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特許拒絶査定不服審判

2024-006418

ロボットならびにその制御方法および制御プログラム

審判番号
2024-006418
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-532436
請求日
2024年04月15日
審決日
2025年05月09日
公報発行日
2025年08月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】GROOVE X株式会社
審判長/審判官
  • 審判長 柿崎 拓
  • 審判官 長馬 望
  • 審判官 永冨 宏之
分類
P18 .121-Z (A47L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-532436「ロボットならびにその制御方法および制御プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 1月30日国際公開、WO2020/022371〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2019年(令和元年)7月24日(優先権主張 平成30年7月26日)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年 8月 7日付け:拒絶理由通知書 令和5年10月16日 :意見書、手続補正書の提出 令和5年12月27日付け:拒絶査定 令和6年 4月15日 :審判請求書の提出 第2 本願発明(本願発明の認定) 本願の請求項に係る発明は、令和5年10月16日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし26に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。なお、請求項1の記載における「前記探索部において探索された・・・・報知動作実行部と」の段落において、「前記報」と「知動作」の間で改行されているが、該改行は誤りであることが明らかであるから、該改行はないものとして、本願発明の認定を行った。 「報知対象者に対して実行すべき情報の報知動作を実行するための実行情報を取得する実行情報取得部と、 前記実行情報取得部において取得された前記実行情報に基づき、前記報知対象者を探索する探索部と、 前記探索部において探索された前記報知対象者に対して、前記実行情報及び前記報知対象者との親密度に基づき前記報知動作を実行する報知動作実行部と を備える、ロボット。」 第3 原査定における拒絶の理由 原査定の拒絶の理由(原査定における理由2)は、本願発明は、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用例1及び引用例2(原査定における引用文献4)に記載された発明に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用例1.特開2016-120591号公報 引用例2.特開2009-266200号公報 第4 引用例 1 引用例1の記載事項、引用発明 引用例1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審が付与した。)。 (1-1) 「【0002】 (発明の分野) 本発明は、概して人々と相互交流するための自律移動ロボットに関し、より具体的には、種々の仕事のために人を助力するための自律移動ロボットに関する。 【背景技術】 【0003】 (発明の背景) ロボット研究プラットフォームは、相互交流ロボットによる支援から恩恵を受ける可能性のある、高齢者、子供、またはその他の人々などと家庭状況において相互交流するために開発されてきた。これらのロボットプラットフォームはしばしば、実際の家庭環境、または家庭環境において、コンパニオンロボットを差し出がましくない、歓迎される客にするなど、個人的好みおよび関心事を考慮に入れていない。 【0004】 薬剤を運搬する、楽しい相互交流を提供する、および/またはテレビ会議ツールを提供する際に介助者を助力する、ある種のプラットフォームが開発されているが、多くは依然として研究プラットフォームのままであり、普通の家で使用するためには不適切であるように、非常に大きく、重く、扱いにくい傾向にある。これらのロボットプラットフォームは一般に、ある程度の監視が期待され、プライバシーおよび個人的尊厳がただでさえ悪影響を受ける傾向にある公共施設で試験され、プライバシー保護に対する期待がより高い、私宅での使用に適切ではない場合がある。 【0005】 しかし、単にロボットを小さくしても、これらの短所は改善されない。ロボットが運搬されるのに十分小さいとはいえ、予定される使用は通常、単一の部屋の中であり、家中全体で有用となる能力は限定されている。低重量のプラットフォームはまた、地面に対して低くなる傾向があり、同じ部屋を動き回る可能性がある居住者の視界から外れ、平衡性または移動性の問題に関して危険を生む。つまり、従来のロボットは限定的な有用性に悩まされ、従って、人間に歓迎され、万能な助手として機能しない。」 (1-2) 「【0025】 ロボットの機能は、自信、信頼、および同志的管理部として機能することが好ましい。ロボットは、ユーザの信頼および愛着を高めるように巧みに作られ、それ自体有益であり、また一般的利益をありとあらゆるその他の応用に提供し、それらの成功率を増加させる。この機能は、新しく、定着していない技術(特に自律的、自己制御的、移動技術)を一般人の生活に導入する課題に取り組む。」 (1-3) 「【0061】 自律移動ロボット10の一実施形態を図1Aおよび1Bに示す。ロボット10は、本体12、1つ以上の車輪14、および頭部16を有する。ロボット10の特定の部品(例えば、本体12、車輪14、および頭部16)は、互換性のある即行取り付け具および/または電気接点配置を介し、他の部品とそれぞれ容易に取り付け/取り外しされるように構成される。また、互換性のある方法において異なるバージョンを使用可能である。多数の周辺装置は、ロボット10、すなわち本体12、頭部16、またはそのほかの部位に取り付けてもよい。示される実施形態には、ユーザがロボット10と情報をやり取りし、ロボット10によって提示される質問に答え、ロボット10に命令を与えるためのタッチ画面18を含む。スピーカー20、またはそのほかの音声発生装置は、ロボット10に位置する。加えて、図1Bに示されるように、ロボット10は、種々の環境条件を感知するため、実質上ロボット10のどの場所にでも取り付けられる多数のセンサ22を利用してもよい。例えば、センサ22は崖または端検知器、振動センサ、温度センサ、視覚感知用カメラ、タグ検知器、近接感知、壁追跡あるいは電源または基地局との接続用レーザー装置、自動誘導ビーコンまたは局所環境インディシア追跡用検知器を含んでもよい。 【0062】 本説明のため、ロボットは機能システムのいくつかのカテゴリを有する。各機能システムは、センサ、エフェクタ(アクチュエータ)、通信、およびコンピュータ制御のような構成部品を含む。本発明に記述されるロボットは、いくつかの応用システムを有し、応用システムはロボットにより遂行される全体の機能を達成するためのシステムである。コンパニオンロボットにとっては、強化された人間/ロボットの相互交流は主要機能であるため、人間/ロボットの相互交流には必要な重複がある。ロボットはユーザの信頼と愛着を増加させるため、一般的利益を有し、ありとあらゆるその他の応用の成功率を増加させるシステム(プライバシー保護、相互交流システム)を含んでいる。ロボットは、関連ユーザに対する健康、衛生状態、ならびに、または必要な特定の投与計画、注意喚起、伝言、および激励手法の1つまたは複数のスケジュールを保持する。」 (1-4) 「【0072】 ロボット10と1人以上の居住者またはユーザとの間を結び付けることを容易にする、さらなる特徴および機能性を提供するその他の部品が、ロボット10に含まれてもよい。「居住者」は、ロボットと共に住居で生活する人を記述するのに使用され、本明細書で他の方法で使用されていない場合は、用語「居住者」および「ユーザ」は同じ意味で使用されてもよい。居住者は、さらなる注意または監督が必要な高齢者または子供、家族の各一員、家庭のペット、居住者により特定される家への来客などである可能性がある。ロボット10および居住者の間を結びつける可能性を増すため、ロボット10は触覚センサ34、あるいはロボットの本体12または頭部16のいずれかまたは全てを覆う「デジタルスキン」を含む。これらの触覚センサ34により、ロボット10は居住者が自分に触っていると認識する(およびかかる接触に対し適切に応答する)ことができる。触覚感知センサ34によって、物理的に居住者を援助するために手助けするよう設計されていないロボットを、居住者が使用している際に、ロボットが認識して適切に反応する(活動しなかったり、音声警告を送信したりする)ことを可能としてもよいが、ロボット10が正常に機能しない場合は、そのような目を引く機能は緊急停止として機能してもよい。」 (1-5) 「【0164】 本発明のロボットは、ある事象に対する応答を示す視覚合図を使用して、ユーザに豊かな相互交流体験を提供する。それらの合図は、少なくも、画面のうちの1つ以上での画面表示部および反応を伝えるための頭部または他の物的移動を含む。図10Aは、移動ロボットの画面26上で表示される、典型的な種々の感情表現を示す。図10Aに示された感情画像は、ロボットの頭部16の表示部26上に示されるが、感情画像はまた、本体に取り付けられる画面上に表示することも可能である。任意に、感情画面は表示部画面の一部のみを使用し、残部を他の相互交流および/または機能のために空けておいてもよい。 【0165】 表示するように、口、目、眉という対象物(図10Aに示す典型的な表現など)は、マトリクス表示部を使用し、非常に多数の画素から適宜形成することができ、または、セグメント表示部を使用し、多数のセグメントの設定形で形成することができる。もちろん、表示部はセグメントおよびマトリクス部分の両方を内蔵してもよく、マトリクス画素は1種類のセグメントとみなしてもよい。セグメントまたは顔マトリクス表示部には、従来の製造技術によって、十分な数のセグメントまたは画素を提供してもよい。 【0166】 以下の論考は、適切な部分で顕著な差異を有するセグメントパネル、またはマトリクスパネルを説明する。マトリクスパネルについて論じる際は、MacromediaTMFlashTM、携帯用動画システムで動画を生成するために使用される技術が有用である。この専門用語では、「映画(movie)」は一連の場面であり得、場面は、一実施形態では、層を成して背景に入れてもよい、文字列の対象および画像の対象などの一連の対象である。映画および対象は事象に応答し、映画の外の行為を行ってもよく、同様に効果(物体の外観を変化させる動画)を適用してもよい。セグメントパネルの作動を論じる際は、物体は、順番に、または個別に作動または停止させてもよい単一のセグメントまたはセグメントのグループであってもよく、作動または停止させることにより、動きの印象または外観の変化を与えることができる。いずれにしても、「対象(object)」は動画化され、移行性動画状態に適応する。この専門用語の使用にもかかわらず、本発明は、論じた動画システムに限定されることはない。 【0167】 表示部26は、ロボットの変化する感情および非言語的行動を表現する音声および相互交流と同期して動画化される、目-鼻-口の表示を実行する。表示の動画化表現は、音声と同期化される非言語的行動、音声と同期化される音素動画化、会話および感情モジュールからの基本表現、およびいくつかの専門的表現手順などの、システム内の種々の変数に従い制御される。表現の機能要素には、いくつかの基本表現、視線方向、身振りを強調するためのいくつかの眉の位置、音素動画化のためのいくつかの口の形(視覚素)が含まれる。これらの要素、すなわち、音素動画化、注視移動、および眉吊り上げの作業は独立しており(直交)、これは、悲しい(軽度)、懸案、中立(肯定的)、幸せ(満足から喜びまで少なくとも4等級付け)、驚き(肯定的な驚きまたは否定的な驚きとは異なる提示)などを含む基本表現とは関係がない。状態から状態への平滑動画化移行のための、すべてこれらの要素において、「中間(in-between)」状態(トゥイーン(「tween」))が存在する。 【0168】 視線方向は、例えば、右から左への、16の異なる位置の直視を提供してもよい。2つの位置の左上方および右上方、および2つの位置の左下方および右下方をさらに提供してもよい。眼の反射表示器は省略されたり、室内照明の方向性に応じて設定されたり、または安定状態を保ったりしてもよい。少なくとも3つの眉の位置が提供され得、すなわち中立、中位に吊り上げ、高位に吊り上げ、さらに中間状態が提供され得る。眉もまた、基本表現の形成に関与する。 【0169】 音素動画化は、13の視覚素のサブセット(「視覚素」は、かかる音素を形成するために使用される人間の口の動きのタイミングおよび速度に応じて、音声合成音素に対応する位置での口の一連の動画フレームであり、「イアコン」は、アイコンに相当する可聴バージョンであり、すなわち、提案、物体、または話し言葉を使用しない行為を伝える、短い、意味のある音である)、毎秒5音素の標的発話速度に合わせて中間状態にされる。舌を示す表現は、このサブセットを減少するように除去されることがある。A、B、E、F、K、O、OO、R、THなど、一連の口を閉じた形は、基本の組の音素を備える。さらに大きな組は、P、B、M;W、UW;R;F、V;TH、DH;L;S、Z、D、T、N;SH、CH、JH、ZH;Y、IY、IH、IX、AW、H、K、G、NG;EY、EH、UH;AE、AX、AH、AA、AO、ER、AY;OY;およびOWなど、無音のうちのいずれかまたは全部を含んでもよい。 【0170】 特色のある表現は、ウインク、まばたき、好奇心の強い、探求心のある(横目の1つの平らな眉)、瞳孔を開く、笑う、号泣、眠い(ロボットの電池レベルが低くなる)、考える(何かをダウンロードする間に使用される、額の深いしわを含むことがある)を含んでもよい。図10Aに示す表現は、必要に応じて、種々の頭部方向を併せて利用してもよい。 【0171】 図10Bは、ロボット10のための表現運動行為および位置を表す。頭部16の潜在的デフォルト位置(図1Aに示すが、図10Bには示さない)は、居住者に関するものであってもよい。 【0172】 本明細書に概して示すように、ロボットの頭部および胴の構造は、肩をすくめたり、うなずいたり、頭を振ったり、横を向いたり(対象を変える)、その他の身振りの合図を提供するよう設計されてもよく、すなわち移動システムによって、接近および後退の動き(個人空間および会話への留意の合図)ができる。ロボットは、頭部、または実際にはいかなる人間または動物の特性を有する必要がないことを留意することが重要である。人の頭部、肩または同等物の動きに関与する既知の身振りの合図については、人間の身振りの合図と同じまたは類似した会話のタイミングと合図に従い配置される場合は、類似した位置にあり、および/または類似したプロファイルのロボットの部分を使用した相似性運動は、ロボットの全身を使用して誇張される。これらの一部を図10Bに示す。接近および後退の動きは、また、横を向いたりする事と、その他の身振りの合図を含んでもよい。概して、本明細書で論じたように、身振りの合図を提供する動きは、用語表現運動の中に含まれ、非同期的に、または定期的にスクリプトによって引き起こされる可能性がある。図10Bに図示するように、ロボットは、特定の文化または人のために正確な距離に接近してもよい(これは、居住者との会話が、居住者をロボットから離れさすことを継続的に引き起こすことを、ロボットが検知することができるにつれ、記録され、徐々に適合することができる。)。これは身振りの合図の例であり、その他の典型的な身振りの合図は、会話の話題が変わる一瞬に、居住者からロボット全体またはロボットの頭部を、わずかに向きを変えることになる。図10Bにさらに図示するように、居住者がある方向に移動し始めることがわかると、ロボットは、居住者の邪魔にならない場所に「丁重かつ優雅に」移動し、ロボットが、ドアの位置および/または通行経路および/または住居の障害を記録することは、道をあけておくことを容易にする。これは、ロボットの表現運動を介して、社会的相互交流をシミュレートするロボットの例である。図10Bにさらに図示するように、ロボットは、「アニモーション(animotion)」、すなわち、表現を伝えるように設計される、ロボット全体(車輪を介して)の運動スクリプトを実行してもよい(これらはまた、ロボットの他の部分の動きおよび/または音などを含んでもよい)。これらの種類の表現運動のそれぞれは、表現運動および/または本明細書で論じている非同期ロボットの動きおよび非同期事象の一部と見なされる。」 (1-6) 「【0173】 本発明の実施形態によると、移動ロボットは、種々の仕事または活動の遵守を促進または保証するために、居住者との相互交流を提供してもよい。例えば、移動ロボットは、図11Aに図示するように、多数の予定された事象のために、リマインダおよび他の刺激を提供してもよい。これは、日中の適切な時間に薬剤の服用の想起が困難である高齢者または他の居住者と相互交流することは特に有用となる。薬剤投与計画の支持に加えて、ロボットは、規定食計画を支持してもよく、慢性症状を管理するための提案(ストレッチをする、水を飲む、休憩する、など)の反復を提供し、また回復療法(療法士が推奨する運動など)の指示を提供してもよい。ロボットのプロセッサに保存されたスケジュール50は、居住者によってまたは遠隔オペレータもしくは介助者によって設定されてもよい。例えば、居住者は、コンピュータまたは携帯情報端末経由か、またはロボットのインターフェース能力を直接使用して、所望の事象を入力してもよい。さらに、居住者は、ある行動が直ちに実行されることを要求してもよい。同様に、ロボットスケジュール50はまた、重要な予約、医薬投与量などを記録するために、医者のコンピュータまたは携帯情報端末に連結されてもよい。さらに、または別法として、例えば、新しい薬剤が処方された場合に、スケジュール50は薬局から指示を受信してもよい。 【0174】 図11Aにおけるスケジュール50に示されるように、薬剤遵守ルーティン54は、朝の投与計画52に続いて予定されてもよく、それは、居住者の目を覚まさせるロボット、錠剤充填手順、ストレッチ計画、バイタルサインの確認などを含んでもよい。朝の行動はまた、その日の後に予定されている活動のいずれか、または後日の特定の予約に関してさえ、居住者に注意喚起するために使用してもよい。日周活動における居住者の認識および物理的関与(自分自身の日課表を計画する、および/または薬剤を充填するなど)を高めることによって、ロボットは、居住者自身の投与計画への関与、責任、および制御を高める。自分自身の介助におけるかかる関与は有益となることがある。 【0175】 さらなる投与計画は、類似するリマインダスキームとともに、移動ロボットによって支持されてもよい。例えば、ロボットは、すでにスケジュール50に入れられた、社交目的の訪問56、または娯楽事象58のためのリマンダを居住者に提供してもよい。薬剤遵守ルーティン54の間に、ロボットは、相互交流の目的を居住者に注意喚起し、投与する必要がある薬剤の量に留意し、また遵守ルーティンを進める許可を要求してもよい。本実例では、移動ロボットは、ロボットが、薬剤ディスペンサ、カートリッジ、または担体を含むかどうかに応じて、(i)薬剤が保管されている部屋へ行くように住居者に指図する、(ii)水と一緒に、ロボットが運ぶ1つのコップまたは複数のコップから薬剤を差し出す、(iii)居住者が薬剤を取り出し、服用できるように、錠剤ディスペンサの適切な部分を開くことがある。それに応じて、投与計画遵守の時間が来たことを単に居住者に注意喚起することによって、投与計画遵守の確率は増加する。しかしながら、この確率をさらに増加させるために、ロボットは種々の行為を行うことができる。例えば、ロボットは、関連した薬剤貯蔵部、担体、カートリッジ、またはディスペンサを備えてもよく、さらに、担体またはディスペンサを含んでもよい。遵守ルーティン54が、時間によって、または他の事象のトリガー(例えば、食後、遠隔介助者からの指図の時点など)によって開始されるときに、ロボットは、薬剤を居住者へ持って行く、または居住者を薬剤に連れてきてもよい。 【0176】 図11Bは、典型的な投与計画開始のルーティン、Iを図示し、移動ロボットは、投与計画ルーティンを始めるために追随してもよい。ステップSI1では、移動ロボットは、現在の時間を確認し(または事象の発生に留意する)、それとスケジュール50(図6A)とを比較する。ステップSI2で、ロボットが、薬剤ルーティンまたは他の投与計画ルーティンを始める時間であると決定すると、ロボットは、ステップSI3で居住者を探し始める(そうでない場合は、制御工程はステップSI1にループバックすることがある)。探しルーティンを以下に説明する。ステップSI4では、移動ロボットは、居住者に問い合わせをし、その後ステップSI5で、相互交流の許可が与えられたかどうかを決定してもよい。そうであれば、移動ロボットは、SI6ステップで相互交流の行動を実行し、そうでない場合は、ステップSI7で、ロボットは、ロボットが拒否に関して遠隔介助者に連絡してもよいかどうかを決定するために与えられた許可を確認する。別法として、投与計画が重大でない場合(例えば、社交または娯楽事象)には、ロボットは、ステップSI10に移動して、その領域から離れてもよい。ステップSI8では、ロボットとの相互交流に対する居住者の拒否を介助者に通知することが許容されることを移動ロボットが決定すると、その後ステップSI9に進み、介助者に通知を送信する。一方、許可が与えられなかった場合は、オーバーライド状態が存在しないと見なされ、ロボットはステップSI10でその領域から離れてもよい。」 (1-7) 「【0200】 人間の居住者と相互交流する過程で、ロボットおよび居住者は、環境内で別々になることがある。遵守ルーティンの開始、テレビ会議の開始、または相互交流に起因して、ロボットが居住者との接触を必要とする場合、ロボットは、居住者を探し出すために環境を誘導することができるであろう。環境400の1つのナビゲーションパスの計画図を図14Aに示す。環境400は、それぞれの部屋に相互接続する廊下402に加えて示すように、部屋1、2、3および4などの複数の部屋を含むことがある。それぞれの部屋の入口および出口は、戸404により提供され、開閉されることがある。移動ロボット10は、相互交流または居住者の存在を必要とするその他のロボットの動きを開始する前に、居住者を探し出すための位置決め行動を実施することがある。例えば、基地局または充電局406でロボット10をドックに入れ、投与計画を開始しなければならないスケジュールを決定する場合、居住者がいることを表示するためのロボットの即時環境を監視しながら、環境400内で部屋から部屋へロボット10は進むことがある。」 (1-8) 「【0208】 また、移動ロボットは、能動的または受動的検知または環境400のマップに基づいて選択した次の場所への経路を計画することができる。または、移動ロボットは、誘導する場合、走行距離計測法、および/または慣性誘導を装備することができる。このような方法で、移動ロボットは、例えば、戸を行き来する場合を識別することができる。あるいは、移動ロボットは、例えば、赤外線ビーム検知(例、米国仮特許出願第60/741,442号に開示されるようなナビゲーションおよびビーコンシステム)、RFID部屋または戸のタグ付け、タンク回路またはアモルファス金属タグの誘導検知または共鳴検知、光学的特性検知または画像分析などのナビゲーション、マッピング、および部屋の識別に対するいずれの適切な方法を使用することがある。ロボットはまた、環境の視覚および走行距離計測法データを作成するために、機械視覚ベースの方法、計算資源、およびセンサを使用するSLAM手法(SLAM)を使用してもよい。米国仮特許出願第60/822,636号に該システムが開示され、それらの開示は本明細書にてそれら全体を参照することによって組み込まれる。 【0209】 図14Bに示す位置決めルーティンは、まず、(任意の)ステップSL0で居住者に対するローカル領域の確認(例、熱分解熱センサ、および/または音声、および/または動きまたは服装の視覚認識、および/またはタグまたは居住者により使用されたその他のエミッタ、および/または確認するために使用されたいずれか1つまたは少なくともほかの1つとの組み合わせ)を含んでもよい。居住者が、高い信頼があることを感じ取る場合、ルーティンは、成功ルーティンに直接進んでもよい。しかしながら、ルーティンはまた、その検知を確認しようとしてもよい。位置決めルーティンが、まず、居住者を確認しようがまたは直接クエリーに進もうが、ステップSLlでは、当該確認または直接のクエリーは、人を検知する場所で、またはまだ確認されていない位置でSLlに示すように、「いますか(Are you there?)」と、単純クエリーを必要としてもよい。代替として、クエリーは、追求された人の名前を特定してもよく、または例えば、単純トリル音、またはその他の感情的音声、または「メアリーはここですか(Mary here?)」などの認識能力の低いレベルで暗示することを目的とするメッセージであってもよい。移動ロボットは、その後、ステップSL2でタイマーの秒読みを始め、クエリーへのいずれの音声応答に対する音声センサSL3(マイクロホンなど)を監視してもよい。移動ロボットは、音声応答をステップSL4で検知したことを決定し、移動ロボットは、その後、次の仕事に進むことができる。一方、応答を検知しない場合、または非雑音応答がロボットのライブラリの応答に対応しない場合(例、居住者以外の人からの「退去」)、移動ロボットは、ステップSL7でタイマーを確認することができる。時間切れの場合(ステップSL7で決定する場合)、移動ロボットは、その後、次の場所のSL8に移動し、工程を繰り返すことができる。別法で、移動ロボットは、ステップSL3に戻り、タイマーがサイクルを完了するまで、応答に対する音声センサを監視し続けることができる。」 (1-9) 「【0217】 移動ロボットは、ある状況で居住者を追跡および尾行することにより居住者にうまく近接状態を維持する割合を向上することができ、例えば、居住者が退室した、および/またはある時刻の間、および/または居住者により行動のパターン後をロボットがうまく検知する時間の固定または可変の割合を向上することができる。例えば、居住者が就寝する準備を始めることをロボットが認識する場合、ロボットは、居間から寝室へついて行くことができる。さらに、または代替としては、ロボットは、居住者の日常のルーティンまたはスケジュールの記述を記録、解釈、または入力の受け入れをすることができ、居住者より前に適切な部屋を予測し、移動するための予定を使用することができる。」 (1-10) 「【0223】 ロボットは、将来のある時間に居住者の近くにいる必要があることを予想するのに十分な頻度で情報を確認する(例、スケジュールに変更を適応することよりも先に頻繁に確認すること、または事象よりも先に備忘録を設定することにより)。RC-4で、事象がもうすぐ生じる(備忘録/リマインダにより、予想される、または知られている)場合、ロボットは、人/居住者を捜索し始める。本明細書で論じるような近接のルーティンを維持する場合に、居住者がとても近くにいる可能性は有効である。しかしながら、近接のルーティンを維持しない場合でさえ、ロボットは、住居全体を行き来するためにあらかじめ、十分な時間を持って予定を立てることのみ必要であるが、ほとんどの場合、必要ないであろう。既に記載されたように近接事象を使用するよりもむしろ、ロボットは、事象を必要とするそれぞれの日および時間に、居住者を見つける部屋を記録することによりスケジュールを学習することができ、つまり、命令は、1日の所定時間に、居住者がいる確率が最も高い部屋、2番目に高い部屋などを学習するであろう。ステップRC-8で使用した人探しルーティンは、本明細書で説明されるようなものであり、人の識別性を確認するための検証ステップを含むことができる。」 (1-11) 図10A [図:0001425391000001.jpg] (1-12) 図10B [図:0001425391000002.jpg] (1-13) 図11A [図:0001425391000003.jpg] (1-14) 図11B [図:0001425391000004.jpg] (1-15) 図11C [図:0001425391000005.jpg] (1-16) 図14A [図:0001425391000006.jpg] (1-17) 図14B [図:0001425391000007.jpg] (1-18) 上記(1-6)の「ロボットのプロセッサに保存されたスケジュール50は、居住者によってまたは遠隔オペレータもしくは介助者によって設定されてもよい。例えば、居住者は、コンピュータまたは携帯情報端末経由か、またはロボットのインターフェース能力を直接使用して、所望の事象を入力してもよい。」及び「図11Aにおけるスケジュール50に示されるように、薬剤遵守ルーティン54は、朝の投与計画52に続いて予定されてもよく、それは、居住者の目を覚まさせるロボット、錠剤充填手順、ストレッチ計画、バイタルサインの確認などを含んでもよい。」との記載より、引用例1には、ロボットが「居住者によってまたは遠隔オペレータもしくは介助者によって設定され、薬剤遵守ルーティン54を示すスケジュール50がプロセッサに保存され」る構成が記載されている。 (1-19) 上記(1-6)の「図11Bは、典型的な投与計画開始のルーティン、Iを図示し、移動ロボットは、投与計画ルーティンを始めるために追随してもよい。ステップSI1では、移動ロボットは、現在の時間を確認し(または事象の発生に留意する)、それとスケジュール50(図6A)とを比較する。ステップSI2で、ロボットが、薬剤ルーティンまたは他の投与計画ルーティンを始める時間であると決定すると、ロボットは、ステップSI3で居住者を探し始める(そうでない場合は、制御工程はステップSI1にループバックすることがある)。」との記載より、引用例1には、ロボットが、「現在の時間を確認し、それと前記スケジュール50とを比較し、薬剤ルーティンまたは他の投与計画ルーティンを始める時間であると決定すると、居住者を探し始め」る構成が記載されている。 (1-20) 上記(1-6)の「探しルーティンを以下に説明する。ステップSI4では、移動ロボットは、居住者に問い合わせをし、その後ステップSI5で、相互交流の許可が与えられたかどうかを決定してもよい。そうであれば、移動ロボットは、SI6ステップで相互交流の行動を実行し、そうでない場合は、ステップSI7で、ロボットは、ロボットが拒否に関して遠隔介助者に連絡してもよいかどうかを決定するために与えられた許可を確認する。」、「さらなる投与計画は、類似するリマインダスキームとともに、移動ロボットによって支持されてもよい。例えば、ロボットは、すでにスケジュール50に入れられた、社交目的の訪問56、または娯楽事象58のためのリマンダを居住者に提供してもよい。薬剤遵守ルーティン54の間に、ロボットは、相互交流の目的を居住者に注意喚起し、投与する必要がある薬剤の量に留意し、また遵守ルーティンを進める許可を要求してもよい。」、及び「それに応じて、投与計画遵守の時間が来たことを単に居住者に注意喚起することによって、投与計画遵守の確率は増加する。」との記載より、引用例1には、「居住者に問い合わせをし、相互交流の許可が得られると、相互交流の行動を実行して、投与計画遵守の時間が来たことを居住者に注意喚起する、ロボット」が記載されている。 (1-21)引用発明 上記(1-18)~(1-20)から、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 (引用発明) 「居住者によってまたは遠隔オペレータもしくは介助者によって設定され、薬剤遵守ルーティン54を示すスケジュール50がプロセッサに保存され、 現在の時間を確認し、それと前記スケジュール50とを比較し、薬剤ルーティンまたは他の投与計画ルーティンを始める時間であると決定すると、居住者を探し始め、 居住者に問い合わせをし、相互交流の許可が得られると、相互交流の行動を実行して、投与計画遵守の時間が来たことを居住者に注意喚起する、ロボット。」 2 引用例2の記載事項 引用例2には、図面とともに次の事項が記載されている。 (2-1) 「【0001】 本発明は、ロボットがユーザーに対して得る好感度を評価して表現し、ロボットがユーザーの反応を通じて好感度を学習する装置及びその方法に関する。より詳細には、ユーザーの制御権、所属感に対する情報などの入力を受けてユーザーに対する親密度を計算し、他のユーザーとの関係を通じて好感度を最終的に評価して適切な行動と感情の表現を通じて好感度を表現し、これに対するユーザーの反応をタッチや音声で入力を受け好感度を学習する装置及びその方法に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、愛玩ロボット、掃除ロボット、教育用ロボットなどがヒトの日常生活の領域で活発に使用されながら、ユーザーがロボットと情緒的に親密感を感じることができるようにする研究が重要視されている。殊に、ユーザーがロボットから感じ取る親密感(感情状態)を認識し、ヒトと類似する適切な感情表現を通じてロボットの信頼度を高める研究がHRI(ヒト・ロボットインタラクション)分野で活発に進行されている。 【0003】 これと関連して、ロボットもやはりユーザーに対する好感度を生成して積極的に表現することによって、ロボットが能動的にヒトとの関係を形成していく研究が重要になってきた。しかし、ロボットが自分の好感度をユーザーに対して効果的に表現する方法と、ユーザーの持続的な反応によって好感度を適切に学習していく方法に対する研究は今のところ世界的な視野においても未開発の状態である。 【0004】 本発明は、前記のような実情に基づいて案出されたものであって、ロボットとユーザー個人との親密度を計算し、ロボットと多数ユーザーとの情緒関係の緊張度を計算してロボットの好感度を生成し、ユーザーの反応によってユーザーとの親密度を更新するとともに、ユーザーの持続的な反応に従って好感度を適切に学習していくためのロボットの好感度形成装置及びその方法を提供する。 【課題を解決するための手段】 【0005】 前記のような技術的課題を解決するために、本発明は、ロボットの好感度を形成する装置及びその方法に関し、ユーザーの入力特徴値の入力を受けて、ロボットとユーザーとの個人的な親密度mriを計算し、ロボットrとユーザーiとが他のユーザーとの関係の中で形成する緊張度Briを計算して、ユーザーに対するロボットの好感度を計算する好感度生成部と、前記好感度生成部を通じて生成されたロボットの好感度によってロボットの感情強度を調節し、ロボットの行動の前・後に好感度を表現する行動を付け加えて表現する好感度表現部と、前記好感度表現部を通じて計算されたユーザーに対するロボットの好感度表現の程度と、ユーザーの感情的反応の入力を受けて、2つの情報の差異に基づいて利益(profit)を計算し、これを利用してユーザーの入力特徴値を更新する好感度学習部とを包含してなる。 【発明の効果】 【0006】 本発明によれば、ロボットとユーザーとの持続的なサービスに基づいたインタラクションを通じて、ロボットがユーザーに対して好感度を形成することにより、他のユーザーとは異なる差別化されたサービスを提供することができる。 【0007】 例えば、居住空間の中に多数のユーザーが一緒にいるとき、ロボットは自分に有る好感度の高いユーザーに近寄って視線を合わせたり、感情の強度を極大化させて表現することができ、好感度の低いユーザーの呼出しの時には、これを回避するか、ためらうか、または、気色を窺ったりするなどの常套行動を通じてインタラクションを回避する意思を表して、相対的に好感度の高いユーザーには良く追従するロボットとして認識させることができる。 【0008】 また、本発明によれば、ロボットの機能をサービス領域だけでなく、家庭用エンタテインメントロボット、教育用ロボットなどの領域でも積極的に活用することができる。」 (2-2) 「【0011】 図1は、本発明の1実施形態によるロボットの好感度形成装置Rの全体構成図である。全体的に大別して好感度生成部100、好感度表現部200及び好感度学習部300とを包含して構成されている。 【0012】 前記好感度生成部100は、ユーザーの入力する特徴値の入力を受けてロボットとユーザーとの個人的な親密度mriを計算するとともに、ロボットrとユーザーiとが他のユーザーとの関係の中で形成する緊張度Briを計算して、ユーザーに対するロボットの好感度を計算する機能を行う。また、この好感度生成部100は、ユーザーの情報を登録するユーザー登録モジュール110、ユーザー選好モデリングモジュール120、類似性評価モジュール130、ユーザー間親密度設定モジュール140、情緒関係モデリングモジュール150、及び好感度計算モジュール160を含めて構成されている。」 (2-3) 「【0027】 次いで、好感度表現部200は、前記好感度生成部100を通じて生成されたロボットの好感度に従って、ロボットの感情強度を調節し、ロボットの行動の前・後に好感度を表現する行動を付け加えて表現する機能を行うが、常套行動表現モジュール210及び感情表現モジュール220とを含めて構成される。 【0028】 具体的に前記の常套行動表現モジュール210は、ロボットの行動の前・後に好感度を表現する行動を付け加えて表現する機能を有している。 【0029】 ここで、前記の常套行動は、ロボットがサービスを実行するための主行動の前・後に、ロボットの個性または感情状態を表現することができるように設定している固定された行動であって、これは、ロボットが実行するサービスに影響を与えることなしに、ロボットがユーザーに対して自在に自分の感情的意図を表現させるためである。即ち、嫌いなユーザーの呼出しの時、ユーザーに近寄るサービス行動をする前に気色の‘窺い’という事前常套行動を入力し、ユーザーに到着した後には‘視線をそらす’などという事後常套行動を入力してロボットの好感度を表現することができる。」 (2-4) 「【0032】 次の好感度学習部300は、前記好感度表現部200で計算されたユーザーに対するロボットの好感度表現程度とユーザーの感情的反応に対する入力を受けて、両情報の差異に基づいて利益を計算し、これを利用してユーザーの入力特徴値を更新する機能を果す装置であって、ユーザー反応入力モジュール310、利益計算モジュール320及び入力特徴値更新モジュール330とを包含して構成される。 【0033】 より具体的には、前記のユーザー反応入力モジュール310では、ユーザーの音声情報またはタッチ情報などを通じてユーザーの感情的反応の入力を受ける機能を行う。即ち、ユーザーの感情状態を、「喜び」、「怒り」、「中立」にして認識するとともに肯定的な報答と、否定的な報答として、その評価を区分する機能を果す。 【0034】 また、利益計算モジュール320では、前記好感度表現部200で計算された好感度表現の程度と前記のユーザー反応入力モジュール310とを通じて入力されたユーザーの音声情報またはタッチ情報などを含むユーザーの感情的反応に基づいて、利益を計算する機能を果す。即ち、ロボットがサービスを実行するために、努力した手間(Effort)とこの手間に対するユーザーの感情的反応に基づいて利益(Profit)を計算する機能を有するのである。」 (2-5) 「【0040】 即ち、利益計算モジュール320によって計算された利益pを利用して漸増的学習方法(incremental learning)を実行する。下記の式5のように、p値の入力を受けて、ユーザーの入力情報である制御権f1と所属感f2のハイパー空間上における位置を更新して、新しい親密度の値を得ることになる。図4で示すように、更新された特徴ベクターは、目的とするハイパーボックスに向かって移動するようになり、そのときの所属値がさらに計算されて親密度の値が更新されるようになる。」 (2-6) 「【0042】 次は、図5のフローチャートに沿って、本発明の1実施形態における上述したロボットの好感度形成装置Rによる、ロボットの好感度形成方法について説明する。 【0043】 まず、好感度生成部100のユーザー登録モジュール110で、ユーザーの制御権の程度及び所属感の程度に関する入力特徴値の入力を受けて登録する段階(S110)。次は、類似性評価モジュール130で、前記入力特徴値ベクター位置の各クラスに対する所属値、即ち、親密度mriを計算する段階(S120)。 【0044】 次いで、ユーザー間の親密度を設定するモジュール140で、初めて登録するユーザーと既に登録されているユーザーとの親密度を設定する段階(S130)、情緒関係モデリングモジュール150で、前記ユーザー間の親密度設定モジュール140によって初めて登録するユーザーと、既に登録されているユーザー間の親密度mri、即ち、ユーザー間の親密度の入力を受けることによって、ロボットrとユーザーiとが他のユーザーとの関係の中で形成する緊張度Briを計算する段階(S140)、好感度計算モジュール160で、前記類似性評価モジュール130を通じて計算されたロボットとユーザー間の個人的な親密度と、情緒関係モデリングモジュール150を通じて計算された緊張度を利用して、ユーザーに対するロボットの好感度Liを計算する段階(S150)。 【0045】 その後、好感度表現部200の常套行動表現モジュール210及び感情表現モジュール220で、計算されたロボットの好感度によってロボットの常套行動と感情の強度を調節して好感度を表現する段階(S160)。 【0046】 次の好感度学習部300のユーザー反応入力モジュール310は、ユーザーの音声情報またはタッチ情報などを通じてユーザーの感情的反応の入力を受ける段階(S170)、利益計算モジュール320で、前記好感度表現部200を通じて計算されたユーザーに対するロボットの好感度表現程度と、前記ユーザーの感情的反応を利用して利益を計算する段階(S180)、入力特徴値更新部330で、前記利益計算モジュール320によって計算された利益からユーザーの入力特徴値を更新する段階(S190)、とを経てロボットの好感度を形成する各段階を終了する。」 (2-7) 図5 [図:0001425391000008.jpg] (2-8)引用例2記載事項 上記(2-1)~(2-7)から、引用例2には、次の技術的事項(以下「引用例2記載事項」という。)が記載されていると認められる。 (引用例2記載事項) 「サービスを実行するための主行動の前・後に、ロボットの感情状態を表現するロボットにおいて、ロボットrとユーザーiとの個人的な親密度mriと、ロボットrとユーザーiとが他のユーザーとの関係の中で形成する緊張度Briを利用して、ユーザーiに対するロボットrの好感度Liを計算し、ユーザーiの反応によって親密度mriを更新するとともに、好感度Liを学習し、ユーザーiに対して適切な行動と感情の表現を通じて好感度Liを表現するロボット。」 第5 対比(一致点、相違点の認定) 本願発明と、引用発明とを対比する。 1 引用発明の「居住者」は、本願発明における「報知対象者」に相当し、引用発明の「薬剤遵守ルーティン54を示すスケジュール50」は、「居住者」に「投与計画遵守の時間が来たことを」「注意喚起する」にあたり、「薬剤ルーティンまたは他の投与計画ルーティンを始める時間であると決定」すべく、現在の時間と比較されるものと解されるから、居住者に対して、実行すべき薬剤投与を注意喚起するための情報と解され、本願発明の「報知対象者に対して実行すべき情報の報知動作を実行するための実行情報」に相当する。また、引用発明は、この「薬剤遵守ルーティン54を示すスケジュール50」が「居住者によってまたは遠隔オペレータもしくは介助者によって設定され」、「プロセッサに保存され」るから、「居住者によってまたは遠隔オペレータもしくは介助者によって設定され」たスケジュール50を取得し、プロセッサに保存する手段を当然備えているものである。そうすると、引用発明の「居住者によってまたは遠隔オペレータもしくは介助者によって設定され、薬剤遵守ルーティン54を示すスケジュール50がプロセッサに保存され」ることは、本願発明の「報知対象者に対して実行すべき情報の報知動作を実行するための実行情報を取得する実行情報取得部」をロボットが備えることに相当する。 2 引用発明の「現在の時間を確認し、それと前記スケジュール50とを比較し、薬剤ルーティンまたは他の投与計画ルーティンを始める時間であると決定する」ことは、「居住者によってまたは遠隔オペレータもしくは介助者によって設定され」、「プロセッサに保存され」た「スケジュール50」を用いているから、本願発明の「前記実行情報取得部において取得された前記実行情報に基づ」くことに相当し、引用発明において「居住者を探し始め」ることは、居住者を探し始める手段を当然備えていることになるから、本願発明の「前記報知対象者を探索する探索部」に相当する。そうすると、引用発明の「現在の時間を確認し、それと前記スケジュール50とを比較し、薬剤ルーティンまたは他の投与計画ルーティンを始める時間であると決定すると、居住者を探し始め」ることは、本願発明の「前記実行情報取得部において取得された前記実行情報に基づき、前記報知対象者を探索する探索部」をロボットが備えることに相当する。 3 引用発明において、「居住者に問い合わせをし」、「居住者に注意喚起する」ことは、現在の時間とスケジュール50との比較に基づき、「探し始め」た居住者が探された結果、この居住者に対して「問い合わせをし」、「注意喚起する」ものであり、また、注意喚起する手段を当然備えているものであるから、引用発明の「居住者に問い合わせをし、相互交流の許可が得られると、相互交流の行動を実行して、投与計画遵守の時間が来たことを居住者に注意喚起する」ことは、本願発明の「前記探索部において探索された前記報知対象者に対して、前記実行情報及び前記報知対象者との親密度に基づき前記報知動作を実行する報知動作実行部」を備えることと、探索部において探索された報知対象者に対して、実行情報に基づき報知動作を実行する報知動作実行部を備える点で共通する。 してみると、本願発明と、引用発明とは、次の点で一致し、次の点で相違する。 (一致点) 報知対象者に対して実行すべき情報の報知動作を実行するための実行情報を取得する実行情報取得部と、 前記実行情報取得部において取得された前記実行情報に基づき、前記報知対象者を探索する探索部と、 前記探索部において探索された前記報知対象者に対して、前記実行情報に基づき前記報知動作を実行する報知動作実行部と を備える、ロボット。 (相違点) 探索部において探索された報知対象者に対して、実行情報に基づき報知動作を実行する報知動作実行部に関して、本願発明は、報知動作実行部が、実行情報及び「報知対象者との親密度」に基づき報知動作を実行するのに対し、引用発明は、現在の時間を確認し、それと前記スケジュール50とを比較し、薬剤ルーティンまたは他の投与計画ルーティンを始める時間であると決定すると、居住者を探し始め、投与計画遵守の時間が来たことを居住者に注意喚起するものであり、居住者との親密度に基づき注意喚起するものではない点。 第6 判断(相違点についての検討) 上記相違点について検討する。 引用発明は、居住者に対し、相互交流の行動を実行するものであって、引用例1には、前記第4 1 (1-1)の「ロボットプラットフォームはしばしば、実際の家庭環境、または家庭環境において、コンパニオンロボットを差し出がましくない、歓迎される客にするなど、個人的好みおよび関心事を考慮に入れていない。」、(1-3)の「ロボットはユーザの信頼と愛着を増加させるため、一般的利益を有し、ありとあらゆるその他の応用の成功率を増加させるシステム(プライバシー保護、相互交流システム)を含んでいる。」の記載によると、ユーザ(居住者)の信頼及び愛着を高めるという課題が示唆されている。 また、引用例1には、前記第4 1 (1-5)、(1-11)~(1-12)によると、ユーザ(居住者)に豊かな相互交流体験を提供するために、感情表現や人間と同じ身振りの合図を提供することが記載されている。 引用例2記載事項は、引用例2の前記第4 2 (2-1)の「近年、愛玩ロボット、掃除ロボット、教育用ロボットなどがヒトの日常生活の領域で活発に使用されながら、ユーザーがロボットと情緒的に親密感を感じることができるようにする研究が重要視されている。殊に、ユーザーがロボットから感じ取る親密感(感情状態)を認識し、ヒトと類似する適切な感情表現を通じてロボットの信頼度を高める研究がHRI(ヒト・ロボットインタラクション)分野で活発に進行されている。」の記載によると、ユーザーがロボットと情緒的に親密感を感じることができるようにすること、ヒトと類似する適切な感情表現を通じてロボットの信頼度を高めることを背景とするものである。 引用発明と、引用例2記載事項とは、ともにユーザーのロボットに対する愛着あるいは親密感を高めようとするものである点、及びロボットに人間と同様の感情表現をさせるものである点で共通するから、引用発明において、「相互交流の行動を実行して、投与計画遵守の時間が来たことを居住者に注意喚起する」にあたり、居住者のロボットに対する愛着あるいは親密感を高めるべく、引用例2記載事項に基づいて、ロボットと居住者との個人的な親密度と、緊張度とを利用した好感度を表現するように、居住者に対して感情の表現を行い、本願発明の相違点に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 また、本願発明の「親密度に応じて報知動作を実行することにより、報知対象者に応じた報知動作を実行することが可能となる。」(段落【0097】)という作用効果は、引用発明及び引用例2記載事項から当業者が予測できる範囲のものである。 請求人は、審判請求書において、引用例2(拒絶査定における引用文献4)には、「多数のユーザーがいる場合にその中から好感度の高いユーザに近寄って視線を合わせたり、追従したりする動作という、報知対象者に報知すべき報知動作とは無関係の動作をとるロボットが開示されているにとどまる。」と主張している。 しかしながら、前記第4 2 (2-3)の「ここで、前記の常套行動は、ロボットがサービスを実行するための主行動の前・後に、ロボットの個性または感情状態を表現することができるように設定している固定された行動であって、これは、ロボットが実行するサービスに影響を与えることなしに、ロボットがユーザーに対して自在に自分の感情的意図を表現させるためである。即ち、嫌いなユーザーの呼出しの時、ユーザーに近寄るサービス行動をする前に気色の‘窺い’という事前常套行動を入力し、ユーザーに到着した後には‘視線をそらす’などという事後常套行動を入力してロボットの好感度を表現することができる。」と記載されるとおり、ロボットがサービスを実行するための主行動と、主行動の前・後に、ロボットの個性または感情状態を表現することができるように設定している常套行動は、一続きの行動であるといえ、主行動と常套行動は、無関係ではなく関係する動作であるといえる。また、引用例2には、サービスを実行するための主行動が報知対象者に報知すべき報知動作である点の明記はないものの、引用発明は居住者に注意喚起するものである上、引用例2の前記第4 2 (2-1)に示されるとおり、引用例2のロボットは、家庭内でのサービス領域や教育用ロボットとして用いることが想定されているから、当業者であれば、サービスを提供する主行動において、ユーザーに注意喚起する引用発明に適用することは想起できる事項である。 上述のとおり、請求人の主張は採用できない。 以上によると、本願発明は、引用発明及び引用例2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第7 むすび(結論) 上記のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、この出願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-006418

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