特許拒絶査定不服審判
2023-013762
液体混合物を製造するシステムおよび方法
- 審判番号
- 2023-013762
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-514744外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2023年08月16日
- 審決日
- 2024年12月02日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
- 【請求人代理人】松谷 道子
- 【請求人代理人】徳山 英浩
- 【請求人代理人】竹内 三喜夫
- 分類
- P18 .121-WZ (A45D) / P18 .575-WZ (A45D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第36条、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-514744号「液体混合物を製造するシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成31年3月21日国際公開、WO2019/052838、令和2年11月19日国内公表、特表2020-533117号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2018年(平成30年)8月31日(パリ条約による優先権主張外国庁受理:2017年9月14日 ドイツ)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、概ね、以下のとおりである。
令和4年8月30日付け:拒絶理由通知書
令和5年1月30日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年4月11日付け:拒絶査定
令和5年8月16日 :審判請求書の提出
令和6年6月17日付け:拒絶理由通知書(最後の拒絶理由通知)
令和6年7月25日 :意見書、手続補正書の提出
第2 令和6年7月25日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年7月25日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
「【請求項1】
液体混合物を製造するためのシステムであって、
複数の粘性液体を保持するように設計された複数のリザーバと、
複数のリザーバからの少なくとも2つの液体を混合するように設計された混合装置であって、混合チューブおよび該混合チューブ内に設けられたスタティックミキサーを含む少なくとも1つの混合装置と、
リザーバからの液体を混合装置に配給するように設計された複数の蠕動ポンプと、
少なくとも1つのモバイル装置上のコンピュータアプリから、該少なくとも2つの液体の混合比に関する少なくとも1つのユーザ固有情報を受信するように設計された電子システムとを備え、
該システムは、複数の蠕動ポンプおよびスタティックミキサーを用いて、予め定めた混合比に従って該少なくとも2つの液体を混合するように設計され、
該スタティックミキサーは、混合ヘッドと、該混合ヘッドの中心の周りに点対称に配置された複数の入口ポートとを含み、
該複数の入口ポートは、第1平面および第2平面の両方に位置決めされ、該第1平面および該第2平面は、互いにオフセットしており、該混合チューブの中心軸に対して垂直である、システム。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載
本件補正前の令和5年1月30日の手続補正による特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
液体混合物を製造するためのシステムであって、
複数の粘性液体を保持するように設計された複数のリザーバと、
複数のリザーバからの少なくとも2つの液体を混合するように設計された混合装置であって、スタティックミキサーを含む少なくとも1つの混合装置と、
リザーバからの液体を混合装置に配給するように設計された複数の蠕動ポンプと、
少なくとも1つのモバイル装置上のコンピュータアプリから、該少なくとも2つの液体の混合比に関する少なくとも1つのユーザ固有情報を受信するように設計された電子システムとを備え、
該システムは、複数の蠕動ポンプおよびスタティックミキサーを用いて、予め定めた混合比に従って該少なくとも2つの液体を混合するように設計され、
該スタティックミキサーは、混合ヘッドと、該混合ヘッドの中心の周りに点対称に配置された複数の入口ポートとを含む、システム。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である、「スタティックミキサー」を含む「混合装置」に関し、「スタティックミキサー」に係る事項について、「混合チューブおよび該混合チューブ内に設けられた」との限定を付加し、「スタティックミキサー」に含まれる「複数の入口ポート」に係る事項について、「該複数の入口ポートは、第1平面および第2平面の両方に位置決めされ、該第1平面および該第2平面は、互いにオフセットしており、該混合チューブの中心軸に対して垂直である」との限定を付加したものである。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正発明が、同条6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、前記1(1)に記載したとおりのものである。
(2) 36条6項2号について
請求項1において、「入口ポート」に関する事項が不明であって、本件補正発明を明確に特定することができない。すなわち、請求項1には、「少なくとも2つの液体を混合するように設計された混合装置」と記載されていることから、2つの「入口ポート」を含む「スタティックミキサー」を含む「混合装置」を備えた、システムに係る発明が含まれていることがわかる。
その場合、当該2つの「入口ポート」が「該混合ヘッドの中心の周りに点対称に配置され(る)」とともに、当該2つの「入口ポート」が、「第1平面および第2平面の両方に位置決めされ、該第1平面および該第2平面は、互いにオフセットしており、該混合チューブの中心軸に対して垂直である」こととなるが、このような「入口ポート」に係る構造がどのようなものであるか不明である。
この点に関し、発明の詳細な説明や図面の記載(特に、【0222】、【0223】、【0242】、図3a、3b)を参酌しても不明である。
「入口ポート」が2つでない場合についても同様で、「複数の入口ポート」に関し、「該混合ヘッドの中心の周りに点対称に配置され(る)」とともに、「第1平面および第2平面の両方に位置決めされ、該第1平面および該第2平面は、互いにオフセットしており、該混合チューブの中心軸に対して垂直である」ような「入口ポート」に係る構造がどのようなものであるか、発明の詳細な説明や図面の記載を参酌しても不明である。
このように、請求項1において「入口ポート」に関する事項が不明であって、本件補正発明を明確に特定することができないから、本件補正後の請求項1は、本件補正発明が明確に記載されているものとは認められない。
以上のとおり、本件補正後の請求項1の記載は、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていないから、本件補正発明は特許出願の際独立して特許を受けることができない。
(3) 29条2項について
既に述べたとおり(前記(2))、本件補正発明は明確でないが、「複数の入口ポート」に関し、「該混合ヘッドの中心の周りに点対称に配置され(る)」とともに、「第1平面および第2平面の両方に位置決めされ、該第1平面および該第2平面は、互いにオフセットしており、該混合チューブの中心軸に対して垂直である」ような「入口ポート」に係る構造が、仮に、図3a、3bに示された、混合チューブ21の出口22に近い側にアダプタ17a~17dが混合ヘッド18に接続し、遠い側にアダプタ17eが混合ヘッド18に接続し、当該近い側、遠い側で、アダプタ17a~eが混合ヘッド18の中心の周りに点対称に配置されるような構造であるとして、以下に検討する。
ア 引用例
(ア) 引用例1の記載
当審において通知した拒絶の理由1(後記第3・2)で示した引用例1である、国際公開第2016/057294号には、図面とともに、次の記載がある(日本語訳は、対応する日本語公報(特表2017-535412号公報)を参考にした。また、下線は、当審で付与した(以下同様)。)。
・「[0042] A personal formulation device 10 in accordance with an embodiment of the present invention in shown in Fig. 1. The personal formulation device 10 is capable of producing customized formulations from a plurality of ingredients. The device 10 generally includes a housing 12, a plurality of pump assemblies 14a-d, a plurality of cartridges 16a-d and a dispensing head 18. In this embodiment, there is a separate pump assembly 14a-d for each cartridge 16a-d. This allows the contents of each cartridge 16a-d to be separately metered and dispensed by a dedicated pump assembly 14a-d. In this embodiment, each of the pump assemblies 14a-d includes a progressive pump. Each progressive pump 14a-d may include a pump housing 30 that houses a stator 32 and a rotor 34. The stator 32 may include an integrated flange seal 36 that locates the stator 32 within the pump housing 30 and seals the interface between adjacent portions of the pump housing 30. The rotor 34 may include a shoulder 72 that allows the rotor 34 to be secured in the pump housing 30 by a retainer 60. The pump assembly 14a-d may include a flexible coupling for joining the rotor 34 to the motor. The coupling may include a coil spring 40 that accommodates eccentric motion of the rotor 34 and provides a bias to urge the shoulder of the rotor 34 into the interfacing surface of the retainer 60.」(本発明の一実施態様に基づく個人用製剤装置10が図1に示されている。個人用製剤装置10は、複数の成分から、カスタマイズされた製剤を製造することができる。装置10は概ね、ハウジング12と、複数のポンプアセンブリ14a~dと、複数のカートリッジ16a~dと、定量供給ヘッド18とを含んでいる。この実施態様では、各カートリッジ16a~dに対して別々のポンプアセンブリ14a~dがある。これは、それぞれのカートリッジ16a~dの内容物が、専用のポンプアセンブリ14a~dによって別々に計量され定量供給されるのを可能にする。この実施態様では、ポンプアセンブリ14a~dのそれぞれはプログレッシブポンプを含む。それぞれのプログレッシブポンプ14a~dは、ステータ32とロータ34とを収納するポンプハウジング30を含んでいてよい。ステータ32は一体型フランジシール部材36を含んでいてよい。この一体型フランジシール部材36は、ポンプハウジング30内部にステータ32を配置しており、ポンプハウジング30の隣接部分の間の界面をシールする。ロータ34はショルダ72を含んでいてよい。ショルダ72は、ロータ34が保持器60によってポンプハウジング30内に固定されるのを可能にする。ポンプアセンブリ14a~dは、ロータ34をモータに接合するための可撓性カップリング部材を含んでいてよい。カップリング部材はコイルばね40を含んでいてよい。コイルばね40は、ロータ34の偏心運動を受け入れ、そしてロータ34のショルダを保持器60の境界形成面内に推進するためのバイアスを提供する。(【0016】))
・「
[図:0001421877000001.jpg]
」
・「[0043] In this embodiment, the device 10 includes a controller 20 that is capable of operating the pump assemblies 14a-d in accordance with customized product formulations. The controller 20 may obtain the customized product formulation through user input or through communication with an external device (not shown). For example, the controller 20 may obtain the product formulation from a handheld electronic device running an application configured to communicate with the device 10 through WiFi, Bluetooth or other wireless communication system. The application may be configured to ask questions that allow the application to determine the appropriate combination of ingredients, or it may allow manual entry of the custom formulation. For example, in the illustrated embodiment, which is intended for use in dispensing cosmetic formulations, the application may ask questions regarding skin tone, skin type, skin dryness, environmental humidity, expected UV exposure, scent preferences, color preferences, shade preferences and other potentially relevant factors to determine the appropriate cosmetic formulation. As an alternative example, the device may allow the user to manually input the desired formulation, such as by specifying the ingredients and their respective amounts.」(この実施態様では、装置10は、カスタマイズされた製品処方に基づきポンプアセンブリ14a~dを操作することができるコントローラ20を含んでいる。コントローラ20は、使用者の入力を介して、又は外部装置(図示せず)との通信を介して、カスタマイズされた製品処方を得ることができる。例えば、コントローラ20は、WiFi、Bluetooth、又は他の無線通信システムを通して装置10と通信するように形成されたアプリケーションを実行する携帯型電子装置から製品処方を得ることができる。アプリケーションは、成分の適宜な組み合わせを決定するのを可能にする質問を出すように形成されていてよく、或いはアプリケーションは、カスタム処方の手動入力を可能にしてもよい。例えば、化粧品製剤を定量供給する際に使用するように意図された図示の態様では、アプリケーションは皮膚の色合い、皮膚のタイプ、皮膚の乾燥、環境湿度、予想UV暴露、香りの好み、色の好み、シェードの好み、及び潜在的に関連する他のファクタに関する質問を出すことができる。別の例としては、装置は、使用者が例えば成分及びこれらのそれぞれの量を指定することによって所望の処方を手動入力するのを可能にしてよい。(【0017】))
・「[0048] In the illustrated embodiment, the personal formulation device 10 includes a separate pump assembly 14a-d for each cartridge 16a-d. This allows the contents of each cartridge 16a-d to be separately metered and dispensed by a dedicated pump assembly 14a-d. In the illustrated embodiment, the device 10 includes progressive pumps, but the pump type may vary in some applications. In this embodiment, the pump assemblies 14a-d are generally identical to one another, and therefore only one pump assembly will be described in detail. Although the illustrated device 10 includes a plurality of essentially identical pump assemblies, the pump assemblies may vary from one another, if desired. For example, in an alternative embodiment intended to dispense ingredients of materially different viscosities, it may be desirable to have different pump assemblies that are configured for dispensing materials of different viscosity ranges. To help assure that ingredients are installed on the correct pump assemblies, the cartridge mounting structure may be different for each different viscosity range, for example, different diameter mounting ends or different attachment structures.」(図示の実施態様では、個人用製剤装置10はそれぞれのカートリッジ16a~dに対して別々のポンプアセンブリ14a~dを含む。このことは、それぞれのカートリッジ16a~dの内容物が、専用のポンプアセンブリ14a~dによって別々に計量され定量供給されるのを可能にする。図示の実施態様では、装置10はプログレッシブポンプを含むが、しかしポンプのタイプはいくつかの用途において変化し得る。この実施態様では、ポンプアセンブリ14a~dは概ね互いに同一であるので、1つのポンプアセンブリだけについて詳述する。図示の装置10がほぼ同一の複数のポンプアセンブリを含んではいるものの、所望の場合には、ポンプアセンブリは互いに異なっていてよい。例えば、粘度が物質的に異なる成分を定量供給しようと意図される別の実施態様では、異なる粘度範囲を有する材料を定量供給するように形成された種々異なるポンプアセンブリを有することが望ましい場合がある。正確なポンプアセンブリに成分が導入されるのを保証するのを助けるために、カートリッジ取り付け構造はそれぞれ異なる粘度範囲に対して異なっていてよく、例えば取り付け端部が異なる直径であるか、又は取り付け構造が異なっていてもよい。(【0021】))
・「[0062] In this embodiment, the device 10 includes a controller 20 that is capable of operating the various pump assemblies 14a-d to dispense individual ingredients in accordance with a variety of potentially different product formulations. In general, for each formulation, the controller 20 is configured to operate the pump assembly 14a-d for each desired ingredient to dispense the amount of that ingredient required by the formulation. The controller 20 may utilize the metering system 96 to monitor and control the volume of ingredients dispensed. For example, the controller 20 may determine (or be provided with) the number of rotations of the rotor 34 required to dispense the appropriate volume of each ingredient and then use the metering system 96 associated with the corresponding pump assembly 14a-d to operate that pump assembly 14a-d until the desired number of rotations of the rotor 34 has occurred. The pump assemblies 14a-d may be operated simultaneously or sequentially, as desired. In applications where power is limited, it may be desirable to operate the pump assemblies 14a-d one at a time. In other applications, it may be desirable to operate them simultaneously to reduce overall dispensing time and to facilitate various integrated ingredient mixing options.」(この実施態様では、装置10はコントローラ20を含む。コントローラは、潜在的に異なる種々の製品処方にしたがって個々の製品を定量供給するように、種々のポンプアセンブリ14a~dを操作することができる。一般に、それぞれの処方に対して、コントローラ20は、処方によって必要になるその成分の量を定量供給するように、それぞれの所望の製品に対応するポンプアセンブリ14a~dを操作するように形成されている。コントローラ20は計量システム96を利用して、定量供給される成分の体積をモニタリングして制御することができる。例えば、コントローラ20は、それぞれの成分の適宜な体積を定量供給するのに必要とされるロータ34の回転の数を決定し(又は提供され)、次いで、ロータ34の所望の数の回転が生じるまで、対応ポンプアセンブリ14a~dを操作するためにその対応ポンプアセンブリ14a~dと連携する計量システム96を使用することができる。ポンプアセンブリ14a~dは望みに応じて、同時又は連続して操作することができる。パワーが制限される用途では、ポンプアセンブリ14a~dを一度に1つずつ操作することが望ましい場合がある。他の用途では、定量供給時間全体を低減し、そして組み込まれた種々の成分混合選択肢を容易にすることが望ましい場合もある。(【0035】))
・「[0063] In one embodiment, the available formulations (or formulas) are stored in memory. For example, the controller 20 may have access to a database of formulations that can be dispensed by the device 10. The database of formulations may be contained in memory integrated into the device 10 or it may be contained in memory in a remote device that has the ability to communicate with the device 10. During use, the formulation to be dispensed may be selected from the database in various ways. For example, the formulation may be manually selected from the database by the user. As another example, selection of the formulation from the database may be automated with the device 10 (or an external device) determining the appropriate formulation from essentially any relevant information. As an example of an automated system, the device 10 may interact with an imaging system to determine the appropriate cosmetic formulation for a user based on an analysis of one or more images of the user's skin (discussed in more detail below). As an alternative to maintaining a database of formulations, the device 10 may be configured to receive formulations from a user or from a remote device during use. For example, a formulation may be manually entered by a user via a user interface (not shown) or a formulation may be determined in realtime by the controller 20 or by a remote device (not shown) that has the ability to communicate the formulation to the device 10.」(1つの実施態様の場合、利用可能な製剤(又は処方)はメモリ内に記憶される。例えば、コントローラ20は、装置10によって定量供給することができる製剤データベースにアクセスすることができる。製剤データベースは装置10内へ組み込まれたメモリ内に含むことができ、或いは、装置10と通信することができる遠隔装置のメモリ内に含むこともできる。使用中、定量供給されるべき製剤は種々の方法でデータベースから選択することができる。例えば、製剤は使用者によってデータベースから手動で選択することができる。別の例としては、データベースからの製剤の選択を装置10(又は外部装置)によって自動化して、本質的に任意の関連情報から適宜な製剤を決定することもできる。自動化システムの一例としては、装置10は画像化システムと相互作用することにより、使用者の皮膚(下で詳述する)の1つ又は2つ以上の画像の分析に基づいて、使用者に適した化粧品製剤を決定することができる。製剤データベースを維持する代わりに、装置10は、使用者から、又は使用中に遠隔装置から処方を受信するように形成されていてもよい。例えば、処方はユーザーインターフェイス(図示せず)を介して使用者によって手入力されてよく、或いは、処方はコントローラ20によって、又は装置10へ処方を伝達することができる遠隔装置(図示せず)によってリアルタイムに決定されてもよい。(【0036】))
・「[0064] When it is desirable for the controller 20 to interact with external electronic devices, the device 10 may include networking capabilities (wired or wireless). For example, the device 10 may include a wireless transceiver (not shown) that is capable of interacting with other devices over a network, such as a Bluetooth, WiFi, Zigbee or other wireless network protocols. Communications capabilities may be used to integrate the device 10 into a larger network of devices that assist a user in tracking activities and making recommendations that help the user maintain/improve health and well-being. If provided with communications capabilities, the device 10 may be configured, among other things, to obtain formulations from a remote device, to obtain data that allows the device 10 to determine the appropriate formulation via the network, to provide dispensing information to a remote device(s) capable of tracking historical data relating to formulation use and facilitate automatic reordering of ingredients when supplies run low. The device 10 may also be provided with a user interface (not shown) that allows a user to input efficacy information that can be relayed to the network of devices and used to help the network make improved formulation decisions. As an alternative to integrating a user interface into the device 10, the controller 20 may be configured to wirelessly interact with an application being run on a remote device (such as a smart phone or tablet). For example, an application run on a smart phone may be used to display available options to the user and to allow the user to select or enter a desired formulation.」(コントローラ20が外部電子装置と相互作用することが望ましい場合には、装置10はネットワーク能力(有線又は無線)を含んでよい。例えば、装置10は無線トランシーバ(図示せず)を含んでよい。無線トランシーバは、ネットワーク、例えばBluetooth、WiFi、Zigbee、又は他のネットワークプロトコルを介して他の装置と相互作用することができる。活動を追跡し、そして使用者が健康及びウェルビーイングを維持/改善するのを助ける推奨を行う上で使用者を支援する装置のより広大なネットワーク内に装置10を組み入れるように、通信能力を用いることができる。通信能力を備えている場合、装置10はとりわけ、遠隔装置から処方を得るように、装置10がネットワークを介して適宜な処方を決定するのを可能にするデータを得るように、製剤の使用に関する履歴データを追跡することができる遠隔装置へ定量供給情報を提供し、そして供給量が不足すると成分の自動再注文を促すように形成されていてよい。装置10は、使用者が効力情報を入力するのを可能にするユーザーインターフェイス(図示せず)を備えていてもよい。効力情報は、装置のネットワークに中継することができ、そしてネットワークが改善された処方決定を下すのを助けるために使用することができる。ユーザーインターフェイスを装置10内へ組み込む代わりに、コントローラ20は、遠隔装置(例えばスマートフォン又はタブレット)上で走行するアプリケーションと無線で相互作用するように形成されていてよい。例えば、スマートフォン上で走行するアプリケーションを使用して、使用者に利用可能なオプションを表示し、そして使用者が所望の製剤を選択又は入力するのを可能にする。(【0037】))
・「[0069] Fig. 20 shows another embodiment in which the stylus 250 includes a static mixing tip 260 that is fitted into the stylus body 256 to provide a structure intended to help mix the various ingredients. The static mixing tip 260 may be a disposable component that is removed and replaced as desired, such as after each use or each time that the ingredient output varies. The static mixing tip 260 may include a skirt 264 that is fitted over the output ends of the ingredient output lines 252a-d to funnel the ingredients into the baffled flow path. The static mixing tip 260 may also include an output nozzle 266 that is fitted through an aperture 270 defined in the bottom of the stylus 250. The stylus 250 of Fig. 20 includes a stylus body 256 with a door 254 that can be opened and closed to provide access to an internal void configured to receive the mixing tip 260. In alternative embodiments, the door 254 may be eliminated. In the illustrated embodiment, the static mixing tip 260 includes a plurality of internal baffles 262 that help to mix the various ingredients. The baffles 262 may be essentially any structure capable of causing the various ingredients to mix. For example, the baffles may be walls (as shown), prongs, spirals or other structures that interfere with the ingredient flow path inside the static mixing tip. In the illustrated embodiment, the static mixing tip 260 is slightly longer than the stylus body 256 so that it is held tightly in place by an interference fit. The static mixing tip 260 may be secured to the stylus 250 in alternative ways. For example, in alternative embodiments, the mixing tip 260 may be removably fitted to the end of the stylus, for example, by a snap-fit or by threads.」(図20が示す別の実施態様において、スタイラス250はスタティックミキシングチップ260を含む。スタティックミキシングチップ260は、種々の成分を混合するのを助けるように意図された構造を提供するために、スタイラス本体256内に嵌め込まれている。スタティックミキシングチップ260は、望みに応じて、例えば使用の後毎に、又は成分出力が変化する時毎に取り外され交換される使い捨て構成部分であってよい。スタティックミキシングチップ260はスカート264を含んでいてよい。スカート264は、成分出力ライン252a~dの出力端部に被せ嵌められることにより、バッフル付きの流路内へ成分を漏斗状に注ぐ。スタティックミキシングチップ260は出力ノズル266を含んでいてもよい。出力ノズル266は、スタイラス250の底部内に形成されたアパーチャ270を通して嵌められている。図20のスタイラス250は、ドア254を備えたスタイラス本体256を含む。ドア254は、混合チップ260を受容するように形成された内部ボイドにアクセスするように開閉することができる。別の実施態様では、ドア254は設けられていなくてよい。図示の実施態様では、スタティックミキシングチップ260は複数の内部バッフル262を含む。これらの内部バッフルは、種々の成分を混合するのを助ける。バッフル262は、種々の成分を混合させることができる本質的に任意の構造であってよい。例えばバッフルは(図示のような)壁、突起、螺旋体、又はスタティックミキシングチップ内で成分流路を干渉するその他の構造であってよい。図示の実施態様では、スタティックミキシングチップ260はスタイラス本体256よりも長いので、干渉嵌めによって所定の位置に緊密に保持される。スタティックミキシングチップ260は別の方法でスタイラス250に固定されていてもよい。例えば、別の実施態様では、混合チップ260は、例えばスナップ嵌め又は螺合によってスタイラスの端部に取り外し可能に嵌められていてよい。(【0042】))
・「
[図:0001421877000002.jpg]
」
・「[0082] Another application for personal formulation devices in accordance with the present invention is homecare. In this context, the pumps can store concentrated amounts of all sorts of shampoo, laundry detergent, dish detergent, hand soap, etc. Because of the concentrated liquid, it can be stored in a small compact size providing nice space savings. This can be beneficial because exact amounts of cleaner can be added to any cleaning situation and optimize the amount you need. This could provide a cost savings and also an environment impact limiting the amount of wasted cleaner. This can also be a smart timed application and different cleaners added at different points in time.」(個人用製剤装置のための別の用途は、ホームケアである。この文脈において、ポンプは濃縮された量のあらゆる種類のシャンプー、洗濯用洗剤、食器用洗剤、ハンドソープなどを貯えることができる。濃縮液に基づき、これは小型のコンパクトなサイズ内に貯えることができ、好都合なスペース節減を可能にする。このことは、正確な量のクリーナーを任意のクリーニング状況へ添加することができ、あなたが必要とする量を最適化することがきるので有益であり得る。このことはコスト削減を可能にし、また環境インパクトを軽減して、廃棄されるクリーナーの量を制限する。このことはスマートなタイミング制御的な用途であってよく、種々異なるクリーナーが異なる時点で添加される。(【0054】))
(イ) 引用発明
a 引用例1には、ポンプアセンブリ14a~d、カートリッジ16a~dを含み、カスタマイズされた製剤を製造する個人用製剤装置10が記載され([0042]、図1)、個人用製剤装置10の機構は全体として自動化されたシステムを構成しているといえる([0063])。
b 引用例1の個人用製剤装置10は、化粧品製剤の製造を想定し([0043])、シャンプー等の製剤の製造も想定しており([0082])、粘度が異なる成分を定量供給する場合には、異なるポンプアセンブリを有することが好ましい旨記載されていることからすると([0048])、カートリッジ16a~dは粘性液体を保持するものであることがわかる。
c 引用例1には、スカート264、スタティックミキシングチップ260、成分出力ライン252a~dの出力端部、スタイラス本体256を含むスタイラス250を利用する点が記載されている([0069]、図20)。
d 引用例1には、個人用製剤装置10が、カスタマイズされた製品処方に基づきポンプアセンブリ14a~dを操作するコントローラ20を含み([0043])、コントローラ20が、遠隔装置(例えばスマートフォン又はタブレット)上のアプリケーションと無線で相互作用するように構成され、遠隔装置を使用して、所望の処方を入力する点が記載されている([0064])。この処方は、ユーザー個人の皮膚の色合い等を考慮したものであり([0043])、この処方に従って定量供給するようにポンプアセンブリ14a~dを操作するものであるから([0062])、混合比に関する情報が含まれていることは明らかである。
e 以上のとおりであるから、引用例1の記載事項及び図面の図示内容を総合すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
(引用発明)
「カスタマイズされた製剤を製造するための自動化されたシステムであって、
複数の粘性液体を保持するように設計された複数のカートリッジ16a~dと、
複数のカートリッジ16a~dからの少なくとも2つの液体を混合するように設計されたスタイラス250であって、スタイラス本体256および該スタイラス本体256内に設けられたスタティックミキシングチップ260を含む少なくとも1つのスタイラス250と、
カートリッジ16a~dからの液体をスタイラス250に配給するように設計された複数のポンプアセンブリ14a~dと、
少なくとも1つの例えばスマートフォン又はタブレットからなる遠隔装置上のアプリケーションから、該少なくとも2つの液体の混合比に関する少なくとも1つのカスタマイズされた製品処方を受信するように設計されたコントローラ20とを備え、
該自動化されたシステムは、複数のポンプアセンブリ14a~dおよびスタティックミキシングチップ260を用いて、予め定めた混合比に従って該少なくとも2つの液体を混合するように設計され、
該スタティックミキシングチップ260は、スカート264と、成分出力ライン252a~dの出力端部とを含む、自動化されたシステム。」
イ 対比
本件補正発明と引用発明とを、その有する機能に照らして対比する。
(ア) 引用発明の「カスタマイズされた製剤」は、本件補正発明の「液体混合物」に相当し、以下同様に、「自動化されたシステム」、「カートリッジ16a~d」、「スタイラス250」、「スタイラス本体256」、「スタティックミキシングチップ260」は、それぞれ、「システム」、「リザーバ」、「混合装置」、「混合チューブ」、「スタティックミキサー」に相当する。
(イ) 引用発明の「ポンプアセンブリ14a~d」は、本件補正発明の「蠕動ポンプ」と、「ポンプ」である点で共通する。
(ウ) 引用発明の「例えばスマートフォン又はタブレットからなる遠隔装置」、「アプリケーション」、「カスタマイズされた製品処方」、「コントローラ20」は、それぞれ、本件補正発明の「モバイル装置」、「コンピュータアプリ」、「ユーザ固有情報」、「電子システム」に相当する。
(エ) 引用発明の「スカート264」と、「成分出力ライン252a~dの出力端部」は、それぞれ、本件補正発明の「混合ヘッド」、「複数の入口ポート」に相当し、引用発明は、本件補正発明と、「該スタティックミキサーは、混合ヘッド」と、「複数の入口ポート」とを含む点で共通する。
(オ) 以上のとおりであるから、本件補正発明と引用発明とは、以下の点で一致し、相違するものと認められる。
(一致点)
「液体混合物を製造するためのシステムであって、
複数の粘性液体を保持するように設計された複数のリザーバと、
複数のリザーバからの少なくとも2つの液体を混合するように設計された混合装置であって、混合チューブおよび該混合チューブ内に設けられたスタティックミキサーを含む少なくとも1つの混合装置と、
リザーバからの液体を混合装置に配給するように設計された複数のポンプと、
少なくとも1つのモバイル装置上のコンピュータアプリから、該少なくとも2つの液体の混合比に関する少なくとも1つのユーザ固有情報を受信するように設計された電子システムとを備え、
該システムは、複数のポンプおよびスタティックミキサーを用いて、予め定めた混合比に従って該少なくとも2つの液体を混合するように設計され、
該スタティックミキサーは、混合ヘッドと、複数の入口ポートとを含む、システム。」
(相違点1)
本件補正発明は、ポンプが「蠕動ポンプ」であるのに対し、引用発明は、ポンプアセンブリ14a~dが蠕動ポンプではない点。
(相違点2)
本件補正発明は、複数の入口ポートが「該混合ヘッドの中心の周りに点対称に配置された」ものであり、「該複数の入口ポートは、第1平面および第2平面の両方に位置決めされ、該第1平面および該第2平面は、互いにオフセットしており、該混合チューブの中心軸に対して垂直である」のに対し、引用発明は、成分出力ライン252a~dの出力端部がそのように構成されていない点。
ウ 判断
(ア) 相違点1について
引用例1には、ポンプのタイプを変更し得る旨記載されている([0048])。
そして、複数の液体を混合するための装置において、リザーバからの液体を配給するにあたり蠕動ポンプを用いることは、例えば、当審において通知した拒絶の理由1(後記第3・2)で示した引用例2(特開2002-119839号公報:【請求項7】、【0015】)、引用例3(米国特許第7445372号明細書:3欄64行~4欄32行)、引用例9(米国特許出願公開第2015/0021356号明細書:[0099]、図3、3A、3B、6)に記載されるように、周知技術である。
よって、引用発明において、ポンプアセンブリ14a~dとして、蠕動ポンプを用いることは、当業者が適宜なし得たことである。
そうすると、引用発明において、相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到することができた事項である。
(イ) 相違点2について
混合装置において、入口ポートを混合ヘッドにおける対向する位置に配置し、すなわち、混合ヘッドの中心の周りに点対称に配置し、混合性能を向上させることは、例えば、当審において通知した拒絶の理由1(後記第3・2)で示した引用例4(特開昭63-104679号公報:3頁右上欄1~17行、第1図)、引用例5(特開平4-93204号公報:7頁左下欄4行~右下欄9行、第7、8図)、引用例6(特開平10-315226号公報:【0009】、【0010】、図1)、引用例7(特開2009-208074号公報:【0026】~【0031】、図3)、引用例8(特開2010-149062号公報:【請求項5】、【0020】、【0032】~【0044】、図1、2))に記載されるように、周知技術である。
よって、引用発明において、混合性能を向上させるために、成分出力ライン252a~dの出力端部を、スカート264における互いに対向する位置に配置すること、すなわち、スカート264の中心の周りに点対称に配置することは、当業者が適宜になし得たことである。
また、部材等を配置する際、その部材等の数や配置箇所のスペースなどを考慮すべきことは当然で、例えば、その部材等の数が多い場合、配置箇所のスペースなどの事情により、部品等を複数列状に配置することは、広く行われており、慣用技術であるから(この点は、シャンプー等の混合においても同様であって、ポートを2列に配置する例が知られている(特表2013-529135号公報:【0029】~【0037】、図17~34)。)、引用発明において、成分出力ライン252a~dの出力端部を、スカート264の中心の周りに点対称に配置するに際し、併せてスタイラス本体256の軸方向に2列に配置する、すなわち、第1平面および第2平面の両方に位置決めし、該第1平面および該第2平面は、互いにオフセットしており、スタイラス本体256の中心軸に対して垂直であるように配置する、といったことは、カートリッジ16a~d、成分出力ライン252a~dの数、スタイラス250の大きさ等に応じて、当業者が通常の創意工夫の範囲内でなし得る程度の事項である。
そうすると、引用発明において、相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到することができた事項である。
(ウ) 本件補正発明の奏する作用、効果をみても、引用発明、上記周知、慣用技術から、当業者が予測できる範囲のものである。
(エ) 請求人は、相違点2に係る構成により、複数の入口ポートから送給される各原料は、混合ヘッド内で万遍なく均等に混合されるようになる、本願発明によれば、混合チャンバの配置および入口ポートの点対称配置により、様々な密度の領域を生成して、流体の粘性を変化させることができ、混合ヘッド内で流体をより良く混合することが可能になり、その後、混合液が分配されると、静的状態において「通常の」粘性値に戻ることができる、などと主張している(令和6年7月25日付け意見書(4))。
しかし、既に述べたとおり、混合ヘッドの中心の周りに点対称に配置し、混合性能を向上させることは周知技術であり、配置する部品等の数が多い場合に、部品等を複数列状に配置することは慣用技術であって、格別のことではないから、引用発明において、相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到することができた事項である。
よって、請求人の主張は採用することができない。
エ 以上のとおり、本件補正発明は、引用発明、周知技術及び慣用技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 以上のとおりであるから、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~15に係る発明は、令和5年1月30日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、明細書及び図面の記載からみて、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 当審において通知した拒絶の理由
当審において令和6年6月17日付けで通知した拒絶の理由のうち、理由1は、概ね、次のとおりである。すなわち、本願の請求項1~15に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用例1~9に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
(引用例)
引用例1 国際公開第2016/057294号
引用例2 特開2002-119839号公報
引用例3 米国特許第7445372号明細書
引用例4 特開昭63-104679号公報
引用例5 特開平4-93204号公報
引用例6 特開平10-315226号公報
引用例7 特開2009-208074号公報
引用例8 特開2010-149062号公報
引用例9 米国特許出願公開第2015/0021356号明細書
3 引用例の記載及び引用発明
引用例1に記載された事項は、前記第2[理由]2(3)アのとおりである。
4 対比及び判断
(1) 本件補正発明は、本願発明の「スタティックミキサー」を含む「混合装置」に関し、「スタティックミキサー」に係る事項について、「混合チューブおよび該混合チューブ内に設けられた」との限定を付加し、「スタティックミキサー」に含まれる「複数の入口ポート」に係る事項について、「該複数の入口ポートは、第1平面および第2平面の両方に位置決めされ、該第1平面および該第2平面は、互いにオフセットしており、該混合チューブの中心軸に対して垂直である」との限定を付加したものである(前記第2[理由]2)。
そして、本願発明はそのような発明特定事項を省くものであって、その余の発明特定事項は本件補正発明と同じである。
そこで、本願発明と引用発明とを、本件補正発明と引用発明との関係を参考に(前記[理由]2(3)イ)、その有する機能に照らして対比すると、両者は、以下の点で、一致し、相違するものと認められる。
(一致点)
「液体混合物を製造するためのシステムであって、
複数の粘性液体を保持するように設計された複数のリザーバと、
複数のリザーバからの少なくとも2つの液体を混合するように設計された混合装置であって、スタティックミキサーを含む少なくとも1つの混合装置と、
リザーバからの液体を混合装置に配給するように設計された複数のポンプと、
少なくとも1つのモバイル装置上のコンピュータアプリから、該少なくとも2つの液体の混合比に関する少なくとも1つのユーザ固有情報を受信するように設計された電子システムとを備え、
該システムは、複数のポンプおよびスタティックミキサーを用いて、予め定めた混合比に従って該少なくとも2つの液体を混合するように設計され、
該スタティックミキサーは、混合ヘッドと、複数の入口ポートとを含む、システム。」
(相違点1’)
本願発明は、ポンプが「蠕動ポンプ」であるのに対し、引用発明は、ポンプアセンブリ14a~dが蠕動ポンプではない点。
(相違点2’)
本願発明は、複数の入口ポートが「該混合ヘッドの中心の周りに点対称に配置された」ものであるのに対し、引用発明は、成分出力ライン252a~dの出力端部がそのように構成されていない点。
(2) 相違点について検討する。
まず、相違点1’についてみるに、既に述べたとおり、複数の液体を混合するための装置において、リザーバからの液体を配給するにあたり蠕動ポンプを用いることは、例えば、引用例2、3、9に記載されるように、周知技術であるから(前記第2(3)ウ(ア))、引用発明において、ポンプアセンブリ14a~dとして、蠕動ポンプを用いることは、当業者が適宜なし得たことである。
次に、相違点2’についてみるに、既に述べたとおり、混合装置において、入口ポートを混合ヘッドにおける対向する位置に配置し、すなわち、混合ヘッドの中心の周りに点対称に配置し、混合性能を向上させることは、例えば、引用例4~8に記載されるように、周知技術であるから、引用発明において、混合性能を向上させるために、成分出力ライン252a~dの出力端部を、スカート264における互いに対向する位置に配置すること、すなわち、スカート264の中心の周りに点対称に配置することは、当業者が適宜になし得たことである。
そして、本願発明の奏する作用、効果をみても、引用発明、上記周知技術から、当業者が予測できる範囲のものである。
そうすると、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
5 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
第4 むすび
以上第3のとおり、本願発明(請求項1に係る発明)は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-013762