特許拒絶査定不服審判
2024-003037
粘接着剤用樹脂組成物およびその製造方法
- 審判番号
- 2024-003037
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-520507
- 請求日
- 2024年02月21日
- 審決日
- 2025年07月17日
- 公報発行日
- 2026年01月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ハンワ ソリューションズ コーポレイション
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】阿部 達彦
- 審判長/審判官
- 審判長 光本 美奈子
- 審判官 安藤 倫世
- 審判官 渡辺 陽子
- 分類
- P18 .113-WZ (C09J) / P18 .121-WZ (C09J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-520507「粘接着剤用樹脂組成物およびその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 4月 8日国際公開、WO2021/066267、令和 4年12月 7日国内公表、特表2022-551095〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2020年3月19日(パリ条約による優先権主張 2019年10月2日 大韓民国(KR))を国際出願日とする出願であって、その主な手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 4月20日付け :拒絶理由通知書
令和5年 7月28日 :意見書及び手続補正書の提出
令和5年10月18日付け :拒絶査定
令和6年 2月21日 :審判請求書及び手続補正書の提出
第2 令和6年2月21日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年2月21日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正による補正後の特許請求の範囲の請求項1及び請求項7の記載は、次のとおりである(下線部は、補正箇所である。)。
「【請求項1】
ジシクロペンタジエン(dicyclopentadiene)およびC9系単量体を含む単量体組成物に対して熱重合および水添反応(hydrogenation)を行って得られる水添石油樹脂;および
メタロセンポリオレフィン(metallocene polyolefin)を含み、
前記水添石油樹脂は、下記式1によって測定した水添率が90~100%である、粘接着剤用樹脂組成物であって、
前記メタロセンポリオレフィンは、ポリエチレン(PE)系ポリオレフィンまたはポリプロピレン(PP)系ポリオレフィンであり、
前記メタロセンポリオレフィンがメタロセンポリエチレン(PE)系ポリオレフィンであるとき、前記水添石油樹脂において前記C9系単量体をジシクロペンタジエンおよびC9系単量体の総重量に対して5wt%以上および40wt%以下で含み、
前記メタロセンポリオレフィンがポリプロピレン(PP)系ポリオレフィンであるとき、前記水添石油樹脂において前記C9系単量体をジシクロペンタジエンおよびC9系単量体の総重量に対して30wt%以上および60wt%以下で含み、
前記水添石油樹脂とメタロセンポリオレフィンを60:40~40:60の重量比で含む、粘接着剤用樹脂組成物:
[式1]
水添率(%)=水添反応後の水添石油樹脂の芳香族二重結合で飽和した脂肪族単結合のモル数/水添反応前の石油樹脂の全体芳香族二重結合のモル数*100。
【請求項7】 請求項1に記載の粘接着剤用樹脂組成物を含むホットメルト粘接着剤。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和5年7月28日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1及び請求項9の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
ジシクロペンタジエン(dicyclopentadiene)およびC9系単量体を含む単量体組成物に対して熱重合および水添反応(hydrogenation)を行って得られる水添石油樹脂;および
メタロセンポリオレフィン(metallocene polyolefin)を含み、
前記水添石油樹脂は、下記式1によって測定した水添率が90~100%である、粘接着剤用樹脂組成物であって、
前記メタロセンポリオレフィンは、ポリエチレン(PE)系ポリオレフィンまたはポリプロピレン(PP)系ポリオレフィンであり、
前記メタロセンポリオレフィンがメタロセンポリエチレン(PE)系ポリオレフィンであるとき、前記水添石油樹脂において前記C9系単量体をジシクロペンタジエンおよびC9系単量体の総重量に対して5wt%以上および40wt%以下で含み、
前記メタロセンポリオレフィンがポリプロピレン(PP)系ポリオレフィンであるとき、前記水添石油樹脂において前記C9系単量体をジシクロペンタジエンおよびC9系単量体の総重量に対して30wt%以上および60wt%以下で含む、粘接着剤用樹脂組成物:
[式1]
水添率(%)=水添反応後の水添石油樹脂の芳香族二重結合で飽和した脂肪族単結合のモル数/水添反応前の石油樹脂の全体芳香族二重結合のモル数*100。
【請求項9】 請求項1に記載の粘接着剤用樹脂組成物を含むホットメルト粘接着剤。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項9で引用される請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である水添石油樹脂とメタロセンポリオレフィンの重量比について、上記1(1)のとおり限定を付加するものであって、補正前の請求項1の引用形式で記載される請求項9に記載された発明と補正後の請求項1の引用形式で記載される請求項7に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項7に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2016-155916号公報(平成28年9月1日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある。
また、原査定の拒絶の理由で参考文献として挙げられた特開平8-120229号公報(参考文献2という。)、特開平11-159185等号公報(参考文献3という。)にはそれぞれ以下の記載がある。なお、当審合議体により、必要な箇所に下線を付した。
ア 引用文献1
「【請求項1】(A)非晶性ポリα-オレフィン、(B)α-オレフィンをメタロセン触媒で重合して得られた結晶性ポリα-オレフィン、及び(C)粘着付与樹脂を含み、(A)~(C)の総重量100重量部に対して(C)が5~30重量部含まれており、180℃での溶融粘度が3,000mPa・s以下であるホットメルト接着剤。」
「【0001】本発明は、ホットメルト接着剤に関するものである。詳しくは、本発明は、段ボールに塗布されるホットメルト接着剤、及びそのホットメルト接着剤の塗膜が形成された段ボールに関する。」
「実施例
・・・
【0083】
(A)非晶性ポリα-オレフィン
(A1)非晶性プロピレン/エチレン/1-ブテン共重合体(ベストプラスト703(商品名)、エボニック社製、粘度2700mPa・s:190℃、軟化点124℃、密度0.87g/cm3)
(A2)非晶性プロピレン/エチレン/1-ブテン共重合体(ベストプラスト704(商品名)、エボニック社製、粘度3500mPa・s:190℃、軟化点105℃、密度0.87g/cm3)
(A3)非晶性プロピレン/エチレン/1-ブテン共重合体(ベストプラスト750(商品名)、エボニック社製、粘度50000mPa・s:190℃、軟化点107℃、密度0.87g/cm3)
(A4)非晶性エチレン/プロピレン共重合体(レキセンタック2304(商品名)、ハンツマン社製、粘度450mPa・s:190℃、軟化点141℃、密度0.86g/cm3)
(A5)非晶性プロピレンホモポリマー(イーストフレックスP1010PL(商品名)、イーストマンケミカル社製、粘度1000mPa・s:190℃、軟化点155℃、密度0.87g/cm3)
【0084】(B)メタロセン触媒で重合して得られた結晶性ポリα-オレフィン
(B1)ポリプロピレンホモポリマー(エルモーデュ S400(商品名)、出光興産社製、MFR2000g/10min:230℃、密度0.87g/cm3)メタロセン触媒で重合して得られたポリマー(B2)ポリプロピレンホモポリマー(エルモーデュ S600(商品名)、出光興産社製、MFR350g/10min:230℃、密度0.87g/cm3)メタロセン触媒で重合して得られたポリマー
(B3)ポリプロピレンホモポリマー(リコセンPP6102(商品名)、クラリアント社製、粘度60mPa・s:170℃、密度0.90g/cm3)メタロセン触媒で重合して得られたポリマー
(B4)プロピレン/エチレン共重合体(ビスタマックス6202(商品名)、エクソンモービル社製、MFR20g/10min:230℃、密度0.86g/cm3)メタロセン触媒で重合して得られたポリマー
(B5)エチレン/オクテン共重合体(アフィニティGA1900(商品名)、ダウケミカル社製、MFR1000g/10min:190℃、密度0.87g/cm3)メタロセン触媒で重合して得られたポリマー
(B'6)ポリエチレンホモポリマー(ペトロセン353(商品名)、東ソー社製、MFR145g/10min:190℃、 密度0.92g/cm3)チーグラーナッタ触媒で重合して得られたポリマー
(B'7)エチレン/ポリブテン共重合体(DP8911ME(商品名)、バセル社製、MFR200g/10min:190℃、 密度0.90g/cm3)チーグラーナッタ触媒で重合して得られたポリマー
【0085】
(C)粘着付与樹脂
(C1)水素添加ジシクロペンタジエン系樹脂(アイマーブP100(商品名)、出光興産社製、軟化点100℃)
(C2)水素添加環状脂肪族石油炭化水素樹脂(アルコンP90(商品名)、荒川化学工業社製、軟化点90℃)
(C3)水素添加テルペン樹脂(クリアロンP105(商品名)、ヤスハラケミカル社製、軟化点105℃)
【0086】
(D)軟化剤
(D1)パラフィンオイル(ダイアナフレシアS32(商品名)、出光興産社製)
(D2)パラフィンオイル(ダイアナプロセスオイルPW-90(商品名)、出光興産社製)
(D3)ナフテンオイル(サンピュアN90(商品名)、日本サン石油社製)
【0087】
(E)ワックス
(E1)パラフィンワックス(パラフィンワックス150(商品名)、日本精蝋社製)
(E2)ポリエチレンワックス(ネオワックスL(商品名)、ヤスハラケミカル社製)
(E3)フィッシャートロプシュワックス(FT-115(商品名)、日本精蝋社製)
【0088】
(F)安定化剤
(F1)酸化防止剤(アデカスタブAO-60(商品名)、アデカ社製)
【0089】
これらの成分を表1、3、5、7に示す割合で、万能攪拌機を用い、約145℃で約1時間かけて溶融混合し、実施例及び比較例のホットメルト接着剤を調製した。」
「【0105】
[表1]
[図:0001430545000001.jpg]
」
イ 参考文献2
「【0024】表1中、クレイトンG-1726Xは、(スチレン-エチレン)-(ブチレン-スチレン)ブロックコポリマー(シェル社製、Kraton G-1726X)を、エスコレッツ5300HCは、ジシクロペンタンジエン共重合体の完全水添樹脂(トーネックス社製)を、アルコンP-70は、脂肪族-脂環族共重合体の完全水添樹脂(荒川化学工業社製)を、アルコンP-100は、脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業社製)を、アイマーブP-100は、ジシクロペンタジエン-スチレン共重合体の完全水添樹脂(出光興産社製)・・・を表す。」
ウ 参考文献3
[【0016】かかる樹脂の具体例としては、これに限定されないがたとえば出光石油化学(株)製の商品名「アイマーブP-100」〔シクロペンタジエン系単量体(C)とスチレン系単量体(S)が、モル比でC/S=1/1の割合でランダム共重合した共重合体を水素添加したもの。
・・・などがあげられる。」
エ 引用文献1に記載された発明
上記アから、引用文献1には、実施例6として次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
(引用発明)
「非晶性ポリα-オレフィンである非晶性プロピレン/エチレン/1-ブテン共重合体(ベストプラスト704)55.3重量部と、(B)メタロセン触媒で重合して得られた結晶性ポリα-オレフィンであるポリプロピレンホモポリマー(エルモーデュS400)26.3重量部と、(C)粘着付与樹脂である水素添加ジシクロペンタジエン系樹脂(アイマーブP100)18.4重量部と、(D)軟化剤であるパラフィンオイル(ダイアナプロセスオイルPW-90)18.4重量部と、(E)パラフィンワックス(パラフィンワックス150)5.3重量部と、フィッシャートロプシュワックス(FT-115)7.9重量部と、(F)酸化防止剤(アデカスタブAO-60)0.7重量部とを溶融混合して得られるホットメルト接着剤。」
(3)引用発明との対比・判断
引用発明の「(B)メタロセン触媒で重合して得られた結晶性ポリα-オレフィンであるポリプロピレンホモポリマー(エルモーデュS400)」は、本件補正発明の「メタロセンポリオレフィン(metallocene polyolefin)」に相当する。
引用発明の「(C)粘着付与樹脂である水素添加ジシクロペンタジエン系樹脂(アイマーブP100)」は、ジシクロペンタジエン-スチレン共重合体の完全水添された樹脂である(前記イの参考文献2等参照。)し、本件明細書の【0032】の「例えば、前記C9系単量体は、スチレン(styrene)・・・等を含むことができる」との記載から、「スチレン」は本件補正発明の「C9系単量体」に相当し、ジシクロペンタジエン-スチレン共重合体を製造する際に熱重合することは技術常識であることからすると、引用発明の「水素添加ジシクロペンタジエン系樹脂(アイマーブP100)」は、本件補正発明の「ジシクロペンタジエン(dicyclopentadiene)およびC9系単量体を含む単量体組成物に対して熱重合および水添反応(hydrogenation)を行って得られる水添石油樹脂」に相当し、しかも完全水添されたものであるから、本件補正発明の「水素石油樹脂は、下記式1によって測定した水添率が90~100%である・・・[式1]水添率(%)=水添反応後の水添石油樹脂の芳香族二重結合で飽和した脂肪族単結合のモル数/水添反応前の石油樹脂の全体芳香族二重結合のモル数*100」を充足する。また、水素添加ジシクロペンタジエン系樹脂(アイマーブP100)は、ジシクロペンタジエン:スチレン=1:1(モル比)であるから、132(ジシクロペンタジエンの分子量)と104(スチレンの分子量)に基づいて重量比に換算すると56wt%:44wt%となる(前記ウの参考文献3参照。)。そうすると、引用発明の「(C)粘着付与樹脂である水素添加ジシクロペンタジエン系樹脂(アイマーブP100)」は、本件補正発明の「前記メタロセンポリオレフィンがポリプロピレン(PP)系ポリオレフィンであるとき、前記水添石油樹脂において前記C9系単量体をジシクロペンタジエンおよびC9系単量体の総重量に対して30wt%以上および60wt%以下で含み」を充足する。
また、引用発明の(C1)アイマーブP100と(B1)メタロセンポリプロピレンホモポリマーの重量比は18.4:26.3=41.2:58.8であるから、本件補正発明の「前記水添石油樹脂とメタロセンポリオレフィンを60:40~40:60の重量比で含む」も充足する。
してみれば、引用発明と本件補正発明の発明特定事項の間に差異は存せず、本件補正発明は引用文献1に記載された発明である。
(4)請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、引用文献1の請求項1の「(A)非晶性ポリα-オレフィン、(B)α-オレフィンをメタロセン触媒で重合して得られた結晶性ポリα-オレフィン及び(C)粘着付与樹脂を含み、(A)~(C)の総重量100重量部に対して(C)が5~30重量部含まれており」との条件から、ホットメルト接着剤中の(C)の含有量を計算すると、((A)+(B)):(C)は、95~70:5~30の重量比となること、並びに、引用発明1の実施例1、6、7においても、下記【表2】のとおり、(C)成分の含有量は組成物の16.5~18.4重量部にしかならないから、「水添石油樹脂とメタロセンポリオレフィンを60:40~40:60の重量比で含む」ものではない旨主張する。
【表2】
[図:0001430545000002.jpg]
しかしながら、引用発明の「(A)成分」ではなく「(B)成分」のみが、本件補正発明のメタロセンポレオレフィンに相当するものであるから、前記【表2】の実施例6の数値が「水添石油樹脂とメタロセンポリオレフィンを60:40~40:60の重量比で含む」を充足することは、前記(3)で検討したとおりである。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(なお、請求人が令和6年8月5日提出の上申書において提示した補正案について念のため検討しても、原審の拒絶理由で引用された文献2(特開2017-31273号公報)には、アイマーブP-125(水添率100%のジシクロペンタジエンとC9系単量体の共重合体である水添石油樹脂)とメタロセンポリプロピレンを含むホットメルト接着剤が記載されており(実施例1~4等)、ホットメルト接着剤に用いる水添石油樹脂として、C9系単量体所定量(30~60wt%)含むものは周知である(要すれば、引用文献1の引用発明、特開2004-359964号公報の特許請求の範囲、【0005】【0010】【0015】【0022】【0026】、特開2004-26903号公報の特許請求の範囲、【0014】、第1表、石油学会誌、土屋 昇三ら著、ジシクロペンタジエン系石油樹脂(第4報)水素化樹脂のホットメルト接着剤への利用、第27巻、第4号、1984年、283頁-289頁、URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpi1958/27/4/27_4_283/_pdf/-char/ja)こと等から、補正案に係る発明も、依然として特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。)
(5)小括
したがって、本件補正発明は、引用文献1に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3.補正の却下の決定のむすび
本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであるから、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1.本願発明
令和6年2月21日にされた手続補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲に係る発明は、令和5年7月28日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~9に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1及び請求項9に係る発明(以下、請求項9に係る発明を「本願発明」という。)は、前記第2 1(2)のとおりのものである。
2.原査定における拒絶の理由
本願発明に対する原査定の拒絶の理由の概要は、令和5年10月18日付け拒絶査定に記載のとおり、本願発明は下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないという理由1(新規性)を含むものである。
引用文献1:特開2016-155916号公報
3.引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1に記載された事項は、上記第2 2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「前記水添石油樹脂とメタロセンポリオレフィンを60:40~40:60の重量比で含む」との限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2に記載したとおり、引用文献1に記載された発明であるから、本願発明も、引用文献1に記載された発明である。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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