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特許拒絶査定不服審判

2024-002696

立体ビューワのための視線追跡を統合する医療装置、システム、及び方法

審判番号
2024-002696
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2022-084912
請求日
2024年02月16日
審決日
2026年01月06日
公報発行日
2026年06月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】伊東 忠重
  • 【請求人代理人】宮崎 修
審判長/審判官
  • 審判長 佐々木 正章
  • 審判官 安井 寿儀
  • 審判官 土田 嘉一
分類
P18 .121-WZ (A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2022- 84912「立体ビューワのための視線追跡を統合する医療装置、システム、及び方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 8月 9日出願公開、特開2022-116156〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2015年(平成27年) 3月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年 3月19日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする特願2016-558123号の一部を、令和 2年 2月14日に新たな特許出願とした特願2020-23311号の一部を、令和 4年 5月25日に新たな特許出願としたものであって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。 令和 4年 5月25日提出:翻訳文 令和 5年 4月 4日付け:拒絶理由通知 同年 7月11日提出:意見書及び手続補正書 同年10月13日付け:拒絶査定 令和 6年 2月16日提出:審判請求書及び手続補正書 令和 7年 4月22日付け:拒絶理由通知 同年 7月30日提出:意見書及び手続補正書 第2 本願発明 本願の各請求項に係る発明は、令和 7年 7月30日提出の手続補正書により補正(以下「本件補正」という。)された特許請求の範囲の請求項1~14に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。 「【請求項1】 第1の座標フレームに存在する画像ディスプレイであって、第2の座標フレームに存在する手術野の画像を第3の座標フレームに存在するユーザに表示するように構成される、画像ディスプレイ、 前記第3の座標フレームに存在する前記ユーザの右目の第1の注視点に関するデータを測定するように構成される右目追跡装置であって、前記右目追跡装置は、右立体イメージング装置を含み、前記右立体イメージング装置は、前記右目からの光を受けるように構成された少なくとも2つのカメラを含む、右目追跡装置、 前記第3の座標フレームに存在する前記ユーザの左目の第2の注視点に関するデータを測定するように構成される左目追跡装置であって、前記左目追跡装置は、左立体イメージング装置を含み、前記左立体イメージング装置は、前記左目からの光を受けるように構成された少なくとも2つのカメラを含む、左目追跡装置、及び 少なくとも1つのプロセッサであって、 前記第3の座標フレームに存在する前記ユーザの前記第1の注視点及び前記第2の注視点が向けられている前記第1の座標フレームに表示される画像における視点を決定するために前記第1の注視点及び前記第2の注視点に関する前記データを処理し、 前記第1の座標フレームに表示される前記画像における決定された前記視点を前記第2の座標フレームの前記手術野における対応する視点に変換する、 ように構成される、少なくとも1つのプロセッサ、を有する、 目追跡システム。」 第3 拒絶の理由 令和 7年 4月22日付けで当審が通知した拒絶理由は、概略、次の理由を含むものである。 本願発明(本件補正前の請求項2に係る発明)は、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:米国特許出願公開第2013/0107207号明細書 引用文献2:米国特許出願公開第2013/0114850号明細書 第4 引用文献の記載及び引用発明 1 引用文献1について (1)引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている(なお、和訳及び下線は当審で付与したものである。以下同様。)。 「[0001] The present invention generally relates to gaze tracking and in particular, to a method and system for stereo gaze tracking.」 (和訳) [0001] 本発明は、一般的に視線追跡に関し、特に、ステレオ視線追跡の方法及びシステムに関する。 「[0004] The direction of a person's gaze is determined by a combination of their face orientation and eye orientation. When the head is held fixed so that the 3-D positions of the eyeballs are known in a fixed reference frame, 3-D gaze tracking may be performed by eye tracking. A common technique for eye tracking employs a video camera for capturing images of the eye in which light, such as provided by infrared light emitting diodes, is reflected from the eye. The captured images of the eye are then analyzed to extract eye rotation from changes in reflections. ・・・ [0005] When the user views a scene through a stereo viewer having left and right two-dimensional (2-D) display screens, gaze tracking becomes more complicated. Schematically, this situation is shown in FIG. 2. In this case, a projection of the point “P” is displayed as point “P1” on a left stereo image “I1” (being displayed in the left 2-D display screen) and another projection of the point “P” is displayed as point “P2” on the right stereo image “I2” (being displayed in the right 2-D display screen). The two points “P1” and “P2” are shown as being displaced horizontally in their respective images by a pixel disparity that maps to a depth which indicates the 3-D position of the point “P” on the object “O”.」 (和訳) [0004] 人の視線の方向は、顔の向きと目の向きの組み合わせによって決まる。頭部が固定されている場合、眼球の3次元位置が固定された基準フレーム内で識別されるため、眼球の追跡によって3次元の視線追跡を行うことができる。視線追跡の一般的な手法では、赤外線発光ダイオードなどから発せられる光が眼から反射される眼の画像をキャプチャするためにビデオカメラが使用される。キャプチャされた眼の画像は分析され、反射の変化から眼の回転が抽出される。・・・ [0005] ユーザが左右の2次元(2D)表示画面を備えたステレオビューアを通してシーンを観察する場合、視線追跡はより複雑になる。この状況を模式的に示すと、図2のようになる。この場合、点「P」の投影は、(左2D表示画面に表示されている)左ステレオ画像「I1」上に点「P1」として表示され、点「P」の別の投影は、(右2D表示画面に表示されている)右ステレオ画像「I2」上に点「P2」として表示される。2つの点「P1」と「P2」は、それぞれの画像において、物体「O」上の点「P」の3次元位置を示す深度に対応するピクセル視差だけ水平方向にずれて表示される。 「[0009] Since the conventional gaze tracking shown schematically in FIG. 1 is commonly referred to as 3-D gaze tracking because a 3-D position of the gaze point “P” is determinable as long as the positions and orientations of the eyes “C1” and “C2” are known, the situation shown schematically in FIG. 2 is referred to herein as stereo gaze tracking since it requires the determination of stereo gaze points “P1” and “P2” on the stereo viewer in order to estimate the 3-D position of the gaze point “P”.」 (和訳) [0009] 従来の視線追跡は、図1に模式的に示されているように、眼「C1」及び「C2」の位置と向きが分かっていれば、注視点「P」の3次元位置が特定できるため、一般的に3次元視線追跡と呼ばれる。一方、図2に模式的に示す状況は、注視点「P」の3次元位置を推定するために、ステレオビューア上のステレオ視点「P1」及び「P2」を決定する必要があるため、ここでは、ステレオ視線追跡と呼ぶ。 「[0025] In a stereo vision system employing the present invention, a user views a 3-D scene in a stereo viewer, wherein the 3-D scene has been captured by a stereoscopic camera and the stereo viewer has left and right 2-D display screens spaced apart to be respectively viewable by the user's left and right eyes so as to provide a 3-D perception of the scene displayed therein. [0026] There are many applications for such a stereo system. For example, it may be employed in a virtual reality system in which the stereo viewer is implemented in goggles worn by the user. In another example it may be employed in a minimally invasive robotic system such as marketed by Intuitive Surgical, Inc. of Sunnyvale, Calif. [0027] Minimally Invasive Robotic System [0028] FIG. 3 illustrates a work site cart 30 having robotic arms 32, 34, 36, 38 that hold and manipulate devices 31, 33, 35, 37. In this example, the devices 31, 33, 35 are tools or instruments that may be employed to perform a procedure on an object at a work site and the device 37 includes a stereoscopic camera for capturing stereo images of the work site while the procedure is being performed. [0029] FIGS. 4 and 5 respectively illustrate perspective and front views of a master console 40 which a user operates for controlling the robotic arms 32, 34, 36, 38 and devices 31, 33, 35, 37 of the cart 30, which it communicates with locally or remotely over one or more communication lines. The master console 40 has left and right input devices 41, 42 which the user may grasp respectively with his/her left and right hands to manipulate associated devices such as devices 33, 35 of the cart 30 in preferably six degrees-of-freedom. Foot pedals 44 with toe and heel controls are also provided on the master console 40 so the user may control movement and/or actuation of other devices such as auxiliary device 31 and imaging device 37. A processor 43 is also provided in the master console 40 for control and other purposes. Although shown as a single processor 43 located in the base of the master console 40, the processor 43 may be implemented as multiple cooperative processors distributed in the master console 40 as well as other parts of the minimally invasive robotic system.」 (和訳) [0025] 本発明を採用したステレオビジョンシステムでは、ユーザはステレオビューアで3Dシーンを視認する。この3Dシーンはステレオカメラによって撮影されたものであり、ステレオビューアは、ユーザの左眼と右眼でそれぞれ視認可能なように間隔をあけて配置された左右の2D表示画面を有し、これにより、表示されるシーンの3D知覚が得られる。 [0026] このようなステレオシステムには多くの用途がある。例えば、ユーザが装着するゴーグル内にステレオビューアが実装された仮想現実システムに用いることができる。また、別の例として、カリフォルニア州サニーベールのIntuitive Surgical, Inc.が販売している低侵襲ロボットシステムに用いることができる。 [0027] 低侵襲ロボットシステム [0028] 図3は、デバイス31、33、35、37を保持し操作するロボットアーム32、34、36、38を備えた作業現場カート30を示している。この例では、デバイス31、33、35は、作業現場で対象物に対して処置を行うために用いられるツールまたは器具であり、デバイス37は、処置の実行中に作業現場の立体画像を撮影するための立体カメラを備えている。 [0029] 図4及び5は、それぞれ、ユーザが操作してカート30のロボットアーム32、34、36、38及びデバイス31、33、35、37を制御するマスターコンソール40の斜視図及び正面図を示している。マスターコンソール40は、1つ以上の通信回線を介して、ローカル又はリモートでカート30のデバイス31、33、35、37と通信する。マスターコンソール40は、左右の入力装置41、42を備えており、ユーザはそれぞれ左手と右手でこれらを握り、カート30のデバイス33、35などの関連デバイスを、好ましくは6自由度で操作することができる。また、マスターコンソール40には、つま先とかかとで操作できるフットペダル44も備えられており、ユーザは補助デバイス31や撮像デバイス37などの他のデバイスの動き及び/又は作動を制御することができる。マスターコンソール40には、制御などの目的でプロセッサ43も搭載されている。マスターコンソール40のベースに単一のプロセッサ43が配置されているように示されているが、プロセッサ43は、マスターコンソール40内だけでなく、低侵襲ロボットシステムの他の部分にも分散配置された複数の協調プロセッサとして実装することもできる。 「[0031] Stereo Vision System [0032] A stereo viewer 45 is also provided in the master console 40 so that the user may view the work site in stereo vision from images captured by the stereoscopic camera of the imaging device 37. Left and right eyepieces, 46 and 47, are provided in the stereo viewer 45 so that the user may view left and right 2-D display screens inside the viewer 45 respectively with the user's left and right eyes. Conventional mechanisms are provided for both adjusting the distance between the left and right eyepieces, 46 and 47, to accommodate different pupillary distances of users and adjusting the distances of the left and right eyepieces, 46 and 47, to their respective left and right 2-D display screens for user focusing purposes.」 (和訳) [0031] ステレオビジョンシステム [0032] マスターコンソール40には、ステレオビューア45も設けられており、ユーザは、撮像デバイス37のステレオカメラで撮影した画像から作業現場をステレオビジョンで観察することができる。ステレオビューア45には、左右の接眼レンズ46及び47が設けられており、ユーザは、ビューア45内の左右の2D表示画面をそれぞれ左右の眼で観察することができる。ユーザの瞳孔間距離の違いに合わせて左右の接眼レンズ46及び47間の距離を調整する機構と、ユーザの焦点合わせのために左右の接眼レンズ46及び47と左右の2D表示画面との間の距離を調整する機構とが設けられている。 「[0034] Since the user's left and right eye positions are known relative to the left and right 2-D display screens when the user places his/her eyes to the left and right eyepieces, 46 and 47, the user's gaze on a 3-D gaze point in the stereo view may be tracked by tracking the user's left and right eyes. To this end, components of one or more eye tracking systems are integrated into the stereo viewer 45. To ensure accuracy and reliability of the eye tracking systems, they are calibrated before use using any suitable calibration procedure.」 (和訳) [0034] ユーザが左右の接眼レンズ46及び47に眼を向けると、ユーザの左右の眼の位置は左右の2D表示画面に対する相対位置で既知となるため、ユーザの左右の眼を追跡することにより、ステレオビュー内の3D注視点へのユーザの視線を追跡することができる。この目的のため、1つ又は複数の視線追跡システムの構成要素がステレオビューア45に組み込まれている。視線追跡システムの精度及び信頼性を確保するため、使用前に適切なキャリブレーション手順を用いてキャリブレーションが行われる。 「[0041] FIG. 7 illustrates another stereo vision system 70 with dual eye trackers-a left eye gaze point tracker 704 for tracking a gaze point of the left eye on the left 2-D display screen 602 and the right eye gaze point tracker 604 for tracking the gaze point of the right eye on the right 2-D display screen 603. As previously explained, although the 3-D gaze point may be obtained by tracking both the left and right eyes respectively on the left and right 2-D display screens, 602 and 603, errors may occur due to either the right or left eye being the dominant eye. Errors may also occur due to the position of the one or more light source relative to the left and right eyes or the position of the reflected light or image capturing device relative to the left and right eyes (e.g., shadows, obstructions, poor reflection angles, etc., affecting the accuracy of tracking one eye more than the other). [0042] Also included in the stereo vision system 70 are a gaze point integrator 710, the left eye gaze point estimator 609, and a right eye gaze point estimator 709 to compensate for such previously described errors and therefore improve the reliability and/or accuracy of the determination of the 3-D gaze point. The left eye gaze point estimator 609 generates an estimation of the left eye gaze point on the left 2-D display screen 602 using the tracked right eye gaze point from the right eye gaze point tracker 604 and the left and right stereo images, 607 and 608, from the image processor 606, as previously described. In a similar, but symmetrical manner, the right eye gaze point estimator 709 generates an estimation of the right eye gaze point on the right 2-D display screen 603 using the tracked left eye gaze point from the left eye gaze point tracker 704 and the left and right stereo images, 607 and 608, from the image processor 606. [0043] Confidence scores for the left and right eye trackers, 704 and 604, may be determined so that improved determinations of the left and right eye gaze points may be made by the gaze point integrator 710 according to the confidence scores. For example, the determinations of the left and right eye gaze points may be improved on by adjusting the tracked left and right eye gaze points according to their respective confidence scores and estimated left and right eye gaze points as follows: GPR=CRT・GPRT+(1-CRT)・GPRE GPL=CLT・GPLT+(1-CLT)・GPLE [0044] where “GPR” and “GPL” are the determinations made by the gaze point integrator 710 for the right and left eye gaze points, “CRT” and “CLT” are the right and left tracking confidence scores (where “1” is the highest and “0” is the lowest), “GPRT” and “GPLT” are the tracked right and left eye gaze points, and “GPRE” and “GPLE” are the estimated right and left eye gaze points.」 (和訳) [0041] 図7は、2つのアイトラッカー-左2D表示画面602上の左眼の注視点を追跡する左眼注視点追跡器704と、右2D表示画面603上の右眼の注視点を追跡する右眼注視点追跡器604を備えた別のステレオビジョンシステム70を示している。前述のように、3D注視点は、左眼及び右眼の2D表示画面602、603上でそれぞれ左眼及び右眼を追跡することによって取得できるが、右眼又は左眼のどちらかが優位眼であるために誤差が生じる可能性がある。また、左眼及び右眼に対する1つ以上の光源の位置、又は左眼及び右眼に対する反射光又は画像キャプチャ装置の位置(例えば、影、障害物、反射角度の悪さなど、片方の眼の追跡精度にもう片方の眼よりも大きな影響を与える)によっても誤差が生じる可能性がある。 [0042] ステレオビジョンシステム70には、注視点統合器710、左眼注視点推定器609、及び右眼注視点推定器709も含まれており、前述の誤差を補正することで、3次元視線の決定の信頼性及び/又は精度を向上させる。左眼注視点推定器609は、前述のように、右眼注視点追跡器604から追跡された右眼注視点と、画像処理装置606から取得される左右のステレオ画像607及び608を用いて、左2D表示画面602上の左眼注視点の推定値を生成する。同様であるが対称的な方法で、右眼注視点推定器709は、左眼注視点追跡器704からの追跡された左眼注視点と、画像プロセッサ606からの左及び右のステレオ画像607及び608を使用して、右2D表示画面603上の右眼注視点の推定値を生成する。 [0043] 左眼注視点追跡器704及び右眼注視点追跡器604の信頼度スコアを決定して、その信頼度スコアに従って注視点統合器710によって左眼及び右眼の注視点の決定精度を向上させることができる。例えば、左眼と右眼の注視点の決定は、次のように、それぞれの信頼度スコアと推定された左眼と右眼の注視点に従って追跡された左眼と右眼の注視点を調整することによって改善できる。 GPR=CRT・GPRT+(1-CRT)・GPRE GPL=CLT・GPLT+(1-CLT)・GPLE [0044] ここで、「GPR」及び「GPL」は、右眼及び左眼の注視点について注視点統合器710によって決定されたものであり、「CRT」及び「CLT」は、右眼及び左眼の追跡信頼度スコア(「1」が最大で「0」が最小)であり、「GPRT」及び「GPLT」は追跡された右眼及び左眼の注視点であり、「GPRE」及び「GPLE」は推定された右眼及び左眼の注視点である。 「[0051] In addition to adjusting the tracked left and right gaze points using weighted averages of the tracked and estimated gaze points and confidence scores as previously described, the gaze point integrator 710 may further improve its determination of the left and right gaze points, GPL and GPR, which it provides to the gaze tracking application 610, by using information of the trajectories of the tracked and estimated left and right gaze points. For example, the shape of the temporal trajectory for a gaze point trajectory having a high confidence score may be used to estimate the temporal trajectory for a gaze point trajectory having a low confidence score. [0052] The left and right eye gaze points determined by the gaze point integrator 710 may then be processed through the gaze tracking application 610 as previously described in reference to FIG. 6. Although shown as separate blocks 604, 704, 609, 709, 710, 606, 610, and 612, the processing performed in these blocks may all be performed by the processor 43 of the master console 40. Alternatively, the processing of one or more of these blocks, such as the image processor 606, may be performed by a separate processor or circuitry dedicated to performing specific tasks.」 (和訳) [0051] 前述のように、追跡及び推定された注視点と信頼度スコアの加重平均を用いて追跡された左右の注視点を調整することに加えて、注視点統合器710は、追跡及び推定された左右の注視点の軌跡情報を用いることで、視線追跡アプリケーション610に提供する左右の注視点GPL及びGPRの決定をさらに改善することができる。例えば、高い信頼度スコアを有する視線点軌跡の時間的軌跡の形状を用いて、低い信頼度スコアを有する視線点軌跡の時間的軌跡を推定することができる。 [0052] 注視点統合器710によって決定された左眼及び右眼の注視点は、図6を参照して前述したように、視線追跡アプリケーション610を通じて処理され得る。個別のブロック604、704、609、709、710、606、610、及び612として示されているが、これらのブロックで実行される処理はすべて、マスターコンソール40のプロセッサ43によって実行されてもよい。あるいは、画像プロセッサ606などのこれらのブロックの1つ以上の処理は、特定のタスクを実行する専用の別のプロセッサ又は回路によって実行されてもよい。 図2 「 [図:0001435547000001.jpg] 」 図7 「 [図:0001435547000002.jpg] 」 (2)上記(1)の事項を総合すると、引用文献には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「左2D表示画面602上の左眼の注視点を追跡する左眼注視点追跡器704と、 右2D表示画面603上の右眼の注視点を追跡する右眼注視点追跡器604を備え、 注視点統合器710、左眼注視点推定器609、及び右眼注視点推定器709を含み、左眼注視点追跡器704及び右眼注視点追跡器604の信頼度スコアを決定して、その信頼度スコアに従って注視点統合器710によって左眼及び右眼の注視点の決定精度を向上させ、注視点統合器710によって決定された左眼及び右眼の注視点は、視線追跡アプリケーション610を通じて処理され、実行される処理はすべて、マスターコンソール40のプロセッサ43によって実行される、 ステレオビジョンシステム70。」 2 引用文献2について (1)引用文献2には、図面とともに以下の事項が記載されている。 「[0002] The present invention relates to apparatus, systems, and methods for producing accurate gaze tracking using an unobtrusive eyewear or headwear device for eye monitoring and/or control applications.」 (和訳) [0002] 本発明は、眼の監視及び/又は制御アプリケーション用の目立たない眼鏡又はヘッドウェアデバイスを使用して正確な視線追跡を得るための装置、システム及び方法に関する。 「[0062] FIG. 3 shows an embodiment of a gaze-tracking system 10″ including one or more components embedded within an eyewear platform 11 as viewed from the front (i.e., looking toward the device wearer). In this case, the eyewear platform 11 is instrumented to track both the right eye using components mounted to the right eyeglasses frame 30a and the left eye using components mounted to the left eyeglasses frame 30b. From the viewpoint of the system 10″ of FIG. 3, the rear side of some of the cameras used to track the right eye 31a, 31b and left eye 32a, 32b may be seen. As described more fully elsewhere, processing and control electronics and/or power sources may optionally be embedded in one or both the right 33a and left stems 33b of the eyewear 11.」 (和訳) [0062] 図3は、前方(すなわち、デバイス装着者の見ている方向)から見たアイウェアプラットフォーム11内に埋め込まれた1つ以上のコンポーネントを含む視線追跡システム10”の実施形態を示す。この場合、アイウェアプラットフォーム11は、右眼鏡フレーム30aに取り付けられたコンポーネントを使用して右眼を追跡し、左眼鏡フレーム30bに取り付けられたコンポーネントを使用して左眼を追跡するように装備される。図3のシステム10”の視点から、右眼31a、31b及び左眼32a、32bを追跡するために使用されるカメラのうちいくつかの後ろ側が見える。他の場所で詳細に説明されるように、処理及び制御電子機器及び/又は電源は、アイウェア11の右ステム33aと左ステム33bの一方又は両方にオプションで埋め込むことができる。 図3 「 [図:0001435547000003.jpg] 」 (2)上記(1)の段落[0062]における「右眼31a、31b及び左眼32a、32bを追跡するために使用されるカメラのうちいくつかの後ろ側が見える」との記載について、図3を参酌すると、符号31a、31bで示されるものは、右眼ではなく、右眼を追跡するために使用されるカメラであり、同様に、符号32a、32bで示されるものは、左眼を追跡するために使用されるカメラであるので、上記(1)の記載事項及び図示内容を総合すると、引用文献2には、次の事項(以下「引用文献2記載の事項」という。)が記載されている。 「視線追跡システム10”において、右眼を追跡するために使用されるカメラ31a、31b及び左眼を追跡するために使用されるカメラ32a、32bのうちいくつかの後ろ側が見えること。」 第5 対比・判断 1 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 (1)引用発明の「ステレオビジョンシステム70」は、その処理が「マスターコンソール40のプロセッサ43によって実行される」ものであり、引用文献1の段落[0025]~[0029]を踏まえれば、低侵襲ロボットシステムに用いられるものであるので、引用発明の「左2D表示画面602」及び「右2D表示画面603」は、手術野の画像をユーザに表示するものである。 また、引用文献1の段落[0005]及び図2の記載事項から、左2D表示画面及び右2D表示画面は、観察するシーンが存在する座標フレーム及びユーザが存在する座標フレームとは異なる座標フレームに存在することが明らかである。 したがって、引用発明の「左2D表示画面602」及び「右2D表示画面603」は、本願発明の「第1の座標フレームに存在する画像ディスプレイであって、第2の座標フレームに存在する手術野の画像を第3の座標フレームに存在するユーザに表示するように構成される、画像ディスプレイ」に相当する。 (2)引用発明の「左2D表示画面602上の左眼の注視点を追跡」することは、左眼の注視点のデータを測定することであり、また、引用文献1の段落[0004]の記載を踏まえれば、光が眼から反射される眼の画像をキャプチャするビデオカメラを使用しているので、引用発明の「左2D表示画面602上の左眼の注視点を追跡する左眼注視点追跡器704」「を備え」ることと、本願発明の「前記第3の座標フレームに存在する前記ユーザの左目の第2の注視点に関するデータを測定するように構成される左目追跡装置であって、前記左目追跡装置は、左立体イメージング装置を含み、前記左立体イメージング装置は、前記左目からの光を受けるように構成された少なくとも2つのカメラを含む、左目追跡装置」「を有する」こととは、前記第3の座標フレームに存在する前記ユーザの左目の第2の注視点に関するデータを測定するように構成される左目追跡装置であって、前記左目追跡装置は、前記左目からの光を受けるように構成されたカメラを含む、左目追跡装置を有することの限りで一致する。 (3)上記(2)と同様、引用発明の「右2D表示画面603上の右眼の注視点を追跡する右眼注視点追跡器604」「を備え」ることと、本願発明の「前記第3の座標フレームに存在する前記ユーザの右目の第1の注視点に関するデータを測定するように構成される右目追跡装置であって、前記右目追跡装置は、右立体イメージング装置を含み、前記右立体イメージング装置は、前記右目からの光を受けるように構成された少なくとも2つのカメラを含む、右目追跡装置」「を有する」こととは、前記第3の座標フレームに存在する前記ユーザの右目の第1の注視点に関するデータを測定するように構成される右目追跡装置であって、前記右目追跡装置は、前記右目からの光を受けるように構成されたカメラを含む、右目追跡装置を有することの限りで一致する。 (4)引用発明の「注視点統合器710、左眼注視点推定器609、及び右眼注視点推定器709を含み、左眼注視点追跡器704及び右眼注視点追跡器604の信頼度スコアを決定して、その信頼度スコアに従って注視点統合器710によって左眼及び右眼の注視点の決定精度を向上させ、注視点統合器710によって決定された左眼及び右眼の注視点は、視線追跡アプリケーション610を通じて処理され、実行される処理はすべて、マスターコンソール40のプロセッサ43によって実行される」ことは、引用文献1の段落[0043]及び[0044]の記載事項から、左眼及び右眼の注視点のデータを使用していることは明らかなので、本願発明の「少なくとも1つのプロセッサであって、前記第3の座標フレームに存在する前記ユーザの前記第1の注視点及び前記第2の注視点が向けられている前記第1の座標フレームに表示される画像における視点を決定するために前記第1の注視点及び前記第2の注視点に関する前記データを処理」する「ように構成される、少なくとも1つのプロセッサ、を有する」ことに相当する。 (5)引用発明の「ステレオビジョンシステム70」は、引用文献1の段落[0001]、[0031]及び[0032]の記載を踏まえれば、本願発明の「目追跡装置」に相当する。 (6)したがって、本願発明と引用発明とは、 「第1の座標フレームに存在する画像ディスプレイであって、第2の座標フレームに存在する手術野の画像を第3の座標フレームに存在するユーザに表示するように構成される、画像ディスプレイ、 前記第3の座標フレームに存在する前記ユーザの右目の第1の注視点に関するデータを測定するように構成される右目追跡装置であって、前記右目追跡装置は、前記右目からの光を受けるように構成されたカメラを含む、右目追跡装置、 前記第3の座標フレームに存在する前記ユーザの左目の第2の注視点に関するデータを測定するように構成される左目追跡装置であって、前記左目追跡装置は、前記左目からの光を受けるように構成されたカメラを含む、左目追跡装置、及び 少なくとも1つのプロセッサであって、 前記第3の座標フレームに存在する前記ユーザの前記第1の注視点及び前記第2の注視点が向けられている前記第1の座標フレームに表示される画像における視点を決定するために前記第1の注視点及び前記第2の注視点に関する前記データを処理する、 ように構成される、少なくとも1つのプロセッサ、を有する、 目追跡システム。」 である点で一致し、以下の3点で相違する。 <相違点1> 「右目追跡装置」について、本願発明は、「右立体イメージング装置を含み、前記右立体イメージング装置は、」前記右目からの光を受けるように構成された「少なくとも2つの」カメラを含むのに対し、引用発明は、そのように特定されていない点。 <相違点2> 「左目追跡装置」について、本願発明は、「左立体イメージング装置を含み、前記左立体イメージング装置は、」前記左目からの光を受けるように構成された「少なくとも2つの」カメラを含むのに対し、引用発明は、そのように特定されていない点。 <相違点3> 「プロセッサ」について、本願発明は、「前記第1の座標フレームに表示される前記画像における決定された前記視点を前記第2の座標フレームの前記手術野における対応する視点に変換する」のに対し、引用発明は、そのように特定されていない点。 2 判断 上記各相違点について以下検討する。 <相違点1及び2について> 引用発明の「右眼注視点追跡器604」及び「左眼注視点追跡器704」は、上記1(2)及び(3)で説示したとおり、光が眼から反射される眼の画像をキャプチャするビデオカメラを使用するものである。そして、このような「右眼注視点追跡器604」及び「左眼注視点追跡器704」を備える引用発明において、立体イメージを用いることは通常のことであるから、上記引用文献2記載の事項(第4の2(2)を参照。)を参酌することで、「右眼注視点追跡器604」及び「左眼注視点追跡器704」のカメラを複数とし、上記相違点1及び2に係る本願発明の事項とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 <相違点3について> 引用文献1の段落[0009]に記載された「注視点「P」の3次元位置を推定するために、ステレオビューア上のステレオ視点「P1」及び「P2」を決定する必要がある」との事項並びに同段落[0005]及び図2の記載事項を踏まえれば、引用発明は、右2D表示画面603及び左2D表示画面603に表示される右眼及び左眼の注視点(「P2」及び「P1」)を決定して、観察するシーンの注視点(「P」)すなわち手術野における注視点の3次元位置を推定するものである。 してみると、引用発明は、右2D表示画面603及び左2D表示画面603に表示される画像における決定された左眼及び右眼の注視点を手術野における注視点に変換するものであるので、相違点3は実質的な相違点ではない。 仮に実質的な相違点であったとしても、立体イメージを用いることは通常のことであることを踏まえれば、引用発明において、相違点3に係る本願発明の事項とすることは、当業者が適宜なし得る程度の事項にすぎない。 また、本願発明の効果についても、引用発明及び引用文献2記載の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-002696

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