特許拒絶査定不服審判
2023-018337
ペットフード製品
- 審判番号
- 2023-018337
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-528245
- 請求日
- 2023年10月30日
- 審決日
- 2024年11月11日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】マース インコーポレーテッド
- 【請求人代理人】柳田 征史
- 【請求人代理人】高橋 秀明
- 審判長/審判官
- 審判長 長井 真一
- 審判官 ▲高▼橋 祐介
- 審判官 澤田 真治
- 分類
- P18 .121-Z (A23K) / P18 .575-Z (A23K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-528245「ペットフード製品」拒絶査定不服審判事件〔令和元年6月27日国際公開、WO2019/123385、令和3年3月4日国内公表、特表2021-508237〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2018年(平成30年)年12月20日(パリ条約による優先権主張 2017年12月21日(以下「優先日」という。) 英国)を国際出願日とする出願であって、令和3年12月20日に手続補正書が提出され、令和4年11月25日付けで拒絶の理由が通知され、令和5年6月7日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同月23日付け(送達日:同月28日)で拒絶査定がなされ、それに対して、同年10月30日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和5年10月30日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和5年10月30日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、令和5年6月7日に提出された手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1~18を、以下のように補正するものである(下線は補正箇所を示す。)。
(1) 本件補正前
【請求項1】
ペットフード製品の総質量に対し、4.0質量%~8.0質量%の量の脂肪成分およびペットフード製品の総質量に対し、6.0質量%~14.0質量%の量のタンパク質性成分を含み、該タンパク質性成分がポリペプチドおよび遊離アミノ酸を含み、タンパク質性成分に対する脂肪成分の比が約0.45:1.0~約1.0:1.0であり、かつ前記タンパク質性成分は、タンパク質性成分の総質量に対し、12質量%~50質量%の量の遊離アミノ酸を含む、ペットフード製品。
【請求項2】
前記タンパク質性成分は、動物タンパク質および/または植物性タンパク質由来のポリペプチドを含む、請求項1に記載のペットフード製品。
【請求項3】
前記遊離アミノ酸は、アラニン、グリシン、ヒスチジン、プロリン、セリンおよびスレオニンからなる群より選ばれる遊離アミノ酸を含む、請求項1または2に記載のペットフード製品。
【請求項4】
前記遊離アミノ酸が、グリシンからなる、請求項1~3のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項5】
前記タンパク質性成分に対する脂肪成分の比が、約0.5:1.0~約0.9:1.0である、請求項1~4のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項6】
前記タンパク質性成分に対する脂肪成分の比が、約0.65:1.0~約0.75:1.0である、請求項1~5のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項7】
前記ペットフード製品の総質量に対する脂肪成分の量が、4.0質量%~7.0質量%である、請求項1~6のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項8】
前記ペットフード製品の総質量に対するタンパク質性成分の量が、7.0質量%~12.0質量%である、請求項1~7のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項9】
前記ペットフード製品の総質量に対するタンパク質性成分の量が、7.0質量%~11.0質量%である、請求項1~7のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項10】
前記ペットフード製品が、前記遊離アミノ酸を、ペットフード製品の総質量に対し、1.0質量%~2.5質量%の量で含む、請求項1~9のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項11】
前記ペットフード製品が、前記遊離アミノ酸を、ペットフード製品の総質量に対し、1.0質量%~2.0質量%の量で含む、請求項1~9のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項12】
前記ペットフード製品がウェットペットフード製品である、請求項1~11のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項13】
単一ピースのペットフード製品の形態のローフまたはパテ製品である、請求項1~12のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項14】
前記ペットフード製品が、再構成された動物性材料のチャンクを含み、さらにソースを含むチャンクインソースウェットペットフード製品である、請求項1~12のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項15】
再構成された動物性材料の総質量に対し、前記再構成された動物性材料のタンパク質含量が約5~約40質量%の範囲であり、かつ前記再構成された動物性材料の脂肪含量が約5~約40質量%の範囲である、請求項14に記載のペットフード製品。
【請求項16】
前記再構成された動物性材料:ソースの比が約20:80~約90:10である、請求項14または15に記載のペットフード製品。
【請求項17】
前記ソースがソースの総質量に対し、少なくとも約80質量%の含水率を示す、請求項14、15または16に記載のペットフード製品。
【請求項18】
遊離アミノ酸をペットフード製品の総質量に対し、0.72質量%~6.0質量%の量で含むペットフード製品を提供し得る量で、遊離アミノ酸含有タンパク質性添加物がソース中に存在する、請求項14、15、16または17に記載のペットフード製品。
(2) 本件補正後
【請求項1】
ペットフード製品の総質量に対し、4.0質量%~8.0質量%の量の脂肪成分およびペットフード製品の総質量に対し、6.0質量%~14.0質量%の量のタンパク質性成分を含み、該タンパク質性成分がポリペプチドおよび遊離アミノ酸を含み、タンパク質性成分に対する脂肪成分の比が約0.45:1.0~約1.0:1.0であり、前記タンパク質性成分は、タンパク質性成分の総質量に対し、12質量%~50質量%の量の遊離アミノ酸を含み、かつペットフード製品が、ペットフード製品の総質量に対し、1.0質量%~2.5質量%の量の遊離アミノ酸を含む、ペットフード製品。
【請求項2】
前記タンパク質性成分は、動物タンパク質および/または植物性タンパク質由来のポリペプチドを含む、請求項1に記載のペットフード製品。
【請求項3】
前記遊離アミノ酸は、アラニン、グリシン、ヒスチジン、プロリン、セリンおよびスレオニンからなる群より選ばれる遊離アミノ酸を含む、請求項1または2に記載のペットフード製品。
【請求項4】
前記遊離アミノ酸が、グリシンからなる、請求項1~3のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項5】
前記タンパク質性成分に対する脂肪成分の比が、約0.5:1.0~約0.9:1.0である、請求項1~4のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項6】
前記タンパク質性成分に対する脂肪成分の比が、約0.65:1.0~約0.75:1.0である、請求項1~5のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項7】
前記ペットフード製品の総質量に対する脂肪成分の量が、4.0質量%~7.0質量%である、請求項1~6のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項8】
前記ペットフード製品の総質量に対するタンパク質性成分の量が、7.0質量%~12.0質量%である、請求項1~7のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項9】
前記ペットフード製品の総質量に対するタンパク質性成分の量が、7.0質量%~11.0質量%である、請求項1~7のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項10】
前記ペットフード製品が、前記遊離アミノ酸を、ペットフード製品の総質量に対し、1.0質量%~2.0質量%の量で含む、請求項1~9のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項11】
前記ペットフード製品がウェットペットフード製品である、請求項1~10のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項12】
単一ピースのペットフード製品の形態のローフまたはパテ製品である、請求項1~11のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項13】
前記ペットフード製品が、再構成された動物性材料のチャンクを含み、さらにソースを含むチャンクインソースウェットペットフード製品である、請求項1~11のいずれかに記載のペットフード製品。
【請求項14】
再構成された動物性材料の総質量に対し、前記再構成された動物性材料のタンパク質含量が約5~約40質量%の範囲であり、かつ前記再構成された動物性材料の脂肪含量が約5~約40質量%の範囲である、請求項13に記載のペットフード製品。
【請求項15】
前記再構成された動物性材料:ソースの比が約20:80~約90:10である、請求項13または14に記載のペットフード製品。
【請求項16】
前記ソースがソースの総質量に対し、少なくとも約80質量%の含水率を示す、請求項13、14または15に記載のペットフード製品。
【請求項17】
遊離アミノ酸をペットフード製品の総質量に対し、0.72質量%~6.0質量%の量で含むペットフード製品を提供し得る量で、遊離アミノ酸含有タンパク質性添加物がソース中に存在する、請求項13、14、15または16に記載のペットフード製品。
2 補正の目的
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載されていた発明を特定するために必要な事項である「遊離アミノ酸」の含有量に関し、補正前の請求項10に記載されていた「前記ペットフード製品が、前記遊離アミノ酸を、ペットフード製品の総質量に対し、1.0質量%~2.5質量%の量で含む」点を限定するものであって、その補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
そうすると、本件補正において、請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
3 独立特許要件についての判断
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、上記第2[理由]1(2)の請求項1に記載される事項によって特定されるとおりのものであるところ、当審合議体において分説し、AからGの符号を付与して再掲すると次のとおりである。
「【請求項1】
A ペットフード製品の総質量に対し、4.0質量%~8.0質量%の量の脂肪成分
B およびペットフード製品の総質量に対し、6.0質量%~14.0質量%の量のタンパク質性成分を含み、
C 該タンパク質性成分がポリペプチドおよび遊離アミノ酸を含み、
D タンパク質性成分に対する脂肪成分の比が約0.45:1.0~約1.0:1.0であり、
E 前記タンパク質性成分は、タンパク質性成分の総質量に対し、12質量%~50質量%の量の遊離アミノ酸を含み、
F かつペットフード製品が、ペットフード製品の総質量に対し、1.0質量%~2.5質量%の量の遊離アミノ酸を含む、
G ペットフード製品。」
(2) 引用文献の記載及び引用発明等
ア 引用文献1及び引用発明
(ア) 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶理由において引用文献1として引用され、本願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された国際公開第2016/176466号(2016年(平成28年)11月3日公開)には、次の事項が記載されている(併記した翻訳文は、引用文献1のファミリー文献である特表2018-519794号公報を参考にして当審合議体が作成し、下線を付与した。)。
a 「[0001] A process of preparing a sterilized wet pet food product with improved palatability is provided. Methods of using the sterilized wet pet food product for feeding a companion animal such as a cat or a dog are also provided.」
([0001] 嗜好性が改善された滅菌ウェットペットフード製品の調製方法が提供される。猫や犬などのコンパニオンアニマルに給餌するための、滅菌ウェットペットフード製品の使用方法も提供される。)
b 「Example 3
[0111] Restructured meat pieces for a wet cat food product were prepared on the basis of the recipe shown in Table 7.」
(実施例3
[0111] 表7に示すレシピに基づき、ウェットキャットフード用の再構築肉片を調製した。)
c 「[0112] Table 7
[図:0001421005000001.jpg]
[図:0001421005000002.jpg]
」
([0112] 表7
[図:0001421005000003.jpg]
)
d 「[0113] The nutritional composition of the restructured meat pieces prepared on the basis of this recipe is depicted in Table 8.」
([0113] このレシピに基づいて調製した再構成肉片の栄養組成が、表8に示されている。)
e 「[0114] Table 8
[図:0001421005000004.jpg]
」
([0114] 表8
[図:0001421005000005.jpg]
)
f 「[0115] The restructured meat pieces were prepared as follows. Blocks of frozen meat and meat by-products were tempered overnight before being ground. The grounded meat was mixed with the dry and liquid ingredients in the proportions outlined in Table 7. Next, the mixture was emulsified in a bowl chopper. The resulting fine emulsion was transferred to a form press to produce an emulsion sheet that was passed through a steam tunnel with a residence time of two minutes. Temperature of the raw emulsion was raised to about 82°C at the steam tunnel discharge. The cooked, firm sheet so obtained was cut into slices. The dimensions of these slices were approximately 10 mm x 7 mm x 6 mm.」
([0115] 前記再構成肉片を以下のように調製した。冷凍肉および肉副産物のブロックを、挽く前に、一晩ならした。その挽肉を、表7に概説した比率で乾燥成分および液体成分と混合した。次に、その混合物をボウル型細断機内で乳化させた。得られた微細なエマルションを成形プレスに移して、エマルションシートを製造し、これを、2分の滞留時間で蒸気トンネルに通した。生のエマルションの温度を、蒸気トンネルの排出時に約82℃に上昇させた。そのようにして得られた調理済みの堅いシートをスライスに切断した。これらのスライスの寸法は、約10mm×7mm×6mmであった。)
g 「[0116] Next, the restructured meat pieces were combined with two different gravies having the composition described in Table 9.」
([0116] 次に、再構成肉片を、表9に記載された組成を有する2種類の異なる肉汁ソースと組み合わせた。)
h 「[0117] Table 9
[図:0001421005000006.jpg]
」
([0117] 表9
[図:0001421005000007.jpg]
)
i 「[0118] The gravy used in the production of Product 2 contained a Maillard flavour precursor mixture of two carbonyl compounds (glucose and rhamnose) and two amino compounds (cysteine and glycine).」
([0118] 製品2の製造に使用した肉汁ソースは、2種類のカルボニル化合物(ブドウ糖およびラムノース)および2種類のアミノ化合物(システインおよびグリシン)のメイラード風味前駆体混合物を含有した。)
j 「[0119] The chunks of restructured meat and the gravies were introduced into pouches in a weight ratio of 45:55 and retort sterilised to a F0 value in the range of 40 to 60.」
([0119] 再構成肉のチャンクおよび肉汁ソースを、45:55の質量比でパウチに入れ、40から60の範囲のF0値にレトルト殺菌した。)
k 「[0120] The sterilized wet pet food product prepared with the Maillard flavour precursor mixture (Product 2) was subjected to a flavour analysis (stable isotope dilution analysis using GC-MS) to determine the concentrations of a number of known Maillard flavour substances. The results of this analysis is shown in Table 10.」
([0120] メイラード風味前駆体混合物により調製された殺菌されたウェットタイプのペットフード製品(製品2)に風味分析(GC-MSを使用した安定同位体希釈分析)を行って、多数の公知のメイラード風味物質の濃度を決定した。この分析の結果が表10に示されている。)
l 「[0121] Table 10
[図:0001421005000008.jpg]
」
([0121] 表10
[図:0001421005000009.jpg]
)
m 「Example 4
[0122] A feeding trial was conducted with the two wet cat food products (Product 2 and Control 2) of Example 3. In these feeding trials called "two-bowl test" or "versus test" the two products were presented simultaneously to a group of cats. Identical amounts of product were served in each of the two bowls. In the feeding trials the cats were twice exposed to the two products. The position of the two bowls was switched in the second exposure to avoid any bias. The quantity eaten was measured after a single meal exposure. Statistical analyses (Analysis of variance) were made on the data to determine the statistical significance of the observed differences. The outcome of the feeding trial is summarized in Table 11.」
(実施例4
[0123] 実施例3の2種類のウェットタイプのキャットフード製品(製品2および対照2)に、給餌試験を行った。「トゥー・ボウル試験」または「対照試験」と呼ばれるこれらの給餌試験において、2つの製品をネコの群に同時に提示した。2つのボウルの各々に、同量の製品を提供した。給餌試験において、ネコを、2つの製品に2回露出した。どのような偏りも避けるために、二回目の露出において、2つのボウルの位置を交換した。一回の食餌露出の後に、食べられた量を測定した。観測した差の統計的有意性を決定するために、データに統計的分析(分散分析)を行った。給餌試験の結果が表11に纏められている。)
n 「[0123] Table 11
[図:0001421005000010.jpg]
」
([0125] 表11
[図:0001421005000011.jpg]
)
(イ) 引用文献1の記載より認定できる事項
a 認定事項(a)
上記(ア)bには、「表7に示すレシピに基づき、ウェットキャットフード用の再構築肉片を調製した。」と記載されており、同様に上記dには、「このレシピに基づいて調製した再構成肉片の栄養組成が、表8に示されている。」と記載され、上記gには、「再構成肉片を、表9に記載された組成を有する2種類の異なる肉汁ソースと組み合わせた。」と記載され、上記jには、「再構成肉のチャンクおよび肉汁ソースを、45:55の質量比でパウチに入れ」る点が記載され、上記kには、「ウェットタイプのペットフード製品(製品2)」と記載され、上記mには、「実施例3の2種類のウェットタイプのキャットフード製品(製品2および対照2)」と記載されていることを総合すると、引用文献1には、表8に示された栄養組成を有する再構成肉のチャンクおよび表9に製品2として組成が記載された肉汁ソースを45:55の質量比で組み合わせたウェットタイプのキャットフード製品が記載されていると認められる(以下「認定事項(a)」という。)。
b 認定事項(b)
上記(1)eに示した表8を参照すると、再構成肉片の栄養組成として、脂肪が9.3%含まれる点が記載されていることから、再構成肉のチャンクと肉汁ソースの質量比が45:55であることを考慮すると、ペットフード製品の全体の質量に対して、4.185%の脂肪が含まれる点が認定できる(以下「認定事項(b)」という。)。
c 認定事項(c)
上記(1)hに示した表9を参照すると、「製品2」として調製された肉汁ソースは、グリシンが1.5質量%含まれており、このグリシンは、タンパク質と結合したものではないことから、遊離アミノ酸といえる。そして、再構成肉のチャンクと肉汁ソースの質量比が45:55であることを考慮すると、ペットフード製品の全体の質量に対して、0.825%の遊離アミノ酸であるグリシンが含まれる点が認定できる(以下「認定事項(c)」という。)。
d 認定事項(d)
本願明細書の【0012】には「例えば、「タンパク質」という語は、ポリペプチドからなる物質を称してもよい。」と記載されていることを勘案すると、上記(1)eに記載された表8の「タンパク質」はポリペプチドといえる。
してみると、ペットフード製品がポリペプチドであるタンパク質とグリシンを含む点が認定できる。
また、上記(1)hに示した表9を参照すると、他に、ペットフード製品がアミノ酸成分である塩酸システインと、酵母エキスを含有する点も認定できる。
加えて、上記(1)eに示した表8に記載された値、上記(1)hに示した表9に記載された値、及び、再構成肉のチャンクと肉汁ソースの質量比が45:55であることに基づくと、タンパク質はペットフード製品の全体の質量に対して7.74%含まれており、タンパク質とグリシンの合計は、ペットフード製品の全体の質量に対して、8.565%である点が認定できる(以下「認定事項(d)」という。)。
e 認定事項(e)
認定事項(b)と認定事項(d)より、タンパク質とグリシンの合計に対する脂肪の比は、4.185:8.565であり、約0.49:1.0である点が認定できる(以下「認定事項(e)」という。)。
f 認定事項(f)
認定事項(d)より、タンパク質とグリシンの合計の質量は、ペットフード製品の全体の質量に対して、8.565%であり、認定事項(c)より、グリシンの質量は、ペットフード製品の全体の質量に対して、0.825%であるから、グリシンの質量が、タンパク質とグリシンの合計の質量に対して約9.63%である点が認定できる(以下「認定事項(f)」という。)。
(ウ) 引用発明
上記(ア)に摘記した引用文献1の記載事項、及び、上記(イ)の認定事項より、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「再構成肉のチャンクおよび肉汁ソースを45:55の質量比で組み合わせたウェットタイプのキャットフード製品であって(認定事項(a))、
ペットフード製品の全体の質量に対して、4.185%の脂肪が含まれ(認定事項(b))、
ペットフード製品が、ポリペプチドであるタンパク質と、グリシン、塩酸システイン、酵母エキスを含み、ペットフード製品の全体の質量に対する、タンパク質とグリシンの合計は8.565%であり(認定事項(d))、
ペットフード製品の全体の質量に対して、0.825%の遊離アミノ酸であるグリシンが含まれ(認定事項(c))、
タンパク質とグリシンの合計に対する脂肪の比は、約0.49:1.0であり(認定事項(e))、
グリシンの質量が、タンパク質とグリシンの合計の質量に対して約9.63%である(認定事項(f))、
ウェットタイプのキャットフード製品(認定事項(a)。」
イ 引用文献2及び引用文献2記載事項
(ア) 引用文献2に記載された事項
原査定の拒絶理由において引用文献5として引用され、本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された米国特許出願第2014/0227386号明細書(2014年(平成26年)8月14日公開)には、次の事項が記載されている(併記した翻訳文は、当審合議体が作成し、下線を付与した。)。
「[0008] The present invention here provides new compositions comprising appropriate amounts of free amino acids that have been selected for their ability to enhance palatability of cat food.」
([0008] 本発明は、キャットフードの嗜好性を向上するために選択された、適切な量の遊離アミノ酸を含む新規組成物を提供する。)
「[0039] By the term “free amino acids”, it is meant herein amino acids that are individually present as unbound ingredients in a composition. Free amino acids do not form part or are not contained into peptides or proteins. When contained in a palatability-enhancing composition, the free amino acids are not expected to significantly react in situ with other ingredients of the composition. They are thus comprised as such in the composition. However, once the palatability-enhancing composition is added to a pet food preparation, the free amino acids contained in the composition can react to some extent with other ingredients of the pet food preparation.」
([0039] 「遊離アミノ酸」という用語は、本明細書において、組成物中に結合していない成分として個々に存在するアミノ酸を意味する。遊離アミノ酸は、ペプチドまたはタンパク質の一部を形成しないか、またはペプチドまたはタンパク質に含まれない。嗜好性向上組成物に含まれる場合、遊離アミノ酸は、組成物の他の成分とその場で有意に反応することはないと予想される。従って、アミノ酸はそのまま組成物中に含まれる。しかしながら、嗜好性向上組成物がペットフード調製物に添加されると、組成物中に含まれる遊離アミノ酸は、ペットフード調製物の他の成分とある程度反応する可能性がある。)
「[0071] “Inclusion” as used herein, refers to the addition of the palatability-enhancing composition internally to the pet food preparation, by mixing it with other pet food ingredients, before further processing steps for obtaining the final pet food product (including thermal treatment and/or extrusion and/or retorting, etc).」
([0071] 本明細書で使用する「包含」とは、最終ペットフード製品を得るための更なる処理工程(熱処理及び/又は押出及び/又はレトルト処理等を含む)の前に、他のペットフード原料と混合することにより、嗜好性向上組成物をペットフード調製物に内部添加することを指す。)
「[0073] As disclosed herein, the Inventors could select specific combinations of amino acids enabling to achieve a palatability effect when used in cat food. In addition, the Inventors could find out advantageous conditions of using said combinations of amino acids (in particular, in terms of amounts) in order to exhibit palatability-enhancing capacities.
[0074] It is herein disclosed a palatability-enhancing composition for pet food comprising about 1 to 70% by weight of free amino acids.
[0075] Said free amino acids comprise:
[0076]at least two amino acids selected from the group consisting of:
[0077] Ala, Glu, Pro, Leu, Asp, Tyr, Phe (List I), or
[0078] Met, Glu, Pro, Gly, Leu, Asp, Tyr, Phe (List II); or
[0079] at least three amino acids selected from the group consisting of:
[0080] Ala, Met, Glu, Pro, His, Gly, Arg, Leu, Asp, Tyr, Phe (List III).」
([0073] 本明細書に開示されるように、本発明者らは、キャットフードに使用した場合に嗜好性効果を達成することを可能にするアミノ酸の特定の組み合わせを選択し得る。さらに、本発明者らは、嗜好性向上能を示すために、前記アミノ酸の組み合わせの有利な使用条件(特に、量)を見出すことができた。
[0074] 本明細書には、約1~70重量%の遊離アミノ酸を含むペットフード用嗜好性向上組成物が開示される。
[0075] -[0078] 前記遊離アミノ酸は、以下の
Ala、Glu、Pro、Leu、Asp、Tyr、Phe(リストI)、または
Met、Glu、Pro、Gly、Leu、Asp、Tyr、Phe(リストII)
からなる群より選択される少なくとも2種のアミノ酸:
;または
[0079] [0080] Ala、Met、Glu、Pro、His、Gly、Arg、Leu、Asp、Tyr、Phe(リストIII)からなる群より選択される少なくとも3つのアミノ酸。)
(イ) 引用文献2記載事項
上記(ア)に摘記した引用文献2の記載事項より、引用文献2には、以下の事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されているものと認められる。
「キャットフードの嗜好性を向上するために遊離アミノ酸を含む嗜好性向上組成物を添加すること。」
ウ 引用文献3及び引用文献3記載事項
(ア) 引用文献3に記載された事項
原査定の拒絶理由において引用文献6として引用され、本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された特開昭49-79865号公報(昭和49年8月1日公開)には、次の事項が記載されている。
「本発明は、組成物重量に対し2.5%以上のアミノ酸類を溶解した水溶液、粉粒体固型分、肉類とその副産物ならびに動植物性脂肪を含む動物飼料である。すなわち本発明によると、乾燥飼料の保存性と缶づめ飼料の受容性を備えるため組成物は、動植物質栄養組成分と柔軟な可塑性を保つのに十分な水分を含み、その水分はあらたに加えられたアミノ酸類の一部または全部を溶解した水溶液として組成物に均一に分布しており、さらに加えられたアミノ酸類は組成物重量の少くとも2.5%以上であるように定められて、いわゆる中間湿潤の分野に属する風味の良い動物飼料が供給される。」
(第1頁左下欄第16行~右下欄第9行)
「本発明の組成物は、好ましい柔軟さと可塑性を維持するために20~40重量%の水分を含有している。通常このような含水組成物は微生物による悪変を受け変質する。しかし含水組成物に選ばれた結晶アミノ酸類を実質量加えることによつて、組成物の保存性を著しく延長することができる。本組成物にあつて顕著な保存効果を得るためには、少くとも組成物重量の2.5%以上のアミノ酸類が水分に添加されねばならない。低分子アミノ酸であるグリシン、アラニンは保存効果を高めるために特に有効である。動物類の必須アミノ酸や準必須アミノ酸なども比較的多量に添加して十分に使用可能である。又、アミノ酸類は動物の嗜好性を向上し、食欲を増進させることが知られる。」
(第2頁右上欄第14行~左下欄第8行)
(イ) 引用文献3記載事項
引用文献3に記載された「水溶液に溶解したアミノ酸類」は、上記イ(ア)に示した引用文献2の[0039]の記載を参照すると、「組成物中に結合していない成分として個々に存在するアミノ酸」といえることから、「遊離アミノ酸」であることは、当業者にとって明らかである。
よって、上記(ア)に摘記した引用文献3の記載事項より、引用文献3には、以下の事項(以下「引用文献3記載事項」という。)が記載されているものと認められる。
「動物飼料に遊離アミノ酸を添加することにより、動物の嗜好性を向上し、食欲を増進させること。」
エ 周知技術
上記イ(イ)に記載した「引用文献2記載事項」及び上記ウ(イ)に記載した「引用文献3記載事項」より、以下の事項が本願の優先日前における周知の事項であると認められる。
「動物飼料に遊離アミノ酸を添加することにより、嗜好性を向上させ、食欲を増進させること。」
(3) 対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。
ア 本件補正発明の構成Aについて
引用発明の「ペットフード製品の全体の質量に対して、4.185%の脂肪が含まれ」ることは、本件補正発明における「ペットフード製品の総質量に対し、4.0質量%~8.0質量%の量の脂肪成分」「を含」むことに相当する。
イ 本件補正発明の構成Bについて
引用発明の「ペットフード製品の全体の質量に対する、タンパク質とグリシンの合計は8.565%であ」ることは、本件補正発明における「ペットフード製品の総質量に対し、6.0質量%~14.0質量%の量のタンパク質性成分を含」むことに相当する。
ウ 本件補正発明の構成Cについて
引用発明の「ペットフード製品が、ポリペプチドであるタンパク質と、グリシン」「を含」むことは、本件補正発明の「該タンパク質性成分がポリペプチドおよび遊離アミノ酸を含」むことに相当する。
エ 本件補正発明の構成Dについて
引用発明の「タンパク質とグリシンの合計に対する脂肪成分の比は、約0.49:1.0であ」ることは、本件補正発明の「タンパク質性成分に対する脂肪成分の比が約0.45:1.0~約1.0:1.0であ」ることに相当する。
オ 本件補正発明の構成Gについて
引用発明の「ウェットタイプのキャットフード製品」は、本件補正発明の「ペットフード製品」に相当する。
(4) 一致点及び相違点について
上記(3)より、本件補正発明と引用発明とは、以下の点で一致する。
<一致点>
A ペットフード製品の総質量に対し、4.0質量%~8.0質量%の量の脂肪成分
B およびペットフード製品の総質量に対し、6.0質量%~14.0質量%の量のタンパク質性成分を含み、
C 該タンパク質性成分がポリペプチドおよび遊離アミノ酸を含み、
D タンパク質性成分に対する脂肪成分の比が約0.45:1.0~約1.0:1.0である
G ペットフード製品。
そして、両者は、以下の点で相違する。
<相違点> (構成E、Fに関して)
遊離アミノ酸の量に関して、本件補正発明は、ペットフード製品の総質量に対し、1.0質量%~2.5質量%の量の遊離アミノ酸を含み、タンパク質性成分の総質量に対して、12質量%~50質量%の量の遊離アミノ酸を含むのに対して、引用発明は、グリシン(遊離アミノ酸)に着目すると、ペットフード製品の全体の質量に対し、グリシンの質量が0.825%、タンパク質とグリシンの合計の質量に対し、グリシンの質量が約9.63%と、本件補正発明よりも遊離アミノ酸の量が少ない点。
(5) 判断
ア 相違点についての判断
上記「(2)エ」に示すように、「動物飼料に遊離アミノ酸を添加することにより、嗜好性を向上させ、食欲を増進させること」は、本願優先日前に周知の事項である。
引用発明もキャットフード製品に関する発明であり、嗜好性を向上させ、食欲を増進させることは、当然に求められる課題であるから、上記本願優先日前に周知の事項を参酌し、引用発明において、遊離アミノ酸をさらに添加することで、キャットフード製品の嗜好性を向上させ、食欲を増進させることは、当業者であれば容易に想到し得ることであり、その際、当該キャットフード製品が対象とする動物を用いた実験により、嗜好性の向上と食欲の増進が発揮される遊離アミノ酸の含有量の範囲を定め、上記相違点に係る遊離アミノ酸の含有量の範囲を選択することは当業者が適宜になし得ることである。
もっとも、本件補正発明において、上記相違点に係る遊離アミノ酸の含有量の範囲を選択することで、当業者であっても予期し得ない格別顕著な効果が発揮される場合には、当該含有量の範囲の選択に進歩性が認められる余地もあるが、本願明細書における【0065】~【0076】の実験に係る記載及びその実験の結果に係る表1及び表2の記載を参酌しても、これらの記載により請求人が主張しようとする有利な効果が、遊離アミノ酸がグリシンである場合に限定したとしても、本件補正発明のペットフード製品が対象とする全ての動物に対して、タンパク質性成分に対する脂肪成分の比が約0.45:1.0~約1.0:1.0の範囲に亘って奏するものであると把握することができないし、本件補正発明において選択した上記相違点に係る遊離アミノ酸の含有量の範囲の内と外とでそれぞれの効果について顕著な差異があるものとも把握することはできず、上記相違点に係る数値範囲を特定することのみによっては、進歩性を有するとは認めることができない。
そして、本件補正発明が奏する効果は、引用発明及び本願優先日前に周知の事項がそれぞれ奏する効果から当業者が予期し得る程度のものである。
したがって、上記相違点に係る本件補正発明の構成は、引用発明及び本願優先日前に周知の事項に基づいて、当業者が容易に想到し得る程度のものである。
イ 請求人の意見書における主張に対する反論
請求人は、令和5年12月15日に提出された手続補正書により補正された審判請求書において、以下の主張を行っている。
「本願発明は、先の意見書でも述べたとおり、本発明者らがペットフード製品の嗜好性の改善を鋭意検討するうちに、「特に、伴侶動物が脂肪対タンパク質比の異なる製品を区別し得ること、および伴侶動物が、タンパク質の一部が遊離アミノ酸含有タンパク質性添加物であるかまたは置換/代替されている製品を好むことを見出した。予想外にも、本発明者らは、遊離アミノ酸が製品の嗜好性に及ぼす影響は、製品の脂肪対タンパク質比に依存すること」(明細書[0005])、「遊離アミノ酸の量を単に増加させるという単純なものではなく、F:P比との組合せに関係する」という本発明者の見出した知見に基づいています。
この嗜好性に影響を及ぼす「遊離アミノ酸」について、拒絶査定の備考における先の意見書に対する『その「物」に含まれる「遊離アミノ酸」が、「タンパク質性成分の一部を置き換える遊離アミノ酸」であるということは、請求項1-18の記載から把握することができない』とのご指摘に対し、補正後の本願発明では、「遊離アミノ酸」は、製品中の量で特定されています。すなわち、本願に係るペットフード製品は、請求項1に特定される量の脂肪成分およびタンパク質性成分(ポリペプチドおよび遊離アミノ酸含有)を0.45~1.0の特定量比(F/P)で含み、かつ該遊離アミノ酸を製品総質量に対し、1.0質量%~2.5質量%の量で含みます。また、同備考で指摘される本願発明の有利な効果についても、製品中の遊離アミノ酸量の特定により、実施例(たとえば実施例1と5との比較)により示されていることが明らかになったと確信します。」
しかしながら、引用発明においても、F:P比は約0.49であるから、本件補正発明の数値範囲に含まれるものである。
そして、遊離アミノ酸をさらに添加する場合には、F:P比の数値は減少することになるが、請求人が主張するように、「脂肪成分およびタンパク質性成分(ポリペプチドおよび遊離アミノ酸含有)を」「特定量比(F/P)で含」むことに技術的な意義があったとしても、上記したように本願明細書の記載によっては、本件補正発明において特定する「特定量比(F/P)」の数値範囲に含まれるものが常に顕著な効果を奏するものであると把握することはできない。
よって、請求人の上記の主張は採用できない。
(6) 小括
以上のことから、本件補正発明は、引用発明及び本願優先日前に周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和5年10月30日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和5年6月7日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(1)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶理由の概要
原査定の拒絶理由は、補正前の請求項1~18に係る発明に対する以下の拒絶理由を含むものである。
請求項1~18に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:国際公開第2016/176466号
引用文献2:特表2011-510621号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3:特表2008-514200号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4:国際公開第2017/103905号(周知技術を示す文献)
引用文献5:米国特許出願第2014/0227386号明細書(周知技術を示す文献)
引用文献6:特開昭49-79865号公報(周知技術を示す文献)
3 引用文献の記載及び引用発明等
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1、5、6及びその記載事項は、前記第2の[理由]3(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]3で検討した本件補正発明から、構成F、すなわち、「かつペットフード製品が、ペットフード製品の総質量に対し、1.0質量%~2.5質量%の量の遊離アミノ酸を含む、」に係る限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]3に記載したとおり、引用発明及び本願優先日前に周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び本願優先日前に周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が、引用文献1に記載された発明及び本願優先日前に周知の事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-018337