商標取消審判
2022-300915
ナノラボ、ナノラブ
- 審判番号
- 2022-300915
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2014-031020
- 登録番号
- 5722912
- 請求日
- 2022年10月14日
- 審決日
- 2023年08月15日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ナノ ラボス リミテッド
- 【請求人代理人】有馬 百子
- 【被請求人】株式会社 インフォコア
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大森 友子
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- T132 .1 -Y (W0928) / T132 .11 -Y (W0928)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5722912号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5722912号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1の構成からなり、平成26年4月9日に登録出願され、第9類「理化学機器,測定機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」、第28類「がん具,遊戯用具及び運動用具」及び第41類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定商品及び指定役務として、同年12月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年10月31日であり、その請求の登録前3年以内の同元年10月31日から同4年10月30日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「全指定商品」及び第28類「全指定商品」(以下「請求に係る指定商品」という。)についての商標登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、答弁に対し弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出している。
本件商標権者(被請求人)は、店舗及びそのHPやWebショップで、各種電子機器、工作キット、遊具・遊戯・教育用の商品販売・サービス提供する際に継続的かつ広範囲に本件商標を利用しており、例えば、店舗、Webショップの運営に係る、案内・告知、販売促進、商品パッケージ等がある。
第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び同人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者は、東京都千代田区外神田において「創造空間ナノラボ」という工作スペースを提供する店舗を運営している(乙1、乙3、乙4)。
(2)2022年12月15日に撮影された写真(乙8)によれば、本件商標権者は、当該店舗の受付に、店舗名称である「創造空間ナノラボ」と別掲2(1)の標章(以下「使用商標1」という。)が表示された店舗の利用案内を掲示しており、後記(4)の各販売がなされた際にも、当該店舗の受付にこの利用案内が掲示されていたものと推認される(乙8)。
当該利用案内には、基本座席料等、工作スペースの利用に係る料金等に加え、「物品販売」について「値札をご確認いただき、カウンターまでお持ちください」との記載があり、また、当該利用案内が2019年1月現在の料金・サービスを示す旨が記載されているものと認められる(乙8)。
なお、創造空間ナノラボのウェブサイトの「ご利用案内」下に掲載されている2019年6月現在の料金・サービスを示す旨が記載された店舗の利用案内(乙1)においても、2019年1月現在のもの(乙8)と同様に、店舗名称及び使用商標1に加えて、「物品販売」について「値札をご確認いただき、カウンターまでお持ちください」との記載があり、2019年1月現在の料金・サービスを示す旨が記載された店舗の利用案内と、一部の記載が異なるものの、ほぼ同様の内容を記載したものとなっている。
(3)当該ウェブサイトには、当該店舗において、オリジナル工作キットやドローンの本体及び部品等の販売を行っている旨及びWebショップのある旨が記載されており、また、上記(2)の写真に、店舗の物販コーナーにトイドローン等の物品が展示販売されている様子が示されていることから、後記(4)の各販売がなされた際にも、当該店舗において、トイドローン等の物品の展示販売が行われていたものと推認される(乙1、乙8)。
(4)本件商標権者は、2022年8月5日に、店舗に来店した者に8580円の物品を掛け売りにより販売し、同年9月17日に、店舗に来店した者から物品販売の対価8000円を含む12400円を現金により領収した(乙8)。
(5)本件商標権者は、東京都市大学の依頼により、令和3年2月20日及び同4年2月22日に、車両型ロボット一式(ANIMABOT Beatle トレーシングカー版)等の商品を、同大学に納品した(乙10)。
(6)「ANIMABOT Beatle」という商品の包装箱の側面には、別掲2(2)の標章(以下「使用商標2」という。)が表示されており、さらに、同側面及び同箱の天面には、「ANIMABOT」「Beatle」等の文字や組み立て後の別掲3のロボットを示す図柄が印刷されたラベルが貼付されている(乙9)。
「ANIMABOT Beatle」という商品は、いくつかの部品及び「組み立て&操作マニュアル」(以下「マニュアル」という。)によって構成されており、その21ページには、プログラムの書換えによってロボットにオリジナルの操作を行わせることができる旨の記載がある(乙9)。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
ア 本件商標は、別掲1のとおり、胴部に7穴を有する8歯の歯車をその上下に配された青色の凹凸を有する略長方形と左右に配された赤色の三角形によって囲んだ図形と、その右横に「Nano Lab.」の欧文字を配してなるものである。
イ これに対し、使用商標1は、別掲2(1)のとおりの構成からなり、胴部に7穴を有する8歯の歯車をその上下に配された青色の凹凸を有する略長方形と左右に配された赤色の三角形によって囲んだ図形とその右側に「Nano Lab.」の欧文字と「ご利用案内」の文字を2段に表してなるものであるところ、このうち、「ご利用案内」の文字は、使用商標1が表示されているものが利用案内である旨を示すものであって識別力がないか弱いことが明らかである。
そして、本件商標と使用商標1の図形及び「Nano Lab.」の欧文字の部分とは、欧文字の書体と配置に若干の違いはあるものの、胴部に7穴を有する8歯の歯車をその上下に配された青色の凹凸を有する図形と左右に配された赤色の三角形によって囲んだ図形と「Nano Lab.」の欧文字の組み合わせからなるものであって、称呼も同じである。
よって、使用商標1は、本件商標と社会通念上同一のものといえる。
ウ また、使用商標2は、別掲2(2)のとおり、胴部に7穴を有する8歯の歯車をその上下に配された凹凸を有する略長方形と左右に配された三角形によって囲んだ図形と、その下に「Nano Lab.」の欧文字を配し、更に、当該図形の上に「http://nanolab.jp」の欧文字を配して全体を略四角形の輪郭線で囲む構成からなるものである。
しかしながら、使用商標2の構成中、「http://nanolab.jp」の文字の部分は、図形及び「Nano Lab.」の欧文字の部分に比して相当に小さく表されている上に、図形と空間を挟んで配置されているから、外観上分離して看取され、また、当該文字はインターネットのURLを表したものであって、図形及び「Nano Lab.」の欧文字の部分との観念的な結びつきも見いださないから、当該文字の部分と図形及び「Nano Lab.」の欧文字の部分は、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。
また、略四角形は、輪郭線にすぎないものであり、自他商品の識別標識としての機能は見いだせない。
そして、本件商標と使用商標2の図形及び「Nano Lab.」の欧文字の部分とは、その配置に左右及び上下の差異があり、色彩も異なるものの、胴部に7穴を有する8歯の歯車をその上下に配された凹凸を有する略長方形と左右に配された三角形によって囲んだ図形と「Nano Lab.」の欧文字の組み合わせからなるものであって、称呼も同じである。
よって、使用商標2は、本件商標と社会通念上同一のものといえる。
エ 以上によれば、使用商標1及び使用商標2は、いずれも、本件商標と社会通念上同一のものといえる。
(2)使用者について
ア 上記1(1)ないし1(3)によれば、本件商標権者は、トイドローンを含む物品の展示販売を行う店舗において使用商標1を表示した利用案内を展示していることから、使用商標1の使用者は、当該店舗の運営者である本件商標権者であることが明らかである。
イ 上記1(5)によれば、本件商標権者は、東京都市大学の依頼により、「車両型ロボット一式(ANIMABOT Beatleトレーシングカー版)」という商品を同大学に納品していることから、当該納品に係る後述の商品の包装箱に使用商標2を付したのは、本件商標権者であると推認できる。
ウ よって、使用商標1及び使用商標2のいずれについても、使用者は、本件商標権者である。
(3)使用商品について
ア 本件商標権者は、当該店舗でトイドローン(以下「使用商品1」という。)を含む物品を展示販売し、また、その旨を示す利用案内を当該店舗に掲示していたものと推認されるところ、使用商品1は、トイドローン、つまり、総重量が100グラム未満の模型航空機であることから、請求に係る指定商品に含まれる第28類の「がん具」に該当することが明らかである。
イ 上記1(5)のとおり、本件商標権者は、「車両型ロボット一式(ANIMABOT Beatleトレーシングカー版)」という商品を東京都市大学に納品しているところ、当該商品はその商品名より上記1(6)の「ANIMABOT Beatle」(以下「使用商品2」という。)であると認められる。そして、使用商品2は、その包装箱のロボットを示す図柄、その構成物及び、マニュアルの「プログラムを書き換える」等の表示より、ホビー用の電子工作キットであることが明らかであるから、使用商品2は、請求に係る指定商品に含まれる第28類の「がん具」の範ちゅうのものといえる。
ウ よって、使用商品1及び使用商品2は、いずれも、請求に係る指定商品の範ちゅうのものである。
(4)使用時期について
ア 上記1(2)及び1(4)によれば、本件商標権者は、2022年8月5日及び同年9月17日に当該店舗に来店した者に展示販売された物品を販売し、その際、当該店舗における物品販売について記載した利用案内を当該店舗に掲示したものと推認でき、このことから、これらの日において上記(3)アの使用商品1を含む物品を当該店舗において販売のために展示するとともに、その旨を示すとともに使用商標1を表示した利用案内を当該店舗に展示していたものと認められる。そして、これらの日は、いずれも要証期間内である。
イ 上記(3)イの使用商品2の納品の時期は、令和3年2月20日及び同4年2月22日であり、いずれも要証期間内である。
ウ よって、使用商標1及び使用商標2のいずれについても、使用時期は、要証期間内である。
(5)使用行為について
ア 本件商標権者は、使用商品1を含む物品の販売を行う店舗の受付において当該店舗において物品販売がなされている旨を示した利用案内を展示していることから、この利用案内は、当該店舗において販売される物品である使用商品1の広告に該当するといえる。
してみると、本件商標権者は、要証期間内に請求に係る指定商品の範ちゅうの商品に関する広告に使用商標1を付したものを日本国内にある本件店舗内に展示する行為を行ったものといえ、この行為は、商標法第2条第3項第8号の使用行為に該当する。
イ 本件商標権者は、包装箱に使用商標2を付した使用商品を、東京都市大学に納品したものであって、当該取引に不自然なところはない。
してみると、本件商標権者は、要証期間内に請求に係る指定商品の範ちゅうの商品の包装に、本件商標と社会通念上同一の商標である使用商標2を表示したものを納品し引き渡したものといえ、この行為は、商標法第2条第3項第2号の使用行為に該当する。
3 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標権者が請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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