商標取消審判
2023-300359
ウオーピッグ
- 審判番号
- 2023-300359
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2015-036271
- 登録番号
- 5790717
- 請求日
- 2023年06月01日
- 審決日
- 2024年11月14日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】コビイェン ブリューパブ アンパーツゼルスカブ
- 【請求人代理人】青木 篤
- 【請求人代理人】田島 壽
- 【被請求人】ケイツー スポーツ エルエルシー
- 【被請求人代理人】弁理士法人谷・阿部特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 富澤 哲生
- 分類
- T131 .1 -Y (W28)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第2号、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5790717号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5790717号商標(以下「本件商標」という。)は、「WARPIG」の欧文字を標準文字で表してなり、平成27年4月14日に登録出願、同年9月4日に第28類「スノーボード」を指定商品として設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和5年6月14日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和2年6月14日~令和5年6月13日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求め、審判請求書にて、その理由を要旨以下1のように述べた。
1 本件商標は、本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)に使用されている事実を発見できず、また、本件商標について、専用使用権、通常使用権の登録もされておらず、したがって、これらの者による使用の事実もないから、商標法第50条第1項の規定に基づき、上記のとおりの審決を求める次第である。
2 しかしながら、請求人は、被請求人が提出した令和5年8月17日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)、及び同6年3月6日付け審判事件回答書(以下「回答書」という。)のいずれに対しても、何ら弁駁・意見をしていない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書及び回答書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第11号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、以下、証拠の表記に当たっては、乙第1号証を「乙1」のように省略して表示する場合があり、枝番号を含む号証で、枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。
1 答弁の理由
本件商標は、要証期間に日本国内において商標権者又は通常使用権者により、その指定商品について使用されているから、その登録は維持されるべきである。
2 回答書による主張
審尋の暫定的見解について、以下のとおり回答する。
(1)「株式会社K2ジャパン」について
商標権者は、我が国における商標権者ブランドのスキー・スノーボード等の輸入販売、及びアジア向け輸出を、その100%子会社である株式会社K2ジャパン(以下「K2ジャパン社」という。)を通して行っている(乙7)。
商標権者は、K2ジャパン社の全議決権を有しており(乙8)、商標権者が有する登録商標の全てについて同社に黙示の使用許諾を行っている状況にあり、K2ジャパン社は本件商標の通常使用権者である。
なお、K2ジャパン社は、カタログ(乙1~乙3)においては自らの表示として「K2 JAPAN」を用いている。
(2)商品カタログの頒布について
乙第9号証は、「The Internet Archive」という会社の運営するデジタルアーカイブである「ウェイバックマシーン」上で、2022年8月11日時点のK2ジャパン社のウェブサイトを印字したものであり、本号証の第2頁には、K2ジャパン社の商品カタログ(2022-2023)(乙2)の表紙と裏表紙が掲載されており、その下部に「22-23モデルカタログダウンロードはこちら」との表示がある。
したがって、要証期間中である2022年8月11日の時点に、カタログ(乙2)が、一般公衆による閲覧可能な状態に置かれていた事実が確認できる。
(3)商品に係る品番について
K2ジャパン社の2020年度ないし2023年度発注書フォームを、乙第10号証として提出する。
2020年度発注書フォーム(乙10-1)には、「MEN’S BORAD」(男性用スノーボード)と品名「WARPIG」の表示があり、WARPIGがスノーボードの商品名であることがわかる。
さらに、WARPIGの品番として、「R20020071142」、「R20020071148」、「R20020071151」、「R20020071154」及び「R20020071158」の表示が記載されている。
発注書フォーム(乙10-1)に表示された上記品番は、出荷日が2020年10月8日付けの「株式会社K2ジャパン出荷伝票(仕入伝票)」(乙6-1)に記載の品番と一致しており、同出荷伝票(乙6-1)に記載の各商品がスノーボードであることがわかる。
別年度の発注書フォーム(乙10-2~乙10-4)においても、上記品番の最初の「R20」を、それぞれ「R21」、「R22」、「R23」に変更した品番が記載され、対応年度の「株式会社K2ジャパン出荷伝票(仕入伝票)写し」(乙6-2~乙6-4)に記載の品番に一致している。
したがって、乙第6号証に記載されている各品番がスノーボードに係るものであることが確認できる。
また、乙第11号証の写真(第4頁、第6頁)においても、2020年度発注書フォーム(乙10-1)に掲載されている品番「R20020071148」が表示されたシールがスノーボード本体に貼付されており、当該品番が商品名WARPIGのスノーボードの品番であることがわかる。
さらに、2023年度発注書フォーム(乙10-4)においては、「カテゴリー」、「品番」及び「品名」の欄があるところ、2023年度発注書フォーム(乙6-4)に記載の品番の行をみると、品名欄に「WARPIG」と記載され、商品のカテゴリーには「board」と記載されていることから、当該品番及び本件商標がスノーボードに使用されている事実が認められる。
よって、これらの品番を有する商品の譲渡を示した乙第6号証が、スノーボードを譲渡した際の書類であることが確認できる。
(4)まとめ
上述により、乙第6号証が本件商標を付した商品の販売行為(商標法第2条第3項第2号)、乙第2号証等が広告的使用行為(同項第8号)を立証するものであることが確認できるものと思料する。
第4 当審の判断
1 事実認定
(1)被請求人の主張及び乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。
ア 乙第2号証について
乙第2号証は、被請求人が、K2ジャパン社の商品カタログ(2022-2023)と主張するものであり、1葉目において、黒色の四角形の図形中に白色の文字で記載された「RIDE SNOWBOARD CO.」及び「CATALOG 22/23」の記載があり、また、2葉目において、スノーボーダーがスノーボードをしている風景写真が掲載され、その左下に、縦置きにしたスノーボードの表面及び裏面をそれぞれ撮影したと思われる2枚の写真が掲載され、それらの下に、「¥82,500(税込)」の記載があり、上記風景写真の右下に、「WARPIG」の記載、その下に、「・・・独特なWARPIGのシェイプは近年のスノーボードでは類を見ない多様性を持ち合わせていて、オールマウンテン、フリースタイル、どちらのカテゴリーでも抜群のパフォーマンスを発揮します。・・・WARPIGは誰もが認めるオールマウンテンボードです。」の記載がある。
さらに、3葉目において、上部に、スノーボーダーの集合写真が掲載され、下部に、「K2 JAPAN」の記載及び住所、電話番号等の記載がある。
イ 乙第6号証について
(ア)乙第6号証-1ないし乙第6号証-4は、いずれも「出荷伝票(仕入伝票)」であり、これらは、その表題の記載の下に3個の表示枠又は表が左右に並べて提示されている点、及びこれらの表示枠等のうち、左側の上下に3分割された表示枠の1行目に「株式会社ウスイ 様」の記載があり、中央の表の7行目に「出荷日」欄、同8行目に「納品日」欄がそれぞれ設けられており、右側の単一の表示枠に、「K2 SPORTS」及び「株式会社K2ジャパン」の各記載、並びに上記アで述べた乙第2号証の3葉目におけるものと一致する住所、電話番号等の記載がある点で共通しており、さらに、これらの表示枠等の下に、見出しが「No.」、「品名・色・サイズ・カラー」及び「数量」の各列を含む表が示されている点でも共通している。
(イ)そして、乙第6号証-3においては、「出荷日」欄に「2022/05/11」の記載、「納品日」欄に「2022/05/12」の記載、「No.」が「3」ないし「6」に対応する「品名・色・サイズ・カラー」の各欄に、いずれも「WARPIG」を含む文字の記載があり、例えば、「No.」が「3」の「品名・色・サイズ・カラー」は「WARPIG XSMALL 142」、「数量」は「1」である。
(ウ)また、乙第6号証-4においては、「出荷日」欄に「2023/06/01」の記載、「納品日」欄に「2023/06/02」の記載、「No.」が「16」ないし「20」に対応する「品名・色・サイズ・カラー」の各欄に、いずれも「WARPIG」を含む文字の記載があり、例えば、「No.」が「16」の「品名・色・サイズ・カラー」は「WARPIG XSMALL 142」、「数量」は「1」である。
ウ 乙第7号証について
乙第7号証は、被請求人が、K2ジャパン社のウェブサイトと主張するものであり、1葉目の上部に、「K2は、1962年に、ワシントン州のピュージェット湾にあるバーション島にあるアメリカンスキーカンパニーとして生まれました。2003年にK2 Sportsに改名され、現在はシアトルに拠点を置く同社は、今日、当社の製品とサービスの革新、マーケティング、品質のリーダーとして認められている世界的に有名な国際ブランドです。」の記載があり、下部に、「株式会社K2ジャパン」の記載及び同社の「所在地」、「設立」、「事業内容」及び「取引銀行」についてそれぞれ記載した各欄が提示されている。
そして、「事業内容」欄には、「米国K2社ブランドのスキー・スノーボード・インラインスケート中心に、グループ商品のアパレル・アウトドア用品の輸入販売、及びアジア向け輸出」の記載がある。
エ 乙第8号証-1について
乙第8号証-1は、被請求人が、K2ジャパン社の株主を示す証明書と主張するものであり、上部の「証明書」の表題の下に、「次の対象に関する商業登記規則61条2項又は3項の株主は次のとおりであることを証明する。」の記載があり、その下の「対象」の文字が記載された欄を含む表中、「株主総会等又は総株主の同意等の別」に対応する欄に「株主総会」の記載、「上記の年月日」に対応する欄に「平成29年7月14日」の記載がある。
また、上記表の下の「氏名又は名称」の文字が記載された欄を含む表中、「氏名又は名称」に対応する欄に「ケイツー スポーツ エルエルシー(K2 Sports,LLC)」の記載、「議決権数の割合」に対応する欄に「100%」の記載があり、さらに、この表の下の「証明書作成年月日」の文字が記載された欄を含む表中、「証明書作成年月日」に対応する欄に「平成29年7月14日」の記載、「商号」に対応する欄に「株式会社ケイツージャパン」の記載がある。
オ 乙第9号証について
乙第9号証は、被請求人が、K2ジャパン社の2022年8月11日時点におけるデジタルアーカイブと主張するものであり、1葉目の上部に、「The Wayback Machine - https://web.archive.org/web/20220811181157/http://k2japan.com/brand/ride.html」の記載、2葉目の中ほどに、「TOPCS」の記載、その下に、上記アで述べた乙第2号証の1葉目及び3葉目におけるものと一致する、「RIDE SNOWBOARD CO.」及び「CATALOG 22/23」の記載を含む黒色の四角形、並びにスノーボーダーの集合写真が掲載され、それらの下に、「Catalogue Download」及び「22-23モデルカタログダウンロードはこちら」の各記載がある。
また、3葉目の左下に、「K2 JAPAN」の記載及び住所、電話番号等の記載がある。
(2)上記(1)によれば、次の事実を認めることができる。
ア 乙第7号証に記載の「K2 Sports」及び「米国K2社」は、いずれも商標権者を指しているものと解される。
よって、K2ジャパン社は、商標権者が所有するブランドのスノーボード等の輸入販売及びアジア向け輸出を事業内容とする会社であると認められる。
イ 「証明書」(乙8-1)によれば、K2ジャパン社は、平成29年7月14日以降、商標権者の100%子会社であって、本件商標の使用について商標権者から黙示の許諾を受けているものと認められる。
ウ K2ジャパン社は、2022年8月11日の時点で、「RIDE SNOWBOARD CO.」及び「CATALOG 22/23」の記載を含む黒色の四角形、及びスノーボーダーの集合写真が掲載された、「22-23モデルカタログ」と称するカタログ(以下「本件カタログ」という。)をダウンロード可能なウェブページを公開していた(乙9)。
そして、上記四角形及び上記集合写真が、いずれも乙第2号証におけるものと一致しているから、本件カタログに、乙第2号証が示すとおりの内容が含まれていたことは明らかである。
エ 本件カタログの記載(乙2)によれば、「WARPIG」は、商品「スノーボード」の名称であり、本件カタログが「22-23モデルカタログ」と称されること及び「CATALOG 22/23」の記載は、本件カタログに掲載された当該商品が、主として2022年から2023年にかけての冬季シーズンに向けたものであることを示すものと解され、また、「出荷伝票(仕入伝票)」(乙6-3、乙6-4)の記載によれば、K2ジャパン社は、2022年5月11日及び2023年6月1日の少なくともいずれか一方に、当該商品を実際に出荷したものと認められる。
そして、K2ジャパン社による、商品「スノーボード」に関する情報が掲載された本件カタログをダウンロード可能なウェブページの公開、及び当該商品の出荷が、上記アの事業内容の一環として、また、上記イの許諾の下で行われたことは明らかである。
オ 以上から、本件商標の通常使用権者であるK2ジャパン社は、2022年8月11日に、商品「スノーボード」に関する広告を内容とする情報を、「WARPIG」の欧文字(以下「使用商標」という。)を付して、インターネット上で公開したことが認められる。
2 判断
上記1からすれば、次のとおり判断できる。
使用商標の欧文字は、本件商標と同一のつづりからなるものであるから、使用商標は、本件商標と同一の商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。以下同じ。)であると認められ、商品「スノーボード」は、本件商標の指定商品に該当する商品であり、また、本件商標の通常使用権者が、当該商品に関する広告を内容とする情報を、使用商標を付して、インターネット上で公開した行為を行った2022年(令和4年)8月11日は、要証期間である。
そして、当該行為は、商標法第2条第3項第8号にいう、商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者が、その指定商品に該当する商品について、本件商標と同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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