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特許無効審判

2023-800064

電動弁

審判番号
2023-800064
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2012-098731
登録番号
5982168
請求日
2023年10月06日
審決日
2024年10月16日
公報発行日
2025年07月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
  • 【請求人代理人】稲葉 良幸
  • 【請求人代理人】阿部 豊隆
  • 【請求人代理人】岩永 勇二
  • 【請求人代理人】韓 明花
  • 【被請求人】株式会社 不二工機
  • 【被請求人代理人】弁理士法人第一国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 北村 英隆
  • 審判官 伊藤 秀行
  • 審判官 窪田 治彦
分類
P1113.121-YAA(F16K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法169条2項民事訴訟法61条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第134条の2第9項、特許法第134条の2第1項、特許法第126条第7項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第126条、特許法第134条の2第3項、特許法第169条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の特許第5982168号発明「電動弁」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第5982168号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~8〕について訂正することを認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件無効審判の請求に係る特許5982168号(以下「本件特許」という。)の手続の経緯は、概略、以下のとおりである。 平成24年 4月24日 本件特許出願(特願2012-98731号) 平成28年 8月 5日 設定登録 令和 5年10月 6日 審判請求書の提出 令和 5年11月 7日 手続補正書の提出(請求人) 令和 6年 1月18日 審判事件答弁書、訂正請求書の提出 令和 6年 4月17日 審判事件弁駁書の提出 令和 6年 6月19日付け 審理事項通知書 令和 6年 7月12日 口頭審理陳述要領書の提出(被請求人) 令和 6年 7月17日 上申書の提出(被請求人) 令和 6年 7月26日 口頭審理陳述要領書の提出(請求人) 令和 6年 8月27日 口頭審理 第2 令和6年1月18日付け訂正請求書による訂正請求について 1 訂正事項 令和6年1月18日付け訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)は、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲を、令和6年1月18日付けの訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~8について訂正するというものであり、訂正事項は以下のとおりである。なお、下線部が訂正箇所である。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「樹脂モールドの下端部にとりつけられる円環状のプレート部材と」と記載されているのを、「樹脂モールドの下端部に溶着されてとりつけられる円環状のプレート部材と」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2~8も同様に訂正する)。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に「防水構造を構成するシール部材とを備えた」と記載されているのを、「防水構造を構成するシール部材とを備え、前記シール部材は、前記コイルユニットの下部と前記プレート部材との間に挟まれる」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2~8も同様に訂正する)。 2 訂正の適否 (1)訂正事項1 ア 訂正の目的について 訂正前の請求項1に係る特許発明は、「樹脂モールドの下端部にとりつけられる円環状のプレート部材」を特定している。 これに対して、訂正事項1による訂正後の請求項1は、「樹脂モールドの下端部に溶着されてとりつけられる円環状のプレート部材と」との記載により、樹脂モールドの下端部と円環状のプレート部材とのとりつけを、さらに溶着によるとりつけとして、より具体的に特定し、更に限定するものである。 すなわち、訂正事項1は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。同様に、訂正事項1による訂正後の請求項2~8は、訂正事項1による訂正後の請求項1に記載された「樹脂モールドの下端部に溶着されてとりつけられる円環状のプレート部材と」との記載を引用することにより、訂正事項1による訂正後の請求項2~8に係る発明における樹脂モールドの下端部に対する円環状プレート部材のとりつけを、より具体的に特定し、更に限定するものであるため、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記アの理由から明らかなように、訂正事項1は、「とりつけ」という発明特定事項を概念的により下位の「溶着」によるものとするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 訂正事項1は、訂正前の請求項1の記載を引用する訂正前の請求項2~8の記載についても実質的に訂正するものであるが、上記アの理由から明らかなように、訂正後の請求項1の記載は、訂正前の請求項1との関係で特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正事項1は、訂正前の請求項1の記載以外に、訂正前の請求項2~8の記載について何ら訂正するものではなく、訂正後の請求項2~8の発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 したがって、訂正事項1は、訂正前の請求項2~8との関係で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項1は、明細書記載の第1の実施例に基づいて導き出される構成である。この第1の実施例に係る説明として、明細書の段落【0020】には、「回り止め部材130は、コイルユニット100を弁本体10に位置決めし、固定するためのプレート部材であり、」との記載がなされ、また段落【0021】には、「回り止め部材130は、リング状(円環状)の金属部材であって、例えば円周上に4個の穴を有し、この穴に樹脂モールド110の下面に設けられた柱状部を挿入した後に柱状部を溶融して溶着部112を形成することにより、樹脂モールド110に固着される。」との記載がなされていることから、当該訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 エ 特許出願の際独立して特許を受けることができること 本件特許無効審判事件においては、訂正前の請求項1について無効審判の請求の対象とされているので、訂正前の請求項1に係る訂正事項1に関して、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 また、同様に、訂正前の請求項2~8についても無効審判の請求の対象とされているので、訂正前の請求項2~8に係る訂正事項1に関して、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的について 訂正事項2による訂正後の請求項1は、「前記シール部材は、前記コイルユニットの下部と前記プレート部材との間に挟まれる」との記載により、シール部材が、コイルユニットとプレート部材との間に挟まれることを、より具体的に特定し、更に限定するものである。 すなわち、訂正事項2は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。同様に、訂正事項2による訂正後の請求項2~8は、訂正後の請求項1に記載された「前記シール部材は、前記コイルユニットの下部と前記プレート部材との間に挟まれる」との記載を引用することにより、シール部材と、コイルユニット及びプレート部材との関係を、より具体的に特定し、更に限定するものであるため、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記アの理由から明らかなように、訂正事項2は、「前記シール部材は、前記コイルユニットの下部と前記プレート部材との間に挟まれる」という発明特定事項を追加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 訂正事項2は、訂正前の請求項1の記載を引用する訂正前の請求項2~8の記載についても実質的に訂正するものであるが、上記アの理由から明らかなように、訂正後の請求項1の記載は、訂正前の請求項1との関係で特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正事項2は、訂正前の請求項1の記載以外に、訂正前の請求項2~8の記載について何ら訂正するものではなく、訂正発明2~8のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 したがって、訂正事項2は、訂正前の請求項2~8との関係で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項2は、明細書記載の第1の実施例に基づいて導き出される構成である。この第1の実施例に係る説明として、明細書の段落【0020】には、「回り止め部材130は、コイルユニット100を弁本体10に位置決めし、固定するためのプレート部材であり、後述するOリング等のシール部材140を樹脂モールド110の下部(本実施例においては、ステータヨーク122の内周部下面)と挟んだ状態で、樹脂モールド110の下端部に固着される。」との記載がなされており、また図1~5からもシール部材140が樹脂モールド110の下部と回り止め部材130とに挟まれることが看取できることから、当該訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 エ 特許出願の際独立して特許を受けることができること 本件特許無効審判事件においては、訂正前の請求項1について無効審判の請求の対象とされているので、訂正前の請求項1に係る訂正事項2に関して、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7の独立特許要件は課されない。 また、同様に、訂正前の請求項2~8についても無効審判の請求の対象とされているので、訂正前の請求項2~8に係る訂正事項2に関して、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 (3)一群の請求項について 訂正前の請求項1~8について、請求項2~8は、請求項1を直接的に、又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1及び訂正事項2によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~8に対応する訂正後の請求項1~8は、特許法第134条の2第3項に規定する一群の請求項である。 3 小括 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲について、訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~8〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 前記第2のとおり、本件訂正は認められるので、本件特許の請求項1~8に係る発明(以下、それぞれ、請求項の番号に従って「本件発明1」などといい、総称して「本件発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「【請求項1】 弁室を有する弁本体と、該弁本体の上部に固着される円筒形状のキャンと、該キャンの内部に回転自在に支持されるロータと、該ロータの回転運動を直線運動に変換して弁室に挿入される弁軸を駆動する変換機構と、キャンの外側に着脱自在に嵌装され、かつステータヨーク及びコイルが一体成形された樹脂モールドを有するコイルユニットとを備える電動弁であって、 樹脂モールドの下端部に溶着されてとりつけられる円環状のプレート部材と、 該プレート部材により支持されてコイルユニットとキャンとの間の防水構造を構成するシール部材と を備え、 前記シール部材は、前記コイルユニットの下部と前記プレート部材との間に挟まれる、 ことを特徴とする電動弁。 【請求項2】 前記プレート部材は、前記弁本体と前記コイルユニットとを固定する回り止め部材であることを特徴とする請求項1記載の電動弁。 【請求項3】 前記プレート部材は、弁本体に係合する一対の脚部を備えたことを特徴とする請求項2記載の電動弁。 【請求項4】 前記プレート部材は、コイルユニットを弁本体にねじ止めするための延長部を備えたことを特徴とする請求項2記載の電動弁。 【請求項5】 前記プレート部材は、樹脂プレートであって、樹脂モールドの下端部にとりつけられることを特徴とする請求項1記載の電動弁。 【請求項6】 前記樹脂モールドの頂部には通気孔が形成され、前記キャンの頂部には前記通気孔を封止する封止部材を備える請求項1ないし5のいずれかに記載の電動弁。 【請求項7】 前記樹脂モールドの頂部には通気孔が形成され、コイルユニット装着後に前記通気孔を封止する密栓を備える請求項1ないし5のいずれかに記載の電動弁。 【請求項8】 前記密栓は、先端が前記通気孔の内径よりも大径な径大部を備えるように、弾性材料により作成されたことを特徴とする請求項7記載の電動弁。」 第4 当事者の主張 1 請求人の主張 請求人は、「特許第5982168号発明の特許請求の範囲の請求項1乃至8に記載された発明についての特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求め、甲第1号証~甲第36号証(以下、各証拠について、証拠番号に従って「甲1」などという。)の証拠を提出し、以下の無効理由を主張する。 (1)無効理由1(甲1に記載された発明を主たる引用発明とした進歩性欠如) ア 本件発明1~2に対して 本件発明1~2は、甲1に記載された発明に基いて、又は甲1に記載された発明と周知慣用技術(例えば、甲2、甲6、甲10、甲28~甲31参照)とに基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明1~2に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 イ 本件発明3に対して 本件発明3は、甲1に記載された発明と周知技術1(例えば、甲2、甲4~甲7参照)とに基いて、又は甲1に記載された発明、周知技術1及び上記周知慣用技術に基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 ウ 本件発明4に対して 本件発明4は、甲1に記載された発明に基いて、甲1に記載された発明と上記周知慣用技術とに基いて、甲1に記載された発明と周知技術2(例えば、甲8~甲9参照)とに基いて、又は甲1に記載された発明、周知技術2及び上記周知慣用技術に基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 エ 本件発明5に対して 本件発明5は、甲1に記載された発明に基いて、甲1に記載された発明と上記周知慣用技術とに基いて、甲1に記載された発明と周知技術3(例えば、甲10~甲11参照)とに基いて、又は甲1に記載された発明、周知技術3及び上記周知慣用技術に基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 オ 本件発明6に対して 本件発明6は、甲1に記載された発明と甲12に記載された事項とに基いて、甲1に記載された発明、甲12に記載された事項及び上記周知慣用技術に基いて、甲1に記載された発明、甲12に記載された事項及び周知技術4(例えば、甲13~甲14参照)若しくは甲13に記載された事項に基いて、又は甲1に記載された発明、甲12に記載された事項、周知技術4若しくは甲13に記載された事項及び上記周知慣用技術に基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 カ 本件発明7に対して 本件発明7は、甲1に記載された発明と甲12に記載された事項とに基いて、又は甲1に記載された発明、甲12に記載された事項及び上記周知慣用技術に基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 キ 本件発明8に対して 本件発明8は、甲1に記載された発明と甲12に記載された事項とに基いて、甲1に記載された発明、甲12に記載された事項及び上記周知慣用技術に基いて、甲1に記載された発明、甲12に記載された事項及び周知技術5(例えば、甲15~甲17参照)に基いて、又は甲1に記載された発明、甲12に記載された事項、周知技術5及び上記周知慣用技術に基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (2)無効理由2(甲2に記載された発明を主たる引用発明とした進歩性欠如) ア 本件発明1~3に対して 本件発明1~3は、甲2に記載された発明と甲1に記載された事項とに基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明1~3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 イ 本件発明4に対して 本件発明4は、甲2に記載された発明、甲1に記載された事項及び周知技術2(例えば、甲8~甲9参照)に基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 ウ 本件発明5に対して 本件発明5は、甲2に記載された発明と甲1に記載された事項とに基いて、又は甲2に記載された発明、甲1に記載された事項及び周知技術3(例えば、甲10~甲11参照)に基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 エ 本件発明6に対して 本件発明6は、甲2に記載された発明、甲1に記載された事項及び甲12に記載された事項に基いて、又は甲2に記載された発明、甲1に記載された事項、甲12に記載された事項及び周知技術4(例えば、甲13~甲14参照)若しくは甲13に記載された事項に基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 オ 本件発明7に対して 本件発明7は、甲2に記載された発明、甲1に記載された事項及び甲12に記載された事項に基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 カ 本件発明8に対して 本件発明8は、甲2に記載された発明、甲1に記載された事項及び甲12に記載された事項に基いて、又は甲2に記載された発明、甲1に記載された事項、甲12に記載された事項及び周知技術5(例えば、甲15~甲17参照)に基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (3)但し、周知技術2、3、5について、仮に周知技術とまで認定できないとされる場合には、以下のとおり読み替える。 周知技術2に替えて、甲8又は甲9に記載された事項 周知技術3に替えて、甲10又は甲11に記載された事項 周知技術5に替えて、甲15、甲16又は甲17に記載された事項 <証拠方法> 甲1:国際公開第2006/086236号(全文翻訳あり) 甲2:特開2003-185302号公報 甲3:特開2002-198221号公報 甲4:特開2004-353679号公報 甲5:特開2005-90571号公報 甲6:特開2000-346226号公報 甲7:特許第4224187号公報 甲8:特開2003-148835号公報 甲9:特開2005-341683号公報 甲10:特開2008-14345号公報 甲11:特開2003-28332号公報 甲12:特開平6-233493号公報 甲13:特開昭62-261783号公報 甲14:特開2007-132252号公報 甲15:中国実用新案第2589695号明細書(抄訳あり) 甲16:中国実用新案第201384860号明細書(抄訳あり) 甲17:中国実用新案第201864028号明細書(抄訳あり) 甲18:実公平1-38385号公報 甲19:特開平9-266112号公報 甲20:国際公開第2015/072106号 甲21:特開2008-115978号公報 甲22:特開2009-287663号公報 甲23:特開2011-38603号公報 甲24:米国特許出願公開第2006/0284131号明細書(抄訳あり) 甲25:中国実用新案第2578636号明細書(抄訳あり) 甲26:中国実用新案第201284863号明細書(抄訳あり) 甲27:中国特許出願公開第102261508号明細書(抄訳あり) 甲28:中国実用新案第201757210号明細書(抄訳あり) 甲29:中国特許第101498378号明細書(抄訳あり) 甲30:特開2011-153632号公報 甲31:特開2011-208729号公報 甲32:実公平7-47656号公報 甲33:特開2001-343085号公報 甲34:特開2003-28332号公報(当審注:甲11と同じ。) 甲35:特開2009-287663号公報(当審注:甲22と同じ。) 甲36:韓国登録特許第10-0677891号公報(機械翻訳文あり) 2 被請求人の主張 被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする」との審決を求め、乙第1号証(以下、「乙1」という。)の証拠を提出し、無効理由がない旨主張する。 <証拠方法> 乙1:特開2002-54756号公報 第5 甲号証及び乙号証に記載された発明 1 甲1について (1)甲1には、以下の事項が記載されている(下線は当審にて付与した。以下同様。日本語訳は、請求人が提出した甲1の全文翻訳による。)。 ア 「FIELD OF THE INVENTION The present invention pertains to a stepmotor valve assembly that includes separable stator and rotor- valve assemblies. The rotor- valve assembly may be fixedly secured to an apparatus and has a housing adapted to slip fit inside a stator cavity. Locking members on the noted assemblies permit rotary interlocking upon the slip fit assembly and relative rotation thereof. A plurality of differing sealing arrangements located in the vicinity of an open end of the stator assembly permit the sealing of the interlocked stator and rotor- valve assemblies relative to each other. BACKGROUND OF THE INVENTION Driven rotary electrical valves, such as stepmotor valves, commonly are used to control the flow of a variety of fluids. Often the fluids that are controlled are under pressure such as, for example, in air-conditioning and refrigeration systems. A stepmotor valve typically includes a stepping motor having a threaded rotating shaft that is connected to a needle valve assembly. The needle valve assembly rotationally and axially moves into and out of physical engagement with a fixed orifice seat. A separate electronic controller sends a series of electronic pulses to a stator of the stepping motor in a manner known in the art, thereby causing rotor- valve assembly to rotate so as to vary the valve opening.」(明細書第1頁第7行~第2頁第2行(空白行を含まない。以下同様。)) (日本語訳: 技術分野 本発明は、分離可能な固定子と回転子-バルブ組立体とを含むステップモータバルブ組立体に関する。回転子-バルブ組立体は、装置に固定的に取り付けられ得、固定子空洞の内側に滑り嵌めするように適合された筐体を有する。記載された組立体の係止部材は、滑り嵌めされた組立体の回転的連動およびその相対回転を可能とする。固定子組立体の開放端部の近傍に配置された複数の異なる封止機構は、連動された固定子と回転子-バルブ組立体とを互いに対して封止することを可能とする。 背景技術 ステップモータバルブなどの従動回転電気バルブは、一般に様々な流体の流れを制御するために使用される。しばしば、制御される流体は、例えば、空調および冷却システムなどにおける圧力下にある。ステップモータバルブは、典型的には、ニードルバルブ組立体に接続されたねじ付き回転シャフトを有するステッピングモータを含む。ニードルバルブ組立体は、固定的な開口シートと物理的に係合および脱係合するように軸方向に回転的に移動する。別個の電子コントローラが、当技術分野において既知のやり方でステッピングモータの固定子に一連の電子パルスを送り、それによって、バルブ開口度を変化させるように回転子-バルブ組立体を回転させる。) イ 「Stepmotor valves are used in a wide range of environmental temperatures, pressures, and humidity levels including very wet environments that undergo continuous cycles of freezing and thawing. Existing stepmotor valves have little or no protection from the damaging effects of moisture and the distorting effects of freeze/thaw cycling. In prior art valves that are exposed to wet and/or freezing environments, moisture enters the stator housing through one or more openings in the stator housing, through the open end of the stator cavity, or through both. This moisture causes the eventual failure of the valve due to the corrosion and/or deformation of valve components. Specifically, the stator teeth that encircle stator windings typically are comprised of magnetic iron having a minimal thickness of protective plating. Moisture, over time, causes corrosion of the stator teeth. This corrosion allows moisture to penetrate motor windings causing an electrical malfunction of the motor. The expansion effects of freezing water, for example, can also cause stress cracks in the stator, thus allowing additional moisture penetration into the stator windings. The expansion effects of freezing water may also cause the permanent deformation of the rotor housing, thus preventing proper rotation of the rotor.」(明細書第2頁第9行~第3頁第1行) (日本語訳: ステップモータバルブは、凍結と融解との連続的なサイクルを受ける非常に湿潤な環境を含む広範な環境温度、圧力、および湿度レベルにおいて使用される。既存のステップモータバルブは、水分の損傷効果および凍結/融解サイクルの歪み効果への防止法を殆どまたは全く有していない。 湿潤および/または凍結環境に晒される先行技術のバルブにおいて、固定子筐体の1つまたは複数の開口を通って、固定子空洞の開放端部を通って、またはこれらの両方を通って水分が固定子筐体に進入する。この水分は、バルブコンポーネントの腐食および/または変形に起因して、バルブの最終的な故障をもたらす。具体的には、固定子巻き線を取り囲む固定子歯は、典型的には、最小限の厚さの保護めっきを有する磁鉄から構成される。時間とともに水分は固定子歯の腐食をもたらす。この腐食は、モータ巻き線への水分の浸透を許し、モータの電気的故障をもたらす。例えば、凍結した水の膨張効果も、固定子における応力亀裂を起こし得、故に、固定子巻き線への追加的な水分の浸透を許す。凍結した水の膨張効果は、回転子筐体の恒久的な変形も起こし得、故に、回転子の適切な回転を妨害する。) ウ 「The present invention improves upon existing stepmotor valves by providing a waterproof seal between the stator assembly and the rotor- valve assembly. Additionally, the present invention provides a completely enclosed, non-perforated, dome-topped stator housing. The waterproof designs and structures provided by the differing sealing arrangements of the present invention prevent damaging corrosion and ice build-up between the stator assembly and rotor case or housing of the rotor- valve assembly by preventing moisture intrusion. Specifically, in one embodiment, the present invention relates to an electric motor driven valve assembly comprising a stator assembly having a stator housing in which a stator of the electric motor is located. The stator housing defines an internal cavity. A portion of the stator housing defines an open end of the internal cavity. The stator housing completely closes a remainder of the internal cavity. A rotor- valve assembly includes a rotor housing that is configured to be inserted through the open end of the internal cavity and received in the internal cavity of the stator housing. A sealing arrangement is interposed between the portion of the stator housing defining the open end of the internal cavity and the rotor housing for preventing an intrusion of moisture into the stator housing. In one version thereof the valve assembly is operated by a stepping motor. In another version, the stator housing and the rotor housing include associated locking members. The locking member of the rotor housing includes a locating plate ring portion. In a further embodiment of the present invention, an electrically rotatable stepmotor valve assembly comprises in combination an annular stator electrical winding assembly including a closed, continuous dome portion on one end thereof and a separate rotor- valve assembly. The stator assembly is removably mounted on the rotor- valve assembly. The stator assembly includes a housing and, starting at an open end thereof, an internal generally cylindrical cavity extending into the dome portion. The cavity has an internal peripheral surface of a first predetermined diameter. The rotor- valve assembly includes a generally cylindrical rotor housing having an external peripheral surface of a second predetermined diameter slightly smaller than the first predetermined diameter so as to permit slip fit assembly of the stator assembly over a cylindrical portion of the rotor- valve assembly so that the stator assembly surrounds a rotor portion of the rotor- valve assembly. Associated locking members on the stator and the rotor-valve assemblies permit rotary interlocking thereof upon the slip fit assembly. A sealing arrangement, in the vicinity of the open end of the stator assembly, peripherally seals the stator assembly relative to a radially adjoining peripheral portion of the rotor housing. The previously-described advantages and features, as well as other advantages and features, will become readily apparent from the detailed description of the preferred embodiments that follow. The present invention improves upon existing stepmotor valve assemblies by providing a waterproof seal between the stator assembly and the rotor-valve assembly as well as providing a completely enclosed, non-perforated, dome-topped stator housing. The waterproof designs and structures provided via the use of the differing sealing arrangements of the present invention prevent damaging corrosion and ice build-up between the stator assembly and rotor housing of the rotor- valve assembly by preventing moisture intrusion.」(明細書第3頁第10行~第5頁第10行) (日本語訳: 本発明は、固定子組立体と回転子-バルブ組立体との間に防水封止を提供することによって既存のステップモータバルブを改良する。さらに、本発明は、完全に密閉された、穴を開けられていない、上部がドーム状の固定子筐体を提供する。本発明の異なる封止機構によって提供される防水設計および構造は、水分の侵入を防止することによって、固定子組立体と回転子-バルブ組立体の回転子ケースまたは筐体との間の有害な腐食および氷の蓄積を防止する。 具体的には、一実施形態において、本発明は、電気モータの固定子が配置された固定子筐体を有する固定子組立体を備える電気モータ駆動式バルブ組立体に関する。固定子筐体は内部空洞を画定する。固定子筐体の一部分は内部空洞の開放端部を画定する。固定子筐体は内部空洞の残りの部分を完全に閉塞する。回転子-バルブ組立体は、内部空洞の開放端部を通って挿入されて固定子筐体の内部空洞に受け入れられるように構成された回転子筐体を含む。封止機構は、固定子筐体への水分の侵入を防止するために、内部空洞の開放端部を画定する固定子筐体の一部分と回転子筐体との間に介在される。 その1つのバージョンにおいて、バルブ組立体はステッピングモータによって動作される。別のバージョンにおいて、固定子筐体および回転子筐体は、関連する係止部材を含む。回転子筐体の係止部材は、位置決定プレートリング部分を含む。 本発明の更なる実施形態において、電気的に回転可能なステップモータバルブ組立体は、閉塞された、連続的なドーム部分をその一端部に含む環状固定子電気巻き線組立体と別個の回転子-バルブ組立体とを組み合わせて備える。固定子組立体は回転子-バルブ組立体に取り外し可能に装着される。固定子組立体は、筐体と、その開放端部から始まってドーム部分に延在する内部の全体的に筒状の空洞とを含む。空洞は第1の所定の直径の内部周面を有する。回転子-バルブ組立体は、固定子組立体が回転子-バルブ組立体の回転子部分を包囲するように回転子-バルブ組立体の筒状部分の上への固定子組立体の滑り嵌め組立てを可能とするように第1の所定の直径よりもわずかに小さい第2の所定の直径の外部周面を有する全体的に筒状の回転子筐体を含む。固定子および回転子-バルブ組立体の上の関連する係止部材は、滑り嵌め組立ての際にそれらの回転連動を可能とする。固定子組立体の開放端部の近傍の封止機構は、回転子筐体の半径方向に隣り合う周辺部分に対して固定子組立体の周辺を封止する。 前述された利点および特徴、ならびに他の利点および特徴は、以下の好ましい実施形態の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。 本発明は、固定子組立体と回転子-バルブ組立体との間に防水封止を提供するとともに、完全に密閉された、穴を開けられていない、上部がドーム状の固定子筐体を提供することによって既存のステップモータバルブ組立体を改良する。本発明の異なる封止機構の使用によって提供される防水設計および構造は、水分の侵入を防止することによって、固定子組立体と回転子-バルブ組立体の回転子筐体との間の有害な腐食および氷の蓄積を防止する。) エ 「DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION Referring now to the drawings, illustrated in Fig. 1 is a partially exploded, sectional view of one embodiment an electric motor driven valve assembly, generally indicated at 20, of the present invention. The electric motor driven valve assembly 20 includes a stator assembly 22, a rotor-valve assembly 24, an annular ring member, such as washer 26, and a sealing member, such as an O-ring 28. The stator assembly 22 includes an asymmetrical housing 30 having a first, or large, inside diameter portion 32. The first inside diameter portion 32 receives an annular stator portion 34 of an electric motor. The stator portion 34 includes upper and lower ring-shaped surfaces 36 and 38 as well as outer and inner cylindrical surfaces 40 and 42. The housing 30 also includes an axially outwardly extending dome portion 50 having a second, or smaller, inside diameter portion 48. A cylindrical wall portion 51 of the dome portion 50 has essentially the same inner diametrical extent 46 as the inner cylindrical surface 42 of the stator portion 34. The stator inner cylindrical portion 42 and the cylindrical wall portion 51 of the dome portion 50 of the housing 30 collectively define an internal cavity 52 of the housing. As best seen in Figs. 1, 5 and 6, the housing 30 includes, adjacent its annular bottom wall 54, a pair of diametrically opposed, inwardly-directed projections 56. The inwardly-directed projections are spaced slightly away from the annular bottom wall 54. In addition, as best seen in Fig. 6, bottom wall 54 includes peripherally spaced, dimpled recesses 58. As best shown in Fig. 2A, the bottom wall 54 terminates at an end surface 68. The end surface 68 is generally cylindrical and extends congruently with the inner cylindrical surface 42 of the stator portion 34. A stator groove 70 extends into the end surface 68 adjacent a lowermost surface of the bottom wall 54. The stator assembly 22 also includes a peripheral receptacle portion 60 for receiving a wire lead 62. The wire lead 62 is operatively connected with stator windings 64. Fig. 1 also illustrates stator teeth 66 at inner cylindrical surface 42 of the stator portion 34. With reference to Fig. 1, the rotor- valve assembly 24 includes a valve assembly portion 74, such as a needle valve assembly. The valve assembly portion 74 includes a threaded rotatable shaft 76 that is operatively connected to an axially moveable valve portion 80. Valve portion 80 is moveable axially into and out of physical contact and engagement with a fixed orifice seat 82 that controls the fluid flow between a fluid inlet pipe 84 and a fluid outlet pipe 86. Attached to a flange 90 of needle valve body 88 is a lower end portion 94 of a generally cylindrical rotor housing 92. The rotor housing 92 has a cylindrical outer surface 98 having a diametrical outer extent 96. The cylindrical outer surface 98 is closed at its upper end by circular end portion 100. An annular, radially outwardly extending bead 102 is formed in the housing 92 between a lower portion 92b and an upper portion 92a. Physically located within rotor housing 92 is a rotor portion 118 of an electric motor. The rotor portion 118 of the electric motor is rotationally coupled with valve assembly portion 74 in a manner well known in the art. A locating plate 104 having axial, peripherally spaced leg portions 106 and a radially extending ring portion 108 is permanently affixed, such as by spot welding, to housing portion 92a at a location in which the leg portions 106 abut the bead 102. Ring portion 108 includes diametrically opposed cut-outs 110, best seen in Fig. 4. As shown in Figs, 3 and 4, ring portion 108 may also include two outwardly-directed spring-like, curved fingers 112, each having an outwardly-directed dimple 114. Advancing now to Figs. 2 and 2A, the former illustrates valve assembly 20 in the assembled condition, i.e., when rotor-valve assembly 24 is received in the stator cavity 52 and is secured relative to the stator assembly 22. Specifically, the rotor- valve assembly 24 is received in the stator cavity 52 of the stator assembly 22 through an open end. The open end of the stator cavity 52 is the only opening into the stator cavity as the remainder of the stator cavity is closed by the stator housing 30. The rotor- valve assembly 24 is received in the stator assembly 22 in a slip-fit manner that leaves an annular air gap 120 (Fig. 2A) between stator assembly and rotor- valve assembly. As best visualized by viewing Figs. 4 and 6, which illustrate bottom views of rotor housing 92 and stator housing 30, respectively, during the assembly of stator assembly 22 and the rotor- valve assembly 24, projections 56 pass through the cut-outs 110 of the ring portion 108 of the locating plate 104. This occurs when axes 72 and 116 of Figs. 6 and 4, respectively, are collinear. The stator housing 30 may be moved relative to the rotor housing 92 until the bottom wall 54 of the stator housing engages dimples 114 of locating plate fingers 112. The stator housing 30 is then rotated relative to the rotor housing 92 so as to move locating plate cut-outs 110 out of alignment with projections 56, thereby capturing locating plate ring portion 108 between the projections 56 and the bottom wall 54 of the stator housing 30. When the locating plate ring portion 108 is secured between the projections 56 and the bottom wall 54 of the stator housing 30, dimples 114 mate with recesses 58 and thus, lock the stator assembly 22 relative to the rotor- valve assembly 24. The locking force between the dimples 114 and recesses 58 is determined by the spring force exerted by spring fingers 112 and generally is set to be readily overcome by a human operator. Once disengagement is desired, stator assembly 22 is rotated until locating plate cut-outs 110 again are aligned with projections 56. The stator assembly 22 is then moved axially away from the rotor- valve assembly 24. It should be understood that locating plate 104 together with projections 56 form associated locking members that permit the noted interlocking of stator assembly 22 with rotor- valve assembly 24. The preferred embodiment of the present invention (Figs. 1 and 2) includes a stator assembly 22 that, at its upper end, is enclosed, by the stator housing 30, including dome portion 50 and, at its lower end, is sealed to rotor housing 92 of the rotor- valve assembly 24. The sealing arrangement 128 (Fig. 2A) between the stator assembly 22 and the rotor- valve assembly 24 includes retaining washer 26 and sealing member 28. As shown in Fig. 2 A, when the rotor-valve assembly 24 and stator assembly 22 are secured together, in the manner already described, the washer 26 is supported on an upper surface of locating plate ring portion 108. The washer 26 serves to retain sealing member 28 in stator groove 70 and in a position interposed between and engaging both the stator housing 30 and the rotor housing 92 thereby closing air gap 120 so as to prevent moisture intrusion. Additional, differing seal geometries, such as those set forth in Figs. 7-12, will be discussed in more detail hereinafter. It should be understood that a unique, common feature of all of the structures and designs of Figs. 7-12 includes a supplemental seal 28 that is provided between rotor housing 92 and stator assembly 22. The structures and designs of Figs. 7-12 also include a non-perforated, dome- topped stator assembly 22. When discussing Figs. 7-12, structures or features that have previously been described are referred to using the same reference numbers as used with reference to Figs. 1-6. Turning first to Fig. 7, the design and structure of this sealing arrangement 130 does not require the use of washer 26 in order to retain sealing member 28. Locating plate ring portion 108 is sufficient to retain sealing member 28 in its sealing position within stator groove 70.」(明細書第6頁第4行~第10頁第9行) (日本語訳: 発明を実施するための形態 次に図面を参照すると、図1において、全体として20で示される本発明の一実施形態の電気モータ駆動式バルブ組立体の部分的分解断面図が示されている。電気モータ駆動式バルブ組立体20は、固定子組立体22と、回転子-バルブ組立体24と、ワッシャ26などの環状リング部材と、Oリング28などの封止部材とを含む。 固定子組立体22は、第1のまたは大きな内径部分32を有する非対称的な筐体30を含む。第1の内径部分32は、電気モータの環状固定子部分34を受け入れる。固定子部分34は、上側および下側リング形状面36および38と、外側および内側筒状面40および42とを含む。筐体30は、第2のまたはより小さな内径部分48有する、軸方向外側に延在するドーム部分50も含む。ドーム部分50の筒状壁部分51は、固定子部分34の内側筒状面42と実質的に同一の内側直径方向長さ46を有する。固定子の内側筒状部分42および筐体30のドーム部分50の筒状壁部分51は、筐体の内部空洞52を集合的に画定する。 図1、図5、および図6において最もよく分かるように、筐体30は、環状底壁部54に隣接して、一対の直径方向に対向する内側向きの突起56を含む。内側向きの突起は、環状底壁部54からわずかに離間される。加えて、図6において最もよく分かるように、底壁部54は、周方向に離間された窪んだ凹部58を含む。図2Aにおいて最もよくわかるように、底壁部54は端面68において終端する。端面68は、全体的に筒状であり、固定子部分34の内側筒状面42と合同に延在する。固定子溝70は、底壁部54の最下面に隣接する端面68内に延在する。 固定子組立体22は、ワイヤリード線62を受け入れる周辺受け器部分60も含む。ワイヤリード線62は、固定子巻き線64に動作可能に接続される。図1は、固定子部分34の内側筒状面42における固定子歯66も示す。 図1を参照すると、回転子-バルブ組立体24は、ニードルバルブ組立体などのバルブ組立体部分74を含む。バルブ組立体部分74は、軸方向に移動可能なバルブ部分80に動作可能に接続されるねじ付き回転シャフト76を含む。バルブ部分80は、流体入り口パイプ84と流体出口パイプ86との間の流体の流れを制御する固定的な開口シート82と物理的に接触および係合ならびに脱接触および脱係合するように軸方向に移動可能である。 全体的に筒状の回転子筐体92の下側端部部分94が、ニードルバルブ本体88のフランジ90に取り付けられる。回転子筐体92は、直径方向外側長さ96を有する筒状外側面98を有する。筒状外側面98は、その上側端部において、円形端部部分100によって閉塞される。環状の半径方向外側に延在するビード102が、筐体92において下側部分92bと上側部分92aとの間に形成される。電気モータの回転子部分118が、回転子筐体92内に物理的に配置される。電気モータの回転子部分118は、当技術分野においてよく知られたやり方によって、バルブ組立体部分74に回転可能に結合される。 軸方向の、周辺方向に離間された脚部分106および半径方向に延在するリング部分108を有する位置決定プレート104は、スポット溶接などによって、脚部分106がビード102に当接する場所において筐体部分92aに恒久的に固定される。図4において最もよく分かるように、リング部分108は、直径方向に対向する切り欠き110を含む。図3および図4において図示されるように、リング部分108は、2つの外側向きのバネ状の湾曲指112も含み得、その各々は、外側向きの窪み114を有する。 次に図2および図2Aに進むと、前者は、組み立てられた状態のバルブ組立体20、すなわち、回転子-バルブ組立体24が固定子空洞52に受け入れられ、固定子組立体22に対して取り付けられたときの状態を示す。具体的には、回転子-バルブ組立体24は、開放端部を通って固定子組立体22の固定子空洞52に受け入れられる。固定子空洞の残りの部分は固定子筐体30によって閉塞されているので、固定子空洞52の開放端部は固定子空洞内への唯一の開口である。回転子-バルブ組立体24は、固定子組立体と回転子-バルブ組立体との間に環状の空隙120(図2A)を残す滑り嵌め式で固定子組立体22に受け入れられる。 回転子筐体92および固定子筐体30の底面図をそれぞれ示す図4および図6を見ると最もよく表されているように、固定子組立体22および回転子-バルブ組立体24の組立て中に、突起56が位置決定プレート104のリング部分108の切り欠き110を通過する。これは、図6および図4のそれぞれの軸72および116が一直線上にあるときに起こる。固定子筐体30は、固定子筐体の底壁部54が位置決定プレートの指112の窪み114と係合するまで回転子筐体92に対して移動され得る。次いで、位置決定プレートの切り欠き110を突起56との整列から外れるように移動させるように、固定子筐体30は回転子筐体92に対して回転され、それによって、位置決定プレートリング部分108を突起56と固定子筐体30の底壁部54との間に捕捉する。位置決定プレートリング部分108が突起56と固定子筐体30の底壁部54との間に取り付けられたとき、窪み114は凹部58と噛み合い、それによって、回転子-バルブ組立体24に対して固定子組立体22を係止する。窪み114と凹部58との間の係止力は、バネ状の指112によってもたらされるバネ力によって決定され、一般的に、人間の作業者によって容易に乗り越えられるように設定される。脱係合が望まれるとき、位置決定プレートの切り欠き110が突起56と再び整列するまで固定子組立体22が回転される。次いで、固定子組立体22は回転子-バルブ組立体24から離れるように軸方向に移動される。位置決定プレート104は突起56とともに、回転子-バルブ組立体24との固定子組立体22の記載された連動を可能とする、関連する係止部材を形成することが理解されるべきである。 本発明の好ましい実施形態(図1および図2)は、固定子組立体22を含み、これは、その上側端部において、ドーム部分50を含む固定子筐体30によって密閉され、その下側端部において、回転子-バルブ組立体24の回転子筐体92に対して封止される。固定子組立体22と回転子-バルブ組立体24との間の封止機構128(図2A)は、保持ワッシャ26と封止部材28とを含む。図2Aにおいて図示されるように、既に述べられたやり方によって回転子-バルブ組立体24および固定子組立体22が一体に取り付けられたとき、ワッシャ26は、位置決定プレートリング部分108の上側面に支持される。ワッシャ26は、封止部材28を、固定子溝70内で、固定子筐体30と回転子筐体92との間に介在され、この両者と係合する位置に保持するように働き、それによって、水分の侵入を防止するように空隙120を閉塞する。 図7~図12において記載されているもののような追加的で異なる封止幾何学的構造が、以下において更に詳細に論じられる。図7~図12の構造および設計の全てのものの特有の共通の特徴は、回転子筐体92と固定子組立体22との間に提供される補足的封止28を含むことが理解されるべきである。図7~図12の構造および設計は、穴を開けられていない、上部がドーム状の固定子組立体22も含む。図7~図12を論じるとき、以前に説明された構造または特徴は、図1~図6を参照して使用されたものと同一の参照番号を使用して言及される。 先ず図7に注目すると、この封止機構130の設計および構造は、封止部材28を保持するためにワッシャ26を使用する必要がない。封止部材28を固定子溝70内の封止位置に保持するためには、位置決定プレートリング部分108で十分である。) オ 「The preferred cross sectional geometry of sealing member 28, such as an O- ring for example, is circular so as to permit contact on a minimum of one surface of rotor housing 92 or closely fitted intermediate cylindrical component 146 and a minimum of one surface on stator assembly 24 or closely fitted intermediate stepped cylindrical component 150. There is also a wide variety of other acceptable cross sectional shapes, e.g., square, rectangular, triangular, oval, "X", ribbed, etc., which are commonly used for sealing cylindrical surfaces. The preferred cross sectional geometry of washer 26 is rectangular, but other configurations that will retain sealing member 28 so as to facilitate its contact between rotor housing 92 and stator bottom wall 54 or intermediate components 146 or 150, can provide acceptable functions. The preferred material for stator housing bottom wall 54 is plastic, including but not limited to: nylon, polyphenylene sulfide, polystyrene, and modified polypropylene oxide. The stator bottom wall 54 can also take the form of an adjacent closely fitted intermediate stepped cylindrical component 150, as shown in Fig. 12. The preferred material for rotor housing 92 is non-magnetic stainless steel. Although stainless steel is not mandatory, it is typically utilized in order to maintain the pressure tight vessel that is necessary to contain the pressurized fluid that flows through valve assembly portion 74. Alternate corrosion resistant materials, or materials with corrosion resistant coatings, can be used as long as they satisfy the various functional requirements of electrically driven valve assembly 20. e.g., burst strength, compatibility, magnetic properties, etc. The rotor sealing surface, instead of residing on rotor housing outer peripheral surface 98, can also be located on adjacent, closely fitted intermediate cylindrical component 146 as illustrated in Fig. 11. The material for sealing member 28 should be an elastomer resistant to water, with a silicone based elastomer being the preferred material. Alternate soft or semi-rigid elastomeric materials can also be used to provide an adequate seal. Hybrids of rigid or semi-rigid materials can also be used, e.g., coated washers, Stat-o-Seals(R), etc. The preferred material for washer 26 is stainless steel due to its rigidity and corrosion resistance. Other rigid or semi-rigid materials that have sufficient corrosion resistance can also be used. The purpose of washer 26 is to provide support to resist extrusion of seal member 28 while retaining same in its position within stator groove 70 so that seal member 28 can seal against stator bottom wall 54 as well as rotor housing surface 98. Washer 26 can also be used with configurations utilizing closely fitted components 146 and 150 as an alternate sealing surface as shown in Figs. 11 and 12, respectively. Locating plate 104, which can alternatively be used to solely retain sealing member 28, is preferably stainless steel or of an alternate material, for reasons similar those already explained for washer 26.」(明細書第11頁第10行~第12頁第22行)(当審注:「(R)」は登録商標マークである。) (日本語訳: 例えばOリングなどの封止部材28の好ましい断面の幾何学的形状は、回転子筐体92または密接にフィットした中間筒状コンポーネント146の一面の最小限、ならびに固定子組立体24または密接にフィットした中間段付き筒状コンポーネント150の一面の最小限との接触を可能とするように円形状である。例えば正方形状、長方形状、三角形状、楕円形状、「X」字状、リブ付き形状などの多種多様な他の許容可能な断面形状も存在し、これらは、筒状の面を封止するために一般的に使用されている。ワッシャ26の好ましい断面の幾何学的形状は長方形であるが、封止部材28を回転子筐体92と固定子の底壁部54または中間コンポーネント146もしくは150との間でのその接触を容易にするように保持する他の構成が、許容可能な機能を提供し得る。 固定子筐体の底壁部54のための好ましい材料は、これらに限定されるものではないが、ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン、および改質されたポリプロピレンオキシドなどのプラスチックである。図12において図示されるように、固定子の底壁部54は、隣接する、密接にフィットした中間段付き筒状コンポーネント150の形態をとってもよい。回転子筐体92のための好ましい材料は、非磁性のステンレス鋼である。ステンレス鋼は必須ではないが、典型的には、バルブ組立体部分74を通って流れる加圧された流体を収容するために必要な耐圧性容器を維持するために利用される。代替的な耐腐食性材料、または、耐腐食性被覆を施された材料が、それらが電気駆動式バルブ組立体20の様々な機能要件、例えば、破裂強さ、適合性、磁気特性などを満足する限りにおいて、使用され得る。図11において示されるように、回転子封止面は、回転子筐体の外側周面98にある代わりに、隣接する、密接にフィットした中間筒状コンポーネント146に配置されてもよい。封止部材28のための材料は、水に耐性があるエラストマーでなければならず、シリコーンベースのエラストマーが好ましい材料である。代替的な柔軟性または半剛性エラストマー材料が、適切な封止を提供するために使用されてもよい。剛性または半剛性の材料の混成物、例えば、被覆されたワッシャ、Stat-o-Seals(登録商標)などが使用されてもよい。ワッシャ26のための好ましい材料は、その剛性および耐腐食性によってステンレス鋼である。十分な耐腐食性を有する他の剛性または半剛性材料が使用されてもよい。ワッシャ26の目的は、封止部材28が固定子の底壁部54および回転子筐体の面98に対して封止できるように、封止部材28を固定子溝70内の位置に保持しつつ封止部材28の押出しに耐えるための支援を提供することである。ワッシャ26は、図11および図12においてそれぞれ図示されるように、密接にフィットしたコンポーネント146および150を代替的な封止面として利用する構成で使用されてもよい。位置決定プレート104は、主に封止部材28を保持するために代替的に使用されてもよいが、ワッシャ26について既に説明されたことと同じ理由で、好ましくはステンレス鋼であり、または代替的な材料のものである。) カ 図1~7には、次の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000001.jpg] [図:0001424174000002.jpg] [図:0001424174000003.jpg] [図:0001424174000004.jpg] [図:0001424174000005.jpg] [図:0001424174000006.jpg] [図:0001424174000007.jpg] 」 (2)甲1に記載された事項(前記(1))から次のことが把握できる。 ア 前記(1)エには「バルブ部分80は、流体入り口パイプ84と流体出口パイプ86との間の流体の流れを制御する固定的な開口シート82と物理的に接触および係合ならびに脱接触および脱係合するように軸方向に移動可能である。」(明細書第7頁第13~15行)との記載があり、図1からバルブ部分80がニードルバルブ本体88の内部に位置していることが看取されるから、ニードルバルブ本体88は弁室を有するといえる。また、前記(1)エの「電気モータの回転子部分118は、当技術分野においてよく知られたやり方によって、バルブ組立体部分74に回転可能に結合される。」(明細書第7頁第22~23行)との記載、及び図1に示される回転子部分118とバルブ部分80との配置関係からみて、回転子部分118の回転運動がバルブ部分80の軸方向運動、すなわち直線運動に変換されることは明らかである。 イ 図1から、ねじ付き回転シャフト76がニードルバルブ本体88の上方部分と接していることが看取される。 ウ 前記(1)エには、「図1、図5、および図6において最もよく分かるように、筐体30は、環状底壁部54に隣接して、一対の直径方向に対向する内側向きの突起56を含む。内側向きの突起は、環状底壁部54からわずかに離間される。加えて、図6において最もよく分かるように、底壁部54は、周方向に離間された窪んだ凹部58を含む。」(明細書第6頁第20行~第7頁第1行)、「軸方向の、周辺方向に離間された脚部分106および半径方向に延在するリング部分108を有する位置決定プレート104は、スポット溶接などによって、脚部分106がビード102に当接する場所において筐体部分92aに恒久的に固定される。図4において最もよく分かるように、リング部分108は、直径方向に対向する切り欠き110を含む。図3および図4において図示されるように、リング部分108は、2つの外側向きのバネ状の湾曲指112も含み得、その各々は、外側向きの窪み114を有する。」(明細書第7頁第24行~第8頁第5行)、及び、「回転子筐体92および固定子筐体30の底面図をそれぞれ示す図4および図6を見ると最もよく表されているように、固定子組立体22および回転子-バルブ組立体24の組立て中に、突起56が位置決定プレート104のリング部分108の切り欠き110を通過する。これは、図6および図4のそれぞれの軸72および116が一直線上にあるときに起こる。固定子筐体30は、固定子筐体の底壁部54が位置決定プレートの指112の窪み114と係合するまで回転子筐体92に対して移動され得る。次いで、位置決定プレートの切り欠き110を突起56との整列から外れるように移動させるように、固定子筐体30は回転子筐体92に対して回転され、それによって、位置決定プレートリング部分108を突起56と固定子筐体30の底壁部54との間に捕捉する。位置決定プレートリング部分108が突起56と固定子筐体30の底壁部54との間に取り付けられたとき、窪み114は凹部58と噛み合い、それによって、回転子-バルブ組立体24に対して固定子組立体22を係止する。窪み114と凹部58との間の係止力は、バネ状の指112によってもたらされるバネ力によって決定され、一般的に、人間の作業者によって容易に乗り越えられるように設定される。脱係合が望まれるとき、位置決定プレートの切り欠き110が突起56と再び整列するまで固定子組立体22が回転される。次いで、固定子組立体22は回転子-バルブ組立体24から離れるように軸方向に移動される。位置決定プレート104は突起56とともに、回転子-バルブ組立体24との固定子組立体22の記載された連動を可能とする、関連する係止部材を形成することが理解されるべきである。」(明細書第8頁第15行~第9頁第10行)との記載がある。これらの記載によれば、位置決定プレート104は、リング部分108、指112及び脚部分106を有し、指112における窪み114と固定子筐体30の環状底壁部54における凹部58との間の係止により、リング部分108が突起56と環状底壁部54との間にとりつけられるとともに、脚部分106において回転子筐体92の筐体部分92aに恒久的に固定されているものといえる。 エ 前記(1)エには、「図2Aにおいて最もよくわかるように、底壁部54は端面68において終端する。端面68は、全体的に筒状であり、固定子部分34の内側筒状面42と合同に延在する。固定子溝70は、底壁部54の最下面に隣接する端面68内に延在する。」(明細書第7頁第1~5行)、及び、「先ず図7に注目すると、この封止機構130の設計および構造は、封止部材28を保持するためにワッシャ26を使用する必要がない。封止部材28を固定子溝70内の封止位置に保持するためには、位置決定プレートリング部分108で十分である。」(明細書第10頁第6~9行)との記載があり、当該記載と図2A、図7とから、封止部材28は、底壁部54、すなわち固定子組立体22の下部と、リング部分108を有する位置決定プレート104との間に挟まれるものと認められる。 (3)そうすると、甲1には以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「弁室を有するニードルバルブ本体88と、該ニードルバルブ本体88の上部に固着される円筒形状の回転子筐体92と、該回転子筐体92の内部に回転自在に支持される回転子部分118と、該回転子部分118の回転運動を直線運動に変換して弁室に挿入されるバルブ部分80を駆動する、軸方向に移動可能なバルブ部分80に動作可能に接続されるねじ付き回転シャフト76及びこれと接するニードルバルブ本体88の上方部分と、回転子筐体92の外側に着脱自在に嵌装され、かつ固定子部分34及び固定子巻き線64が一体成形された固定子筐体30を有する固定子組立体22とを備える電気モータ駆動式バルブ組立体20であって、 リング部分108、指112及び脚部分106を有し、指112における窪み114と固定子筐体30の環状底壁部54における凹部58との間の係止により、リング部分108が突起56と環状底壁部54との間にとりつけられるとともに、脚部分106において回転子筐体92の筐体部分92aに恒久的に固定されている円環状の位置決定プレート104と、 該位置決定プレート104により支持されて固定子組立体22と回転子筐体92との間の防水構造を構成する封止部材28と を備え、 前記封止部材28は、前記固定子組立体22の下部と前記位置決定プレート104との間に挟まれる、 電気モータ駆動式バルブ組立体20。」 2 甲2について (1)甲2には、以下の事項が記載されている。 ア 「【請求項1】弁室内の弁座に接離する弁体により流体の通過流量を調整する弁本体と、該弁本体に固着され前記弁体を接離させるロータを内蔵するキャンと、該キャンに外嵌され前記ロータを回転駆動するステータとを備えた電動弁において、 弁本体は、流体入出管を有すると共に、前記ステータは、前記キャンに嵌合する嵌合孔を有し、前記ステータの下部には、水平方向に延出する前記流体入出管に係合する2つの腕部を有する回り止め部材が複数個所で固定されていることを特徴とする電動弁。 【請求項2】前記回り止め部材には、複数の取付孔が穿設され、前記ステータの下部には、前記取付孔に挿入される複数の突起が形成され、上記取付孔は、上記突起が選択して挿入されることを特徴とする請求項1に記載の電動弁。 【請求項3】上記取付孔に突起を挿入してから該突起を押し潰して、前記ステータに前記回り止め部材を固定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動弁。 【請求項4】上記回り止め部材は上記ステータの径方向の長さ内に固定されていることを特徴とする請求項3記載の電動弁。」 イ 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機、冷凍機等に組み込まれて使用される電動弁に係り、特にキャン、弁本体へのステータの取付が容易で構造が簡単な電動弁に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の空気調和機、冷凍機等に組み込まれて使用される電動弁は、冷媒等の流体の流量を調整する機器であり、通常、弁室および弁座を備えた弁本体と、鍔状部を介して前記弁本体の上部に固着された有底円筒状のキャンとを備えており、該キャンの内側にはロータが内蔵され、前記キャンの外部には中央部に挿通穴を有するステータが外嵌されているものである。」 ウ 「【0009】本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ステータの金型がスライドを不要にできるため構造を簡単にでき、多数個取りが可能な電動弁を提供することにある。更に、流体入出管を保持する2つの腕部を有する回り止め部材は構成が簡単で、製造、取付けが容易でコストダウンを達成できる電動弁を提供することにある。更に本発明の目的は、回り止め部材の固定位置を適宜変更でき、またその固定強度を増大させる電動弁を提供することにある。」 エ 「【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電動弁の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明に係る電動弁の一実施形態の縦断面図、図2は図1の回り止め部材の斜視図である。電動弁10は、弁室21内の弁座22に接離する弁体23により冷媒の通過流量を調整する弁本体20と、弁本体20に固着され弁体23を接離させるロータ30を内蔵するキャン40と、キャン40に外嵌されロータ30を回転駆動するステータ50とを備えている。ロータ30とステータ50によりステッピングモータを構成している。 【0016】キャン40はステンレス等の非磁性の金属から形成される有底円筒状をしており、弁本体20の上部に固着されたステンレス製の鍔状板41に溶接等により固着され、内部は気密状態に保たれている。ステータ50は磁性材より構成されるヨーク51と、このヨーク51にボビン52を介して巻回される上下のステータコイル53、53とから構成され、キャン40に外嵌する嵌合孔50aが形成されている。 【0017】ニードル弁から構成される弁体23は黄銅製の弁軸24の下端に形成されている。弁体23を弁座22に接離させる駆動機構は、弁本体20よりロータ30方向に延出して固定され固定ねじ部25が形成される筒状のガイドブッシュ26と、該ガイドブッシュ26の固定ねじ部25に螺合する移動ねじ部31を有する弁軸ホルダ32とから構成されるねじ送り機構であり、前記ねじ送り機構をロータ30内の軸方向全長の略中央部に配置している。 【0018】このため、従来の電動弁のようにロータの下方にねじ送り機構が位置するものと比較すると、軸方向の長さを大幅に低減することができ、キャン40の小型化を図ることができる。固定ねじ部25はガイドブッシュ26の外周に雄ねじで構成され、移動ねじ部31は弁軸ホルダ32の内周に雌ねじで構成されている。なお、ガイドブッシュ26および弁軸ホルダ32は、ともに黄銅製の円筒状材から形成されている。 【0019】弁軸ホルダ32はガイドブッシュ26の外側に位置する下方開口の円筒状をしており、前記のように内面に移動ねじ部31を形成してあり、弁軸ホルダ32に中心の弁軸24の上部縮径部が嵌合してプッシュナット33により連結されている。弁体23を下端に形成した弁軸24は黄銅より構成され、弁軸ホルダ32の中心に上下動可能に嵌挿されており、弁軸ホルダ32内に縮装された圧縮コイルばね34によって常時下方に付勢されている。弁軸ホルダ32の側面には弁室21とキャン40内の均圧を図る均圧穴32aが形成してある。」 オ 「【0021】弁本体20は黄銅等の金属から構成され、キャン40との接合は、キャンに溶接等により固着された鍔状板41の段差部にキャンの端部を突き合わせ溶接することにより行っている。なお、突き合わせ溶接に限らず、キャン40の端部を外周に平坦に折り曲げて鍔状部として形成し、この鍔状部と鍔状板41とをいわゆる拝み溶接により固定するようにしてもよい。 【0022】弁軸ホルダ32とロータ30とは支持リング36を介して結合されており、支持リング36は本実施形態ではロータ30の成形時にインサートされた黄銅製の金属リングで構成されている。支持リング36の内周穴に弁軸ホルダ32の上部突部が嵌合し、上部突部の外周をかしめ固定してロータ30、支持リング36および弁軸ホルダ32を結合している。弁本体20、弁軸24、ガイドブッシュ26、弁軸ホルダ32、支持リング36は、前記したように全て黄銅より構成し、リサイクルを考慮した構成としている。」 カ 「【0027】ステータ50は中心に下面開口の嵌合孔50aを有し、この嵌合孔にキャン40が嵌合し、ステータ50の下面に溶着された回り止め部材59により弁本体20およびキャン40に固定される。回り止め部材59は本実施形態ではステンレススチール等の弾性を有する金属板から構成され、取付孔60aを形成した水平方向の基部60と、この基部より下方に延出する2つの腕部61、61を有するとともに、基部60より上方に延出する位置決め部62が形成されている。 【0028】2つの腕部61、61は基部60より延出される平行部とその下方に連続する湾曲部とを有し、湾曲部は水平方向の流体入出管20bの管径と同等の曲率半径で形成されている。度決め部62は半円形状に上方に屈曲されたものであり、ステータ50の角部に係合することにより突部50bに対して回り止め部材59が回転するのを防止している。回り止め部材59は取付孔60aにステータ50の突部50bを挿入して超音波ウェルダ等により押し潰すことにより固定される。 【0029】前記の如く構成された本実施形態の電動弁によれば、ステータ50はその嵌合孔にキャン40を嵌合させて弁本体20方向に押し込むことにより、回り止め部材59の2つの腕部61、61が水平方向の流体流出管20bを保持し、ステータ50は弁本体20およびキャン40に極めて容易に、しかも確実に固定される。回り止め部材59は小型で形状が単純であるため、製造が容易となりコストを低減でき、ステータ50への固定も容易に行える。 【0030】図3を参照して回り止め部材の他の実施形態を説明する。図3は回り止め部材の他の実施形態の斜視図である。この実施形態の回り止め部材65は、水平方向の基部66が略リング状をしており、リング状の基部66には4つの取付孔66aが穿設されている。そして、基部66から延出する2つの腕部67、67は前記の実施形態と同様に平行部と湾曲部とで構成されており、基部66は4つの取付孔66aにてステータに固定されるため、回転防止の位置決め部は形成されていない。 【0031】つぎに図4を参照して回り止め部材の他の固定構造について説明する。図4(a)は第1の固定構造を示す固定前と固定後の要部断面図、(b)は第2の固定構造を示す固定前と固定後の要部断面図、(c)は第3の固定構造を示す固定前と固定後の要部断面図である。図4(a)において、回り止め部材59の取付孔60aにステータの突部50bを挿入し、突部の突出部分を例えば超音波ウェルダにより押し潰して、回り止め部材59をステータ50に固定している。 【0032】図4(b)において、ステータ50には回り止め部材59の取付孔60aに対応して穴50cが形成され、該穴にローレット加工等により外周に凹凸部70aを形成し鍔部70bを有する止め部材70を埋め込み固定する。この止め部材70の外径は穴50cの内径より若干大きく設定され、超音波をかけた状態でステータの穴50cに押し込まれ、外周の凹凸部70aがステータの樹脂に埋め込まれた状態で固定される。なお、図4(a)及び図4(b)に示す固定構造においては、ステータをモールドする樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。」 キ 「【0042】さらにまた本発明においては、ステータを熱可塑性樹脂でモールドする場合、ステータ内のステータコイルを構成する極歯部へ流れる上記樹脂の流れの抵抗となる部分に凸部を設けることにより、上記樹脂を流れ易くすることができる。即ち、図9及び図10にそれぞれ示す実施の形態において、上記凸部Pをそれぞれ図11及び図12に示す如く設けるのである。なお、図11及び図12において、図9及び図10に示した実施形態の構成部分と同一の構成部分に対しては、同一符号を付してその説明を省略している。かくの如く構成することにより、上記樹脂は上記凸部P間を流れ、流れ易くなるのである。なお、図11において極歯部を省略している。 【0043】 【発明の効果】以上の説明から理解できるように、本発明の電動弁は、弁本体およびキャンにステータを容易に取り付けることができる。また、構成を簡単にできコストダウンを達成することができる。ステータを弁本体の流体入出管に保持させる回り止め部材はステータに容易に確実に固定することができる。ステータのリード端子およびコネクタを覆うカバーは、容易に確実に溶接することができる。更に、本発明の電動弁は回り止め部材の固定位置を変更でき、その固定強度を増すことができる。」 ク 図1~4、6~12には、次の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000008.jpg] [図:0001424174000009.jpg] [図:0001424174000010.jpg] [図:0001424174000011.jpg] [図:0001424174000012.jpg] [図:0001424174000013.jpg] [図:0001424174000014.jpg] [図:0001424174000015.jpg] [図:0001424174000016.jpg] [図:0001424174000017.jpg] [図:0001424174000018.jpg] 」 (2)そうすると、甲2には以下の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。 「弁室21を有する弁本体20と、該弁本体20の上部に固着される円筒形状のキャン40と、該キャン40の内部に回転自在に支持されるロータ30と、該ロータ30の回転運動を直線運動に変換して弁室21に挿入される弁軸24を駆動する、固定ねじ部25が形成される筒状のガイドブッシュ26と該ガイドブッシュ26の固定ねじ部25に螺合する移動ねじ部31を有する弁軸ホルダ32とから構成されるねじ送り機構と、キャン40の外側に着脱自在に嵌装され、かつヨーク51及びステータコイル53が一体成形された樹脂モールドを有するステータ50とを備える電動弁10であって、 樹脂モールドの下端部に溶着されてとりつけられ、略リング状の基部66と基部66から延出する2つの腕部67、67とから構成される回り止め部材65を備えた電動弁10。」 3 甲6について 甲6には、以下の事項が記載されている。 (1)「【請求項1】 弁室内の弁座に接離する弁体により流体の通過流量を調整する弁本体と、該弁本体に固着され前記弁体を接離させるロータを内蔵するキャンと、該キャンに外嵌され前記ロータを回転駆動するステータとを備えた電動弁において、 弁本体は、流体入出管を有すると共に、前記ステータは、前記キャンに嵌合する嵌合穴を有し、前記ステータの下部には、水平方向に延出する前記流体入出管に係合する2つの腕部を有する回り止め部材が固定されていることを特徴とする電動弁。」 (2)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機、冷凍機等に組み込まれて使用される電動弁に係り、特にキャン、弁本体へのステータの取付が容易で構造が簡単な電動弁に関する。」 (3)「【0015】このように構成された本発明の電動弁は、ステータの嵌合穴にキャンを嵌合させて弁本体方向に押し込むことにより、ステータに固定した回り止め部材の2つの腕部が水平方向の流体入出管に係合保持され、キャンおよび弁本体にステータを容易に取付けることができる。そして、ステータを成形する金型はスライドコアが必要でなく構成を簡単にできるため多数個取りが可能となる。さらに、回り止め部材は小形で単純な形状であるため、コストダウンを達成できる。」 (4)「【0030】ステータ50は中心に下面開口の嵌合穴50aを有し、この嵌合穴にキャン40が嵌合し、ステータ50の下面に溶着された回り止め部材59により弁本体20およびキャン40に固定される。回り止め部材59は本実施形態ではステンレススチール等の弾性を有する金属板から構成され、取付け孔60aを形成した水平方向の基部60と、この基部より下方に延出する2つの腕部61、61を有するとともに、基部60より上方に延出する位置決め部62が形成されている。 【0031】2つの腕部61、61は基部60より延出される平行部とその下方に連続する湾曲部とを有し、湾曲部は水平方向の流体入出管20bの管径と同等の曲率半径で形成されている。度決め部62は半円形状に上方に屈曲されたものであり、ステータ50の角部に係合することにより突部50bに対して回り止め部材59が回転するのを防止している。回り止め部材59は取付け孔60aにステータ50の突部50bを挿入して超音波ウェルダ等により押し潰すことにより固定される。 【0032】前記の如く構成された本実施形態の電動弁によれば、ステータ50はその嵌合穴にキャン40を嵌合させて弁本体20方向に押し込むことにより、回り止め部材59の2つの腕部61、61が水平方向の流体流出管20bを保持し、ステータ50は弁本体20およびキャン40に極めて容易に、しかも確実に固定される。回り止め部材59は小型で形状が単純であるため、製造が容易となりコストを低減でき、ステータ50への固定も容易に行える。 【0033】図3を参照して回り止め部材の他の実施形態を説明する。図3は回り止め部材の他の実施形態の斜視図である。この実施形態の回り止め部材65は、水平方向の基部66が略リング状をしており、リング状の基部66には4つの取付け孔66aが穿設されている。そして、基部66から延出する2つの腕部67、67は前記の実施形態と同様に平行部と湾曲部とで構成されており、基部66は4つの取付け孔66aにてステータに固定されるため、回転防止の位置決め部は形成されていない。」 (5)「【0035】図4(b)において、ステータ50には回り止め部材59の取付け孔60aに対応して穴部50cが形成され、該穴部にローレット加工等により外周に凹凸部70aを形成し鍔部70bを有する止め部材70を埋め込み固定する。この止め部材70の外径は穴部50cの内径より若干大きく設定され、超音波をかけた状態でステータの穴部50cに押し込まれ、外周の凹凸部70aがステータの樹脂に埋め込まれた状態で固定される。なお、図4(a)及び図4(b)に示す固定構造においては、ステータをモールドする樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。」 (6)図1、3~4には、次の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000019.jpg] [図:0001424174000020.jpg] [図:0001424174000021.jpg] 」 4 甲10について 甲10には、以下の事項が記載されている。 (1)「【0025】 図1に示す電動弁は、回り止め部材を取り付ける底壁部を除いた状態のステータ42が示されている。図1に示すように、ステータ本体43を構成する金属製のヨーク51の外側は樹脂製の外装部44によって覆われている。ヨーク51の内側は、キャンが嵌合する嵌合孔44aとなっている。外装部44には、その下端部よりやや上方の部位から内側に突出した内向きのフランジ部46が形成されており、ヨーク51の底面の一部分を覆っているが、フランジ部46の複数個所に形成されている切欠き47を通してヨーク51が露出している。フランジ部46の周囲は、段差を以て隆起した環状の突部48となっている。切欠き47の形成位置は、後述する回り止め部材が選択的に取り付けられる位置に対応しており、図示の例では、ステータ42の中心軸の回りに90度毎の角度間隔をおいて形成されている。」 (2)「【0028】 底壁部95は、外装部44と別体であるが、外装部44と同一の樹脂材で形成されている。底壁部95を外装部44と別体とすることで、底壁部95と外装部44とを一体成形するときのような複雑なスライド構造の金型が必要でなくなり、金型構造が簡素となり、成形も容易となる。また、底壁部95は、外装部44と同一材から成るので、外装部44に対して超音波溶着で簡単に溶着することができる。なお、底壁部95の上面には、複数個の嵌合凹部95bが設けられており、外装部44の底面にはこの嵌合凹部95bに対応する位置に嵌合凸部44b(図1参照)が設けられており、この嵌合凸部44bと嵌合凹部95bを嵌合することによって底壁部95が外装部44に対して位置決めされる。」 (3)「【0036】 本発明では装着された回り止め部材100の取り外しも容易である。まず、回り止め部材100の2つの腕部102,102を互いに接近するように弾性変形させる。これによって頂壁101が平坦になるので、隙間93(図6参照)を介して頂壁101を底壁部95の径方向内側に移動させて突起部97から離脱させる。このように、装着した回り止め部材100を取り外し可能としたことで、仕様変更により、パイプ2bに対する回り止め部材100の位置、すなわち回り止め部材100のステータ42への取り付け位置が変更されたとしても対応可能である。よって、金型の共通化を図ることができ、製造コストが低減する。 以上、本発明による電動弁の実施例を説明したが、樹脂製の底壁部95は必ずしも外装部44と別体である必要はなく、これらは一体成形してもよい。その他にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に種々の改変を施すことができる。」 (4)「【符号の説明】 【0038】 20・・弁本体 20a,20b・・パイプ 21・・弁室 22・・弁座 23・・弁体 24・・弁軸 25・・固定ねじ部 26・・ガイドブッシュ 26a・・螺旋溝部分 26b・・均圧孔 27・・下ストッパ体(固定ストッパ) 27a・・下ストッパ片 30・・ロータ 31・・移動ねじ部 32・・弁軸ホルダ 32b・・螺旋溝 33・・プッシュナット 34・・圧縮コイルバネ 35・・復帰ばね 36・・支持リング 37・・上ストッパ体(移動ストッパ) 37a・・上ストッパ片 40・・キャン 41・・鍔状板 42・・ステータ 43・・ステータ本体 44・・外装部 44a・・嵌合孔 51・・ヨーク 52・・ボビン 53・・ステータコイル 54・・リード端子 55・・リード線 56・・コネクタ 57・・カバー 58・・充填材 93・・隙間 95・・底壁板 96・・フランジ部 97 突起部 98,98 スリット 99 窪み 100 回り止め部材 101 基部頂壁 102 腕部 103 抱持部分 104 先端部」 (5)図2~3、5には、次の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000022.jpg] [図:0001424174000023.jpg] [図:0001424174000024.jpg] 」 5 甲18について 甲18には、以下の事項が記載されている。 (1)「電磁弁、特に屋外機器や自動車に用いられる電磁弁はその使用条件上、防水性が重要な特性の1つであり、自動車用に於けるエンジン室内装着形電磁弁では更に重要である。 この防水性を向上させるため電磁弁に防水覆を設けたりしているが、大形化、高価化等の不具合があり、コイル部等をプラスチツク材料で外装を行う方法が提案されている。 しかしこの方法に於いては、外装部の防水性は大巾に向上するが、被被覆材と外装材との間に隙間が存在し、この隙間より浸入する水分により、絶縁部を剥離し接続処理を行つているリード線部の絶縁性が低下する不具合があつた。」(第1頁1欄第16行~同頁2欄第6行) (2)「屋外機器用や自動車エンジン室用の電磁弁に於いては、雨水等が飛散し前述のプラスチツク材による外装部材や外装端部に付着する場合があると、流路部材3とプラスチツク材より成る外装端部には微小隙間が存在するため、水分がこの隙間を通つて前述の電気接続部に浸入する事になる。 水の浸入により電気接続部の絶縁抵抗が低下して発熱現象が生じたり、腐蝕現象による断線が生ずる等の不具合が発生する場合があつた。」(第2頁3欄第12~20行) 6 甲19について 甲19には、以下の事項が記載されている。 (1)「【符号の説明】 1 ソレノイド 2 コイル 3 固定鉄心 4 可動鉄心 5 弁 6 弁口 A,7 ヨーク 8 モールド樹脂層 9 磁性金属鋼板 10,87 可動鉄心の挿通孔 11,86 固定鉄心の挿通孔 12 支持筒 13,16 金型 14,17 押圧金型 71 回転軸 72 巻取枠 73a ヨーク素体 74 切断手段 81 スポット溶接位置 82 金型 83 押圧固定手段 85 孔開用ポンチ B 電磁弁 S 切断位置 a,b ヨークの天板部 c,d ヨークの側板部 e ヨークの底板部」 (2)図1には、次の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000025.jpg] 」 7 甲20について 甲20には、以下の事項が記載されている。 「[0005] 斯かる構成において、電磁コイルアッセンブリー6が弁本体部1に組み付けられる場合、弁本体部1が、電磁コイルアッセンブリー6のハウジングの開口部を介してボビンの内周部に挿入された後、小ネジ8が吸引子3の雌ねじ孔にねじ込まれることにより電磁コイルアッセンブリー6が弁本体部1に固定される。このような場合、電磁コイルアッセンブリー6のハウジングの開口部と弁本体部1の円筒状部外周との間に所定の隙間が形成されている。これにより、電磁弁が配置される雰囲気中の蒸気等に含まれる水分が、その隙間を通じて矢印EVが示す方向に沿って侵入し電磁コイルアッセンブリー6のハウジングの開口部と弁本体部1の外周部との間に滞留する場合がある。このような場合、図12に示されるように、雰囲気中の温度変化等によりその水分が凍結する部分DEが形成されることによって、その体積が増すことにより、ボビンの内周部の亀裂CRが生じ、その結果、絶縁不良となる虞がある。 [0006] 斯かる場合の対策として、電磁弁においては、例えば、特許文献2における図1にも示されるように、シール部材としてのOリングが、電磁コイルアッセンブリーのヨークの挿通孔に隣接して固定鉄心の外周部とヨークを覆うモールド樹脂層との間、および、電磁コイルアッセンブリーのヨークの挿通孔に挿入される案内ガイドの外周部とモールド樹脂層との間にそれぞれ、設けられている。 先行技術文献 特許文献 [0007] 特許文献1:特開2013-58667号公報 特許文献2:特開平9-266112号公報」 8 甲21について 甲21の図1~2には、次の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000026.jpg] 」 9 甲22について 甲22には、以下の事項が記載されている。 (1)「【請求項1】 弁室及び該弁室に形成された弁孔を有する弁本体と、 前記弁孔を開閉する弁体と、 前記弁本体から突出するキャンと、 該キャンの内部に設けられ、前記弁体を開閉方向に駆動する駆動機構と、 前記キャンの外周部に装着され、前記駆動機構を駆動する電磁力を発生させるコイルモールド体と、 該コイルモールド体から、前記キャンの突出方向とは反対方向に向けて突出し、前記弁本体又は前記キャンの一部を囲繞する筒状部と、 前記弁本体又は前記キャンの外周面と前記筒状部の内周面との間の隙間をシールするシール手段とを備えることを特徴とする流量制御弁。」 (2)「【請求項4】 前記シール手段は、前記弁本体又は前記キャンの外周面と前記筒状部の内周面との間の隙間に装着される少なくとも1本のOリングからなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の流量制御弁。」 (3)「【0005】 上述のように、従来の流量制御弁51は、ステータ58のコイル58bが樹脂でモールドされ、ステータ58の磁極は露出しているものの防錆処理が施されているため、腐食に対する手当はなされている。しかし、このような流量制御弁51を海上コンテナ等に用いた場合には、塩害により各部が腐食し、作動不良を引き起こすおそれがあった。 【0006】 そこで、本発明は、上記従来の流量制御弁における問題点に鑑みてなされたものであって、海上コンテナ等に用いた場合でも、安定した作動を維持することのできる流量制御弁を提供することを目的とする。」 (4)図1には、次の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000027.jpg] 」 10 甲23について 甲23の図1には、以下の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000028.jpg] 」 11 甲24について 甲24には、以下の事項が記載されている(日本語訳は、請求人が提出した甲24の抄訳による。)。 (1)「[0019] The stop 44 is secured to the solenoid assembly 40 via a fastener 50 and the flange 46 is threaded into the valve-interfacing cavity 22 in the receiving member 20. A seal 52 (e.g., an O-ring 52) can be positioned between the head of the fastener 50 and the solenoid assembly 40, to prevent water from seeping therebetween. A seal 54 is shown positioned between the flange 46 and the inner cylindrical wall of the valve-interfacing cavity 22, but this seal 54 may not be present in some valve designs. A seal 56 can be positioned between the solenoid assembly 40 and an external sealing surface on the receiving member 20 and a seal 58 can be positioned between the hub 12 and the relevant portion of the solenoid assembly 40 (namely a boss 72, introduced below) to prevent water from entering the conduit 14. The seals 52, 56 and 58 are situated to seal plastic-to-metal seams and other seals can be used, as necessary or desired, to seal additional or alternative plastic-to-metal or other seams, joints, or interfaces.」 (日本語訳: [0019] ストップ44は、ファスナ50を介してソレノイドアセンブリ40に固定され、フランジ46は、受け部材20内のバルブインターフェース空洞22にねじ込まれる。シール52(例えば、Oリング52)は、ファスナ50のヘッドとソレノイドアセンブリ40との間に位置決めされ、水がそれらの間に浸透するのを防ぐことができる。シール54が、フランジ46とバルブインターフェース空洞22の内側円筒壁との間に配置されて示されているが、このシール54は、いくつかのバルブ設計には存在しない場合がある。シール56は、ソレノイドアセンブリ40と受け部材20上の外部シール面との間に配置することができ、シール58は、ハブ12とソレノイド組立体40の関連部分(すなわち、以下に紹介するボス72)との間に配置して、水が導管14に入るのを防止することができる。シール52、56及び58はプラスチックから金属への継ぎ目をシールするように配置されており、必要に応じて、または所望に応じて、プラスチックから金属へ、または他の継ぎ目、接合部、または界面をシールするために、他のシールを使用することができる。) (2)図1には、以下の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000029.jpg] 」 12 甲25について 甲25には、以下の事項が記載されている(日本語訳は、請求人が提出した甲25の抄訳による。)。 (1)「 [図:0001424174000030.jpg] 」(第3頁第5~13行) (日本語訳: 電磁弁は自動制御が可能なバルブとして、既に流体導管に広範に用いられている。現在の用いられている通常型電磁弁は、その防護レベルが最高IP65に達することができ、すなわちほこりが進入せずいずれの方向から噴水しても有害な影響がない程まで達している。湿気の多い場所や水のかかる場所に使用する場合、湿気あるいは水の侵入を防止することができないため、よくコイルの焼損を引き起こして使えなくなる。そのため、噴水やプールなど水面下に電磁弁を設ける要求がある場合、或いは船舶や鉱山など過酷な環境では、用いることができない。 発明の開示 本実用新案は水面下でも用いることができる潜水型電磁弁を提供することを目標とする。) (2)「 [図:0001424174000031.jpg] 」(第4頁第15~20行) (日本語訳: コイル軸6の上トロイダル面13と外側カバー4の間、コイル軸6の下部トロイダル面14と導磁板7の間に、それぞれゴムリングを設けてシールリング10とする;コイル5、外側カバー4、リングシール10、ライン出口8の間を硬化エポキシ樹脂層で充満して樹脂層11とする;ゴム皮電線を用いて絶縁線9とし、且つコイル5と絶縁線9を接続後ライン出口8から導出する;導磁板7と外側カバー4をねじ12で絞め接続して、本実用新案の電磁石1を構成する。) (3)図1には、以下の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000032.jpg] 」 13 甲26について 甲26には、以下の事項が記載されている(日本語訳は、請求人が提出した甲26の抄訳による。)。 (1)「 [図:0001424174000033.jpg] 」(第3頁第5行~第4頁第3行) (日本語訳: 冷凍装置用電磁弁は自動制御を行うバルブであり、バルブボデー、弁体、コア鉄、ハウジング、ハウジング内の電磁コイルなどから組成し、主要に電磁コイルの磁気力によってコア鉄をスイッチング制御するものであり、ハウジングは様々な方法によってバルブボデーに固定し、且つ着脱自在であり、実装やオーバーホールが便利である。 例えば中国実用新案200720070602.Xに開示された冷凍システム用電磁弁は、パレット、銅パイプ、弁体、バルブボデー、電磁コイルおよびボビン、スリーブ、ハウジング及びエポキシ樹脂封入層を含む。パレット、銅パイプ、弁体、バルブボデー、電磁コイルおよびボビンから構成された電磁弁を筐体内に置き、ボビンの中間にバルブボデーを設け、両端をパレットに接続し、パレットとバルブボデーの相接続端はスリーブを設け、パレット中央は銅パイプを設け弁体両側に接続し、パレット、バルブボデー及びスリーブの周辺にボビンを設け、外で電磁コイルを巻く。 現在市販されている冷凍装置用電磁弁は、そのハウジング換言すればハウジング内部の電磁コイルの固定は、主に以下の問題が存在する: ・・・・ 2、ナットの押す処に貯水が発生しやすく、徐々にナットに浸透して、ナットのさびを引き起こして着脱自在が不可能となる; 3、従来構造はよくゴムシール防水を用いるが、長期使用によるシールリングの老化により浸水現象が生じ、これによってコイルを焼損させる; ・・・・ 発明の開示 本実用新案は耐水性能が優れた、長寿命である冷凍装置用電磁弁を提供する。) (2)図1には、以下の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000034.jpg] 」 14 甲27について 甲27には、以下の事項が記載されている(日本語訳は、請求人が提出した甲27の抄訳による。)。 (1)「 [図:0001424174000035.jpg] 」 (日本語訳: [0002] 暖房空調、冷凍など温度制御、調節に係るシステムではよく電磁弁を用いて、ラインシステム中の媒体の流れの開閉を制御している。 [0003] 図1は従来技術の電磁弁の代表的構造概略図であり、電磁弁はコイルとバルブボデーを含み、コイルをバルブボデー套管に外嵌し、ロックナットで締結し、コイルへの通電、停電により電磁弁の弁開、弁閉を制御する。従来技術の電磁弁のコイルボビンは伝導マグネットの収容室内に取り付け、ボビンの両端面と伝導マグネットの合せ面を直接嵌合させ、ボビン両端面と伝導マグネットの合せ面間に絶縁物の充填がないので、浸水を引き起こす可能性がある。コイル伝導マグネットのバルブボデー套管と嵌合するホールは、バルブボデーの套管外径より大きく、套管を取り付ける時にコイルを貫通し、バルブボデーの静鉄心の上端面はコイルの外面にあり、且つ隙間が存在するので、伝導マグネットとバルブボデーの接触の信頼性を保証することができなく、電磁弁の磁気回路の隙間を増大させる;これらにより、電磁弁の透磁性と動作性に影響し、さらに電磁弁中の接地インレットがボビンと伝導マグネットの間に配置するので、射出成形時に接地インレットと伝導マグネットの間にプラスチックが入ってしまって伝導しないおそれがあり、製品は本当の接地目的に達しにくく、雷撃あるいは漏電の時は安全上の問題が存在するおそれがある。 発明の開示 [0004] 本発明が解決する技術的課題は上記の従来技術に存在していた欠陥を克服することであり、従来技術の電磁弁の構造に対する改良により、電磁弁の動作性能と耐水性能を高め、電磁弁の使用を更に安全で信頼性があるようにするために、本発明は以下の技術案を用いる:) (2)「 [図:0001424174000036.jpg] 」 (日本語訳: [0037] また、水あるいは蒸気がバルブボデー30とコイル20の隙間中に浸透しないように、コイル20とバルブボデー套管の間にO形シールリングを用いてシールすることができ、ねじ部材40とコイル20の間に同じくO形リングを用いてさらに密封することができる;シール効果を保証するために、O形リングの密封は一定の圧縮量の密封形式とする。また、O型シールリングはまたコイル部材の内孔中に設けることができる。) (3)図1には、以下の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000037.jpg] 」 15 甲28について 甲28には、以下の事項が記載されている(日本語訳は、請求人が提出した甲28の抄訳による。)。 (1)「 [図:0001424174000038.jpg] 」 (日本語訳: [0039] 図3~5には本実用新案の第1の実施例による位置決め止め具とコイルの連結構造が示されており、その連結構造は、位置決め止め具1及びコイル3を含む。図3に示すように、位置決め止め具1は円環状の止め本体12及び連結孔14を含む。止め本体12は実質的に板状乃至シート状であり、止め本体12の縁には軸方向に延びる、弁本体(未図示)に接続するためのボス11が設けられている。連結孔14は円環形の止め本体12の上下面を貫通し、その数は1乃至複数であってもよい。図4に示すように、コイル3は円環形の止め本体12を支持する支持部32を備え、支持部32は平らな構造であってもよく、溝であってもよい。 [0040] 連結構造はさらにリベット突起部34を含む。図6に示すように、リベット突起部34は、円筒状のボス34a、断面正方形の柱状のボス34b、断面長方形の柱状のボス、菱形のボス34c、六角形のボス34d、楕円柱状のボス34e、錐台形のボス34f等の形状の柱状のボスであってもよい。リベット突起部34はコイル3に固定され(図4に示すように)、又はリベット突起部34は別個の部材としてコイル3の外側に設けられており(図7に示すように)、コイル3にリベット突起部34と連結する係合孔を有する等、リベット突起部34はコイル3と連結するのに適した構造を備える。リベット突起部34は、通常熱可塑性材により形成され、連結孔14にリベット加工するのに適した構造を有する。図5に示すように、リベット突起部34は、まず連結孔14に取り付けられ、その後、熱溶融のリベット接合法により連結孔14を覆う接合頭部341にリベット加工させることにより、円環状の止め本体12をコイル3にリベット接合させる。) (2)「 [図:0001424174000039.jpg] 」 (日本語訳: [0043] 勿論、図7に示すように、リベット突起部34は別個の部材としてコイル3の外側に設けてもよい。支持部32は係合孔39を有し、係合孔39は通常有底孔とする。リベット突起部34はコイル3と係合するのに適した構造を備える。このような場合、リベット突起部34は、連結孔14を貫通して熱溶融により係合孔39に連結され、それにより支持部32と一体に連結され、且つ連結孔14を覆う接合頭部341にリベット加工させることにより、円環状の止め本体12をコイル3にリベット接合させる。) (3)図3、5~7、10~14には、次の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000040.jpg] [図:0001424174000041.jpg] [図:0001424174000042.jpg] [図:0001424174000043.jpg] [図:0001424174000044.jpg] [図:0001424174000045.jpg] [図:0001424174000046.jpg] 」 16 甲29について 甲29には、以下の事項が記載されている(日本語訳は、請求人が提出した甲29の抄訳による。)。 (1)「 [図:0001424174000047.jpg] 」 (日本語訳: 技術分野 [0001] 本発明はバルブに関し、具体的に電動弁に関する。) (2)「 [図:0001424174000048.jpg] 」 (日本語訳: [0060] また図5と図6に示すように、前記位置決め止めシートの基部45aは板状円環であり、当該位置決め止め具の基部45aはコイル固定フレーム44の上方の弁座43に外嵌され且つコイルケース42に固定接続されている。前記位置決め止めシート45はコイルケース42に溶接にて固定されてもよい。本発明の最も好ましい態様として、板状円環に円周に沿って幾つかの貫通孔45eを穿設し、円環状の位置決め止めシートの基部45aの貫通孔45eを介して、コイルケース42の下面とスポット溶接による固定を完成させる。溶接点(スポット)が貫通孔45eの中に置かれて外部に露出されないため、製品の見た目がよい。溶接するとき、溶接電流がその局所を加熱するので、溶接変形が少なく、装置全体の動作性能に影響しない。) (3)図5~6には、次の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000049.jpg] [図:0001424174000050.jpg] 」 17 甲30について 甲30には、以下の事項が記載されている。 (1)「【0012】 図2は、弁本体10とキャン20の組立部品を示し、図3は、コイルユニット50の外観図を示す。 キャン20は取付部材22を介して弁本体10に固着される。 円筒形状のキャン20の取付部材22の近傍には、円周上に例えば4個の突起30が形成される。この突起30は、キャン20の内側からポンチ、プレス等の工具を用いてキャン20を加工することで形成される。この突起30は半球状、あるいはその縦断面形状が円若しくは楕円の一部、又はその他の曲面を描くように形成されている。。 コイルユニット50は、合成樹脂でコイルボビンを覆った部材であって、下部に樹脂製の複数のボス70を有する。このボス70に金属製の取付部材100を嵌合させ、ボス70を取付部材100に溶着して取付部材100を一体化する。 この取付部材100は、弾性を有する金属板でつくられ、折曲げ加工により例えば3本の取付部が形成される。 3本の取付部のうち、1本の取付部110は取付用の穴を有し、他の2本の取付部120は穴を有せずに、それぞれ弾性によってキャン20の外周を押圧することによりコイルユニット50をキャン20の外周部に確実に固定する機能を有する。」 (2)「【0014】 取付部材100は、弾性を有する金属板でつくられ、ボス70に嵌合する複数の穴を備える。取付部材100は、この穴をボス70に嵌合し、ボスを溶着等の手段で加工して、取付部材100をコイルユニット50に固着する。 取付部材100は金属板を折り曲げて形成される3本の取付部110,120を有する。そのうちの1本の取付部110にはキャン20の突起30に係合する穴112が形成されている。他の2本の取付部120は、突起に係合する穴を備えず、その弾性でコイルユニット50をキャン20に対して確実に固定する機能を有する。 【0015】 図5は、コイルユニット50と取付部材100を分解した状態を示す斜視図である。 取付部材100は、内側にキャン20の外周部に挿入される空間104を有する円盤状の部材であって、コイルユニット50のボス70に係合する複数の取付穴102を有する。 取付部材を構成する金属板に切り取り加工と折り曲げ加工を加えて形成される3本の取付部110,120のうちの1本の取付部110は、キャンの突起に係合する穴112を有する。他の2本の取付部120は穴を備えずに、弾性でコイルユニットをキャンに対して確実に固定する機能を備える。」 (3)図5には、次の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000051.jpg] 」 18 甲31について 甲31には、以下の事項が記載されている。 (1)「【0016】 ステータ50は、合成樹脂でコイルボビンを覆った部材であって、その下部には、下方に向けて突起状に突出した樹脂製の複数のボス70(図示の例では8個;一部のみに符号を付す)を有する。取付手段としての取付部材100は、ステータ50に対してボス70の溶着によって一体的に固定された状態で設けられるものであり、その詳細については後述する。」 (2)「【0018】 取付部材100は、弾性を有する金属板で製作されており、ステータ50のリング状の下端面52に取り付けられる環状本体101を備えている。環状本体101には、ボス70を嵌合させるための複数の取付孔102(図示の例では8個;一部のみに符号を付す)がボス70と合わせた間隔で形成されている。取付孔102に嵌合させた状態のボス70を環状本体101に溶着することで、取付部材100は、ステータ50に対して一体化されたものとして設けられる。環状本体101には、その内側にキャン20の外周部に挿入される空間104が形成されている。環状本体101からは、折曲げ加工により例えば4本の係合部がステータ50から遠ざかる方向に延びるように形成されている。ステータ50をキャン20の外側に嵌挿するとき、キャン20は空間104内を通り、各係合部はキャン20の外周面に沿って延びる。」 (3)図1には、次の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000052.jpg] 」 19 甲32について 甲32には、以下の事項が記載されている。 「〔産業上の利用分野〕 本考案は冷凍装置などに用いられる制御弁に関し、特に冷媒用の流量制御弁に関する。 〔従来の技術〕 冷凍装置における冷媒用の流量制御弁は冷媒の部分蒸発によって低温となることが多く、特に電気式アクチュエータを設けた弁にあっては、結露すると電気絶縁性に悪影響を及ぼす心配がある。そこで従来は、電磁コイル等の通電部品を例えば筒状の金属製缶体内に封入することによって防湿する等の方法が取られていた。 しかし金属製缶体を用いるときは溶接や鑞接による封入の際に通電部品を過熱から護ることが難しく、また電線引出し部の封止はグロメット等に頼らなければならないから、完全密閉を達成するには合成樹脂等によって全体を包埋する等の非効率な封止方法を用いるしかないとされていた。」(第1頁2欄第2行~第2頁3欄第2行) 20 甲33について 甲33には、以下の事項が記載されている。 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電動弁用防水コイルに関し、特にリード線引出し部を含む全体を合成樹脂材で被覆して完全防水化を可能にした電動弁用防水コイルに関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、冷凍サイクルを用いた冷凍・冷蔵及び冷房装置などでは、その冷媒流量制御に電動式回転制御弁が用いられている。 【0003】この場合、電動式回転制御弁は、高湿度低温の環境に配設されることが多く、したがって、電動式回転制御弁の駆動源としての電磁コイルには、防水処置が施されて電気的性能の低下を抑制する手段がとられている。」 21 甲34について 甲34には、以下の事項が記載されている。 (1)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空調機や冷凍機などに組み込まれて、冷媒の流量制御や流路の切換に好ましく用いられる流量制御弁の防水カバー構造に関する。 【0002】 【従来の技術】冷凍サイクルの制御弁として、流量を比例的に変化させることができる流量制御弁が使用されている。このような流量制御弁は、直動型ステッピングモータを用いることによって、パルス信号で弁開度を制御することができ、小型化が図れるという利点があり、例えば、海上コンテナなどの大型冷蔵・冷凍システムなど広範な分野で用いられている。」 (2)「【0007】 【発明が解決しようとする課題】このような従来の流量制御弁100を、冷凍装置の低圧側に使用する場合には、流体温度が低温となるため、結露などによって電気絶縁性が悪くなり、動作不良となるおそれがあるため、防湿構造とすることが従来から行われている。すなわち、弁本体102の上部からコイル部130の下方部分を被蓋するように装着したゴムなどの弾性材料からなる下カバー132と、この下カバー132の上部に連結され、ケース180とコイル部130とを被蓋する同じく弾性材料からなる上カバー134を備えており、これにより断熱性、気密性をもたせ、防湿性を付与している。 【0008】しかしながら、例えば、海上コンテナなどの大型冷蔵・冷凍システムなどにおいては、振動や乱雑な取り扱いによっては、上カバー134と下カバー132との間の連結部がずれたり、下カバー132と弁本体102との接合部がずれるおそれがあり、その結果、湿気、水、海水などが流量制御弁のカバーの内部に浸入して、コイル部の絶縁性を低下させ、動作不良となるおそれがある。」 22 甲35について 甲35には、以下の事項が記載されている。 (1)「【技術分野】 【0001】 本発明は、冷凍サイクルの冷媒流量の制御等を行うために用いられ、電磁力によって弁体の開閉操作を行う流量制御弁に関する。」 (2)「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 上述のように、従来の流量制御弁51は、ステータ58のコイル58bが樹脂でモールドされ、ステータ58の磁極は露出しているものの防錆処理が施されているため、腐食に対する手当はなされている。しかし、このような流量制御弁51を海上コンテナ等に用いた場合には、塩害により各部が腐食し、作動不良を引き起こすおそれがあった。」 23 乙1について 乙1には、以下の事項が記載されている。 (1)「【0002】 【従来の技術】図2は、電動弁の従来例を示している。図示例の電動弁1´は、一側部に流入口21が設けられるとともに、底部に流出口22が設けられた弁本体部20に、ステンレス等の金属材料からなる逆立有底円筒状のキャン15の下端部が溶接等により密封接合されており、それら弁本体部20及びキャン15内に、ロータ16及び弁体(ニードル弁)17が配在され、前記キャン15の外周に、円筒状のコイル部35からなるステータ部30が配設され、該ステータ部30を覆う樹脂モールドカバー40´が設けられている。前記弁本体部20の流入口21には流体(冷媒)導入管26が連結されるとともに、前記流出口22には、流体導出管27が連結されている。 【0003】前記ステータ部30の一側下面部には、該ステータ部30の回り止め、位置決め、及び抜け止め用の側面視L字状のステータ固定部材60が固着されている。このステータ固定部材60は、前記樹脂モールドカバー40´の下面部の複数箇所(例えば90度間隔で4箇所)に突設された取付用突部42、42、…の一つに外嵌され、該取付用突部42を例えば超音波ウェルダにより熔融して押し潰すことにより固着されるL形固定板部62と、該L形固定板部62の先端部の左右両側から垂直下方に折り曲げられた、前記流体導入管26に係合するように弾発的に圧接せしめられる半円筒状曲面部が形成された二股状弾性挟持片部64と、からなっている。 【0004】かかる構成の電動弁1´は、前記ステータ部30を前記キャン15の上から押し込んでその外周に外嵌し、前記ステータ固定部材60により前記弁本体部20に対して図示位置にて固定することによって組み立てられ、前記コイル部35に通電することより、前記ロータ16を回転させ、このロータ16の回転をねじ送り機構により前記弁体17の昇降運動に変換し、弁本体部20内に形成されたオリフィス10の面積を変えることにより、流量調整を行うようにされる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】前記した如くの従来の電動弁1´においては、樹脂モールドカバー40´により外部からの湿気、雨水等の水分の進入を防止しているが、例えば、エアコンの冷凍サイクルに実際に組み込んで使用すると、キャン15の外周に錆が発生する場合があり、これは、流体の温度影響による結露等で水分がキャン15の外周に付着したことが原因と考えられる。本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、キャンの外周に錆が発生し難い電動弁を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成すべく、本発明に係る電動弁は、基本的には、弁本体部にキャンが密封接合された内部にロータ及び弁体が配在されるとともに、前記キャンの外周に円筒状のコイル部からなるステータ部が配設され、該ステータ部を覆う樹脂モールドカバーを備えた電動弁であって、前記ステータ部の樹脂モールドカバーに、該樹脂モールドカバーと前記キャンとの間に形成される隙間空間と外部とを連通する小孔が形成されていることを特徴としている。上記のように、樹脂モールドカバーに小孔を形成することにより、結露等でキャン外周に付着した水分は、ある程度の時間(通常は90分程度)が経過すれば、前記小孔を介して自然に外部に抜け、キャン外周は乾燥する。」 (2)図2には、次の事項が図示されている。 「 [図:0001424174000053.jpg] 」 第6 当審の判断 1 無効理由1(甲1に記載された発明を主たる引用発明とした進歩性欠如)について (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲1発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。 甲1発明の「ニードルバルブ本体88」は、本件発明1の「弁本体」に相当し、以下同様に、「回転子筐体92」は「キャン」に、「回転子部分118」は「ロータ」に、「バルブ部分80」は「弁軸」に、「軸方向に移動可能なバルブ部分80に動作可能に接続されるねじ付き回転シャフト76及びこれと接するニードルバルブ本体88の上方部分」は「変換機構」に、「固定子部分34」は「ステータヨーク」に、「固定子巻き線64」は「コイル」に、「固定子組立体22」は「コイルユニット」に、「電気モータ駆動式バルブ組立体20」は「電動弁」に、「位置決定プレート104」は「プレート部材」に、「封止部材28」は「シール部材」に、それぞれ相当する。そして、甲1発明の「固定子筐体30」は、甲1の第11頁第20~22行(前記第5 1(1)オ)に固定子筐体の底壁部54の材料がプラスチックであることが記載されていることから、本件発明1の「樹脂モールド」に相当する。 また、甲1の図1(前記第5 1(1)カ)から、甲1発明の「突起56」及び「環状底壁部54」はいずれも「固定子筐体30」の下端部に位置していることが看取されるから、甲1発明の「リング部分108、指112及び脚部分106を有し、指112における窪み114と固定子筐体30の環状底壁部54における凹部58との間の係止により、リング部分108が突起56と環状底壁部54との間にとりつけられるとともに、脚部分106において回転子筐体92の筐体部分92aに恒久的に固定されている円環状の位置決定プレート104」と本件発明1の「樹脂モールドの下端部に溶着されてとりつけられる円環状のプレート部材」とは、「樹脂モールドの下端部にとりつけられる円環状のプレート部材」の点で共通する。 したがって、本件発明1と甲1発明とは、以下の一致点1において一致するとともに、以下の相違点1において相違する。 <一致点1> 「弁室を有する弁本体と、該弁本体の上部に固着される円筒形状のキャンと、該キャンの内部に回転自在に支持されるロータと、該ロータの回転運動を直線運動に変換して弁室に挿入される弁軸を駆動する変換機構と、キャンの外側に着脱自在に嵌装され、かつステータヨーク及びコイルが一体成形された樹脂モールドを有するコイルユニットとを備える電動弁であって、 樹脂モールドの下端部にとりつけられる円環状のプレート部材と、 該プレート部材により支持されてコイルユニットとキャンとの間の防水構造を構成するシール部材と を備え、 前記シール部材は、前記コイルユニットの下部と前記プレート部材との間に挟まれる、 電動弁。」 <相違点1> プレート部材について、本件発明1では、樹脂モールドの下端部に「溶着されて」とりつけられるのに対し、甲1発明では、リング部分108、指112及び脚部分106を有し、指112における窪み114と固定子筐体30の環状底壁部54における凹部58との間の係止により、リング部分108が突起56と環状底壁部54との間にとりつけられるとともに、脚部分106において回転子筐体92の筐体部分92aに恒久的に固定されている点。 イ 判断 前記相違点1について検討する。 (ア)甲1の明細書第1頁第8~12行(前記第5 1(1)ア)には「本発明は、分離可能な固定子と回転子-バルブ組立体とを含むステップモータバルブ組立体に関する。回転子-バルブ組立体は、装置に固定的に取り付けられ得、固定子空洞の内側に滑り嵌めするように適合された筐体を有する。記載された組立体の係止部材は、滑り嵌めされた組立体の回転的連動およびその相対回転を可能とする。」と記載され、甲1の明細書第8頁第19行~第9頁第8行(前記第5 1(1)エ)には「固定子筐体30は、固定子筐体の底壁部54が位置決定プレートの指112の窪み114と係合するまで回転子筐体92に対して移動され得る。次いで、位置決定プレートの切り欠き110を突起56との整列から外れるように移動させるように、固定子筐体30は回転子筐体92に対して回転され、それによって、位置決定プレートリング部分108を突起56と固定子筐体30の底壁部54との間に捕捉する。位置決定プレートリング部分108が突起56と固定子筐体30の底壁部54との間に取り付けられたとき、窪み114は凹部58と噛み合い、それによって、回転子-バルブ組立体24に対して固定子組立体22を係止する。窪み114と凹部58との間の係止力は、バネ状の指112によってもたらされるバネ力によって決定され、一般的に、人間の作業者によって容易に乗り越えられるように設定される。脱係合が望まれるとき、位置決定プレートの切り欠き110が突起56と再び整列するまで固定子組立体22が回転される。次いで、固定子組立体22は回転子-バルブ組立体24から離れるように軸方向に移動される。」と記載されている。 (イ)これらの記載から、甲1発明は、固定子組立体22を回転子筐体92に嵌装する際に、位置決定プレート104と固定子筐体30を相対回転させながら組付けるためのものであって、甲1発明においては、位置決定プレート104が「リング部分108、指112及び脚部分106を有し、指112における窪み114と固定子筐体30の環状底壁部54における凹部58との間の係止により、リング部分108が突起56と環状底壁部54との間にとりつけられるとともに、脚部分106において回転子筐体92の筐体部分92aに恒久的に固定されている」ことにより、固定子組立体22が「回転子筐体92の外側に着脱自在に嵌装され」るようになっていることは、明らかである。 (ウ)そして、前記(ア)のとおり、甲1には、位置決定プレート104の指112における窪み114と、固定子筐体30の底壁部54における凹部58との間の係止力は、バネ状の指112によってもたらされるバネ力によって決定され、一般的に、人間の作業者によって容易に乗り越えられるように設定されることが示されており、甲1発明における位置決定プレート104の固定子筐体30への係止によるとりつけを溶着によるとりつけに置換することの動機付けに関しては記載も示唆もない。 (エ)この点に関して、請求人は「また、相違点1に係る樹脂モールド側でプレート部材を溶着することは周知技術にすぎず、当該周知技術を甲1発明に適用することにより当業者が容易に想到できるものにすぎない。当該事項は例を挙げるまでもない周知技術(慣用技術レベル)であるが、例えば、甲第2号証、甲第6号証、甲第10号証のほか、甲第28~31号証にも開示されている。」(審判事件弁駁書第7頁第11~15行)、と主張している。しかしながら、仮に電動弁において樹脂モールド側でプレート部材を溶着してとりつけること自体が甲2、甲6、甲10、甲28~甲31に例示される周知慣用技術であったとしても、甲1発明において、位置決定プレート104を固定子筐体30に溶着した場合、位置決定プレート104が回転子筐体92と固定子筐体30との両方に固定されることとなり、固定子組立体22が「回転子筐体92の外側に着脱自在に嵌装され」る構成を維持できなくなることから、そのような改変を甲1に接した当業者が試みることには阻害要因があるといえる。 (オ)前記(エ)について付言すると、仮に甲1発明において、前記周知慣用技術を適用して位置決定プレート104を固定子筐体30に溶着し、なおかつ、固定子組立体22が「回転子筐体92の外側に着脱自在に嵌装され」る構成をも維持しようとするならば、甲1発明の「脚部分106において回転子筐体92の筐体部分92aに恒久的に固定されている」構成を着脱可能なものに変更する必要があるところ、そのような変更については甲1及びその他の甲号証を参照しても記載も示唆もなく、当業者が容易に想到し得るものとは到底いえない。 (カ)したがって、甲1発明において、前記相違点1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者であっても容易になし得たことではない。 ウ 小括 以上のとおりであるから、本件発明1は、甲1発明に基いて、又は甲1発明と前記周知慣用技術とに基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものではなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。 (2)本件発明2~8について 本件発明2~8は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、更に限定するものであるから、甲1発明と、少なくとも相違点1と同じ点で相違し、この点は、前記(1)で検討した理由と同じ理由により、容易に想到し得るものではない。よって、本件発明2~8は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。 (3)まとめ 以上によれば、本件発明1~8についての特許は、無効理由1によって無効とすることはできない。 2 無効理由2(甲2に記載された発明を主たる引用発明とした進歩性欠如)について (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲2発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。 甲2発明の「弁室21」は、本件発明1の「弁室」に相当し、以下同様に、「弁本体20」は「弁本体」に相当し、「キャン40」は「キャン」に、「ロータ30」は「ロータ」に、「弁軸24」は「弁軸」に、「固定ねじ部25が形成される筒状のガイドブッシュ26と該ガイドブッシュ26の固定ねじ部25に螺合する移動ねじ部31を有する弁軸ホルダ32とから構成されるねじ送り機構」は「変換機構」に、「ヨーク51」は「ステータヨーク」に、「ステータコイル53」は「コイル」に、「ステータ50」は「コイルユニット」に、「電動弁10」は「電動弁」に、「回り止め部材65」は「プレート部材」に、それぞれ相当する。 したがって、本件発明1と甲2発明とは、以下の一致点2において一致するとともに、以下の相違点2において相違する。 <一致点2> 「弁室を有する弁本体と、該弁本体の上部に固着される円筒形状のキャンと、該キャンの内部に回転自在に支持されるロータと、該ロータの回転運動を直線運動に変換して弁室に挿入される弁軸を駆動する変換機構と、キャンの外側に着脱自在に嵌装され、かつステータヨーク及びコイルが一体成形された樹脂モールドを有するコイルユニットとを備える電動弁であって、 樹脂モールドの下端部に溶着されてとりつけられるプレート部材 を備えた電動弁。」 <相違点2> 本件発明1は、樹脂モールドの下端部に溶着されてとりつけられる「円環状」のプレート部材と、「該プレート部材により支持されてコイルユニットとキャンとの間の防水構造を構成するシール部材とを備え、前記シール部材は、前記コイルユニットの下部と前記プレート部材との間に挟まれる」のに対し、甲2発明は、樹脂モールドの下端部に溶着されてとりつけられ、略リング状の基部66と基部66から延出する2つの腕部67、67とから構成される回り止め部材65を備えるものの、該回り止め部材65により支持されてステータ50とキャン40との間の防水構造を構成するシール部材を有しているか否か不明である点。 イ 判断 前記相違点2について検討する。 (ア)甲2の段落【0030】(前記第5 2(1)カ)には「この実施形態の回り止め部材65は、水平方向の基部66が略リング状をしており、」という記述がある一方で、同図3からは略リング状の基部66の外周に切欠きが形成されていることを看取できる(前記第5 2(1)ク)。そして、甲2の明細書及び図面にはシール部材に関する言及は一切なく示唆する記載もない。甲2には図3の他にも図1~2、4、6~12に示される回り止め部材の実施形態が説明されているが、図3以外全ての回り止め部材の実施形態は弁本体の周りを囲むものでなく、弁本体の周りを封止すべきシール部材を支持しうるものでないことは構造上明らかである。そして図3の実施形態にしても回り止め部材65にシール部材にとって明らかに不都合な切欠きがあるため、シール部材の存在を示唆するとはいえない。 (イ)この切欠きが与える影響について、以下詳述する。仮に甲2発明の基部66と、ステータ50の下部との間に環状のシール部材を配置することを想定した場合、適切な面圧を確保すべくシール部材は上下方向(電動弁の軸線方向)に押圧されて、径方向外側に膨出することになる。すると、シール部材の一部が切欠きからはみ出し、それによりシール部材の本来の機能である漏れ抑制機能が損なわれる恐れがある。以上のとおりであるから、シール部材の特性を熟知した当業者であれば、このような形状の基部66にシール部材を組み合わせようとはしないと考えられる。したがって、甲2発明の回り止め部材65にあえてシール部材を設置する動機付けはない。この点に関し、請求人は「また、半径方向のシールをする場合、プレート部材はシール部材の下部の位置決めを果たすだけであり、下方向からの均一で適切な面圧は必要としません。したがって、切欠きを有する回り止め部材65であっても、当業者はシール部材を組み合わせようとすることは十分に考えられ、ごく自然なことです。」(令和6年7月26日提出の口頭審理陳述要領書第11頁第12~15行)と主張しているが、甲2及びその他の甲号証を参照しても、コイルユニットの下部と円環状のプレート部材との間において半径方向のシールをすることは記載も示唆もなく、甲2発明においてそのような課題が内在しているとはいえない。 (ウ)また、シール部材を含まない電動弁は例えば乙1に示されているように周知である。前記第5 23に示されるとおり、乙1には外部からの水分の侵入に対する課題認識がある前提で(段落【0005】~【0006】)、従来技術としてシール部材のない電動弁について説明がある(図2及び段落【0002】~【0004】)。特に、樹脂モールドの頂部に通気孔を有する態様に関して、本件明細書の発明の詳細な説明の段落【0030】に「パッキン170が通気孔160を封止して通気孔160から樹脂モールド110の内部に水分が浸入するのを防止する。」との記載があるのに対し、乙1においては、樹脂モールドカバーの頂面部に設けられた小孔はパッキンなどで封止されず、水分の排出を促すために用いられている。このことから明らかなように、本件発明1の電動弁は、樹脂モールド内で結露水を発生させない設計思想である。これに対し、乙1の電動弁は、樹脂モールド内に水分の侵入を許容する構造であるが故、樹脂モールド内で結露水が生じやすくなるため、生じた結露水の排出を促すという設計思想である。そして、甲2においても、図7~12(前記第5 2(1)ク)からステータ50の頂面部に小孔があることが看取され、また小孔を覆うパッキンなどないことも看取されるため、乙1と同様に水分の侵入を許容し、結露水の排出を促す設計思想の電動弁と考えられ得る。この点に関し、請求人は「甲第2号証の図1では、そのような小孔は看取されませんので、上記主張の論理構成は破綻しています。」(同口頭審理陳述要領書第14頁第13~14行)と主張しているが、たとえ甲2の図1では小孔は看取されないとしても、甲2全体の記載からみて、その一点のみをもって甲2発明において水分の侵入を防止するべくシール部材を設ける動機付けがあるとは認められない(図1においてステータ50の下部とキャン40との間に小孔を有していることが看取されることから、この小孔が結露水の排出用と推察することもできる。)。 (エ)そして、本件発明1の相違点2に係る発明特定事項は、「樹脂モールドの下端部に溶着されてとりつけられる円環状のプレート部材と、該プレート部材により支持されてコイルユニットとキャンとの間の防水構造を構成するシール部材とを備え、前記シール部材は、前記コイルユニットの下部と前記プレート部材との間に挟まれる」ことにより、「着脱自在のコイルユニットとキャンとの間の防水を確実に達成するとともに、コイルユニットの嵌着時の作業効率を向上する。」(本件明細書の発明の詳細な説明の段落【0012】)という技術思想に基づいて、設けられたものである。 (オ)これに対し、甲2に記載された回り止め部材65は、前記(イ)で述べたとおり、ステータ50の下部と回り止め部材65との間に環状のシール部材を配置することを想定した場合、シール部材の漏れ抑制機能が損なわれる恐れがあるものであるから、シール部材をステータ50の下部と挟んでステータ50とキャン40との間を確実に防水する機能を有しているとは思われない。 (カ)このように本件発明1の電動弁と、甲2発明の電動弁とは設計思想が異なることから、甲2発明の電動弁にシール部材を設けることの動機付けはないといえる。 (キ)この点に関して、請求人は「上記のとおり、甲2発明と同様の用途の電動弁において、水分侵入防止が本件特許出願前から周知の課題であったことは明らかである。また、既存の電動弁に防水構造を設けて車両や船舶等の屋外用の電動弁に用いられるようにすることも当業者において慣用的に行われている周知事項である。」、「したがって、甲2発明において水分の侵入を防止するべくシール部材、例えば甲1発明のシール部材を適用する動機付けはあると言える。また、その適用を阻む阻害要因も存在しない。」(審判事件弁駁書第20頁第4~10行)、と主張している。しかしながら、仮に電動弁に使用されるステップモータのモータハウジング内への水分の侵入の防止が周知の課題であって(例えば、甲1、甲18~甲27)、空気調和機、冷凍機等に組み込まれて使用される電動弁において水分侵入防止が周知の課題であったとしても(例えば、甲32~甲35)、シール部材を、コイルユニットの下部と、樹脂モールドの下端部に溶着されてとりつけられる円環状のプレート部材との間に挟むことは、前記1(1)イで述べたとおり甲1には記載されておらず周知でもないし、甲22(前記第5 9(1))のように、弁本体又はキャンの外周面と、コイルモールド体から突出する筒状部の内周面との間の隙間を、シール手段でシールする例もあるので、必然的な構成ではない。 (ク)前記1(1)イ(イ)で上述したように、甲1発明は、固定子組立体22を回転子筐体92に嵌装する際に、位置決定プレート104と固定子筐体30を相対回転させながら組付けるためのものである。他方、甲2発明は、シール部材を装着することなく、キャン40に対してステータ50を組み付けている。 (ケ)甲1発明は、固定子筐体30に水分の侵入を抑制することが望まれる環境下で使用されながらも、組付け時に回転子-バルブ組立体24に対して固定子組立体22の回転角度を調整することを前提としており、それを実現するために固定子組立体22と封止部材28とを別体構成とするとともに位置決めプレート104を回転子筐体92に溶接したものである。一方、甲2発明は、回転角度を調整する必要もない。また、甲2発明の回り止め部材65は樹脂モールドの下端部に溶着されてとりつけられるが、甲1発明の位置決定プレート104は、リング部分108、指112及び脚部分106を有し、指112における窪み114と固定子筐体30の環状底壁部54における凹部58との間の係止により、リング部分108が突起56と環状底壁部54との間にとりつけられる。このように甲1発明と甲2発明は、電動弁という同じカテゴリーであっても設計思想及び組付けのための具体的構造が異なるため、電動弁の用途や設置環境を熟知する当業者でさえ甲1発明と甲2発明を組み合わせるという発想が生じない。このように、甲1発明の一部の部材(封止部材28)のみを取り出して、それを必要としない甲2発明に組み付けることは、当業者が容易に想到できるものではない。 (コ)したがって、甲2発明において、甲1に記載された事項を適用して前記相違点2に係る本件発明1の構成とすることは、当業者であっても容易になし得たことではない。 ウ 小括 以上のとおりであるから、本件発明1は、甲2発明と甲1に記載された事項とに基いて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものではなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。 (2)本件発明2~8について 本件発明2~8は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、更に限定するものであるから、甲2発明と、少なくとも相違点2と同じ点で相違し、この点は、前記(1)で検討した理由と同じ理由により、容易に想到し得るものではない。よって、本件発明2~8は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。 (3)まとめ 以上によれば、本件発明1~8についての特許は、無効理由2によって無効とすることはできない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、請求人の主張する無効理由及び証拠方法によって、本件発明1~8についての特許を無効とすることはできない。 審判に関する費用については、特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-800064

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