特許拒絶査定不服審判
2023-017688
前捌き装置およびPOSターミナル
- 審判番号
- 2023-017688
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2023-527769
- 請求日
- 2023年10月18日
- 審決日
- 2024年12月23日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社アスタリスク
- 【請求人代理人】浅野 哲平
- 【請求人代理人】福屋 好泰
- 審判長/審判官
- 審判長 山澤 宏
- 審判官 篠塚 隆
- 審判官 北元 健太
- 分類
- P18 .113-WY (G07G) / P18 .121-WY (G07G) / P18 .537-WY (G07G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2023-527769「前捌き装置およびPOSターミナル」拒絶査定不服審判事件〔請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2023年(令和5年)5月8日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 5年 6月 2日付け:拒絶理由通知書
令和 5年 6月26日 :意見書、手続補正書の提出
令和 5年 7月14日付け:拒絶査定
令和 5年10月18日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 5年11月10日付け:前置報告書
令和 6年 6月28日付け:拒絶理由通知書
令和 6年 9月 2日 :意見書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和5年7月14日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
理由1(新規性)請求項1、3、6、8に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
理由2(進歩性)本願請求項1、3、5-8に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明に基づいて、本願請求項2、4-6、8に係る発明は、以下の引用文献1、2に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特開2010-182105号公報
2.特開昭57-097165号公報
第3 当審拒絶理由の概要
当審が令和6年6月28日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。
(明確性)本願特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
記
請求項1には、「前記前捌き装置は、前記一の商品の商品コードおよび当該商品に付されたシンボルラベルから付加情報を読み取る読取部と、前記読み取った商品コードに次いで付加情報を、または当該商品コードに対応する前記一の商品の管理情報を前記POSターミナルに受け渡す受渡部と、を備え、前記POSターミナルは、前記受け渡された商品コードと付加情報または管理情報、及び前記他の商品コードに基づいて、前記顧客が有する商品の取引に関する処理を行う」ことが記載されている。
ここで、「前捌き装置」は、「読取部」で、「商品コード」と「付加情報」の2つの情報を読み取っているものの、「受渡部」は、「前記読み取った商品コードに次いで付加情報を、または当該商品コードに対応する前記一の商品の管理情報を前記POSターミナルに受け渡す」動作をする。すなわち、「受渡部」は、「商品コード」と「付加情報」または「管理情報」をPOSターミナルに受け渡すから、「管理情報」のみをPOSターミナルに受け渡し得る構成になっている。そして、「POSターミナル」も、「商品コード」と「付加情報」または「管理情報」、及び「他の商品コード」に基づいて取引に関する処理を行うから、受け渡された「管理情報」と「他の商品コード」に基づいて取引に関する処理を行い得る構成になっている。
そうすると、「読取部」では、「商品コード」と「付加情報」の2つの情報を読み取ったとしても、「受渡部」及び「POSターミナル」では、「商品コード」と「付加情報」の2つの情報を扱うことがない場合が考えられる。そのような場合においては、「読取部」で読み取られた「商品コード」と「付加情報」の2つの情報が、「読取部」及び「POSターミナル」の動作に対して、どのように関与するのか不明であるから、請求項1に係る発明特定事項同士の技術的な関連が理解できないといえる。請求項3の同様な記載についても同じことがいえる。
よって、請求項1及び3、並びに請求項1又は3を引用する請求項2、4-8に係る発明は明確でない。
第4 本願発明
本願請求項1-8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明8」という。)は、令和6年9月2日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-8に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-8は以下のとおりである。
「 【請求項1】
レジ待ち中の顧客が有する一の商品に付された商品コード、および必要に応じて当該商品に付されたシンボルラベルから付加情報を読み取る前捌き装置と、
レジ待ちが解消された前記顧客が有する他の商品に付された商品コードを読み取るPOSターミナルと、
を備え、
前記前捌き装置は、
前記一の商品の商品コード、および必要に応じて当該商品に付されたシンボルラベルから付加情報を読み取る読取部と、
前記読み取った商品コードに次いで、前記読取部で付加情報を読み取ったならば付加情報を前記POSターミナルに受け渡す受渡部と、
を備え、
前記POSターミナルは、前記受け渡された商品コードと、前記受渡部から付加情報が受け渡されたならば付加情報、及び前記他の商品コードに基づいて、前記顧客が有する商品の取引に関する処理を行うことを特徴とする、会計システム。
【請求項2】
前記受渡部は、前記商品コードまたは前記管理情報に区切情報が付加された受渡情報を、前記POSターミナルが読取可能なシンボルに変換し、当該シンボルを表示することを特徴とする、請求項1に記載の会計システム。
【請求項3】
レジ待ちが解消された顧客が有する他の商品に付された商品コードを読み取るPOSターミナルと共に利用する前捌き装置であって、
レジ待ち中の前記顧客が有する一の商品の商品コード、および必要に応じて当該商品に付されたシンボルラベルから付加情報を読み取る読取部と、
前記POSターミナルが、前記一の商品の商品コードと、受渡部から付加情報が受け渡されるならば付加情報、及び前記他の商品コードに基づいて、前記顧客が有する商品の取引に関する処理を行うために、前記読取部により読み取られた商品コードに次いで、前記読取部で付加情報を読み取ったならば付加情報を前記POSターミナルに受け渡す受渡部と、
を備える、前捌き装置。
【請求項4】
前記受渡部は、前記商品コードまたは前記管理情報に区切情報が付加された受渡情報を、前記POSターミナルが読取可能なシンボルに変換し、当該シンボルを表示することを特徴とする、請求項3に記載の前捌き装置。
【請求項5】
前記受渡部は、前記顧客のレジ待ちが解消された場合に前記商品コードまたは前記管理情報を当該POSターミナルに受け渡すことを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の前捌き装置。
【請求項6】
前記読み取った商品コードを記憶する記憶部を備え、
前記受渡部は、前記記憶部に記憶された商品コードまたは当該商品コードに対応する前記商品の管理情報を前記POSターミナルに受け渡す、ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の前捌き装置。
【請求項7】
前記受渡部は、
前記商品コードまたは前記管理情報を前記POSターミナルによって受信可能な無線信号で、当該POSターミナルに対して送信する送信部を備える、請求項3に記載の前捌き装置。
【請求項8】
請求項3または請求項4の前記前捌き装置から前記読み取った商品コード又は前記管理情報を受け渡されるとともに、前記商品以外の商品の商品コードを読み取る、POSターミナル。」
第5 引用文献1、引用発明
1 引用文献1、引用発明
(1)引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。
ア 「【0006】
この発明によれば、店員が会計待ちをしている顧客の買い物カゴに入っている商品のバーコードを携帯端末にてスキャンし、該携帯端末がスキャンした全ての商品のコード情報を1つの2次元コード(QR(Quick Response)コード)にして出力する。本実施例では、紙媒体(伝票)へ2次元コードを印字しているが、2次元コードに限らず、3次元コード(ソリッドコード或いはオプティカルIDコードなど)を印字してもよい。或いは、書き換え可能であるロイコカード(リライトカード)や、ICチップを内蔵するカード或いはRFID(Radio Frequency IDentification)カード等の出力媒体に記録させてもよい。顧客はこの2次元コードを持ってPOSレジスタへ行き、この2次元コードをPOSレジスタの担当者に手渡す。そして、この担当者がPOSレジスタ側でこの2次元コードを読み込ませると、POSレジスタは2次元コードに含まれる複数の商品の登録を行う。つまり、POSレジスタでは、買い物カゴから商品を取り出して、その商品に付されたバーコードを商品毎にスキャンするスキャン操作を行うことなく、2次元コードを読み込む操作だけで複数の商品の登録を一括で行うことができる。これにより、ハンディターミナル30とPOSレジスタ20とで並行してスキャン操作を行うことができるので、POSレジスタ20前の会計待ち行列を軽減することができる。」
イ 「【0055】
図15は、本実施形態によるPOSレジスタ20の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS301では、CPU201は、中継器21からコード情報を受信して読み込む。或いは、CPU201は、商品に付されたバーコードをスキャナ部407が読み取ったコード情報を読み込む。
次に、ステップS302では、CPU201は、RAM204に記憶されている商品マスタからコード情報に対応する商品情報を読み出す。そして、CPU201は、コード情報に対応する商品を登録する。
次に、ステップS303では、CPU201は、ステップS201で取得した商品情報を液晶タッチパネル部205に表示する。
次に、ステップS304では、CPU201は、操作部210から出力される信号に基づいて、小計キーが押下されたか否かを判定する。小計キーが押下された場合には、ステップS305へ進む。一方、小計キーが押下されていない場合には、ステップS310へ進む。
【0056】
ステップS310では、CPU201は、操作部210から出力される信号に基づいて、追加キー又は訂正キーが押下された否かを判定する。追加キー又は訂正キーが押下された場合には、ステップS311へ進む。一方、追加キー又は追加キーが押下されていない場合には、ステップS301へ戻る。
ステップS311では、CPU201は、商品の追加登録や訂正(登録されている商品の取消等)を行う。」
ウ 【図1】「
[図:0001419899000001.jpg]
」
エ 【図15】「
[図:0001419899000002.jpg]
」
(2)引用発明
上記(1)から引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「会計待ちをしている顧客の商品のバーコードを携帯端末にてスキャンし、
該携帯端末がスキャンした商品のコード情報を1つの2次元コードにして出力し、
POSレジスタ側でこの2次元コードを読み込ませると、
POSレジスタは2次元コードに含まれる複数の商品の登録を行い、
追加キーが押下された場合には、商品の追加登録を行い、
POSレジスタ20前の会計待ち行列を軽減することができる、
携帯端末。」
2 引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、次の事項が記載されている。
「 以下、数種類の商品がある場合には上記した動作が繰り返され、商品毎に登録データが入力データバッファ11に格納される。この場合、商品データを区別するために商品データ間には登録コードが付加される。」(第4頁左上欄第5行-第9行)
3 引用文献3
前置報告において引用された特開2020-129337号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の事項が記載されている。
「【0333】
一方、総菜のタイムセールや野菜の処分セール等の値引、割引は、現物をみた店員の加減によって値引シール等が貼られて対応するケースがある。
このケースでは、上位装置10へのサービス情報の紐づけが難しいことから、会員が自ら貼付された値引シールに記載されたバーコード(値引情報)を読み取った後に、商品のバーコード等を読み取ることで該商品に値引を適用することがある。
値引の適用は、商品のバーコードを読み取った後に値引シールの値引情報を読み取っることによって適用してもよい。
また、値引シールの値引情報は、バーコードに限定されず、「50%引き」等の文字や「〇」、「◎」等のシンボルなどでもよく、携帯端末20によって認識できるものであれば特に限定されない。」
4 引用文献4
前置報告において引用された特開2022-138564号公報(以下「引用文献4」という。)には、次の事項が記載されている。
「【0022】
スキャナ40は、ショッピングカート10のハンドル11に設けられている。スキャナ40は、撮像機能を備え、商品を識別する商品識別情報を読取る。具体的には、スキャナ40は、撮像された画像の特定のエリアをバーコード認識する。例えば、スキャナ40は、顧客Cが購入する商品に付されたバーコードA(図6参照)等のコードシンボルを読取窓41に面して配置すると、撮像された画像から当該バーコードAを認識する。そして、スキャナ40は、認識したコードシンボルをデコードし、コードシンボルが示す商品コードを読み取る。商品コードは、商品を識別する商品識別情報の一例である。なお、スキャナ40は、色や凹凸等の商品の特徴量に基づいて商品を認識するオブジェクト認識方式で商品を特定して商品コードを読取るものであってもよい。
【0023】
また、スキャナ40は、商品の特典に関する特典情報を読取る。例えば、スキャナ40は、商品に貼り付けられた値引シールB(図5参照)に印字された文字情報をOCR(Optical Character Reader)等の文字認識処理によって読取る、又は画像認識処理によって値引きシールの値引額または割引率を認識する。
【0024】
ここで、商品の特典に関する特典情報を読み取る処理の一例を説明する。まず、スキャナ40は、特典情報を示すラベルが商品に付されていることを示すフラグ情報を読取る。具体的には、スキャナ40は、商品のバーコードAを読み取る際に、商品に貼り付けられたフラグシールD(図6参照)を撮像された画像から検出することによって、上記フラグ情報を読取る。スキャナ40は、撮像した画像から所定形状(本実施形態では二重丸)を検出する画像処理を行ってフラグシールDを検出する。値引シールBは特典情報を示すラベルの一例であり、フラグシールDが示す情報はフラグ情報の一例である。
【0025】
フラグシールDは、商品コードを示すバーコードAに近接して貼り付けられる。これにより、顧客Cが商品コードを読取らせるために読取窓41にバーコードAを近づけると、スキャナ40はバーコードAだけでなくフラグシールDも認識することができる。このとき、ディスプレイ31に、顧客に対して値引シールを読取らせることを促す表示をしてもよい。スキャナ40は、フラグシールDを認識した場合、続いて、値引シールを読み取る。スキャナ40は、値引シールを含む画像を撮像し、撮像した画像の特定のエリアから値引シールを検出し、値引情報を認識する。」
第6 対比・判断
1 本願発明3について
(1)対比
本願発明3と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「POSレジスタ」は、本願発明の「POSターミナル」に相当する。
イ 引用発明では、「会計待ちをしている顧客の商品のバーコードを携帯端末にてスキャンし、該携帯端末がスキャンした商品のコード情報を1つの2次元コードにして出力し、POSレジスタ側でこの2次元コードを読み込ませ」、「追加キーが押下された場合には、商品の追加登録を行い、POSレジスタ20前の会計待ち行列を軽減することができる」とされているから、引用発明の「POSレジスタ」において、商品の追加登録される時点では、「レジ待ちが解消された」状態といえる。また、「POSレジスタ」において、追加登録される「商品」は、携帯端末にてバーコードをスキャンした商品とは異なる商品であることは明らかであるから、上記アを踏まえると、引用発明の「携帯端末」は、「レジ待ちが解消された顧客が有する他の商品に付された商品コードを読み取るPOSターミナルと共に利用する前捌き装置」といえる。
ウ 引用発明では、「会計待ちをしている顧客の商品のバーコードを携帯端末にてスキャン」する。引用発明の「携帯端末」に、スキャンするための手段が備えられていることは明らかであるから、引用発明と、本願発明3の「レジ待ち中の前記顧客が有する一の商品の商品コード、および必要に応じて当該商品に付されたシンボルラベルから付加情報を読み取る読取部」とは、「レジ待ち中の前記顧客が有する一の商品の商品コードを読み取る読取部」を備える点で一致する。
エ 引用発明では、「POSレジスタは2次元コードに含まれる複数の商品の登録を行い、追加キーが押下された場合には、商品の追加登録を行」うとされる。ここで、「商品の登録」及び「商品の追加登録」は、「顧客が有する商品の取引に関する処理」といえるから、引用発明と、本願発明3の「前記POSターミナルが、前記一の商品の商品コードと、受渡部から付加情報が受け渡されるならば付加情報、及び前記他の商品コードに基づいて、前記顧客が有する商品の取引に関する処理を行う」こととは、「前記POSターミナルが、前記一の商品の商品コード、及び前記他の商品コードに基づいて、前記顧客が有する商品の取引に関する処理を行う」点で一致する。
オ 引用発明では、「該携帯端末がスキャンした商品のコード情報を1つの2次元コードにして出力し、POSレジスタ側でこの2次元コードを読み込ませる」とされる。引用発明の「POSレジスタ」に、2次元コードを読み込ませる手段が備えられていることは明らかであるから、引用発明と、本願発明3の「前記読取部により読み取られた商品コードに次いで、前記読取部で付加情報を読み取ったならば付加情報を前記POSターミナルに受け渡す受渡部」とは、「前記読取部により読み取られた商品コードを前記POSターミナルに受け渡す受渡部」を備える点で一致する。
カ 引用発明では、「POSレジスタ側でこの2次元コードを読み込ませると、POSレジスタは2次元コードに含まれる複数の商品の登録を行い、追加キーが押下された場合には、商品の追加登録を行」うとされるから、上記エ、オを踏まえると、引用発明は、「前記顧客が有する商品の取引に関する処理を行うために、」「前記読取部により読み取られた商品コードを前記POSターミナルに受け渡す受渡部」「を備え」ているといえる。
したがって、本願発明3と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「レジ待ちが解消された顧客が有する他の商品に付された商品コードを読み取るPOSターミナルと共に利用する前捌き装置であって、
レジ待ち中の前記顧客が有する一の商品の商品コードを読み取る読取部と、
前記POSターミナルが、前記一の商品の商品コード、及び前記他の商品コードに基づいて、前記顧客が有する商品の取引に関する処理を行うために、前記読取部により読み取られた商品コードを前記POSターミナルに受け渡す受渡部と、
を備える、前捌き装置。」
(相違点1)
本願発明3では、前捌き装置の読取部は、必要に応じて商品に付されたシンボルラベルから付加情報を読み取るのに対し、引用発明では、商品に付されたシンボルラベルから付加情報を読み取っていない点。
(相違点2)
本願発明3では、前捌き装置の受渡部は、読取部により読み取られた商品コードに次いで、前記読取部で付加情報を読み取ったならば付加情報を前記POSターミナルに受け渡すのに対し、引用発明では、読取部により読み取られた商品コードをPOSターミナルに受け渡すものの、読取部で付加情報を読み取った場合の付加情報をPOSターミナルに受け渡さない点。
(相違点3)
本願発明3では、POSターミナルが、一の商品の商品コードと、受渡部から付加情報が受け渡されるならば付加情報、及び他の商品コードに基づいて、商品の取引に関する処理を行うのに対し、引用発明では、POSターミナルが、一の商品の商品コード、及び他の商品コードに基づいて、商品の取引に関する処理を行うものの、受渡部から付加情報が受け渡される場合の付加情報に基づいて、商品の取引に関する処理を行っていない点。
(2)相違点についての判断
上記相違点1について検討する。
レジ待ち中の顧客が有する商品の商品コードを読み取る前捌き装置において、商品に付されたシンボルラベルから付加情報を読み取ることを可能にした読取部を設けることは、引用文献2-4には記載も示唆もされておらず、また、このように構成することが、本願の出願前において周知技術であったともいえない。
そして、引用文献3、4に記載されるように、POSターミナルにおいて、商品に付されたシンボルラベルから付加情報を読み取り可能にしたPOSターミナルが周知であったとしても、レジ待ち中の顧客が有する商品の商品コードを読み取る前捌き装置に当該付加情報を読み取ることができる機能を付与する動機付けにならない。
したがって、当業者といえども、引用発明及び引用文献2-4に記載された事項から、上記相違点1に係る本願発明3の構成を容易に想到することはできない。
よって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明3は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-4に記載された事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
2 本願発明4-8について
本願発明4-8は、本願発明3を減縮した発明である。したがって、本願発明3と同一の構成を備えるものであるから、本願発明3と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-4に記載された事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3 本願発明1について
本願発明1は、「会計システム」の発明であって、上記1(2)で検討した相違点1に係る構成と実質的に同一の構成を備えるものであるから、本願発明3と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-4に記載された事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
4 本願発明2について
本願発明2は、本願発明1を減縮した発明である。したがって、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-4に記載された事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第7 当審拒絶理由について
令和6年9月2日に提出された手続補正書により、特許請求の範囲の請求項1、3の「付加情報」について、「必要に応じて」「読み取る」、「付加情報を読み取ったならば」又は「付加情報が受け渡されたならば」という前提条件を追加されたから、当審拒絶理由は解消した。
第8 原査定について
上記第6で説示したとおり、本願発明1-8は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-4に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものでない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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