商標拒絶査定不服審判
2023-003635
ガイア
- 審判番号
- 2023-003635
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-105820
- 請求日
- 2023年03月03日
- 審決日
- 2024年06月12日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社バイオス
- 【請求人代理人】中村 知公
- 【請求人代理人】前田 大輔
- 【請求人代理人】伊藤 孝太郎
- 【請求人代理人】朝倉 美知
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .261-Z (W09) / T18 .262-Z (W09) / T18 .263-Z (W09) / T18 .264-Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-105820拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「GAIA」の文字を標準文字で表してなり、第9類「ネットワーク接続型ストレージ(NAS)」を指定商品として、令和3年8月25日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年3月22日付けで拒絶理由の通知がされ、同年11月30日付けで拒絶査定がされたものであり、これに対し、同5年3月3日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4142589号-2商標(以下「引用商標」という。)は、「GAIA」の欧文字と「ガイア」の片仮名を上下二段に書してなり、平成8年7月10日に登録出願、同10年5月1日に設定登録された登録第4142589号商標について、同19年3月29日に商標権の分割移転の登録がされた結果、指定商品を第9類「土木積算用電子計算機用プログラム」とし、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、「GAIA」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字に相応して「ガイア」の称呼を生じ、「ガイア(大地の女神)」(「Gaea」の語と同義として、「ジーニアス英和辞典 第6版」発行者:株式会社大修館書店)の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記2のとおり、「GAIA」の欧文字と「ガイア」の片仮名を上下二段に書してなるところ、その構成中の「ガイア」の文字は、「GAIA」の欧文字の読みを片仮名で表したものと理解されるものである。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「ガイア」の称呼を生じ、「ガイア(大地の女神)」(前掲書)の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、構成全体を見た場合、「ガイア」の片仮名の有無の差異があるものの、本願商標「GAIA」の文字と引用商標の構成中の「GAIA」の欧文字とを比較すると、両者は、いずれも一般的な書体で表されており、構成文字のつづりを共通にすることから、これらは、外観上類似するものである。
次に、称呼においては、本願商標から生じる「ガイア」の称呼と引用商標から生じる「ガイア」の称呼は同一であり、称呼を共通にするものである。
そして、観念においては、本願商標及び引用商標から生じる「ガイア(大地の女神)」の観念は同一であり、観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において類似し、称呼及び観念を共通にするから、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願の指定商品である第9類「ネットワーク接続型ストレージ(NAS)」と、引用商標の指定商品である第9類「土木積算用電子計算機用プログラム」の類否を比較検討する。
本願の指定商品は、「コンピューターネットワークに直接接続して使用する補助記憶装置。」(別掲1(1)参照。)を意味するものであるところ、これは、「電子応用機械器具及びその部品」(「類似商品・役務審査基準〔国際分類第11-2021版対応〕特許庁)の範ちゅうの商品として例示されている「ハードディスクユニット」に類するものであるといえるから、本願の指定商品は、「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうの商品であると認められる。
また、「電子応用機械器具及びその部品」は、「この商品は、電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものが該当します。」(「商品及び役務の区分解説」〔国際分類第11-2022版対応〕特許庁商標課編」とされていることに加え、別掲1のとおり、「ネットワーク接続型ストレージ(NAS)」は、個人、法人を問わず利用が増加しており(別掲1(2)~(7)参照。)、引用商標の指定商品に関連する建設業界においても利用されていることが確認できる(同(8)~(10)参照。)。
さらに、「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうの商品として「電子計算機用プログラム」が例示されていることから(「類似商品・役務審査基準〔国際分類第11-2021版対応〕特許庁)、引用商標の指定商品は、本願の指定商品と同じく、「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうの商品であると認められる。
そして、引用商標の指定商品は、「土木積算用電子計算機用プログラム」であり、別掲2のとおり、引用商標権者のウェブサイトを参照すると、その需要者は、おもに建設業界関係者と見られるところ、建設業界においても、別掲1(8)~(10)のとおり、データの共有等を行う際に、「ネットワーク接続型ストレージ(NAS)」が利用されていることから、「ネットワーク接続型ストレージ(NAS)」と「土木積算用電子計算機用プログラム」とは、その需要者の範囲を同じくする場合があるものといえる。
加えて、別掲3のとおり、「ネットワーク接続型ストレージ(NAS)」と「土木積算用電子計算機用プログラム」に見られるような各種の「電子計算機プログラム」が同一営業主により製造、開発、販売されている事実が確認できる。
そうすると、本願の指定商品である「ネットワーク接続型ストレージ(NAS)」と、引用商標の指定商品である「土木積算用電子計算機用プログラム」とは、ともに電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものであって、その需要者の範囲並びにその生産部門及び販売部門を同じくすることがあるといえるものであり、これらの取引の実情に照らせば、両者は類似する商品と判断すべきものである。
したがって、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものである。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 請求人の主張について
(1)請求人は、本願の指定商品に係る実際の製品と引用商標の指定商品に係る実際の製品を比較し、その価格帯、両製品が提供される専門領域の違い等の具体的内容を勘案すれば、本願の指定商品と引用商標の指定商品とは非類似である旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断において参酌されるべき取引の実情とは、その指定商品及び指定役務全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであるところ、上記3(4)のとおり、本願の指定商品と引用商標の指定商品とは、電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものであって、その需要者の範囲並びにその生産部門及び販売部門を同じくすることがあるといえるものであり、これらに同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造、販売に係る商品と誤認を生じるおそれがあるといえるものであるから、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似すると判断するのが相当である。
また、請求人の上記主張は、請求人及び引用商標権者の商品の個別具体的な事情にすぎず、一般的かつ恒常的な取引の実情とは認められないことからすると、これを取引の実情として、本願の指定商品と引用商標の指定商品の類否判断にあたり考慮することは適当でない。
(2)請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張している。
しかしながら、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、また、当該登録例と本願商標とは、商標の構成、指定商品等を異にするものであるから,当該登録例によって,ただちに本願商標の認定が左右されるものではない。
(3)請求人の上記主張は、採用することができず、また、その他の請求人の主張も採用することはできない。
5 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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