特許拒絶査定不服審判
2024-013346
利用管理装置、利用管理方法、およびプログラム
- 審判番号
- 2024-013346
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-028868
- 請求日
- 2024年08月19日
- 審決日
- 2025年06月16日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社ビットキー
- 【請求人代理人】大関 光弘
- 審判長/審判官
- 審判長 篠塚 隆
- 審判官 富澤 哲生
- 審判官 村松 貴士
- 分類
- P18 .113-WY (G06Q) / P18 .121-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020- 28868「利用管理装置、利用管理方法、およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 9月13日出願公開、特開2021-135552、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年2月21日の出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和6年 3月 1日付け:拒絶理由通知
令和6年 4月24日 :意見書の提出
令和6年 5月14日付け:拒絶査定(原査定)
令和6年 8月19日 :審判請求書の提出
令和7年 2月21日付け:拒絶理由通知(当審拒絶理由)
令和7年 5月19日 :意見書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和6年5月14日付け)の概要は次のとおりである。
1 理由1(新規性)
本願の請求項1、6及び7に係る発明は、以下の引用文献Aに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2 理由2(進歩性)
本願請求項1ないし4、6及び7に係る発明は、以下の引用文献Aに記載された発明に基づいて、本願請求項5に係る発明は、以下の引用文献A、Bに記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
A.特開2017-117301号公報
B.特開2005-122268号公報
第3 当審拒絶理由の概要
当審が令和7年2月21日付けで通知した拒絶理由の概要は次のとおりである。
1 理由1(新規性)
本願の請求項1及び5ないし7に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2 理由2(進歩性)
本願請求項1及び5ないし7に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明に基づいて、本願請求項2ないし4に係る発明は、以下の引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、本願請求項5に係る発明は、以下の引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2001-148037号公報
2.特開2017-117301号公報(原査定の引用文献A)
3.特開2005-122268号公報(原査定の引用文献B)
第4 本願発明
本願請求項1ないし7に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明7」という。)は、令和7年5月19日付けの手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1-7に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】
利用者に対して発行されたチケットを用いて当該利用者による利用対象の利用を管理する利用管理装置であって、
前記チケットには、前記利用者に対して前記利用対象の利用区間、利用期間を定める取引情報を含む利用許可証がコードとして付加されており、
前記利用管理装置は、
前記利用許可証の検証に必要な公開鍵を含むホールデータを記憶するホールデータ記憶手段と、
前記チケットに付加されている前記コードから前記利用許可証を読み取るコード読取手段と、
前記コード読取手段により読み取られた前記利用許可証に付加されている署名を、前記ホールデータ記憶手段に記憶されている前記ホールデータに含まれている前記公開鍵により検証する署名検証手段と、
前記署名検証手段により前記署名の検証が成立した場合に、前記コード読取手段により読み取られた前記利用許可証に含まれている前記取引情報を参照し、当該取引情報により特定される前記利用対象の利用区間、利用期間を満足するか否かを判断する利用条件判断手段と、を備える
ことを特徴とする利用管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の利用管理装置であって、
前記チケットには、前記利用者の生体認証情報が前記利用許可証とともにコードとして付加されており、
前記コード読取手段は、
前記チケットに付加されている前記コードから前記利用許可証および前記生体認証情報を読み取り、
前記利用管理装置は、
前記利用者から前記生体認証情報を取得する生体認証情報取得手段と、
前記生体認証情報取得手段により取得された前記生体認証情報および前記コード読取手段により前記コードから読み取られた前記生体認証情報を用いて、前記利用者の生体認証を実施する生体認証手段と、をさらに備え、
前記利用条件判断手段は、
前記生体認証手段による前記利用者の生体認証が成立し、かつ、前記署名検証手段により前記署名の検証が成立した場合に、前記コード読取手段により読み取られた前記利用許可証に含まれている前記取引情報を参照し、当該取引情報により特定される前記利用対象の利用区間、利用期間を満足するか否かを判断する
ことを特徴とする利用管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の利用管理装置であって、
利用可否通知手段をさらに備え、
当該利用可否通知手段は、
前記利用条件判断手段により前記利用条件を満足すると判断された場合に、利用許可通知を出力し、
前記生体認証手段による前記利用者の生体認証が不成立であった場合、前記署名検証手段による前記署名の検証が不成立であった場合、および、前記利用条件判断手段により利用条件を満足しないと判断された場合に、利用不許可通知を出力する
ことを特徴とする利用管理装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の利用管理装置であって、
前記生体認証情報は、顔認証情報であり、
前記利用管理装置は、
前記利用者の顔および前記チケットに付加された前記コードを撮影する撮影手段をさらに備え、
前記生体認証情報取得手段は、
前記撮影手段により撮影された前記利用者の顔から前記生体認証情報を取得し、
前記コード読取手段は、
前記撮影手段により撮影された前記コードから前記利用許可証および前記生体認証情報を読み取る
ことを特徴とする利用管理装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の利用管理装置であって、
前記利用対象は、閉扉あるいは施錠により、利用が制限されており、
前記利用管理装置は、
前記利用条件判断手段により利用条件を満足すると判断された場合に、開扉あるいは開錠により、前記利用対象の利用制限を解除する解除手段をさらに備える
ことを特徴とする利用管理装置。
【請求項6】
利用者に対して発行されたチケットと、利用管理装置と、を用いて、当該利用者による利用対象の利用を管理する利用管理方法であって、
前記チケットには、前記利用者に対して前記利用対象の利用区間、利用期間を定める取引情報を含む利用許可証がコードとして付加されており、
前記利用管理装置は、
前記利用者が保持する前記チケットに付加されている前記コードから前記利用許可証を読み取り、
予め前記利用対象の提供者から提供された公開鍵を用いて、前記コードから読み取った前記利用許可証に付加されている署名を検証し、
前記署名の検証が成立したならば、前記コードから読み取った前記利用許可証に含まれている前記取引情報を取得して、当該取引情報により特定される前記利用対象の利用区間、利用期間を満足するか否かを判断する
ことを特徴とする利用管理方法。
【請求項7】
コンピュータにより実行されるプログラムであって、
利用者に対して発行されたチケットを用いて当該利用者による利用対象の利用を管理する利用管理装置として前記コンピュータを機能させ、
前記チケットには、前記利用者に対して前記利用対象の利用区間、利用期間を定める取引情報を含む利用許可証がコードとして付加されており、
前記利用管理装置は、
前記利用許可証の検証に必要な公開鍵を含むホールデータを記憶するホールデータ記憶手段と、
前記チケットに付加されている前記コードから前記利用許可証を読み取るコード読取手段と、
前記コード読取手段により読み取られた前記利用許可証に付加されている署名を、前記ホールデータ記憶手段に記憶されている前記ホールデータに含まれている前記公開鍵により検証する署名検証手段と、
前記署名検証手段により前記署名の検証が成立した場合に、前記コード読取手段により読み取られた前記利用許可証に含まれている前記取引情報を参照し、当該取引情報により特定される前記利用対象の利用区間、利用期間を満足するか否かを判断する利用条件判断手段と、を備える
ことを特徴とするプログラム。」
第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1、引用発明
(1)引用文献1
当審拒絶理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審による。以下同様。)。
「【0042】入場管理装置4は、図4に示すように、制御部41と、主記憶部42と、外部記憶部43と、画像入力部44と、キャラクタ入力部45と、表示部46とより構成される。主記憶部42、外部記憶部43、画像入力部44、キャラクタ入力部45及び表示部46は、いずれも、内部バスを介して制御部41に接続されている。入場管理装置4は、例えば、このチケッティングシステムによるチケット発券の対象となる興行が行われる会場(例えば、コンサートが行われるホール)の入口付近に設置されている。
【0043】制御部41はCPU等からなり、外部記憶部43に記憶されているプログラムデータが表すプログラムに従って、後述する処理を実行する。主記憶部42はRAM等からなり、制御部41の作業領域として用いられる。外部記憶部43はハードディスク装置等からなり、後述する処理を制御部41に行わせるためのプログラムデータを予め記憶し、また、制御部41の指示に従って、自己が記憶するデータを制御部41に供給する。
【0044】また、外部記憶部43は、デジタルチケット発売元に割り当てられた上述の公開鍵を予め記憶し、制御部41の指示に従って、この公開鍵を制御部41に供給する。
【0045】画像入力部44は、スキャナ等より構成されており、操作者の操作に従って画像を読み取り、読み取った画像を表す画像情報を生成し、生成した画像情報を制御部41に供給する。キャラクタ入力部45は、キーボード等より構成されており、操作者の操作に従った情報を制御部41に供給する。表示部46は、LCD等より構成されており、制御部41の指示に従った画像を、自己が備える表示画面上に表示する。」
「【0052】そして、ステップS103で入力されたURLが、チケット申込用のフォームを格納するディレクトリを表している場合、ステップS105で表示部26は、チケット申込用のフォームを、自己の表示画面上に表示する。チケット申込用のフォームには、以下(1)~(4)として示す4個のデータ、すなわち、(1)ユーザ等が参加を希望する興行の品目と、(2)その興行のチケットの購入希望数と、(3)ユーザが任意に設定する暗証番号と、(4)決済に用いるクレジットカードに割り当てられた番号と、を記入するための記入欄が含まれている。」
「【0059】一方、ステップS204で、発券可能であると判別すると、制御部11は、自己に供給されたデータのうち(1)及び(3)のデータ、及び、以下(5)として示すデータ、すなわち、(5) 単一のデジタルチケットを特定するデータ(例えば、興行の会場内の座席の位置などを示すデータ)、の3個のデータを所定の形式で結合することにより、デジタルチケットを生成する(ステップS206)。
【0060】そして、生成されたデジタルチケットに、デジタルチケット発売元のデジタル署名を施すことにより、デジタル署名付きデジタルチケットを生成する(ステップS207)。
【0061】すなわち、ステップS207で制御部11は、互いに結合された(1)、(3)及び(5)のデータの組(すなわち、デジタルチケット)を所定のハッシュ関数に代入した値(ハッシュ値)を計算する。そして、デジタルチケット発売元に割り当てられている秘密鍵を外部記憶部13より読み出し、自己が計算したハッシュ値を、読み出した秘密鍵を用いて暗号化する。そして、暗号化されたハッシュ値と、暗号化されていないハッシュ値の両方を、互いに結合された(1)、(3)及び(5)のデータの組に添付する。互いに結合された(1)、(3)及び(5)のデータの組(すなわち、デジタルチケット)と、このデジタルチケットに添付された平文のハッシュ値及び暗号化済みのハッシュ値とが、デジタル署名付きデジタルチケットを構成する。
【0062】次に、制御部11は、ステップS207で生成されたデジタル署名付きデジタルチケットを、このデジタル署名付きデジタルチケットを表す2次元バーコード(すなわち、2値をとる画素より構成される2次元のイメージデータ)へと変換する(ステップS208)。そして、ステップS208での変換により得られた2次元バーコードを、送受信部14を介して携帯端末2宛てに送信する(ステップS209)。」
「【0066】(デジタルチケットチェック時の処理)興行の会場の管理者等は、入場者の入場の管理を行うため、入場管理装置4の外部記憶部43に、発券サーバ1が発見した(当審注:「発券した」の誤記と認められる。)デジタルチケットを構成する上述の(1)、(3)及び(5)のデータを、互いに対応付けて格納する。
【0067】携帯端末2の所持者が興行の会場に入場する場合、携帯端末2の所持者はまず、携帯端末2の入力部25を操作して、外部記憶部43に格納されている2次元バーコードを表示部26に表示させるよう、携帯端末2に指示する(図7、ステップS301)。携帯端末2の制御部21は、ステップS301で携帯端末2の所持者が行った指示に応答して、外部記憶部23から2次元バーコードを読み出し、読み出した2次元バーコードを表示部26に表示させる(ステップS302)。これにより、デジタル署名付きデジタルチケットを表す2次元バーコードが提示される。
【0068】次に、入場管理装置4の画像入力部44が、興行の会場の管理者等による操作に従って、携帯端末2の表示部26に表示されている2次元バーコードを読み取る。そして、画像入力部44は、読み取った2次元バーコードを表す画像情報を制御部41に供給する(図8、ステップS401)。制御部41は、画像入力部44より画像情報を供給されると、この画像情報が表す2次元バーコードを解読して、デジタル署名付きデジタルチケットを復元する(ステップS402)。
【0069】次に、制御部41は、復元されたデジタル署名付きデジタルチケットを認証する(ステップS403)。すなわち、ステップS403で、制御部41は、デジタルチケット発売元に割り当てられている公開鍵を外部記憶部43より読み出し、自己が復元したデジタル署名付きデジタルチケットに含まれる暗号化済みハッシュ値を、読み出した公開鍵を用いて復号化する。そして、復号化されたハッシュ値と、デジタル署名付きデジタルチケットに含まれる平文のハッシュ値とが実質的に同一であるか否かを判別する。
【0070】そして、認証に失敗すると(すなわち、ステップS403で、復号化されたハッシュ値と平文のハッシュ値とが実質的に異なると判別すると)、制御部41は、表示部46に、携帯端末2の所持者の入場を認めない旨の画像を表示させる(ステップS404。すなわち、制御部41は、携帯端末2の所持者の入場を認めない旨の画像の表示を表示部46に指示し、表示部46は、この指示に従って、携帯端末2の所持者の入場を認めない旨を表示する)。そして、入場管理装置4は、処理を終了する。表示部46が所持者の入場を認めない旨の画像を表示した場合、興行の会場の管理者等は、例えば、携帯端末2の所持者の入場を断る等の措置をとればよい。
【0071】一方、認証に成功すると(すなわち、ステップS403で、復号化されたハッシュ値と平文のハッシュ値とが実質的に同一であると判別すると)、制御部41は、復元されたデジタル署名付きデジタルチケットに含まれる(1)及び(5)のデータをキーとして、外部記憶部43に格納されているデータを検索し、キーとした(1)及び(5)のデータと実質的に同一のデータが格納されているか否かを判別する(ステップS405)。そして、格納されていると判別すると、処理をステップS406に進める。
【0072】ステップS405で、キーとしたデータと実質的に同一のデータが外部記憶部43に格納されていないと判別すると、制御部41は、ステップS404の処理を行い、次いで、入場管理装置4は処理を終了する。
【0073】ステップS406で、制御部41は、表示部46に、携帯端末2の所持者に暗証番号の入力を促す画像を表示させ、暗証番号の入力を待機する。そして、携帯端末2の所持者が、入場管理装置4のキャラクタ入力部45を操作して、暗証番号を入力したとする。すると、制御部41は、入力された暗証番号と、制御部41が復元したデジタル署名付きデジタルチケットに含まれている(3)のデータ(すなわち、携帯端末2の所持者がステップS107でフォームに記入した暗証番号)とが実質的に一致するか否かを判別する。すなわち、これら2個の暗号番号の照合を行う(ステップS407)。
【0074】そして、両者が一致しないとステップS407で判別すると、制御部41は、ステップS404の処理を行い、次いで、入場管理装置4は処理を終了する。一方、ステップS407で一致すると判別すると、制御部41は、表示部46に、携帯端末2の所持者の入場を認める旨の画像を表示させる(ステップS408)。そして、外部記憶部43に格納されているデータのうち、ステップS407で一致すると判別された(3)のデータと、この(3)のデータに対応付けられている(1)及び(5)のデータを消去して(ステップS409)、入場管理装置4は処理を終了する。興行の会場の管理者等は、携帯端末2の所持者の入場を認める旨の画像を視認した後、携帯端末2の所持者が会場に入場することを許可するものとすればよい。
【0075】以上説明したステップS301~S302及びS401~S409の処理により、携帯端末2のユーザが購入したデジタルチケットのチェック結果に基づいて、携帯端末2の所持者の会場入場の可否決定が行われる。」
「【図1】
[図:0001424422000001.jpg]
」
「 【図4】
[図:0001424422000002.jpg]
」
(2)引用発明
上記(1)から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「制御部41と、外部記憶部43と、画像入力部44とより構成される入場管理装置4であって、
外部記憶部43は、デジタルチケット発売元に割り当てられた公開鍵を予め記憶し、制御部41の指示に従って、この公開鍵を制御部41に供給するものであり、
互いに結合された(1)ユーザ等が参加を希望する興行の品目のデータ、(3)ユーザが任意に設定する暗証番号のデータ、及び、(5)興行の会場内の座席の位置などを示すデータの組(すなわち、デジタルチケット)と、このデジタルチケットに添付された平文のハッシュ値及び暗号化済みのハッシュ値とが、デジタル署名付きデジタルチケットを構成し、
デジタル署名付きデジタルチケットが、このデジタル署名付きデジタルチケットを表す2次元バーコード(すなわち、2値をとる画素より構成される2次元のイメージデータ)へと変換され、変換により得られた2次元バーコードが携帯端末2宛てに送信されており、
外部記憶部43に、発券サーバ1が発券したデジタルチケットを構成する(1)ユーザ等が参加を希望する興行の品目のデータ、(3)ユーザが任意に設定する暗証番号のデータ、及び、(5)興行の会場内の座席の位置などを示すデータを、互いに対応付けて格納し、
デジタル署名付きデジタルチケットを表す2次元バーコードが提示されると、 画像入力部44が、2次元バーコードを読み取り、
画像入力部44は、読み取った2次元バーコードを表す画像情報を制御部41に供給し、
制御部41は、この画像情報が表す2次元バーコードを解読して、デジタル署名付きデジタルチケットを復元し、
制御部41は、復元されたデジタル署名付きデジタルチケットを認証し、具体的には、デジタルチケット発売元に割り当てられている公開鍵を外部記憶部43より読み出し、自己が復元したデジタル署名付きデジタルチケットに含まれる暗号化済みハッシュ値を、読み出した公開鍵を用いて復号化し、復号化されたハッシュ値と、デジタル署名付きデジタルチケットに含まれる平文のハッシュ値とが実質的に同一であるか否かを判別し、
認証に成功すると、制御部41は、復元されたデジタル署名付きデジタルチケットに含まれる(1)ユーザ等が参加を希望する興行の品目のデータ、及び、(5)興行の会場内の座席の位置などのデータをキーとして、外部記憶部43に格納されているデータを検索し、キーとした(1)ユーザ等が参加を希望する興行の品目のデータ、及び、(5)興行の会場内の座席の位置などを示すデータと実質的に同一のデータが格納されているか否かを判別し、
携帯端末2のユーザが購入したデジタルチケットのチェック結果に基づいて、携帯端末2の所持者の会場入場の可否決定が行われる、
入場管理装置4。」
2 引用文献2(引用文献A)
当審拒絶理由に引用された上記引用文献2(引用文献A)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0019】
図1に示される本発明の実施の形態にかかるチケット発行システム100は、チケット発行装置1と、発行チケット3と、チケット認証装置10を備え、さらにチケット発行装置1およびチケット認証装置は、それぞれ生体情報読み取り装置(2、11)を備える。
【0020】
チケット購入者は、チケット発行者(イベントの主催者など)が管理するチケット発行装置1を利用して購入したいイベント(例えば、コンサート、スポーツ観戦、特定施設への入場など)の発行チケット3を購入する。チケット発行者は、利用者が発行チケット3を提示してイベントに参加する際に、チケット認証装置10を用いてチケットの有効性と、利用者がチケット購入者本人であるか否かを認証する。
【0021】
チケット発行装置1は、チケット発行者が運営する店舗、施設に設置されており、チケット購入者が求めるイベントのチケットを発行する。チケット発行装置1は、後述の生体認証情報取得部を備えており、チケット購入者の生体情報を取得する。チケット発行装置1は、特定のフォーマット(例えば、チケット購入者の生体認証情報を含む認証用コードやイベントに関する情報などを印字した)に従いチケットを作成し出力する。なお、チケットは、チケット発行装置1が備える印刷機能を利用し紙面上に印刷され、発行される。このように本発明の実施の形態にかかるチケット発行では、利用者に特別な装置(例えば、携帯端末を利用するチケット発行システムに必要な装置)などを必要としない。
【0022】
チケット認証装置10は、イベント施設入り口などに設置され、利用者(イベントに入場を希望するチケット保持者)がチケットを提示し施設に入場する際に、チケットの有効性と、利用者がチケット購入者本人であるか否かを認証するための装置である。具体的には、チケット認証装置10は、利用者が提示するチケットを自装置(チケット認証装置10)で読み取り、発行チケット3提示時に読み取る利用者の生体情報からの生体認証情報と発行チケット3に含まれるチケット購入者の生体認証情報とを照合するなどである。このためチケット認証装置10は、イベント入場希望者の生体情報を取得する生体認証情報取得部を備える。
【0023】
生体情報読取部(2、11)は、チケット購入者及びチケット情報に基づくイベントに参加する利用者の生体情報(例えば、指紋、静脈、顔などの生体の一部)を読み取る装置である。なお、図1では、生体情報読み取り装置(2、11)は、チケット発行装置1及びチケット認証装置10の内部に一体として備えられているが、別体として、これら装置にケーブル(例えば、USBケーブルなど)で接続されてもよい。
【0024】
発行チケット3は、チケット販売者(チケット発行者が運営する店舗、施設でチケットを販売する者など)がチケット発行装置1を使用して発行し、チケット購入者が求めるイベントに入場するために提示するチケットである。発行チケット3は、後述するとおり、チケット購入者の生体認証情報や発行チケットを区別し認証するための認証用コードなどイベントに関する情報が記載されている。」
「【0043】
図4は、本発明の実施の形態にかかるチケット認証装置10の機能ブロック図である。
【0044】
図4に示すチケット認証装置10は、生体認証情報取得部40、記憶部41、認証用コード読み取り部42、復号化部43、認証部44などを備えている。
【0045】
生体認証情報取得部40は、イベント入場を希望するチケット保持者の生体情報(例えば、指紋、静脈、顔などの生体の一部)を読み取り、生体情報データから生体認証情報を生成できるか否かを判断したり、生体認証情報を生成したりする。生体認証情報取得部40は、生成した生体認証情報を記憶部41や認証部44に通知する。生体認証情報取得部40は、CPU20、ROM21、RAM22、記憶装置23および、生体情報取得回路24などにより実現される。
【0046】
記憶部41は、イベントIDなどイベント情報に関する情報を記憶する情報テーブル411を備えるほか、チケット認証処理に際して発生する種々の一時的なデータを一時的に記憶する。記憶部31は、CPU20、ROM21、RAM22、記憶装置23などにより実現される。
【0047】
情報テーブル411は、チケット発行者が管理する情報を格納している。具体的には、情報テーブル411は、イベントIDなど、チケット発行者あるいは施設入場許可の判断をする者(例えば、チケット認証装置10でチケットと利用者の認証を行うイベント施設の係員など)によりあらかじめ入力された、チケット発行装置1の情報テーブル311と同様の情報を格納している。格納している情報は情報テーブル311と同様なので省略する。情報テーブル411は、記憶装置23などにより実現される。
【0048】
認証用コード読み取り部42は、チケット保持者が提示する発行チケット3に印刷された光学的識別符号から認証用コードを読み取り、認証用コードを取得できたか否かを判断する。認証用コード読み取り部42は、読み取った認証用コードを復号化部43に通知する。認証用コード読み取り部42は、CPU20、ROM21、RAM22、記憶装置23および画像読み取り装置(不図示)などにより実現される。
【0049】
復号化部43は、読み取った認証用コードをもとに、イベントIDを鍵として使用して復号する。復号化部43は、チケット発行装置1で暗号化したのと同一の暗号方式により認証用コードを復号する。また、復号化部43は、復号化の際に認証用コードからイベントIDと、チケットの購入者の生体認証情報とを復号できたか否かを判断する。復号化部43は、CPU20、ROM21、RAM22などにより実現される。
【0050】
認証部44は、(a)認証用コードから復号されたイベントIDとあらかじめチケット認証装置の記憶部41(情報テーブル411)に格納されている当日のイベントに関するイベントIDとが一致するか否かを判断し、さらに(b)認証用コードから復号されたチケット購入者の生体認証情報とチケット保持者の生体認証情報が一致するか否かを判断する。
認証部44は、(a)と(b)が共に成立した場合に、チケット保持者が提示する発行チケット3が有効である(不正がない)ことと、チケット保持者がチケット購入者自身であることを確認できた旨を、施設入場許可の判断をする者(チケットと利用者の認証を行うイベント施設の係員など)に通知する。
【0051】
さらに、認証部44は、認証用コードから復号されたイベントIDと、あらかじめチケット認証装置の情報テーブル411に格納されている当日のイベントに関するイベントIDとが一致しない場合には購入時の発行チケット3が何らかの改ざんを受けていることを検知した旨を、認証用コードから復号されたチケット購入者の生体認証情報とチケット保持者の生体認証情報が一致しない場合にはチケット保持者とチケット購入者とは別の者であることを検知した旨を、施設入場許可の判断をする者に通知する。認証部44は、CPU20、ROM21、RAM22などにより実現される。」
「【0058】
以下に、本発明の実施の形態にかかるチケット認証装置10がイベントを利用する者の生体情報を読み込み、提示するチケットの有効性と購入者本人であるか否かの認証を行うまでのフローを図6を用いて説明する。
【0059】
ステップS601にて、認証用コード読み取り部42は、イベントの利用者が提示するチケットに印刷された2次元コードから認証用コードを読み取る。
【0060】
ステップS602にて、認証用コード読み取り部42は、認証用コードを取得できたか否かを判断する。読み取ることができた場合は、ステップS603へ遷移する(ステップS602のYes)。読み取ることができなかった場合は、ステップS610へ遷移する(ステップS602のNo)。
【0061】
ステップS603にて、復号化部43は、ステップS602で読み取ることができた認証用コードを、イベントIDを鍵として使用して復号する。復号には、チケット発行装置1の暗号化部33に備わる暗号方式で認証用コードを用いる。
【0062】
ステップS604にて、復号化部43は、ステップS603で行われる復号化の際に認証用コードからイベントIDとチケットの購入者の生体認証情報を復号できたか否かを判断する。復号できた場合は、復号できた情報を記憶部41や認証部44に通知しステップS605へ遷移する(ステップS604のYes)。復号できなかった場合は、ステップS610へ遷移する(ステップS604のNo)。
【0063】
ステップS605にて、認証部44は、認証用コードから復号されたイベントIDと、あらかじめチケット認証装置の情報テーブル411に格納されている当日のイベントに関するイベントIDとが一致するか否かを判断する。一致する場合は、ステップS606へ遷移する(ステップS605のYes)。一致しない場合は、ステップS611へ遷移する(ステップS605のNo)。
【0064】
ステップS606にて、生体認証情報取得部40は、チケット保持者の生体情報を読み取り、読み取った生体情報データの結果を生体認証情報取得部40に通知する。
【0065】
ステップS607にて、生体認証情報取得部40は、生体情報データから生体認証情報を生成できるか否かを判断する。生成できる場合は、ステップS608へ遷移する(ステップS607のYes)。生成できない場合は、ステップS606へ遷移する(ステップS607のNo)。ここで、生成できない場合は、図5のステップS52の説明と同様なので省略する。
【0066】
ステップS608にて、認証部44は、認証用コードから復号されたチケット購入者の生体認証情報とチケット保持者の生体認証情報が一致するか否かを判断する。一致する場合は、ステップS609へ遷移する(ステップS608のYes)。一致しない場合は、ステップS612へ遷移する(ステップS608のNo)。
【0067】
ステップS609にて、認証部44は、チケット保持者が提示する発行チケット3が有効である(不正がない)ことと、チケット保持者がチケット購入者自身であることを確認できた旨を施設入場許可の判断をする者(例えば、チケット認証装置10でチケットと利用者の認証を行うイベント施設の係員など)に通知する。通知方法は、チケット認証装置10に備わる表示装置に映し出してもよいし、音や発光体による通知方法でもよい。
【0068】
ステップS610にて、認証用コード読み取り部42が認証用コードを読み取ることができなかったこと(ステップS602のNo)、または復号化部43が復号化できなかったこと(ステップS604のNo)から利用者の提示する発行チケット3の認証処理が進めることができず、認証が失敗した旨を施設入場許可の判断をする者に通知する。
【0069】
ステップS611にて、認証部44は、認証用コードから復号されたイベントIDと情報テーブル411に格納されているイベントIDが一致しないため(ステップS605のNo)、購入時のチケットが何らかの改ざんを受けたなど、有効なものでないことを検知した旨を施設入場許可の判断をする者に通知する。
【0070】
ステップS612にて、認証部44は、認証用コードから復号されたチケット購入者の生体認証情報とチケット保持者の生体認証情報が一致しないため(ステップS608のNo)、チケット保持者はチケット購入者とは別の者であることを検知した旨を施設入場許可の判断をする者に通知する。」
「【0075】
認証用コード生成部34は、認証用コードの元データに対して、イベントIDを鍵として使用して暗号化し、認証用コードを作成する。この暗号化は、暗号化部33に備わる暗号方式(例えば、共有鍵暗号方式、公開鍵暗号方式など)で行い、復号化の際もチケット認証装置10の復号化部43でも同様の方式を用いる。」
「【図1】
[図:0001424422000003.jpg]
」
「【図4】
[図:0001424422000004.jpg]
」
「【図6】
[図:0001424422000005.jpg]
」
3 引用文献3(引用文献B)
当審拒絶理由に引用された上記引用文献3(引用文献B)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0004】
記憶媒体(モバイル機器の内部メモリも含む)に電子チケット情報が書き込まれた時点で、その対価を払うべく契約してある金融機関の個人口座から対価が引き落としされる。予約登録を済ませた利用者は、予約した電子チケットの情報が書き込まれている記憶媒体をイベント会場に持参する。そして、イベント会場の入口等に設置されている記憶媒体の読取部に、持参した記憶媒体を接続(アクセス)する。これにより、記憶媒体の内部に保持された電子チケットの情報を読み出すことができる。
【0005】
読み出された電子チケットの情報は、イベント会場に設置されている電子チケット確認装置に送られる。電子チケット確認装置は、電子チケットの情報からそのチケットの正当性(例えば、イベント内容、日時、予約条件、本人氏名等)を判断する。正当であることを判断すると、次に電子チケット確認装置は、イベント会場への通行を許可するために所定のゲートを開錠することとなる。」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「デジタル署名付きデジタルチケットを表す2次元バーコードが提示される」ことにおいて、「デジタル署名付きデジタルチケット」が「ユーザが購入したデジタルチケット」に対応するものであること、また、「携帯電話2」の表示画面に「デジタル署名付きデジタルチケットを表す2次元バーコード」を含む画像が表示されることは、いずれも明らかであり、さらに、当該画像の画像データに「デジタル署名付きデジタルチケットを表す2次元バーコード」に係る部分が付加されていことも明らかである。
一方、本願明細書の段落【0007】の「本発明の利用管理装置は、・・・利用許可証が、コード(例えば、視認可能な二次元コード)として付加されたチケットを用いて、利用者による利用対象の利用を管理する。ここで、チケットは、・・・スマートホン等の携帯端末の表示パネルに表示される、コードを表す画像を含む画像データであってもよい。」という記載によれば、本願発明1における「チケット」は、「利用許可証が、コード(例えば、視認可能な二次元コード)として付加された」、「スマートホン等の携帯端末の表示パネルに表示される、コードを表す画像を含む画像データ」であり得るものである。
そうすると、引用発明の「デジタル署名付きデジタルチケットを表す2次元バーコード」に係る部分が付加された上記画像データは、本願発明1の「利用者に対して発行されたチケット」に相当する。
また、引用発明の「会場入場の可否決定」は、本願発明1の「利用対象の利用を管理する」ことに相当する。したがって、引用発明の「デジタル署名付きデジタルチケットを表す2次元バーコードが提示されると、画像入力部44が、2次元バーコードを読み取り」「携帯端末2のユーザが購入したデジタルチケットのチェック結果に基づいて、携帯端末2の所持者の会場入場の可否決定が行われる」「入場管理装置4」は、本願発明1の「利用者に対して発行されたチケットを用いて当該利用者による利用対象の利用を管理する利用管理装置」に相当する。
イ 上記アを踏まえると、引用発明の「(1)ユーザ等が参加を希望する興行の品目」及び「(5)興行の会場内の座席の位置など」と、本願発明1の「前記利用対象の利用区間、利用期間」とは、「前記利用対象の利用条件」である点で共通する。また、引用発明の「(1)ユーザ等が参加を希望する興行の品目のデータ」及び「(5)興行の会場内の座席の位置などを示すデータ」と、本願発明1の「前記利用者に対して前記利用対象の利用区間、利用期間を定める取引情報」とは、「前記利用者に対して前記利用対象の利用条件を定める取引情報」である点で共通する。よって、引用発明の「互いに結合された(1)ユーザ等が参加を希望する興行の品目のデータ、(3)ユーザが任意に設定する暗証番号のデータ、及び、(5)興行の会場内の座席の位置などを示すデータの組(すなわち、デジタルチケット)と、このデジタルチケットに添付された平文のハッシュ値及び暗号化済みのハッシュ値と」により「構成」される「デジタル署名付きデジタルチケット」と、本願発明1の「前記利用者に対して前記利用対象の利用区間、利用期間を定める取引情報を含む利用許可証」とは、「前記利用者に対して前記利用対象の利用条件を定める取引情報を含む利用許可証」である点で共通する。
また、引用発明の「2次元バーコード」は、本願発明1の「コード」に相当する。
ウ 上記アによれば、引用発明は、「携帯電話2」の表示画面に表示される画像の画像データに、「デジタル署名付きデジタルチケット」が「2次元バーコード」として付加されているものであり、上記ア、イを踏まえると、引用発明の当該構成は、本願発明1の「前記チケットには、前記利用者に対して前記利用対象の利用区間、利用期間を定める取引情報を含む利用許可証がコードとして付加されて」いることと、「前記チケットには、前記利用者に対して前記利用対象の利用条件を定める取引情報を含む利用許可証がコードとして付加されて」いる点で共通する。
エ 引用発明では「デジタルチケット発売元に割り当てられている公開鍵を外部記憶部43より読み出し、自己が復元したデジタル署名付きデジタルチケットに含まれる暗号化済みハッシュ値を、読み出した公開鍵を用いて復号化し、復号化されたハッシュ値と、デジタル署名付きデジタルチケットに含まれる平文のハッシュ値とが実質的に同一であるか否かを判別し」ており、「デジタルチケット発売元に割り当てられている公開鍵」は「デジタル署名付きデジタルチケット」の検証に必要なものであるといえる。よって、上記イを踏まえると、引用発明の「デジタルチケット発売元に割り当てられた公開鍵」は、本願発明1の「前記利用許可証の検証に必要な公開鍵」に相当する。したがって、引用発明の「デジタルチケット発売元に割り当てられた公開鍵を予め記憶し」「発券サーバ1が発券したデジタルチケットを構成する(1)ユーザ等が参加を希望する興行の品目、(3)ユーザが任意に設定する暗証番号、及び、(5)興行の会場内の座席の位置などを示すデータを、互いに対応付けて格納」する「外部記憶部43」は、本願発明1の「前記利用許可証の検証に必要な公開鍵を含むホールデータを記憶するホールデータ記憶手段」に相当する。
オ 上記ア~ウを踏まえると、引用発明の「2次元バーコードを読み取り」「読み取った2次元バーコードを表す画像情報」「が表す2次元バーコードを解読して、デジタル署名付きデジタルチケットを復元」することは、本願発明1の「前記チケットに付加されている前記コードから前記利用許可証を読み取る」ことに相当する。引用発明では「画像入力部44が、2次元バーコードを読み取り、画像入力部44は、読み取った2次元バーコードを表す画像情報を制御部41に供給し、制御部41は、この画像情報が表す2次元バーコードを解読して、デジタル署名付きデジタルチケットを復元」しているから、引用発明の「画像入力部44」及び「制御部41」は、本願発明1の「前記チケットに付加されている前記コードから前記利用許可証を読み取るコード読取手段」に相当する機能を有するものである。
カ 上記イ、オを踏まえると、引用発明の「自己が復元したデジタル署名付きデジタルチケットに含まれる暗号化済みハッシュ値」は、本願発明1の「前記コード読取手段により読み取られた前記利用許可証に付加されている署名」に相当する。また、上記エを踏まえると、引用発明の「外部記憶部43より読み出し」た「デジタルチケット発売元に割り当てられている公開鍵」は、本願発明1の「前記ホールデータ記憶手段に記憶されている前記ホールデータに含まれている前記公開鍵」に相当する。よって、引用発明の「自己が復元したデジタル署名付きデジタルチケットに含まれる暗号化済みハッシュ値を、読み出した公開鍵を用いて復号化し、復号化されたハッシュ値と、デジタル署名付きデジタルチケットに含まれる平文のハッシュ値とが実質的に同一であるか否かを判別」する処理は、本願発明1の「前記コード読取手段により読み取られた前記利用許可証に付加されている署名を、前記ホールデータ記憶手段に記憶されている前記ホールデータに含まれている前記公開鍵により検証する」ことに相当する。引用発明では「制御部41」が当該処理を行っているから、引用発明の「制御部41」は、本願発明1の「前記コード読取手段により読み取られた前記利用許可証に付加されている署名を、前記ホールデータ記憶手段に記憶されている前記ホールデータに含まれている前記公開鍵により検証する署名検証手段」に相当する機能を有するものである。
キ 上記イ、オ、カを踏まえると、引用発明の「認証に成功すると、制御部41は、復元されたデジタル署名付きデジタルチケットに含まれる(1)ユーザ等が参加を希望する興行の品目のデータ、及び、(5)興行の会場内の座席の位置などのデータ」を「検索」の「キーと」することは、本願発明1の「前記署名検証手段により前記署名の検証が成立した場合に、前記コード読取手段により読み取られた前記利用許可証に含まれている前記取引情報を参照」することに相当する。また、引用発明の「制御部41は」「外部記憶部43に格納されているデータを検索し、キーとした(1)ユーザ等が参加を希望する興行の品目のデータ、及び、(5)興行の会場内の座席の位置などを示すデータと実質的に同一のデータが格納されているか否かを判別」することは、「外部記憶部43」に格納されたデータの中に「(1)ユーザ等が参加を希望する興行の品目」と「(5)興行の会場内の座席の位置など」の条件を満足するデータがあるか否かを判断する処理であるから、本願発明1の「当該取引情報により特定される前記利用対象の利用区間、利用期間を満足するか否かを判断する」ことと、「当該取引情報により特定される利用条件を満足するか否かを判断する」点で共通する。したがって、引用発明の「制御部41」は、本願発明1の「前記署名検証手段により前記署名の検証が成立した場合に、前記コード読取手段により読み取られた前記利用許可証に含まれている前記取引情報を参照し、当該取引情報により特定される前記利用対象の利用区間、利用期間を満足するか否かを判断する利用条件判断手段」と、「前記署名検証手段により前記署名の検証が成立した場合に、前記コード読取手段により読み取られた前記利用許可証に含まれている前記取引情報を参照し、当該取引情報により特定される利用条件を満足するか否かを判断する」機能を有する点で共通する。
ク 上記エ~キを踏まえると、引用発明の「入場管理装置4」が「制御部41と、外部記憶部43と、画像入力部44とより構成される」ことは、後述する相違点を除き、本願発明1の「前記利用管理装置は、」「ホールデータ記憶手段と、」「コード読取手段と、」「署名検証手段と、」「利用条件判断手段と、を備える」ことに相当する。
ケ したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「利用者に対して発行されたチケットを用いて当該利用者による利用対象の利用を管理する利用管理装置であって、
前記チケットには、前記利用者に対して前記利用対象の利用条件を定める取引情報を含む利用許可証がコードとして付加されており、
前記利用管理装置は、
前記利用許可証の検証に必要な公開鍵を含むホールデータを記憶するホールデータ記憶手段と、
前記チケットに付加されている前記コードから前記利用許可証を読み取るコード読取手段と、
前記コード読取手段により読み取られた前記利用許可証に付加されている署名を、前記ホールデータ記憶手段に記憶されている前記ホールデータに含まれている前記公開鍵により検証する署名検証手段と、
前記署名検証手段により前記署名の検証が成立した場合に、前記コード読取手段により読み取られた前記利用許可証に含まれている前記取引情報を参照し、当該取引情報により特定される利用条件を満足するか否かを判断する利用条件判断手段と、を備える
ことを特徴とする利用管理装置。」
(相違点)
本願発明1では、チケットにコードとして付加されている利用許可証が含む取引条件が「利用区間、利用期間」であり、「利用条件判断手段」が「当該取引情報により特定される前記利用対象の利用区間、利用期間を満足するか否かを判断する」のに対し、引用発明では、取引条件が「(1)ユーザ等が参加を希望する興行の品目」及び「(5)興行の会場内の座席の位置など」であり、「外部記憶部43に格納されているデータを検索し、キーとした(1)ユーザ等が参加を希望する興行の品目のデータ、及び、(5)興行の会場内の座席の位置などを示すデータと実質的に同一のデータが格納されているか否かを判別し」ている点。
(2)相違点についての判断
本願発明1の上記相違点に係る構成について、引用文献2及び3には、記載も示唆もない。
仮に上記相違点に係る構成が本願の出願日前における周知技術であったとしても、引用発明は「キーとした(1)ユーザ等が参加を希望する興行の品目のデータ、及び、(5)興行の会場内の座席の位置などを示すデータと実質的に同一のデータが格納されているか否かを判別」することによりデジタルチケットをチェックするものであり、デジタルチケットの利用区間、利用期間を確認する必要性はないから、デジタルチケットが含むデータとして利用区間、利用期間を採用する動機付けはないといえる。
よって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明、及び、引用文献2-3に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2-5について
本願発明2-5は、本願発明1を減縮した発明である。したがって、本願発明1の上記相違点に係る構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、及び、引用文献2-3に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本願発明6について
本願発明6は、本願発明1に対応する利用管理方法の発明である。したがって、本願発明1の上記相違点に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、及び、引用文献2-3に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 本願発明7について
本願発明7は、本願発明1に対応するプログラムの発明である。したがって、本願発明1の上記相違点に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、及び、引用文献2-3に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第7 当審拒絶理由について
1 理由1(新規性)について
上記相違点は実質的なものであるから、本願発明1は、引用文献1に記載された発明ではない。
同様に、本願発明1を減縮した発明である本願発明5、及び、本願発明1に対応する利用管理方法あるいはプログラムの発明である本願発明6-7も引用文献1に記載された発明ではない。
2 理由2(進歩性)について
上記第6で説示したとおり、本願発明1-7は、当業者が引用文献1-3に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
3 小括
上記1及び2で説示したとおり、当審拒絶理由は解消した。
第8 原査定について
1 理由1(新規性)について
上記第6で説示したとおり、本願発明1の上記相違点に係る構成は、引用文献A(引用文献2)には記載されていないから、本願発明1と引用文献Aに記載された発明とを対比した場合の相違点には、少なくとも当該構成が含まれ、また、当該相違点は実質的なものである。よって、本願発明1は引用文献Aに記載された発明ではない。
同様に、本願発明1に対応する利用管理方法あるいはプログラムの発明である本願発明6-7も引用文献Aに記載された発明ではない。
2 理由2(進歩性)について
上記1の相違点に係る構成については、引用文献B(引用文献3)には記載されておらず、当該構成が本願の出願日前における周知技術であったともいえない。よって、本願発明1は引用文献A及びBに記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
同様に、本願発明1を減縮した発明である本願発明2-5、及び、本願発明1に対応する利用管理方法あるいはプログラムの発明である本願発明6-7も引用文献A及びBに記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 小括
上記1及び2で説示したとおりであるから、原査定を維持することはできない。
第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由及び当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2024-013346