審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2024-005306

プログラム、コード出力方法、及び端末装置

審判番号
2024-005306
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2022-193985外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2024年03月29日
審決日
2026年03月04日
公報発行日
2026年05月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (G09G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第44条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2022-193985「プログラム、コード出力方法、及び端末装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 5年 3月 7日出願公開、特開2023- 29961〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 27項目
理 由

1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

(1) 出願分割の経緯の概略

本願は、令和4年12月5日にされた特許法44条1項の規定による特許出願であって、平成28年1月8日に出願した特願2016-002558号を最先の出願とする、いわゆる第3世代の分割出願であるところ、出願の分割の経緯は、次のとおりである。なお、括弧内は当該出願の提出日を示す。

最先の出願 :特願2016-002558号(平成28年1月8日)
第1世代分割:特願2019-199503号(令和元年11月1日)
第2世代分割:特願2021-116055号(令和3年7月14日)
本願 :特願2022-193985号(令和4年12月5日)

(2) 本願の手続の経緯の概略

本願の出願後の手続の経緯の概略は、次のとおりである。

令和5年 3月 6日 :上申書、手続補正書の提出

同年 8月31日付け:拒絶理由通知

同年10月25日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 1月26日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)

(同年 2月 6日 :原査定の謄本の送達)

同年 3月29日 :審判請求書、手続補正書の提出

令和7年 9月24日付け:拒絶理由通知
同年11月14日 :意見書、手続補正書の提出

なお、令和7年9月24日付けで当審において通知した拒絶理由通知を、以下「当審拒絶理由通知」という。

また、令和7年11月14日付けで請求人が提出した意見書を、以下「意見書」という。

2 本願発明について

(1) 本願発明の認定

本願の請求項2に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和7年11月14日に提出された手続補正書により補正された請求項2に記載された次に示す事項により特定されるとおりのものである。

「【請求項2】
会員証を識別する識別情報が埋め込まれたコードであり、コード読み取り機により読み取られるコードを有するデジタル会員証を出力する端末装置におけるコード出力方法であり、出力部と、他情報出力部とにより実現されるコード出力方法であって、
前記出力部が、当該端末装置の画面の第一領域に前記コードを出力する出力ステップと、前記他情報出力部が、当該端末装置の画面の第二領域に、前記コード以外の情報であり、前記会員証の画像である他情報を出力する他情報出力ステップとを具備し、
前記端末装置がスマートフォンである場合は前記コード及び前記他情報を表示し、前記端末装置がスマートウォッチである場合は前記他情報を表示せずに前記コードを表示することを特徴とするコード出力方法。」

(2) 本願発明の分説

検討の便宜上、本願発明の構成を次のように構成Xと構成Aから構成Dまでに分説する。また、参考図として、本願の【図9】、【図11】を掲載する。

<本願発明の分説>

X 会員証を識別する識別情報が埋め込まれたコードであり、コード読み取り機により読み取られるコードを有するデジタル会員証を出力する端末装置におけるコード出力方法であり、

A 出力部と、他情報出力部とにより実現される

X コード出力方法であって、

B 前記出力部が、当該端末装置の画面の第一領域に前記コードを出力する出力ステップと、

C 前記他情報出力部が、当該端末装置の画面の第二領域に、前記コード以外の情報であり、前記会員証の画像である他情報を出力する他情報出力ステップとを具備し、

D 前記端末装置がスマートフォンである場合は前記コード及び前記他情報を表示し、前記端末装置がスマートウォッチである場合は前記他情報を表示せずに前記コードを表示することを特徴とする

X コード出力方法。

<参考図>

【図9】

[図:0001434611000001.jpg]

【図11】

[図:0001434611000002.jpg]

(3) 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載

本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものである。

「【背景技術】
【0002】
従来から、スマートフォンなどの携帯端末で利用されるデジタル会員証を提供するアプリがある。これらのデジタル会員証では、会員情報が埋め込まれたバーコードを画面に表示する。これらのバーコードは、ライブラリに蓄積されたものが利用されるため、一定の大きさである。他方、携帯端末の画面サイズにはそれぞれに違いがある。そこで、従来技術では、画面サイズに合わせて、バーコードを拡大または表示している(例えば、非特許文献1参照)。また、画面サイズを考慮せずに、受け付けられたコードをそのままのサイズで表示するものもあった。
【先行技術文献】
続きを表示(全42行)
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“T-POINT/T-CARD”、[online]、[平成27年9月23日検索]、インターネット[URL:http://tsite.jp/r/mb-tcard/tsutaya/web/index.html]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バーコードを拡大または縮小して画面サイズに合わせて表示する場合、ギザギザの輪郭が際立ったり、ぼけた画像となったり、不自然なコードの表示となりうる、という問題があった。また、受け付けられたコードをそのまま表示する場合も、端末装置の画面を有効に利用したコードの表示ができない、という問題があった。
【0005】
そのため、従来技術において、表示されたバーコードの読取りが容易ではなかった。一般的に、デジタル会員証を提示する場面はレジの前であり、それ故、デジタル会員証の会員からしても店舗側からしても、素早いポイント処理(会員確認、ポイント付与、ポイント消費等)が求められるが、バーコードの読取りが容易でない場合、素早いポイント処理ができなくなる、といった問題があった。そこで、本願発明は、従来技術に比べ、より容易に読取可能なバーコードを表示するデジタル会員証を提供し、素早いポイント処理を可能とすることを目的とする。
…(中略)…
【0079】
具体例1は、サイズ情報管理表を参照し、サイズ情報からバーコードのサイズを決定する場合である。具体例2は、演算式にサイズ情報の全部または一部の情報を代入し、バーコードのサイズを決定する場合である。具体例3は、他情報も出力する場合であり、他情報が会員証を構成する情報である場合である。具体例4は、画面サイズが小さい時計型端末にバーコードのみを表示する例である。つまり、具体例4では、画面サイズが小さいため、他情報が表示できない場合である。具体例5は、2以上の他情報も出力する場合であり、一の他情報が会員証を構成する情報であり、他の他情報が広告情報である場合である。
…(中略)…
(具体例3)
【0103】
今、サーバ装置11のサーバ格納部111は、図8に示す会員証の画像を格納している、とする。また、端末装置12の格納部121は、図4に示すサイズ情報管理表を保持している。
【0104】
かかる状況において、ユーザAは、自分のスマートフォンに、ユーザID「1234」とパスワード「abcd」とを有する会員証の送信指示を入力した、とする。次に、送信部123は、会員証の送信指示をサーバ装置11に送信する。
…(中略)…
【0111】
次に、出力手段1272は、出力方向「縦」に従って、生成されたバーコードを画面上に表示する。
【0112】
また、他情報出力部128は、サイズ情報「w2×h2」「x2×y2」を用いて、端末装置12の画面全体に受信された図8の会員証の画像が表示されるように、図8の会員証の画像を拡大する。そして、他情報出力部128は、端末装置12の画面全体に、拡大した会員証の画像を縦方向に表示する。なお、他情報出力部128は、会員証の画像がバーコードの背景となるように、会員証の画像を出力する、とする。かかる出力例は、図8である。
…(中略)…
(具体例4)
【0114】
今、サーバ装置11のサーバ格納部111は、図8に示す会員証の画像を格納している、とする。また、端末装置12の格納部121は、図4に示すサイズ情報管理表を保持している。
【0115】
ユーザAは、自分のスマートウォッチ(時計型端末)に、ユーザID「1234」とパスワード「abcd」とを有する会員証の送信指示を入力した、とする。次に、送信部123は、会員証の送信指示をサーバ装置11に送信する。なお、スマートウォッチ(時計型端末)は、端末装置12の一例である。
…(中略)…
【0112】
次に、出力手段1272は、出力方向「横」に従って、生成されたバーコードを画面上に表示する。かかる表示例は、図9である。
…(中略)…
【0123】
次に、他情報出力部128は、端末装置12の画面内に、第二領域が存在しない、と判断する。つまり、他情報出力部128は、バーコードが表示された第一領域以外の領域が、他情報を表示するために必要な閾値以上の領域ではない(「第二領域が存在しない」ことと同意義である、とする)と判断する。そして、他情報出力部128は、会員証の画像を表示しない。
…(中略)…
【0138】
以上、本実施の形態によれば、読み取りが容易なコードを画面に表示できる。」

3 当審拒絶理由通知における拒絶の理由の概要

当審拒絶理由通知における拒絶の理由のうち、本願の請求項2に係る発明に対する理由1(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。

理由1(進歩性の欠如) 本願の請求項2に係る発明は、出願前に発行された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

記

引用文献1.特開2015-90570公報

引用文献5.特開2015-219560公報(主たる引用文献)

4 引用文献5の記載事項及び引用発明の認定

折りたたみ中(クリックで表示)

(1) 引用文献5に記載された事項

当審拒絶理由通知における拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された文献である特開2015-219560公報(以下「引用文献5」という。)には、次の記載がある。

なお、当合議体により、後記(3)の引用発明の認定に直接用いる記載に下線を付した。

ア 段落【0018】~【0027】、【図1】

「【0018】
以下、実施形態としての端末装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の端末装置を含む会員証処理システムの構成例を示している。同図に示す会員証処理システムは、端末装置100、アプリケーションサーバ200、レジスタ300A、300B及びポイント管理サーバ400A、400Bを備える。同図においては、本実施形態の会員証処理システムに対応する店舗として2つの店舗A、店舗Bが示されている。店舗Aと店舗Bとは、それぞれ、互いに異なる系列の店舗である。店舗Aと店舗Bとで顧客が使用可能な会員証も、店舗Aでは会員証CD-A、店舗Bでは会員証CD-Bというように異なる。
レジスタ300Aとポイント管理サーバ400Aは、店舗Aに対応する。レジスタ300Aは店舗A内に設置され、ポイント管理サーバ400Aはレジスタ300Aと接続される。ポイント管理サーバ400Aは、店舗Aが提携しているポイントサービスに対応して運用されるサーバである。
また、レジスタ300Bとポイント管理サーバ400Bは、店舗Bに対応する。レジスタ300Bは店舗B内に設置され、ポイント管理サーバ400Bはレジスタ300Bと接続される。ポイント管理サーバ400Bは、店舗Bが提携しているポイントサービスに対応して運用されるサーバである。」
「【図1】
[図:0001434611000003.jpg]
」
「【0019】
端末装置100は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末などであり、店舗の顧客であるユーザが所持する。
端末装置100には、情報提供アプリケーションがインストールされている。情報提供アプリケーションは、アプリケーションサーバ200の運営者と提携する店舗のうちの特定の店舗に対応する。以降においては、端末装置100にインストールされた情報提供アプリケーションが店舗Aと提携するポイントサービスに対応する場合を例に挙げる。
【0020】
続きを表示(全28行)
店舗Aに対応する情報提供アプリケーションは、店舗Aに関連してユーザに提供される情報(ユーザ提供情報)を、アプリケーションサーバ200経由でポイント管理サーバ400Aから受信し、受信したユーザ提供情報を画面に表示することができる。
そのうえで、本実施形態の情報提供アプリケーションは、店舗Aにて顧客が使用可能な会員証としての画像を画面に表示することができる。
【0021】
端末装置100にインストールされた情報提供アプリケーションは、最初に起動されたときに初期登録画面を表示し、ユーザに初期登録を促す。
初期登録にあたり、ユーザは、例えばユーザ名などのユーザアカウントと、パスワードなどを入力する。なお、ユーザアカウントにはユーザ名のほかに電話番号なども含まれてよい。また、ユーザは、例えば自分が所有しているカード形式の会員証CD-Aに対応付けられた番号である、会員番号を入力する。
【0022】
端末装置100は、上記のように入力されたユーザアカウント、パスワード、会員番号などの情報をユーザ登録情報としてアプリケーションサーバ200に送信する。
ここで、ユーザ登録情報には、情報提供アプリケーションが対応するポイントサービスがいずれであるのかを示すポイントサービス識別情報が付加されている。この場合のアプリケーションサーバ200は、受信したユーザ登録情報に付加されたポイントサービス識別情報により示されるポイントサービスが店舗Aと提携するポイントサービスであることを識別する。そこで、アプリケーションサーバ200は、ユーザ登録情報に含まれるユーザ登録情報を、店舗Aと提携するポイントサービスに対応するポイント管理サーバ400Aに送信する。
【0023】
ポイント管理サーバ400Aは受信したユーザ登録情報に含まれる所定の情報を利用してユーザ認証を実行する。一例として、ポイント管理サーバ400Aは、自己が記憶している登録済みの会員情報のうちで、ユーザ登録情報に含まれるユーザアカウントと会員番号の組み合わせを含む会員情報があればユーザ認証が成立したものと判定する。
ポイント管理サーバ400Aは、ユーザ認証が成立した場合には、例えばユーザ登録情報に含まれるパスワードを、ユーザ登録情報に含まれるユーザアカウントと会員番号の組み合わせを含む会員情報に追加登録する。このようにして、ポイント管理サーバ400Aにおいて、情報提供アプリケーションに関するユーザ登録が完了する。
【0024】
また、アプリケーションサーバ200は、受信したユーザ登録情報に含まれる会員番号が示されるバーコードが表されたバーコード画像を生成する。アプリケーションサーバ200は、生成したバーコード画像を端末装置100に送信する。
端末装置100において、情報提供アプリケーションは、受信したバーコード画像を、端末装置100が備える記憶部に記憶させる。
【0025】
なお、端末装置100上で動作する情報提供アプリケーションが、ユーザの操作によって入力された会員番号を利用してバーコード画像を生成し、生成したバーコード画像を記憶部に記憶させるように構成してもよい。即ち、バーコード画像の生成と記憶とについては、端末装置100において完結して行われるようにすることも可能である。
【0026】
上記のように初期登録が完了した後において、ユーザが端末装置100上で情報提供アプリケーションを起動させると、情報提供アプリケーションは、アプリケーションサーバ200に対して接続要求を送信する。この場合の接続要求には、ユーザアカウント、パスワード、会員番号などがユーザ認証情報として含まれる。また、接続要求には、情報提供アプリケーションが対応するポイントサービスが、店舗Aと提携するポイントサービスであることを示すポイントサービス識別情報が付加される。
アプリケーションサーバ200は、受信された接続要求に付加されたポイントサービス識別情報により示されるポイントサービスが店舗Aと提携するポイントサービスであることを識別する。そこで、アプリケーションサーバ200は、ユーザ提供情報項目要求を、店舗Aが提携するポイントサービスに対応するポイント管理サーバ400Aに送信する。ユーザ提供情報項目要求には、接続要求に含まれていたユーザ認証情報が含められる。なお、1つのアプリケーションサーバに対して連動しているポイントサービスが1つである場合等、ポイントサービスを識別する必要がない場合においては、ポイントサービス識別情報を付加することによるポイントサービスの識別は不要としてもよい。
【0027】
ポイント管理サーバ400Aは、ユーザ提供情報項目要求を受信するのに応じて、ユーザ提供情報項目要求に含まれるユーザ認証情報を利用した認証を行う。認証が成立すると、ポイント管理サーバ400Aは、ユーザアカウントに対応するユーザ提供情報項目を収集する。ユーザ提供情報項目とは、ユーザ提供情報に含まれる情報項目である。ポイント管理サーバ400Aは、ユーザ提供情報項目として、例えば、該当ユーザに対応する現在のポイント、ポイントの有効期限などのポイントに関連する情報などを収集する。これらのポイントに関連する情報は、例えば会員番号と対応付けられている。また、さらに、ユーザ提供情報項目には、店舗Aからの特売、キャンペーンなどのお知らせなどの情報も含めることができる。ポイント管理サーバ400Aは、収集したユーザ提供情報項目をアプリケーションサーバ200に送信する。
アプリケーションサーバ200は、受信されたユーザ提供情報項目を含むユーザ提供情報を生成する。なお、店舗の特売、キャンペーンなどのお知らせなどの情報については、アプリケーションサーバ200側で記憶しておくようにして、アプリケーションサーバ200がこれらのお知らせの情報をユーザ提供情報に含めるようにしてもよい。
そして、アプリケーションサーバ200は、生成したユーザ提供情報を、接続要求の送信元の端末装置100に送信する。
端末装置100において、情報提供アプリケーションは、受信されたユーザ提供情報を画面に表示する。つまり、端末装置100上で動作する情報提供アプリケーションの画面においては、ポイントの累積値、ポイントの有効期限、さらには、店舗からのセールの通知などを含むユーザ提供情報としてのテキストや画像などが表示される。」

イ 段落【0028】~【0031】

「【0028】
また、端末装置100上で動作する情報提供アプリケーションは、端末装置100の記憶部に記憶されているバーコード画像を利用して、店舗Aで使用可能な会員証の画像(会員証画像)を画面に表示することができる。
店舗Aは、例えばカード形式の会員証CD-Aを顧客に配布している。端末装置100において情報提供アプリケーションにより表示される会員証は、カード形式の会員証CD-Aと同様の機能を有する。具体的に、会員証CD-Aには、1つの会員番号が付与されている。そして、端末装置100の画面に表示される会員証画像は、カード形式の会員証CD-Aに付与されているのと同じ会員番号を示すバーコードの画像を含んでいる。
【0029】
続きを表示(全12行)
顧客としてのユーザは、上記のように端末装置100の画面に表示させた会員証画像を、カード形式の会員証CD-Aと同様に使用することができる。
つまり、店舗Aにて商品を購入したりサービスを受けるなどした顧客は、料金の支払いに際して、端末装置100の画面に表示させた会員証画像を、会員証CD-Aに代えて提示することができる。
店舗Aの店員は、提示された会員証CD-Aのバーコードをレジスタ300が備えるバーコードリーダによって読み取ったうえで、料金についての精算を行う。
レジスタ300は、会員証画像から読み取ったバーコードが示す会員番号と、今回の精算内容を示す精算情報とをポイント管理サーバ400に送信する。
…(中略)…
【0031】
このように、本実施形態の情報提供アプリケーションが動作する端末装置100は、カード形式の会員証CD-Aに付与されたのと同じ会員番号を示すバーコード画像を含む会員証画像を表示することができる。そして、ユーザは、店舗Aにて、端末装置100に表示された会員証画像を、カード形式の会員証CD-Aと同じように使用することができる。
このように端末装置100に表示された会員証画像が店舗Aにて実物の会員証と同様に使用可能になることで、ユーザは、カード形式の会員証を所持していなければならない煩わしさから解放される。」

ウ 段落【0034】~【0037】、【図2】

「【0034】
[会員証画面の表示態様例]
続いて、図2を参照して、端末装置100における会員証画面の表示態様例について説明する。
端末装置100上で、初期登録済みの情報提供アプリケーションを起動させるのに応じて、端末装置100の表示部104においては、初期画面として、同図に示す会員証画面が表示される。」
「【図2】
[図:0001434611000004.jpg]
」
「【0035】
表示部104に表示される会員証画面においては、会員証画像領域AR1(バーコード画像対応領域の一例)とユーザ提供情報領域AR2とが配置される。
会員証画像領域AR1には会員証画像が表示される。会員証画像領域AR1に表示される会員証画像には、カード形式による実物の会員証CDに付与されているのと同じ会員番号を示すバーコード画像Pbcが含まれている。
【0036】
前述もしたように、ユーザは、店舗にて料金を支払う際に、同図に示す会員証画面を表示させ、実物の会員証CDの代わりに提示することができる。店員は、提示された会員証画面の会員証画像領域AR1において表示されるバーコード画像Pbcの部分をレジスタ300が備えるバーコードリーダで読み取らせる。このようにバーコード画像Pbcのバーコードが読み取られることにより、前述のように、ポイント管理サーバ400がポイントを管理することができる。
このようにして、会員証画像においてバーコード画像Pbcが含まれていることで、ユーザは、端末装置100の表示部104に表示させた会員証画像を、実物の会員証CDと同様に会員証として使用することができる。
【0037】
また、ユーザ提供情報領域AR2においては、通信を介してアプリケーションサーバ200から受信したユーザ提供情報として、ポイントの累積値、ポイントの有効期限、ユーザアカウント、さらには店舗からのサービスの通知などの情報がテキストあるいは画像などにより表示される。同図においては、ポイントの累積値、ポイントの有効期限、ユーザアカウントなどがテキストに表示された例が示されている。」

エ 段落【0060】~【0064】、【図3】

「【0060】
[端末装置の構成例]
次に、図3を参照して本実施形態の端末装置100の構成例について説明する。同図に示す端末装置100は、通信部101、制御部102、記憶部103、表示部104及び操作部105を備える。
通信部101は、所定の通信網経由でアプリケーションサーバ200と通信を実行する。」
「【図3】
[図:0001434611000005.jpg]
」
「【0061】
制御部102は、端末装置100における各種制御を実行する。制御部102としての機能は、例えば制御部102において備えられるCPU(Central Processing Unit)が、記憶部103に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
本実施形態における制御部102は、バーコード画像の管理に関連する機能部として登録処理部121を備える。また、制御部102は、会員証画面の表示に関連する機能部として、表示制御部122、輝度制御部123及びスリープ機能制御部124(非表示化機能制御部の一例)を備える。
登録処理部121、表示制御部122、輝度制御部123及びスリープ機能制御部124の各機能は、制御部102におけるCPUが、情報提供アプリケーションを実行することによって実現される。
…(中略)…
【0064】
表示制御部122は、情報提供アプリケーションによる画面にバーコード画像を表示する場合に、ユーザ提供情報に含まれる外部情報が通信を介して取得されているか否かにかかわらず、記憶部103から読み出したバーコード画像を画面に表示する。つまり、表示制御部122はアプリケーションサーバ200から送信されたユーザ提供情報が受信されているか否かにかかわらず、記憶部103から読み出したバーコード画像を含む会員証画像を、会員証画面における会員証画像領域AR1に表示する。」

オ 段落【0076】~【0081】、【図5】

「【0076】
続いて、図5のフローチャートを参照して、端末装置100が会員証画面の表示に関連して実行する処理手順例について説明する。
端末装置100において、表示制御部122は、先ず、会員証画面の基礎レイヤ画像を表示する(ステップS401)。会員証画面の基礎レイヤ画像は、会員証画面としての背景となる画像であって、会員証画像領域AR1における会員証画像と、ユーザ提供情報領域AR2におけるユーザ提供情報の画像とが表示されていない態様の画像である。」
「【図5】
[図:0001434611000006.jpg]
」
「【0077】
次に、表示制御部122は、記憶部103のバーコード画像記憶部131からバーコード画像を読み出す(ステップS402)。
次に、表示制御部122は、ステップS402にて読み出したバーコード画像を含む会員証画像を生成する(ステップS403)。
表示制御部122は、ステップS403にて生成した会員証画像を、会員証画面の基礎レイヤ画像における会員証画像領域AR1に表示する(ステップS404)。
続きを表示(全13行)
…(中略)…
【0080】
次に、表示制御部122は、アプリケーションサーバ200に対して接続要求を送信する(ステップS407)。
次に、表示制御部122は、ステップS407による接続要求の送信に応じて、アプリケーションサーバ200との接続が確立されたか否かについて判定する(ステップS408)。
通信状態が良好であって、かつ、アプリケーションサーバ200が応答可能な状態であれば、接続要求がアプリケーションサーバ200にて受信され、アプリケーションサーバ200からは接続要求に対する正常応答が送信される。つまり、端末装置100とアプリケーションサーバ200と間で接続が確立される。
これに対して、通信状態が良好でない場合、あるいは、通信状態が良好であってもアプリケーションサーバ200から一定時間以上にわたって応答が得られない場合には、アプリケーションサーバ200との間で接続が確立されない。
【0081】
接続が確立された場合(ステップS408-YES)、アプリケーションサーバ200からは接続要求に含まれていたユーザアカウントに対応するユーザ提供情報が送信され、送信されたユーザ提供情報が端末装置100の通信部101にて受信される。
そこで、表示制御部122は、アプリケーションサーバ200から送信されたユーザ提供情報を通信部101経由で取得する(ステップS409)。そして、表示制御部122は、ステップS409により取得したユーザ提供情報を、会員証画面の基礎レイヤ画像におけるユーザ提供情報領域AR2に表示する(ステップS410)。」

(2) 引用文献5の記載から読み取れる事項の認定

ア 引用文献5の【0077】の「次に、表示制御部122は、記憶部103のバーコード画像記憶部131からバーコード画像を読み出す(ステップS402)。次に、表示制御部122は、ステップS402にて読み出したバーコード画像を含む会員証画像を生成する(ステップS403)。表示制御部122は、ステップS403にて生成した会員証画像を、会員証画面の基礎レイヤ画像における会員証画像領域AR1に表示する(ステップS404)。」なる記載から、会員証画像領域AR1に表示する画像は、バーコード画像を含む会員証画像であり、当該会員証画像は、表示制御部122が、読み出したバーコード画像を含むように生成するものである。

イ 前記アの検討から、会員証画像は、バーコード画像と当該バーコード画像を含まない会員証画像を構成する画像から構成されるものと認められるところ、引用文献5の【0077】の記載から、以下事項(以下「引用文献5認定事項」という。)が認定できる。

「会員証画像は、バーコード画像と当該バーコード画像を含まない会員証画像を構成する画像から構成されること。」

(3) 引用発明の認定

前記(2)において認定した事項及び前記(1)に摘記した引用文献5の記載事項を総合すると、引用文献5には、実施例(【図2】)に係る次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、認定の根拠となる記載箇所を括弧内に示した。

<引用発明>

「端末装置100の表示部104において、初期画面として会員証画面を表示する方法であって、【0034】
端末装置100は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末などであり、店舗の顧客であるユーザが所持するものであり、【0019】
端末装置100上で動作する情報提供アプリケーションは、端末装置100の記憶部に記憶されているバーコード画像を利用して、店舗Aで使用可能な会員証の画像(会員証画像)を画面に表示することができ、【0028】
端末装置100に表示された会員証画像が店舗にて実物の会員証と同様に使用可能になることで、ユーザは、カード形式の会員証を所持していなければならない煩わしさから解放されるものであり、【0031】
続きを表示(全18行)
表示部104に表示される会員証画面においては、会員証画像領域AR1とユーザ提供情報領域AR2とが配置され、【0035】
会員証画像領域AR1には会員証画像が表示され、会員証画像には、会員番号を示すバーコード画像Pbcが含まれ、【0035】
会員証画像は、バーコード画像と当該バーコード画像を含まない会員証画像を構成する画像から構成され、(引用文献5認定事項)
店員に、提示した会員証画面の会員証画像領域AR1において表示されるバーコード画像Pbcの部分をレジスタ300が備えるバーコードリーダで読み取らせ、【0036】
会員証画像においてバーコード画像Pbcが含まれていることで、ユーザは、端末装置100の表示部104に表示させた会員証画像を、実物の会員証CDと同様に会員証として使用することができ、【0036】
ユーザ提供情報領域AR2においては、通信を介してアプリケーションサーバ200から受信したユーザ提供情報として、ポイントの累積値、ポイントの有効期限、ユーザアカウント、さらには店舗からのサービスの通知などの情報がテキストあるいは画像などにより表示され、【0037】
端末装置100は、通信部101、制御部102、記憶部103、表示部104及び操作部105を備え、【0060】
制御部102は、会員証画面の表示に関連する機能部として、表示制御部122、輝度制御部123及びスリープ機能制御部124を備え、【0061】
端末装置100が会員証画面の表示に関連して実行する処理手順は、
表示制御部122が、先ず、会員証画面の基礎レイヤ画像を表示し、ここで、会員証画面の基礎レイヤ画像は、会員証画面としての背景となる画像であって、会員証画像領域AR1における会員証画像と、ユーザ提供情報領域AR2におけるユーザ提供情報の画像とが表示されていない態様の画像であり、【0076】
次に、記憶部103のバーコード画像記憶部131からバーコード画像を読み出し、バーコード画像を含む会員証画像を生成し、生成した会員証画像を、会員証画面の基礎レイヤ画像における会員証画像領域AR1に表示し、【0077】
アプリケーションサーバ200に対して接続要求を送信し、【0080】
接続が確立された場合、アプリケーションサーバ200から送信されたユーザ提供情報を通信部101経由で取得し、会員証画面の基礎レイヤ画像におけるユーザ提供情報領域AR2に表示する、【0081】
会員証画面を表示する方法。」

5 引用文献の記載事項並びに技術事項並びに技術常識及び周知技術の認定

折りたたみ中(クリックで表示)

(1) 引用文献1に記載された事項及び技術事項の認定

ア 引用文献1に記載された事項

当審拒絶理由通知における拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された文献である特開2015-90570公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。

(ア) 段落【0006】

「ここで、配信先(出力先)デバイスを変更した場合に、実行される対象アプリケーションにより提示されるUI(User Interface)は、配信先デバイスの出力環境に応じて変化する。例えば、同じアプリケーションを実行しても各デバイスの解像度の大きさによって各デバイスで出力される画面構成は異なる。しかしながら、従来では、実際に出力先を切り替えた後に解像度が変更されたことがユーザに通知されるのみであって、UI上の変更点については通知されず、ユーザ自身がUI上の変化を確認する必要があった。その結果、最適な環境でUIを操作するためには、各デバイスに実際に出力先を変更してUIを表示させるという試行錯誤が必要であり、時間と手間がかかっていた。」

(イ) 段落【0016】~【0019】、【図1】

「【0016】
<<1.本開示の一実施形態による配信先デバイス変更システムの概要>>
まず、本開示の一実施形態による配信先デバイス変更システムの概要について図1を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態による配信先デバイス変更システムは、現在アプリケーションを実行しているデバイス(配信元デバイス)1Aと、配信変更先の候補である複数のデバイス(配信先候補デバイス)1B~1Fにより構成される。」
「【図1】
[図:0001434611000007.jpg]
」
「【0017】
デバイス1A~1Fは、いずれも本開示による情報処理装置の一例である。例えば、図1に示すように、デバイス1Aがスマートフォン(高機能携帯電話端末)、デバイス1BがPC(パーソナルコンピュータ)、デバイス1Cがタブレット端末、デバイス1DがTV、デバイス1Eがメガネ型HMD(ヘッドマウンドディスプレイ)、デバイス1Fが時計型デバイスにより実現される。
【0018】
ここで、現在アプリケーションがデバイス1Aで実行され、デバイス1Aの表示部に実行中のアプリケーションによるUI(ユーザインタフェース)が表示されている場合に、他のデバイス1B~1Fのいずれかに出力先を変更することを想定する。
【0019】
この場合、出力先のデバイス1B~1Fの環境(解像度、スピーカの有無、音声入力かキーボード入力かタッチパネル入力かといった入力インターフェースの種別、デバイスの種別等)に応じて、対象アプリケーションにより提示されるUIが異なる。出力先でどのようなUIが提示されるかは、従来は実際に切り替えた後でなければ分からず、最適な環境でUIを操作するためには、各環境でUIを実際に表示するという試行錯誤が必要であった。」

(ウ) 段落【0065】、【0066】、【図6】

「【0065】
図6は、対象アプリケーションを実行する場合のデバイス毎のUI画面構成を示す図である。図6に示すように、フルUIを利用した場合、対象アプリケーションの機能を表示する画面構成50は、全てのUI、すなわちUI1、UI2、UI3を含む。一方、解像度が「小」のデバイス1Aでは、対象アプリケーションの機能を表示する画面構成51は、UI1のみを含み、UI2およびUI3は利用できない。また、解像度が「大」のデバイス1Bでは、対象アプリケーションの機能を表示する画面構成52は、UI1、UI2、UI3を含み、フル利用が可能である。また、解像度が「中」のデバイス1Cでは、対象アプリケーションの機能を表示する画面構成52は、UI1およびUI2と、アイコン化されたUI3を含み、UI3は利用可能であるがアイコン化される。」
「【図6】
[図:0001434611000008.jpg]
」
「【0066】
このように、各デバイスの出力環境(ここでは一例として解像度)によって、対象アプリケーションの実行状態(具体的には、UIの画面構成)は異なる。」

(エ) 段落【0089】~【0093】、【図11】

「【0089】
<4-1.デバイスの変更に伴うUIの変化通知>
まず、配信先候補デバイスの性能(ここでは、解像度や端末の向き)に応じてUIが変化する場合の具体的なUI変化通知例について、図11~図13を参照して説明する。ここでは、対象アプリケーションの一例としてミュージックプレイヤーアプリケーションが実行されている。ミュージックプレイヤーアプリケーションでは、「ジャケット写真」、曲名や再生位置などを示す「再生情報」、再生や一時停止等の操作を行うための「コントローラ」、および「曲リスト」の各UIが表示され得る。
【0090】
図11は、各デバイスの性能に応じたUIの変化について説明するための図である。図11に示すように、デバイス1A(スマートフォン)が縦向きの場合、表示部16Aにおいてミュージックプレイヤーアプリケーションにより提示される機能UIは、ジャケット写真のUI4、再生情報のUI5、およびコントローラのUI6である。本実施形態では、デバイス1Aの長手方向が水平方向に対して略垂直の場合を縦向きと称す。」
「【図11】
[図:0001434611000009.jpg]
」
「【0091】
また、デバイス1F(時計型デバイス)の場合、表示部16Fにおいてミュージックプレイヤーアプリケーションにより提示される機能UIは、再生情報のUI5およびコントローラのUI6である。本実施形態では、デバイス1Aに比べてデバイス1Fの解像度が小さいため、「ジャケット写真」のUI4が非表示になる。
【0092】
また、デバイス1Aが横向きの場合、表示部16Aにおいてミュージックプレイヤーアプリケーションにより提示される機能UIは、ジャケット写真のUI4、再生情報のUI5、コントローラのUI6、および曲リストのUI7である。なお本実施形態において、同じデバイス1Aであっても、向き(表示方向)が異なる場合は配信先候補デバイスに含まれる。
【0093】
さらに、デバイス1C(タブレット端末)の場合、解像度がデバイス1Aより大きく、表示部16Cにおいてミュージックプレイヤーアプリケーションにより提示される機能UIは、ジャケット写真のUI4、再生情報のUI5、コントローラのUI6、曲リストのUI7、およびアーティスト情報のUI8である。」

イ 引用文献1技術事項

前記アで摘記した記載から、引用文献1には、次の技術事項が記載されていると認められる(以下「引用文献1技術事項」という。)。

<引用文献1技術事項>

「デバイスの表示部の解像度の大きさやデバイスの向きに応じて、アプリケーションにより提示される画面構成が異なり、スマートフォンと比較して解像度が小さい時計型デバイスの場合は、スマートフォンの場合に表示される複数のUIの内の一部のUIを非表示とし、スマートフォンと比較して解像度が大きいタブレット端末の場合は、スマートフォンの場合に表示される複数のUIに加えて他のUIも表示すること。」

(2) 引用文献8に記載された事項及び技術常識の認定

ア 引用文献8に記載された事項

当審において新たに引用する、本願の出願前に発行された次の文献(以下「引用文献8」という。)の左欄には、以下に示す記載がある。

<引用文献8>

「販促NOW3(※3は、□の中に3) APP JAL Countdown」、販促会議2015年7月号(通巻207号)、081頁、2015年6月1日

「2015年4月24日に発売となったアップルのウェアラブル端末「Apple Watch」。これまで低空飛行を続けていたウェアラブル市場ではあるが、アップルが本気で取り組みを始めたことで、一気に盛り上がりを見せている。これまでiPhone向けアプリを提供していた企業は、「バージョンアップ」させることで、アプリをApple Watch対応にすることができる。そんな中、いち早く既存のアプリをApple Watch対応させて注目を浴びたのがJAL(日本航空)だ。Apple Watch発売日となる4月24日にはすでにアプリのバージョンアップを終えており、ユーザーがApple Watchを購入したらすぐに使えるようになっていた。」

イ 技術常識の認定

前記(ア)の摘記において、「iPhone」、「アップルのウェアラブル端末「Apple Watch」」はそれぞれスマートフォンの一種、スマートウォッチの一種であるところ、引用文献8の記載事項に例示されているように、次の技術事項は、当業者にとって技術常識であったと認められる(以下「技術常識」という。)。

<技術常識>

「スマートフォン向けのアプリを、スマートウォッチでも使えるようにするために、バージョンアップしてスマートウォッチに対応させること」

(3) 引用文献9に記載された事項及び周知技術の認定

ア 引用文献9に記載された事項

当審において新たに引用する、本願の出願前に日本国内又は外国において、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、

“Apple Watch用のJALアプリが、思った通り残念だった件”,[online],2015年6月1日,4travel.jp,[2025年11月21日検索]

インターネット<URL:https://4travel.jp/travelogue/11018028>

(以下「引用文献9」という。)には、上記URLに係るページに次の記載がある。

「さて、本日最大のイベントは、アップルウォッチでバーコード(QRコード)をかざし、改札を通過することです。
わくわくしますねえ。
この日のために、「JALカウントダウン」というアプリをiPhoneにインストールし、アップルウォッチにも登録しました。」
「
[図:0001434611000010.jpg]
」
「そして、搭乗用のバーコードも表示されるんです。これは便利。Passbook要らないじゃん!
…中略…
Passbookに移動です。もともと、アップルウォッチで改札を通過するのはPassbookを利用する想定でした。すでにバーコードはiPhone側のPassbookにDL済みです。
早速アップルウォッチでPassbookを開いてみましょう。」
「
[図:0001434611000011.jpg]
」
「便を選んで、バーコードを表示します。
…中略…
今回、搭乗口の改札の前に、アップルウォッチをかざすチャンスは2回ありました。まずは手荷物検査。
Passbookのバーコードで無事通過。」
「
[図:0001434611000012.jpg]
」
「続いて、さくらラウンジの受付へ突入します。
左手を振り上げて、ドヤ顔でアップルウォッチを読み取り機にタッチしたら、受付のおネエさんに笑われましたよ。」

イ 周知技術の認定

前記アの摘記において、「アップルウォッチ」はスマートウォッチの一種であるところ、引用文献9の記載事項に例示されているように、次の技術事項は、当業者にとって周知であったと認められる。(以下「周知技術」という。)

<周知技術>

「スマートウォッチに読み取り用のバーコードのみ表示すること」

6 本願発明と引用発明の対比

(1) 対比分析

本願発明と引用発明を対比する。

ア 構成Xの観点

(ア) 構成Xは、「会員証を識別する識別情報が埋め込まれたコードであり、コード読み取り機により読み取られるコードを有するデジタル会員証を出力する端末装置におけるコード出力方法」の発明であることである。

(イ) 引用発明は、「端末装置100の表示部104において、初期画面として会員証画面を表示する方法」であって、「会員証画面においては、会員証画像領域AR1とユーザ提供情報領域AR2とが配置され」、「会員証画像領域AR1には会員証画像が表示され、会員証画像には、会員番号を示すバーコード画像Pbcが含まれており」、「店員に」、「バーコード画像Pbcの部分をレジスタ300が備えるバーコードリーダで読み取らせ[る]」ものである。

(ウ) ここで、引用発明の「端末装置100」は本願発明の「端末装置」に相当し、引用発明の「端末装置100の表示部104」に「表示」される「会員証画面」は、「会員番号を示すバーコード画像Pbcが含まれ」、「バーコード画像Pbcの部分をレジスタ300が備えるバーコードリーダで読み取」られるところ、本願発明の「会員証を識別する識別情報が埋め込まれたコードであり、コード読み取り機により読み取られるコードを有するデジタル会員証」に相当する。

(エ) また、本願明細書において「出力とは、通常、画面上への表示である。」(【0047】)と記載されているから、本願発明の「出力」には「表示」も含まれると解されるところ、引用発明の「バーコード画像Pbcが含まれ」る「会員証画面」を「表示」することは、本願発明の「コードを有するデジタル会員証を出力」することに相当する。

(オ) 前記(イ)~(エ)の検討から、本願発明と引用発明は、「会員証を識別する識別情報が埋め込まれたコードであり、コード読み取り機により読み取られるコードを有するデジタル会員証を出力する端末装置におけるコード出力方法」の発明である点で一致する。

イ 構成A~Cの観点

(ア)a 構成Aは、「コード出力方法」が「出力部と、他情報出力部とにより実現される」ことである。

b 構成Bは、「コード出力方法」が「前記出力部が、当該端末装置の画面の第一領域に前記コードを出力する出力ステップ」を具備することである。

c 構成Cは、「コード出力方法」が「前記他情報出力部が、当該端末装置の画面の第二領域に、前記コード以外の情報であり、前記会員証の画像である他情報を出力する他情報出力ステップ」を具備することである。

(イ) 「出力部」と「出力ステップ」について

a 引用発明の「表示制御部122」は、「会員証画面の基礎レイヤ画像における会員証画像領域AR1」に「バーコード画像を含む会員証画像」を「表示」するものである。

b ここで、引用発明の「会員証画面」における「会員証画像領域AR1」が、本願発明の「端末装置の画面の第一領域」に相当し、引用発明において「バーコード画像を含む会員証画像」を「表示」することは、「会員証画像」を「表示」することで当該「会員証画像」が含む「バーコード画像」を「表示」することになる以上、本願発明の「前記コードを出力する」ことに相当する。

c 前記a、bの検討から、引用発明の「表示制御部122」は、本願発明の「当該端末装置の画面の第一領域に前記コードを出力する出力ステップ」に相当するステップを具備し、当該ステップを実行する「出力部」に相当する構成を備えるものと認められる。

(ウ) 「他情報出力部」と「他情報出力ステップ」について

a 引用発明の「表示制御部122」は、「会員証画面の基礎レイヤ画像におけるユーザ提供情報領域AR2」に「ユーザ提供情報」を「表示」するものであって、かかる「ユーザ提供情報」は、「ポイントの累積値、ポイントの有効期限、ユーザアカウント、さらには店舗からのサービスの通知などの情報」についての「画像」からなる場合を含むものである。

b ここで、引用発明の、「会員証画面」における「ユーザ提供情報領域AR2」が、本願発明の「当該端末装置の画面の第二領域」に相当する。

c また、引用発明の「ユーザ提供情報」は、「会員証画面」に表示され、「ポイントの累積値、ポイントの有効期限、ユーザアカウント、さらには店舗からのサービスの通知などの情報」についての「画像」を含むものであって「会員番号を示すバーコード画像Pbc」とは異なる情報であるところ、引用発明の「会員証画面」に「ユーザ提供情報」を「表示」することは、本願発明の「前記コード以外の情報であり、前記会員証の画像である他情報を出力する」ことと、「前記コード以外の情報であり、前記会員証に係る他情報を出力する」点で共通する。

d 引用発明の「表示制御部122」が「ユーザ提供情報」の「表示」に係るステップ及び当該ステップに係る構成を備えることは明らかであるところ、本願発明と引用発明は「他情報出力部」を備え、「前記他情報出力部が、当該端末装置の画面の第二領域に、前記コード以外の情報であり、前記会員証に係る他情報を出力する他情報出力ステップ」を具備する点で共通し、「他情報」が、本願発明では「前記コード以外の情報であり、前記会員証の画像」であるのに対して、引用発明ではそのような情報ではない点で相違する。

(エ) 前記(イ)、(ウ)の検討を踏まえると、本願発明と引用発明の構成A~Cの観点における一致点及び相違点(以下「相違点1」という。)は、次のa及びbのとおりである。

a 一致点

「コード出力方法」が「出力部と、他情報出力部とにより実現され」、「前記出力部が、当該端末装置の画面の第一領域に前記コードを出力する出力ステップと、前記他情報出力部が、当該端末装置の画面の第二領域に、前記コード以外の情報であり、前記会員証に係る他情報を出力する他情報出力ステップとを具備」する点。

b 相違点1

「他情報」が、本願発明では「前記コード以外の情報であり、前記会員証の画像」であるのに対して、引用発明ではそのような情報ではない点。

ウ 構成Dの観点

(ア) 構成Dは、「前記端末装置がスマートフォンである場合は前記コード及び前記他情報を表示し、前記端末装置がスマートウォッチである場合は前記他情報を表示せずに前記コードを表示する」ことである。

(イ) 引用発明の「表示制御部122」は、「端末装置100」において、「会員証画面」の「会員証画像領域AR1」に「バーコード画像を含む会員証画像」を「表示」し、「ユーザ提供情報領域AR2」に「ユーザ提供情報」を「表示」するものであり、ここで、「端末装置100は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末などである」ところ、本願発明と引用発明は「前記端末装置がスマートフォンである場合は前記コード及び前記他情報を表示」する点で一致する。

(ウ) しかしながら、引用発明では「端末装置100」としてスマートウォッチが挙げられていないから、「端末装置100」がスマートウォッチの場合の表示が不明である。

(エ) また、前記イ(エ)bで示したように、「他情報」について、本願発明と引用発明は前記相違点1で相違する。

(オ) 前記(イ)~(エ)の検討から、本願発明と引用発明は構成Dの観点において、次のaの点で一致し、前記相違点1に加えて次のbの点で相違(以下、「相違点2」という。)する。

a 一致点

「前記端末装置がスマートフォンである場合は前記コード及び前記他情報を表示」する点。

b 相違点2

本願発明は「前記端末装置がスマートウォッチである場合は前記他情報を表示せずに前記コードを表示する」のに対して、引用発明では「端末装置100」がスマートウォッチの場合の表示が不明な点。

(2) 一致点及び相違点

前記(1)の対比分析の結果をまとめると、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は、それぞれ次のア及びイに示すとおりである。

ア 一致点

「会員証を識別する識別情報が埋め込まれたコードであり、コード読み取り機により読み取られるコードを有するデジタル会員証を出力する端末装置におけるコード出力方法であり、
出力部と、他情報出力部とにより実現される
コード出力方法であって、
前記出力部が、当該端末装置の画面の第一領域に前記コードを出力する出力ステップと、
前記他情報出力部が、当該端末装置の画面の第二領域に、前記コード以外の情報であり、前記会員証に係る他情報を出力する他情報出力ステップとを具備し、
前記端末装置がスマートフォンである場合は前記コード及び前記他情報を表示することを特徴とする
コード出力方法。」の発明である点。

イ 相違点

本願発明では、「他情報」が「前記コード以外の情報であり、前記会員証の画像」であって、「前記端末装置がスマートウォッチである場合は前記他情報を表示せずに前記コードを表示する」のに対して、引用発明の「他情報」はそのような情報ではなく、「端末装置100」がスマートウォッチの場合の表示が不明な点。

7 判断

(1) 「スマートウォッチ」を対象とする動機について

ア 引用発明は「端末装置100上で動作する情報提供アプリケーション」により、「会員証の画像(会員証画像)を画面に表示」し、「端末装置100に表示された会員証画像が店舗にて実物の会員証と同様に使用可能になることで、ユーザは、カード形式の会員証を所持していなければならない煩わしさから解放されるものであり」、また、「端末装置100」は「ユーザが所持するものであ[る]」。

イ ここで、「スマートフォン向けのアプリを、スマートウォッチでも使えるようにするために、バージョンアップしてスマートウォッチに対応させること」は技術常識である(前記5(2)イの「技術常識」を参照。)。

ウ 前記技術常識を考慮すると、引用発明に触れた当業者にとっては、利便性を考慮して、「会員証の画像(会員証画像)を画面に表示」する「情報提供アプリケーション」を、「ユーザが所持する」「端末装置100」として挙げられた「スマートフォン」等だけでなく、ユーザが所持する端末装置である「スマートウォッチ」にも対応させる動機があると認められる。

(2) 「スマートウォッチ」における会員証画面の表示について

a 引用発明に引用文献1技術事項を採用することについて

(a)「スマートウォッチ」の表示部の解像度が「スマートフォン」よりも小さいことは、文献を例示するまでもない技術常識であるため、引用発明の「情報提供アプリケーション」を「スマートウォッチ」に対応させるバージョンアップを行う場合に、「スマートウォッチ」の解像度に伴う「表示」の最適化は、当業者が当然考慮すべき課題である。

(b) 引用文献1には、デバイスの解像度の大きさや向きに応じた画面構成とする技術として、次の「引用文献1技術事項」が記載されている(前記5(1)イ参照)。

<引用文献1技術事項>(再掲)

「デバイスの表示部の解像度の大きさやデバイスの向きに応じて、アプリケーションにより提示される画面構成が異なり、スマートフォンと比較して解像度が小さい時計型デバイスの場合は、スマートフォンの場合に表示される複数のUIの内の一部のUIを非表示とし、スマートフォンと比較して解像度が大きいタブレット端末の場合は、スマートフォンの場合に表示される複数のUIに加えて他のUIも表示すること。」

(c) そうすると、前記(a)で示した課題を解決するため、前記引用文献1技術事項を採用し、「スマートウォッチ」の表示を、「スマートフォン」等の場合に表示される複数の表示の内の一部の表示を非表示としたものとすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

b 「スマートウォッチ」で非表示とする表示について

(a) 引用発明において「スマートウォッチ」等に表示される複数の表示は、「会員証画像領域AR1」の「バーコード画像を含む会員証画像」と、「ユーザ提供情報領域AR2」の「ユーザ提供情報」であり、ここで、「会員証画像領域AR1において表示されるバーコード画像Pbcの部分をレジスタ300が備えるバーコードリーダで読み取」られることを考慮すると、「読み取」る対象である「バーコード画像Pbcの部分」を含まない「ユーザ提供情報」を非表示とすることは、当然である。

(b) また、引用発明の「会員証画像」は「バーコード画像と当該バーコード画像を含まない会員証画像を構成する画像」から構成され、「バーコード画像を含まない会員証画像を構成する画像」(本願発明の「前記コード以外の情報であり、前記会員証の画像」に相当。)は「バーコードリーダ」で「読み取」られるものでなく、ここで、「スマートウォッチに読み取り用のバーコードのみ表示すること」は周知技術であるところ(前記5(3)イの「周知技術」を参照。)、「スマートウォッチ」に「ユーザ提供情報」を表示せずに「バーコード画像を含む会員証画像」を表示するか、「バーコード画像を含まない会員証画像を構成する画像」も非表示として「バーコード画像」のみ表示するようにするかは、当業者が適宜選択し得た程度のことである。

(3) 前記(1)、(2)の検討から、引用発明において、引用文献1技術事項及び周知技術を採用し、「スマートウォッチ」の場合は「バーコード画像と当該バーコード画像を含まない会員証画像」と「ユーザ提供情報」を「表示」し、「スマートウォッチ」の場合は「バーコード画像」のみ「表示」することで、前記相違点に係る本願発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たものである。

(4) 総合評価

前記(1)~(3)において検討したとおり、引用発明において、前記相違点に係る本願発明の構成を備えるようにすることは、引用発明並びに引用文献1技術事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。

そして、本願発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。

したがって、本願発明は、引用発明並びに引用文献1技術事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

8 請求人の主張について

(1) 請求人の主張内容

折りたたみ中(クリックで表示)

請求人は意見書において、拒絶の理由1(進歩性の欠如)に関し、請求項1に係る発明について以下ア~ウを主張したうえで、本願発明(請求項2に係る発明)について、「請求項2に係る発明も、請求項1に係る発明と同様、引用文献1、5に対して、進歩性を有」する旨主張する。

ア(ア) 引用文献1、5には、「端末装置がスマートフォンである場合はコード及び会員証の画像を画面に表示し、端末装置がスマートウォッチである場合は会員証の画像を表示せずにコードを画面に表示する」点について記載も示唆もされていない。

(イ) 対人視認性を示す「UI」は、機械によって読み取られることを前提とする「コード」とは異なる概念であるから、組み合わせても「端末装置がスマートフォンである場合はコード及び会員証の画像を画面に表示し、端末装置がスマートウォッチである場合は会員証の画像を表示せずにコードを画面に表示する」という構成に至ることにはならない。

(ウ) 引用文献1と引用文献5とは、請求項1の格別な効果(特に、スマートフォンである場合は、複数の会員証の中から利用したい会員証を選択し易くなる、という効果)を奏しない。

イ 引用文献1に開示されている内容は、端末の態様によって、ミュージックプレイヤーアプリケーションの複数のUIのうち表示させるUIを異ならせることが開示されていると認定されるべきである。

ウ(ア) 主引例である引用文献1と副引例である引用文献5とでは、技術分野が完全に一致しておらず、近接しているにとどまることから、これらを組み合わせることは容易であるとはいえない。そして、いずれの文献にも「相応の動機付け」といえるだけの示唆等は存在しない。

(イ) 引用文献1の技術は操作技術であり、引用文献5の技術は会員証の表示技術であるから、本願の技術分野や目的とは全く異なる引用文献1を主引例とすることは妥当ではなく、主引例とは技術分野や目的が全く異なる副引例を組み合わせることには阻害要因がある。

(2) 請求人の主張の検討

折りたたみ中(クリックで表示)

ア 前記(1)アの主張について

(ア) 前記(1)ア(ア)の主張について

請求人の前記(1)ア(ア)の主張は、要するに前記相違点に係る本願発明の構成は、引用文献1、5に開示されていないというものであるが、前記相違点についての当合議体の判断は、前記7において説示したとおりであるから、前記(1)ア(ア)の主張は採用できない。

(イ) 前記(1)ア(イ)の主張について

前記(1)ア(イ)の主張は、要するに、表示の用途(概念)の違いから前記相違点に係る本願発明の構成とはならないことであるが、引用発明の「会員証画面」に「表示」される「バーコード画像」、「バーコード画像を含まない会員証画像を構成する画像」及び「ユーザ提供情報」と、引用文献1技術事項の「UI」は、端末装置の画面における表示で共通する以上、仮に表示の用途に違いがあったとしても、解像度に伴う表示の最適化から引用発明に引用文献1技術事項を取り入れることを阻害するものではない。また、引用発明の各表示においていずれの表示を非表示とするかは、前記7(2)bで説示したとおりであるところ、前記(1)ア(イ)の主張は、前記7の結論を左右するものではない。

(ウ) 前記(1)ア(ウ)の主張について

本願発明に係る請求項2では、スマートフォンである場合は、複数の会員証の中から利用したい会員証を選択し易くなる、という効果を奏するための構成が特定されておらず、前記(1)ア(ウ)の主張は請求項の記載に基づいたものではない。また、仮に当該効果を奏するための構成が特定されていたとしても、格別なものではない。

イ 前記(1)イの主張について

引用文献1には、【0089】に「対象アプリケーションの一例としてミュージックプレイヤーアプリケーションが実行」、【0090】に「ジャケット写真のUI4」と記載されていることから、引用文献1に記載の技術事項において、ミュージックプレイヤーアプリケーションは一例にすぎず、また、UIが、ジャケット写真のように一般的にユーザの操作に関わらない表示も含む表示全般を意味することは明らかであるから、当合議体の引用文献1に記載された技術事項(引用文献1技術事項)の認定に誤りはない。

ウ 前記(1)ウ(ア)、(イ)の主張について

(ア) 当審拒絶理由通知における拒絶の理由1(進歩性の欠如)において、その内容から、主引例は引用文献5であり、副引例が引用文献1であるところ、請求人の前記(1)ウ(ア)、(イ)の主張は前提を誤った主張である。

(イ) また、前記(1)ウ(ア)、(イ)の主張に係る、主引例と副引例の組み合わせについては、前記7(2)において説示したとおりである。

(ウ) 前記(ア)、(イ)の検討から、前記(1)ウ(ア)、(イ)の主張は採用できない。

エ 前記ア~ウの検討から、請求人の主張は採用できない。

9 むすび

以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2024-005306

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決9件(株式会社ロイヤリティマーケティング)
  • 2026-000545拒絶査定不服審判 / 2026-06-01 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラム
    同じ当事者: 株式会社ロイヤリティマーケティング
  • 2025-003693拒絶査定不服審判 / 2026-05-11 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理装置、方法およびプログラム
    同じ当事者: 株式会社ロイヤリティマーケティング
  • 2025-003027拒絶査定不服審判 / 2026-02-09 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理装置および情報処理プログラム
    同じ当事者: 株式会社ロイヤリティマーケティング
  • 2024-018843拒絶査定不服審判 / 2025-11-14 / 原査定取消(特許/登録すべき)マーケティング情報分析装置、方法およびプログラム
    同じ当事者: 株式会社ロイヤリティマーケティング
  • 2024-020752拒絶査定不服審判 / 2025-11-06 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
    同じ当事者: 株式会社ロイヤリティマーケティング
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)275件(121・G09G)
  • 2023-022185拒絶査定不服審判 / 2026-08-03 / 原査定取消(特許/登録すべき)ビジュアル編集システムにおいて重なるオブジェクトを処理するためのシステム及び方法
    共通の審決分類: 121・G09G
  • 2025-001620拒絶査定不服審判 / 2026-07-15 / 原査定取消(特許/登録すべき)制御方法
    共通の審決分類: 121・G09G
  • 2025-002715拒絶査定不服審判 / 2026-07-09 / 請求不成立ミラーディスプレイ、ミラーディスプレイシステムおよびミラーディスプレイシステムの…
    共通の審決分類: 121・G09G
  • 2025-007262拒絶査定不服審判 / 2026-06-16 / 原査定取消(特許/登録すべき)表示制御装置、表示制御方法および表示制御プログラム
    共通の審決分類: 121・G09G
  • 2025-002229拒絶査定不服審判 / 2026-06-11 / 請求不成立車両用表示装置、車両、表示方法及びプログラム
    共通の審決分類: 121・G09G

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存