商標拒絶査定不服審判
2024-003078
ウブスナコメ、ウブスナマイ、サンドマイ、ウブスナ、サンド
- 審判番号
- 2024-003078
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-027709
- 請求日
- 2024年02月21日
- 審決日
- 2024年12月04日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】花の香酒造株式会社
- 【請求人代理人】南瀬 透
- 【請求人代理人】加藤 久
- 【請求人代理人】宇野 智也
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .26 -Z (W30) / T18 .261-Z (W30) / T18 .262-Z (W30) / T18 .263-Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 27709拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年3月15日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 6月26日付け:拒絶理由通知書
令和5年 9月15日 :意見書の提出
令和5年11月13日付け:拒絶査定
令和6年 2月21日 :審判請求書の提出
令和6年 8月29日付け:拒絶理由通知書
令和6年 9月25日 :手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「産土米」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、本願の指定商品については、上記1の当審における手続補正書により、第30類「米,精米,もち,米を用いた調味料,米からなる穀物の加工品,米の加工品,米こうじ,食用米粉,米からなる食用でん粉」に補正されたものである。
3 引用商標
原査定及び当審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第6439792号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 「うぶすな」(標準文字)
指定商品 第30類「調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,即席菓子のもと,パスタソース,食用酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類」
登録出願日 令和3年 2月 4日
設定登録日 令和3年 9月 7日
(2)登録第6420372号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲
指定商品及び指定役務 第29類「菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものに限る。),乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催」及び第43類「飲食物の提供」
登録出願日 令和3年 2月 4日
設定登録日 令和3年 7月26日
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標と引用商標1について
(ア)本願商標について
本願商標は、「産土米」の文字を標準文字で表してなるところ、「産土米」の文字は辞書等に掲載がなく、成語とは認められないものであるが、その構成文字中の「産土」の文字は、「ウブスナ」と読み、「人の生まれた土地。生地。本居。(出典:広辞苑 第七版 株式会社岩波書店)」、「その人の生まれた土地。生地。(出典:大辞泉 第二版 株式会社小学館)」、「生まれた土地。(出典:三省堂国語辞典 第八版 株式会社三省堂)」、「人の生まれた土地。(出典:大辞林 第四版 株式会社三省堂)」等を意味するものとして、複数の一般的な辞書に載録されている語である。また、本願商標の構成中の「米」の文字は、「稲の果実。」(出典:広辞苑 第七版 株式会社岩波書店)を意味する語であり、本願の指定商品との関係においては、商品の普通名称又は商品の品質若しくは原材料を表示する語と認められるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないか極めて弱いとみるのが相当である。
一方、上記のとおりの意味する「産土」の文字は、本願の指定商品との関係において、例えば商品の品質や原材料を表すなど、自他商品の識別標識として機能を果たし得ないとみるべき事情は見当たらないことから、当該文字部分は、商品の出所識別標識として、取引者、需要者に強く支配的な印象を与えるものである。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品について使用するときは、その構成中の「産土」の文字が、商品の出所識別標識として、取引者、需要者に対し、強く支配的な印象を与えるものであるから、当該文字を要部として抽出し、これと他人の商標とを比較して、商標の類否を判断することができるものである。
してみれば、本願商標は、構成文字全体に相応して生じる「ウブスナマイ」の称呼のほかに、その構成中、独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得る「産土」の文字に相応して、「ウブスナ」の称呼を生じ、「人の生まれた土地。生地。本居。」等の観念を生じるものである。
(イ)引用商標1について
引用商標1は、「うぶすな」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「ウブスナ」の称呼を生じ、上記(ア)と同様に「人の生まれた土地。生地。本居。」等の観念を生じるものである。
(ウ)本願商標と引用商標1との類否について
本願商標と引用商標1とは、それぞれ上記(ア)及び(イ)のとおりの構成からなるところ、両商標は、構成全体の外観において差異を有するものの、本願商標の要部との比較においては、本願商標の要部が漢字であるのに対し、引用商標は平仮名よりなり、文字種が異なるところ、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼及び観念が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
そして、両商標は「ウブスナ」の称呼及び「人の生まれた土地。生地。本居。」等の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標1とは、外観上の差異が顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、称呼及び観念を同一にするものであるから、本願商標と引用商標1とは互いに相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(エ)本願の指定商品と引用商標1の指定商品との類否について
本願の指定商品は、引用商標1の指定商品中「調味料,穀物の加工品,イーストパウダー,こうじ,酵母,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類」と同一又は類似の商品である。
イ 本願商標と引用商標2について
本願の指定商品は、上記2のとおり補正された結果、引用商標2に係る指定商品及び指定役務と同一又は類似する指定商品は全て削除されたと認められる。
その結果、本願の指定商品は、引用商標2に係る指定商品及び指定役務と類似しない商品になった。
したがって、引用商標2との関係において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。
ウ 小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標2との関係において本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は解消した。
しかしながら、本願商標は、引用商標1と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は引用商標1の指定商品中「調味料,穀物の加工品,イーストパウダー,こうじ,酵母,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類」と同一又は類似の商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標を構成する「産土」の文字は宗教用語であって、日常親しまれた文字ではないことから、引用商標1を構成する「うぶすな」の文字と表記違いの文字と認識することはない旨主張する。
しかしながら、上記(1)ア(ア)のとおり、「産土」の文字は、複数の一般的な辞書に載録されている語であるから、我が国の需要者に一定程度知られており、これよりは、「ウブスナ」の称呼及び「人の生まれた土地。生地。本居。」等の観念が生じるものというのが相当である。
イ 請求人は、本願商標は外観上、称呼上の一体性が認められる不可分一体の語であることから一部を分離して把握すべきものではない旨主張する。
しかしながら、上記(1)ア(ア)のとおり、本願商標の構成中、「産土」の文字部分は、本願の指定商品との関係において、商品の普通名称又は商品の品質若しくは原材料を表示する「米」の文字部分に比して、自他商品の識別標識としての機能を強く果たすものであって、取引者、需要者に対して強く支配的な印象を与えるというべきである。
そうすると、本願商標と引用商標1との類否について判断するにあたり、本願商標の構成全体のほか、その構成中の「産土」の文字部分を要部として観察することは、許されるというべきである。
ウ 請求人は、過去の登録例を挙げ、本願も同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、当該登録例と本願商標とは、商標の具体的な構成を異にするものであるから、上記判断に影響を及ぼすものとはいえない。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2024-003078