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特許拒絶査定不服審判

2024-002022

作業機

審判番号
2024-002022
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-003990
請求日
2024年02月05日
審決日
2025年06月19日
公報発行日
2025年09月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社クボタ
  • 【請求人代理人】弁理士法人R&C
審判長/審判官
  • 審判長 居島 一仁
  • 審判官 山本 一
  • 審判官 殿川 雅也
分類
P18 .121-WZ (A01C)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2020-3990「作業機」拒絶査定不服審判事件〔令和3年8月2日出願公開、特開2021-108607〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和2年1月14日に出願したものであって、令和5年6月2日付けで拒絶理由が通知され、同年8月7日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年10月27日付け(送達日:同年11月7日)で拒絶査定された。これに対し、令和6年2月5日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出された。 その後、当審において、同年12月23日付けで拒絶理由が通知され、令和7年2月20日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 2 本願発明について 本願の請求項1ないし8に係る発明は、令和7年2月20日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 圃場で作業走行する機体と、 航法衛星の測位信号に基づいて前記機体の位置情報を取得する測位ユニットと、 圃場に農用資材を供給する供給装置と、 前記機体の走行中に前記位置情報に基づいて前記供給装置に対する制御が可能な制御ユニットと、 前記機体の速度を検出可能な速度検出部と、が備えられ、 前記制御ユニットは、予め走行経路上に設定された開始位置から作業走行を開始する場合に前記作業走行の開始前に自動的に前記供給装置を動作させ、予め前記走行経路上に設定された終了位置で作業走行を終了する場合に前記作業走行の終了前に自動的に前記供給装置を停止させるように構成され、且つ、 前記制御ユニットは、前記速度に基づいて前記供給装置を動作または停止させるタイミングを変更可能に構成されている作業機。」 なお、本願発明は、補正前の請求項1について補正前の請求項3に対応する限定をしたものである。 3 当審における拒絶理由 当審において通知した拒絶理由は、次の理由を含む。 (進歩性)この出願の請求項3に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1:特開2016-7196号公報 引用文献2:実願昭61-177659号(実開昭63-85026号)の願書に最初に添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム 引用文献3:特開平9-120314号公報 4 引用文献 (1)引用文献1 当審において通知した拒絶理由に引用され、本願出願前の平成28年1月18日に頒布された特開2016-7196号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は当審において付した。以下同じ。)。 「【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、乗用型田植機や乗用型直播機等の植播系水田作業機において、作業開始及び作業終了の検出の構成に関する。」 「【0017】 [V] (構成) 本発明の第5特徴は、本発明の第1~第4特徴の植播系水田作業機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。 田面に肥料又は薬剤を供給する供給装置を備えて、 前記供給装置を作動させるべき位置と前記供給装置を停止させるべき位置とを設定する供給設定部と、前記供給設定部の設定に基づいて前記供給装置を作動及び停止させる供給装置操作部を備えている。 【0018】 (作用及び発明の効果) [V]-1 田面に肥料(薬剤)を供給する供給装置を備えた場合、水田の全ての田面に肥料(薬剤)を供給するのではなく、肥料(薬剤)を供給する位置(範囲)及び肥料(薬剤)を供給しない位置(範囲)が存在することがある。 例えば肥料では、日当たりの良い位置と悪い位置、風通しの良い位置と悪い位置、昨年の収量の良い位置と悪い位置等に基づいて、肥料を供給したり供給しなかったりすることがある。例えば除草剤等の薬剤では、供給装置を作動させたり停止させたりして、田面への薬剤の過剰供給を避けながら、薬剤をできるだけ均一に田面に供給するようにすることがある。 【0019】 [V]-2 前項[V]-1に記載の状態において、本発明の第5特徴によると、田面に肥料又は薬剤を供給する供給装置を備えた場合、測位データに基づいて供給装置を作動させるべき位置と供給装置を停止させるべき位置とが設定される。 これにより、機体が供給装置を作動させるべき位置に達すると、供給装置が自動的に作動し、機体が供給装置を停止させるべき位置に達すると、供給装置が自動的に停止するのであり、運転者は供給装置を手動で作動及び停止させる必要がなく、作業性の良いものとなる。」 「【0024】 [1] 図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた機体の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降させる油圧シリンダ4が備えられており、リンク機構3の後部に苗植付装置5(植播系作業装置に相当)が支持されて、植播系水田作業機の一例である乗用型田植機が構成されている。 【0025】 図1に示すように、苗植付装置5は4個の伝動ケース6、伝動ケース6の後部の右及び左側部に回転自在に支持された回転ケース7、植付ケース7の両端部に備えられた一対の植付アーム8、フロート9及び苗のせ台10等を備えて8条植え型式に構成されている。これにより、苗のせ台10が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、回転ケース7が回転駆動され、苗のせ台10の下部から植付アーム8が交互に苗を取り出して田面Gに植え付ける。」 「【0028】 [2] 次に施肥装置17(供給装置に相当)及び整地装置35について説明する。 図1に示すように、運転座席11の後側に繰り出し部12及びホッパー13が備えられて、運転座席に下側にブロア14が備えられており、フロート9に備えられた作溝器15と繰り出し部12とに亘ってホース16が接続されて、施肥装置17が構成されている。これにより、ホッパー13に貯留された肥料が繰り出し部12により繰り出されて、ブロア14の搬送風によりホース16から作溝器15に供給され、作溝器15により田面Gに形成された溝に供給される。」 「【0043】 [5] 次に、自動走行制御の構成について説明する。 図1及び図2に示すように、測位ユニット37がフレーム30の左右中央に連結されている。測位ユニット37はGNSSモジュール及びジャイロセンサーモジュール等を備えて構成されており、機体の測位データを制御装置23に出力する。」 「【0046】 図2に示すように、基準走行経路L01を設定する第1設定部41、走行経路L02~L05を設定する第2設定部42、走行経路L02~L05を補正する補正部43、ステアリングモータ52を操作する自走操向部44、水田及び周辺の地図データを格納する情報格納部45、作業残り演算部46、補給演算部47、供給設定部48、供給装置操作部49、整地設定部50及び整地装置操作部51が、制御装置23にソフトウェアとして備えられている。」 「【0059】 以上のように、例えば図3及び図4に示すような平面視で四角形の水田において、1回の空走行経路LA1、複数回の作業行程(基準走行経路L01、走行経路L02~L05)及び4回の回り植え行程(走行経路LB1~LB4)を行うことにより、田面Gの全ての部分において苗の植え付け及び肥料の供給を行うことができる。」 「【0077】 回り植え行程(走行経路LB1)において苗植付装置5の横幅が残るようにすることが困難な場合、第2設定部42において以下のような処理が行われる。 8条植え型式の苗植付装置5に2条を停止可能な少数条クラッチ(図示せず)を4個備えた場合、走行経路L05において、苗植付装置5の右側のどれだけの数(2条や4条)の少数条クラッチを遮断状態に操作すれば、回り植え行程(走行経路LB1)において苗植付装置5の横幅が残るのかが、測位データと地図データとに基づいて演算されて所定間隔W1が設定される。 そして、走行経路L05に入る前(旋回LL5(左方向)において、どの少数条クラッチを遮断状態に操作すべきかがモニター39に表示されるので、運転者は、モニター39の表示に従って少数条クラッチを遮断状態に操作する。」 「【0082】 [11] 次に、前項[6][7]に記載の乗用型田植機の作業形態において、本発明の自動走行制御を行った場合の旋回LL2(右方向)から走行経路L02について、図6及び図8(a)(b)(c)に基づいて説明する。 【0083】 前項[9][10]に記載のように、作業開始位置A3及び作業終了位置A4、走行経路L02~L05が設定された状態において、旋回LL2(右方向)に入ると、測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、機体が走行経路L02の作業開始位置A3に達するまでの距離と時間とが、作業残り演算部46により演算されて、演算結果がモニター39に表示される(ステップ14)。 【0084】 運転者は、基準走行経路L01において田面Gに形成された指標やモニター39を目視しながら、操縦ハンドル20を操作して旋回LL2(右方向)を行い、図8(a)に示すように機体が走行経路L02の作業開始位置A3に接近すると、操作レバー25を下降位置Dに操作して、苗植付装置5を田面Gに下降させて(自動昇降制御部40の作動状態、植付及び施肥クラッチ26,27の遮断状態、整地装置35の停止位置)(ステップS15)、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動状態に操作する準備を行う。 【0085】 図8(b)に示すように、機体が位置K4に達して、測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、走行経路L02の作業開始位置A3に達したことが検出されると、機体が走行経路L02の作業開始位置A3に達したことがモニター39に表示されて、ブザー55が作動する(ステップS16)。 【0086】 これにより、運転者は、操作レバー25を下降位置Dに操作し、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動状態に操作して、走行経路L02に入る(ステップS17)。 この場合に、図8(a)(b)に示すように、機体が走行経路L02の作業開始位置A3に接近してから、植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作されるまでの間、運転者は、基準走行経路L01において田面Gに形成された指標やモニター39を目視しながら、操縦ハンドル20を操作することにより機体の位置を修正しながら、走行経路L02に入る。 【0087】 前述のようにして機体が走行経路L02に入った場合、図8(b)(c)に示すように機体が走行経路L02から離れた位置に位置した状態(機体と走行経路L02との間に差D1が発生している状態)において、植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作されると、測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、機体と走行経路L02との差D1の存否が検出されて、機体が走行経路L02から離れた位置に位置していると、補正部43により走行経路L02の位置が機体の位置に補正される(ステップS18)。 補正部43により走行経路L02の位置が機体の位置に補正されると、第2設定部42において、新たな走行経路L02に基づいて前項[10]に記載の処理が再び行われる(ステップS19)。 【0088】 植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作されたことに基づいて、自動操向部44が作動状態となるのであり、測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、機体が走行経路L02に沿って走行するように、自動操向部44によりステアリングモータ52が操作されて、前輪1及び操縦ハンドル20が自動的に操作される(ステップS20)。」 「【0094】 機体が位置K5に達して、測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、機体が走行経路L02の作業終了位置A4に達したことが検出されると、機体が走行経路L02の作業終了位置A4に達したことがモニター39に表示されて、ブザー55が作動する(ステップS24)。 【0095】 これにより運転者は、操作レバー25を上昇位置Uに操作して、苗植付装置5を田面Gから上昇させる(自動昇降制御部40の停止状態、植付及び施肥クラッチ26,27の遮断状態、整地装置35の停止位置)(ステップS25)。 植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作されるのに基づいて、自動操向部44が停止状態となるのであり(ステップS26)、モニター39において、機体、地図及び走行経路L02~L05が表示され、自動操向部44が作動状態であることが非表示となり、ランプ54が消灯する(ステップS27)。」 「【0118】 [17] 次に、供給設定部48及び供給装置操作部49について説明する。 図15に示すように、田面Gに除草剤等の薬剤を散布して供給する供給装置60を、苗植付装置5の後部に連結することがある。この場合に、田面Gの全ての部分に薬剤を供給するのではなく、薬剤を供給する位置(範囲)及び薬剤を供給しない位置(範囲)が存在する。これは、常に供給装置60を作動させて薬剤を田面Gに供給するのではなく、供給装置60を作動させたり停止させたりして、田面Gへの薬剤の過剰供給を避けながら、薬剤をできるだけ均一に田面Gに供給するようにする為である。 【0119】 図16に示すように、基準走行経路L01においては、測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、所定距離だけ走行するごとに、供給装置操作部49により供給装置60が作動状態に操作され停止状態に操作されて、田面Gに薬剤が供給されるのであり、薬剤が供給された位置(範囲)B3が供給設定部48に記憶される。 【0120】 次に前項[10]に記載のように、基準走行経路L01に対して走行経路L02~L05が設定されると、図16に示すように、走行経路L02~L05に対して、薬剤を供給する位置(範囲)B4が供給設定部48に記憶される。 この場合、基準走行経路L01において薬剤が供給された位置(範囲)B3とは異なる位置となるようにする点、並びに、畦Bに近接した位置では薬剤の供給は行わない点に基づいて、走行経路L02~L05に対して、薬剤を供給する位置(範囲)B4が供給設定部48に記憶される。 【0121】 これにより、走行経路L02~L05において、機体が薬剤を供給する位置(範囲)B4に達すると、測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、供給装置操作部49により供給装置60が作動状態に操作されて田面Gに薬剤が供給されるのであり、機体が薬剤を供給する位置(範囲)B4を通過すると、供給装置操作部49により供給装置60が停止状態に操作される。」 「【0134】 [発明の実施の第6別形態] 前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]~[発明の実施の第5別形態]において、植付及び施肥クラッチ26,27を同じ電動モータ28で伝動及遮断状態に操作するのではなく、植付クラッチ26と施肥クラッチ27とを別々の電動モータにより独立で伝動及び遮断状態に操作できるように構成してもよい。 【0135】 前述のように構成すると、基準走行経路L01及び走行経路L02~L05、走行経路LB1~LB4において、植付クラッチ26は常に伝動状態に操作されるのに対して(常に苗を植え付けるのに対して)、例えば日当たりの良い位置と悪い位置、風通しの良い位置と悪い位置、昨年の収量の良い位置と悪い位置等に基づいて、田面Gに肥料を供給したり肥料を供給しなかったりするようにすることができ、以下に示す処理を行うことができる。 【0136】 測位ユニット37及び情報格納部45を備えた状態において、機体が水田に入る前から基準走行経路L01及び走行経路L02~L05を設定した場合、基準走行経路L01及び走行経路L02~L05に対して、日当たりの良い位置と悪い位置、風通しの良い位置と悪い位置、昨年の収量の良い位置と悪い位置等に基づいて、肥料を供給する位置(範囲)が設定されて供給設定部48に記憶される。 【0137】 これにより、基準走行経路L01及び走行経路L02~L05において、機体が肥料を供給する位置(範囲)に達すると、測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、供給装置操作部49により施肥クラッチ27が伝動状態に操作されて田面Gに肥料が供給されるのであり、機体が肥料を供給する位置(範囲)を通過すると、供給装置操作部49により施肥クラッチ27が遮断状態に操作される。 【0138】 前述の[発明を実施するための形態]のように、基準走行経路L01及び走行経路L02~L05、走行経路LB1~LB4において、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動状態に操作する場合、前述のように、植付クラッチ26と施肥クラッチ27とを別々の電動モータにより独立で伝動及び遮断状態に操作できるように構成すれば、施肥クラッチ27が伝動状態に操作されてから、植付けクラッチ26が伝動状態に操作されるように構成することができる。 【0139】 これは施肥クラッチ27が伝動状態に操作された場合、繰り出し部12から繰り出された肥料が田面Gに到達するのに少し時間を要するので(タイムラグがあるので)、施肥クラッチ27が伝動状態に操作されてから、植付けクラッチ26が伝動状態に操作されるように構成することにより、田面Gへの肥料の供給と田面Gへの苗の植え付けとが同時に開始されるようにする為である。」 「【0141】 [発明の実施の第8別形態] 前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]~[発明の実施の第7別形態]において、後輪2の回転数及び測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、機体の走行速度及び後輪2のスリップ率を演算して、以下に示す処理を行うように構成してもよい。」 「【図1】 [図:0001426421000001.jpg] 」 「【図6】 [図:0001426421000002.jpg] 」 「【図8】 [図:0001426421000003.jpg] 」 上記引用文献1記載事項を以下のとおり整理する。 ア 上記【0024】、【0025】及び【0082】に、「苗植付装置5を備えて、苗を田面Gに植え付ける自動走行制御を行う乗車型田植機」が記載されている。 イ 上記【0043】に、「GNSSモジュール等を備えて、機体の測位データを制御装置23に出力する測位ユニット37」が記載されている。 ウ 上記【0028】に、「ホッパー13に貯留された肥料が繰り出し部12により繰り出されてホース16から作溝器15に供給され、作溝器15により田面Gに形成された溝に供給する、施肥装置17」が記載されている。 エ 上記【0046】に、「基準走行経路L01を設定する第1設定部41、走行経路L02~L05を設定する第2設定部42、走行経路L02~L05を補正する補正部43、ステアリングモータ52を操作する自走操向部44、水田及び周辺の地図データを格納する情報格納部45、供給装置操作部49が、制御装置23にソフトウェアとして備え」られていることが記載されている。 オ 上記【0083】ないし【0086】に、「測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、機体が走行経路L02の作業開始位置A3に達するまでの距離と時間とが、作業残り演算部46により演算されて、演算結果がモニター39に表示され、機体が位置K4に達して、測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、走行経路L02の作業開始位置A3に達したことが検出されると、機体が走行経路L02の作業開始位置A3に達したことがモニター39に表示されてブザー55が作動し、運転者は、操作レバー25を下降位置Dに操作し、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動状態に操作して、走行経路L02に入」ることが記載されている。 カ 上記【0094】ないし【0095】に、「測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、機体が走行経路L02の作業終了位置A4に達したことが検出されると、機体が走行経路L02の作業終了位置A4に達したことがモニター39に表示されてブザー55が作動し、運転者は、操作レバー25を上昇位置Uに操作して、苗植付装置5を田面Gから上昇させ(自動昇降制御部40の停止状態、植付及び施肥クラッチ26,27の遮断状態、整地装置35の停止位置)」ることが記載されている。 キ 上記【0059】に、「平面視で四角形の水田において、田面Gの全ての部分において苗の植え付け及び肥料の供給を行うことができ」ることが記載されている。 ク 【0138】及び【0139】には、「[発明を実施するための形態]のように、基準走行経路L01及び走行経路L02~L05、走行経路LB1~LB4において、・・・植付クラッチ26と施肥クラッチ27とを別々の電動モータにより独立で伝動及び遮断状態に操作できる」、「施肥クラッチ27が伝動状態に操作された場合、繰り出し部12から繰り出された肥料が田面Gに到達するのに少し時間を要するので(タイムラグがあるので)、施肥クラッチ27が伝動状態に操作されてから、植付けクラッチ26が伝動状態に操作されるように構成することにより、田面Gへの肥料の供給と田面Gへの苗の植え付けとが同時に開始される」ので、「[発明を実施するための形態]」に記載された乗車型田植機を「施肥クラッチ27が伝動状態に操作された場合、繰り出し部12から繰り出された肥料が田面Gに到達するのに少し時間を要するので(タイムラグがあるので)、施肥クラッチ27が伝動状態に操作されてから、植付けクラッチ26が伝動状態に操作されて、田面Gへの肥料の供給と田面Gへの苗の植え付けとが同時に開始」するようにした実施形態も開示されているといえる。 ケ 上記【0077】に、「8条植え型式の苗植付装置5に2条を停止可能な少数条クラッチを4個備えて少数条クラッチを遮断状態に操作する」点が記載されている。 上記アないしケから、引用文献1に以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。 [引用発明1] 苗植付装置5を備えて、苗を田面Gに植え付ける自動走行制御を行う乗車型田植機であって(ア)、 GNSSモジュール等を備えて、機体の測位データを制御装置23に出力する測位ユニット37と(イ)、 ホッパー13に貯留された肥料が繰り出し部12により繰り出されてホース16から作溝器15に供給され、作溝器15により田面Gに形成された溝に供給する、施肥装置17と(ウ)、 基準走行経路L01を設定する第1設定部41、走行経路L02~L05を設定する第2設定部42、走行経路L02~L05を補正する補正部43、ステアリングモータ52を操作する自走操向部44、水田及び周辺の地図データを格納する情報格納部45、供給装置操作部49が、制御装置23にソフトウェアとして備えられており(エ)、 測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、機体が走行経路L02の作業開始位置A3に達するまでの距離と時間とが、作業残り演算部46により演算されて、演算結果がモニター39に表示され、機体が位置K4に達して、測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、走行経路L02の作業開始位置A3に達したことが検出されると、機体が走行経路L02の作業開始位置A3に達したことがモニター39に表示されてブザー55が作動し、運転者は、操作レバー25を下降位置Dに操作し、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動状態に操作して、走行経路L02に入り(オ)、 測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、機体が走行経路L02の作業終了位置A4に達したことが検出されると、機体が走行経路L02の作業終了位置A4に達したことがモニター39に表示されてブザー55が作動し、運転者は、操作レバー25を上昇位置Uに操作して、苗植付装置5を田面Gから上昇させ(自動昇降制御部40の停止状態、植付及び施肥クラッチ26,27の遮断状態、整地装置35の停止位置)(カ)、 平面視で四角形の水田において、田面Gの全ての部分において苗の植え付け及び肥料の供給を行うことができ(キ)、 施肥クラッチ27が伝動状態に操作された場合、繰り出し部12から繰り出された肥料が田面Gに到達するのに少し時間を要するので(タイムラグがあるので)、施肥クラッチ27が伝動状態に操作されてから、植付けクラッチ26が伝動状態に操作されて、田面Gへの肥料の供給と田面Gへの苗の植え付けとが同時に開始でき(ク)、 8条植え型式の苗植付装置5に2条を停止可能な少数条クラッチを4個備えて少数条クラッチを遮断状態に操作する(ケ)、 乗車型田植機(ア)。 また、上記【0017】ないし【0019】、【0121】及び【0141】には、次の技術事項(以下「引用文献1記載の技術事項」という。)が記載されている。 [引用文献1記載の技術事項] 田面に肥料又は薬剤を供給する供給装置を備えた場合、測位データに基づいて供給装置を作動させるべき位置と供給装置を停止させるべき位置とが設定されており、測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、供給装置操作部49により供給装置60が作動状態に操作されて田面Gに薬剤が供給され、機体が薬剤を供給する位置(範囲)B4を通過すると、供給装置操作部49により供給装置60が停止状態に操作され、運転者は供給装置を手動で作動及び停止させる必要がなく、作業性の良いものとなること、 及び、後輪2の回転数及び測位データに基づいて、機体の走行速度を演算してよいこと。 (2)引用文献2 当審において通知した拒絶理由に引用され、本願出願前の昭和63年6月3日に頒布された実願昭61-177659号(実開昭63-85026号)の願書に最初に添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。 ア 「2.実用新案登録請求の範囲 (1).苗植装置における苗植機構の上部に肥料等の散布装置を配設し、該散布装置における放出筒の下端口を苗植機構の近傍に開口して成る田植機において、苗植機構の駆動をON・OFFする苗植クラッチと、散布装置における被散布物繰り出し部の回動機構とを、該回動機構のONから適宜時間遅れの後に苗植クラッチをONにし、回動機構のOFFから適宜時間遅れの後に苗植クラッチをOFFにするように制御する制御手段にて連結したことを特徴とする散布装置付き苗植装置。」(第1頁第4行ないし同頁第14行) イ 「このように、本考案に従えば、施肥の箇所と苗植えの箇所とが一致し、従来のように、田植作業と施肥作業とを同時にしながら、施肥されなかった箇所に後で施肥作業だけをやり直しするという二重手間がなく、田植作業の効率化を図ることができると共に、無駄な施肥による肥料の浪費を防止することができるという顕著な効果を有する。」(第5頁第16行ないし第6頁第2行) ウ 「〔実施例〕 以下本考案を、乗用型の田植機に適用した実施例の図面について説明すると、図において1は走行機体を示し、該走行機体1は、車体フレーム2とその前部下面に取付く前車輪3,3と後部下面にチェーンケース4,4を介して取付く後車輪5,5とからなり、車体フレーム2の上面には操縦座席6と操縦ハンドル7とを備え、車体フレーム2前部上面のエンジンにより前記車輪3,5を駆動して前進走行する。」(第6頁第3行ないし同頁第12行) エ 「散布装置18は、透明な収納箱42下端に適宜間隔にて突出した各ケース43内に設けた肥料の繰り出し用羽根体44を、横方向の繰り出し軸45に取り付けてなり、ケース43下部に連設した可撓性の放出筒46の下端放出口46aは、前記各苗植機構16による苗植え付け箇所近傍に開口する。」(第9頁第8行ないし同頁第14行) オ 「・・・田植え作業に際して、・・・機体は直進し、苗植クラッチ38及び散布クラッチ47をON状態にしておけば、苗植機構16を駆動することにより、・・・圃場面63に複数条(本実施例では4条)に沿って苗植え付けすると同時に、散布装置18における繰り出し軸45も間欠回動して散布装置18内の肥料62が放出筒46を伝って落下し、苗植え箇所に肥料を散布することができる。 この苗植え付け開始時に、操作ハンドル55を図6のON方向に回動すると、・・・散布クラッチ47の従動体48が直ちに駆動体49の側面と噛合うので、・・・肥料62は放出筒46内を伝って圃場面63に落下する。 このように、散布装置18の肥料繰り出しから実際に圃場面に肥料が到達するまで時間差が存在することになるから、この時間差分だけ苗植機構16の駆動の開始時を遅れさせると苗植え箇所と施肥箇所とが一致することになるのである。・・・ 反対に苗植え作業の終了時には、操作ハンドル55をOFF方向に回動することで、・・・作動時間遅延機構58におけるシリンダ58bを適宜時間だけ遅らせて移動し、ワイヤ59bを介してアーム40を回動して苗植クラッチ38をOFFにするのである。」(第11頁第18行ないし第14頁第7行) カ 「本考案における作動時間遅延のための制御手段54は、前記実施例のごとく機械的構成ばかりでなく、・・・電気的に構成することもできる。・・・ 即ち、・・・苗植え開始時に畦際70と苗植装置9の後端との略水平距離(X1)を測定することにより、この距離(X1)が枕地長さ(l)より(α)だけ短い距離になったとき、中央制御回路64から信号を出し、散布クラッチ47を直ちにONさせるが、走行機体1が前記距離(α)前進するのに相当する時間だけ、遅延回路66により遅れて苗植クラッチ38がONになるように制御する。 同様に、・・・畦際に近付く走行機体1前端との水平距離(X2)を測定し、この距離(X2)が枕地長さ(l)より(α)だけ長い距離になれば、中央制御回路64から信号を出し、散布クラッチ47を直ちにOFFさせるが、走行機体1が前記距離(α)前進するのに相当する時間だけ、遅延回路66により遅れて苗植クラッチ38がOFFになるように制御する。 これらの場合、散布クラッチ47のON・OFFに代えて、サーボモータを繰り出し軸45に連結し、該サーボモータの回動のON・OFF制御を前記遅延回路付きの中央制御回路にて実行するように構成しても良い。」(第14頁第8行ないし第16頁第13行) キ 「第2図 [図:0001426421000004.jpg] 」 上記引用文献2記載事項アないしキを以下のとおり整理する。 ク 上記エに、「透明な収納箱下端に適宜間隔にて突出した各ケース下部に連設した可撓性の放出筒の下端放出口が、前記各苗植機構により苗植え付け箇所近傍に開口する散布装置」が記載されている。 ケ 上記アに、「苗植装置における苗植機構の上部に肥料等の散布装置を配設し、該散布装置における放出筒の下端口を苗植機構の近傍に開口してなり、苗植機構の駆動をON・OFFする苗植クラッチと、散布装置における被散布物繰り出し部の回動機構とを、該回動機構のONから適宜時間遅れの後に苗植クラッチをONにし、回動機構のOFFから適宜時間遅れの後に苗植クラッチをOFFにするように制御する制御手段にて連結した散布装置付き苗植装置」が記載されている。 コ 上記カに、「苗植え開始時に畦際70と苗植装置の後端との略水平距離(X1)を測定することにより、この距離(X1)が枕地長さ(l)より(α)だけ短い距離になったとき、中央制御回路から信号を出し、散布クラッチを直ちにONさせるが、走行機体が前記距離(α)前進するのに相当する時間だけ、遅延回路により遅れて苗植クラッチがONになるように制御し、畦際に近付く走行機体前端との水平距離(X2)を測定し、この距離(X2)が枕地長さ(l)より(α)だけ長い距離になれば、中央制御回路から信号を出し、散布クラッチを直ちにOFFさせるが、走行機体が前記距離(α)前進するのに相当する時間だけ、遅延回路により遅れて苗植クラッチがOFFになるように制御する、制御手段」が記載されている。 サ 上記イ及びオに、散布装置付き苗植装置が、「施肥の箇所と苗植えの箇所を一致」させる効果を奏することが記載されている。 シ 上記ウに、「前進走行する走行機体」が記載されている。 上記クないしシから、引用文献2に以下の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されている。 [引用発明2] 透明な収納箱下端に適宜間隔にて突出した各ケース下部に連設した可撓性の放出筒の下端放出口が、前記各苗植機構により苗植え付け箇所近傍に開口する散布装置と(ク)、 苗植装置における苗植機構の上部に肥料等の散布装置を配設し、該散布装置における放出筒の下端口を苗植機構の近傍に開口してなり、苗植機構の駆動をON・OFFする苗植クラッチと、散布装置における被散布物繰り出し部の回動機構とを、該回動機構のONから適宜時間遅れの後に苗植クラッチをONにし、回動機構のOFFから適宜時間遅れの後に苗植クラッチをOFFにするように制御する制御手段にて連結した散布装置付き苗植装置と(ケ)、 苗植え開始時に畦際70と苗植装置の後端との略水平距離(X1)を測定することにより、この距離(X1)が枕地長さ(l)より(α)だけ短い距離になったとき、中央制御回路から信号を出し、散布クラッチを直ちにONさせるが、走行機体が前記距離(α)前進するのに相当する時間だけ、遅延回路により遅れて苗植クラッチがONになるように制御し、畦際に近付く走行機体前端との水平距離(X2)を測定し、この距離(X2)が枕地長さ(l)より(α)だけ長い距離になれば、中央制御回路から信号を出し、散布クラッチを直ちにOFFさせるが、走行機体が前記距離(α)前進するのに相当する時間だけ、遅延回路により遅れて苗植クラッチがOFFになるように制御する、制御手段とを備えて(コ)、 施肥の箇所と苗植えの箇所を一致させた(サ)、 前進走行する走行機体(シ)。 (3)引用文献3 当審において通知した拒絶理由に引用され、本願出願前の平成9年5月6日に頒布された特開平9-120314号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、作業車が予定走行経路に沿って設定走行速度で自動走行するように、前記作業車の走行手段の駆動速度を制御する走行制御手段が設けられた作業車の誘導制御装置に関する。」 「【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、田植え用の作業車Vが、所定範囲の作業地としての圃場内に設定された予定走行経路としての複数個の作業行程Lに沿って自動走行する場合について説明する。 【0016】例えばその地点の重力方向に対して水平方向を東西及び南北方向で表した局地水平座標系E(東方向),N(北方向),H(地球中心からの高さ方向)において高精度に位置(上記座標系E,N,Hでの座標値)が判っている地上側の基準位置に設置されて、図2に示すように、少なくとも4個のGPS衛星2からのスペクトラム拡散変調された電波(搬送波信号)を受信するGPS基準局R(以後、単に基準局Rともいう)用のアンテナ19aと、このアンテナ19aの受信信号を処理して搬送波の位相情報を得るGPS受信機19と、そのGPS受信機19からの搬送波位相情報を作業車V側に向けて送信するための送信アンテナ20aを備えた地上側通信手段としての送受信機20とが設けられている。 【0017】作業車Vの構成について、図1及び図2に基づいて説明する。走行手段としての左右一対の前輪3及び後輪4を備えた車体5の後部に、下降位置で駆動されている作業状態とこれ以外の非作業状態とに切換自在な対地作業装置としての苗植え付け装置6が、昇降自在で且つ駆動停止自在に設けられている。前後輪3,4は、左右を一対として各別に操向操作自在に構成され、操向用の油圧シリンダ7,8と、電磁操作式の制御弁9,10とが設けられている。つまり、前輪3又は後輪4の一方のみを操向する2輪ステアリング形式、前後輪3,4を逆位相で且つ同角度に操向する4輪ステアリング形式、前後輪3,4を同位相で且つ同角度に操向する平行ステアリング形式の3種類のステアリング形式を選択使用できる。尚、各作業行程に沿っての直進走行時には、前輪3のみを操向する2輪ステアリング形式で行う。」 「【0027】そこで、現在時刻での作業車Vの位置をリアルタイムに検出するために、前記制御装置16を利用して、前記GPS位置データ算出手段102にて求められる、現在時刻より設定時間前のGPS位置データ、及び、前記慣性航法システムINSにて求められる、現在時刻での慣性航法位置データによって現在時刻での作業車Vの車体位置を求める車体位置検出手段103が構成されている。つまり、検出遅れのあるGPS位置データに対して慣性航法位置データを補間することで現在時刻での作業車の車体位置を求めるのである。 【0028】前記制御装置16を利用して、作業車Vが各作業行程Lに沿って設定走行速度で自動走行するように、前後輪3,4の駆動速度を制御する走行制御手段100が構成され、さらに、この走行制御手段100は、前記車体位置検出手段103の車体位置情報に基づいて求めた実際の走行速度が前後輪3,4の駆動速度から計算で求めた走行速度よりも速いときには前後輪3,4の駆動速度を減速させ、且つ、前記実際の走行速度が前記計算で求めた走行速度よりも遅いときには前後輪3,4の駆動速度を増速させるように構成されている。ここで、上記実際の走行速度は、車体位置検出手段103にて時間間隔を置いて求めた各車体位置間の移動距離をその時間間隔で割り算して求められ、前後輪3,4の駆動速度は、前記車速センサS3の情報から求められ、前後輪3,4の駆動速度の増減速は、前記無段変速装置11を変速制御して行われる。 【0029】又、前記走行制御手段100は、前記作業車Vが前記各作業行程Lの終端部に到達するに伴ってその行程終端部から次の作業行程Lの始端部に向けて移動させるべく、前記前後輪3,4を操向制御するように構成されている。つまり、図4に示すように、作業車Vは、矩形状の圃場F内で圃場長手方向に沿う状態で短手方向に並置された各作業行程L(図では5個の行程L1~L5)を、図の最右端側に位置する最初の作業行程L1のスタート地点Stから走行開始して、2輪ステアリングで各行程に沿って直進走行する。そして各作業行程Lの終端部に達すると、隣接する作業行程Lの始端部に向けて、終端地点eから所定距離直進走行してから180度の旋回動作を開始し、所定の旋回区間gを経て旋回動作の終点fに至る経路e~fを所望の回向軌跡とする回向パターンで、4輪ステアリングにて回向動作し、回向後は、逆方向に走行する往復走行を繰り返して、圃場Fの全範囲を走行する。」 「【0036】次に、図7~図8に示すフローチャートに基づいて、制御装置16による植付け作業について説明する。メインフロー(図7)では、作業車Vは、最初の作業行程L1に沿っての自動走行を開始すると、時系列のGPS位置データ及びINS位置データによる位置検出情報に基づいて操向制御し、植付け開始位置に到着すると植付け装置6を下降させ且つ駆動開始して植付け作業を開始する。 【0037】さらに走行して、その作業行程Lの終端部(e地点)に到達すると、植付け装置6を駆動停止して上昇させる。ここで、回向回数等に基づいて作業終了を判別した場合には、走行を停止して全処理を終了する。作業終了でない場合には、回向開始点での車体方位を方位センサS4にて検出し、その地点から所定距離直進した後、ステアリングを2輪から4輪に切り換えて、隣接する次の行程始端部への180度の旋回動作を行う。旋回を終了すると、ステアリングを2輪に戻して、前記GPS受信データ及びINS位置データによる位置検出情報に基づく操向制御を行いながら、次の作業行程L2に沿って逆方向の走行を開始する。以後、各作業行程L2~L5を同様にして自動走行する。」 「【図4】 [図:0001426421000005.jpg] 」 上記摘記事項、特に、上記【0027】、【0028】、【0036】及び【0037】には、次の技術事項(以下「引用文献3記載の技術事項」という。)が記載されている。 [引用文献3記載の技術事項] 現在時刻での作業車Vの位置をリアルタイムに検出するために、前記制御装置16を利用して、前記GPS位置データ算出手段102にて求められる、現在時刻より設定時間前のGPS位置データ、及び、前記慣性航法システムINSにて求められる、現在時刻での慣性航法位置データによって現在時刻での作業車Vの車体位置を求める車体位置検出手段103が構成されており、走行速度は、車体位置検出手段103にて時間間隔を置いて求めた各車体位置間の移動距離をその時間間隔で割り算して求められていること、及び、 制御装置16が、作業車Vが自動走行を開始すると、時系列のGPS位置データ及びINS位置データによる位置検出情報に基づいて操向制御し、植付け開始位置に到着すると植付け装置6を下降させ且つ駆動開始して植付け作業を開始し、作業行程Lの終端部に到達すると、植付け装置6を駆動停止すること。 5 対比 (1)本願発明と引用発明1を対比する。 ア 引用発明1の「水田」、「機体」及び「肥料」は、各々本願発明の「圃場」、「機体」及び「農用資材」に相当する。 イ 引用発明1の「乗車型田植機」は、後述する相違点を除き、本願発明の「作業機」に相当する。 ウ 引用発明1の「植付及び施肥クラッチ26,27を伝動状態に操作して、走行経路L02」を走行する点は、「水田を苗の植え付け及び肥料の供給」しながら走行するので、本願発明の「圃場で作業走行」することにあたる。よって、本願発明の「機体」と引用発明1の「乗車型田植機」の「機体」は、ともに「圃場で作業走行」するものである点で一致する。 エ 引用発明1の「GNSSモジュール」は、「Global Navigation Satellite System」、すなわち全地球航行衛星システムを利用して位置情報を得ることができるモジュールであることは技術常識である。よって、本願発明の「測位ユニット」と引用発明1の「測位ユニット37」は、ともに「航法衛星の測位信号に基づいて前記機体の位置情報を取得」する「測位ユニット」である点で一致する。 オ 引用発明1は、測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、作業開始位置A3に達したことが検出されると、機体が走行経路L02の作業開始位置A3に達したことがモニター39に表示されて、運転者が植付及び施肥クラッチを伝動状態に操作し、作業終了位置A4に達したことが検出されると、機体が走行経路L02の作業終了位置A4に達したことがモニター39に表示されて、運転者が植付及び施肥クラッチを遮断するので、乗車型田植機の機体の位置情報に基づいて施肥クラッチを操作することが可能といえる。ここで、引用発明1の「乗車型田植機」は、圃場に施肥するために肥料(農業資材)を供給する装置を備えており、これは本願発明の「圃場に農用資材を供給する装置」に相当する。よって、本願発明の「作業機」と引用発明1の「乗車型田植機」は、ともに「圃場に農用資材を供給する供給装置」が備えられて、「前記機体の走行中に前記位置情報に基づいて前記供給装置に対する制御が可能」である点で一致する。 カ 上記オを踏まえれば、引用発明1では、作業開始位置A3に達すると植付及び施肥を実施し、作業終了位置A4に達すると植付及び施肥を終了する。ここで、作業開始位置A3及び作業終了位置A4は、地図データに基づいて決定されているので、予め走行経路上に設定されているといえる。よって、本願発明の「作業機」と引用発明1の「乗車型田植機」は、ともに「予め走行経路上に設定された開始位置から作業走行を開始し、予め前記走行経路上に設定された終了位置で作業走行を終了する」点で一致する。 キ 引用発明1は、「施肥クラッチ27が伝動状態に操作されてから、植付けクラッチ26が伝動状態に操作されて、田面Gへの肥料の供給と田面Gへの苗の植え付けとが同時に開始でき」るものだから、作業走行の開始前に供給装置を動作させている。よって、上記カを踏まえれば、本願発明の「作業機」と引用発明1の「乗車型田植機」は、ともに「予め走行経路上に設定された開始位置から作業走行を開始する場合に前記作業走行の開始前に前記供給装置を動作させ、予め前記走行経路上に設定された終了位置で作業走行を終了する」点で一致する。 (2)すると、本願発明と引用発明1は、 [一致点] 「圃場で作業走行する機体と、 航法衛星の測位信号に基づいて前記機体の位置情報を取得する測位ユニットと、 圃場に農用資材を供給する供給装置と、が備えられ、 前記機体の走行中に前記位置情報に基づいて前記供給装置に対する制御が可能であり、 予め走行経路上に設定された開始位置から作業走行を開始する場合に前記作業走行の開始前に前記供給装置を動作させ、予め前記走行経路上に設定された終了位置で作業走行を終了するように構成されている作業機。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1] 本願発明は、「前記機体の走行中に前記位置情報に基づいて前記供給装置に対する制御が可能な制御ユニット」が備えられて、この「制御ユニット」が「供給装置に対する制御」、「作業走行の開始」及び「作業走行を終了」をするように構成されているが、引用発明1では、「運転者」が、位置情報に基づいて作業走行開始及び作業走行終了のための植付及び施肥クラッチ操作を行っている点。 [相違点2] 本願発明は、「作業走行を開始する場合に前記作業走行の開始前に自動的に前記供給装置を動作させ」、「作業走行を終了する場合に前記作業走行の終了前に自動的に前記供給装置を停止させ」るものであるが、引用発明1は、「運転者」が「植付及び施肥クラッチ」を「伝動状態]及び「遮断状態」に操作するものであって、植付けクラッチを伝動状態にする前(作業走行の開始前)に施肥クラッチを伝動状態(供給装置を動作)にさせているにとどまり、作業走行の開始前に「自動的に」供給装置を動作させていること、及び、作業走行終了前に自動的に供給装置を停止させているか不明である点。 [相違点3] 本願発明は、「前記機体の速度を検出可能な速度検出部」が備えられて、「前記制御ユニットは、前記速度に基づいて前記供給装置を動作または停止させるタイミングを変更可能に構成されている」が、引用発明1は、速度検出部を備えること、及び、速度と施肥クラッチ27の伝動状態への操作及び遮断状態への操作のタイミングの関係が規定されていない点。 6 判断 (1)相違点1及び相違点2について 事案に鑑みて、相違点1及び相違点2を併せて検討する。 ア 引用文献1記載の技術事項では、測位データ(本願発明の「位置情報」に相当する。)に基づいて供給装置操作部49が、供給装置60(本願発明の「供給装置」に相当する。)を作動状態又は停止状態に制御している。 イ 引用発明2では、制御手段が、畦際と苗植装置との間の距離X1又は距離X2に(本願発明の「位置情報」に相当する。)応じて散布クラッチ及び苗植クラッチをON又はOFF制御しており、散布クラッチ及び苗植クラッチをON又はOFFすることのそれぞれは、肥料散布及び苗植えを開始又は停止することにあたる。 ウ 引用文献3記載の技術事項では、制御手段16が、時系列のGPS位置データ及びINS位置データによる位置検出情報(本願発明の「位置情報」に相当する。)に基づいて操向制御し、植付け開始位置に到着すると植付け装置6を下降させ且つ駆動開始して植付け作業を開始し、作業行程Lの終端部に到達すると、植付け装置6を駆動停止している。 エ 上記アによれば、位置情報に基づいて、供給装置操作部49が位置情報に基づいて供給装置16に対する制御をしているから、引用文献1記載の技術事項の「供給装置操作部49」は本願発明の「前記供給装置に対する制御が可能な制御ユニット」に相当する。また、上記イによれば、引用発明2の「制御手段」は、位置情報に基づいて肥料散布を開始又は停止させる制御をしているので、本願発明の「前記供給装置に対する制御が可能な制御ユニット」に相当する。 オ 上記イによれば、引用発明2では、制御手段が畦際と苗植装置との間の距離X1及び距離X2がlになる時点で苗植えを開始又は終了しており、引用発明2の「制御手段」、「苗植えクラッチON」、「苗植えクラッチOFF」は、本願発明の「制御ユニット」、「作業走行を開始」及び「作業走行を終了」することに相当する。 カ 上記ウによれば、引用文献3記載の技術事項では、「制御手段16」が、位置検出情報に基づいて、植付け開始位置に到着すると植付け装置6を下降させ且つ駆動開始して植付け作業を開始し、作業行程Lの終端部に到達すると、植付け装置6を駆動停止しており、「植付け開始位置」から「作業工程Lの終端部」までの「自動走行」が本願発明の「開始位置から」「終了位置」までの「作業走行」に相当する。 キ 上記オ及びカより、引用発明2の「制御手段」及び引用文献3記載の技術事項の「制御手段16」は、本願発明の「開始位置から作業走行を開始」及び「終了位置で作業走行を終了」するように構成されている「制御ユニット」に相当する。 ク 上記エ及びキより、引用文献1記載の技術事項及び引用発明2は、本願発明の「前記機体の走行中に前記位置情報に基づいて前記供給装置に対する制御が可能な制御ユニット」を充足し、引用発明2及び引用文献3記載の技術事項は、本願発明の「開始位置から作業走行を開始」し、「終了位置で作業走行を終了」するように構成された「制御ユニット」を充足する。 ケ そして、引用発明1、引用文献1記載の技術事項1、引用発明2及び引用文献3記載の技術事項は、いずれも「田植機」の技術分野に属し、苗植えの機能も共通するから、引用発明1に、引用文献1記載の技術事項、引用発明2の上記「制御手段」による「散布クラッチ」及び「苗植クラッチ」の制御技術及び引用文献3記載の技術事項を採用して、相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 コ 上記アより、引用文献1記載の技術事項では、供給装置操作部49により供給装置60が供給する資材として明記されているものが薬剤ではあるものの、上記4(1)【0019】に自動的に供給する資材として肥料及び薬剤が併記されているので、供給装置操作部49が供給装置60を制御して肥料を自動的に供給させてよいことは明らかだから、引用発明1の「前記作業走行の開始前に前記供給装置を動作」させる点を、供給装置操作部49を用いて「自動的に」なして、「自動的に供給装置を動作」させることは、当業者が容易に想到し得るものといえる。 サ また、引用発明2は、植え開始時に畦際70と苗植装置の後端との略水平距離(X1)が、枕地長さ(l)より(α)だけ短い距離になったとき、中央制御回路から信号を出し、散布クラッチを直ちにONさせるが、走行機体が前記距離(α)前進するのに相当する時間だけ、遅延回路により遅れて苗植クラッチがONになるように制御し、畦際に近付く走行機体前端との水平距離(X2)を測定し、この距離(X2)が枕地長さ(l)より(α)だけ長い距離になれば、中央制御回路から信号を出し、散布クラッチを直ちにOFFさせるが、走行機体が前記距離(α)前進するのに相当する時間だけ、遅延回路により遅れて苗植クラッチがOFFになるように制御して施肥の箇所と苗植えの箇所を一致させる技術である。 ここで、引用発明2は、制御手段により制御により散布クラッチ及び苗植クラッチをON又はOFFしているので、散布クラッチ及び苗植クラッチを、制御手段を用いて自動的に制御しているといえる。すると、引用発明2の「枕地長さ(l)より(α)だけ短い距離」、「『走行機体が前記距離(α)前進するのに相当する時間だけ、遅延回路により遅れて苗植クラッチがON』する位置」、「距離(X2)が枕地長さ(l)より(α)だけ長い距離」、「『走行機体が前記距離(α)前進するのに相当する時間だけ、遅延回路により遅れて苗植クラッチがOFF』する位置」は、各々本願発明の「『作業走行の開始前に自動的に前記供給装置を動作』させる位置」、「『作業走行を開始する』『開始位置』」、「『作業走行の終了前に自動的に前記供給装置を停止』する位置」、「『作業走行を終了する』『終了位置』」に相当する。 よって、上記ケのごとく、引用発明1に引用発明2の上記「制御手段」による「散布クラッチ」及び「苗植クラッチ」の制御技術を採用すれば、相違点2に係る、「作業走行を開始する場合に前記作業走行の開始前に自動的に前記供給装置を動作させ」る構成、及び、「作業走行を終了する場合に前記作業走行の終了前に自動的に前記供給装置を停止させ」る構成をも充足することになる。 シ したがって、田面Gにおける肥料の供給開始位置と苗の植付け開始位置を一致させる引用発明1に、同様に肥料の供給位置と苗の植付け位置を一致させるために、引用文献1記載の技術事項の上記コの技術、及び、引用発明2の上記サの技術を採用して相違点2の構成とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (2)相違点3について ア 引用文献1記載の技術事項の「後輪2の回転数及び測位データに基づいて、機体の走行速度を演算」する手段、及び、引用文献3記載の技術事項の「車体位置検出手段103にて時間間隔を置いて求めた各車体位置間の移動距離をその時間間隔で割り算して」「走行速度」を求める手段は、本願発明の「前記機体の速度を検出可能な速度検出部」に相当する。 イ したがって、引用文献1記載の技術事項及び引用文献3記載の技術事項は、相違点3の「速度検出部」が備えられている要件を充足する。 ウ 走行経路L02の作業開始位置A3に達すると植付及び施肥クラッチ26,27を伝動状態にし、機体が走行経路L02の作業終了位置A4に達すると植付及び施肥クラッチ26,27の遮断状態にする引用発明1の「乗車型田植機」において、機体走行の速度制御のために、引用文献1記載の技術事項又は引用文献3記載の技術事項の「速度検出部」を設けることは、当業者が容易に想到し得る程度のものにすぎない。 エ 一方で、引用発明2は、「走行機体が前記距離(α)前進するのに相当する時間だけ、遅延回路により遅れて苗植クラッチがONになるように制御」し、また、「走行機体が前記距離(α)前進するのに相当する時間だけ、遅延回路により遅れて苗植クラッチがOFFになるように制御」している。 オ ここで、変化する速度vで進行する機体が距離αだけ前進するのに相当する時間Tは、微小区間ΔLについてその時点における速度vで除して求めた走行時間ΔT=(ΔL/v)について、ΔLを0からαまで積算して、T=Σ(ΔL/v)として求められることは、一般常識である。よって、引用発明2の肥料の供給位置と苗の植付け位置を一致させる技術を採用する際に、その遅延回路の遅延時間を機体の速度を考慮して決めることは格別のことではない。 カ そして、田植機等が状況に応じて種々の速度で作業することは例示するまでもない技術常識であるから、引用発明1に上記イに示した速度検出部を設ける技術を適用する際に、引用発明2の遅延時間を機体の速度に応じて変更可能に設計する動機がある。 キ すると、上記(1)サ、シのとおり、引用発明2の施肥の箇所と苗植えの箇所を一致させる技術を採用する際に、上記オの一般常識及び上記カを考慮して、速度に基づいて供給装置を動作又は停止させるタイミングを変更可能にすることにより、相違点3に係る構成を採ることは、当業者が容易に想到し得る程度のものにすぎない。 ク したがって、引用発明1、引用文献1記載の技術事項、引用発明2、引用文献3記載の技術事項に基づいて、相違点3に係る構成とすることは、当業者が容易になしえる程度のものである。 7 小括 上述のとおり、本願発明は、引用発明1、引用文献1記載の技術事項、引用発明2、引用文献3記載の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 8 審判請求人の意見書における主張について 審判請求人は、令和7年2月20日に提出した意見書の3において、概略次のように主張している。 (1)「本願の請求項1に係る発明は、特に、「前記機体の速度を検出可能な速度検出部と、が備えられ、・・・前記制御ユニットは、前記速度に基づいて前記供給装置を動作または停止させるタイミングを変更可能に構成されている」という構成を備えます。・・・引用文献1に記載の発明は、上記相違点に係る構成を備えない点で、本願の請求項1に係る発明とは相違します。」 「・・・ご指摘の引用文献2の14頁8行から16頁13行の記載及び図7によれば、引用文献2の構成では、遅延回路68により、苗植クラッチがONとなるタイミングを遅延させているに過ぎません。また、引用文献2には、本願の請求項1に係る発明の「速度検出部」に相当する構成も開示されていません。このため、引用文献2における「走行機体が前記距離(α)前進するのに相当する時間だけ、遅延回路により遅れて苗植クラッチがONになるように制御」との記載及び「行機体が前記距離(α)前進するのに相当する時間だけ、遅延回路により遅れて苗植クラッチがOFFになるように制御」との記載は、単に、機体の作業走行時の車速の設計値等に基づいて、遅延回路68における遅延時間を機体の製造時に予め設定しているに過ぎないと考えられます。・・・引用文献3にも上記構成は、記載も示唆もされていません。」 (2)主張(1)について 上記6(2)で検討したとおり、引用発明1、引用文献1記載の技術事項、引用発明2、引用文献3記載の技術事項に基づいて、相違点3に係る「前記機体の速度を検出可能な速度検出部と、が備えられ、・・・前記制御ユニットは、前記速度に基づいて前記供給装置を動作または停止させるタイミングを変更可能に構成されている」構成を採用することは、当業者が容易に想到し得る程度のものにすぎない。 したがって、審判請求人の上記主張(1)は採用できない。 9 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献1ないし引用文献3に記載された発明及び技術事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-002022

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