商標取消審判
2023-300818
ピオ、パイオ、ピイアイオオ
- 審判番号
- 2023-300818
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2019-121104
- 登録番号
- 6264690
- 請求日
- 2023年11月10日
- 審決日
- 2024年08月09日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】アウトストア・テクノロジー・エーエス
- 【請求人代理人】中田 和博
- 【請求人代理人】青木 博通
- 【請求人代理人】片山 礼介
- 【請求人代理人】青島 恵美
- 【被請求人】株式会社 イトーキ
- 【被請求人代理人】マークス国際弁理士法人
- 【被請求人代理人】三上 真毅
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 大山 健
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T132 .1 -Y (W0620)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6264690号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6264690号商標(以下「本件商標」という。)は、「PIO」の欧文字を上段に、「ピオ」の片仮名を下段に書してなり、令和元年9月12日に登録出願、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製間仕切り壁,金属製建造物組立てセット,金属製建具」及び第20類「家具,つい立て,びょうぶ,ベンチ」を指定商品として、同2年6月30日に設定登録されたものである。
そして、本件審判請求の登録日は、令和5年11月30日であり、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和2年(2020年)11月30日ないし同5年(2023年)11月29日である(以下「要証期間」という。)。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製間仕切り壁,金属製建造物組立てセット,金属製建具」及び第20類「家具」(以下「取消請求商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者によって指定商品中、取消請求商品について一度も使用された事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
請求人は、本件審判の請求に先立って調査機関に依頼して、商標権者の業務内容、取扱商品の範囲、及び本件商標の使用の実態について、取引先に対する照会等を含め調査を実行した。
しかしながら、取消請求商品に関し本件商標が使用されたことを示す資料を発見することはできなかった。また、本件商標について専用使用権者又は通常使用権者の登録もされておらず、それらの存在をうかがわせる資料も存在しない。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人の答弁に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
1 被請求人
被請求人は、オフィス家具の大手企業である。ITOKIグループは、被請求人、連結子会社33社、非連結子会社5社及び関連会社2社で構成され、ワークプレイス事業、設備機器・パブリック事業及びIT・シェアリング事業の3つを主たる事業領域として、世界的に事業展開している(乙1)。
2 本件商標及び取消請求商品
本件商標は、欧文字「PIO」と、その読み方を表した片仮名「ピオ」を上下二段に配した構成からなり、被請求人が所有する登録商標として現に有効に存続している(甲1、甲2)。
3 「家具」における本件商標の使用
被請求人は、仕事にも健康にも良い行動をする「Workcise(ワークサイズ)」をオフィス内で取り入れ、健康的でリラックスしながら、2名ないし4名でのミーティングや情報共有、ストレッチ等の簡単なエクササイズができる商品を開発し、当該商品のコンセプト「パーク・イン・オフィス」(Park In Office:オフィス内の公園)の頭文字から本件商標「PIO」を採択し、「ピオシリーズ」の名称で販売している(乙2)。当該商品には、2名用の「ピオホーム」と4名用の「ピオフレーム」の2種類があり、顧客のニーズや用途に合わせて、各種オプション(例えば、つり輪、もたれバンド、片面ホワイトボード、ディスプレイマウント)を用意しており、本体とは別に、追加オプションの個別発注により、有償で販売及び提供している。当該オプションには、円型の「ハイテーブル」(型番:LPF-060HT)が含まれており(乙2)、被請求人の商品カタログ(2022-2023、価格改訂版)に掲載された「ピオシリーズ」の利用イメージ写真(163ページ)には、オフィス内に設置された「ピオフレーム」で、円型の「ハイテーブル」を囲んで、打ち合わせしている様子が描かれているところ(乙2)、当該「ハイテーブル」は「事務用テーブル」であり、第20類「家具」に含まれる。
乙第4号証は、被請求人の関西支社(乙2)が、2023年4月24日付けで、法人顧客(大阪市中央区北浜・・・)に提供した見積書の控えである。見積書(乙4)の5ページには、「ハイテーブル」の型番(LPF-060HT-W9W9)、数量(1台)、及び名称「PiOハイテーブル」が記載されている。「ハイテーブル」は脚の高いテーブルの一般名称であることから、「PiO」の文字部分が出所標識と認識される。また、乙第5号証は、上記法人顧客が、2023年5月17日付けで発行した被請求人への注文書である。さらに、乙第6号証は、上記法人顧客が、被請求人から商品を受領したことを示す受領書である。乙第4号証ないし乙第6号証の日付(発行日及び納入日)はそれぞれ要証期間に該当する。
本件商標は、欧文字「PIO」と、その読み方を表した片仮名「ピオ」を上下二段に配した構成からなるところ、乙第4号証及び乙第6号証における「PiO」の文字部分は、本件商標の欧文字部分の2文字目を小文字に変更したものにすぎない。そして、本件商標の欧文字部分と「PiO」の文字部分とは、その構成文字を共通にし、片仮名の有無の相違があるものの、称呼及び観念において相違はないことから、社会通念上同一の商標といえる。
被請求人の行為は、商標法第2条第3項第8号の「商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して頒布する行為」に該当する。
4 結語
以上により、被請求人は、要証期間に、本件商標の指定商品中、「家具」に属する商品の販売を行っており、当該商品の広告、価格表及び取引書類に本件商標と社会通念上同一の商標を表示することにより、本件商標をその取消請求商品に使用した。
第4 当審の判断
1 被請求人提出の乙各号証によれば、以下のとおりである。
(1)カタログ(乙2)
乙第2号証は、被請求人が作成したカタログであるところ、その表表紙に「ITOKI」、「2022-2023」、「価格改訂版」の記載があり、その裏表紙に、「会社概要/ネットワーク・全国事業所(2022年12月現在)」、「イトーキ総合カタログ/2022-2023/2022年12月発行 発行:株式会社イトーキ」、「※組織名称、所在地等は変更する場合がございますので、弊社ホームページhttps://www.itoki.jp/をご覧願います。」の記載がある。
また、カタログ(乙2)の2葉目には、「ピオシリーズ」の標題下に、「パーク・イン・オフィスをつくる/ピオシリーズは、「仕事にも健康にも良い行動」をする「Workcise(ワークサイズ)」が自然にできるような仕掛けを組み込んでいます。/また、遊具のような形状はオフィスの中に公園のような、楽しい空間をつくり出します。」との記載があり、2葉目及び3葉目には、「PiO home/ピオホーム」及び「PiO frame/ピオフレーム」の表示とともに、略長方形形状のフレーム内に、つり輪、もたれバンド、ハイテーブルなどの家具を配置して、複数人で打ち合わせなどを行っている様子を写した画像が掲載されている。また、3葉目の右上に、「ピオシリーズ/PiO series」の表示がある。
さらに、カタログ(乙2)の4葉目には、「ピオシリーズ」の標題下に、「■ピオシリーズ オプション対応表」の表内に、「ピオホーム」及び「ピオフレーム」の「本体」について、「もたれバンド」、「つり輪」、「支柱テーブル」などの「オプション」が設定されていることが示されており、4葉目及び5葉目には、「本体」(「ピオホーム」、「ピオフレーム」)及びオプション(もたれバンド、つり輪、支柱テーブル、ハイテーブル等)について、それぞれの画像及び価格などの諸元が表示されている。また、5葉目の右上にも、「ピオシリーズ/PiO series」の表示がある。
(2)上記(1)から、要証期間である2022年12月頃、被請求人は、「ピオシリーズ/PiO series」の表示(以下「使用商標」(別掲)という。)を付して、被請求人が製造及び販売する「ピオホーム」、「ピオフレーム」、「もたれバンド」、「つり輪」、「支柱テーブル」、「ハイテーブル」等の商品(以下「使用商品」という。)を掲載したカタログ(乙2)を作成及び発行したと認められ、当該カタログ(乙2)は被請求人が製造及び販売する商品を広告するためのものであるから同時期に頒布したことは推認できる。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
カタログ(乙2)には、使用商標(別掲)が付されている。
そして、当該カタログ(乙2)から、「ピオシリーズ」とは、「ピオホーム」及び「ピオフレーム」の「本体」に対して「もたれバンド」、「つり輪」、「支柱テーブル」、「ハイテーブル」などの各種「オプション」を組み込んだ一連の商品群の総称であることが理解できるから、使用商標において、自他商品識別力を発揮する要部は、二段に配置された「ピオ」の片仮名と「PiO」の欧文字であると認められる。
してみると、使用商標の要部は、本件商標と、「PIO」の欧文字と「ピオ」の片仮名の二段で構成される点で共通し、「ピオ」の称呼の点でも共通するから、社会通念上同一であるとみて差し支えない。
(2)使用商品について
カタログ(乙2)には、被請求人が製造及び販売する使用商品(「ピオホーム」、「ピオフレーム」、「もたれバンド」、「つり輪」、「支柱テーブル」、「ハイテーブル」等の商品)が掲載され、これら使用商品は、机類や椅子類を含むものであるから、取消請求商品中、第20類「家具」の範ちゅうに属すると認められる。
(3)使用行為、使用時期、使用者について
被請求人は、要証期間である2022年12月頃、使用商標を付して、被請求人が製造及び販売する使用商品を掲載したカタログ(乙2)を頒布し、自社の商品を広告したことが認められるから、商標権者が要証期間に商標法第2条第3項第8号に規定する使用行為を行ったと認めることができる。
(4)小括
上記(1)ないし(3)からすれば、商標権者は、要証期間に、日本国内において本件審判の請求に係る指定商品中、第20類「家具」の範ちゅうに属する商品の販売に際して、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付したカタログを頒布して使用商品を宣伝した(商標法第2条第3項第8号に該当。)と認めることができる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その審判の請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたことを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の取消請求商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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