特許拒絶査定不服審判
2023-014928
防止具
- 審判番号
- 2023-014928
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-156944
- 請求日
- 2023年08月18日
- 審決日
- 2024年09月19日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】山下 いづみ
- 審判長/審判官
- 審判長 居島 一仁
- 審判官 立澤 正樹
- 審判官 西田 秀彦
- 分類
- P18 .113-WY (A01M) / P18 .121-WY (A01M) / P18 .537-WY (A01M) / P18 .57 -WY (A01M)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法17条の2第5項特許法53条1項特許法159条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-156944「防止具」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 3月 1日出願公開、特開2021- 29223、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和元年8月29日の特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和5年 1月24日付け:拒絶理由通知書(最初)
同年 3月24日 :意見書・手続補正書の提出
同年 6月23日付け:拒絶査定(以下、「原査定」という。)
(6月28日 :原査定の謄本の送達)
同年 8月18日 :審判請求書・手続補正書の提出
同年10月17日 :前置報告書
令和6年 8月19日 :応対記録の作成
第2 令和5年8月18日にされた手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
令和5年8月18日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、令和5年8月18日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1について、以下のとおり補正する補正事項を含むものである。
なお、下線部は補正箇所である。
〔本件補正前(令和5年3月24日付け手続補正)の請求項1〕
「 【請求項1】
いずれも線材を形成して構成してあり、相対的に長寸の複数の第1の防止部、及び相対的に短寸の複数の第2の防止部を具備してなり、被防止動物を防止する防止具本体を備え、
各第1の防止部及び各第2の防止部は、球面の一部面領域へ向かって、当該球面の中心位置から立体放射状に延設してあり、各第1の防止部の間に第2の防止部が位置するように構成してあり、
少なくとも第1の防止部は、前記被防止動物の印加によって撓むようになしてあり、
前記第1の防止部及び第2の防止部は、少なくとも前記球面の一部面領域の縁に位置する第1の防止部以外の第1の防止部が撓んだときに、当該第1の防止部が防止具本体を構成する他のいずれかの第1の防止部又はいずれかの第2の防止部の先端部と交差するようにその直径及び長さを定めてある
ことを特徴とする防止具。」
〔本件補正後(令和5年8月18日付け手続補正)の請求項1〕
「 【請求項1】
鳥類の飛来を防止し、または動物若しくは犯罪者の侵入を防止する防止具であって、
帯板材からなる基台の上面に複数の防止具本体が配置され、
上記防止具本体は、弾性を有する、複数本の線材が束ねられたものであり、
上記複数本の線材は、線材の長さによって複数種類の線材に分類され、
上記複数の線材の基端が基台の上面に固着されるとともに、これらの線材が立体放射状に延設され、
鳥類の飛来、動物または犯罪者の侵入によって、上記複数本の線材の一部が撓んだとき、残りの線材によって、鳥類、動物または犯罪者に軽い痛みを与える防止具。」
2 本件補正の適否について
(1)本件補正事項
上記1の補正事項は、下記の補正事項を含むものである。
〔補正事項〕
補正前の請求項1の「少なくとも第1の防止部は、前記被防止動物の印加によって撓むようになしてあり、前記第1の防止部及び第2の防止部は、少なくとも前記球面の一部面領域の縁に位置する第1の防止部以外の第1の防止部が撓んだときに、当該第1の防止部が防止具本体を構成する他のいずれかの第1の防止部又はいずれかの第2の防止部の先端部と交差するようにその直径及び長さを定めてある」を、
「複数本の線材は、線材の長さによって複数種類の線材に分類され、」「鳥類の飛来、動物または犯罪者の侵入によって、上記複数本の線材の一部が撓んだとき、残りの線材によって、鳥類、動物または犯罪者に軽い痛みを与える」に補正するもの(以下、「補正事項」という。)
(2)補正の目的について
ア 特許法第17条の2第5項の規定によれば、拒絶査定不服審判の請求と同時にする特許請求の範囲についての補正は、請求項の削除(第1号)、特許請求の範囲の減縮(第2号)、誤記の訂正(第3号)、明瞭でない記載の釈明(第4号)のいずれかを目的とするものに限るとされている。
イ そこで、上記補正事項について、以下、検討する。
ウ 上記補正事項は、補正前の請求項1の「前記第1の防止部及び第2の防止部は、少なくとも前記球面の一部面領域の縁に位置する第1の防止部以外の第1の防止部が撓んだときに、当該第1の防止部が防止具本体を構成する他のいずれかの第1の防止部又はいずれかの第2の防止部の先端部と交差するようにその直径及び長さを定めてある」とあるように、「第1の防止部が撓んだときに」、「他のいずれかの第1の防止部又はいずれかの第2の防止部の先端部と交差する」という所望の機能を示すように、「第1の防止部」及び「第2の防止部」が「直径及び長さを定めてある」が、補正後の請求項1では、「交差する」こと、及び、「直径及び長さを定めてある」ことが削除され、撓んだときの「第1の防止部」と「第2の防止部」の位置関係、及び、「第1の防止部」と「第2の防止部」の形状が特定されなくなったものである。
エ そうしてみると、上記補正事項は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明特定事項である「第1の防止部」、「第2の防止部」を実質的に拡張するものであり、限定するものとはいえないから、特許法第17条の2第5項に掲げられた特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない。
オ また、上記補正事項が、同項第1、3、4の各号に掲げられた、請求項の削除、誤記の訂正又は明瞭でない記載の釈明のいずれの目的とするにも該当しないことは明らかである。
カ よって、上記補正事項を含む本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定を満たすものではない。
3 むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、前記補正却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本件発明について
上記第2のとおり、本件補正は却下されたから、本願の請求項1~8に係る発明は、令和5年3月24日に提出された手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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