特許拒絶査定不服審判
2024-010614
遊技機
- 審判番号
- 2024-010614
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-197700外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2024年06月26日
- 審決日
- 2025年04月10日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社大一商会
- 分類
- P18 .55 -Z (A63F) / P18 .56 -Z (A63F) / P18 .57 -Z (A63F) / P18 .4 -Z (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第39条第2項、特許法第17条の2第5項、特許法第39条、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-197700「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和4年6月9日出願公開、特開2022-85932〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年11月30日の出願であって、令和5年5月24日に手続補正書が提出され、同年9月29日付けで拒絶の理由が通知され、令和6年2月2日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年3月19日付け(送達日:同月27日)で拒絶査定がなされ、それに対して、同年6月26日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和6年6月26日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年6月26日にされた手続補正を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)補正の内容
令和6年6月26日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、令和6年2月2日に提出された手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1に、
(本件補正前)
「 【請求項1】
本体枠と、該本体枠に開閉可能に設けられる扉枠と、を有する遊技枠側構成部と、
該遊技枠側構成部に着脱可能に設けられる遊技盤側構成部と、
所定の発光態様で発光可能な発光体と、
所定の音出力が可能な音出力部と、
所定の静止画または動画を表示可能な表示部と、
特別操作部の操作に基づいて特定期間を発生させることが可能な特定期間発生手段と、
遊技進行が不能な特定状態に制御する特定状態制御手段と、
遊技の演出を制御する演出制御手段と、を備える遊技機であって、
前記遊技盤側構成部は、第1遊技盤側構成部と第2遊技盤側構成部とから構成され、
前記演出制御手段は、前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されていない場合に、前記発光体のうちの特定発光体を未接続に応じて発光させる報知態様及び前記音出力部から未接続に応じた報知音を出力させる報知態様及び前記表示部に未接続に応じた表示をさせる報知態様を含む報知が可能な報知手段を備え、
前記報知手段は、前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されていない場合に、前記特定期間の終了後の第1のタイミングで第1報知を実行し、前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングで第2報知を実行することが可能であり、
前記第1報知を実行する場合には、前記第2のタイミングが到来する前に前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されていない状態から前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されている状態に変化したとしても、前記第2のタイミングで前記第2報知を実行し、
前記特定発光体が実装される特定発光基板は、該特定発光体が実装される表実装面の略全域に形成される絶縁被膜と、表実装面に形成される表実装面側配線パターンと電気的に接続されるランドと、を有し、且つ前記ランドは少なくとも外周縁部が表実装面の略全域に形成される絶縁被膜で覆われ、
さらに、前記特定発光基板の表実装面と裏実装面に形成される絶縁被膜は白色であり、
前記特定発光基板の実装面のうちの前記特定発光体の裏側と対向する部位にも白色の絶縁被膜が形成される、
ことを特徴とする遊技機。」
とあったものを、
(本件補正後)
「 【請求項1】
本体枠と、該本体枠に開閉可能に設けられる扉枠と、を有する遊技枠側構成部と、
該遊技枠側構成部に着脱可能に設けられる遊技盤側構成部と、
所定の発光態様で発光可能な発光体と、
所定の音出力が可能な音出力部と、
所定の静止画または動画を表示可能な表示部と、
特別操作部の操作に基づいて特定期間を発生させることが可能な特定期間発生手段と、
遊技進行が不能な特定状態に制御する特定状態制御手段と、
遊技の演出を制御する演出制御手段と、を備える遊技機であって、
前記遊技盤側構成部は、第1遊技盤側構成部と第2遊技盤側構成部とから構成され、
前記演出制御手段は、前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されていない場合に、前記発光体のうちの特定発光体を未接続に応じて発光させる報知態様及び前記音出力部から未接続に応じた報知音を出力させる報知態様及び前記表示部に未接続に応じた表示をさせる報知態様を含む報知が可能な報知手段を備え、
前記報知手段は、前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されていない場合に、前記特定期間の終了後の第1のタイミングで第1報知を実行し、前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングで第2報知を実行することが可能であり、
前記第1報知を実行する場合には、前記第2のタイミングが到来する前に前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されていない状態から前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されている状態に変化したとしても、前記第2のタイミングで前記第2報知を実行し、
前記特定発光体が実装される特定発光基板は、該特定発光体が実装される表実装面の略全域に形成される絶縁被膜と、表実装面に形成される表実装面側配線パターンと電気的に接続されるランドと、を有し、且つ前記ランドは少なくとも外周縁部が表実装面の略全域に形成される絶縁被膜で覆われ、
さらに、前記特定発光基板の表実装面と裏実装面に形成される絶縁被膜は白色であり、前記特定発光基板の実装面のうちの前記特定発光体の裏側と対向する部位にも白色の絶縁被膜が形成される
ことを特徴する遊技機。」
とする補正を含むものである(下線は補正箇所を示すために当審が付した。)。
(2)補正事項
本件補正後の請求項1に係る上記補正は、以下の補正事項からなる。
ア 補正事項1
本件補正前の請求項1に「さらに、前記特定発光基板の表実装面と裏実装面に形成される絶縁被膜は白色であり、」のあとにあった1文字分のスペースを削除する補正(以下「補正事項1」という。)。
イ 補正事項2
本件補正前の請求項1に「前記特定発光基板の実装面のうちの前記特定発光体の裏側と対向する部位にも白色の絶縁被膜が形成される」のあとにあった読点「、」を削除する補正(以下「補正事項2」という。)。
ウ 補正事項3
本件補正前の請求項1にあった「特徴とする遊技機。」から、「と」の1文字を削除する補正(以下「補正事項3」という。)。
2 本件補正の適否
(1)新規事項について
ア 補正事項1
補正事項1は、1文字分のスペースを削除する形式的な補正であり、補正前と補正後で意味するところは何ら変更はなく、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たす。
イ 補正事項2
補正事項2は、読点「、」を削除する形式的な補正であり、補正前と補正後で意味するところは何ら変更はなく、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、同法17条の2第3項に規定する要件を満たす。
ウ 補正事項3
補正事項3は、「と」の1文字を削除する補正であり、補正前と補正後で意味するところは変更されるものとは認められず、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、同法17条の2第3項に規定する要件を満たす。
(2)本件補正の目的について
ア 補正事項1
補正事項1は、1文字分スペースを削除する形式的な補正であり、補正前と補正後で意味するところは何ら変更はなく、特許法17条の2第5項1号~4号に掲げる事項のいずれを目的とするものでもない。
イ 補正事項2
補正事項2は、読点「、」を削除する形式的な補正であり、補正前と補正後で意味するところは何ら変更はなく、同法17条の2第5項1号~4号に掲げる事項のいずれを目的とするものでもない。
ウ 補正事項3
補正事項3は、「と」の1文字を削除する補正であるところ、補正前の「特徴とする」との記載が誤記であったとも、明りょうでない記載であったものとも認められず、かえって補正後の「特徴する」との記載が誤記あるいは不明りょうな記載であるとも考えられるから、同法17条の2第5項1号~4号に掲げる事項のいずれを目的とするものでもない。
したがって、本件補正の目的は、同法17条の2第5項各号に掲げる目的のいずれにも該当しないから、本件補正は同項の規定に違反する。
3 本件補正についてのむすび
上記2(2)のとおり、本件補正は、特許法17条の2第5項の規定に違反するものであり、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和6年2月2日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ、その請求項1の記載は上記第2[理由]1に(本件補正前)として記載したとおりのものであるところ、本願発明について以下に再掲する(符号A等は、分説するために当審が付した。)。
(本願発明)
「 【請求項1】
A 本体枠と、該本体枠に開閉可能に設けられる扉枠と、を有する遊技枠側構成部と、
B 該遊技枠側構成部に着脱可能に設けられる遊技盤側構成部と、
C 所定の発光態様で発光可能な発光体と、
D 所定の音出力が可能な音出力部と、
E 所定の静止画または動画を表示可能な表示部と、
F 特別操作部の操作に基づいて特定期間を発生させることが可能な特定期間発生手段と、
G 遊技進行が不能な特定状態に制御する特定状態制御手段と、
H 遊技の演出を制御する演出制御手段と、を備える遊技機であって、
I 前記遊技盤側構成部は、第1遊技盤側構成部と第2遊技盤側構成部とから構成され、
J 前記演出制御手段は、前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されていない場合に、前記発光体のうちの特定発光体を未接続に応じて発光させる報知態様及び前記音出力部から未接続に応じた報知音を出力させる報知態様及び前記表示部に未接続に応じた表示をさせる報知態様を含む報知が可能な報知手段を備え、
K 前記報知手段は、前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されていない場合に、前記特定期間の終了後の第1のタイミングで第1報知を実行し、前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングで第2報知を実行することが可能であり、
L 前記第1報知を実行する場合には、前記第2のタイミングが到来する前に前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されていない状態から前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されている状態に変化したとしても、前記第2のタイミングで前記第2報知を実行し、
M 前記特定発光体が実装される特定発光基板は、該特定発光体が実装される表実装面の略全域に形成される絶縁被膜と、表実装面に形成される表実装面側配線パターンと電気的に接続されるランドと、を有し、且つ前記ランドは少なくとも外周縁部が表実装面の略全域に形成される絶縁被膜で覆われ、
N1 さらに、前記特定発光基板の表実装面と裏実装面に形成される絶縁被膜は白色であり、
N2 前記特定発光基板の実装面のうちの前記特定発光体の裏側と対向する部位にも白色の絶縁被膜が形成される、
P ことを特徴とする遊技機。」
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、概略、次のとおりである。
「1.(同日出願)この出願の下記の請求項に係る発明は、同一出願人が同日出願した下記の出願に係る発明と同一と認められるから、この通知書と同日に発送した特許庁長官名による指令書に記載した届出がないときは、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
●理由1(特許法第39条第2項)について
・請求項 1
・引用文献等 1-4
本願と同日出願1との相違点は、周知技術の付加及び削除であって、新たな効果を奏するものではなく、課題解決のための具体化手段における微差であるから、本願の請求項1に係る発明と同日出願1の請求項1に係る発明とは実質的に同一である。
したがって、本願の請求項1に係る発明は、依然として、同日出願1の請求項1に係る発明と同一と認められるから、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特願2020-197701号
2.特開2020-14499号公報(周知技術を示す文献)
3.特開2020-6088号公報(周知技術を示す文献)
4.特開2012-40243号公報(周知技術を示す文献)」
3 同日出願1について
原査定の拒絶の理由に同日出願1として引用され、本願と同一出願人が、本願と同日(令和2年11月30日)に出願した特願2020-197701号の請求項1に係る発明(以下「同日発明」という。)は、令和5年5月24日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(a等は、本願発明の構成A等に概ね対応させて当審が付した。)。
(同日発明)
「 【請求項1】
a 本体枠と、該本体枠に開閉可能に設けられる扉枠と、を有する遊技枠側構成部と、
b 該遊技枠側構成部に着脱可能に設けられる遊技盤側構成部と、
c 所定の発光態様で発光可能な発光体と、
d 所定の音出力が可能な音出力部と、
e 所定の静止画または動画を表示可能な表示部と、
f 特別操作部の操作に基づいて特定期間を発生させることが可能な特定期間発生手段と、
g 遊技進行が不能な特定状態に制御する特定状態制御手段と、
h 遊技の演出を制御する演出制御手段と、を備える遊技機であって、
i 前記遊技盤側構成部は、第1遊技盤側構成部と第2遊技盤側構成部とから構成され、
j 前記演出制御手段は、前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されていない場合に、前記発光体のうちの特定発光体を未接続に応じて発光させる報知態様及び前記音出力部から未接続に応じた報知音を出力させる報知態様及び前記表示部に未接続に応じた表示をさせる報知態様を含む報知が可能な報知手段を備え、
k 前記報知手段は、前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されていない場合に、前記特定期間の終了後の第1のタイミングで第1報知を実行し、前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングで第2報知を実行することが可能であり、
l 前記第1報知を実行する場合には、前記第2のタイミングが到来する前に前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されていない状態から前記第1遊技盤側構成部と前記第2遊技盤側構成部とが接続されている状態に変化したとしても、前記第2のタイミングで前記第2報知を実行し、
m 前記特定発光体が実装される特定発光基板は、該特定発光体が実装される表実装面の略全域に形成される絶縁被膜と、表実装面に形成される表実装面側配線パターンと電気的に接続されるランドと、を有し、且つ前記ランドは少なくとも外周縁部が表実装面の略全域に形成される絶縁被膜で覆われ、
o さらに、前記特定発光基板の前記特定発光体が実装される表実装面の前方には、透光性を有し、且つ光の屈折率を異ならせる特定装飾部が設けられる、
p ことを特徴とする遊技機。」
4 対比
本願発明と同日発明とを対比する。
(1)構成A~M及びPについて
それぞれの文言が一致するので、同日発明の構成a~m及びpは、それぞれ、本願発明の構成A~M及びPに相当する。
(2)一致点及び相違点
そうすると、本願発明と同日発明とは、以下の点で一応相違し、その余の点で一致する。
<相違点1>(構成N1及びN2)
本願発明では、構成N1の「さらに、前記特定発光基板の表実装面と裏実装面に形成される絶縁被膜は白色であ」ることと、構成N2の「前記特定発光基板の実装面のうちの前記特定発光体の裏側と対向する部位にも白色の絶縁被膜が形成される」ことが特定されているのに対して、同日発明では、その特定がない点。
<相違点2>(構成o)
同日発明では、構成oの「さらに、前記特定発光基板の前記特定発光体が実装される表実装面の前方には、透光性を有し、且つ光の屈折率を異ならせる特定装飾部が設けられる」ことが特定されているのに対して、本願発明では、その特定がない点。
5 判断
(1)本願発明を先願発明とし、同日発明を後願発明とした場合
<相違点1>について
同日発明は、本願発明の構成N1及びN2の特定がないものであり、この点において、同日発明は、本願発明の特定事項を一部省いて上位概念化しているものである。
そうすると、上記相違点1に係る特定事項(構成N1及びN2)を有する本願発明(先願)は、同日発明(後願)に含まれるものであるから、上記相違点1は実質的な相違点ではない。
<相違点2>について
構成oに関し、LED基板のLEDが実装される表実装面の前方に、透光性を有し、且つ光の屈折を異ならせる装飾部を設けることは、本願の出願日前において周知技術である(例えば、特開2020-14499号公報(以下「文献2」という。)(特に、【2988】~【2990】、【図165】、【図193】、【図197】等を参照。)、及び、特開2012-40243号公報(特に、【0103】~【0134】、【図6】~【図11】を参照。)。
そうすると、本願発明に同日発明の構成oを備えさせることは、周知技術の単なる付加であって、該付加により、本願発明においても、同日発明と同様の、特定発光基板の表面に実装されるLED等の電子部品が視認されることを抑制できる効果を奏することは自明である。
してみると、本願発明に周知技術を付加することにより、新たな効果を奏するものではないから、上記相違点2は、課題解決のための具体化手段における微差であって、実質的な相違点とはいえない。
よって、上記相違点1及び相違点2は実質的な相違点ではないから、同日発明は本願発明と実質的に同一である。
(2)同日発明を先願発明とし、本願発明を後願発明とした場合
<相違点1>について
構成N1に関し、いわゆるLED基板のLEDが実装される表実装面と裏実装面の両面に、白色のレジスト層を形成することは、本願の出願日前において周知技術である(例えば、文献2(特に、【2295】~【2297】及び【2303】、【図263】~【図264】等を参照。)、及び、特開2020-6088号公報(以下「文献3」という。)(特に、【0513】~【0526】、【図21-4】等を参照。)。
また、文献2の「電子部品を半田付けするための電極(いわゆるパッド)、スルーホール、テストパッド、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成されている」(【2296】)との記載、及び、文献3の「LED制御基板13SH1の両面のはんだ付けしない部分には、白色のレジスト13SH11が塗布されている」(【0514】)との記載から、構成N2も本願の出願日前において周知技術といえる。
そうすると、同日発明に本願発明の構成N1及びN2を備えさせることは、周知技術の単なる付加であって、該付加により、同日発明においても、本願発明と同様の、特定発光基板を反射板として機能させる場合に均一な反射を実現する効果を奏することは自明である。
してみると、同日発明に周知技術を付加することにより、新たな効果を奏するものではないから、上記相違点1は、課題解決のための具体化手段における微差であって、実質的な相違点とはいえない。
<相違点2>について
本願発明は、同日発明の構成oの特定がないものであり、この点において、本願発明は、同日発明の特定事項を一部省いて上位概念化しているものである。
そうすると、上記相違点2に係る特定事項(構成o)を有する同日発明(先願)は、本願発明(後願)に含まれるものであるから、上記相違点2は実質的な相違点ではない。
よって、上記相違点1及び相違点2は実質的な相違点ではないから、本願発明は同日発明と実質的に同一である。
(3)まとめ
以上のとおり、本願発明と同日発明とは、どちらの発明に着目しても、他の発明と実質的に同一であるといえるから、本願発明と同日発明とは、同一である。
(4)請求人の主張について
ア 請求人の主張の概要
請求人は、審判請求書の「(4)本願が特許されるべき理由」において、以下のとおり主張する。
「上記のご認定に対し、同日出願1(特願2020-197701号)につきましては拒絶査定不服審判を請求せず、本願にのみ拒絶査定不服審判を請求する対応と致しました。(なお、本願に対する手続補正は語尾を改める形式的な補正のみです。)従いまして、本願の請求項1に係る発明に対する拒絶理由は解消したものと思料致します。」
イ 請求人の主張の検討
同日出願1は、令和5年5月24日に提出された手続補正書により特許請求の範囲が補正され、同年9月29日付けで特許法39条2項の拒絶理由通知及び同条6項の協議指令がなされ、令和6年2月2日に意見書が提出されたところ、協議指令に沿う届出をしていないから、同条7項の規定により協議が成立しなかったものとみなされ、同年3月19日付けで拒絶査定(同法39条2項 送達日:同月27日)された。また、同日出願1は、その査定の謄本の送達があった日から3月以内(在外者にあっては、4月以内)に、拒絶査定不服審判が請求されていないことから、拒絶査定が確定している。
ここで、同法39条(先願)には、5項に以下が規定されている。
「特許出願若しくは実用新案登録出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき、又は特許出願について拒絶をすべき旨の査定若しくは審決が確定したときは、その特許出願又は実用新案登録出願は、第一項から前項までの規定の適用については、初めからなかつたものとみなす。ただし、その特許出願について第二項後段又は前項後段の規定に該当することにより拒絶をすべき旨の査定又は審決が確定したときは、この限りでない。」(下線は当審が付した。)
同日出願1は、同法39条5項ただし書きの「第二項後段」「の規定に該当することにより拒絶をすべき旨の査定」「が確定した」「特許出願」であるから、同条2項の規定の適用については、初めからなかつたものとみなされず、いわゆる先願の地位が残っていることとなる。
したがって、審判請求書における請求人の主張は採用できない。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、同日発明と実質的に同一であるから、特許法39条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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