審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2023-013502

エンジン装置

審判番号
2023-013502
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-029024
請求日
2023年08月10日
審決日
2024年04月10日
公報発行日
2024年05月31日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人 佐野特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 山本 信平
  • 審判官 河端 賢
  • 審判官 青木 良憲
分類
P18 .121-WY (F02F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-029024「エンジン装置」拒絶査定不服審判事件〔令和3年7月1日出願公開、特開2021-099103、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 理 由 第1 手続の経緯 本願(特願2021-029024号)は、平成29年3月24に出願した特願2017-060187号の一部を令和元年11月14日に新たな特許出願とした特願2019-206114号の一部を令和3年2月25日に新たな特許出願としたものであって、令和4年1月27日付けで拒絶理由通知がされ(発送日:令和4年2月22日)、令和4年4月20日に意見書が提出され、令和4年9月6日付けで拒絶理由通知がされ(発送日:令和4年9月13日)、令和4年11月11日に意見書が提出され、令和5年1月20日付けで拒絶理由通知がされ(発送日:令和5年1月24日)、令和5年3月22日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和5年5月16日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和5年8月10日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(令和5年5月16日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 (進歩性)本願請求項1、2及び4に係る発明は、以下の引用文献2に記載された発明及び引用文献1にて例示される周知技術に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2011-231754号公報(周知技術を示す文献) 2.特開2009-121332号公報 第3 進歩性の欠如 1.本願発明 本願請求項1ないし4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明4」という。)は、令和5年3月22日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定される発明であり、このうち、独立形式請求項である本願発明1は以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 シリンダヘッドの排気側面に設けられる排気マニホールドと、排気ガス圧力を検出する排気圧力センサと、冷却ファンとを備えるエンジン装置において、 前記排気圧力センサは前記シリンダヘッドに取り付けられ、 前記排気圧力センサの一部は、前記シリンダヘッドの外側に露出している、 エンジン装置。」 2. 引用文献、引用発明等 (1)引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、次の事項が記載されている(下線は当審において付した。以下同様。)。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、シリンダヘッドおよび内燃機関に関し、詳細には、シリンダヘッドとエキゾーストマニホールドとが一体に形成されたシリンダヘッドおよびこのシリンダヘッドを搭載した内燃機関に関する。」 「【0015】 図1は、本発明の実施例に係るシリンダヘッドの概略の平面図、図2は、図1の概略のA-A断面図である。図1および図2において、シリンダヘッド1は、車両等に搭載される内燃機関(図示省略)の一部を構成しており、内燃機関が有するシリンダブロック(図示省略)に固定可能に形成されている。詳しくは、シリンダヘッド1は、シリンダブロックにおける、内燃機関が有するピストン(図示省略)の上始点側に固定可能に形成されている。このため、シリンダヘッド1には、当該シリンダヘッド1をシリンダブロックに固定するための固定ボルト(図示省略)が通る穴である貫通穴18が複数設けられている。この貫通穴18は、シリンダヘッド1におけるシリンダブロックに取り付ける側の面である取付面4から、取付面4の反対側に位置する面であるシリンダヘッド上面3にかけて貫通した穴となって形成されている。 【0016】 また、このようにシリンダヘッド1とシリンダブロックとを有する内燃機関は、ピストンを内設する気筒(図示省略)を複数有しており、シリンダヘッド1には、各気筒に対応する燃焼室8が、複数形成されている。即ち、実施例1に係るシリンダヘッド1を有する内燃機関は、4つの気筒が直線状に並べられて設けられているため、シリンダヘッド1に形成される燃焼室8も複数の気筒に対応して、複数の気筒と同様に直線状に並べられて形成されている。このように複数形成される燃焼室8は、シリンダヘッド1の取付面4側に形成されており、取付面4から略曲面状に凹んで形成されている。 【0017】 また、燃焼室8には、内燃機関の運転時における内燃機関の排出ガスが流れる通路として設けられる排気通路10が接続されている。この排気通路10は、複数の気筒の燃焼室8に接続される複数の分岐通路11を有している。この分岐通路11は複数形成される燃焼室8に対応して設けられており、燃焼室8の数と同じ数で設けられている。このように燃焼室8と同じ数で設けられる分岐通路11は、それぞれ燃焼室8に接続されており、燃焼室8に対して開口している。 【0018】 また、排気通路10は、複数設けられる燃焼室8の並んでいる方向に沿って直線状に形成されている通路である直線通路12を有している。この直線通路12には、複数設けられる分岐通路11が接続されており、このため直線通路12は、接続通路として設けられている。このように直線通路12に接続される複数の分岐通路11は、燃焼室8に接続される側の端部の反対側に位置する端部が、この直線通路12に接続されている。 【0019】 さらに、排気通路10は、直線通路12から、シリンダヘッド1における側面であるシリンダヘッド側面6にかけて形成された通路である集合通路13を有している。この集合通路13は、一端が直線通路12に接続されて直線通路12に対して開口しており、他端がシリンダヘッド側面6に接続されてシリンダヘッド側面6に対して開口している。このように、集合通路13においてシリンダヘッド側面6に開口している部分には、排出ガスを大気に排出可能に車両に設けられる配管である排気管(図示省略)が接続される。 【0020】 また、直線通路12において集合通路13が接続されている部分は、集合部15となっている。直線通路12は、このように集合部15を有しているが、直線通路12には複数の分岐通路11が接続されており、さらに、集合部15は集合通路13が接続された部分になっている。このため換言すると、集合部15は、直線通路12を介して複数の分岐通路11が集合して形成された部分になっている。 【0021】 この集合通路13には、集合通路13の排気圧を測定する排気圧センサ(背圧センサ)27および排気温度を測定する温度センサ29が設けられており、これらの検出結果は、ECU(図示省略)に出力される。このように、排気圧センサ27を排気弁(図示省略)の近くに設けることで、排気圧の検出精度を向上させることができる。 【0022】 また、内燃機関は、運転時に内燃機関の冷却に用いられる冷却媒体である冷却水(図示省略)が循環可能に形成されており、シリンダヘッド1には、この冷却水の通路として設けられる冷却媒体通路であるウォータジャケット20が形成されている。シリンダヘッド1に形成されるウォータジャケット20は、燃焼室8の近傍、及び排気通路10の近傍に設けられている。具体的には、シリンダヘッド1には、シリンダヘッド1に形成されたウォータジャケット20への冷却水の流入部である冷却水流入部31と、このウォータジャケット20からの冷却水の流出部である冷却水流出部32とが形成されている。これらの冷却水流入部31と冷却水流出部32とは、シリンダヘッド1に複数形成される燃焼室8が並べられている方向におけるシリンダヘッド1の両端、つまり、複数の燃焼室8が並べられている方向である直線状の方向におけるシリンダヘッド1の両端に設けられている。シリンダヘッド1に形成されるウォータジャケット20は、この冷却水流入部31と冷却水流出部32とに連通している。冷却水流入部31と冷却水流出部32は、不図示のウォーターポンプに連通している。 【0023】 また、ウォータジャケット20のうち、燃焼室8の近傍に設けられるウォータジャケット20は燃焼室ウォータジャケット21となっており、排気通路10の近傍に設けられるウォータジャケット20は排気通路ウォータジャケット25となっている。このうち、燃焼室ウォータジャケット21は、燃焼室8の近傍で燃焼室8よりもシリンダヘッド上面3側の位置に、排気通路10を避けて冷却水流入部31側から冷却水流出部32側にかけて形成されている。 【0024】 また、排気通路ウォータジャケット25は、排気通路10の近傍で排気通路10のシリンダヘッド上面3側及び取付面4側に配設されており、冷却水流入部31側から冷却水流出部32側にかけて形成されている。つまり、排気通路ウォータジャケット25は、概ね排気通路10の直線通路12に沿って形成されており、直線通路12のシリンダヘッド上面3側及び取付面4側に配設されている。このため、ウォータジャケット20は、当該ウォータジャケット20の一部である排気通路ウォータジャケット25が、集合部15の近傍、或いは集合部15の外に形成されている。 【0025】 上記構成のシリンダヘッド1は、内燃機関の排出ガスが流れる通路として設けられており、且つ、内燃機関が有する複数の気筒の燃焼室8に接続される複数の分岐通路11及び複数の分岐通路11が集合して形成される集合通路13を有する排気通路10と、内燃機関の冷却に用いられる冷却媒体の通路として設けられるウォータージャケット(冷却媒体通路)20とを備え、集合通路13に排気圧センサ27を設けているので、排気弁の近くに排気圧センサ27を設けることができ、排気圧を精度よく検出でき、また、シリンダヘッド1内は、冷却水で冷却されているため、排気圧センサ27の熱による故障等を止して、信頼性を向上させることが可能となる。」 「【0026】 図3は、本発明の実施例に係る内燃機関の概略構成を示す模式図である。エンジン100は、燃料噴射弁71が吸気通路内に燃料(ガソリン)を噴射する、いわゆるポート噴射式多気筒のガソリン機関であり、気筒内に形成される混合気に点火プラグ75により点火を行う火花点火機関である。エンジン100は、原動機として車両(図示省略)に搭載されるものであり、各種センサ類からの信号を受けて内燃機関100を制御する制御手段として、電子制御装置81(以下、ECUと記す)が設けられている。以下、エンジン100の構成について説明する。なお、エンジン100については、エンジン100が有する複数の気筒のうち一つの気筒について説明する。 【0027】 図3に示すように、内燃機関としてのエンジン100は、シリンダブロック41上にシリンダヘッド1が締結されており、このシリンダブロック41に形成された複数のシリンダボア43にピストン44がそれぞれ上下移動自在に嵌合している。そして、シリンダブロック41の下部にクランクケース45が締結され、このクランクケース45内にクランクシャフト46が回転自在に支持されており、各ピストン44はコネクティングロッド47を介してこのクランクシャフト46にそれぞれ連結されている。」 「【0035】 一方、排気通路10の集合通路13には、上述した排気圧センサ27および温度センサ29が設けられており、これらの検出結果は、ECU81に出力される。また、排気通路10には、排気管76が連結されており、この排気管76には排出ガス中に含まれるHC、CO、NOxなどの有害物質を浄化処理する三元触媒78、79が装着されている。また、エンジン100には、クランキングを行うスタータモータ80が設けられており、エンジン始動時に図示しないピニオンギヤがリングギヤと噛み合った後、回転力がピニオンギヤからリングギヤへと伝わり、クランクシャフト46を回転することができる。」 「 [図:0001410080000001.jpg] 」(【図1】) 「 [図:0001410080000002.jpg] 」(【図2】) 「 [図:0001410080000003.jpg] 」(【図3】) したがって、上記引用文献2には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「 シリンダヘッド1のシリンダヘッド側面6側に設けられる排気通路10と、排気圧を測定する排気圧センサ27とを備えるエンジン100において、 排気圧センサ27はシリンダヘッド1に設けられ、 排気圧センサ27は、シリンダヘッド1の外側に露出していない、 エンジン100。」 (2)引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、次の事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本願発明は、排気系からの排気ガスの一部をEGRガスとして吸気系に還流させるEGR装置(排気ガス再循環装置)を備えたエンジンに関するものである。」 「【0017】 (1).エンジンの全体構造 まず、主に図1~図6を参照しながら、エンジン70の全体構造について説明する。実施形態のエンジン70は4気筒型のディーゼルエンジンであり、エンジン70におけるシリンダヘッド72の左側面に排気マニホールド71が配置されている。シリンダヘッド72の右側面には吸気マニホールド73が配置されている。シリンダヘッド72は、クランク軸及びピストン(共に図示省略)が内蔵されたシリンダブロック75上に搭載されている。シリンダブロック75の前後両側面からクランク軸の前後先端部をそれぞれ突出させている。シリンダブロック75の前面側には冷却ファン76が設けられている。冷却ファン76の左側方には、エンジン70の動力にて発電する発電機としてのオルタネータ86が配置されている。クランク軸の前端側から、無端帯としてのVベルト77を介して冷却ファン76及びオルタネータ86に回転力を伝達するように構成されている。」 「【0021】 吸気マニホールド73の入口側には、EGR装置91(排気ガス再循環装置)を構成するコレクタ92(図1、図2、図4及び図6参照)を介して、エアクリーナ(図示省略)が連結される。エアクリーナにて除塵・浄化された外気は、EGR装置91のコレクタ92を介して吸気マニホールド73に送られ、そして、エンジン70の各気筒に供給される。図1、図2、図4及び図6に示すように、EGR装置91は、エンジン70の再循環排気ガス(EGRガス、排気マニホールド71から排出される排気ガスの一部)と新気(エアクリーナからの外部空気)とを混合させて吸気マニホールド73に供給するコレクタ(EGR本体ケース)92と、排気マニホールド71にEGRクーラ94を介して接続する再循環排気ガス管95と、再循環排気ガス管95にコレクタ92を連通させるEGRバルブ96とを備えている。 【0022】 上記の構成において、エアクリーナからコレクタ92内に外部空気を供給する一方、排気マニホールド71から、EGRバルブ96を介してコレクタ92内にEGRガスを供給する。エアクリーナからの外部空気と、排気マニホールド71からのEGRガスとが、コレクタ92内で混合された後、コレクタ92内の混合ガスが吸気マニホールド73に供給される。すなわち、エンジン70から排気マニホールド71に排出された排気ガスの一部が、吸気マニホールド73からエンジン70に還流されることによって、高負荷運転時の最高燃焼温度が下がり、エンジン70からのNOx(窒素酸化物)の排出量が低減される。 【0023】 図示は省略するが、シリンダヘッド72の左側面に取り付けられた排気マニホールド71には、マフラー又はディーゼルパティキュレートフィルタ等を介して、テールパイプが接続される。すなわち、エンジン70の各気筒から排気マニホールド71に排出された排気ガスは、マフラー又はディーゼルパティキュレートフィルタ等を経由して、テールパイプから外部に放出される。」 「【0028】 (3).エンジン上部の差圧センサ取付け構造 次に、図1、図3、図6及び図8~図10等を参照しながら、エンジン70上部にある差圧センサ163取付け構造について説明する。エンジン70におけるシリンダヘッド72の上面はヘッドカバー160にて覆われている。ヘッドカバー160はダイカスト加工によって製造されたものである。もちろん、ダイカスト加工以外の鋳造によってヘッドカバー160を製造することも可能である。ヘッドカバー160はシリンダヘッド72の上面にボルト締結されている。ヘッドカバー160内部の空間は弁腕室を形成している。ヘッドカバー160の右側面側には、エンジン70内部のブローバイガスを取り除くためのブリーザ管路161が外向きに突設されている。ブリーザ管路161はブリーザホース162を介して吸気マニホールド71に連通接続されている。エンジン70内部のブローバイガスは、ブリーザ管路161からブリーザホース162を経由して吸気マニホールド71に戻され、再燃焼することになる。 【0029】 図1、図3及び図6に示すように、ヘッドカバー160の上面には、吸気マニホールド73の吸気圧と排気マニホールド71の排気圧との差圧(圧力差)を検出する差圧検出手段としての差圧センサ163が取り付けられている。実施形態の差圧センサ163は、ヘッドカバー160の上面のうち冷却ファン76寄りの部位に搭載されている。差圧センサ163にて検出された差圧に基づいてEGRバルブ96の開度を調節することによって、吸気圧及び排気圧の変動に起因したEGRガス供給量(EGRガス還流量)の変動が抑制される。その結果、エンジン70からのNOx排出量低減効果がより高まることになる。 【0030】 図8に示すように、シリンダヘッド72には、吸気マニホールド71に連通する吸気圧取出通路166が形成されている。吸気圧取出通路166は、吸気マニホールド71の内部に向けて開口した横向きの横取出通路167と、後述する吸気圧導入通路169に向けて開口した縦向きの縦取出通路168とによって、断面略L字状に形成されている。 【0031】 ヘッドカバー160には、差圧センサ163から下向きに突出した一対の検出部164,165のうち吸気圧検出部164につながる吸気圧導入通路169と、もう一方の排気圧検出部165につながる排気圧導入通路173とが形成されている。吸気圧導入通路169は、ヘッドカバー160の右側壁部160aに形成された縦向きの縦導入通路170と、ヘッドカバー160の上壁部160bに形成された横向きの横導入通路171と、ヘッドカバー160の上壁部160bから上方に向けて開口した吸気側検出部通路172とによって、断面略L字状に形成されている。シリンダヘッド72上にヘッドカバー160を取り付けた状態では、吸気圧取出通路166と吸気圧導入通路169とが互いに連通することになる。 【0032】 排気圧導入通路173は、ヘッドカバー160の上壁部から上方に向けて開口した排気側検出部通路174と、排気圧導入継手178が差し込み固定される連通穴175とを備えている。ヘッドカバー160の上面に差圧センサ163を取り付けた状態では、吸気圧検出部164が吸気側検出部通路172に上方から嵌り、排気圧検出部165が排気側検出部通路174に上方から嵌ることになる。排気圧導入通路173の連通穴175に差し込み固定された排気圧導入継手178には、連結ゴム管179の一端側が被嵌されている。連結ゴム管179の他端側には、外付けの排気圧取出配管176の一端側が差し込み装着されている。つまり、排気圧導入継手178と排気圧取出配管176の一端側とは、連結ゴム管179を介して連通接続されている。図1及び図6に示すように、排気圧取出配管176の他端側は排気マニホールド71に連通接続されている。図1、図3及び図6に示すように、実施形態の排気圧取出配管176は、シリンダブロック75の前面側に設けられた冷却ファン76に臨ませるように取り回されている。 【0033】 差圧センサ163の吸気圧検出部164は、吸気マニホールド73から吸気圧取出通路166及び吸気圧導入通路169を経た吸気ガスの圧力を検出し、排気圧検出部165は、排気マニホールド71から排気圧取出配管176、排気導入継手178及び排気圧導入通路173を経た排気ガスの圧力を検出することになる。 【0034】 ヘッドカバー160側にある吸気圧導入通路169及び排気圧導入通路173は、ダイカスト加工(鋳造)の鋳抜きによって形成されている。特に、吸気圧導入通路169の横導入通路171は、ヘッドカバー160の右側面に突設されたブリーザ管路161と平行状に延びるように、鋳抜きにて形成されている。横導入通路171のうちヘッドカバー160の右側面から外向きに開口した開口穴には、これを塞ぐためのプラグ177が装着されている。 【0035】 (4).まとめ 上記の記載並びに図1、図3、図6及び図8~図10から明らかなように、排気系71からの排気ガスの一部をEGRガスとして吸気系73に還流させるEGR装置91を備えているエンジン70であって、シリンダヘッド72の上方を覆うヘッドカバー160に、前記吸気系73の吸気圧と前記排気系71の排気圧との差圧を検出する差圧検出手段163が取り付けられており、前記シリンダヘッド72には前記吸気系73に連通する吸気圧取出通路166が形成されており、前記ヘッドカバー160には前記差圧検出手段163につながる吸気圧導入通路169が形成されており、前記吸気圧取出通路166と前記吸気圧導入通路169とを互いに連通させているから、前記差圧検出手段163を取り付けるための専用ステーや、前記差圧検出手段163に吸気圧を取り込むための外付け配管が不要になる(配管レスになる)。このため、差圧検出のための部品点数を低減でき、コスト改善に寄与する。また、部品点数が少なくなるため、組付け工数を少なくでき、組付作業性の向上も図れる。前記ヘッドカバー160周辺の配管構造の簡素化も可能になる。 【0036】 上記の記載並びに図1、図3、図6及び図8~図10から明らかなように、前記吸気圧導入通路166は、前記ヘッドカバー160の側壁部160aに形成された縦向きの縦導入通路170と、前記ヘッドカバー160の上壁部160bに形成された横向きの横導入通路171とを備えており、前記横導入通路171は、前記ヘッドカバー160に形成されたブリーザ管路161と平行状に延びるようにして、鋳抜きにて形成されているから、前記ヘッドカバー160をダイカスト加工等の鋳造加工にて形成するにおいて、前記ブリーザ管路161と同じ角度で前記横導入通路171を鋳抜きして形成できることになる。このため、型抜きがし易くダイカスト型等の鋳造用型の構造を簡素化できる。前記吸気圧導入通路166付きの前記ヘッドカバー160の成形を容易にできる。 【0037】 上記の記載並びに図1、図3、図6及び図8~図10から明らかなように、前記差圧検出手段163と前記排気系71とは外付けの排気圧取出配管176を介して連通しており、シリンダブロック75の一側面部に配置された冷却ファン76に臨ませるように、前記排気圧取出配管176が取り回されているから、前記排気系71から取り出した排気ガスを、前記排気圧取出配管176内にある間に前記冷却ファン76からの冷却風にて冷やすことが可能になる。従って、許容値を超える高温の排気ガスを前記差圧検出手段163に供給するおそれを格段に減らせるから、高温排気ガスによる前記差圧検出手段163の異常や故障の発生を抑制できる。 【0038】 上記の記載並びに図1、図3、図6及び図8~図10から明らかなように、前記差圧検出手段163は、前記ヘッドカバー160の上面のうち前記冷却ファン76寄りの部位に搭載されているから、前記排気圧取出配管176だけでなく前記差圧検出手段163自体も、前記冷却ファン76からの冷却風にて冷やせることになる。このため、高温排気ガスによる前記差圧検出手段163の異常や故障の発生を、より一層効果的に防止できる。」 「 [図:0001410080000004.jpg] 」(【図1】) 「 [図:0001410080000005.jpg] 」(【図3】) 「 [図:0001410080000006.jpg] 」(【図6】) 「 [図:0001410080000007.jpg] 」(【図8】) 「 [図:0001410080000008.jpg] 」(【図9】) 「 [図:0001410080000009.jpg] 」(【図10】) したがって、上記引用文献1には、以下の技術的事項(以下、「引用文献1に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「 シリンダヘッド72の左側面に配置される排気マニホールド71と、排気ガスの圧力を検出する排気圧検出部165が形成されている差圧センサ163と、冷却ファン76とを備えるエンジン70において、 排気圧検出部165が形成されている差圧センサ163はシリンダヘッド72の上面にボルト締結され該上面を覆うヘッドカバー160に取り付けられ、 排気圧検出部165が形成されている差圧センサ163の一部は、シリンダヘッド72の上面にボルト締結され該上面を覆うヘッドカバー160の外側に露出している、 エンジン100。」 3.対比・判断 (1)本願発明1について ア 対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 (ア)引用発明における「シリンダヘッド1」は本願発明1における「シリンダヘッド」に相当する。また、引用発明における「シリンダヘッド側面6側」は本願発明1における「排気側面」と「排気側面側」という限りで一致する。さらに、引用発明における「設けられる」ことは本願発明1における「設けられる」ことに相当する。そうすると、引用発明における「シリンダヘッド1のシリンダヘッド側面6側に設けられる排気通路10」は本願発明1における「シリンダヘッドの排気側面に設けられる排気マニホールド」と「シリンダヘッドの排気側面側に設けられる排気マニホールド」という限りで一致する。 (イ)引用発明における「排気圧」は、本願発明1における「排気ガス圧力」に相当し、同様に、「測定する」ことは「検出する」ことに相当することから、引用発明における「排気圧を測定する排気圧センサ27」は本願発明1における「排気ガス圧力を検出する排気圧力センサ」に相当する。 また、引用発明における「設けられ」ることは本願発明1における「取り付けられ」ることに相当する。 (ウ)引用発明における「エンジン100」は本願発明1における「エンジン装置」と上記(ア)及び(イ)の限りにおいて一致する「エンジン装置」という限りにおいて一致する。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「 シリンダヘッドの排気側面側に設けられる排気マニホールドと、排気ガス圧力を検出する排気圧力センサとを備えるエンジン装置において、 排気圧力センサはシリンダヘッドに取り付けられる、 エンジン装置。」 (相違点) 本願発明1は、排気マニホールドがシリンダヘッドの「排気側面」に設けられ、「冷却ファン」を備え、シリンダヘッドに取り付けられた排気圧力センサ「の一部」は、「シリンダヘッドの外側に露出している」ものであるのに対し、引用発明は、排気通路10(排気マニホールド)がシリンダヘッド1(シリンダヘッド)のシリンダヘッド側面6(排気側面)「側」に設けられ(設けられ)、「冷却ファン」を備えるかが明らかでなく、シリンダヘッド1(シリンダヘッド)に設けられ(取り付けられ)た排気圧センサ27(排気圧力センサ)は、「シリンダヘッド1(シリンダヘッド)の外側に露出していない」ものである点。 イ 相違点についての判断 上記相違点について検討する。 引用文献1に記載された技術的事項は、上記2.の「(2)引用文献1について」に記載のとおりである。 そして、引用文献1に記載された技術的事項における「シリンダヘッド72」は本願発明1における「シリンダヘッド」に相当し、以下同様に、「左側面」は「排気側面」に、「配置される」ことは「設けられる」ことに、それぞれ相当することから、引用文献1に記載された技術的事項における「シリンダヘッド72の左側面に配置される排気マニホールド71」は本願発明1における「シリンダヘッドの排気側面に設けられる排気マニホールド」に相当する。 引用文献1に記載された技術的事項における「排気ガスの圧力」は本願発明1における「排気ガス圧力」に相当し、以下同様に、「検出する」ことは「検出する」ことに、それぞれ相当することから、引用文献1に記載された技術的事項における「排気ガスの圧力を検出する排気圧検出部165が形成されている差圧センサ163」は本願発明1における「排気ガス圧力を検出する排気圧力センサ」に相当する。 引用文献1に記載された技術的事項における「冷却ファン76」は本願発明1における「冷却ファン」に相当する。 引用文献1に記載された技術的事項における「排気圧検出部165が形成されている差圧センサ163はシリンダヘッド72の上面にボルト締結され該上面を覆うヘッドカバー160に取り付けられ」ていることは本願発明1における「排気圧力センサはシリンダヘッドに取り付けられ」ていることと「排気圧力センサはシリンダヘッドの上方に取り付けられ」ていることという限りで一致する。 引用文献1に記載された技術的事項における「排気圧検出部165が形成されている差圧センサ163の一部は、シリンダヘッド72の上面にボルト締結され該上面を覆うヘッドカバー160の外側に露出していることは本願発明1における「排気圧力センサの一部は、シリンダヘッドの外側に露出している」ことと「排気圧力センサの一部は、シリンダヘッドの上方の外側に露出している」という限りで一致する。 引用文献1に記載された技術的事項における「エンジン100」は本願発明1における「エンジン装置」と上記各点の限りにおいて一致する「エンジン装置」という限りで一致する。 これを踏まえて、引用文献1に記載された技術的事項を本願発明1の用語を用いて整理すると、 「 シリンダヘッドの排気側面に設けられる排気マニホールドと、排気ガス圧力を検出する排気圧力センサと、冷却ファンとを備えるエンジン装置において、 排気圧力センサはシリンダヘッドの上方に取り付けられ、 排気圧力センサの一部は、シリンダヘッドの上方の外側に露出している、 エンジン装置。」 となる。 しかしながら、引用文献1に記載された技術的事項は、相違点に係る本願発明1の発明特定事項のように、「シリンダヘッドに取り付けられた排気圧力センサの一部は、シリンダヘッドの外側に露出している」ことを記載ないし示唆するものではないことから、当業者といえども、引用発明及び引用文献1に記載された技術的事項から、相違点に係る本願発明1の発明特定事項に容易に想到することはできない。 また、原査定のように引用文献1に記載された技術的事項が周知技術を例示するものであったとしても同様である。 以上のとおり、引用文献1に記載された技術的事項は相違点に係る本願発明1の発明特定事項を記載ないし示唆するものではないことから、本願発明1は引用発明及び引用文献1に記載された技術的事項または引用文献1にて例示される周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ まとめ したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献1に記載された技術的事項または引用文献1にて例示される周知技術に基いて容易に当業者が発明できたものとはいえない。 (2)本願発明2ないし4について 本願発明2ないし4は、本願発明1を引用するものであり、本願発明1と同一の発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献1に記載された技術的事項または引用文献1にて例示される周知技術に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 第5 むすび 以上のとおり、本願発明1ないし4は、当業者が引用発明及び引用文献1に記載された技術的事項または引用文献1にて例示される周知技術に基いて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2023-013502

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決111件(ヤンマーパワーテクノロジー株式会社)
  • 2024-013752拒絶査定不服審判 / 2026-07-15 / 請求不成立ヒートポンプ
    同じ当事者: ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
  • 2025-008816拒絶査定不服審判 / 2026-07-13 / 原査定取消(特許/登録すべき)自動走行システムおよび表示方法
    同じ当事者: ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
  • 2024-006959拒絶査定不服審判 / 2026-06-22 / 原査定取消(特許/登録すべき)領域調整システム
    同じ当事者: ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
  • 2025-000681拒絶査定不服審判 / 2026-06-08 / 原査定取消(特許/登録すべき)魚計数システム、魚計数方法及びプログラム
    同じ当事者: ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
  • 2024-009061拒絶査定不服審判 / 2026-06-08 / 請求不成立作業車両
    同じ当事者: ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)46件(121・F02F)
  • 2024-009239拒絶査定不服審判 / 2025-07-30 / 原査定取消(特許/登録すべき)直列4気筒エンジン
    共通の審決分類: 121・F02F
  • 2022-019518拒絶査定不服審判 / 2024-03-05 / 原査定取消(特許/登録すべき)ユニフロー掃気大型2ストロークディーゼルエンジンのためのシリンダ及び大型ディーゼ…
    共通の審決分類: 121・F02F
  • 2022-001424拒絶査定不服審判 / 2023-09-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)エンジン
    共通の審決分類: 121・F02F
  • 2022-004956拒絶査定不服審判 / 2023-03-29 / 請求不成立エンジンのシリンダヘッド
    共通の審決分類: 121・F02F
  • 2022-007570拒絶査定不服審判 / 2023-01-31 / 請求不成立シリンダーブロックの製造方法
    共通の審決分類: 121・F02F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存