特許拒絶査定不服審判
2024-000937
検針作業方法
- 審判番号
- 2024-000937
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-119777
- 請求日
- 2024年01月19日
- 審決日
- 2025年03月27日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】中国電力株式会社
- 【請求人代理人】酒井 昭徳
- 審判長/審判官
- 審判長 岡田 吉美
- 審判官 小島 寛史
- 審判官 中塚 直樹
- 分類
- P18 .121-WZ (G01D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-119777「検針作業方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 1月14日出願公開、特開2021- 4840〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和元年6月27日の特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和5年 4月28日付け :拒絶理由通知書
同年 6月23日 :意見書及び手続補正書の提出
同年 8月17日付け :拒絶理由通知書(最後)
同年10月 6日 :意見書及び手続補正書の提出
同年12月 4日付け :補正却下
同日付け :拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同月12日 :原査定の謄本の送達)
令和6年 1月19日 :審判請求書及び手続補正書の提出
同年12月26日付け :拒絶理由通知書
令和7年 1月28日 :意見書及び手続補正書の提出
2 本願発明
(1) 本願発明の認定
本願の請求項1~8に係る発明は、令和7年1月28日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、そのうち請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次の記載により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
シート形状をなす基材を備え、検針の対象となる計器の撮影方法に関する撮影方法情報と、前記撮影方法情報に基づいて撮影された前記計器の画像情報と、が前記基材に記された、前記計器の近傍に設けられた検針作業表示部材を参照して、撮影装置のモニター画面に表示される画像と前記計器の画像情報を比較して同一画像となっているかを確認して前記計器を撮影し、
前記計器を撮影した撮影情報を、検針情報入力装置の表示画面に入力欄と同時に表示させ、表示させた前記撮影情報を参照して、前記計器の検針結果にかかる数値を前記入力欄に入力し、
前記検針作業表示部材において、前記撮影方法情報は、前記計器の画像情報および説明文を用いた、撮影される前記計器の範囲を示す範囲情報を含み、
前記範囲情報に基づいて、前記計器の範囲が前記撮影情報に含まれるように前記計器を撮影することを特徴とする検針作業方法。」
(2) 本願発明の分説
検討の便宜上、本願発明の構成を次のように構成Xと構成Aから構成Dまでに分説する。また、参考図として、本願の検針作業表示部材の設置の一例を示す【図1】及び本願の検針作業表示部材の構成の一例を示す【図2】に部材名を加筆したものを掲載する。
<本願明の分説>
A シート形状をなす基材を備え、検針の対象となる計器の撮影方法に関する撮影方法情報と、前記撮影方法情報に基づいて撮影された前記計器の画像情報と、が前記基材に記された、前記計器の近傍に設けられた検針作業表示部材を参照して、撮影装置のモニター画面に表示される画像と前記計器の画像情報を比較して同一画像となっているかを確認して前記計器を撮影し、
B 前記計器を撮影した撮影情報を、検針情報入力装置の表示画面に入力欄と同時に表示させ、表示させた前記撮影情報を参照して、前記計器の検針結果にかかる数値を前記入力欄に入力し、
C 前記検針作業表示部材において、前記撮影方法情報は、前記計器の画像情報および説明文を用いた、撮影される前記計器の範囲を示す範囲情報を含み、
D 前記範囲情報に基づいて、前記計器の範囲が前記撮影情報に含まれるように前記計器を撮影することを特徴とする
X 検針作業方法。
<参考図>
【図1】
[図:0001423127000001.jpg]
【図2】
[図:0001423127000002.jpg]
(3) 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載
本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。
「【技術分野】
【0001】
この発明は、計器の検針作業における計器の撮影方法の内容を表示する検針作業表示部材、および、計器の検針結果を入力する検針情報入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力会社の発電所や変電所、あるいは、民間の工場などにおいて、計器の一例である、所内電力量計の検針作業が定期的におこなわれている。検針作業は、たとえば、所内電力量計の写真(撮影画像)をデジタルカメラで撮影し、その撮影画像に基づいて、サーバなどと通信をすることが可能なタブレット端末などの情報端末装置にデータを入力する。そして、このような写真の撮影をおこない、入力されたすべての電力量計の数値を集計して印刷し、さらに、その印刷物と写真(撮影画像)とを照合して、データ値の確認(承認)をおこない、全体としての電力使用量を集計している。
【0003】
検針作業は、具体的には、以下の手順でおこなわれる。撮影者(巡視担当者)は、通常、デジタルカメラを持参して、所内を巡視する。巡視は、月に一回程度の頻度で定期的におこなわれる。撮影者は、撮影する必要がある所内の電力量計の所在については分かっており、あらかじめ定められた巡視の経路にしたがって移動して、各箇所に設置されている電力量計の写真を撮影する。
【0004】
この巡視中に、撮影者は、デジタルカメラを操作して、デジタルカメラのメモリ内に蓄積されている撮影データ(画像情報)を、デジタルカメラのモニター画面に1枚ずつ表示し、そのモニター画面に表示された電力量計の「所名」および「用途」、「カウンタ最大値」、「乗率」を確認した上で、「指示値」を読み取って、専用のタブレット端末装置あるいはパーソナルコンピュータなどの情報端末装置に手動で入力する。
【0005】
その際、デジタルカメラのモニター画面(液晶画面)は、通常、3インチ程度であるので、そのまま当該モニター画面に表示したのでは、当該モニター画面が小さすぎて、上述した各項目までは読み取れない。したがって、撮影者は、モニター画面に表示された画像を、所定のサイズまで拡大する。そして、その拡大画像の表示位置を適宜移動させながら、各項目内容を確認し、入力していく。
【0006】
また、情報端末装置への検針情報の入力は、巡視担当者の指またはタッチペンなどを用いておこなうため、一方の手でデジタルカメラを持ち、他方(通常、利き腕)の手を使って、あるいは、当該他方の手でタッチペンを把持した状態で、画像内容の確認作業および検針情報の入力作業をおこなう。そして、入力作業が終了した後、入力したデータを、情報端末装置から、ネットワークを介して、図示を省略するサーバにアップロードする。また、入力作業が終了した画像情報は、デジタルカメラからその画像データをダウンロードし、同様に、ネットワークを介して、サーバの所定領域にデータ登録する。それによって、デジタルカメラで撮影した所内電力量計の画像データを、サーバから誰でも見られる状況にすることができる。
【0007】
このようにして、検針結果の入力作業が終了し、各箇所からデータがアップロードされることによって、全箇所(管轄内における各発電所や各電力所など全て)の所内電力量に関する情報を収集することができる。そして、収集された全箇所の所内電力量に関する情報は、全箇所帳票として印刷する。担当者は、その印刷された全箇所帳票と、サーバの所定領域にデータ登録された画像情報(登録写真)とをチェックし、その正否を検証する。
【0008】
その際、データに誤りがある場合や、登録写真が不鮮明などの理由により正否の判断ができない場合は、当該箇所の担当者に対して、データの修正あるいは画像情報の撮り直しを要求し、すべての確認が終わったところで、全箇所帳票の承認をする。このようにして、所内の電力量計に対して、一連の検針作業がおこなわれている。このように、特に、電力会社においては、自社内で使用する電力量について正確に把握する必要があり、厳正な検針処理が要求されている。
【0009】
関連する技術として、具体的には、ハンディターミナルの本体の側方に収納される、伸縮自在になる伸縮ロッドと、計量メータの検針指示数の計量値、マークなどの識別子を撮像するレンズ部を具備した頭部と、頭部・伸縮ロッドの先端部を首振り自在に連結した首振り部と、を備え、計量メータの検針に際して、本体から引き出したカメラ部の頭部を首振り部により稼働させて、計量メータの適切な位置に向けて撮像でき、数字、文字などを正確に読み取ることができる可動カメラ付き検針ハンディターミナルに関する技術がある(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2014-130397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、これらの技術は、写真を撮影する撮影者(巡視者)が固定されておらず、毎回、同じ担当者が作業をするとは限らない。したがって、撮影された写真のアングルやフォーカスはバラバラであり、撮影した写真において、データ入力、データ検証する上で、必要な部分が写っていなかったり、撮影距離や方向、周りの明るさに応じて、フォーカスのずれ(ピントのぼけ)があったりして、データの入力や確認に支障を来す場合がある。その場合は、写真の撮り直しをしなければならないなど、電力量計のデータの入力・集計作業が繁雑となるという問題点があった。
【0012】
また、撮影に慎重になるあまりに、撮影作業に時間がかかり、効率的な巡視作業をおこなうことができず、また、それにより、撮影者に多くの負担がかかるという問題点があった。
【0013】
また、上記先行技術に関しては、数字、文字などを正確に読み取ることができるという課題については共通するものの、専用のハンディターミナルを用いるなど、その構成は、本件発明とは異なる。
【0014】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、計器を撮影する際に、当該計器の撮影方法に関する情報を当該計器の近傍に設けることで、複数の計器の一連の検針作業を円滑にかつ効率的におこない、検針作業に携わる担当者の労力を軽減することを目的とする。」
「【発明の効果】
【0026】
この発明にかかる検針作業表示部材および検針情報入力装置によれば、計器を撮影する際に、当該計器の撮影方法に関する情報を当該計器の近傍に設けることで、複数の計器の一連の検針作業を円滑にかつ効率的におこない、また、当該計器の撮影情報を入力する情報処理端末の画面に同時に表示することで、検針作業に携わる担当者の労力を軽減することを目的とする。」
3 当審が通知した拒絶の理由
当審が令和6年12月26日付けで通知した拒絶の理由のうち、本願発明に係る拒絶の理由1の概要は、次のとおりである。
(進歩性の欠如)本願発明は、本願の出願前に発行された下記の引用文献5に記載された発明及び下記の引用文献6に例示された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献5.特開2014-130397号公報
引用文献6.川又英紀,「駅コンビニにSuica対応セルフレジが登場」,日経クロステック,株式会社日経BP,2008年1月24日,[online]https://xtech.nikkei.com/it/article/JIREI/20080122/291674/
4 当審の判断
(1) 引用文献の記載事項及び引用発明の認定等
ア 引用文献5の記載事項及び引用発明の認定
(ア) 引用文献5の記載事項
当審が通知した拒絶の理由において引用した特開2014-130397号公報(以下「引用文献5」という。)には、以下の事項が記載されている。
なお、下線は当審が付したもので、引用発明の認定に直接用いる箇所に付した。
a 段落【0001】~【0004】
「【0001】
本発明は、電力量計、ガスメータ等の計量メータの検針に使用される検針ハンディターミナルに係り、特に計量メータの数字を離れた位置から読み取ることができるカメラを備えた可動カメラ付き検針ハンディターミナルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な電力量計、ガスメータ等の計量メータの検針業務は、検針員が検針ハンディターミナルを携帯し、各需要家宅の電力量計、ガスメータ等の計量メータの数字を目視で読み取り、その数値を検針ハンディターミナルにテンキー入力し、同じく携行するプリンターから自動で出力される「電気使用量のお知らせ票」などの検針調査票を該当する需要家の郵便受けに入れるという作業である。
【0003】
この検針業務において、検針員が目視で数字を確認できない位置に計量メータが設置されている場合は、伸縮する棒に鏡を付けた検針専用の鏡を使用して検針指示数を確認していた。あるいは検針員が持参する私用のカメラ付き携帯電話で検針指示数を撮影して確認していた。
【0004】
この計量メータの数字を目視で読み取る際に、計量メータに埃が付着していると、検針指示数の数値を誤読するおそれがある。そこで、計量メータの誤読を防止すべく、外部から視覚的に読取り可能な状態で計器に記録された文字等を読み取るための技術が種々提案されている。例えば、特許文献1の特開平10-19518号公報「光学的文字認識装置」のように、外部から視覚的に読取り可能な状態で計器に記録された文字等を画像信号に変換するカメラ部と、前記画像信号に基づいて少なくとも文字認識処理を含む予定のデータ処理を実行する文字認識等実行手段とを具備した光学的文字認識装置において、前記カメラ部は、遮光フードと、一端が前記遮光フードの形状に合わせて開口し、他端に向かって収束する錐形状の散乱反射板と、前記散乱反射板の他端から開口部を見込むように設けられた光電変換部と、照射光が散乱反射板で反射された後に前記開口部から計器へ向けて照射されるように前記開口部近傍に設置された発光体とを具備した光学的文字認識装置が提案されている。」
b 【0018】~【0027】、【図1】
「【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の可動カメラ付き検針ハンディターミナルは、電力量計、ガスメータ等の計量メータの検針の際に、ハンディターミナル本体から引き出したカメラ部の頭部を首振り部により可動させ、計量メータの適切な位置に向けて撮像できるように構成したものである。
【実施例1】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は実施例1の可動カメラ付き検針ハンディターミナルを示す正面図である。
本発明の可動カメラ付き検針ハンディターミナル1は、キー操作入力機能及びカメラ機能を有し、点在する住宅や集合住宅の各需要家等のように分散した広範囲にわたる多数の電力量計、ガスメータ等の計量メータMBを巡回しながら、順次カメラ機能のレンズ部17を繰り出して計量値と計器ナンバーなどの識別番号を同一画面に撮像する器具である。次いで、営業所、事務所などの管理センタMC側に持ち帰り、ハンディターミナル1をコンピュータ(CPU)44と接続する。
またはこのカメラ機能で撮像した検針指示数の数値と識別番号等を読み取り、テンキー12入力を行う。」
「【図1】
[図:0001423127000003.jpg]
」
「【0020】
〈ハンディターミナルの構成〉
ハンディターミナル1は、図1に示すように、検針員が片手で持ちやすい大きさの筐体から成る本体2を備える。この本体2正面の上半分に、表示部3、スピーカ部4、電源キー5と点灯部6をそれぞれ備えている。また、本体2正面の下半分に、操作部7とマイク部8をそれぞれ備えている。本体2の側方に出没自在になるカメラ部9を内蔵している。
【0021】
本体2は、検針業務といった屋外で検針員が携行して作業する際に耐えられる程度の強靭な材質のものが適している。例えばABS樹脂等を利用することができる。表示部3は、電力量計、ガスメータ等の計量メータMBの検針指示数と計器ナンバーなど各種情報を表示する。
【0022】
スピーカ部4は、本体2の正面の表示部3より上側に設けられ、各種の音を出力する。点灯部6は、本体2の正面のスピーカ部4の左側に設けられる。点灯部6は、LED等の発光器を有し、その発光器を点灯させる。例えば、後述するカメラ部9による検針指示数の数値等の読み取りが完了した際に、スピーカ部4による音出力と、点灯部6による点灯により、聴覚的及び視覚的に検針員に動作の完了を知らしめる。
【0023】
電源キー5は、本体2の正面のスピーカ部4の右側に設けられ、検針員の電源オン/オフの押下入力がされる。マイク部8は、本体2正面の下側に設けられ、検針員のメッセージ等の音声が入力される。これらの配置は一例であり、スピーカ部4、電源キー5、点灯部6の位置は、上記の位置に限定されるものではない。
【0024】
操作部7は、検針員のキー入力を受け付ける各種操作キーを備えている。操作部7は、第1の操作キーとしてのセンタトリガキー10、カーソルキー11、数値入力のテンキー12、エンターキー13、入力キー14、ファンクションキー15とを備えている。
【0025】
センタトリガキー10、サブトリガキー16は、検針員の押下により、後述するカメラ部9のバーコード読み取りの実行を入力するためのキーである。センタトリガキー10は、本体2の正面の中心付近に設けられる。カーソルキー11は、本体2の正面のセンタトリガキー10の左に設けられる。カーソルキー11は、上下左右移動を入力するためのキーである。サブトリガキー16は、本体2の右下の位置に設けられる
【0026】
テンキー12は、検針員の押圧により0~9の各種数字、文字を入力するためのキーである。テンキー12は、本体1の正面のセンタトリガキー10より下側に設けられる。
【0027】
エンターキー13は、検針員の押下により確定を入力するためのキーである。入力キー14は、シフトキー、ユーザの押下により小数点を入力するためのキー、検針員の押下により削除を入力するためのクリアキーを含む。ファンクションキー15は、ユーザの押下により各種ファンクションの実行を入力するためのキーである。」
c 段落【0046】、【図7】
「【0046】
〈検針結果の自動処理〉
図7は可動カメラ付き検針ハンディターミナルの構成を示すブロック図である。
次に、本発明の可動カメラ付き検針ハンディターミナル1を用いて電力量計、ガスメータなど計量メータMBの計量データをリアルタイムで電力営業所等の管理センタMCのコンピュータ(CPU)44に入力する方法について説明する。
本発明の可動カメラ付き検針ハンディターミナル1は、内蔵されたカメラ部9と共に画像認識部41と無線送信部42を具備する。カメラ部9は、電力量計などの計測メータMBの検針指示数などを撮像した画像をデジタル化し、画像データとして出力する。画像認識部41は、カメラ部9の画像データからメータ値を文字認識し、その文字認識されたメータ値のデータをコード化して出力する。このコード化されたメータ値を無線送信部42で無線信号として送信する。
一方、管理センタMCにおいて、送信されたメータ値は無線受信部43で受信し、その出力側はコンピュータ(CPU)44に接続されている。」
「【図7】
[図:0001423127000004.jpg]
」
d 段落【0047】~【0048】、【図8】
「【0047】
図8はハンディターミナルの表示部の表示内容を示すものであり、(a)はカメラ部で撮像した画像、(b)は計量値を入力する状態の画像である。
検針員は、上述したように検針ハンディターミナル1を手に持ち、そのカメラ部9で計量メータMBの検針指示数などを撮像すると、計量メータMBを撮像した画像は、図8(a)に示すように、カメラ部9で撮像した画像がそのまま表示部3に表示される。図示例では、上部に日付51、計量メータMBの計器番号52が表示される。これは、画像認識部41が計量メータMBの表面に表された識別子を画像データからメータ値を文字認識し、その文字認識されたメータ値のデータをコード化して出力したものである。計器番号52の下部に実際の計量メータMBの検針指示数などの数値53が表示される。
このとき画像が不鮮明なとき、又は葉、埃などが同時に撮像されているときは、再度カメラ部9のレンズ部17の向きを調節する。その後最適な位置で撮像する。
【0048】
次に、サブトリガーキー16を押下して、図8(b)に示すように、表示部3に計量値を入力する状態の画像に変える。この画面では、上部に日付51、計量メータMBの計器番号52が表示される。その下に、当月の使用量の入力覧54とその下部に前月の使用量の計量値55が2段で表示され比較しやすいように表示される。更にその下に、当月の使用量の入力を容易にするために、同じ画面上に実際の計量メータMBの検針指示数などの数値53も表示される。そこで、検針員の入力ミスを回避できる。
更に、この図8(b)に示す表示部3の画面には入力作業が完了すれば、「完了」マーク56にカーソルキー11でカーソル移動し、エンターキー13を押下して終了する。入力ミスがあるときは、「戻る」マーク57にカーソルキー11でカーソル移動し、エンターキー13を押下して作業をやり直す。」
「【図8】
[図:0001423127000005.jpg]
」
e 段落【0049】~【0050】、【図9】
「【0049】
図9は可動カメラ付き検針ハンディターミナルにより取り込んだ画像を顧客に関する情報と共に印刷した検針調査票の一例である。
検針調査票61には、可動カメラ付き検針ハンディターミナル1により取り込んだ画像も、顧客に関する氏名、計量値等の情報と共に印刷される。このように可動カメラ付き検針ハンディターミナル1では、単に計量メータMBの検針指示数の数値53を画像で取り込むだけでなく、この数値を表示部3に表示して、検針員の入力を容易にする。更に、検針調査票61にその画像も同時に印刷することで実際に検針した事実と共に、リアルタイムでの電力等の使用量を把握できるようになっている。
【0050】
なお、本発明は、ハンディターミナル1が内蔵するカメラ部9のレンズ部17を伸縮自在な部材に取り付けることで、狭隘な場所に取り付けられた計量メータMB、または計量メータMBの周囲に樹木などの邪魔なものがあるときでも、カメラ部9のレンズ部17を計量メータMBに近づけて数字、文字などを正確に読み取ることができれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。」
「【図9】
[図:0001423127000006.jpg]
」
(イ) 引用発明の認定
前記(ア)の引用文献5の記載事項を総合すると、引用文献5には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「電力量計、ガスメータ等の計量メータの検針業務方法であって、(【0002】)
計量メータの数字を離れた位置から読み取ることができるカメラを備えた可動カメラ付き検針ハンディターミナルを用いるものであり、(【0001】)
このカメラ機能で撮像した検針指示数の数値と識別番号等を読み取り、テンキー12入力を行うものであって、(【0019】)
検針員は、検針ハンディターミナル1を手に持ち、そのカメラ部9で計量メータMBの検針指示数などを撮像すると、計量メータMBを撮像した画像は、下記図8(a)に示すように、カメラ部9で撮像した画像がそのまま表示部3に表示され、(【0047】)
次に、サブトリガーキー16を押下して、下記図8(b)に示すように、表示部3に計量値を入力する状態の画像に変えると、当月の使用量の入力欄54とその下部に前月の使用量の計量値55が2段で表示され比較しやすいように表示され、更にその下に、当月の使用量の入力を容易にするために、同じ画面上に実際の計量メータMBの検針指示数などの数値53も表示され、検針員の入力ミスを回避できるものである、(【0048】)
電力量計、ガスメータ等の計量メータの検針業務方法。(【0002】)
【図8】
[図:0001423127000007.jpg]
」
イ 引用文献6の記載事項と一般常識1の認定
(ア) 引用文献6の記載事項
当審が通知した拒絶の理由において引用した、川又英紀,「駅コンビニにSuica対応セルフレジが登場」,日経クロステック,株式会社日経BP,2008年1月24日,[online]https://xtech.nikkei.com/it/article/JIREI/20080122/291674/(以下「引用文献6」という。)のWebページ中には、「Suica専用クイックセルフレジ」の使用説明が記載された表示板が当該セルフレジの近傍に掲示されていることを示す、次の画像が含まれている。
「
[図:0001423127000008.jpg]
」
(イ) 一般常識1の認定
前記(ア)の画像に例示されているように、次の技術事項は、当業者ならずとも一般人でさえ知っている一般常識(以下「一般常識1」という。)であると認められる。
[一般常識1]
「機器の近傍に、その機器の使用方法を掲示すること。」
ウ 引用文献7の記載事項と技術常識1の認定
(ア) 引用文献7の記載事項
当審が新たに引用する特開2006-301179号公報(以下「引用文献7」という。)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付した。以下同様である。)
a 段落【0001】
「【0001】
本発明は、パスポートや履歴書等に使用される証明写真や、ポートレート、記念写真当を撮影する写真撮影装置に関する。」
b 段落【0018】~【0021】
「【0018】
制御部110、ROM130、RAM140、HDD150の協働により、撮影プリント処理プログラムによって実行される撮影プリント処理は、操作画面及びアナウンス音声のデータをHDD150から読み出して順次操作画面を表示部40に表示させるとともに、表示中の操作画面に応じたアナウンス音声をスピーカ55から出力させる。また、操作画面においてプリント条件(写真種、顧客属性情報等)が選択操作されると、当該選択されたプリント条件の情報をRAM140に一時記憶させて設定する。
【0019】
顧客属性情報は、顧客が信仰する宗教の種類、性別、年齢、肌・髪の毛・瞳等の色や眼鏡の有無などの外観上の特徴等の情報であり、顧客自らが操作部60を操作することによって入力されることによって取得される。
【0020】
そして、プリント条件(写真種、顧客属性情報等)が選択操作され取得されると、写真種及び顧客属性情報に基づいたサンプル画面が表示部40の操作画面上に表示される。サンプル画面は、プリントされる撮影画像の撮影条件を報知する画面であり、写真種及び顧客属性情報に対応する良い撮影画像例と悪い撮影画像例が対比されて表示されている。
【0021】
撮影条件とは、プリント条件に基づいて予め設定されているプリントされる撮影画像の規格であり、写真枠に対する撮影された顧客の顔の大きさや目の高さの許容範囲、特定の衣類の使用の可否、眼鏡の使用の可否や眼鏡の種類や使用時の適用範囲等が挙げられる。」
c 段落【0046】~【0049】、【図5】
「【0046】
顧客属性情報が取得された後(ステップS5後)、RAM140に記憶されている写真種及び顧客属性情報が読み出され、読み出された写真種及び顧客属性情報に対応する撮影条件のデータがROM130から読み出され、読み出された撮影条件に基づいてサンプル画面が生成され、表示部40の操作画面上にサンプル画面が表示される(ステップS6)。
【0047】
図5~7に、サンプル画面の一例を示す。
図5に示すサンプル画面は、図4に示す顧客属性情報選択画面G1において、男性ボタンG11a、子供ボタンG12b、近視用眼鏡ボタンG13a、無宗教ボタンG14aが選択された場合のサンプル画面G2の一例である。
【0048】
図5に示すように、サンプル画面G2は、写真種(パスポート)及び顧客属性情報(男性、子供、近視用眼鏡有り、無宗教)に基づく良い撮影画像例G21と悪い撮影画像例G22が対比されて表示されており、夫々の撮影画像例に対するメッセージM1~M4が表示されている。即ち、良い撮影画像例G21、悪い撮影画像例G22、メッセージM1~M4が表示されることにより、撮影条件を顧客に報知することを実現している。
【0049】
メッセージM1は、写真枠Wの高さ方向における目の高さの許容範囲を示している。メメッセージM2は、良い撮影画像例G21に表示されている顔の大きさの許容範囲を示している。メッセージM3は、悪い撮影画像例G22に表示されている顔の大きさを示している。メッセージM4は、悪い撮影画像例G22に表示されている画像例がパスポート申請用の写真として適していない理由が示されており、例えば、眼鏡が照明光に反射して瞳が見えない場合や、眼鏡のフレームが目にかかっている場合、表情が平常時と著しく異なっている場合、目の高さが設定範囲外である場合、顔の大きさが許容範囲未満である場合等の理由が示されている。」
「【図5】
[図:0001423127000009.jpg]
」
d 段落【0050】~【0052】、【図6】
「【0050】
図6に示すサンプル画面は、図4に示す顧客属性情報選択画面G1において、女性ボタンG11b、大人ボタンG12a、眼鏡無しボタンG13c、B宗教ボタンG14cが選択された場合のサンプル画面G3の一例である。
【0051】
図6に示すように、サンプル画面G3は、写真種(パスポート)及び顧客属性情報(女性、大人、眼鏡無し、B宗教)に基づく良い撮影画像例G31と悪い撮影画像例G32が対比されて表示されており、夫々の撮影画像例に対するメッセージM1、M2、M4、M5が表示されている。即ち、良い撮影画像例G31、悪い撮影画像例G32、メッセージM1、M2、M4、M5が表示されることにより、撮影条件を顧客に報知することを実現している。
【0052】
メッセージM1、M2は、図5に示すメッセージM1、M2と同様であるため、説明は省略する。メッセージM4は、悪い撮影画像例G32に表示されている画像例がパスポートの申請用写真として適していない理由が示されており、例えば、B宗教上使用されているショールであるが、パスポート申請用の写真としては認められないショールを使用している場合等の理由が示されている。メッセージM5は、良い撮影画像例G31に表示されている画像例がパスポート申請用の写真として適している理由が示されており、例えば、B宗教上使用されているスカーフであり、パスポート申請用の写真として認められる部分的なスカーフを使用している場合等の理由が示されている。」
「【図6】
[図:0001423127000010.jpg]
」
e 段落【0053】~【0056】、【図7】
「【0053】
図7に示すサンプル画面は、図4に示す顧客属性情報選択画面G1において、女性ボタンG11b、大人ボタンG12a、遠視用眼鏡しボタンG13b、無宗教ボタンG14aが選択された場合のサンプル画面G4の一例である。
【0054】
図7に示すように、サンプル画面G4は、写真種(パスポート)及び顧客属性情報(女性、大人、遠視用眼鏡有り、無宗教)に基づく良い撮影画像例G41と悪い撮影画像例G42が対比されて表示されており、夫々の撮影画像例に対するメッセージM1、M2、M4が表示されている。即ち、良い撮影画像例G41、悪い撮影画像例G42、メッセージM1、M2、M4が表示されることにより、撮影条件を顧客に報知することを実現している。
【0055】
メッセージM1、M2は、図5に示すメッセージM1、M2と同様であるため、説明は省略する。メッセージM4は、悪い撮影画像例G42に表示されている画像例がパスポート申請用の写真として適していない理由が示されており、例えば、髪の毛が目にかかっている場合や、遠視用眼鏡は照明光が反射して瞳が見えない場合の理由は示されており、また、眼鏡に照明光が反射して瞳が見えない場合は眼鏡を外すことを勧めるなど、問題点を改善させるための改善方策が示されている。
【0056】
顧客が、この操作画面上に表示されているサンプル画面を確認して、操作部60を操作することにより撮影指示を行うと、次に撮影準備及び操作についての操作画面が表示部40に表示され、撮影準備及び操作についての操作画面が表示された後、顧客が操作画面上に表示された操作ボタンを押下操作することにより、ストロボユニット20の制御によりストロボ20aが発光されるとともに、デジタルカメラ30においての撮影処理が実行される(ステップS7)」
「【図7】
[図:0001423127000011.jpg]
」
(イ) 技術常識1の認定
前記(ア)で摘記した引用文献7の記載に例示されているように、次の技術事項は、技術常識(以下「技術常識1」という。)であると認められる。
[技術常識1]
「写真撮影に際し、写真枠に対する被写体の大きさなどの撮影条件を、良い撮影画像例とメッセージを含むサンプル画像として報知すること。」
(2) 対比
ア 対比分析
本願発明と引用発明を対比する。
(ア) 構成Xの観点
「検針作業方法」の発明である本願発明と、「電力量計、ガスメータ等の計量メータの検針業務方法」の発明である引用発明は、「検針作業方法」の発明である点において一致する。
(イ) 構成Bの観点
a(a) 引用発明における「計量メータMB」は、本願発明における「計器」に相当する。
(b) そして、引用発明における「実際の計量メータMBの検針指示数などの数値53」の画像を含む「カメラ部9で撮像した画像」である「計量メータMBを撮像した画像」の一部の画像は、本願発明における「前記計器を撮影した撮影情報」に相当する。
b(a) 引用発明における「検針ハンディターミナル1」は、本願発明における「検針情報入力装置」に相当する。
(b) そして、引用発明における「検針ハンディターミナル1」の「表示部3」の画面は、「検針情報入力装置」の「表示画面」に相当する。
(c) さらに、引用発明において「当月の使用量の入力欄54とその下部に前月の使用量の計量値55が2段で表示され比較しやすいように表示され[る]」ことは、本願発明において「検針情報入力装置の表示画面に入力欄」を「表示させ[る]」ことに相当する。
c そうすると、引用発明において、「表示部3に」「当月の使用量の入力欄54とその下部に前月の使用量の計量値55が2段で表示され比較しやすいように表示され、更にその下に、当月の使用量の入力を容易にするために、同じ画面上に実際の計量メータMBの検針指示数などの数値53も表示され[る]」ことは、本願発明において「前記計器を撮影した撮影情報を、検針情報入力装置の表示画面に入力欄と同時に表示させ[る]」ことに相当する。
d(a) また、引用発明において、「当月の使用量の入力を容易にするために、同じ画面上に実際の計量メータMBの検針指示数などの数値53も表示されて、検針員の入力ミスを回避でき」、「このカメラ機能で撮像した検針指示数の数値と識別番号等を読み取り、テンキー12入力を行う」ことは、本願発明において「表示させた前記撮影情報を参照して、前記計器の検針結果にかかる数値を前記入力欄に入力[する]」ことに相当する。
e したがって、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。
「前記計器を撮影した撮影情報を、検針情報入力装置の表示画面に入力欄と同時に表示させ、表示させた前記撮影情報を参照して、前記計器の検針結果にかかる数値を前記入力欄に入力[する]」点。
イ 一致点及び相違点の認定
前記アの対比分析の検討結果をまとめると、本願発明と引用発明は、次の(ア)に示す一致点において一致し、後記(イ)に示す相違点において相違する。
(ア) 一致点
「計器を撮影した撮影情報を、検針情報入力装置の表示画面に入力欄と同時に表示させ、表示させた前記撮影情報を参照して、前記計器の検針結果にかかる数値を前記入力欄に入力する検針作業方法」の発明である点。
(イ) 相違点
本願発明は、
「シート形状をなす基材を備え、検針の対象となる計器の撮影方法に関する撮影方法情報と、前記撮影方法情報に基づいて撮影された前記計器の画像情報と、が前記基材に記された、前記計器の近傍に設けられた検針作業表示部材を参照して、撮影装置のモニター画面に表示される画像と前記計器の画像情報を比較して同一画像となっているかを確認して前記計器を撮影し」、かつ、
「前記検針作業表示部材において、前記撮影方法情報は、前記計器の画像情報および説明文を用いた、撮影される前記計器の範囲を示す範囲情報を含み、
前記範囲情報に基づいて、前記計器の範囲が前記撮影情報に含まれるように前記計器を撮影する」のに対して、
引用発明は、「撮影される前記計器の範囲を示す撮影方法情報」と「画像情報」が記された「検針作業表示部材」を設けて参照するものではない点。
(3) 判断
ア 相違点の想到容易性について
前記相違点について検討する。
(ア) 前記(1)イ(イ)において一般常識1として認定したとおり、「機器の近傍に、その機器の使用方法を掲示すること」は、特定の機器に限られることなく、また当業者ならずとも一般人でさえ周知の事項である。
したがって、引用発明において、前記相違点に係る構成のうち「シート形状をなす基材を備え、検針の対象となる計器の撮影方法に関する撮影方法情報」が「前記基材に記された前記計器の近傍に設けられた検針作業表示部材を参照して」、「前記計器を撮影」することは、当業者ならずとも、一般人にさえ自明のことにすぎない。
(イ)a また、前記(1)ウ(イ)において技術常識1として認定したとおり、「写真撮影に際し、写真枠に対する被写体の大きさなどの撮影条件を、良い撮影画像例とメッセージを含むサンプル画像として報知すること」は、技術常識である。
b そうすると、「計量メータMBの検針指示数などを撮像する」ことを含む「電力量計、ガスメータ等の計量メータの検針業務」である引用発明に前記一般常識1を適用する際に、その「撮影方法情報」と併せて、「写真枠に対する被写体の大きさなどの撮影条件」を示す、「良い撮影画像例(「計器の画像情報」に相当する。)とメッセージ(「説明文」に相当する。)を含むサンプル画像」(「前記計器の画像情報および説明文を用いた、撮影される前記計器の範囲を示す範囲情報」に相当する。)を掲示し、当該情報を参照して、表示器3の画面に表示されるカメラの画像と前記良い撮影画像例を比較して同一画像となっているかを確認して計量メータMBの撮影をし、計量メータMBの画像が適切に撮影画像に収まっているようにすること(「前記範囲情報に基づいて、前記計器の範囲が前記撮影情報に含まれるように前記計器を撮影する」ことに相当する。)は、撮影内容の特性などに応じて当業者が適宜選択すべき設計事項の範囲内のものである。
c したがって、引用発明に前記一般常識1を適用するに際して、i)検針作業表示部材の掲示の内容に「撮影方法情報に基づいて撮影された前記計器の画像情報」を含ませ、ii)「前記計器の近傍に設けられた検針作業表示部材を参照して、撮影装置のモニター画面に表示される画像と前記計器の画像情報を比較して同一画像となっているかを確認して前記計器を撮影する」ようにし、かつ、iii)「前記検針作業表示部材において、前記撮影方法情報は、前記計器の画像情報および説明文を用いた、撮影される前記計器の範囲を示す範囲情報を含み」、iv)「前記範囲情報に基づいて、前記計器の範囲が前記撮影情報に含まれるように前記計器を撮影する」ようにすることは、技術常識1を踏まえれば、引用発明における「検針ハンディターミナル1」の使い方と、撮影時の留意点を掲示することの目的からして、あまりにも自明のことにすぎない。
(ウ) したがって、引用発明において前記相違点1を備えることは、引用発明、一般常識1及び技術常識1に基づいて当業者が容易に想到することができたものである。
(エ) そして、本願発明の奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測困難であり、かつ、格別顕著なものを認めることはできない。
(オ) したがって、本願発明は、引用発明、一般常識1及び技術常識1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(4) 請求人の主張について
ア 請求人の主張内容
請求人は、令和7年1月28日に提出された意見書において、本願発明が進歩性を有することの根拠として、次の点を主張している。
引用発明及び引用文献6に記載の技術内容には、いずれも本願発明の「撮影方法情報に、計器の画像情報および説明文を用いて、撮影される計器の範囲を示す範囲情報が含まれること」という構成要件について何らの記載も示唆もなく、両者を組み合わせることができたとしても、本願発明に特有の「不要な部分については、撮影範囲から外して撮影するように示唆し、撮影内容(数値など)が視認しづらくなることを防止する」という作用効果を奏することができない。
イ 請求人の主張についての検討
前記4(3)において説示したように、「機器の近傍に、その機器の使用方法を掲示すること」が、一般常識であり、また、「写真撮影に際し、写真枠に対する被写体の大きさなどの撮影条件を、良い撮影画像例とメッセージを含むサンプル画像として報知すること」が技術常識であることを踏まえると、計器の近傍に設けられた検針作業表示部材を参照して前記計器を撮影することは、当業者ならずとも一般人にさえ自明のことであるし、その際に、計器の画像情報及び説明文を用いた計器の範囲を示す範囲情報を掲示することは、あまりにも自明のことにすぎない。
したがって、請求人の前記主張を採用することはできない。
5 むすび
以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-000937