特許拒絶査定不服審判
2023-016766
TTPの初回エピソードを免疫グロブリン単一可変ドメインで処置する方法
- 審判番号
- 2023-016766
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-563820
- 請求日
- 2023年10月04日
- 審決日
- 2025年08月18日
- 公報発行日
- 2026年02月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】アブリンクス エン.ヴェー.
- 【請求人代理人】結田 純次
- 【請求人代理人】竹林 則幸
- 【請求人代理人】守安 智
- 審判長/審判官
- 審判長 吉田 佳代子
- 審判官 山村 祥子
- 審判官 田村 直寛
- 分類
- P18 .113-Z (A61K) / P18 .121-Z (A61K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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特願2020-563820「TTPの初回エピソードを免疫グロブリン単一可変ドメインで処置する方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 8月15日国際公開、WO2019/154867、令和 3年 5月20日国内公表、特表2021-512947〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2019年(平成31年)2月6日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2018年2月6日、2018年4月25日 いずれも(US)米国)を国際出願日とする出願であって、その出願後の主な手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 9月25日 :翻訳文の提出
令和3年12月24日 :手続補正書の提出
令和5年 1月17日付け :拒絶理由通知
令和5年 4月19日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 5月30日付け :拒絶査定
令和5年10月 4日 :審判請求書、手続補正書の提出(以下、この手続補正書による手続補正を「本件補正」という。)
第2 本願発明
本願の請求項1~17に係る発明は、本件補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1~17に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ、そのうち請求項1に係る発明(以下「本願発明1」という。)は、次のとおりのものである。
「【請求項1】
ヒトのvWF関連疾患の初回エピソード(の症状)を処置し、再発血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)エピソードのリスクを低減させ、および/または防止することに使用するための、2つの抗ヒトフォンウィルブランド因子(vWF)免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含むポリペプチドを含む医薬組成物であって、前記処置は、前記ポリペプチド1~80mg、好ましくは5~40mg、さらにより好ましくは10mgまたは11mgの用量をヒトに投与することを含み、前記処置は、血小板数応答までの時間の短縮、処置期間中に死亡するか、再発するか、もしくは重度のTE事象がある患者の割合の低下、再発率の低下、および/または不応状態の防止をもたらす、前記医薬組成物。」
第3 原査定の拒絶の理由
令和5年5月30日付けの拒絶査定における拒絶の理由は、概略、次のとおりのものである。
(新規性) この出願の請求項1~11、13~15、17に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1又は2に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
(進歩性) この出願の請求項1~17に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1又は2に記載された発明及び引用文献1~3に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.Blood,2017年,Vol.130, Suppl 1: LBA-1,p.1-5
2.N Engl J Med,2016年,Vol.374,p.511-522
3.特表2017-519762号公報
第4 当審の判断
1.引用文献1の記載及び引用文献1に記載された発明
(1) 引用文献1(Blood,2017年,Vol.130, Suppl 1: LBA-1,p.1-5)の記載
原審の拒絶理由で引用され、本願優先日前に発行された引用文献1は、「後天性血小板減少性紫斑病患者を対象としたカプラシズマブの無作為化、二重盲検、プラセボ対照、第3相Hercules試験の結果」と題する学術文献であって、以下の記載がある(英文のため当審合議体による日本語訳で記載する。また、下線は当審合議体が付し、「・・・」は摘記の省略を示す。以下、他の引用文献についても同様である。)。
摘記1-1
「はじめに:後天性又は免疫介在性血栓性血小板減少性紫斑病(aTTP)は、重篤な血小板減少、微小血管障害性溶血性貧血、及び臓器虚血を特徴とする、生命を脅かす血栓性微小血管症である。抑制性自己抗体によりフォン・ヴィルブランド因子(vWF)切断酵素ADAMTS13の重篤な欠損が生じ、血管内vWF-血小板凝集及び微小血管血栓症を引き起こす。治療の主軸は血漿交換(PE)と免疫抑制である。二価のナノボディであるカプラシズマブは、vWFのA1ドメインを標的とし、超大型vWFと血小板の相互作用を阻害する。
方法:PE治療を1回受けたことのある急性aTTP患者を、毎日のPEとコルチコステロイドに加えたプラセボ群又は10mgのカプラシズマブ群に1:1で無作為に割り付けた。最初の試験時PE前に試験薬を1回静脈内投与し、PE期間中とその後30日間は毎日SC投与を行った。この期間が終了した時点で、ADAMTS13活性が抑制されているなど、進行中の疾患が認められた場合には、免疫抑制の最適化とともに、盲検下での治療を最大4週間延長することが奨励された。すべての患者は、試験薬の最終投与後28日間の無治療フォローアップ期間に入った(図1)。主要評価項目は、血小板数反応までの時間であり、血小板数≧(合議体注:引用文献1では「>」の下側は「-」で表されている。)150×109/Lかつ5日以内に毎日のPEを中止した状態と定義された。4つの主要な副次評価項目が階層的にランク付けされた。第1の副次評価項目は、試験薬投与期間中のaTTP関連死亡、aTTP再発、又は重大な血栓塞栓性事象の複合評価項目だった。盲検化された独立した委員会が、aTTP関連死亡と重大な血栓塞栓性事象を判定した。2つ目は、フォローアップ期間を含む全試験期間中の再発を評価した。3つ目は、治療抵抗性を評価し、これは治療開始後4日以内に血小板数が倍増せず、LDHが正常値を超えている状態と定義された。4つ目は、3つの臓器損傷マーカー(LDH、心筋トロポニンI、血清クレアチニン)の正常化までの時間だった。
結果:145例の患者が無作為に割り付けられ、73例がプラセボ群に、72例がカプラシズマブ群に割り付けられた。カプラシズマブ群で初回エピソードの割合が高かったことを除けば、人口統計学的特徴とベースラインの疾患特性は群間で均衡がとれていた。カプラシズマブ投与群はプラセボ投与群に比べ、どの時点においても血小板反応性を示す可能性が50%以上高かった(血小板数正常化率1.55、95%信頼区間1.10-2.20、p<0.01)。試験薬投与期間中、カプラシズマブ治療によりTTPに関連した死亡、TTPの再発、又は重大な血栓塞栓性事象が74%減少した(p<0.0001、表1)。全試験期間中、再発を経験した患者はプラセボ群で28人であったのに対し、カプラシズマブ群では9人であり、67%減少した(p<0.001、表2)。フォローアップ期間中に再発したカプラシズマブ投与患者6例すべてにおいて、ADAMTS13活性は試験薬投与中止時点でも10%未満であり、進行中の疾患を反映していた。カプラシズマブ投与群では治療抵抗性はみられなかったが、プラセボ投与群では3例にみられた(p =0.057)。カプラシズマブ投与は3つの臓器障害マーカーの正常化を早める傾向と関連していた。安全性はTable 3に要約されている。カプラシズマブ群で最も多くみられた試験薬関連のTEAE(合議体注:治療中に出現した有害事象を意味する。)は鼻出血、歯肉出血、打撲であった。試験薬投与期間中、プラセボ群では3例が死亡した。1例の死亡はカプラシズマブ投与患者のフォローアップ期間中に発生し、治験責任医師は試験薬とは関係ないと評価した。
結論:第3相HERCULES試験の結果から、カプラシズマブによる治療が血小板数の反応までの時間を短縮し、aTTPの消失を早めることが確認された。また、カプラシズマブによる治療により、試験薬治療中のaTTPに関連した死亡、aTTPの再発、又は重大な血栓塞栓性事象が臨床的に非常に意義のある減少を示した。ADAMTS13活性が10%未満の患者における試験薬中止後の再発は、基礎疾患が完全に治癒するまで治療を継続すべきであることを示唆している。カプラシズマブの安全性プロファイルは良好であり、粘膜出血が最も多く報告されたAE(合議体注:有害事象を意味する。)であった。カプラシズマブはvWFを介する血小板凝集を迅速に阻害することから、aTTP患者に対する新しい治療選択肢となる。(clinicaltrials.gov:NCT02553317)。」
(要約)
(2)引用文献1に記載された発明
摘記1-1によれば、引用文献1には、「vWFのA1ドメインを標的とし、超大型vWFと血小板の相互作用を阻害する」、「二価のナノボディであるカプラシズマブ」の「後天性血小板減少性紫斑病患者を対象とした」「第3相Hercules試験の結果」が記載されており、「血漿交換(PE)」「治療を1回受けたことのある急性」の「後天性又は免疫介在性血栓性血小板減少性紫斑病(aTTP)」「患者を、毎日のPEとコルチコステロイドに加えたプラセボ群又は10mgのカプラシズマブ群に1:1で無作為に割り付け」、「最初の試験時PE前に試験薬を1回静脈内投与し、PE期間中とその後30日間は毎日SC投与を行った」ところ、「カプラシズマブ投与群はプラセボ投与群に比べ、」「血小板反応性を示す可能性が50%以上高かった」こと、及び「試験薬投与期間中、カプラシズマブ治療によりTTPに関連した死亡、TTPの再発、又は重大な血栓塞栓性事象が74%減少し」、「全試験期間中、再発を経験した患者はプラセボ群で28人であったのに対し、カプラシズマブ群では9人であり、67%減少した」ことから、「vWFを介する血小板凝集を迅速に阻害する」「カプラシズマブによる治療が」、「血小板数の反応までの時間を短縮し、aTTPの消失を早め」、「試験薬治療中のaTTPに関連した死亡、aTTPの再発、又は重大な血栓塞栓性事象が臨床的に非常に意義のある減少を示」す、「aTTP患者に対する新しい治療選択肢となる」ことが、具体的な試験結果を伴い記載されている。ここで、カプラシズマブを投与する際に、溶媒等とともに医薬組成物の形態としていることは明らかである。
そうすると、引用文献1には、次の発明が記載されているといえる。
「後天性血小板減少性紫斑病患者を治療し、aTTPの再発を減少させるための、カプラシズマブを含む医薬組成物であって、前記治療は、カプラシズマブ10mgを患者に投与することを含み、前記治療は、血小板反応性を示す可能性を高め、血小板数の反応までの時間を短縮し、治療中のaTTPに関連した死亡、再発、及び重大な血栓塞栓性事象の減少をもたらす、医薬組成物。」
(以下、「引用発明1」という。)
2. 引用文献2(N Engl J Med 2016;374:511-522)の記載
原審の拒絶理由で引用され、本願優先日前に発行された引用文献2は、「後天性血小板減少性紫斑病に対するカプラシズマブ」と題する学術文献であって、以下の記載がある。
摘記2-1
「背景
後天性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は、超大型のフォン・ヴィルブランド因子多量体に血小板が凝集することによって起こる。この微小血管血栓症は、生命を脅かす可能性のある合併症を伴う多臓器虚血を引き起こす。毎日の血漿交換と免疫抑制療法により寛解が得られるが、微小血栓症による死亡率と罹患率は依然として高い。
方法
カプラシズマブは、抗フォン・ヴィルブランド因子ヒト化単一可変ドメイン免疫グロブリン(ナノボディ)で、超大型フォン・ヴィルブランド因子多量体と血小板の相互作用を阻害する。この第2相対照試験では、後天性TTP患者を、血漿交換中及びその後30日間、カプラシズマブ皮下投与群(1日10mg)とプラセボ群に無作為に割り付けた。主要評価項目は奏効までの期間であり、血小板数の正常化が確認された場合と定義した。主な副次的評価項目は増悪と再発であった。
結果
75人の患者が無作為割付けを受けた(36人がカプラシズマブ投与群に、39人がプラセボ投与群に割り付けられた)。奏効までの期間はプラセボと比較してカプラシズマブで有意に短縮した(中央値で39%の短縮、P=0.005)。カプラシズマブ群では3例が増悪したのに対し、プラセボ群では11例であった。カプラシズマブ群では、試験薬投与中止後1ヵ月目に8例が再発し、うち7例ではADAMTS13活性が10%未満にとどまっていたことから、自己免疫活性が未解決であることが示唆された。出血に関連した有害事象は、そのほとんどが軽度から中等度であり、カプラシズマブ群でプラセボ群よりも多かった(患者の54%対38%)。その他の有害事象の頻度は両群で同程度であった。プラセボ群では2例が死亡したが、カプラシズマブ群では1例も死亡しなかった。
結論
カプラシズマブはプラセボよりも急性TTPエピソードの消失を早めた。カプラシズマブの血小板保護効果は治療期間中維持された。カプラシズマブはプラセボと比較して出血傾向の増加と関連していた。(ClinicalTrials.gov番号、NCT01151423)。」
(511頁要約)
摘記2-2
「後天性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は、全身性の微小血管血栓症に起因する潜在的に生命を脅かす血栓性微小血管障害であり、重度の血小板減少症、溶血性貧血、及び重症度が異なる臓器不全を引き起こす。1 後天性TTPは、抑制性自己抗体の存在によりADAMTS13(a disintegrin and metalloproteinase with a thrombospondin type 1 motif, member 13)の重度な欠乏によって引き起こされる。2 ADAMTS13の活性低下は、超大型フォン・ヴィルブランド因子多量体の蓄積を引き起こし、これらが血小板に結合して凝集を誘発する。3 これらの微小血栓は組織虚血と臓器機能障害(脳、心臓、腎臓などに多く見られる)を引き起こし、早期死亡4,5又は認知機能障害、うつ病、動脈性高血圧などの長期合併症、及び寿命の短縮6-10を招く。
後天性TTPの治療には、自己抗体と超大型フォン・ヴィルブランド因子多量体を除去し、ADAMTS13を補充するため、迅速に血漿交換を開始することが含まれる。免疫抑制療法(例:グルココルチコイドとリツキシマブ)1,11は、自己抗体の形成を抑制する。後天性TTP患者の生存率は80%を超えるが12、寛解が達成されるまで、患者は微小血栓症の合併症リスクにさらされている。血小板と超大型フォン・ヴィルブランド因子多量体との結合を標的とし、さらなる微小血栓の形成を予防する急速な治療法は、後天性TTPの治療における潜在的なアプローチである。
カプラシズマブは、フォン・ヴィルブランド因子のA1ドメインを標的とする13ヒト化単一可変ドメイン免疫グロブリン(ナノボディ、Ablynx)であり、血小板の糖タンパク質Ib-IX-V受容体との相互作用を阻害する。14第2相のTITAN試験では、カプラシズマブが後天性TTPの治療に有効である可能性を評価した。」
(512頁左欄1行~下から10行)
摘記2-3
「治療
後天性TTPの標準治療(毎日の血漿交換と免疫抑制療法)に加え、患者は登録後に行われた最初の血漿交換の開始6時間前から15分前までの任意のタイミングで、カプラシズマブ(10 mg)又はプラセボを静脈内負荷投与された。血漿交換療法期間中(減量期を含む及び増悪時の血漿交換を含む)全期間において、試験薬(10mg)は各交換終了後30分以内に皮下投与された。最終的な血漿交換後、試験薬(10mg)の1日1回皮下投与は30日間継続された。試験薬の投与期間は最大90日間であった。」
(512頁右欄下から17行~最終行)
摘記2-4
「患者
本試験では、2010年10月から2014年1月まで患者を登録したが、スポンサーは継続的な登録困難のため(データ解析の結果によるものではない)早期に募集を中止した。75名の患者がランダム化され(36名がカプラシズマブ群、39名がプラセボ群に割り当てられた)(補足付録の図S1参照)。両群の患者層及びベースライン臨床特性は類似していた(表1及び補足付録の表S2)。2014年1月時点で試験に参加していたすべての患者は、割り当てられた試験治療を完了し、2014年3月に試験が正式に終了する前に少なくとも1ヶ月後のフォローアップ訪問を受診した。」
(513頁右欄22行~37行)
摘記2-5
「主要評価項目
登録前に血漿交換療法を受けていなかった患者は合計69名であった。これらの患者において、反応までの中央時間はカプラシズマブ群で3.0日(95%信頼区間[CI]、2.7~3.9)、プラセボ群で4.9日(95% CI、3.2~6.6)であった。登録前に血漿交換療法を受けた患者は6名で、そのうちカプラシズマブ群の反応までの中央時間は2.4日(95% CI、1.9~3.0)、プラセボ群では4.3日(95% CI、2.9~5.7)であった。層別化ログランク検定に基づき、カプラシズマブはプラセボと比較して反応までの時間を有意に短縮した(中央値の反応までの時間39%短縮;イベント率比、2.20;95%信頼区間、1.28~3.78;P=0.005)(図1及び表2、並びに補足付録の表S3)。(この試験において、[確認された血小板反応までの時間]であるイベントは良好な転帰と関連しているため、通常の「ハザード比」ではなく「イベント率比」が使用され、同様の解釈が可能である。)ベースラインのADAMTS13活性が10%未満の58例に限定した事後解析において、カプラシズマブ群では反応までの中央時間は3.0日(95% CI、2.7~4.3)、プラセボ群では4.6日(95% CI、3.0~5.9)で、イベント率比は1.63(95% CI、0.92~2.92)であった。8例の患者はベースラインのADAMTS13活性が10%以上であったが、患者数が少ないため、このサブグループにおける主要アウトカムの解析は行わなかった。
副次的な有効性評価項目
増悪、再発、寛解、及び死亡率
1ヶ月後のフォローアップ訪問時のデータは63例分が利用可能であり(補足付録の図S1)、副次的な評価項目について分析された。初回の毎日の血漿交換療法(すなわち、発症している後天性TTPエピソードに対する血漿交換療法)後の完全寛解は、カプラシズマブ群(患者の81%)でプラセボ群(患者の46%)よりも頻度が高かった。カプラシズマブ治療を受けた患者3例で増悪が認められたのに対し、プラセボ群では11例であった。試験薬の投与中止後、1ヶ月間のフォローアップ期間中にカプラシズマブ群の8例で再発が認められ(そのうち7例は試験薬投与中止後10日以内に再発)、プラセボ群では再発は認められなかった(表2及び補足付録の表S3)。試験期間中に2例の死亡が報告され、いずれもプラセボ群で発生した。1例は重症で難治性のTTPによるもので、もう1例は脳出血によるものであった。」
(513頁右欄下から13行~515頁左欄7行)
摘記2-6
「薬物動態学的及び薬理学的結果
カプラシズマブの静脈内負荷投与量は、フォン・ヴィルブランド因子の阻害に必要な薬物濃度を迅速に達成した(補足付録の表S4参照)。カプラシズマブは、フォン・ヴィルブランド因子-リストセチン共因子活性を1日目から治療期間中にわたって平均20%未満に抑制したことで示されるように、その標的を迅速に中和した。カプラシズマブ-フォン・ヴィルブランド因子複合体のクリアランスは、未結合のフォン・ヴィルブランド因子と比較して増加し、これによりフォン・ヴィルブランド因子抗原及びVIII因子のレベルが低下した。これらの値は、治療中止後1週間以内にベースラインレベルに戻った(補足付録の図S2)。
臓器損傷マーカー
臓器損傷マーカーの事後解析の結果、治療開始後2日目に、乳酸脱水素酵素値が正常範囲の上限の2倍以下であった患者の割合は、カプラシズマブ群でプラセボ群よりも高かった(78%対51%)。治療開始後4日目には、両群の患者の割合は類似していた(補足付録の表S5参照)。乳酸脱水素酵素値の正常化までの中央時間は、カプラシズマブ群の32患者では3日(95%信頼区間、3~4)であったのに対し、プラセボ群の32患者では4日(95%信頼区間、3~6)であった(補足付録の図S3)。
臓器損傷マーカーのベースライン値が上昇していた患者サブセットにおいて、カプラシズマブ投与群ではプラセボ投与群に比べてより迅速な正常値への回復の傾向が観察された。トロポニンT又はトロポニンIの正常化までの中央時間は、カプラシズマブ群の19例で9日(95% CI、4~45)に対し、プラセボ群の17例で27日(95% CI、19~未到達)であり、クレアチニン値の正常化までの中央時間は、カプラシズマブ群の11例で4日(95% CI、3~6)であり、プラセボ群の15例では6日(95% CI、3~到達せず)であった(補足付録の図S3参照)。」
(517頁左欄下から7行~519頁左欄下から4行)
摘記2-7
「カプラシズマブの血小板保護作用の関連性は、試験薬投与期間中のカプラシズマブ群の増悪回数がプラセボ群よりも少なかったことでさらに証明された。試験薬投与後1ヵ月の追跡期間中に、カプラシズマブ群では8例の患者が再発し、そのうち7例は試験薬投与中止後10日以内に再発したのに対し、プラセボ群ではこの1ヵ月の追跡期間中に再発した患者はいなかった。この群間差は、増悪する運命にあった患者のうち、プラセボ群では試験薬投与中に増悪したが、カプラシズマブ群では試験薬投与期間後まで増悪を遅らせた可能性を示唆している。これらの患者におけるADAMTS13活性は、持続的に10%未満であり、基礎にある自己免疫疾患の不完全な消失を示した12,24。この観察は、本疾患の免疫介在性要素に対して免疫抑制剤治療を行うことの重要性を強調している。ADAMTS13活性は、免疫抑制治療の指針となるだけでなく、カプラシズマブの治療期間に関する決定にも役立つ可能性がある。これらの結果は、再発リスクのある患者を同定するための予測マーカーとしてのADAMTS13活性の使用も支持している3,24-27。」
(520頁右欄27行~521頁左欄4行)
摘記2-8
「表1. 意図した治療群におけるベースライン特性と治療法*
[図:0001431507000001.jpg]
* ベースラインは、研究薬の初回投与前に定義された。意図した治療群は、試験群にランダムに割り当てられたすべての患者を含み、そのうち3名は割り当てられた試験薬を受けなかった患者を含む。記載されたベースライン特性において、下記を除き、試験群間で有意な差は認められなかった。LDHは乳酸脱水素酵素、PEは血漿交換、TTPは血栓性血小板減少性紫斑病を指す。
† 人種は研究者によって決定された。
‡ 血小板数のデータは72患者(カプラシズマブ群35例、プラセボ群37例)で利用可能だった。
§ LDHのデータは69患者(カプラシズマブ群34例、プラセボ群35例)で利用可能だった。
¶ 毎日のPE中にリツキシマブを投与された患者の割合は、2群間で有意に異なった(P<0.05)。この不均衡は施設効果による可能性があり、1つの施設では毎日の血漿交換の2日目から標準治療の一部としてリツキシマブを使用し、この施設では7人の患者が募集され、そのうち5人がプラセボ群にランダムに割り当てられた。」
(514頁表1)
摘記2-9
「表2. 意図した治療群における主要、副次的有効性評価項目
[図:0001431507000002.jpg]
* イベント率比(すなわちハザード比)は、無作為化前のPEセッションの有無(はい又はいいえ)を共変量として用いた層別化コックス比例ハザード回帰モデルに基づいて算出されている。
† 2.5%の有意水準での片側ログランク検定による優越性のP値は、無作為化前のPEセッションの有無による層別化解析に基づいて算出されている。観察は、最初の試験薬投与後30日間の定義された期間を満たさない場合、検閲された。
‡ 増悪は、最後の毎日のPEセッション後1日から30日以内に発生し、毎日のPE治療の再開始を必要とした血小板減少症のエピソードと定義された。
§ 再発は、新たな血小板減少症のエピソードと定義され、新たなエピソードは、最後の毎日のPEセッションから30日を超えて発生したものと定義された。
¶ 初期の毎日のPEコース(すなわち、発症している後天性TTPエピソードに対する血漿交換)後の完全寛解は、血小板数の正常化(すなわち、確認された反応)と増悪の欠如を確認したものと定義された。」
(516頁表2)
3.対比・判断
(1)本願発明1と引用発明1との対比
本願明細書の発明の詳細な説明【0128】段落における「本発明は、前記vWF関連疾患は、・・・、または(後天性および/または先天性)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、好ましくはTTPから選択される、・・・」の記載から、引用発明1の「後天性血小板減少性紫斑病患者」は、本願発明1の「ヒトのvWF関連疾患」に相当する。
そして、引用発明1の「aTTPの再発を減少させる」は、本願発明1の「再発血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)エピソードのリスクを低減させ、および/または防止すること」に相当する。
次に、本願明細書の発明の詳細な説明【0290】段落には、「本発明のポリペプチドは、配列番号1~18もしくは24、最も好ましくは配列番号1(ALX0081;INN「カプラシズマブ」)もしくは配列番号24によって定義される、vWFに対する2つのISVDを含むか、またはそれらからなる。」と記載されているから、引用発明1の「カプラシズマブ」及び「カプラシズマブ10mgを患者に投与することを含み」は、本願発明1の「2つの抗ヒトフォンウィルブランド因子(vWF)免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含むポリペプチド」及び「前記ポリペプチドを1~80mg、好ましくは5~40mg、さらにより好ましくは10mgまたは11mgの用量をヒトに投与することを含み」にそれぞれ相当する。
また、本願明細書の発明の詳細な説明【0192】段落において、本願発明1の「処置」とは、「統計的に有意な程度または当業者に検出可能な程度のいずれかまで、疾患に関連する病態、症状、もしくはパラメータを改善するため、または疾患の進行を防止するために有効な量、様式、および/または方式において治療薬を投与することを指す」と定義されているから、引用発明1の、「血小板反応性を示す可能性を高め、血小板数の反応までの時間を短縮し、試験薬治療中のaTTPに関連した死亡、再発、及び重大な血栓塞栓性事象の減少をもたらす」、「治療」は、本願発明1の、「血小板数応答までの時間の短縮、処置期間中に死亡するか、再発するか、もしくは重度のTE事象がある患者の割合の低下、再発率の低下、および/または不応状態の防止をもたらす」「処置」に相当する。
そうすると、本願発明1と引用発明1の一致点、一応の相違点は次のとおりである。
<一致点>
「ヒトのvWF関連疾患を処置し、再発血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)エピソードのリスクを低減させ、および/または防止することに使用するための、2つの抗ヒトフォンウィルブランド因子(vWF)免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含むポリペプチドを含む医薬組成物であって、前記処置は、前記ポリペプチド1~80mg、好ましくは5~40mg、さらにより好ましくは10mgまたは11mgの用量をヒトに投与することを含み、前記処置は、血小板数応答までの時間の短縮、処置期間中に死亡するか、再発するか、もしくは重度のTE事象がある患者の割合の低下、再発率の低下、および/または不応状態の防止をもたらす、前記医薬組成物。」
<一応の相違点>
本願発明1では、ヒトのvWF関連疾患の処置について、「初回エピソード(の症状)」を処置することが特定されているのに対し、引用発明1ではその旨の特定がない点。
(2)新規性について
ア 判断
引用文献1には、「第3相Hercules試験」において、「145例の患者が無作為に割り付けられ、73例がプラセボ群に、72例がカプラシズマブ群に割り付けられた」ところ、「カプラシズマブ群で初回エピソードの割合が高かったことを除けば、人口統計学的特徴とベースラインの疾患特性は群間で均衡がとれていた」(摘記1-1、結果欄)と記載されていることから、カプラシズマブ群に「初回エピソード」の患者が含まれていたことは明らかである。
そうすると、そのような「初回エピソードの患者」を含めた後天性血小板減少性紫斑病患者における、カプラシズマブの安全性と有効性(摘記1-1、結論欄)を報告する引用文献1の記載に接した当業者であれば、カプラシズマブの投与により、初回エピソード(の症状)も含めて治療できると、自然に認識するものと認められる。
よって、上記一応の相違点は実質的な相違点ではない。
イ 請求人の主張
請求人は、令和5年10月4日提出の審判請求書において、「本願発明は、ヒトのvWF関連疾患の初回エピソードが、同項に記載のポリペプチドを同項に記載の用量で効果的に治療可能であり、前記患者において、再発TTPエピソードのリスクを低減・防止することができるという驚くべき発見によりなされたもので」ある一方、「引用文献1、2のいずれにも、本願請求項に規定のサブ集団、すなわち、初回エピソードを有する患者において、再発TTPエピソードを防止する点につきましては、記載も示唆もされておりません。」と主張している。
しかしながら、前記アで説示したとおり、引用文献1の「カプラシズマブ群」に「初回エピソード」の患者が含まれていたことが記載されているから、請求人の主張は採用できない。
ウ 小括
したがって、本願発明1は引用発明1と同一であるから、本願発明1は引用文献1に記載された発明である。
(3)進歩性について
次に、仮に、上記一応の相違点が実質的な相違点であり、本願発明1がカプラシズマブによるヒトのvWF関連疾患の処置において、特に初回エピソード(の症状)の処置を選択したことに技術的特徴を有する選択発明であるとした場合、本願発明1が引用発明1に対して選択発明としての進歩性を有するものと認められるか否かについて以下に検討する。
ア 判断
引用文献2には、「カプラシズマブが後天性TTPの治療に有効である可能性を評価した」「第2相のTITAN試験」について記載され(摘記2-2)、「後天性TTP患者を、血漿交換中及びその後30日間、カプラシズマブ皮下投与群(1日10mg)とプラセボ群に無作為に割り付けた」ところ(摘記2-1)、「両群の患者層及びベースライン臨床特性は類似していた(表1及び補足付録の表S2)」(摘記2-4)ことが記載されている。
ここで、当該表1を見ると、患者の初回・再発TTPエピソードの割合について記載され(摘記2-8:表1の7~9行目の”Presenting episode of TTP - no.(%)”欄の”Initial”(初回)と”Recurrent”(再発)参照)、「36」名からなるカプラシズマブ群では初回エピソードが「24」名(67%)、再発エピソードが「12」名(33%)であり、「39」名からなるプラセボ群では初回エピソードが「27」名(69%)、再発エピソードが「12」名(31%)であったことが記載されていることを踏まえると、当該試験における後天性TTP患者は初回エピソードの患者が多数を占める患者群であったことは明らかである。
そのうえで、引用文献2には、「血小板数の正常化が確認された場合」である「奏功までの期間はプラセボと比較してカプラシズマブで有意に短縮し」、「カプラシズマブはプラセボよりも急性TTPエピソードの消失を早めた」(摘記2-1)ことが記載されているのだから、引用文献2の記載に接した当業者にとって、カプラシズマブ投与により初回エピソードの患者においてTTPが治療可能であることは、自然に認識できたものといえる。
そうすると、引用文献1及び引用文献2は、いずれも後天性TTPに対するカプラシズマブの有効性に関する臨床試験について記載したものであるから、引用文献2の第2相試験の結果から初回エピソードの患者におけるTTP治療効果について認識した当業者が、同じく初回エピソードの患者を含む第3相Hercules試験に関する引用発明1において、カプラシズマブ群に含まれる「初回エピソード患者」のみに着目し、そのサブ集団における効果を分析してみることは、容易に想到し得たことである。
イ 効果について
本願発明1の奏する効果について、本願明細書の発明の詳細な説明には、「後天性TTPの急性エピソードを有する対象における標準治療処置に加えて投与されたカプラシズマブによる処置の効能および安全性を評価するための第III相二重盲検プラセボ対照ランダム化試験として設計した(Hercules)」「試験」(【0413】段落)の分析結果として、「初回aTTPエピソードを有する患者は、疾患再発患者よりも症状発現が遅く、ベースラインにおける疾患の重症度が高かった」(平均血小板数(28.8×109/L対44.4×109/L)、平均LDH(598U/L対523U/L)、及び心筋トロポニンI中央値(0.119μg/L対0.036μg/L))にもかかわらず、「カプラシズマブでの処置は、両方の部分群において、プラセボと比較してアウトカムを改善した[すなわち、血小板数応答までの時間の短縮、処置期間中に死亡するか、再発するか、もしくは重度のTE事象がある患者の割合の低下、全試験期間における再発率の低下、および不応状態の防止]」(【0433】段落~【0438】段落)ことが記載され、特に、「全試験期間中のTTPの再発」は、初回エピソードのカプラシズマブ群(N=48)では6名(12.8%)であり、再発エピソードのカプラシズマブ群(N=24)では3名(12.5%)であったこと(表7.11)が記載されている(なお、本願明細書【0181】段落及び表7.9の記載から、この「全試験期間中」のTTPの「再発」とは、「初回TTPエピソード後のあらゆるTTP発作」、すなわち増悪と経過観察中の再発を含むものと認められる。)。
一方、本願明細書の発明の詳細な説明においてカプラシズマブ群全体の効果について記載した表7.9を参照すると、例えば「全試験期間中のTTPの再発」は72名中9名、すなわち12.7%であることが記載され、上記初回エピソードのカプラシズマブ群(12.8%)とほぼ同等の再発率であることが見て取れる。
そうすると、上記試験の結果は、カプラシズマブ群の中で、特に初回エピソードの患者という特定のサブ集団を選択することで、カプラシズマブ群全体に比べて予測できない顕著な効果が奏されることを示すものではない。
これに対し、引用文献2の表1には、カプラシズマブ群の平均血小板数(表1の”Mean platelet count(range) - per mm3”(10行)参照)が21,100/mm3、すなわち21.1×109/Lであり、平均LDH(表1の”Mean LDH (range) - U/liter”(11行)参照)が1277U/Lであったことが記載されているところ、当該平均血小板数及び平均LDHからすれば、引用文献2に記載された第2相試験のカプラシズマブ群は、本願明細書で記載された初回TTPエピソードの患者のものと同等又はさらに重症度が高いことがうかがわれる。それにもかかわらず、前記(ア)で説示したように、引用文献2に記載された第2相試験では、10mgのカプラシズマブ投与により、初回エピソードの患者が多数を占めるカプラシズマブ群で血小板数正常化までの時間が短縮し、TTPを治療可能であることが記載されているのであるから、同文献の記載を踏まえれば、カプラシズマブが、重症度の高い初回エピソードの患者であっても奏功しうることは、当業者が十分予測できたことといえる。
さらに、本願明細書の実施例と同じ第3相Hercules試験を開示する引用文献1にも、カプラシズマブ投与によりaTTPに関連した死亡、aTTPの再発、又は重大な血栓塞栓性事象が減少したことが記載されており、特に、再発は、72名のカプラシズマブ群において9名しかいなかった、すなわちその再発率は9÷72×100=12.5%であったことが記載されているのであって(摘記1-1)、これは、上述の本願明細書表7.9及び表7.11に記載されたカプラシズマブ群全体及び初回エピソードの患者の再発率と同等のものである。
そうすると、本願発明1が、カプラシズマブによるヒトのvWF関連疾患の処置において、特に初回エピソード(の症状)の処置を選択したことにより、当業者が引用文献1及び2の記載から予測し得ない格別顕著な効果を奏するものとは認められない。
ウ 請求人の主張について
請求人は、令和5年10月4日提出の審判請求書において、TTPの初回エピソードを有する患者は、一般的に重症であり、そのため、再発エピソードの可能性がより高いという特徴を有するにも関わらず、本願請求項記載のポリペプチドは、初回エピソードを呈する患者に対しても、再発エピソードを呈する患者に対するのと同等の再発TTPエピソード防止効果を奏するという、当業者の予測を超える顕著な効果を奏するものである、ことを主張している。
しかしながら、前記イで説示したとおり、本願発明1が、引用文献1及び2の記載から当業者の予測を超える顕著な効果を奏するとはいえない。
したがって、請求人の主張は採用できない。
エ 小括
したがって、本願発明1の引用発明1に対する選択発明としての進歩性は認められず、本願発明1は、引用発明1及び引用文献1、2の記載に基づき当業者が容易に発明することができたものである。
第5 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項第3号及び同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願は、その他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-016766