特許拒絶査定不服審判
2023-020697
保険料算出システム及び保険料算出方法
- 審判番号
- 2023-020697
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-194899
- 請求日
- 2023年12月05日
- 審決日
- 2024年05月20日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】アニコム ホールディングス株式会社
- 【請求人代理人】本多 一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 伏本 正典
- 審判官 梶尾 誠哉
- 審判官 安井 雅史
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q) / P18 .537-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021-194899「保険料算出システム及び保険料算出方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 5年 6月 9日出願公開、特開2023- 81168、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年11月30日の出願であって、令和4年11月25日付けの拒絶理由通知に対し、令和5年2月3日に意見書が提出されるとともに手続補正がされ、同年5月2日付けの拒絶理由通知に対し、同年6月23日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、同年8月28日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対して同年12月5日に審判請求がされると同時に手続補正(以下、「本件補正」という。)がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。
1 特許法第36条第6項第2号(明確性)
本願請求項15には「前記受付手段に入力された動物の」と記載されているが、この記載よりも前に「受付手段」の記載がなく、「前記受付手段」が何を指し示しているのかが不明確であるから、請求項15に係る発明は明確でなく、本願は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
2 特許法第29条第2項(進歩性)
本願請求項1~15に係る発明は、以下の引用文献1~8に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:特許第6734457号公報
引用文献2:特開2006-323507号公報
引用文献3:中国特許出願公開第112183283号明細書
引用文献4:米国特許出願公開第2021/0201391号明細書
引用文献5:米国特許出願公開第2020/0401929号明細書
引用文献6:米国特許出願公開第2020/0327658号明細書
引用文献7:特開2019-134690号公報
引用文献8:犬の年齢を探る~推定年齢を決めるときの5つのポイント,日本,[online],2017年10月8日,URL:https://woofoo.jp/editors_desk/estimating-dogs-age、検索日:2023年8月28日
第3 本願発明
本願請求項1~15に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明15」という。)は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】
ヒトを除く動物の顔画像及び当該動物の品種に関する情報の入力を受け付ける受付手段と、
年齢判定用学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の年齢を予測判定する年齢判定手段と、
前記品種に関する情報及び前記年齢判定手段が予測判定した年齢を元に保険料を算出する保険料算出手段と、を備える保険料算出システムであって、
前記年齢判定用学習済みモデルが、ディープニューラルネットワーク又畳み込みニューラルネットワークであり、
前記年齢判定用学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢との関係を学習した学習済みモデルであることを特徴とする保険料算出システム。
【請求項2】
ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段と、
品種判定用学習済みモデルを用いて前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の品種を予測判定する品種判定手段と、
年齢判定用学習済みモデルを用いて前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の年齢を予測判定する年齢判定手段と、
前記品種判定手段が予測判定した品種と前記年齢判定手段が予測判定した年齢を元に保険料を算出する保険料算出手段と、を備える保険料算出システムであって、
前記年齢判定用学習済みモデルが、ディープニューラルネットワーク又畳み込みニューラルネットワークであり、
前記年齢判定用学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢との関係を学習した学習済みモデルであることを特徴とする保険料算出システム。
【請求項3】
ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段と、
品種判定用学習済みモデルを用いて前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の品種を予測判定する品種判定手段と、
年齢判定用学習済みモデルを用いて前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の年齢を予測判定する年齢判定手段と、
疾患判定用学習済みモデルを用いて前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の疾患に罹患するかを予測判定する疾患判定手段と、
前記品種判定手段が予測判定した品種、前記年齢判定手段が予測判定した年齢、及び前記疾患判定手段が予測判定した疾患に罹患する可能性についての情報を元に保険料を算出する保険料算出手段と、を備える保険料算出システムであって、
前記年齢判定用学習済みモデルが、ディープニューラルネットワーク又畳み込みニューラルネットワークであり、
前記年齢判定用学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢との関係を学習した学習済みモデルであることを特徴とする保険料算出システム。
【請求項4】
前記年齢判定用学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢とを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物の年齢の予測判定とする学習済みモデルである請求項1~3のいずれか一項記載の保険料算出システム。
【請求項5】
前記品種判定用学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の品種との関係を学習した学習済みモデルである請求項2又は3記載の保険料算出システム。
【請求項6】
前記品種判定用学習済みモデルが、動物の顔画像とその動物の品種に関する情報を教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物の品種の予測判定とする学習済みモデルである請求項5記載の保険料算出システム。
【請求項7】
前記疾患判定用学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の疾患との関係を学習した学習済みモデルである請求項3記載の保険料算出システム。
【請求項8】
前記疾患判定用学習済みモデルが、動物の顔画像とその動物の疾患に関する情報を教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物の疾患に罹患するかを予測判定とする学習済みモデルである請求項7記載の保険料算出システム。
【請求項9】
前記年齢判定手段が、学習済みモデルを複数備え、前記品種判定手段により予測判定された品種に応じた学習済みモデルを用いて判定を行う請求項2又は3記載の保険料算出システム。
【請求項10】
前記品種判定手段による品種の予測判定結果を、利用者が入力した予測判定結果に関する情報を用いて修正する品種判定修正手段をさらに備える請求項2又は3記載の保険料算出システム。
【請求項11】
前記年齢判定手段による年齢の予測判定結果を、利用者が入力した予測判定結果に関する情報を用いて修正する年齢判定修正手段をさらに備える請求項1~10のいずれか一項記載の保険料算出システム。
【請求項12】
動物の年齢と保険料を含む保険料テーブルを記憶する記憶部を更に備え、前記保険料算出手段が、保険料テーブルを用いて保険料を算出する請求項1~11のいずれか一項記載の保険料算出システム。
【請求項13】
コンピュータが、ヒトを除く動物の顔画像と当該動物の品種に関する情報を受け付けるステップと、
コンピュータが、学習済みモデルを用いて、前記動物の顔画像からその動物の顔画像撮影時の年齢の予測を出力するステップと、当該年齢の予測と品種に関する情報に基づいて当該動物に対する保険料を算出するステップと、を有する保険料算出方法であって、
前記学習済みモデルが、ディープニューラルネットワーク又畳み込みニューラルネットワークであり、
前記学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢とを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物の年齢とする学習済みモデルであることを特徴とする保険料算出方法。
【請求項14】
コンピュータが、ヒトを除く動物の顔画像を受け付けるステップと、
コンピュータが、品種判定用学習済みモデルを用いて前記動物の顔画像からその動物の品種を予測判定するステップと、
コンピュータが、年齢判定用学習済みモデルを用いて前記動物の顔画像からその動物の年齢を予測判定するステップと、
コンピュータが、予測判定した品種と予測判定した年齢を元に保険料を算出するステップと、を備える保険料算出方法であって、
前記年齢判定用学習済みモデルが、ディープニューラルネットワーク又畳み込みニューラルネットワークであり、
前記年齢判定用学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢との関係を学習した学習済みモデルであることを特徴とする保険料算出方法。
【請求項15】
コンピュータが、ヒトを除く動物の顔画像を受け付けるステップと、
コンピュータが、品種判定用学習済みモデルを用いて前記動物の顔画像からその動物の品種を予測判定するステップと、
コンピュータが、年齢判定用学習済みモデルを用いて前記動物の顔画像からその動物の年齢を予測判定するステップと、
コンピュータが、疾患判定用学習済みモデルを用いて前記動物の顔画像からその動物の疾患に罹患するかを予測判定するステップと、
コンピュータが、予測判定した品種と予測判定した年齢を元に保険料を算出するステップと、を備える保険料算出方法であって、
前記年齢判定用学習済みモデルが、ディープニューラルネットワーク又畳み込みニューラルネットワークであり、
前記年齢判定学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢との関係を学習した学習済みモデルであることを特徴とする保険料算出方法。」
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1) 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、以下の記載がある(下線は当審において加筆した。以下同じ。)。
「【請求項1】
ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の疾患に罹患するかを予測判定する判定手段と、を備える疾患予測システムであって、
前記学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時から所定期間内の疾患罹患の有無とを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物が疾患に罹患するかどうかの予測判定とする学習済みモデルであることを特徴とする疾患予測システム。」
「【0014】
[受付手段]
本発明の受付手段は、疾患への罹患を予測したい動物の顔画像の入力を受け付ける手段である。動物としては、犬、猫、ウサギ、フェレット等が挙げられる。画像の受付方法は、スキャン、画像データの入力、送信などいずれの方法であってもよい。顔画像のフォーマットは特に限定されないが、顔画像は、動物の顔を正面から撮影した写真であることが好ましく、図1に表すような動物の顔が大きく写っている写真がより好ましい。そのような写真として、ヒトの運転免許証の写真のような写真が挙げられる。図2のように、動物の健康保険証に用いられる画像も好ましい。画像は、白黒、グレースケール、カラーのいずれであってもよい。動物の顔全体が写っていない画像、画像編集ソフトウェアで形状が編集された画像、複数の動物が写っている画像、目や耳が判別出来ないほど顔が小さく写っている画像あるいは不鮮明な画像は好ましくない。画像については、ノーマライゼーションが施され、解像度等が統一されたものが好ましい。」
「【0023】
[保険料算出システム]
本発明の保険料算出システムは、保険の対象となる動物の顔画像を上記の疾患予測システムに入力し、出力された疾患罹患の予測に応じて当該動物の保険料を決定するものである。保険料の決定には、疾患罹患の予測のほか、当該動物の種類、年齢、性別、体重等の情報を用いてもよい。
以下、本発明の保険料算出システムの一実施態様を図3を参照しながら説明する。
【0024】
図3中、端末40は、保険契約者(ユーザ)が利用する端末である。端末40は、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末などが挙げられる。端末40は、CPUなどの処理部、ハードディスク、ROMあるいはRAMなどの記憶部、液晶パネルなどの表示部、マウス、キーボード、タッチパネルなどの入力部、ネットワークアダプタなどの通信部などを含んで構成される。
保険契約者は、端末40から、サーバにアクセスし、保険の対象となる動物の顔画像(写真)、及び、当該動物の種類、品種、写真撮影時の年齢、体重、既往歴などの情報を入力、送信する。
また、保険契約者は、端末40がサーバにアクセスすることによって、サーバにおける疾患予測結果や保険料算出結果を受信することができる。」
ア 上記【請求項1】によれば、引用文献1に記載された「疾患予測システム」は、「ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段」を備えている。
イ 上記【0023】によれば、引用文献1に記載された「保険料算出システム」は、「疾患予測システム」に、保険の対象となる動物の顔画像を入力し、出力された疾患罹患の予測に応じて当該動物の保険料を決定するものである。
また、上記【0023】によれば、保険料の決定には、疾患罹患の予測のほか、当該動物の種類、年齢、性別、体重等の情報を用いてもよいものである。
ウ 上記【0024】によれば、保険の対象となる動物の顔画像(写真)、及び、当該動物の種類、品種、写真撮影時の年齢、体重、既往歴などの情報は、保険契約者が入力するものである。
(2) 引用発明
上記(1)によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
[引用発明]
ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段を備えた疾患予測システムに、保険の対象となる動物の顔画像を入力し、出力された疾患罹患の予測に応じて当該動物の保険料を決定する保険料算出システムであって、
保険料の決定には、疾患罹患の予測のほか、当該動物の種類、年齢、性別、体重等の情報を用いてもよく、保険の対象となる動物の顔画像(写真)、及び、当該動物の種類、品種、写真撮影時の年齢、体重、既往歴などの情報は、保険契約者が入力するものである、
保険料算出システム。
2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、以下の記載がある。
「【0011】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、画像中に含まれる対象の属性を識別するための属性識別システムであって、属性が既知の対象をそれぞれ含む複数枚の画像に対応した複数のサンプル画像データと個々のサンプル画像データ中に含まれる対象の属性とを対応付けた学習サンプルデータを蓄積する学習サンプル蓄積手段と、この学習サンプル蓄積手段に蓄積された学習サンプルデータを用いた学習によって、画像中に含まれる対象の属性を識別するための属性識別辞書を生成する属性識別辞書生成手段と、この属性識別辞書生成手段によって生成された属性識別辞書に基づいて、属性が未知の対象を含む画像に対応した画像データを処理し、当該対象の属性を判定する属性判定手段とを含むことを特徴とする属性識別システムである。「画像データ」は、画像を構成する複数の画素の各輝度値を表すデータである。
【0012】
この構成によれば、サンプル画像データとその画像中に含まれる対象の属性とを対応付けた学習サンプルデータを用いた学習によって、対象の属性を識別するための属性識別辞書が生成される。したがって、この属性識別辞書は、画像の類似度という観点からではなく、属性の識別という観点から最適化されている。そのため、この属性識別辞書を判断基準として用いることによって、未知の画像中に含まれる対象の属性を正確に識別することができる。
【0013】
前記「対象」の例としては、人、動物、植物(果実、樹木、野菜など)その他の生物、および缶、ビン、箱その他の無生物を挙げることができる。一般に、その一部または全部が撮像可能な対象については、この発明を適用することができる。
画像データは、識別対象の全部を撮影して得られたものであってもよいし、その一部を撮影して得られたものであってもよい。たとえば、対象が人や動物の場合には、画像データ中に対象全体が含まれていてもよいが、顔や頭部のような一部のみが含まれていてもよい。より具体的には、同一個体内での変動の少ない部分を選択して抽出した画像データを用いて属性識別を行うことが好ましい。さらに具体的には、人物の属性を識別する場合には、髪型や服装の影響を受けないように、頭髪や着衣の部分を排除した顔画像部分の画像データを用いて属性識別を行うことが好ましい。
【0014】
前記「属性」としては、人または動物の年齢、性別および人種を挙げることができる。属性は、静的な属性であってもよく、動的な属性であってもよい。静的な属性としては、対象が人である場合に、醤油顔/ソース顔、金持顔/貧乏顔、文系顔/理系顔といった属性を挙げることができる。また、動的な属性としては、表情によって分類される属性、感情によって分類される属性、疲労による分類される属性を例示することができる。」
3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、以下の記載がある。
[図:0001411192000001.jpg]
(当審訳)「[0059]本開示の実施形態が提供する画像に基づく年齢推定方法は、人物の年齢を推定するために使用することができるだけでなく、動物の年齢を推定するためにも使用することができることが理解されるであろう。年齢推定方法が人物の年齢を推定するために用いられる場合、ニューラルネットワークモデルを訓練するために使用されるサンプル画像は、人間の顔画像などの人物を含む画像であってもよい。年齢推定方法がある動物の年齢を推定するために使用される場合、ニューラルネットワークモデルを訓練するために使用されるサンプル画像は、そのような動物を含む画像であってもよい。本開示の実施例は人物の年齢を推定することを例として概略的に説明する。動物年齢を推定する方法は、人物の年齢を推定する方法と同様である。」
4 引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4には、以下の記載がある。
「[0067]・・・The animal may be identified as such based on machine-learning based classification from machine learning system 618. In embodiments, in response to receiving an indication of an animal, the rental property protection server 602 retrieves a record from database 636 including a list of prohibited times. If the rental property has a no-animal policy, then an alert such as shown at 1102 may be displayed. In some embodiments, certain types of animals may be allowed, whereas others may not. As an example, a rental property may have a policy that dogs are allowed, while cats are prohibited. The machine learning system 618 may discern with a sufficient confidence, that an animal is a cat. In that example, in response to specifically detecting a cat, an alert similar to shown in alert field 1102 may be generated, while for a dog, such an alert might not be generated.・・・」
(当審訳)「[0067]・・・動物は、機械学習システム618から機械学習に基づく分類などに基づいて識別することができる。実施形態では、動物の指示を受信することに応答して、レンタル財産保護サーバ602は、禁止時間のリストを含むデータベース636からレコードを検索する。賃貸物件は、no-animalのポリシーを有している場合には、1102で示すような警告を表示してもよい。いくつかの実施形態では、特定のタイプの動物は許容され得るが、他のものはそうでなくてもよい。一例として、賃貸物件は、イヌが許されるというポリシーを有することができるが、ネコは禁止される。機械学習システム618は、十分な確信を持って、動物がネコであることを判別することができる。この例では、ネコを特異的に検出することに応答して、警告フィールド1102に示されたのと同様の警報を生成することができ、イヌのためのそのような警告は発生しない。このように、実施形態は特定のタイプの動物に基づいて禁止対象の警告メッセージを提供することができる。・・・」
5 引用文献5について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5には、以下の記載がある。
「[0023] As an example for illustration, knowledge from a group of machine-learned models can be distilled to take advantage of task specific and/or domain specific knowledge without requiring the complete datasets used to train each machine-learned model or, in some cases, even access to the model itself. For this example, each machine-learned model can be trained as a binary classifier to identify if an image depicts a certain breed of dog or not. By applying each machine-learned model to a dataset including images of different dog breeds, dog products, or other images, an initial prediction can be generated for an inferred breed for each training example in the dataset. Alternatively, previously generated predictions for the dataset can be accessed. By evaluating each model's predictions using the techniques disclosed herein, one or more expert machine-learned models can be identified that infer high-quality predictions. Using some or all of these high-quality predictions, a distillation model can be trained to perform a different, but potentially related task such as performing multi-class classification relative to all breeds of dogs.」
(当審訳)「[0023] 説明のための例として、機械学習されたモデル群の中から、知識、各機械学習モデルをトレーニングし、又は、場合によっては、モデル自体にアクセスするために使用される完全なデータセットを必要とすることなく、タスク特有のおよび/またはドメイン固有の知識を利用することができる。この例では、各機械学習モデルは、2値分類器として訓練された画像は、イヌの特定の品種を示すのか否かを識別することができる。異なる犬種、イヌ用の製品、またはその他の画像の画像を含むデータセットに機械学習されたモデルを適用することによって、初期予測は、データセットにおける各訓練事例に対して推論された品種を生成することができる。あるいは、データセットの以前生成された予測に、アクセスすることができる。本明細書に開示された技術を用いて各モデルの予測を評価することにより、高品質の予測を推論する1つ以上の専門家による機械学習モデルを特定することができる。これらの高品質な予測の一部またはすべてを使用して、すべてのイヌの品種に関連するマルチクラス分類を実行するなど、潜在的に関連するタスクを実行するように訓練することができる。」
6 引用文献6について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献6には、以下の記載がある。
「[0018] ・・・For example, when the system 100 receives an image of an animal having a genus, species, type, etc. that corresponds to an animal having tagged images in the machine learning database stored in the data store 105 the system 100 determines an estimated age of the animal based on the image of the animal's teeth and the machine learning database stored in the data store 105. For example, when the system 100 receives an image of a horse's teeth and tagged images of horses' teeth are stored in the machine learning database, the system 100 determines an estimated age of the horse depicted in the image based on the tagged images of horses' teeth. When the system 100 receives an image of a cow's teeth and tagged images of cows' teeth are stored in the machine learning database, the system 100 determines an estimated age of the cow depicted in the image based on the tagged images of cows' teeth. When the system 100 receives an image of a dog's teeth and tagged images of dogs' teeth are stored in the machine learning database, the system 100 determines an estimated age of the dog depicted in the image based on the tagged images of dogs' teeth. When the system 100 receives an image of an animal's teeth that does not correspond to data included in the machine learning database stored in the data store 105, in at least some examples the system 100 provides an output indicating an inability to determine an estimated age of the animal.」
(当審訳)「[0018] ・・・例えば、システム100は、データストア105に格納された機械学習データベース内のタグ付き画像を有する動物に対応する属、種、タイプなどを有する動物の画像を受け取ると、システム100は、動物の歯の画像に基づく動物の推定年齢とデータストア105に格納された機械学習データベースを決定する。例えば、システム100は、ウマの歯の画像を受信し、ウマの歯のタグ付き画像は、機械学習データベースに記憶されると、システム100は、ウマの歯のタグ付けされた画像に基づいて画像に描写されたウマの推定年齢を決定する。システム100は、ウシの歯の画像を受信し、牛歯のタグ付き画像は、機械学習データベースに記憶されている場合、システム100は、雌牛の歯のタグ付けされた画像に基づいて画像に描写されたウシの推定年齢を決定する。システム100は、イヌの歯の画像を受信し、イヌの歯のタグ付き画像は、機械学習データベースに記憶されている場合、システム100は、イヌの歯のタグ付けされた画像に基づいて画像に描写されたイヌの推定年齢を決定する。システム100は、データストア105に格納された機械学習データベースに含まれるデータに対応していない動物の歯の画像を受信したときに、少なくともいくつかの例では、システム100は、動物の推定年齢を決定できないことを示す出力を提供する。」
7 引用文献7について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献7には、以下の記載がある。
「【0089】
[4-4.変形例4に係る情報処理装置について]
上述した情報処理装置100では、学習結果を利用してユーザが飼っているペットの健康状態を推定したが、変形例4に係る情報処理装置では、学習結果を利用してユーザのペットを対象としたペット保険の保険料率を決定する。
・・・
【0095】
図13は、実施形態の変形例4に係る保険料率情報データベース127に記憶される保険料率情報の一例を示す図である。図13に示す例では、「ユーザID」、「ペットID」、「犬種」、「年齢」、「購入情報」、「学習情報」、および「保険料率」といった項目を有する情報が記憶される。」
8 引用文献8について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献8には、以下の記載がある。
「保護された犬などで誕生日がわからない場合でも、獣医師さんは「2歳くらい」「5歳くらい」と推定をしてくれます。」(1頁1~2行)
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1) 対比
ア 引用発明の「疾患予測システム」は、「ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段」を備えているところ、引用発明の「保険料算出システム」は、当該「疾患予測システム」を含む構成であるから、「ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段」を備えているといえる。
また、引用発明の「保険料算出システム」は、「保険料の決定には、疾患罹患の予測のほか、当該動物の種類、年齢、性別、体重等の情報を用いてもよく、保険の対象となる動物の顔画像(写真)、及び、当該動物の種類、品種、写真撮影時の年齢、体重、既往歴などの情報は、保険契約者が入力するものである」から、上記「受付手段」は、保険契約者が入力した動物の種類や品種等の情報も受け付けているということができる。
そうすると、引用発明の「受付手段」は、本願発明1の「ヒトを除く動物の顔画像及び当該動物の品種に関する情報の入力を受け付ける受付手段」に相当する。
イ 引用発明の「保険料算出システム」は、保険契約者が「動物の種類、品種、写真撮影時の年齢、体重、既往歴などの情報」を入力し、「当該動物の種類、年齢、性別、体重等の情報」を用いて保険料を決定するものであるから、「品種に関する情報」及び「年齢」を元に保険料を算出することを含むものであるといえる。
そうすると、引用発明の「保険料算出システム」は、「品種に関する情報」及び「年齢」を元に保険料を算出する保険料算出手段を備えるものであるということができる。
したがって、引用発明の保険料算出手段と、本願発明1の「前記品種に関する情報及び前記年齢判定手段が予測判定した年齢を元に保険料を算出する保険料算出手段」とは、「前記品種に関する情報及び年齢を元に保険料を算出する保険料算出手段」で共通する。
以上によれば、本願発明1と引用発明とは、次の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
ヒトを除く動物の顔画像及び当該動物の品種に関する情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記品種に関する情報及び年齢を元に保険料を算出する保険料算出手段と、を備える保険料算出システム。
[相違点]
本願発明1は、「年齢判定用学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の年齢を予測判定する年齢判定手段」を備え、保険料算出手段が「前記年齢判定手段が予測判定した年齢」を元に保険料を算出するものであって、「年齢判定用学習済みモデル」は、「ディープニューラルネットワーク又畳み込みニューラルネットワークであり」、「ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢との関係を学習した学習済みモデルである」のに対し、引用発明は、上記「年齢判定用学習済みモデル」を用いた上記「年齢判定手段」を備えない点。
(2) 判断
上記[相違点]について検討する。
引用発明は、保険契約者が、動物の「写真撮影時の年齢」を入力するものであるから、保険料算出システムは、入力された動物の「年齢」を元に保険料を算出すればよく、あえて、動物の「顔画像」から、その動物の年齢を予測判定する必要はない(通常、動物を飼育している保険契約者(飼い主)は、自身が飼育している動物の「年齢」を把握しているから、保険料算出のためには、その「年齢」を入力すればよいだけである。)。
また、本願発明1の「保険料算出システム」は、後述するように、動物の年齢を判定することで、飼い主が実年齢等を把握できる効果があるところ、引用発明は、飼い主が動物の「写真撮影時の年齢」を入力すること、すなわち、飼い主が動物の年齢を把握していることが前提のシステムであるから、引用発明の「保険料算出システム」が予測判定した「年齢」を保険契約者が把握できるような構成に変更する動機付けもない。
そうすると、引用発明において、相違点に係る「年齢判定用学習済みモデル」を用いた「年齢判定手段」を採用する動機付けはない。
そして、本願発明1は、上記相違点に係る構成を備えることにより、「簡易な方法で、動物の年齢を判定する年齢予測システム、年齢の判定結果に基づいて動物の保険料を算出する保険料算出システム等を提供することが可能となる。また、簡易な方法で動物の年齢、例えば、実年齢、健康年齢や当該動物の容貌が何歳に相当するのかを把握できることにより、飼い主に対して、飼育している動物の健康に気をつけるきっかけともなり、ひいてはペット保険加入へのモチベーションを上げることやペット保険加入率の改善も期待できる。」(本願明細書【0011】)という、格別顕著な効果を奏するものである。
したがって、引用文献2~8(上記第4の2~8)の記載について言及するまでもなく、引用発明において、相違点に係る構成を採用することは、当業者であっても、容易に想到し得るものではない。
以上によれば、本願発明1は、当業者であっても、引用文献1~8に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2及び3について
本願発明2及び3は、本願発明1と同じ「年齢判定用学習済モデル」を用いた「年齢判定手段」を備えるものであるから、上記1の[相違点]に係る構成を有する。
そうすると、本願発明2及び3は、上記1と同様、当業者であっても、引用文献1~8に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本願発明4~12について
本願発明4~12は、本願発明1~3の「保険料算出システム」について、さらに限定する構成を付加し、本願発明1~3を減縮する発明であるから、上記1の[相違点]に係る構成を有する。
そうすると、本願発明4~12は、上記1と同様、当業者であっても、引用文献1~8に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 本願発明13~15について
本願発明13~15は、それぞれ、本願発明1~3の「保険料算出システム」に対応する「保険料算出方法」の発明であって、発明のカテゴリーが相違するのみであるから、上記1の[相違点]に係る構成に対応する構成を実質的に有する。
そうすると、本願発明13~15は、上記1の本願発明1についての対比・判断と同様、当業者であっても、引用文献1~8に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、本願請求項1~15に係る発明は、当業者であっても、引用文献1~8に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
なお、本願請求項15は、本件補正により、補正前の「前記受付手段に入力された動物の」との記載が「前記動物の」との記載に変更されたから、本願請求項15に係る発明は明確である。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-020697