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特許拒絶査定不服審判

2024-001331

がんを患う動物を支援するための組成物

審判番号
2024-001331
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-563978
請求日
2024年01月25日
審決日
2025年06月23日
公報発行日
2025年12月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】マース インコーポレーテッド
  • 【請求人代理人】柳田 征史
  • 【請求人代理人】高橋 秀明
審判長/審判官
  • 審判長 居島 一仁
  • 審判官 立澤 正樹
  • 審判官 藤脇 沙絵
分類
P18 .121-Z (A23K)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-563978「がんを患う動物を支援するための組成物」拒絶査定不服審判事件〔令和元年12月19日国際公開、WO2019/241584、令和3年10月7日国内公表、特表2021-526363〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2019年(令和元年)6月13日を国際出願日とする外国語特許出願であって(パリ条約による優先権主張 2018年6月14日 欧州特許庁)、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和3年 1月12日 :翻訳文の提出 令和5年 3月28日付け :拒絶理由通知書 同年 5月15日受付 :意見書、手続補正書の提出 同年 6月16日付け :拒絶理由通知書 同年 7月19日受付 :意見書、手続補正書の提出 同年 9月26日付け :同年7月19日の手続補正についての補正 の却下の決定、拒絶査定(以下、「原査 定」という。) 令和6年 1月25日受付 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和6年1月25日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年1月25日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線は補正箇所である。)。 「【請求項1】 がんに罹患しており、かつ化学療法を受けているイヌの支援に使用するためのドッグフード組成物であって、 10質量%~20質量%の脂肪、5質量%~15質量%の繊維、及び30質量%~60質量%のタンパク質、15質量%~40質量%の範囲の量の炭水化物、 乾燥物基準で250~2000ppmの範囲の量のクルクミノイド、乾燥物基準で55ppm~130ppmの範囲の量のローズマリー抽出物を含むドッグフード組成物(質量パーセンテージは、前記組成物の乾燥物の総重量に基づく)。」 (2)本件補正前 本件補正に先立つ令和5年7月19日受付の手続補正書による補正は、原審における同年9月26日付けの補正の却下の決定により却下されているから、本件補正前の請求項1の記載は、同年5月15日受付の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりである。 「【請求項1】 がんに罹患しており、かつ化学療法を受けているイヌの支援に使用するためのドッグフード組成物であって、 10質量%~20質量%の脂肪、5質量%~15質量%の繊維、及び30質量%~60質量%のタンパク質、 乾燥物基準で250~2000ppmの範囲の量のクルクミノイド、乾燥物基準で55ppm~130ppmの範囲の量のローズマリー抽出物を含むドッグフード組成物(質量パーセンテージは、前記組成物の乾燥物の総重量に基づく)。」 2 補正目的 本件補正は、本件補正前の請求項1の「ドッグフード組成物」について、「15質量%~40質量%の範囲の量の炭水化物」を含むものであることを限定するものである。 そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と、本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 そのため、本件補正は、本件補正前の請求項1について、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的としたものと認める。 3 独立特許要件 上記2のとおり、本件補正は、本件補正前の請求項1について特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的としたものと認めることができる。 そのため、本件補正前の請求項1に記載された発明を限定した、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)は、同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合すること(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであること)を要する。 以下、本件補正発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができたか否かを検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献 ア 引用文献1 (ア)記載事項 原査定の拒絶の理由において引用され、本願の優先日前に発行された文献である特表2017-534576号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(下線は当審で付した。以下同様。)。 a 「【請求項11】 20%~60%のタンパク質、 10%~40%の脂質、 10%~50%の炭水化物、及び 0.01%~5%のα-アミラーゼ阻害物質を含む、コンパニオンアニマルにおけるがんの治療、がんリスクの低減又はがんの予防のための食餌処方物。 【請求項12】 1%~50%の難消化性デンプンを更に含む、請求項11に記載の食餌処方物。」 b 「【0005】 [0005]現在、がんは、外科手術、放射線療法及び化学療法を含む、種々の様式を用いて治療されている。治療様式の選択は、がんの種類、部位及び播種によって決定され得る。例えば、外科手術及び放射線療法は、境界の明瞭な固形腫瘤の場合にはより適切であり得るが、白血病及びリンパ腫などの非固形腫瘍がんの場合にはあまり効果的でない。外科手術及び放射線療法の利点の1つは、治療の影響をある程度コントロールできることから、体内の正常組織に対する有害性を制限できることである。しかしながら、外科手術及び放射線療法は、残存するがん細胞又は放射線抵抗性がん細胞に対処するために、化学療法を続けて行うことが多い。化学療法はまた、白血病及びリンパ腫などの播種性がん並びに転移に最も適切な治療法である。しかしながら、こうした治療は、正常細胞にも著しい損傷をもたらすことがある。」 c 「【0009】 [0009]本発明の別の目的は、コンパニオンアニマルにおけるがんの治療、がんリスクの低減若しくはがんの予防、又はコンパニオンアニマルにおける食後血糖の低減のための食餌処方物を提供することである。一実施形態において、食餌処方物は、20%~60%のタンパク質、10%~40%の脂質、10%~50%の炭水化物、任意に1%~50%の難消化性デンプン、及び0.01%~5%のα-アミラーゼ阻害物質を含み得る。」 d 「【0014】 [0014]用語「難消化性デンプン」とは、消化されにくく、動物の大腸まで通過し、大腸で食物繊維のように作用するデンプン及びデンプン分解生成物を指す。これらには、種子又は豆類及び未処理全粉穀類にみられるものなどの生体が消化できないか又は消化抵抗性のデンプンであるもの;未調理のジャガイモ、グリーンバナナ及びハイアミロースコーンなどの天然の粒状形態で存在するもの;豆類、パン、コーンフレーク及び調理して冷ましたジャガイモ、パスタサラダ又は寿司飯などのデンプン含有食物を調理して冷却したときに、老化(デンプンを水中で加熱及び溶解した後、冷却すると、溶解したデンプンは溶解しにくくなるという総合的プロセスを指す)により、形成されるもの;並びに消化されにくいように化学的に修飾されたものが挙げられる。」 e 「【0021】 [0021]本明細書に記載されるすべてのパーセンテージは、別途記載のない限り、組成物の総重量又は総量に対する重量又は量によるものである。」 f 「【0028】 本発明 [0028]炭水化物の制限は、がんの予防及び治療に有益であり得る(「Is There a Role for Carbohydrate Restriction in the Treatment and Prevention of Cancer?」by Klement et al.,Nutr.&Metab.8:75,pp.1-16(2011)。低炭水化物及び高タンパク質の食餌は、腫瘍成長を減速させ、がんリスクを低減させることができるが、高タンパク質の食餌は、例えば、腎臓障害を有する動物には適さない場合がある。こうした点から、本発明者らは、コンパニオンアニマル用の食餌処方物中に他の種類の阻害物質ではなくアミラーゼ阻害物質を使用することにより、通常のタンパク質の食餌において、食餌性炭水化物の消化及び吸収をより効果的に低減させることができることを発見した。このような食餌処方物は、低炭水化物の食餌の利点を提供することができるばかりでなく、このような食餌に一般的である問題を回避することもできる。 【0029】 [0029]これらの発見を鑑み、コンパニオンアニマルにおけるがんの治療、がんリスクの低減又はがんの予防のための方法は、がんを有するか、又はがんのリスクのあるコンパニオンアニマルを特定することと、このコンパニオンアニマルに食餌処方物を治療的に有効な量で与えることとを含み得る。概して、食餌処方物は、20%~60%のタンパク質、10%~40%の脂質、10%~50%の炭水化物、及び0.01%~5%のα-アミラーゼ阻害物質を含み得る。一実施形態において、食餌処方物は、難消化性デンプンを更に含み得る。典型的には、治療的に有効な量は、α-アミラーゼ阻害物質を含まない比較用食餌処方物又は異なる阻害物質を含む食餌処方物を摂取するコンパニオンアニマルの食後血糖と比較して、コンパニオンアニマルの食後血糖を低下させることによって、コンパニオンアニマルにおけるがんの治療、がんの予防又はがんリスクの低減に有効なものであり得る。一態様において、方法は、がんの治療のためであり得る。特定の一態様において、がんは、微視的がんであり得る。更に、本開示は、がんの治療にて使用するための本食餌処方物を含む。 【0030】 [0030]本明細書にて論じるとおり、本方法は、コンパニオンアニマルにて概ね使用される。一態様において、コンパニオンアニマルはイヌであってよい。別の態様において、コンパニオンアニマルはネコであってよい。一実施形態において、コンパニオンアニマルはがんを有し得る。別の実施形態において、コンパニオンアニマルは、がんの遺伝的素因を有すること、がんの家族歴を有すること、又は高レベルの発がん性物質に繰り返し暴露されたことがあることにより、がんのリスクがあり得る。一態様において、繰り返し暴露は、1日あたり少なくとも1回であり得る。別の態様において、繰り返し暴露は、1週あたり少なくとも1回であり得る。更に別の態様において、繰り返し暴露は、1ヶ月あたり少なくとも1回であり得る。一実施形態において、繰り返し暴露は、米国農務省(USDA)、米国労働安全衛生局(OSHA)、米国食品医薬品局(FDA)などの政府機関が推奨するものを超える任意の暴露であってよい。一実施形態において、家族歴には、六親等以内の血族のあらゆる家族が含まれる。) g 「【0033】 [0033]一実施形態において、食餌処方物は、ペットフード組成物として処方することができる。一態様において、このような食餌処方物は、20%~60%のタンパク質、10%~40%の脂質、10%~50%の炭水化物、及び0.01%~5%のα-アミラーゼ阻害物質を有し得る。一態様において、食餌処方物は、1%~50%の難消化性デンプンを有し得る。別の実施形態において、食餌処方物は、25%~55%のタンパク質、15%~35%の脂質、15%~45%の炭水化物、及び0.05%~1%のα-アミラーゼ阻害物質を含み得る。一態様において、食餌処方物は、5%~40%の難消化性デンプンを有し得る。存在してよい他の成分には、プロバイオティクス、食物繊維、ω-3多価不飽和脂肪酸、モノ不飽和脂肪酸、酸化防止剤、中鎖トリグリセリド、ヘキソキナーゼ及びグルコキナーゼの阻害物質が挙げられる。別の実施形態において、α-アミラーゼ阻害物質は、小袋(sachet)からペットフード中に組み入れることもできるし、トリートに組み込むことによって、ペットフードを補うこともできる。 【0034】 [0034]このような食品組成物の含水率は、食品組成物の性質に応じて変動する。食品組成物は、乾燥組成物(例えば、キブル)、半湿潤組成物、湿潤組成物又はこれらの任意の混合物であってよい。一実施形態において、組成物は、完全かつ栄養バランスのとれたペットフードであってよい。本実施形態において、ペットフードは、「ウェットフード」、「ドライフード」又は「中間含水率」の食品であってよい。「ウェットフード」は、典型的には缶又は箔袋で販売され、典型的には約70%~約90%の範囲の含水率を有するペットフードを表す。「ドライフード」は、ウェットフードと類似の組成のものであるが、典型的には約5%~約15%又は20%の範囲という限られた含水率を有するペットフード(典型的には小さなビスケット様のキブルの形態)を表す。一実施形態において、組成物は、約5%~約20%の含水率を有する。ドライフード製品には、貯蔵安定性が比較的あり、微生物又は真菌による劣化又は汚染に抵抗性があるような様々な含水率の種々の食品が含まれる。他の食品組成物には、コンパニオンアニマル用のペットフード又はスナックフードなどの押出加工された食品製品である乾燥食品組成物が挙げられる。」 h 「【0045】 [0045]別の態様において、本発明は、動物の食後血糖を低下させることによって、動物におけるがんの治療、がんの予防又はがんリスクの低減のうちの1つ以上についての情報又は説明を伝達するための手段を提供する。この手段は、情報又は説明を含有する、文書、デジタル記憶媒体、光学記憶媒体、音声提示又は視聴覚表示を含む。ある特定の実施形態において、伝達手段は、情報又は説明を含む、ウェブサイト表示、視聴覚表示、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、ビラ、公表、録音テープ、ビデオテープ、DVD、CD-ROM、コンピュータで読み取り可能なチップ、コンピュータで読み取り可能なカード、コンピュータで読み取り可能なディスク、コンピュータメモリ又はこれらの組み合わせである。 【0046】 [0046]有用な情報は、(1)特に動物の種及び健康状態(例えば、がんの種類)に基づき、動物に対して推奨される給餌スケジュール、(2)推奨される給餌パターンと併用して投与が推奨される抗がん剤及び/又は健康促進剤、並びに(3)本発明及びその使用についての質問がある場合に動物又はケア提供者が使用するための問い合わせ先情報のうちの1つ以上を含む。」 (イ)引用文献1に記載された発明 上記(ア)より、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。 <引用発明> 「コンパニオンアニマルにおけるがんの治療のための食餌処方物であって(【請求項11】)、 コンパニオンアニマルはイヌであってよく(【0030】)、 食餌処方物は、ペットフード組成物として処方することができ(【0033】)、 20%~60%のタンパク質、10%~40%の脂質、10%~50%の炭水化物を有し、1%~50%の難消化性デンプンを有し(【0033】)、 「難消化性デンプン」とは、消化されにくく、動物の大腸まで通過し、大腸で食物繊維のように作用するデンプン及びデンプン分解生成物を指し(【0014】)、 パーセンテージは、組成物の総重量に対する重量によるものである(【0021】)、 食餌処方物。」 イ 引用文献2 (ア)記載事項 原査定の拒絶の理由において引用され、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったLEVINE, Corri B et al,Cellular effects of a turmeric root and rosemary leaf extract on canine neoplastic cell lines,BMC Vet Res.,[online],2017年12月13日,p.1-2,インターネット<URL https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29237458/>(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。なお、翻訳文(以下「当審訳」という。)は当審合議体が作成したものである。 a 「Background: The use of nutraceuticals is gaining in popularity in human and canine oncology with a relatively limited understanding of the effects in the vastly different tumor types seen in canine oncology. We have previously shown that turmeric root (TE) and rosemary leaf (RE) extracts can work synergistically to reduce neoplastic cell growth, but the mechanisms are poorly understood and require further elucidation. (当審訳: 背景:栄養補助食品の使用は、ヒトおよびイヌの腫瘍学において普及しつつあるが、イヌの腫瘍学でみられる腫瘍のタイプは大きく異なるため、その効果に関する理解は比較的限られている。我々は以前、ウコン根(TE)およびローズマリー葉(RE)抽出物が相乗的に作用して腫瘍細胞の増殖を抑制することを示したが、その機序は十分に理解されておらず、さらなる解明が必要である。)」 b 「Results: Three different canine cell lines (C2 mastocytoma, and CMT-12 mammary carcinoma, D17 osteosarcoma) were treated with 6.3 μg mL-1 extract individually, or 3.1 μg mL-1 of each extract in combination based on studies showing synergy of these two extracts. Apoptosis, antioxidant effects, cellular accumulation of curcumin, and perturbation of signaling pathways were assessed. The TE + RE combination treatment resulted in Caspase 3/7 activation and apoptosis in all cell lines, beyond the effects of TE alone with the CMT-12 cell line being most susceptible. Both extracts had antioxidant effects with RE reducing reactive oxygen species (ROS) by 40-50% and TE reducing ROS by 80-90%. In addition RE treatment enhanced the c-jun N-terminal kinase (JNK) activity in the C2 cell line and TE + RE exposure increased activated JNK by 4-5 times in the CMT-12 cell line. Upon further examination, it was found that RE treatment caused a significant increase in the cellular accumulation of curcumin by approximately 30% in the C2 and D17 cell lines, and by 4.8-fold in the CMT-12 cell line. This increase in intracellular curcumin levels may play a role in the synergy exhibited when using TE and RE in combination. (当審訳: 結果:3つの異なるイヌの細胞株(C2肥満細胞腫、CMT-12乳腺がん、D17骨肉腫)を、6.3μg mL-1の抽出物で個別に、またはこれら2つの抽出物の相乗効果を示す研究に基づいて3.1μg mL-1の各抽出物を組み合わせて処置した。アポトーシス、抗酸化作用、クルクミンの細胞内蓄積、シグナル伝達経路の撹乱を評価した。TE+REの併用処置により、すべての細胞株でカスパーゼ3/7の活性化とアポトーシスが生じ、TE単独の効果を上回ったが、CMT-12細胞株が最も影響を受けやすかった。どちらの抽出物にも抗酸化作用があり、REは活性酸素種(ROS)を40~50%減少させ、TEはROSを80~90%減少させた。さらに、RE処置はC2細胞株のc-jun N-末端キナーゼ(JNK)活性を増強し、TE+RE暴露はCMT-12細胞株の活性化JNKを4~5倍増加させた。さらに検討したところ、RE処置によってクルクミンの細胞内蓄積量がC2細胞株とD17細胞株では約30%、CMT-12細胞株では4.8倍と有意に増加することが判明した。この細胞内クルクミンレベルの増加が、TEとREを併用した場合に示される相乗効果に関与している可能性がある。)」 c 「Conclusions: The use of RE in combination with TE induces a synergistic response to induce apoptosis which is better than either extract alone. This appears to be related to a variable increased TE uptake in cells and activation of pathways involved in the apoptotic response. (当審訳: 結論: TEとREの併用は、どちらか一方の抽出物単独よりも優れたアポトーシス誘導の相乗反応を誘導する。これは、細胞内へのTE取り込みの変動的増加とアポトーシス反応に関与する経路の活性化に関連しているようである。)」 (イ)引用文献2記載の技術的事項 上記(ア)より、引用文献2には、次の技術的事項(以下「引用文献2記載の技術的事項」という。)が記載されている。 <引用文献2記載の技術的事項> 「ウコン根(TE)およびローズマリー葉(RE)抽出物が相乗的に作用して腫瘍細胞の増殖を抑制し(上記a)、 RE処置によってクルクミンの細胞内蓄積量が有意に増加し、この細胞内クルクミンレベルの増加が、TEとREを併用した場合に示される相乗効果に関与している可能性があること(上記b)。」 (3)本件補正発明と引用発明との対比 ア 引用発明の「コンパニオンアニマルにおけるがんの治療のための食餌処方物」は、「ペットフード組成物として処方」し、「コンパニオンアニマル」を「イヌ」としたものであるから、イヌにおけるがんの治療のためのドッグフード組成物であると認められる。 そして、がんの治療を受けるイヌは、がんに罹患しているイヌであることは明らかであり、イヌにおける「がんの治療」は、本件補正発明の「がんに罹患しているイヌ」の「支援」に相当する。 そうすると、引用発明の「食餌処方物」と、本件補正発明の「がんに罹患しており、かつ化学療法を受けているイヌの支援に使用するためのドッグフード組成物」とは、がんに罹患しているイヌの支援に使用するためのドッグフード組成物である点で、共通する。 イ 本件補正発明の「脂肪」及び引用発明の「脂質」の意味について (ア)本願の明細書において、「脂肪」という用語が使用されている【0048】を、本願の国際出願であるPCT/US2019/037090の国際公開第2019/241584号の対応箇所とともに摘記すると、次のとおりである。 「【0048】 本開示は、約10質量%~約20質量%の脂肪、約5質量%~約15質量%の繊維、及び約30質量%~約60質量%のタンパク質を含む食品組成物に関し、ここで、質量パーセンテージは、組成物の乾燥物の総重量に基づいている。」 「The present disclosure relates to a food composition comprising from about 10% by weight to about 20% by weight of fat, from about 5% by weight to about 15% by weight of fibers and from about 30% by weight to about 60% by weight proteins, the weight percentages being based on the total weight of dry matter of the composition.」(国際公開の12頁7行~10行) 以上より、本願の明細書における「脂肪」は、「fat」の訳語であることは明らかである。 (イ)引用文献1において、「脂質」という用語が使用されている【0033】を、本願の国際出願であるPCT/IB2015/057176の国際公開2016/042518号の対応箇所とともに摘記すると、次のとおりである。 「【0033】 [0033]一実施形態において、食餌処方物は、ペットフード組成物として処方することができる。一態様において、このような食餌処方物は、20%~60%のタンパク質、10%~40%の脂質、10%~50%の炭水化物、及び0.01%~5%のα-アミラーゼ阻害物質を有し得る。一態様において、食餌処方物は、1%~50%の難消化性デンプンを有し得る。別の実施形態において、食餌処方物は、25%~55%のタンパク質、15%~35%の脂質、15%~45%の炭水化物、及び0.05%~1%のα-アミラーゼ阻害物質を含み得る。一態様において、食餌処方物は、5%~40%の難消化性デンプンを有し得る。存在してよい他の成分には、プロバイオティクス、食物繊維、ω-3多価不飽和脂肪酸、モノ不飽和脂肪酸、酸化防止剤、中鎖トリグリセリド、ヘキソキナーゼ及びグルコキナーゼの阻害物質が挙げられる。別の実施形態において、α-アミラーゼ阻害物質は、小袋(sachet)からペットフード中に組み入れることもできるし、トリートに組み込むことによって、ペットフードを補うこともできる。」 「[0033] In one embodiment, the dietary formulation can be formulated as a pet food composition. In one aspect, such dietary formulations can have 20% to 60% protein, 10% to 40% fat, 10% to 50% carbohydrates, and 0.01% to 5% alpha-amylase inhibitor. In one aspect, the dietary formulations can have 1% to 50% resistant starch. In another embodiment, the dietary formulations can include has 25% to 55% protein, 15% to 35% fat, 15% to 45% carbohydrates, and 0.05% to 1% alpha-amylase inhibitor. In one aspect, the dietary formulations can have 5% to 40% resistant starch. Other components that can be present include probiotics, dietary fibers, omega-3 polyunsaturated fatty acids, monounsaturated fatty acids, antioxidants, medium chain triglycerides, inhibitors for hexokinase and glucokinase. In another embodiment, the alpha-amylase inhibitors can be incorporated into a pet food from a sachet or can supplement a pet food by being incorporated into a treat.」 以上より、引用文献1における「脂質」は、「fat」の訳語であることは明らかである。 (ウ)上記(ア)、(イ)より、本願の明細書における「脂肪」及び引用文献1における「脂質」は、いずれも「fat」の訳語であるから、同じ意味であると認められる。 したがって、引用発明の「脂質」は、本件補正発明の「脂肪」に相当する。 ウ 以上より、本件補正発明と引用発明とは、以下の点で一致する。 <一致点> 「がんに罹患しているイヌの支援に使用するためのドッグフード組成物であって、 脂肪、タンパク質、炭水化物を含むドッグフード組成物。」 エ 一方、本件補正発明と引用発明とは、以下の点で相違する。 <相違点1> 本件補正発明は、「化学療法を受けている」イヌの支援に使用するためのものであるのに対し、引用発明は、化学療法について特定されていない点。 <相違点2> 本件補正発明は、「10質量%~20質量%の脂肪、5質量%~15質量%の繊維、及び30質量%~60質量%のタンパク質、15質量%~40質量%の範囲の量の炭水化物」を含み、「質量パーセンテージは、前記組成物の乾燥物の総重量に基づく」のに対し、 引用発明では、「20%~60%のタンパク質、10%~40%の脂質、10%~50%の炭水化物を有し、1%~50%の難消化性デンプンを有し」、「パーセンテージは、組成物の総重量に対する重量によるものである」点。 <相違点3> 本件補正発明は、「乾燥物基準で250~2000ppmの範囲の量のクルクミノイド、乾燥物基準で55ppm~130ppmの範囲の量のローズマリー抽出物を含む」のに対し、引用発明では、その点が特定されていない点。 (4)判断 ア 相違点1について 上記(2)ア(ア)hに示したとおり、引用文献1の【0046】には、「推奨される給餌パターンと併用して投与が推奨される抗がん剤及び/又は健康促進剤」という記載がある。また、上記(2)ア(ア)bに示したとおり、引用文献1の【0005】には、「現在、がんは、外科手術、放射線療法及び化学療法を含む、種々の様式を用いて治療されている。」との記載があり、抗がん剤は、化学療法に用いられることは明らかである。これらの記載から、食餌処方物と併用して抗がん剤を投与すること、すなわち、食餌処方物と化学療法とを併用することが示唆されているといえる。 そうすると、引用発明において、引用文献1における示唆に基づいて、食餌処方物と化学療法を併用し、上記相違点1に係る本件補正発明に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 イ 相違点2について (ア)引用発明における「パーセンテージ」は、「組成物の総重量に対する重量によるもの」であるが、組成物の水分を含んだ総重量に対する重量なのか、組成物の乾燥物の総重量に対する重量なのかは、特定されていない。 (イ)そこで検討するに、上記(2)ア(ア)gに示したとおり、引用文献1の【0034】には、「本実施形態において、ペットフードは、「ウェットフード」、「ドライフード」又は「中間含水率」の食品であってよい。」と記載され、ウェットフードは約70%~約90%の範囲の含水率を有することが記載されている。 もし仮に、引用文献1におけるパーセンテージが、組成物の水分を含んだ総重量に対する重量であるとすれば、含水率が約70%~約90%の場合、水分以外の成分は約10%~約30%となるから、このことは、【0033】に記載の「20%~60%のタンパク質、10%~40%の脂質、10%~50%の炭水化物」を有することと整合しない。 (ウ)また、引用文献1の【0034】に示されるような、ペットフードとして提供する形態、すなわち、含水率によって、引用文献1に記載された組成物の効果が影響されるものと解する特段の事情もない。 (エ)したがって、引用文献1におけるパーセンテージは、組成物の水分を含んだ総重量に対する重量ではなく、組成物の乾燥物の総重量に対する重量であると解される。つまり、引用発明における「パーセンテージ」は、本件補正発明の「質量パーセンテージ」と同様に、組成物の乾燥物の総重量に基づくものである。 (オ)また、引用発明の「難消化性デンプン」は「大腸で食物繊維のように作用する」ものであるから、引用発明の「難消化性デンプン」を、同じ機能を有する同程度の食物繊維に置換することは、当業者が容易になし得たことである。 (カ)そして、上記(エ)のとおり、引用発明における「パーセンテージ」が、組成物の乾燥物の総重量に基づくものであることを踏まえ、本件補正発明の「脂肪」、「繊維」、「タンパク質」、「炭水化物」の数値範囲である「10質量%~20質量%」、「5質量%~15質量%」、「30質量%~60質量%」、「15質量%~40質量%」は、それぞれ、引用発明の「脂質」、「難消化性デンプン」、「タンパク質」、「炭水化物」の数値範囲である「10%~40%」、「1%~50%」、「20%~60%」、「10%~50%」に包含されており、当業者が設定を想起しないような特殊な数値範囲であるとも認められないものである。 そうすると、引用発明において、各成分の量を引用発明の数値範囲内で適宜選択し、上記相違点2に係る本件補正発明の数値範囲となすことは、当業者が適宜行い得たことである。 (キ)以上のとおりであるから、引用発明において上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 ウ 相違点3について (ア)引用文献2記載の技術的事項における「クルクミン」は、本件補正発明の「クルクミノイド」に含まれる物質であり、クルクミンがウコン根の抽出物に含まれることは技術常識である。 (イ)引用発明と引用文献2記載の技術的事項とは、ともに、がんの治療という共通の課題を有するものである。また、上記アに示したように、引用文献1には、食餌処方物と併用して抗がん剤を投与することも示唆されているから、さらなる抗がん効果のある物質を付加する動機がある。 (ウ)そうすると、引用発明において、引用文献2記載の技術的事項を適用し、食餌処方物に、「ウコン根(TE)およびローズマリー葉(RE)抽出物」を加えることは、当業者が容易に想到し得たことである。 その際、腫瘍細胞の増殖を抑制するために、クルクミン及びローズマリー抽出物の量を最適化又は好適化することは、当業者の通常の創作能力の発揮といえる。 (エ)そして、本件補正発明において特定される、「クルクミノイド」及び「ローズマリー抽出物」の数値範囲に関し、本願の発明の詳細な説明には、「本開示による食品組成物の最も好ましい実施態様では、クルクミノイドは、乾燥物基準で約250ppm~約2000ppmの範囲の量で存在する。」(段落【0106】)、「上記ローズマリー抽出物は、乾燥物基準で約55~約130ppmの範囲の量で上記ドライドッグフード組成物中に存在しうる。」(段落【0138】)等と記載されているにとどまり、当該数値範囲のクルクミノイド及びローズマリー抽出物を含む食品組成物の実施例も開示されていないから、当該数値範囲に臨界的意義を見いだすことはできず、当業者の通常の創作活動の範囲で設計し得る程度のことにすぎない。 (オ)したがって、引用発明に引用文献2に記載の技術的事項を適用し、上記相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 エ 小括 以上のとおりであるから、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2記載事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。 (5)審判請求人の主張について ア 審判請求人の主張の概要 審判請求人は、審判請求書において、概略以下の主張をしている。 (ア)阻害要因について 引用文献1の段落[0028]は、引用文献1の発明(α-アミラーゼ阻害物質の使用)によれば、「弊害のある高タンパク質の組成を採らずに通常のタンパク質の組成(すなわち、比較的低量のタンパク質の組成)を持つ食餌により、(低炭水化物の組成を採らずとも)低炭水化物の食餌の利点を提供できる」という主旨のことを教示している。さらに、段落[0053]及び[0059]には、α-アミラーゼ阻害物質の使用により「食餌性炭水化物を制限することなく」食後血糖を有効に低下させることを実施例により実証している。 以上のことから、引用文献1の開示に接した当業者であれば「タンパク質の組成:低量、かつ、炭水化物の組成:非制限」が好ましい組成の傾向であると認識するものと考えられ、実施例はそのような組成割合のデータのみが示されている。 これに対し、本願請求項1に係る発明では、高タンパク質と低炭水化物の組成の組み合わせのドッグフードに向けられており、上述の引用文献1の開示は、本願発明への着想を阻害するものである。 (イ)選択発明について 引用文献1の実施例は、動物の食後血糖値の低下が示されているのみで、本願発明のような、がんに罹患した動物のQOL(生活の質)の改善に関する証拠を何ら示していない。 一方、本願発明は、本願明細書段落[0214]で総括しているように、化学療法及び本願発明による食餌の摂取後に改善された生活の質が示されたことを実証している。 このように本願発明は、炭水化物の組成範囲を「15質量%~40質量%」に限定し、引用文献1に記載の発明とは異なるタンパク質と炭水化物の組成からなるドッグフードを採用することで、本願発明に特有の有利な効果を奏している。 従って、本願発明は、引用文献1に記載の発明に対するいわば選択発明として、充分な進歩性を有している。 イ 主張の検討 (ア)上記ア(ア)の主張について a 引用文献1の段落【0028】には、高タンパク質の食餌は、腎臓障害を有する動物には適さない場合があり、α-アミラーゼ阻害物質を使用することにより、通常のタンパク質の食餌において、低炭水化物の食餌の利点を提供できることが記載されている。 しかしながら、引用文献1には、高タンパク質の食餌が適さない動物のみを対象とすることは特に記載されていないから、段落【0028】の記載をもって、引用文献1に開示される数値範囲内の、高タンパク質・低炭水化物の部分が排除されるとはいえない。 そして、タンパク質及び炭水化物に係る数値範囲について、本件補正発明と引用文献1に開示される数値範囲とを比較すると、タンパク質は、引用文献1「20%~60%」(別実施形態では「25%~55%」)に対し、本件補正発明は「30質量%~60質量%」、炭水化物は、引用文献1「10%~50%」(別実施形態では「15%~45%」)に対し、本件補正発明は「15質量%~40質量%」であることからみて、本件補正発明が、引用文献1の開示内容と比較して、明確に「高タンパク質と低炭水化物の組成の組み合わせ」であるとまではいえない。 b そして、実施例は一例に過ぎないので、引用文献1に開示される数値範囲内で、別の数値を選択することを阻害するものではない。 c 以上のとおりであるから、上記ア(ア)の主張について考慮しても、本件補正発明の進歩性について、上記(4)の判断を変更すべき事情は見いだせない。 (イ)上記ア(イ)の主張について 本願の明細書に記載の実施例1の試験食は、対照食と比較して、高タンパク質、低炭水化物であることに加え、食物繊維含有量が多く、オメガ-3脂肪酸の濃度が補充され、ビタミンD、E、タウリン、アルギニンの含有量が多く、対照食にはないEPA-DHA、L-カルニチン、ルテインを含むものである(段落【0188】~【0190】)。 そうすると、段落【0210】~【0214】に記載されるように、試験食を与えられたイヌが、対照食を与えられたイヌに比較して、改善された生活の質を示したとしても、その生活の質の改善には、オメガ-3脂肪酸、ビタミン等の抗酸化剤、アルギニン、EPA/DPA等、様々な成分が寄与していると考えられるから、高タンパク質、低炭水化物としたことによる効果であるかは判然としない。 したがって、上記ア(イ)の主張について考慮しても、本件補正発明の進歩性について、上記(4)の判断を変更すべき事情は見いだせない。 (6)小括 したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4 本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和6年1月25日提出の手続補正書による補正は、前記第2のとおり却下され、令和5年7月19日提出の手続補正書による補正は、原審における同年9月26日付け補正の却下の決定により却下されているから、本願の請求項1に係る発明は、同年5月15日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という)は、前記第2[理由]1(2)のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先日前に発行された文献である引用文献1及び2に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 3 引用文献の記載 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び引用発明、引用文献2及び引用文献2記載事項は、それぞれ上記第2[理由]3(2)のとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、本件補正発明の「15質量%~40質量%の範囲の量の炭水化物」を含むとの限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2[理由]3(4)、(5)で検討したとおり、引用発明及び引用文献2記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び引用文献2記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、原査定の理由のとおり特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-001331

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