文献3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
理由2-3 本願発明7は、引用文献4に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1.国際公開第2020/027108号
引用文献3.特開2019-065427号公報
引用文献4.韓国登録意匠第30-0825348号公報
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1について
(1) 引用文献1の記載
当審拒絶理由において引用した引用文献1(国際公開第2020/027108号)には、次の記載がある。
「[0057] <表皮材の第9実施形態>
次に、第9実施形態となる表皮材810を備えた乗り物用シートS2について、図13~図18を参照しながら説明する。
・・・
[0064] 表皮材810は、図16に示すように、積層構造からなり、具体的には上面から順にトップ層810a、発泡層810b及び基布層810cの3層構造から主に構成される。
トップ層810aは、非発泡のポリ塩化ビニル(PVC)製の合成皮革から形成され、発泡層810bは、発泡されたポリ塩化ビニル(PVC)から形成される。基布層810cは、繊維材料を編むことで構成された布材料から形成される。トップ層810aの表面には、耐摩耗性及び保護性を確保すべく、ウレタンコーティングによる不図示のウレタン表面処理層が形成される。
・・・
[0066] 表皮材810は、図16に示すように複数の孔811が形成される。孔811は、表皮材810の表面812に対して垂直な方向(以下、厚さ方向T)に、表面812から背面813まで貫通した孔である。孔811のそれぞれは、着座側から(表面812側から)見た場合、略円形状であり、公知のパンチングロール装置やパーフォレーション装置を用いてパンチング加工によって形成される。なお、孔811のそれぞれの形状は特に限定されず、楕円形状又はその他の幾何学形状であってもよく、乗り物用シートS2のデザインに合わせて適宜変更されてよい。
・・・
[0070] 図17B~図17Dに、孔811の配置の別例を示す。
図17Bに示す表皮材910は、大きさの異なる孔811a、811b、811cが配置され孔集合体930が形成される。具体的に述べると、表皮材810(当審注:「表皮材910」の誤りであると認められる。)に形成される孔811の孔集合体930は、大きな直径を有する孔811aが等間隔で配置された孔集合体930a、中位の大きさの孔811bが等間隔で配置された孔集合体930b、最も小さい孔811cが等間隔で配置された孔集合体930cにより構成される。
この場合、バックパッド1bの通気孔6は、大きな直径を有する孔811aが配置された孔集合体930aの開口率の値が最も高いことから、通気孔6と孔集合体930aとが重なるように孔811が配置される。」
「
[図:0001434760000001.jpg]
・・・
[図:0001434760000002.jpg]
」
(2) 引用発明1
ア 上記(1)の[0057]の「第9実施形態となる表皮材810を備えた乗り物用シートS2について、図13~図18を参照しながら説明する。」との記載によれば、「第9実施形態となる表皮材810」は、乗り物用シートに用いられるものであるといえる。
イ また、上記(1)の[0057]の「第9実施形態となる表皮材810を備えた乗り物用シートS2について、図13~図18を参照しながら説明する。」との記載、[0066]の「表皮材810は、図16に示すように複数の孔811が形成される。」との記載、及び、[0070]の「図17B~図17Dに、孔811の配置の別例を示す。」との記載によれば、引用文献1の[0070]、[図17B]に記載された「表皮材910」は、「表皮材の第9実施形態」の別例であり、引用文献1の[0070]、[図17B]に記載された「表皮材910」の、「孔811の配置」以外の構成は、「表皮材810」と同じといえる。
ウ 上記ア及びイによれば、引用文献1の[0070]、[図17B]には、「表皮材の第9実施形態」の別例として、乗り物用シートに用いられる表皮材910が記載されているといえる。
エ 上記イ及び上記(1)の[0064]の「表皮材810は、図16に示すように、積層構造からなり、具体的には上面から順にトップ層810a、発泡層810b及び基布層810cの3層構造から主に構成される。」との記載によれば、「表皮材910」も、上面から順にトップ層810a、発泡層810b及び基布層810cの3層構造から主に構成されたものといえる。
オ また、上記イ及び上記(1)の[0066]の記載によれば、上記(1)の[0070]、[図17B]に記載の「孔811a、811b、811c」は、表皮材910の表面812から背面813まで貫通しているといえる。
カ また、上記(1)の[0066]に「孔811のそれぞれは、着座側から(表面812側から)見た場合、略円形状であ」ると記載されていることを踏まえれば、上記(1)の[0070]、[図17B]に記載の「孔811a、811b、811c」も、表皮材910の表面812側から見た場合、同様に略円形状となっているといえる。
キ また、上記(1)の[0070]の記載を踏まえると、上記(1)の[図17B]から、「大きな直径を有する孔811aが等間隔で配置された孔集合体930a、中位の大きさの孔811bが等間隔で配置された孔集合体930b、最も小さい孔811cが等間隔で配置された孔集合体930cにより構成される」「孔集合体930」同士の間に、「孔811」が形成されない領域が配置されていることが見て取れる。
ク また、上記(1)の[図17B]から、「孔811」が、「孔集合体930」の全体に亘り規則的に配列されており、「孔集合体930」は、隣接する最短距離に存在する「孔811」同士を直線で結んだ場合に、一定サイズであって同じ形状の多角形を連続して形成する領域となっていることが見て取れる。
ケ 上記(1)、及び、上記ウ~クによれば、引用文献1には、「表皮材の第9実施形態」の別例として、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているといえる。(括弧内の記載は、根拠箇所又は上記の検討箇所を示す。以下同じ。)
「大きさの異なる孔811a、811b、811cが配置され孔集合体930が形成されている表皮材910であって([0070])、
上面から順にトップ層810a、発泡層810b及び基布層810cの3層構造から主に構成されており(上記エ)、
孔811a、811b、811cは、表皮材910の表面812から背面813まで貫通し(上記オ)、
孔811a、811b、811cは、表皮材910の表面812側から見た場合、略円形状であり(上記カ)、
大きな直径を有する孔811aが等間隔で配置された孔集合体930a、中位の大きさの孔811bが等間隔で配置された孔集合体930b、最も小さい孔811cが等間隔で配置された孔集合体930cにより構成される孔集合体930同士の間に、孔811が形成されない領域が配置されており(上記キ)、
孔811が、孔集合体930の全体に亘り規則的に配列されており、孔集合体930は、隣接する最短距離に存在する孔811同士を直線で結んだ場合に、一定サイズであって同じ形状の多角形を連続して形成する領域となっている(上記ク)、
乗り物用シートに用いられる表皮材910(上記ウ)。」
2 引用文献3について
(1) 引用文献3の記載
当審拒絶理由において引用した引用文献3(特開2019-065427号公報)には、次の記載がある。
「【0015】
本実施形態のパーフォレーション合皮1は、底層部2と、この底層部2に積層された表層部3と、これら表層部3および底層部2を貫通する複数の貫通孔4とを備えている。パーフォレーション合皮1の複数の貫通孔4は、表層部3と底層部2にそれぞれ表層開口部41と底層開口部42を有している。本実施形態のパーフォレーション合皮1は、複数の貫通孔4が、底部縮径孔4Aと、底部拡径孔4Bと、等径孔4Cとの三種のうち、少なくとも二種以上を含むことを特徴としている。以下、本実施形態のパーフォレーション合皮1の各部の構成について詳細に説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態のパーフォレーション合皮1は、複数の貫通孔4を有している。複数の貫通孔4は、たとえば、底部縮径孔4Aと底部拡径孔4Bと等径孔4Cの三種の貫通孔4を含んでいる。なお、複数の貫通孔4は、必ずしも三種の貫通孔4を含む必要はなく、二種以上の貫通孔4を含んでいればよい。すなわち、複数の貫通孔4は、底部縮径孔4Aと底部拡径孔4Bの二種、底部縮径孔4Aと等径孔4Cの二種、または等径孔4Cと底部拡径孔4Bの二種を含んでいればよい。
【0017】
図1に示す例において、底部縮径孔4Aの表層開口部41Aの開口面積は、等径孔4Cの表層開口部41Cの開口面積よりも大きい。また、底部拡径孔4Bの表層開口部41Bの開口面積は、等径孔4Cの表層開口部41Cの開口面積よりも小さい。なお、底部拡径孔4Bの表層開口部41Bの開口面積は、等径孔4Cの表層開口部41Cの開口面積と等しくてもよい。
【0018】
また、図1に示す例において、パーフォレーション合皮1は、底部縮径孔4Aが形成された領域Aと、等径孔4Cが形成された領域Cと、底部拡径孔4Bが形成された領域Bを有しているが、これら種類の異なる貫通孔4を意匠性に合わせて不規則に混在させて配置してもよい。また、図1に示す例において、パーフォレーション合皮1は、複数の貫通孔4が円形の表層開口部41を有しているが、貫通孔4の表層開口部41および底層開口部42の形状は特に限定されず、任意の形状にすることができる。
・・・
【0030】
伸びや強度などの特性に局所的な差が生じたパーフォレーション合皮を、たとえば自動車のシートカバーとして用いると、シートカバーを仕上げるときにしわが発生するなど、仕上がり性が悪化するおそれがある。また、大きさや配置が一様でない貫通孔を形成したパーフォレーション合皮を、たとえばシートベンチレーション機能を有する自動車の空調シートに使用した場合に、貫通孔の通気度に偏りが生じ、快適性を低下させるおそれがある。また、表層部に相対的に大きな開口が形成されている部分は、貫通孔の内側面においてスラブウレタンが顕著に視認され、見栄え品質を低下させるおそれがある。
・・・
【0032】
すなわち、本実施形態のパーフォレーション合皮1における貫通孔4の大きさや配置は一様ではない。しかし、底部縮径孔4Aと底部拡径孔4Bと等径孔4Cとの三種の貫通孔4は、容積をおおむね等しくすることで、パーフォレーション合皮1におけるそれぞれの貫通孔4の占有率をおおむね等しくすることができる。すなわち、三種の貫通孔4は、大きさの異なる等径孔のみを配置する場合と比べ、各々の貫通孔4の容積の差が小さくなる。これにより、パーフォレーション合皮1に異なる種類の貫通孔4が形成された各領域A,B,Cにおいて、力を均一に分散することができる。」
「
[図:0001434760000003.jpg]
」
(2) 引用発明3
ア 上記(1)の【0030】の「パーフォレーション合皮を、たとえば自動車のシートカバーとして用いる」との記載によれば、引用文献3には、「パーフォレーション合皮1」を自動車のシートカバーとして用いること、すなわち、自動車のシートカバーとして用いるパーフォレーション合皮1の発明が記載されているといえる。
イ 上記(1)、及び、上記アによれば、引用文献3には、次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されているといえる。
「自動車のシートカバーとして用いるパーフォレーション合皮1であって(上記ア)、
底層部2と、この底層部2に積層された表層部3と、これら表層部3および底層部2を貫通する複数の貫通孔4とを備え(【0015】)、
底部縮径孔4Aと底部拡径孔4Bと等径孔4Cの三種の貫通孔4を含んでおり(【0016】)、
底部縮径孔4Aの表層開口部41Aの開口面積は、等径孔4Cの表層開口部41Cの開口面積よりも大きく、底部拡径孔4Bの表層開口部41Bの開口面積は、等径孔4Cの表層開口部41Cの開口面積よりも小さく(【0017】)、
複数の貫通孔4が円形の表層開口部41を有しており(【0018】)、
底部縮径孔4Aが形成された領域Aと、等径孔4Cが形成された領域Cと、底部拡径孔4Bが形成された領域Bを有し(【0018】)、
底部縮径孔4Aと底部拡径孔4Bと等径孔4Cとの三種の貫通孔4の容積がおおむね等しく、パーフォレーション合皮1におけるそれぞれの貫通孔4の占有率をおおむね等しく、領域A,B,Cにおいて、力を均一に分散することができる(【0032】)、
パーフォレーション合皮1。」
3 引用文献4について
(1) 引用文献4の記載
当審拒絶理由において引用した引用文献4(韓国登録意匠第30-0825348号公報)には、次の記載がある。(なお、引用文献4は韓国語で記載されているため、当審合議体による訳文にて摘記する。)
「デザインの説明
1.このデザインの材料は天然皮革または人工皮革である。
2.このデザインは、自動車のシートカバーの背もたれ部分や着座部のクッションに使用されるものである。
3.このデザインは、表面を貫通する通気孔を有する。
4.このデザインは、通気孔が帯状のパターンをなし、四方に連続するものである。
5.図1.1はこのデザインの表面図であり、付加図1.1はこのデザインの部分拡大図である。
6.このデザインの裏面図は図1.1と同じである。
7.このデザインは、帯状の通気孔が中央から外側に向かって徐々に小さくなっている。」
「図1.1
[図:0001434760000004.jpg]
」
(2) 引用発明4
ア 上記(1)の「デザインの説明」の記載を考慮すると、上記(1)の図1.1から、通気孔により構成される「帯状のパターン」が、複数の通気孔が規則的に配列されて構成されていることが見て取れる。
イ また、上記(1)の図1.1から、通気孔が平面視で円形であることが見て取れる。
ウ また、上記(1)の図1.1から、複数の通気孔により構成されている「帯状のパターン」において、「帯状のパターン」の中央から外側に向かって、通気孔の大きさが徐々に小さくなっていることが見て取れる。
エ また、上記(1)の図1.1から、複数の通気孔により構成されている「帯状のパターン」同士の間に、通気孔が形成されない領域が配置されていることが見て取れる。
オ また、上記(1)の図1.1から、複数の通気孔が、「帯状のパターン」の全体に亘り規則的に配列されており、「帯状のパターン」は、隣接する最短距離に存在する複数の通気孔同士を直線で結んだ場合に、一定サイズであって同じ形状の多角形を連続して形成する領域となっていることが見て取れる。
カ 上記(1)、及び、上記ア~オによれば、引用文献4には、次の発明(以下、「引用発明4」という。)が記載されているといえる。
「自動車のシートカバーに使用される人工皮革であって(1.及び2.)、
表面を貫通する通気孔を有し(3.)、
通気孔が平面視で円形であり(上記イ)、
複数の通気孔が規則的に配列されて帯状のパターンとなっており(上記ア)、
帯状のパターンの中央から外側に向かって、通気孔の大きさが徐々に小さくなっており(上記ウ)、
帯状のパターン同士の間に、通気孔が形成されない領域が配置されており(上記エ)、
複数の通気孔が、帯状のパターンの全体に亘り規則的に配列されており、帯状のパターンは、隣接する最短距離に存在する複数の通気孔同士を直線で結んだ場合に、一定サイズであって同じ形状の多角形を連続して形成する領域となっている(上記オ)、
人工皮革。」
4 引用文献5について
当審において新たに引用する引用文献5(国際公開第2014/097999号)には、以下の記載がある。
「背景技術
[0002] 近年、自動車内装部品(インストルメントパネル、ドアトリム、座席、天井など)、鉄道車両・航空機内装部品(トリム、座席、天井など)、家具、靴、履物、鞄、建装用内外装部材、衣類表装材・裏地、壁装材などには、天然皮革や繊維性シートに代えて、耐久性に優れる合成樹脂表皮材が多用されている。例えば、自動車内装品については、車両の高級化に伴い、内装用の表皮材についても高級感を付与させることが重要になってきている。また、天然皮革と同等又はそれ以上の通気性を有することも求められている。
・・・
[0044] 各通気孔30の孔径Dは、用途にもよるが、積層シート全体の通気性と強度を両立させる観点から、0.5~2.0mmであることが好ましく、1.0~1.5mmであることがより好ましい。
通気孔30の間隔Pは、用途にもよるが、積層シート全体の通気性と強度を両立させる観点から、3.0~8.0mmであることが好ましく、4.0~7.0mmであることがより好ましい。
[0045] 積層シート10の開孔率(通気孔30の合計面積/積層シート10の面積)は、用途にもよるが、積層シート全体の通気性と強度を両立させる観点から、5~20%であることが好ましく、10~15%であることがより好ましい。」
5 引用文献6について
当審において新たに引用する引用文献6(特開2017-165209号公報)には、以下の記載がある。
「【背景技術】
【0002】
従来、合成皮革は、その表面が樹脂層に覆われていることから、車両内装材用途、特には座面に用いられる場合には、長時間着座した際の発汗により、蒸れやべたつきが生じるという問題がある。そのため、一般的に、孔開け加工(例えば、特許文献1)により皮革類に複数の開口部を形成し、皮革類の通気度を向上させることにより、蒸れやべたつきを解決しようと試みている。これにより、蒸れやべたつきは解消されるものの、車両内装材用途に必要な強度を得ることはできない。
・・・
【0026】
合成皮革表面(即ち、ポリウレタン樹脂層の表面)における開口部の占める割合(面積比率)である、開口率は、1~15%である。開口率が1%以上であることにより、蒸れやべたつきを解消するに十分な通気度が得られる。一方、開口率が15%以下であることにより、強度の観点で優れる。開口率は、より好ましくは5~15%であり、5~10%でもよい。
【0027】
開口部の形状は特に限定されず、丸、三角、四角等の幾何学模様から意匠性を考慮して選択することが可能である。耐久性の観点から、丸が好ましい。また、開口部の大きさも特に限定されず、例えば0.15~7.50mm2でもよい。」
第5 対比・判断
1 理由2-1(引用文献1を主引用文献とする進歩性)について
(1) 本願発明7と引用発明1との対比
ア 引用発明1の「トップ層810a」は、本願発明7の「表皮層」に相当する。
また、引用発明1の「孔811a、811b、811c」は、「表皮材910の表面から背面まで貫通し」ているものであるから、本願発明7の(表皮材の)「厚さ方向に貫通する」「貫通孔」に相当する。
そうすると、引用発明1の「表皮材910」は、「大きさの異なる孔811a、811b、811cが配置され孔集合体930が形成されている」ものであるから、「少なくとも表皮層を備え、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する表皮材であ」るといえる点で本願発明7と共通する。
イ 引用発明1の「孔811a、811b、811c」は、「表皮材910の表面812側から見た場合、略円形状である」から、本願発明7の「前記表皮材を平面視した場合、平面視で円形の貫通孔」に相当する。
ウ 引用発明1の「大きな直径を有する孔811aが等間隔で配置された孔集合体930a、中位の大きさの孔811bが等間隔で配置された孔集合体930b、最も小さい孔811cが等間隔で配置された孔集合体930cにより構成される孔集合体930」が形成された領域は、「孔811が、孔集合体930の全体に亘り規則的に配列されており、孔集合体930は、隣接する最短距離に存在する孔811同士を直線で結んだ場合に、一定サイズであって同じ形状の多角形を連続して形成する領域となっている」ものであるから、本願発明7の「サイズが互いに異なる複数種の貫通孔を有する孔あき領域」であって、「前記貫通孔は、前記表皮材の前記孔あき領域の全面に亘り、規則的に配列され」、「隣接する最短距離に存在する貫通孔同士を直線で結んだ場合に、一定サイズであって同じ形状の多角形を連続して形成する領域」に相当するといえる。
また、引用発明1の「孔集合体930同士の間」の「孔811が形成されない領域」は、本願発明7の「貫通孔を有しない非孔あき領域」に相当する。
エ また、上記第4の1(2)のとおり、引用発明1は「ステッチ」を備えていないから、「表皮材。(但し、ステッチを有するものを除く。)」といえる点で本願発明7と共通する。
オ 以上のとおりであるから、本願発明7は引用発明1と以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「 少なくとも表皮層を備え、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する表皮材であり、
前記表皮材は、前記表皮材を平面視した場合、平面視で円形の貫通孔であって、サイズが互いに異なる複数種の貫通孔を有する孔あき領域と、貫通孔を有しない非孔あき領域とを有し、
前記貫通孔は、前記表皮材の前記孔あき領域の全面に亘り、規則的に配列され、
前記孔あき領域は、隣接する最短距離に存在する貫通孔同士を直線で結んだ場合に、一定サイズであって同じ形状の多角形を連続して形成する領域を指す、
表皮材。
(但し、ステッチを有するものを除く。)」
[相違点]
[相違点1]
本願発明7は、「貫通孔の相当円直径が0.5mm~2.0mmであ」るのに対して、引用発明1は、「大きさの異なる孔811a、811b、811c」の「相当円直径」が不明な点。
[相違点2]
本願発明7は、「前記表皮層の全域に対する貫通孔の開孔率が3%~15%であ」るのに対して、引用発明1は、そのような構成となっているか不明な点。
(2) 相違点についての判断
ア 相違点1について
本願明細書の【0002】、【0003】に記載されているとおり、自動車の座席シートに用いられる表皮材に直径1mm程度の大きさの複数の貫通孔を設けることは、周知である。このことは、上記第4の4の[0044]の記載、及び、上記第4の5の【0027】の記載からもいえる。
したがって、乗り物用シートに用いられる表皮材に係る引用発明1の「孔811a、811b、811c」の「相当円直径」を、1mmを含む、0.5mm~2.0mmの範囲とし、相違点1に係る本願発明7の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
イ 相違点2について
自動車の座席シートに用いられる表皮材において、開孔率(通気孔の合計面積/表皮材の面積)を5~15%程度として通気性と強度を両立させることは、上記第4の4の[0002]、[0045]、上記第4の5の【0002】、【0026】に記載されているように周知技術であるから、引用発明1に当該周知技術を適用し、相違点2に係る本願発明7の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
(3) 請求人の主張について
請求人は、令和7年12月25日に提出の意見書において、引用文献1には、貫通孔の相当円直径が0.5mm~2.0mmであること、及び、表皮層の全域に対する貫通孔の開孔率が3%~15%であることのいずれも、記載あるいは示唆もされておらず、貫通孔の相当円直径が0.5mm~2.0mmの範囲において選択された、サイズが互いに異なる複数種の貫通孔を規則正しく配置し、かつ、表皮層の全域に対する貫通孔の開孔率が3%~15%であるという構成、及びその構成から得られる、距離を置いて視認した場合の意匠性、強度、及び通気性のいずれもが良好な表皮材を得るという効果を考慮すれば、特定の貫通孔を有する孔あき領域と、非孔あき領域とが組み合わせてなる新請求項7に係る発明は、引用文献1に記載の発明から容易に想到しうるものではない旨主張する。
しかしながら、「貫通孔の相当円直径が0.5mm~2.0mmであること」、及び、「表皮層の全域に対する貫通孔の開孔率が3%~15%であること」は、上記(2)のとおり、周知の構成であり、強度及び通気性が良好な表皮材を得るという効果は、本願の出願時の技術水準から、当業者が予測できたものである。
また、引用発明1は「大きな直径を有する孔811aが等間隔で配置された孔集合体930a、中位の大きさの孔811bが等間隔で配置された孔集合体930b、最も小さい孔811cが等間隔で配置された孔集合体930c」が形成されているものであるから、距離を置いて視認した場合の意匠性が良好な表皮材を得るという効果を奏しているといえる。
したがって、上記の主張は採用できない。
(4) 小括
以上によれば、本願発明7は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
2 理由2-2(引用文献3を主引用文献とする進歩性)について
(1) 本願発明1と引用発明3との対比
ア 引用発明3の「表層部3」は、本願発明1の「表皮層」に相当する。
また、引用発明3の、表層層3および底層層2を貫通する「貫通孔4」は、本願発明1の(表皮材の)「厚さ方向に貫通する」「貫通孔」に相当する。
そして、引用発明3は、「底部縮径孔4Aと底部拡径孔4Bと等径孔4Cの三種の貫通孔4を含んでおり」、「底部縮径孔4Aの表層開口部41Aの開口面積は、等径孔4Cの表層開口部41Cの開口面積よりも大きく、底部拡径孔4Bの表層開口部41Bの開口面積は、等径孔4Cの表層開口部41Cの開口面積よりも小さ」いものであるから、「少なくとも表皮層を備え、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する表皮材であ」り、「前記表皮材は」、「サイズが互いに異なる複数種の貫通孔を有する」といえる点で本願発明1と共通する。
イ 引用発明3の「複数の貫通孔4」は、「円形の表層開口部41を有している」から、本願発明1の「前記表皮材を平面視した場合、平面視で円形の貫通孔」に相当する。
ウ 上記第4の2(2)のとおり、引用発明3は「ステッチ」を備えていないから、「表皮材。(但し、ステッチを有するものを除く。)」といえる点で本願発明1と共通する。
エ 以上のとおりであるから、本願発明1は引用発明3と以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「 少なくとも表皮層を備え、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する表皮材であり、
前記表皮材は、前記表皮材を平面視した場合、平面視で円形の貫通孔であって、サイズが互いに異なる複数種の貫通孔を有する、
表皮材。
(但し、ステッチを有するものを除く。)」
[相違点]
[相違点3]
本願発明1は、「前記貫通孔は、前記表皮材の全面に亘り、規則的に配列され」たものであるのに対して、引用発明3は、そのような構成となっているか不明な点。
[相違点4]
本願発明1は、「貫通孔の相当円直径が0.5mm~2.0mmであ」るのに対して、引用発明3は、「貫通孔4」の「相当円直径」が不明な点。
[相違点5]
本願発明1は、「前記表皮層の全域に対する貫通孔の開孔率が3%~15%であ」るのに対して、引用発明3は、そのような構成となっているか不明な点。
(2) 相違点についての判断
ア 相違点3について
引用発明3は、「底部縮径孔4Aが形成された領域Aと、等径孔4Cが形成された領域Cと、底部拡径孔4Bが形成された領域Bを有し」、「底部縮径孔4Aと底部拡径孔4Bと等径孔4Cとの三種の貫通孔4の容積がおおむね等しく、パーフォレーション合皮1におけるそれぞれの貫通孔4の占有率をおおむね等しく、領域A,B,Cにおいて、力を均一に分散することができる」ものであり、引用発明3の「複数の貫通孔4」は、パーフォレーション合皮1の全面に亘り、規則的に配列されているといえるから、相違点3は、実質的な相違点ではない。
そうでないとしても、引用発明3を、「複数の貫通孔4」がパーフォレーション合皮1の全面に亘り、規則的に配列されたものとし、相違点3に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。
イ 相違点4について
自動車の座席シートに用いられる表皮材に直径1mm程度の大きさの複数の貫通孔を設けることは、上記1(2)アのとおり周知であるから、同様の自動車のシートカバーとして用いるパーフォレーション合皮1に係る引用発明3の「底部縮径孔4A」、「等径孔4C」、「底部拡径孔4B」の「相当円直径」を、1mmを含む、0.5mm~2.0mmの範囲とし、相違点4に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
ウ 相違点5について
自動車の座席シートに用いられる表皮材において、開孔率(通気孔の合計面積/表皮材の面積)を5~15%程度として通気性と強度を両立させることは、上記1(2)イのとおり周知技術であるから、引用発明3に当該周知技術を適用し、相違点5に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
(3) 請求人の主張について
請求人は、令和7年12月25日に提出の意見書において、引用文献3には、貫通孔の配置、及び表皮層の全域に対する貫通孔の開孔率を3%~15%とするという構成は記載も示唆もなく、これらの構成により、意匠性を向上させ、良好な通気性を得るといった発明の課題に係る着目がない旨主張する。
しかしながら、「表皮層の全域に対する貫通孔の開孔率が3%~15%であること」は、上記(2)のとおり、周知の構成であり、通気性が良好な表皮材を得るという効果は、本願の出願時の技術水準から、当業者が予測できたものである。
また、上記第4の2(1)の【0018】に「これら種類の異なる貫通孔4を意匠性に合わせて不規則に混在させて配置してもよい。」と記載されているように、「底部縮径孔4Aが形成された領域Aと、等径孔4Cが形成された領域Cと、底部拡径孔4Bが形成された領域B」を、意匠性に合わせて配置することができるものであるところ、引用発明3は「底部縮径孔4Aが形成された領域Aと、等径孔4Cが形成された領域Cと、底部拡径孔4Bが形成された領域Bを有」するものであるから、距離を置いて視認した場合の意匠性が良好な表皮材を得るという効果を奏しているといえる。
したがって、上記の主張は採用できない。
(4) 小括
以上によれば、本願発明1は、引用文献3に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
3 理由2-3(引用文献4を主引用文献とする進歩性)について
(1) 本願発明7と引用発明4との対比
ア 引用発明4は、「自動車のシートカバーに使用される人工皮革」の層構成について規定されていないが、少なくとも表皮層を備えているといえる。
また、引用発明4の「表面を貫通する通気孔」は、本願発明7の(表皮材の)「厚さ方向に貫通する」「貫通孔」に相当する。
そして、引用発明4は、「複数の通気孔が規則的に配列されて帯状のパターンとなって」いるから、「少なくとも表皮層を備え、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する表皮材であ」るといえる点で本願発明7と共通する。
イ 引用発明4の「通気孔」は、「平面視で円形であ」るから、本願発明7の「前記表皮材を平面視した場合、平面視で円形の貫通孔」に相当する。
ウ 引用発明4の「複数の通気孔が規則的に配列されて」構成されている「帯状のパターン」は、「帯状のパターンの中央から外側に向かって、通気孔の大きさが徐々に小さくなって」いるものであって、「複数の通気孔が、帯状のパターンの全体に亘り規則的に配列されており、帯状のパターンは、隣接する最短距離に存在する複数の通気孔同士を直線で結んだ場合に、一定サイズであって同じ形状の多角形を連続して形成する領域となっている」ものであるから、本願発明7の「サイズが互いに異なる複数種の貫通孔を有する孔あき領域」であって、「前記貫通孔は、前記表皮材の前記孔あき領域の全面に亘り、規則的に配列され」、「隣接する最短距離に存在する貫通孔同士を直線で結んだ場合に、一定サイズであって同じ形状の多角形を連続して形成する領域」に相当するといえる。
また、引用発明4の「帯状のパターン同士の間」に配置されている「通気孔が形成されない領域」は、本願発明7の「貫通孔を有しない非孔あき領域」に相当する。
エ また、上記第4の3(2)のとおり、引用発明4は「ステッチ」を備えていないから、「表皮材。(但し、ステッチを有するものを除く。)」といえる点で本願発明7と共通する。
オ 以上のとおりであるから、本願発明7は引用発明4と以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「 少なくとも表皮層を備え、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する表皮材であり、
前記表皮材は、前記表皮材を平面視した場合、平面視で円形の貫通孔であって、サイズが互いに異なる複数種の貫通孔を有する孔あき領域と、貫通孔を有しない非孔あき領域とを有し、
前記貫通孔は、前記表皮材の前記孔あき領域の全面に亘り、規則的に配列され、
前記孔あき領域は、隣接する最短距離に存在する貫通孔同士を直線で結んだ場合に、一定サイズであって同じ形状の多角形を連続して形成する領域を指す、
表皮材。
(但し、ステッチを有するものを除く。)」
[相違点]
[相違点6]
本願発明7は、「貫通孔の相当円直径が0.5mm~2.0mmであ」るのに対して、引用発明4は、「複数の通気孔」の「相当円直径」が不明な点。
[相違点7]
本願発明7は、「前記表皮層の全域に対する貫通孔の開孔率が3%~15%であ」るのに対して、引用発明4は、そのような構成となっているか不明な点。
(2) 相違点についての判断
ア 相違点6について
自動車の座席シートに用いられる表皮材に直径1mm程度の大きさの複数の貫通孔を設けることは、上記1(2)アのとおり周知であるから、同様の自動車のシートカバーに使用される人工皮革に係る引用発明4の「通気孔」の「相当円直径」を、1mmを含む、0.5mm~2.0mmの範囲とし、相違点6に係る本願発明7の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
イ 相違点7について
自動車の座席シートに用いられる表皮材において、開孔率(通気孔の合計面積/表皮材の面積)を5~15%程度として通気性と強度を両立させることは、上記1(2)イのとおり周知技術であるから、引用発明4に当該周知技術を適用し、相違点7に係る本願発明7の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
(3) 請求人の主張について
請求人は、令和7年12月25日に提出の意見書において、引用文献4には、特定の相当円直径の範囲内において選択された、互いにサイズの異なる複数種の貫通孔を組み合わせることについての明示の記載はなく、自然な通気性を達成するための、貫通孔の開孔率に係る明示の記載も示唆がないため、本願新請求項7に記載の発明は、容易になし得るものではない旨主張する。
しかしながら、上記第4の3(2)ウのとおり、引用文献4の図1.1から、複数の通気孔により構成されている「帯状のパターン」において、「帯状のパターン」の中央から外側に向かって、通気孔の大きさが徐々に小さくなっていることが見て取れるとともに、上記1(2)のとおり、自動車の座席シートに用いられる表皮材に直径1mm程度の大きさの複数の貫通孔を設けることや、自動車の座席シートに用いられる表皮材において、開孔率(通気孔の合計面積/表皮材の面積)を5~15%程度として通気性と強度を両立させることは周知であるから、上記の主張は採用できない。
(4) 小括
以上によれば、本願発明7は、引用文献4に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1は、引用文献3に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本願発明7は、引用文献1、4に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-014195