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特許拒絶査定不服審判

2024-007480

免疫賦活組成物

審判番号
2024-007480
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-700615
請求日
2024年05月02日
審決日
2025年03月07日
公報発行日
2025年06月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】小野薬品工業株式会社
  • 【請求人代理人】青木 篤
  • 【請求人代理人】渡辺 陽一
  • 【請求人代理人】中島 勝
  • 【請求人】本庶 佑
  • 【請求人代理人】青木 篤
  • 【請求人代理人】渡辺 陽一
  • 【請求人代理人】中島 勝
審判長/審判官
  • 審判長 原田 隆興
  • 審判官 岩下 直人
  • 審判官 井上 典之
分類
P18 .7 -WY (A61K)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第67条第2項、特許法第67条の3第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許権存続期間延長登録願2020-700615号「免疫賦活組成物」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願については、特許権の存続期間の延長登録をすべきものとする。 特許番号 特許第4409430号 延長の期間 5年0月0日 平成28年法律第108号による改正前の特許法第67条第2項の 政令で定める処分の内容 願書に記載のとおり

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第4409430号「免疫賦活組成物」(以下「本件特許」という。)は、2003年(平成15年)7月2日(優先権主張 2002年(平成14年)7月3日、2003年(平成15年)2月6日)を国際出願日とする特願2004-519238号として出願され、平成21年11月20日に特許権(以下「本件特許権」という。)の設定登録がされたものである。 その後、令和2年11月27日に、本件特許権について存続期間の延長登録の出願(特許権存続期間延長登録願2020-700615号。以下「本願」という。)がされ、令和5年6月16日付けで拒絶理由が通知され、同年8月29日に意見書が提出されたが、令和6年1月18日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、同年5月2日に拒絶査定不服審判が請求され、同年6月13日に審判請求書を補正対象とする手続補正書(方式)が提出された。 第2 本件特許発明及び本願が求める延長登録 1 本件特許発明 本件特許権に係る発明は、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本件特許発明」という。)は、次のとおりである。 「【請求項1】 PD-1抗体を有効成分として含み、インビボにおいてメラノーマの増殖または転移を抑制する作用を有するメラノーマ治療剤。」 2 本願が求める延長登録 本願の願書の記載によれば、本願において本件特許権の延長を求める期間並びに平成28年法律第108号による改正前の特許法(以下「改正前特許法」という。)第67条第2項の政令で定める処分を受けた日及び同処分の内容は、次のとおりである。 (1) 延長を求める期間 5年 (2) 改正前特許法第67条第2項の政令で定める処分を受けた日 令和2年8月28日 (3) 改正前特許法第67条第2項の政令で定める処分の内容 ア 特許権の存続期間の延長登録の理由となる処分 令和元年法律第63号による改正前の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「改正前薬機法」という。)第14条第1項に規定する医薬品に係る同項の承認 イ 処分を特定する番号 承認番号 30200AMX00925000 ウ 処分の対象となった物 販売名 オプジーボ点滴静注120mg 有効成分 ニボルマブ(遺伝子組換え) エ 処分の対象となった物について特定された用途 悪性黒色腫 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌 再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫 再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌 がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌 がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫 がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロ サテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌 がん化学療法後に増悪した根治切除不能な進行・再発の食道癌 (以下、当該処分を「本件処分」といい、当該処分の対象となった販売名が「オプジーボ点滴静注120mg」である医薬品を「本件120mg製剤」ということがある。) 第3 原査定の理由 原査定の理由は、本願の延長を求める期間が、本願に係る特許発明の実施をすることができなかった期間を超えているから、本願は改正前特許法第67条の3第1項第3号に該当するというものであり、備考として、本件処分は、120mgなる分量を新たに追加する処分であるから、本件処分を受けるために必要かつ密接不可分な試験は、実際に120mg製剤を使用した長期保存試験等の安定性試験であり、本件処分を受けるために必要な期間は、該試験の開始日から本件処分を受けた日の前日までの期間とするのが妥当である旨が指摘されている。 第4 当審の判断 当審合議体が職権で確認した医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)によるウェブサイト「ニボルマブ(遺伝子組換え)」(URL:https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/4291427)に掲載されている文書(複数の審査報告書及び医薬品インタビューフォーム等)の記載によれば、本件処分は、ニボルマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする点滴静注製剤に関し、既承認製剤(20mg、100mg及び240mgの各製剤)とは、「含量」のみが異なる(「効能又は効果」及び「用法及び用量」等は全て同じ)製剤(以下「本件120mg製剤」という。)を追加する承認であるところ、既承認製剤の一部変更承認ではなく、既承認製剤とは別個の新たな品目に係る改正前薬機法第14条第1項の規定による製造販売承認であると認められる。 ここで、同法第14条第1項の承認を受けるためには、「申請に係る医薬品・・・の名称、成分、分量、用法、用量、効能、効果、副作用その他の品質、有効性及び安全性に関する事項の審査」が必要であることが同法同条第2項第3号に規定されており、さらに、同法同条第3項には、「第一項の承認を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、申請書に臨床試験の試験成績に関する資料その他の資料を添付して申請しなければならない。」と規定されている。すなわち、改正前薬機法は、医薬品に係る同法第14条第1項の承認について、有効性及び安全性等に関する事項の審査を行うために、事実上、臨床試験成績を必須としており、そのために臨床試験が行われている必要があるといえる。 本願の願書に添付された「延長の理由を記載した資料」に添付された「添付資料3」(「オプジーボ点滴静注20mg/100mg/240mg添付文書(2020年2月改訂)(一部抜粋)」)の記載によれば、「本件120mg製剤」の有効成分である「ニボルマブ(遺伝子組み換え)」は「PD-1抗体」に該当し、「本件120mg製剤」の用途(「効能又は効果」)のうち、「悪性黒色腫」が「メラノーマ」に対応することは明らかであり、「ニボルマブ(遺伝子組み換え)」は「インビボにおいてメラノーマの増殖または転移を抑制する」との作用を有するものといえ、「本件120mg製剤」は「メラノーマ治療剤」に該当するものといえるから、その製造販売は本件特許発明の実施行為に該当する。 一般的に、特許発明の実施行為に該当する医薬品の製造販売については、行政処分である薬機法第14条第1項の規定による製造販売承認等の承認を受けなければ行うことができず、当該承認を受けるには相当の期間を要することから、特許権の存続期間の延長登録制度の趣旨を踏まえると、当該延長登録において、当該処分を受けることが必要であるために、その特許発明の実施をすることができない期間には、承認申請から承認までの期間のほか、承認申請に必要な評価資料として提出する資料を得るための試験を行う期間が含まれると解される。 本願の手続における、令和5年8月29日提出の意見書での説明及び添付資料の記載、並びに、令和6年6月13日提出の審判請求書を補正対象とする手続補正書(方式)での説明及び添付資料(上記意見書の添付資料と全て同じある。)の記載によれば、「本件120mg製剤」の承認申請においては、既承認製剤(20mg、100mg及び240mgの各製剤)に係る臨床試験に関する資料を含めた一連の資料がPMDAに提出されており、本件処分においては、既承認製剤に関するこれらの資料も含めて有効性及び安全性等に関する事項の審査がされたことが認められるから、本件処分を受けるために必要かつ密接不可分な試験には、120mg製剤を使用した長期保存試験等の安定性試験だけでなく、上記の既承認製剤に係る各臨床試験も含まれるというべきである。 そして、上記の各臨床試験のうち、悪性黒色腫(メラノーマ)の患者を対象とする複数の臨床試験の期間については、本件処分を受けることが必要であるために、「メラノーマ治療剤」に係る本件特許発明の実施をすることができなかった期間であるといえるところ、上記のPMDAによるウェブサイト「ニボルマブ(遺伝子組換え)」に掲載されている文書の記載事項を参照すれば、当該期間と、本件処分を受けることが必要であるために、本件特許発明の実施をすることができなかった他の期間である120mg製剤を使用した長期保存試験等の安定性試験の期間とを合算した期間は、5年を超えるものと認められる。 したがって、本願の延長を求める期間(5年)は、本願に係る特許発明の実施をすることができなかった期間を超えているとはいえない。 第5 むすび 以上のとおり、本願については、原査定の拒絶理由によって拒絶をすべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-007480

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