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特許拒絶査定不服審判

2023-020842

近視を治療するための光散乱レンズおよび光散乱レンズを含む眼鏡

審判番号
2023-020842
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-530991
請求日
2023年12月07日
審決日
2024年08月21日
公報発行日
2024年09月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】サイトグラス・ヴィジョン・インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】村山 靖彦
  • 【請求人代理人】実広 信哉
  • 【請求人代理人】阿部 達彦
審判長/審判官
  • 審判長 神谷 健一
  • 審判官 廣田 健介
  • 審判官 河原 正
分類
P18 .121-WY (G02C) / P18 .572-WY (G02C)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法17条の2第5項特許法53条1項特許法159条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2021-530991「近視を治療するための光散乱レンズおよび光散乱レンズを含む眼鏡」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 6月 4日国際公開、WO2020/113212、令和 4年 1月26日国内公表、特表2022-510293、請求項の数(25)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続等の経緯 特願2021-530991号(以下「本件出願」という。)は、2019年(令和1年)12月2日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2018年(平成30年)11月30日 米国)を国際出願日とする出願であって、その手続等の経緯の概要は、以下のとおりである。 令和 4年 8月24日付け:拒絶理由通知書 令和 4年12月 5日 :手続補正書、意見書の提出 令和 5年 2月28日付け:拒絶理由通知書 令和 5年 5月30日 :手続補正書、意見書の提出 令和 5年 7月27日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) 令和 5年12月 7日 :審判請求書の提出 令和 5年12月 7日 :手続補正書の提出 第2 補正の却下の決定 1.補正の却下の決定の結論 令和5年12月7日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 2.補正の却下の決定の理由 (1)本件補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲について補正するものであり、この補正により、後記アに示す本件補正前(令和5年5月30日にされた手続補正後をいう。)の請求項1~25が、後記イに示す本件補正後の請求項1~24に補正された(下線は補正箇所を示す。)。 ア 本件補正前の特許請求の範囲 「 【請求項1】 眼鏡用の眼科用レンズであって、前記眼科用レンズが、 互いに対向する2つの曲面を有するレンズ材料と、 複数の散乱中心を含む光散乱領域と、 前記光散乱領域によって囲まれ、かつ、前記眼科用レンズの垂直軸上に位置する第1の開口部であって、透明な、または、前記光散乱領域と比較して低減された散乱中心の密度及び屈折率を有する、第1の開口部と、 前記光散乱領域の一部によって前記第1の開口部から分離される第2の開口部であって、透明な、または、前記光散乱領域と比較して低減された散乱中心の密度及び屈折率を有する、第2の開口部と、 を備え、 前記第2の開口部が、前記眼科用レンズの垂直軸に対して0でない角度αを画定する軸に沿って前記第1の開口部からずらされている、眼科用レンズ。 【請求項2】 屈折力を有する、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項3】 前記光散乱領域を囲む透明な区域をさらに備え、前記眼科用レンズの前記透明な領域と前記光散乱領域の分離が、前記散乱中心の密度及び屈折率の緩やかな変化を介して調和された、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項4】 単焦点レンズである、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項5】 多焦点レンズである、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項6】 前記多焦点レンズが累進レンズまたは自由形状レンズである、請求項5に記載の眼科用レンズ。 【請求項7】 前記多焦点レンズが二焦点レンズである、請求項5に記載の眼科用レンズ。 【請求項8】 前記眼科用レンズが、前記第1の開口部に第1の屈折力を、前記第2の開口部に第2の屈折力を有し、前記第1の屈折力と前記第2の屈折力が異なる、請求項5に記載の眼科用レンズ。 【請求項9】 前記第1の屈折力が、遠距離視界についてのユーザの屈折誤りを補正するように選択される、請求項8に記載の眼科用レンズ。 【請求項10】 前記第2の屈折力が、近距離視界についてのユーザの屈折誤りを補正するように、または近距離視界の作業での補助をするため拡大するように選択される、請求項9に記載の眼科用レンズ。 【請求項11】 前記第2の屈折力が、前記第1の開口部を通した遠距離視界中の近視の周辺デフォーカスを可能にする正である、請求項9に記載の眼科用レンズ。 【請求項12】 前記第1の開口部が、レンズ光軸上をほぼ中心とする、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項13】 前記第2の開口部が、レンズ光軸からずらされる、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項14】 前記第1の開口部を前記第2の開口部から分離する前記光散乱領域の区域が、前記光散乱領域の他の区域と比較して、異なる光散乱特性を有する、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項15】 前記第1の開口部を前記第2の開口部から分離する前記光散乱領域の前記区域が、前記第1の開口部と前記第2の開口部の間に、ユーザの自然の両眼転導にしたがった散乱を減らした経路を規定する、請求項14に記載の眼科用レンズ。 【請求項16】 前記第2の開口部が前記光散乱領域によって囲まれる、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項17】 前記第2の開口部が前記透明な区域と連続する、請求項3に記載の眼科用レンズ。 【請求項18】 前記複数の散乱中心が、前記第1の開口部または前記第2の開口部と比較して、前記光散乱領域を通って見られる画像のコントラストを減らすようにサイズ決定および配置される前記複数の散乱中心を含む、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項19】 請求項1から18のいずれか一項に記載の眼科用レンズを備える、眼鏡。 【請求項20】 前記角度αが、ユーザの視線の向きが前記第1の開口部から前記第2の開口部に移行するときの前記ユーザの目の経路に対応する、請求項19に記載の眼鏡。 【請求項21】 前記角度αが、遠距離視界から近距離視界へと切り替わるときの、ユーザの目の自然な両眼転導の経路に対応する、請求項19に記載の眼鏡。 【請求項22】 αが、5°から20°の範囲にある、請求項19に記載の眼鏡。 【請求項23】 前記眼科用レンズの前記第1の開口部及び前記第2の開口部の少なくとも1つが、前記眼鏡の垂直方向に細長い、請求項19に記載の眼鏡。 【請求項24】 前記眼科用レンズの前記第1の開口部及び前記第2の開口部の少なくとも1つが、前記眼鏡の水平方向に細長い、請求項19に記載の眼鏡。 【請求項25】 前記第1の開口部及び前記第2の開口部の少なくとも1つが、前記眼鏡の使用中の近距離視界用に配置される、請求項24に記載の眼鏡。」 イ 本件補正後の特許請求の範囲 「 【請求項1】 眼鏡用の眼科用レンズであって、前記眼科用レンズが、 互いに対向する2つの曲面を有するレンズ材料と、 複数の散乱中心を含む光散乱領域と、 前記光散乱領域によって囲まれ、かつ、前記眼科用レンズの垂直軸上に位置する第1の開口部であって、透明な、または、前記光散乱領域と比較して低減された散乱中心の密度及び屈折率を有する、第1の開口部と、 前記光散乱領域の一部によって前記第1の開口部から分離される第2の開口部であって、透明な、または、前記光散乱領域と比較して低減された散乱中心の密度及び屈折率を有する、第2の開口部と、 を備え、 前記第2の開口部が、前記眼科用レンズの垂直軸に対して0でない角度αを画定する軸に沿って前記第1の開口部からずらされており、 前記角度αが、遠距離視界から近距離視界へと切り替わるときの、ユーザの目の自然な両眼転導の経路に対応する、眼科用レンズ。 【請求項2】 屈折力を有する、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項3】 前記光散乱領域を囲む透明な区域をさらに備え、前記眼科用レンズの前記透明な領域と前記光散乱領域の分離が、前記散乱中心の密度及び屈折率の緩やかな変化を介して調和された、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項4】 単焦点レンズである、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項5】 多焦点レンズである、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項6】 前記多焦点レンズが累進レンズまたは自由形状レンズである、請求項5に記載の眼科用レンズ。 【請求項7】 前記多焦点レンズが二焦点レンズである、請求項5に記載の眼科用レンズ。 【請求項8】 前記眼科用レンズが、前記第1の開口部に第1の屈折力を、前記第2の開口部に第2の屈折力を有し、前記第1の屈折力と前記第2の屈折力が異なる、請求項5に記載の眼科用レンズ。 【請求項9】 前記第1の屈折力が、遠距離視界についてのユーザの屈折誤りを補正するように選択される、請求項8に記載の眼科用レンズ。 【請求項10】 前記第2の屈折力が、近距離視界についてのユーザの屈折誤りを補正するように、または近距離視界の作業での補助をするため拡大するように選択される、請求項9に記載の眼科用レンズ。 【請求項11】 前記第2の屈折力が、前記第1の開口部を通した遠距離視界中の近視の周辺デフォーカスを可能にする正である、請求項9に記載の眼科用レンズ。 【請求項12】 前記第1の開口部が、レンズ光軸上をほぼ中心とする、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項13】 前記第2の開口部が、レンズ光軸からずらされる、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項14】 前記第1の開口部を前記第2の開口部から分離する前記光散乱領域の区域が、前記光散乱領域の他の区域と比較して、異なる光散乱特性を有する、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項15】 前記第1の開口部を前記第2の開口部から分離する前記光散乱領域の前記区域が、前記第1の開口部と前記第2の開口部の間に、ユーザの自然の両眼転導にしたがった散乱を減らした経路を規定する、請求項14に記載の眼科用レンズ。 【請求項16】 前記第2の開口部が前記光散乱領域によって囲まれる、請求項1に記載の眼科用レンズ。 【請求項17】 前記第2の開口部が前記透明な区域と連続する、請求項3に記載の眼科用レンズ。 【請求項18】 眼鏡用の眼科用レンズであって、前記眼科用レンズが、 互いに対向する2つの曲面を有するレンズ材料と、 複数の散乱中心を含む光散乱領域と、 前記光散乱領域によって囲まれ、かつ、前記眼科用レンズの垂直軸上に位置する第1の開口部であって、透明な、または、前記光散乱領域と比較して低減された散乱中心の密度及び屈折率を有する、第1の開口部と、 前記光散乱領域の一部によって前記第1の開口部から分離される第2の開口部であって、透明な、または、前記光散乱領域と比較して低減された散乱中心の密度及び屈折率を有する、第2の開口部と、 を備え、 前記複数の散乱中心が、前記第1の開口部または前記第2の開口部と比較して、前記光散乱領域を通って見られる画像のコントラストを減らすようにサイズ決定および配置される前記複数の散乱中心を含む、眼科用レンズ。 【請求項19】 請求項1から18のいずれか一項に記載の眼科用レンズを備える、眼鏡。 【請求項20】 前記角度αが、ユーザの視線の向きが前記第1の開口部から前記第2の開口部に移行するときの前記ユーザの目の経路に対応する、請求項1に従属する請求項19に記載の眼鏡。 【請求項21】 前記角度αが、5°から20°の範囲にある、請求項1に従属する請求項19に記載の眼鏡。 【請求項22】 前記眼科用レンズの前記第1の開口部及び前記第2の開口部の少なくとも1つが、前記眼鏡の垂直方向に細長い、請求項19に記載の眼鏡。 【請求項23】 前記眼科用レンズの前記第1の開口部及び前記第2の開口部の少なくとも1つが、前記眼鏡の水平方向に細長い、請求項19に記載の眼鏡。 【請求項24】 前記第1の開口部及び前記第2の開口部の少なくとも1つが、前記眼鏡の使用中の近距離視界用に配置される、請求項23に記載の眼鏡。」 (2)本件補正の適否 ア 本件補正前の請求項1~25について、本件補正前の請求項2~25はいずれも請求項1の記載を直接又は間接的に引用する従属請求項であるから、本件補正前の請求項2~25は、いずれも請求項1で特定されるすべての特定事項を含むものである。 イ ここで、本件補正前の請求項1の「前記第2の開口部が、前記眼科用レンズの垂直軸に対して0でない角度αを画定する軸に沿って前記第1の開口部からずらされている」との特定事項は、請求項1の特定事項である「第1の開口部」と「第2の開口部」の位置関係を特定するものであって、発明を実質的に限定するものである。 ウ 一方、本件補正後の請求項18について検討すると、当該請求項18は、独立請求項として記載されるものであるが、本件補正前の請求項1における上記「前記第2の開口部が、前記眼科用レンズの垂直軸に対して0でない角度αを画定する軸に沿って前記第1の開口部からずらされている」との特定事項を含まないものである。 エ してみれば、本件補正のうち、請求項18に係る補正は、発明を実質的に限定する上記特定事項を削除することを含むものであるから、このような補正を含む本件補正は、請求項の削除、特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正あるいは明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものでもないことは明らかである。 (4)審判請求書における主張について ア 請求人は、本件補正について、審判請求書(3頁)において、「旧請求項18に旧請求項1を組み入れて独立項にして新請求項18とした。」と主張する。 イ しかしながら、上記(3)で検討したとおりであるから、本件補正に関する審判請求書における請求人の主張は、採用できない。 (5)むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項各号に掲げるいずれを目的としたものにも該当しない補正であり、同項の規定に違反するものである。 したがって、本件補正は、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明及び当審の判断 本件補正は、上記「第2 補正の却下の決定」のとおり、却下された。 したがって、本願の請求項1~25に係る発明は、令和5年5月30日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1~25に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。 そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-020842

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