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特許拒絶査定不服審判

2023-012560

医療用インプラント用電界紡糸ポリマーアセンブリ

審判番号
2023-012560
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-554381外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2023年07月26日
審決日
2025年11月04日
公報発行日
2026年04月24日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A61F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2021-554381「医療用インプラント用電界紡糸ポリマーアセンブリ」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 9月17日国際公開、WO2020/182863、令和 4年 5月 6日国内公表、特表2022-524524〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 14項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、2020年(令和 2年) 3月11日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2019年 3月11日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その後の手続の経緯は、概略、以下のとおりである。

令和 5年 2月 7日付け:拒絶理由通知書

同年 3月16日 :意見書及び手続補正書の提出

同年 7月 4日付け:拒絶査定

同年 7月26日 :審判請求書及び同時に手続補正書の提出

令和 6年 5月28日付け:拒絶理由通知書
同年10月11日 :誤訳訂正書の提出
同年10月16日 :意見書及び手続補正書の提出
令和 7年 2月27日付け:拒絶理由通知書

同年 6月 3日 :意見書及び手続補正書の提出

第2 本願発明

本願の請求項1~7に係る発明は、令和 7年 6月 3日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。

「【請求項1】
心血管医療用インプラントであって、
(a)生分解性ポリマーの繊維の不織材料で形成された第1の部材と、
(b)前記第1の部材と同じ前記生分解性ポリマーの繊維の不織材料で形成された第2の部材と、
を含み、
前記第1の部材および前記第2の部材は、両部材の結合界面に局所的に接合部が形成された状態で互いに直接結合されているか、前記第1の部材および前記第2の部材と同じ前記生分解性ポリマーの材料を介して互いに結合されており、
前記心血管医療用インプラントは、前記第1の部材と前記第2の部材との縫い合わせ部を有しておらず、
前記第1の部材および前記第2の部材は、多孔質の部材で、前記心血管医療用インプラントは、前記第1の部材と前記第2の部材の前記結合界面以外の部分は多孔質で、移植された前記心血管医療用インプラントの内部で内因性組織再生が生ずるのが可能であり、それにより、前記生分解性ポリマーの前記心血管医療用インプラントが前記内因性組織に置き換わることが可能となる血管医療用インプラント。」

第3 当審において通知した拒絶の理由の概要

当審が令和 7年 2月27日付けの拒絶理由通知書においてその判断を留保した、令和 6年 5月28日付け拒絶理由通知書の理由3(進歩性)は、以下の理由を含むものである。

本願発明は、その優先日前日本国内または外国において頒布された下記の引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:米国特許出願公開第2014/0141152号明細書
引用文献2:特表2015-515322号公報(周知技術を示す文献)

第4 引用文献の記載事項及び引用発明

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1 引用文献1

上記引用文献1には、以下の事項が記載されている(日本語訳は、当審が付したものである。以下同様。)。

ア「 [0005] In some embodiments, aspects of the disclosure relate to scaffolds that are used for tissue growth. In some embodiments, scaffolds are synthesized having two or more layers of material (e.g., of the same type or of different types) and/or that incorporate one or more additional structures.」([0005] 一部の実施形態において、本開示の態様は、組織成長に使用される足場に関する。一部の実施形態において、足場は、2層以上の材料(例えば、同一種又は異種)を有して合成され、及び/又は1つ以上の追加構造を含む。)

イ「[0009] Scaffolds or portions thereof described herein can be used to generate synthetic organs or tissues or portions thereof, including but not limited to, respiratory tissues (e.g., tracheal, bronchial, esophageal, alveolar, and other pulmonary or respiratory tissues), circulatory tissues (e.g., arterial, venous, capillary, and other cardiovascular tissue, for example, heart chambers of other heart regions or heart or cardiac valves or valve structures), renal tissue (for example renal pyramids of the kidney), liver tissue, cartilaginous tissue (e.g. nasal or auricular), skin tissue, and any other tissue or organ or portion thereof that is being engineered on a synthetic scaffold.」([0009] 本明細書に記載の足場又はその一部は、合成臓器又は組織、若しくはその一部(呼吸器組織(例えば気管、気管支、食道、肺胞、その他の肺又は呼吸器組織)、循環器組織(例えば動脈、静脈、毛細血管、その他の心血管組織、例えばその他の心臓領域の心室又は心臓弁若しくは弁構造)、腎組織(例えば腎臓の腎錐体)、肝組織、軟骨組織(例えば鼻軟骨又は耳介軟骨)、皮膚組織、及び合成足場上で設計されているその他のあらゆる組織若しくは器官又はその一部を含むがそれらに限定されない。)を生成するために使用され得る。)

ウ「[0101] In some embodiments, synthetic scaffolds are provided for growing tissues or organs. In some embodiments, fibers from different layers are attached together using physical techniques (e.g., sutures, welding, for example micro welding such as micro-ultrasound welding, or laser welding, or any other suitable form of welding) and/or chemical techniques (e.g., one or more solvents, cross-linking agents, etc., or any combination thereof). In some embodiments, physical welding (e.g., micro ultrasound or laser welding) may be used to attach together fibers from different layers of a synthetic scaffold. In some embodiments, different patterns can be used to weld multiple layers of fibers at a single point (e.g., a point of less than 1.8 mm in size). FIG. 11F illustrates a first layer (110) and a second layer (111) of a synthetic scaffold (113), in which welding (e.g., micro ultrasound or laser welding) has been used to create micro welds (112) that attach the second layer (111) (e.g., a layer of electrospun fibers) to the first layer (110) to form a synthetic scaffold (113). In this way, FIG. 11F illustrates a pattern of welds joining the first layer (110) and the second layer (111). Any suitable pattern of micro welds (112) may be used to join layers in a synthetic scaffold to eliminate delamination problems of the layers. For example, the weld patterns may be a point source, diamond shape, random or chaotic patterns or other suitable pattern. It should be appreciated that similar techniques can be used to connected other scaffold components (e.g., structural components) to each other or to one or more layers of material (e.g., electrospun material).」([0101] 一部の実施形態では、組織や臓器を培養するための合成足場が提供される。一部の実施形態では、異なる層の繊維を、物理的手法(例えば、縫合、溶接、例えばマイクロ超音波溶接などのマイクロ溶接、レーザー溶接、又はその他の適切な溶接形態)及び/又は化学的手法(例えば、一つ以上の溶媒、架橋剤など、又はそれらの任意の組み合わせ)を用いて接合する。一部の実施形態では、物理的溶接(例えば、マイクロ超音波溶接又はレーザー溶接)を用いて、合成足場の異なる層の繊維を互いに接合することができる。一部の実施形態では、異なるパターンを用いて、複数の繊維の層を単一点(例えば、1.8mm未満のサイズの点)で溶接することができる。図11Fは、合成足場(113)の第1層(110)と第2層(111)を示しており、溶接(例えば、マイクロ超音波又はレーザー溶接)を用いて第2層(111)(例えば、電界紡糸繊維の層)を第1層(110)に接合するマイクロ溶接(112)が形成され、合成足場を構成する。このように、図11Fは、第1層(110)と第2層(111)を接合する溶接のパターンを示している。層を接合して合成足場とし層間剥離の問題を解消するため、任意の適切なマイクロ溶接(112)のパターンを使用できる。例えば、溶接パターンは点状、菱形、ランダム又はカオス的パターン、その他の適切なパターンとすることができる。同様の技術を用いて、他の足場構成要素(例えば構造要素)同士、あるいは一つ以上の材料層(例えば電界紡糸材料)に接続することも可能である点に留意すべきである。)

エ「[0107] …In some embodiments, aspects of the invention are useful to enhance the stability of scaffold or other structures that include two or more regions or layers of fibers (e.g., electrospun nanofibers) that are not physically connected.」([0107] …いくつかの実施形態では、本発明の態様は、2以上の、物理的に接続されていない繊維(例えば、電界紡糸されたナノ繊維)の領域又は層を含む足場又は他の構造体の安定性を増強するために有用である。)

オ「[0108] In some embodiments, a scaffold is designed to have a porous surface having pores ranging from around 10 nm to about 100 micron in diameter that can promote cellularization.」([0108] いくつかの実施形態において、足場は、細胞化を促進することができる直径約10nmから約100ミクロンの範囲の細孔を有する多孔質表面を有するように設計されている。)

カ「[0114] In some embodiments, scaffolds comprise one or more types of fiber (e.g., nanofibers). In some embodiments, scaffolds comprise one or more natural fibers, one or more synthetic fibers, one or more polymers, or any combination thereof. It should be appreciated that different material (e.g., different fibers) can be used in methods and compositions described herein. In some embodiments, the material is biocompatible so that it can support cell growth. In some embodiments, the material is permanent (e.g., PET), semi-permanent (e.g., it persists for several years after implantation into the host, or rapidly degradable (e.g., it is resorbed within several months after implantation into the host).」([0114] 一部の実施形態において、足場は1種類以上の繊維(例えばナノ繊維)を含む。一部の実施形態において、足場は1種類以上の天然繊維、1種類以上の合成繊維、1種類以上のポリマー、又はそれらの任意の組み合わせを含む。本明細書に記載の方法及び組成物においては、異なる材料(例えば異なる繊維)が使用され得ることを理解すべきである。一部の実施形態において、材料は生体適合性であり、細胞の増殖をサポートできる。一部の実施形態において、材料は永久的(例えば、PET)、半永久的(例えば、宿主への移植後数年間持続する)、又は急速に分解可能(例えば、宿主への移植後数ヶ月以内に吸収される)である。)

キ「

[図:0001433385000001.jpg]

」

2 引用発明

上記1ア~キを総合すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「組織成長に使用され、心血管組織を生成するために使用される合成足場113であって、
物理的に接続されていない電界紡糸された同一種のポリマー材料を有する第1層110と第2層111とを有し、
細胞化を促進することができる細孔を有する多孔質表面を有し、
材料は、生体適合性であり、細胞の増殖をサポートでき、急速に分解可能であり、
マイクロ溶接を用いて第2層111を第1層110に接合した
合成足場113。」

3 引用文献2

引用文献2には、以下の事項が記載されている。

ア「【請求項1】

静電紡糸されたポリ(テトラフルオロエチレン)を含む少なくとも一つの多孔性の層、及び第2の静電紡糸されたポリマーを含む一つの多孔性の層を含む、多層の管状複合人工デバイス。」

イ「【0041】

代表的な単一成分複合人工デバイスを図1及び図2に示す。図1は、複合人工デバイス10の壁の断面図を説明しており、ここで、前記デバイスの内径表面被膜(12)及び外径表面被膜(16)は同じ分散液-紡糸ポリマー(例えば、PTFE)で構成されている。層14は結合層であり、同じタイプの分散液-紡糸ポリマー(例えば、PTFE)で構成されているが、層14は当初は焼結されていない(粘着性があり塑性のある)形態で構造内に組み込まれている。なお、デバイス10の使用に先立って、層14を焼結、繊維状とし、(例えば層14を層12及び/又は層16の孔に浸透させることで)層間を接着するために、熱及び/又は圧力が加えられる。図2は、上記デバイスと同様だが、さらに構造フレーム24を包含する、複合人工デバイス20の壁の断面図を説明する。この場合も、層22、26、及び28は、同じタイプのポリマー(例えば、PTFE)で構成され、結合層(26)は、当初は焼結されていない形態で組み込まれている。ここで、デバイス前駆体に熱及び圧力を加えることで、好ましくは、結合層26が層22及び/又は28の孔に浸透することと同様に、構造フレーム24の隙間にも浸透する。いくつかの実施態様において、熱及び圧力を加えることで、層26が複合デバイスの内径表面を構成する材料と複合デバイスの外径表面を構成する材料とを結合させるようにする。この場合も、複合デバイス前駆体は、好ましくは、最終複合デバイスの最終形態の中で層26が焼結体となるように、使用に先駆けて加熱される(例えば、前記層はPTFEで構成される)。」

ウ 「
[図:0001433385000002.jpg]
」
エ 「
[図:0001433385000003.jpg]
」

上記ア~エから、引用文献2には、同じタイプのポリマーで静電紡糸された第1層及び第2層を、同じタイプのポリマーによって接着することが記載されている。

第5 対比

本願発明と引用発明とを対比する。

1 引用発明の「組織成長に使用され、心血管組織を生成するために使用される合成足場113」は、その機能及び構造からみて、本願発明の「心血管医療用インプラント」及び「血管医療用インプラント」に相当し、同様に、「第1層110」及び「第2層111」は、「第1の部材」及び「第2の部材」に相当する。

そして、引用発明の「材料は、生体適合性であり、細胞の増殖をサポートでき、急速に分解可能であ」る「物理的に接続されていない電界紡糸された同一種のポリマー材料を有する第1層110と第2層111」は、本願発明の「(a)生分解性ポリマーの繊維の不織材料で形成された第1の部材と、(b)前記第1の部材と同じ前記生分解性ポリマーの繊維の不織材料で形成された第2の部材」に相当する。

2 引用発明の「マイクロ溶接を用いて第2層111を第1層110に接合した」構造は、マイクロ溶接では局所的に接合部が形成されるから、本願発明の「前記第1の部材および前記第2の部材は、両部材の結合界面に局所的に接合部が形成された状態で互いに直接結合されている」構造に相当する。

したがって、引用発明の上記構造は、本願発明の「前記第1の部材および前記第2の部材は、両部材の結合界面に局所的に接合部が形成された状態で互いに直接結合されているか、前記第1の部材および前記第2の部材と同じ前記生分解性ポリマーの材料を介して互いに結合されて」いる構造に相当する。

3 引用発明の合成足場113は、「細胞化を促進することができる細孔を有する多孔質表面を有し」ており、また、上記2の対比のとおりの局所的に結合部が形成された結合界面を有することを踏まえれば、物理的に接続されていない電界紡糸された同一種のポリマー材料を有する第1層110及び第2層111の当該結合界面以外の部分は多孔質であると解される。

そうすると、引用発明の「組織成長に使用され、心血管組織を生成するために使用される」、「細胞化を促進することができる細孔を有する多孔質表面を有」する合成足場113は、本願発明の「前記第1の部材および前記第2の部材は、多孔質の部材で、前記心血管医療用インプラントは、前記第1の部材と前記第2の部材の前記結合界面以外の部分は多孔質で、移植された前記心血管医療用インプラントの内部で内因性組織再生が生ずるのが可能であり、それにより、前記生分解性ポリマーの前記心血管医療用インプラントが前記内因性組織に置き換わることが可能となる」血管医療用インプラントに相当する。

そうすると、両者は、

「心血管医療用インプラントであって、
(a)生分解性ポリマーの繊維の不織材料で形成された第1の部材と、
(b)前記第1の部材と同じ前記生分解性ポリマーの繊維の不織材料で形成された第2の部材と、
を含み、
前記第1の部材および前記第2の部材は、両部材の結合界面に局所的に接合部が形成された状態で互いに直接結合されているか、前記第1の部材および前記第2の部材と同じ前記生分解性ポリマーの材料を介して互いに結合されており、
前記第1の部材および前記第2の部材は、多孔質の部材で、前記心血管医療用インプラントは、前記第1の部材と前記第2の部材の前記結合界面以外の部分は多孔質で、移植された前記心血管医療用インプラントの内部で内因性組織再生が生ずるのが可能であり、それにより、前記生分解性ポリマーの前記心血管医療用インプラントが前記内因性組織に置き換わることが可能となる血管医療用インプラント。」

である点で一致し、次の点で相違する。

[相違点]

本願発明は、「前記心血管医療用インプラントは、前記第1の部材と前記第2の部材との縫い合わせ部を有して」いないのに対し、引用発明は、そのように特定されていない点。

第6 判断

1 相違点の検討

上記相違点について検討する。

前記第4の1ウのとおり、引用文献1に記載された合成足場113の第1層110及び第2層111は、縫合によっても互いに接合することができるものであると記載されており、縫合が接合の一手法であることが示されているところ、当業者が合成足場113の第1層110と第2層111との接合に用いる手法を選択するにあたり、該手法としてマイクロ溶接を選択し、縫合を用いないよう構成することで、上記相違点に係る本願発明の事項とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。

2 効果について

本願発明の奏する効果は、引用発明及び引用文献1の記載事項から当業者が予測し得る範囲内のものにすぎず、格別顕著なものではない。

3 小括

したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献1の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第6 請求人の令和 7年 9月19日提出の補正案について

請求人は、令和 7年 9月19日提出の補正案において、請求項1につき次の案を提示し、補正の内容の説明において、補正案発明の進歩性を主張している。

「【請求項1】
心血管医療用インプラントであって、
(a)生分解性ポリマーの繊維の不織材料で形成された第1の部材と、
(b)前記第1の部材と同じ前記生分解性ポリマーの繊維の不織材料で形成された第2の部材と、
を含み、
前記第1の部材および前記第2の部材は、前記第1の部材および前記第2の部材と同じ前記生分解性ポリマーの材料を介して互いに結合されており、
前記心血管医療用インプラントは、前記第1の部材と前記第2の部材との縫い合わせ部を有しておらず、
前記第1の部材および前記第2の部材は、多孔質の部材で、前記心血管医療用インプラントは、前記第1の部材と前記第2の部材の結合部以外の部分は多孔質で、移植された前記心血管医療用インプラントの内部で内因性組織再生が生ずるのが可能であり、それにより、前記生分解性ポリマーの前記心血管医療用インプラントが前記内因性組織に置き換わることが可能となる血管医療用インプラント。」

上記補正案発明は、第1の部材と第2の部材との結合について、「前記第1の部材および前記第2の部材と同じ前記生分解性ポリマーの材料を介して互いに結合されており」と特定されている。

しかし、前記第4の3ア~エの記載のとおり、同じタイプのポリマーで静電紡糸された第1層及び第2層を同じタイプのポリマーによって接着することは周知技術であるから、上記案のように補正したとしても、上記補正案発明の進歩性が肯定されるものではない。

したがって、請求人の上記主張は採用することができない。

第7 むすび

以上のとおりであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2023-012560

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