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商標拒絶査定不服審判

2025-008715

ココ

審判番号
2025-008715
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2024-036122
請求日
2025年06月05日
審決日
2026年06月01日
公報発行日
2026年08月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】NITTOKU株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人後藤特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 石塚 文子
分類
T18 .261-Z (W091845) / T18 .262-Z (W091845) / T18 .263-Z (W091845) / T18 .264-Z (W091845)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第27条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2024- 36122拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和6年4月4日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和6年11月5日付け:拒絶理由通知書 令和6年12月20日 :意見書の提出 令和7年3月4日付け :拒絶査定 令和7年6月5日 :審判請求書の提出 令和8年3月10日付け:審尋 令和8年4月22日 :回答書の提出 第2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類「動物識別用電子応用機械器具,ペット探索用電波送受信機械器具」、第18類「動物用首輪,愛玩動物用首輪」及び第45類「迷子のペットを見つけるための援助」を指定商品及び指定役務として、登録出願されたものである。 第3 原査定の拒絶の理由 原査定は、本願商標が、登録第1094477号商標(以下「引用商標1」という。)、商願2023-63986号商標及びほか1件の商標と類似の商標であって、これらの商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する(商標登録出願中のものについては、これが登録されたときに同号に該当する。)旨の拒絶の理由を通知した上で、引用商標1により、本願を拒絶したものである。 そして、商願2023-63986号商標は、「COCO」の文字を標準文字で表してなり、令和5年6月9日に登録出願、第9類及び第38類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同8年2月9日に登録第7014143号商標(以下「引用商標2」という。)として設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。 第4 当審における審尋 当審において、請求人に対し、令和8年3月10日付けで通知した審尋により、本願商標は、引用商標2と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品と引用商標2に係る指定商品は、同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。 第5 審尋に対する請求人の回答(要旨) 請求人は、上記第4の審尋に対し、令和8年4月22日に回答書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。 1 本願商標は、図形の部分と「Coco!」部分とを一体として用いることを通常とするものであり、図形の部分と「Coco!」部分とを分離して観察する合理的な根拠はない。 2 本願商標は、犬や猫等のペットが「ここにいるよ!」と鳴いている場面を想起させるものであって、「Coco!」だけを見ても、「!」が付されているため、これを目にした需要者が「ココヤシ」を想起するとは考えられない。 3 引用商標2の指定商品は、一般的な汎用の機械・装置を意味することは明らかであり、一般的な汎用の機械・装置とは分野、業界、取引者が異なる「動物識別用の電子計算機」や「ペット探索用のGPSナビゲーション装置」まで含まれるものと解釈するのは、商標権の範囲を過度に拡大するものである。 第6 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本願商標と引用商標1について 引用商標1は、商標登録の取消しの審判により、一部の指定商品についての登録が取り消されたことにより、その指定商品は、本願の指定商品及び指定役務と類似しないものとなった。 したがって、引用商標1との関係では、本願の拒絶の理由は解消した。 (2)本願商標と引用商標2について ア 本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、上段に犬と猫の各頭部をモチーフにしたと思われる図形(以下「図形部分」という。)、下段に「Coco!」の文字(以下「文字部分」という。)を、それぞれオレンジ色で表してなるところ、その図形部分と文字部分は、図形と文字という構成要素を異にすることに加え、それぞれ重なり合うことなく、上下に独立して表されているものであることから、視覚上、明確に分離して看取し得るものである。 そして、文字部分は、「ココヤシ」(参照:新英和中辞典第7版(株式会社研究社))の意味を有する「Coco」の欧文字と、感嘆符である「!」の符号を横一列に表してなるものであるから、「ココヤシ」の意味合いが理解される。 また、図形部分は、犬と猫の各頭部をモチーフにしたと思われるものではあるが、これより特定の称呼や観念が自然に生じるといった事情は見いだせないことから、図形部分と文字部分とは、観念上のつながりはなく、両者を常に一体のものとして把握しなければならない特段の事情も見いだせない。 以上から、図形部分と文字部分は、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。 そうすると、本願商標は、その構成中の図形部分と文字部分が、それぞれ独立して自他商品役務の出所識別標識の機能を有しているといえ、その構成中から文字部分を要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものである。 したがって、本願商標は、その構成中の「Coco!」の文字部分に相応して、「ココ」の称呼及び「ココヤシ」の観念が生じるものである。 イ 引用商標2について 引用商標2は、「COCO」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字(語)は、「ココヤシ」(参照:前掲書)の意味を有する英単語である。 そうすると、引用商標2は、その構成文字に相応して、「ココ」の称呼及び「ココヤシ」の観念が生じるものである。 ウ 本願商標と引用商標2の類否について 本願商標と引用商標2は、上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、全体の外観において、図形部分の有無の差異を有するものの、本願商標の文字部分と引用商標2とを比較すると、感嘆符や色彩の有無、語頭「C」以外の文字の大文字と小文字の違いがあるものの、「COCO(Coco)」のつづりを同じくするものであるから、外観上近似した印象を与えるものといえる。 また、両者は、いずれも「ココ」の称呼及び「ココヤシ」の観念を生じるものであるから、称呼及び観念を共通にするものである。 そうすると、本願商標と引用商標2とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。 エ 本願の指定商品及び指定役務と引用商標2の指定商品及び指定役務との類否について (ア)本願の指定商品及び指定役務中、第9類「動物識別用電子応用機械器具」は、引用商標2の指定商品及び指定役務中、第9類「コンピュータ端末機,データ処理装置用カプラー,読取り装置(データ処理装置),マウス(コンピュータ周辺機器),マウスパッド(コンピュータ周辺機器),コンピュータ周辺機器,スキャナー,コンピュータ操作用プログラム,深層学習の分野におけるデータ収集・分析及び整理用のダウンロード可能なコンピュータソフトウェア,シミュレーション対話に使用するチャットロボット用のコンピュータソフトウェア,コンピュータの操作用ソフトウエア,コンピュータプログラム(ダウンロード可能なソフトウェア),ダウンロード可能なモバイルアプリケーションソフトウェア,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),コンピュータ用プログラムを記憶させた記録媒体,タブレットコンピューター用カバー,タブレット型コンピュータ,スマートフォン用保護ケース,USBフラッシュドライブ,ネットワーク用ルータ,電子計算機,データ処理装置,腕時計型携帯情報端末,コンピュータハードウエア,ノートブック型コンピュータ,コンピュータ記憶装置,眼鏡型携帯情報端末,コンピュータ用キーボード,フラットパネルディスプレイ,手持ち式電子辞書,デスクトップコンピュータ,ノートブック型コンピュータ,指紋スキャナー,コンピュータ用入力装置,プリンター,指輪型携帯情報端末,ICカード(スマートカード),スマートフォン,携帯電話機及びスマートフォン用ホルダー,スマートフォン用保護フィルム,スマートフォン用の無線ヘッドセット,画像増強管,電子書籍リーダー,スマートフォン用のフラッシュランプ,スマートフォン用ディスプレイ」と同一又は類似の商品である。 (イ)また、本願の指定商品及び指定役務中、第9類「ペット探索用電波送受信機械器具」は、引用商標2の指定商品及び指定役務中、第9類「GPSナビゲーション装置,ネットワーク通信機器,データ処理装置用カプラー,音声・画像メディア用プレイヤー,テレビジョン送受信装置,レコードプレーヤー,携帯型メディアプレーヤー,ラジオ送受信機,スマートフォン用保護ケース,マイクロホン,ネットワーク用ルータ,腕時計型携帯情報端末,眼鏡型携帯情報端末,フラットパネルディスプレイ,指輪型携帯情報端末,携帯電話機,テレビ電話及び電話用ヘッドセット,同時通訳に使用する受信機,携帯電話機用ケース,自動車電話機用車載ユニット,自動車用ナビゲーション装置,携帯電話機用ケース,スマートフォン,携帯電話機及びスマートフォン用ホルダー,スマートフォン用保護フィルム,スマートテレビ,ビデオカメラ,テレビジョン受信機,ヘッドホン,電子式のビデオ監視装置,スマートフォン用の無線ヘッドセット,携帯型マルチメディアプレーヤー,自動車搭載用のオーディオ機器,ビデオベビーモニター,スピーカー,近距離無線通信に対応したイヤホン,ビデオ録画・再生プレーヤー,ポータブルスピーカー,デジタルカメラ,携帯型オーディオプレーヤー,スマートフォン用のフラッシュランプ,スマートフォン用ディスプレイ」と同一又は類似の商品である。 (3)小括 以上のとおり、本願商標は、引用商標2と類似する商標であって、引用商標2の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 請求人の主張について (1)請求人は、本願商標は、図形部分と「Coco!」部分とを一体として用いることを通常とするものであり、図形部分と「Coco!」部分とを分離して観察する合理的な根拠はない旨主張する。 しかしながら、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合のほか、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められない場合には、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して類否を判断することも許されるというべきである(最高裁昭和37年(オ)第953号判決、最高裁平成3年(行ツ)第103号判決、最高裁平成19年(行ヒ)第223号判決参照)。 そして、本願商標については、上記1(2)アのとおり、その構成中の図形部分と文字部分は、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないことから、本願商標の構成中の文字部分を要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することができるというべきである。 (2)請求人は、本願商標は、犬や猫等のペットが「ここにいるよ!」と鳴いている場面を想起させるものであって、「Coco!」だけを見ても、「!」が付されているため、これを目にした需要者が「ココヤシ」を想起するとは考えられない旨主張する。 しかしながら、上記1(2)アのとおり、「Coco」の欧文字は、「ココヤシ」を意味する英単語であるから、感嘆符である「!」の符号が付されているとしても、「ココヤシ」の意味合いが理解されるものである。 なお、仮に、本願商標の文字部分から「ココヤシ」の観念が生じず、引用商標2と観念において比較できないとしても、本願商標の文字部分と引用商標2とは、外観において近似し、称呼を共通にするものであるから、これらを総合して考察すれば、本願商標と引用商標2とは、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。 (3)請求人は、引用商標2の指定商品は、一般的な汎用の機械・装置を意味することは明らかであり、一般的な汎用の機械・装置とは分野、業界、取引者が異なる「動物識別用の電子計算機」や「ペット探索用のGPSナビゲーション装置」まで含まれるものと解釈するのは、商標権の範囲を過度に拡大するものである旨主張する。 しかしながら、指定商品又は指定役務の範囲は、願書の記載に基づいて定めなければならないところ(商標法第27条第2項)、引用商標2の指定商品の範囲は、願書の記載、すなわち別掲2の記載に基づいて定められることになる。 そして、別掲2における第9類の指定商品の記載によれば、請求人が主張するような「一般的な汎用」の商品に限定する記載は見当たらない。 そうすると、引用商標2の指定商品には、一般的な汎用の商品に限らず、特定の用途の商品も含まれると解するのが相当である。 そして、例えば、引用商標2の指定商品中の「電子計算機」には「動物識別用の電子計算機」が、「GPSナビゲーション装置」には「ペット探索用のGPSナビゲーション装置」が、それぞれ含まれているといえるものであり、「動物識別用の電子計算機」は、本願の指定商品である「動物識別用電子応用機械器具」と、「ペット探索用のGPSナビゲーション装置」は本願の指定商品である「ペット探索用電波送受信機械器具」と、それぞれ動物やペットに用いられるという用途が一致し、需要者の範囲も共通するといえる。 してみると、これらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあるというべきである。 したがって、引用商標2の指定商品及び指定役務には、本願の指定商品及び指定役務中「動物識別用電子応用機械器具,ペット探索用電波送受信機械器具」と同一又は類似の商品が含まれているというべきである。 (4)したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、引用商標2との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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