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特許拒絶査定不服審判

2023-002468

基板搬送装置の位置補償のための方法および装置

審判番号
2023-002468
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-540413
請求日
2023年02月13日
審決日
2023年10月18日
公報発行日
2024年04月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ブルックス オートメーション ユーエス、エルエルシー
  • 【請求人代理人】弁理士法人朝日奈特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 河本 充雄
  • 審判官 棚田 一也
  • 審判官 松永 稔
分類
P18 .572-Z (H01L) / P18 .575-Z (H01L) / P18 .113-Z (H01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-540413「基板搬送装置の位置補償のための方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 8月 2日国際公開、WO2018/140769、令和 2年 2月20日国内公表、特表2020-505775〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30年) 1月26日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2017年 1月26日 (US)アメリカ合衆国、2018年 1月25日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。 令和 3年12月17日付け:拒絶理由通知 令和 4年 6月21日 :意見書、手続補正書の提出 令和 4年10月 3日付け:拒絶査定 令和 5年 2月13日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和5年2月13日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年2月13日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正の概要 (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された(当審注:下線部は補正箇所である。)。 「【請求項1】 基板搬送装置であって、 フレームと、 前記フレームに接続される駆動部と、 前記駆動部に動作可能に接続される搬送アームであって、前記搬送アームは、関節式であり、基板保持部を備えるエンドエフェクタを有し、前記フレームに対する少なくとも1つの運動軸に沿った前記搬送アームの関節運動により画定される搬送スペース内において、第1位置と、前記第1位置と異なる第2位置との間で、前記フレームに対し移動可能である、搬送アームと、 前記搬送アームの関節運動をもたらすように前記駆動部に動作可能に接続される制御装置であって、前記制御装置は、前記第1位置と前記第2位置との間の搬送アーム垂下による前記搬送アームのパラメータ化されていない経験的アーム垂下距離を解決するように構成されるアーム垂下補償装置を備える、制御装置と を備える基板搬送装置。 【請求項2】 前記制御装置は、前記駆動部を用いて、前記搬送アームの前記パラメータ化されていない経験的アーム垂下距離の略全体を補償および解決する大きさおよび方向の前記搬送アームの補償運動をもたらす、請求項1記載の基板搬送装置。 【請求項3】 前記アーム垂下補償装置は、アーム垂下距離レジスタを有し、前記アーム垂下補償装置は、前記アーム垂下距離レジスタから、前記第1位置と前記第2位置との間の前記搬送アームの前記パラメータ化されていない経験的アーム垂下距離を判定する、請求項1記載の基板搬送装置。 【請求項4】 前記制御装置は、前記駆動部を用いて、前記アーム垂下距離レジスタから判定される前記搬送アームの前記パラメータ化されていない経験的アーム垂下距離の略全体を補償および解決する大きさおよび方向の前記搬送アームの補償運動をもたらす、請求項3記載の基板搬送装置。 【請求項5】 前記補償運動は、前記搬送スペース内の所定の場所にある前記基板保持部が、アーム垂下が顕在化される方向で、前記搬送アーム垂下と無関係であるネットポジションにあるように、所定の参照基準に対する前記搬送アームの前記パラメータ化されていない経験的アーム垂下距離の略全体の相殺を引き起こす、請求項4記載の基板搬送装置。 【請求項6】 前記所定の場所は、基板処理ツール内の基板送り先場所である、請求項5記載の基板搬送装置。 【請求項7】 前記制御装置は、前記基板保持部が実質的に前記ネットポジションにて前記所定の場所に到達する運動を完了するように、前記補償運動をもたらす、請求項5記載の基板搬送装置。 【請求項8】 前記制御装置は、前記第1位置と前記第2位置との間で時間最適軌道を有する最適経路に沿って前記基板保持部を移動させるアーム運動を用いて、前記補償運動をもたらす、請求項5記載の基板搬送装置。 【請求項9】 前記駆動部および前記搬送アームは、前記搬送アームの運動が2以上の自由度を有するように構成され、前記アーム垂下距離レジスタは、前記2以上の自由度の前記搬送アームの前記運動により形成される前記搬送スペースに亘る前記パラメータ化されていない経験的アーム垂下距離を記述する、請求項3記載の基板搬送装置。 【請求項10】 前記搬送アームは、前記駆動部との接続部にて交換されるように、複数の別個の交換可能搬送アームから交換可能であり、前記交換可能搬送アームのそれぞれは、異なるアーム垂下特性、およびそれに関連する、対応する垂下距離レジスタを有し、垂下距離レジスタは、関連するアームのパラメータ化されていない経験的アーム垂下距離を記述する、請求項3記載の基板搬送装置。 【請求項11】 請求項10記載の基板搬送装置を備える基板処理ツールであって、前記搬送スペース内の所定の場所にある前記基板保持部上の基板とインターフェース接続するように配置され、前記インターフェース接続が前記搬送アーム垂下と無関係にもたらされるように位置決めされる基板保持ステーションを有する基板処理ツール。 【請求項12】 請求項10記載の基板搬送装置を備える基板処理ツールであって、前記搬送アームまたは前記基板保持部と相互作用し、前記相互作用が前記搬送アーム垂下と無関係にもたらされるように配置される所定の構造を有する基板処理ツール。 【請求項13】 フレームと、 前記フレームに接続される駆動部と、 前記駆動部に動作可能に接続される搬送アームであって、前記搬送アームは、関節式であり、基板保持部を備えるエンドエフェクタを有し、前記フレームに対する少なくとも1つの運動軸に沿った前記搬送アームの関節運動により画定される搬送スペース内において、第1位置と、前記第1位置と異なる第2位置との間で、前記フレームに対し移動可能である、搬送アームと、 前記搬送アームの関節運動をもたらすように前記駆動部に動作可能に接続される制御装置であって、前記制御装置は、前記駆動部を用いて、アーム垂下が顕在化される方向の反対の方向に、前記第1位置と前記第2位置との間のアーム垂下による、所定の参照基準に対するパラメータ化されていない経験的アーム垂下距離の全体を実質的に相殺するように、前記アーム垂下を補償するアームの補償運動をもたらすように構成される、制御装置とを備える基板処理ツール。 【請求項14】 前記制御装置は、アーム垂下距離レジスタを有し、前記制御装置は、前記アーム垂下距離レジスタから、前記第1位置と前記第2位置との間の前記搬送アームの前記パラメータ化されていない経験的アーム垂下距離を判定する、請求項13記載の基板搬送ツール。 【請求項15】 前記駆動部および前記搬送アームは、前記搬送アームの運動が2以上の自由度を有するように構成され、前記アーム垂下距離レジスタは、前記2以上の自由度の前記搬送アームの前記運動により形成される前記搬送スペースに亘る前記パラメータ化されていない経験的アーム垂下距離を記述する、請求項14記載の基板搬送ツール。 【請求項16】 前記搬送アームは、前記駆動部との接続部にて交換されるように、複数の別個の交換可能搬送アームから交換可能であり、前記交換可能搬送アームのそれぞれは、異なるアーム垂下特性、およびそれに関連する、対応するアーム垂下距離レジスタを有し、アーム垂下距離レジスタは、関連するアームのパラメータ化されていない経験的アーム垂下距離を記述する、請求項14記載の基板搬送ツール。 【請求項17】 前記搬送アームの前記補償運動は、前記搬送スペース内の所定の場所にある前記基板保持部が、アーム垂下が顕在化される方向で、前記アーム垂下と無関係のネットポジションにあるように、所定の参照基準に対する前記搬送アームの前記パラメータ化されていない経験的アーム垂下距離の略全体の相殺を引き起こす、請求項13記載の基板搬送ツール。 【請求項18】 前記所定の場所は、基板処理ツール内の基板送り先場所である、請求項17記載の基板搬送ツール。 【請求項19】 前記制御装置は、前記基板保持部が実質的に前記ネットポジションにて前記所定の場所に到達する運動を完了するように、前記アーム垂下が顕在化される方向の反対の方向に、前記搬送アームの前記運動をもたらす、請求項17記載の基板搬送ツール。 【請求項20】 前記制御装置は、前記第1位置と前記第2位置との間で時間最適軌道を有する最適経路に沿って前記基板保持部を移動させるアーム運動を用いて、アーム垂下が顕在化される方向の反対の方向に前記搬送アームの前記運動をもたらす、請求項13記載の基板搬送ツール。 【請求項21】 フレームと、 前記フレームに接続される駆動部と、 前記駆動部に動作可能に接続される搬送アームであって、前記搬送アームは、関節式であり、基板保持部を備えるエンドエフェクタを有し、前記フレームに対する少なくとも1つの運動軸に沿った前記搬送アームの関節運動により画定される搬送スペース内において、第1位置と、前記第1位置と異なる第2位置との間で、前記フレームに対し移動可能である、搬送アームと、 前記搬送アームの関節運動をもたらすように前記駆動部に動作可能に接続される制御装置であって、前記制御装置は、前記第1位置と前記第2位置との間の非命令アーム幾何構造変化による前記搬送アームのパラメータ化されていない経験的非命令アーム変位距離を解決するように構成されるアーム垂下補償装置を備える、制御装置と を備える基板搬送装置。 【請求項22】 前記制御装置は、前記駆動部を用いて、前記搬送アームの前記パラメータ化されていない経験的非命令アーム変位距離の略全体を補償および解決する大きさおよび方向の前記搬送アームの補償運動をもたらす、請求項21記載の基板搬送装置。 【請求項23】 前記アーム垂下補償装置は、アーム垂下レジスタを有し、前記アーム垂下補償装置は、前記アーム垂下レジスタから、前記第1位置と前記第2位置との間の前記搬送アームの前記パラメータ化されていない経験的非命令アーム変位距離を判定する、請求項21記載の基板搬送装置。 【請求項24】 前記制御装置は、前記駆動部を用いて、前記アーム垂下レジスタから判定される前記搬送アームの前記パラメータ化されていない経験的非命令アーム変位距離の略全体を補償および解決する大きさおよび方向の前記搬送アームの補償運動をもたらす、請求項23記載の基板搬送装置。 【請求項25】 前記補償運動は、前記搬送スペース内の所定の場所にある前記基板保持部が、非命令アーム変位が顕在化される方向で、前記非命令アーム幾何構造変化と無関係のネットポジションにあるように、所定の参照基準に対する前記搬送アームの前記パラメータ化されていない経験的非命令アーム変位距離の略全体の相殺を引き起こす、請求項24記載の基板搬送装置。 【請求項26】 前記所定の場所は、基板処理ツール内の基板送り先場所である、請求項25記載の基板搬送装置。 【請求項27】 前記制御装置は、前記基板保持部が実質的に前記ネットポジションにて前記所定の場所に到達する運動を完了するように、前記補償運動をもたらす、請求項25記載の基板搬送装置。 【請求項28】 前記制御装置は、前記第1位置と前記第2位置との間で時間最適軌道を有する最適経路に沿って前記基板保持部を移動させるアーム運動を用いて、前記補償運動をもたらす、請求項25記載の基板搬送装置。 【請求項29】 前記駆動部および前記搬送アームは、前記搬送アームの運動が2以上の自由度を有するように構成され、前記アーム垂下レジスタは、前記2以上の自由度の前記搬送アームの前記運動により形成される前記搬送スペースに亘る前記パラメータ化されていない経験的非命令アーム変位距離を記述する、請求項23記載の基板搬送装置。 【請求項30】 前記搬送アームは、前記駆動部との接続部にて交換されるように、複数の別個の交換可能搬送アームから交換可能であり、前記交換可能搬送アームのそれぞれは、異なるアーム垂下特性、およびそれに関連する、対応する垂下レジスタを有し、垂下レジスタは、関連するアームの前記パラメータ化されていない経験的非命令アーム変位距離を記述する、請求項23記載の基板搬送装置。 【請求項31】 請求項30記載の基板搬送装置を備える基板処理ツールであって、前記搬送スペース内の所定の場所にある前記基板保持部上の基板とインターフェース接続するように配置され、前記インターフェース接続が前記非命令アーム幾何構造変化と無関係にもたらされるように位置決めされる基板保持ステーションを有する基板処理ツール。 【請求項32】 請求項30記載の基板搬送装置を備える基板処理ツールであって、前記搬送アームまたは前記基板保持部と相互作用し、前記相互作用が前記非命令アーム幾何構造変化と無関係にもたらされるように配置される所定の構造を有する基板処理ツール。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の、令和4年6月21日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~96のうち、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~32に対応する本件補正前の請求項19~38、67~78の記載は、次のとおりである。なお、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1~96のうち、請求項1~18、39~66、79~96は、本件補正により削除された。 「【請求項19】 基板搬送装置であって、 フレームと、 前記フレームに接続される駆動部と、 前記駆動部に動作可能に接続される搬送アームであって、前記搬送アームは、関節式であり、基板保持部を備えるエンドエフェクタを有し、前記フレームに対する少なくとも1つの運動軸に沿った前記搬送アームの関節運動により画定される搬送スペース内において、第1位置と、前記第1位置と異なる第2位置との間で、前記フレームに対し移動可能である、搬送アームと、 前記搬送アームの関節運動をもたらすように前記駆動部に動作可能に接続される制御装置であって、前記制御装置は、前記第1位置と前記第2位置との間の搬送アーム垂下による前記搬送アームの経験的アーム垂下距離を解決するように構成されるアーム垂下補償装置を備える、制御装置と を備える基板搬送装置。 【請求項20】 前記制御装置は、前記駆動部を用いて、前記搬送アームの前記経験的アーム垂下距離の略全体を補償および解決する大きさおよび方向の前記搬送アームの補償運動をもたらす、請求項19記載の基板搬送装置。 【請求項21】 前記アーム垂下補償装置は、アーム垂下距離レジスタを有し、前記アーム垂下補償装置は、前記アーム垂下距離レジスタから、前記第1位置と前記第2位置との間の前記搬送アームの前記経験的アーム垂下距離を判定する、請求項19記載の基板搬送装置。 【請求項22】 前記制御装置は、前記駆動部を用いて、前記アーム垂下距離レジスタから判定される前記搬送アームの前記経験的アーム垂下距離の略全体を補償および解決する大きさおよび方向の前記搬送アームの補償運動をもたらす、請求項21記載の基板搬送装置。 【請求項23】 前記補償運動は、前記搬送スペース内の所定の場所にある前記基板保持部が、アーム垂下が顕在化される方向で、前記搬送アーム垂下と無関係であるネットポジションにあるように、所定の参照基準に対する前記搬送アームの前記経験的アーム垂下距離の略全体の相殺を引き起こす、請求項22記載の基板搬送装置。 【請求項24】 前記所定の場所は、基板処理ツール内の基板送り先場所である、請求項23記載の基板搬送装置。 【請求項25】 前記制御装置は、前記基板保持部が実質的に前記ネットポジションにて前記所定の場所に到達する運動を完了するように、前記補償運動をもたらす、請求項23記載の基板搬送装置。 【請求項26】 前記制御装置は、前記第1位置と前記第2位置との間で時間最適軌道を有する最適経路に沿って前記基板保持部を移動させるアーム運動を用いて、前記補償運動をもたらす、請求項23記載の基板搬送装置。 【請求項27】 前記駆動部および前記搬送アームは、前記搬送アームの運動が2以上の自由度を有するように構成され、前記アーム垂下距離レジスタは、前記2以上の自由度の前記搬送アームの前記運動により形成される前記搬送スペースに亘る前記経験的アーム垂下距離を記述する、請求項21記載の基板搬送装置。 【請求項28】 前記搬送アームは、前記駆動部との接続部にて交換されるように、複数の別個の交換可能搬送アームから交換可能であり、前記交換可能搬送アームのそれぞれは、異なるアーム垂下特性、およびそれに関連する、対応する垂下距離レジスタを有し、垂下距離レジスタは、関連するアームの経験的アーム垂下距離を記述する、請求項21記載の基板搬送装置。 【請求項29】 請求項28記載の基板搬送装置を備える基板処理ツールであって、前記搬送スペース内の所定の場所にある前記基板保持部上の基板とインターフェース接続するように配置され、前記インターフェース接続が前記搬送アーム垂下と無関係にもたらされるように位置決めされる基板保持ステーションを有する基板処理ツール。 【請求項30】 請求項28記載の基板搬送装置を備える基板処理ツールであって、前記搬送アームまたは前記基板保持部と相互作用し、前記相互作用が前記搬送アーム垂下と無関係にもたらされるように配置される所定の構造を有する基板処理ツール。 【請求項31】 フレームと、 前記フレームに接続される駆動部と、 前記駆動部に動作可能に接続される搬送アームであって、前記搬送アームは、関節式であり、基板保持部を備えるエンドエフェクタを有し、前記フレームに対する少なくとも1つの運動軸に沿った前記搬送アームの関節運動により画定される搬送スペース内において、第1位置と、前記第1位置と異なる第2位置との間で、前記フレームに対し移動可能である、搬送アームと、 前記搬送アームの関節運動をもたらすように前記駆動部に動作可能に接続される制御装置であって、前記制御装置は、前記駆動部を用いて、アーム垂下が顕在化される方向の反対の方向に、前記第1位置と前記第2位置との間のアーム垂下による、所定の参照基準に対する経験的アーム垂下距離の全体を実質的に相殺するように、前記アーム垂下を補償するアームの補償運動をもたらすように構成される、制御装置と を備える基板処理ツール。 【請求項32】 前記制御装置は、アーム垂下距離レジスタを有し、前記制御装置は、前記アーム垂下距離レジスタから、前記第1位置と前記第2位置との間の前記搬送アームの前記経験的アーム垂下距離を判定する、請求項31記載の基板搬送ツール。 【請求項33】 前記駆動部および前記搬送アームは、前記搬送アームの運動が2以上の自由度を有するように構成され、前記アーム垂下距離レジスタは、前記2以上の自由度の前記搬送アームの前記運動により形成される前記搬送スペースに亘る前記経験的アーム垂下距離を記述する、請求項32記載の基板搬送ツール。 【請求項34】 前記搬送アームは、前記駆動部との接続部にて交換されるように、複数の別個の交換可能搬送アームから交換可能であり、前記交換可能搬送アームのそれぞれは、異なるアーム垂下特性、およびそれに関連する、対応するアーム垂下距離レジスタを有し、アーム垂下距離レジスタは、関連するアームの経験的アーム垂下距離を記述する、請求項32記載の基板搬送ツール。 【請求項35】 前記搬送アームの前記補償運動は、前記搬送スペース内の所定の場所にある前記基板保持部が、アーム垂下が顕在化される方向で、前記アーム垂下と無関係のネットポジションにあるように、所定の参照基準に対する前記搬送アームの前記経験的アーム垂下距離の略全体の相殺を引き起こす、請求項31記載の基板搬送ツール。 【請求項36】 前記所定の場所は、基板処理ツール内の基板送り先場所である、請求項35記載の基板搬送ツール。 【請求項37】 前記制御装置は、前記基板保持部が実質的に前記ネットポジションにて前記所定の場所に到達する運動を完了するように、前記アーム垂下が顕在化される方向の反対の方向に、前記搬送アームの前記運動をもたらす、請求項35記載の基板搬送ツール。 【請求項38】 前記制御装置は、前記第1位置と前記第2位置との間で時間最適軌道を有する最適経路に沿って前記基板保持部を移動させるアーム運動を用いて、アーム垂下が顕在化される方向の反対の方向に前記搬送アームの前記運動をもたらす、請求項31記載の基板搬送ツール。 【請求項67】 フレームと、 前記フレームに接続される駆動部と、 前記駆動部に動作可能に接続される搬送アームであって、前記搬送アームは、関節式であり、基板保持部を備えるエンドエフェクタを有し、前記フレームに対する少なくとも1つの運動軸に沿った前記搬送アームの関節運動により画定される搬送スペース内において、第1位置と、前記第1位置と異なる第2位置との間で、前記フレームに対し移動可能である、搬送アームと、 前記搬送アームの関節運動をもたらすように前記駆動部に動作可能に接続される制御装置であって、前記制御装置は、前記第1位置と前記第2位置との間の非命令アーム幾何構造変化による前記搬送アームの経験的非命令アーム変位距離を解決するように構成されるアーム垂下補償装置を備える、制御装置と を備える基板搬送装置。 【請求項68】 前記制御装置は、前記駆動部を用いて、前記搬送アームの前記経験的非命令アーム変位距離の略全体を補償および解決する大きさおよび方向の前記搬送アームの補償運動をもたらす、請求項67記載の基板搬送装置。 【請求項69】 前記アーム垂下補償装置は、アーム垂下レジスタを有し、前記アーム垂下補償装置は、前記アーム垂下レジスタから、前記第1位置と前記第2位置との間の前記搬送アームの前記経験的非命令アーム変位距離を判定する、請求項67記載の基板搬送装置。 【請求項70】 前記制御装置は、前記駆動部を用いて、前記アーム垂下レジスタから判定される前記搬送アームの前記経験的非命令アーム変位距離の略全体を補償および解決する大きさおよび方向の前記搬送アームの補償運動をもたらす、請求項69記載の基板搬送装置。 【請求項71】 前記補償運動は、前記搬送スペース内の所定の場所にある前記基板保持部が、非命令アーム変位が顕在化される方向で、前記非命令アーム幾何構造変化と無関係のネットポジションにあるように、所定の参照基準に対する前記搬送アームの前記経験的非命令アーム変位距離の略全体の相殺を引き起こす、請求項70記載の基板搬送装置。 【請求項72】 前記所定の場所は、基板処理ツール内の基板送り先場所である、請求項71記載の基板搬送装置。 【請求項73】 前記制御装置は、前記基板保持部が実質的に前記ネットポジションにて前記所定の場所に到達する運動を完了するように、前記補償運動をもたらす、請求項71記載の基板搬送装置。 【請求項74】 前記制御装置は、前記第1位置と前記第2位置との間で時間最適軌道を有する最適経路に沿って前記基板保持部を移動させるアーム運動を用いて、前記補償運動をもたらす、請求項71記載の基板搬送装置。 【請求項75】 前記駆動部および前記搬送アームは、前記搬送アームの運動が2以上の自由度を有するように構成され、前記アーム垂下レジスタは、前記2以上の自由度の前記搬送アームの前記運動により形成される前記搬送スペースに亘る前記経験的非命令アーム変位距離を記述する、請求項69記載の基板搬送装置。 【請求項76】 前記搬送アームは、前記駆動部との接続部にて交換されるように、複数の別個の交換可能搬送アームから交換可能であり、前記交換可能搬送アームのそれぞれは、異なるアーム垂下特性、およびそれに関連する、対応する垂下レジスタを有し、垂下レジスタは、関連するアームの前記経験的非命令アーム変位距離を記述する、請求項69記載の基板搬送装置。 【請求項77】 請求項76記載の基板搬送装置を備える基板処理ツールであって、前記搬送スペース内の所定の場所にある前記基板保持部上の基板とインターフェース接続するように配置され、前記インターフェース接続が前記非命令アーム幾何構造変化と無関係にもたらされるように位置決めされる基板保持ステーションを有する基板処理ツール。 【請求項78】 請求項76記載の基板搬送装置を備える基板処理ツールであって、前記搬送アームまたは前記基板保持部と相互作用し、前記相互作用が前記非命令アーム幾何構造変化と無関係にもたらされるように配置される所定の構造を有する基板処理ツール。」 2 本件補正の適否 本件補正後の請求項1に係る補正事項は、本件補正前の請求項1~18の削除に伴い、請求項の項番を繰り上げるとともに(以下「補正事項1」という。)、本件補正前の請求項19の「経験的アーム垂下距離」を、「パラメータ化されていない経験的アーム垂下距離」とする(以下「補正事項2」という。)ものである。 補正事項2は、本件補正前の請求項19の「経験的アーム垂下距離」について「パラメータ化されていない」ことを限定するものであるから、本件補正前の請求項19に係る発明を特定する事項を限定するものであり、また、本件補正前の請求項19に係る発明と本件補正後の請求項1に係る発明との産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一である。よって、補正事項2を含む、本件補正後の請求項1に係る本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が同法同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載した請求項1のとおりのものであると認める。 (2)引用文献の記載事項 ア 原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2000-183128号公報(平成12年6月30日公開。以下、「引用文献1」という。)には、「ワーク搬送装置の制御装置」(発明の名称)に関し、以下の事項が記載されている(下線は強調のため当審で付した。以下同じ。)。 「【0006】・・・(中略)・・・このゲート3は、ガラス基板(以下適宜「ワーク」という)WKの搬入出の際にのみ開閉扉22cを介して解放される。・・・(中略)・・・」 「【0013】そして駆動指令に応じて水平駆動軸としての旋回軸12、第2軸13が駆動されることによってアーム先端(ワークWK)の基台Bに対する水平移動量が変化する。この様子を図4(a)、(b)に示す。また駆動指令に応じて鉛直駆動軸として上下軸11が駆動されることによってアーム16、17の鉛直移動量が変化する。この結果アーム先端のワークWKが駆動指令に応じた位置まで搬送される。」 「【0042】図1はワーク搬送ロボットR1の側面図(断面図)であり、図2はその上面図を示している。 【0043】これら図に示すようにワーク搬送ロボットR1は、基台Bに対して第1アームとしての旋回アーム16、第2アーム17が、上下軸11を介して鉛直軸Zの方向に上下動自在に配設されている。上下軸11はモータM1によって駆動される。 【0044】旋回アーム16の基端部は旋回軸12回りに回転自在に支持されている。旋回軸12はモータM2によって駆動される。 【0045】旋回アーム16の先端部には、第2アーム17の基端部が第2軸13回りに回転可能に支持されている。第2軸13はモータM3によって駆動される。 【0046】さらにこの第2アーム17の先端部には、ハンドHが手首軸14回りに回転可能に支持されている。手首軸14はモータM4によって駆動される。 【0047】ハンドH上にはワークWKが載置され保持される。 【0048】このようにワーク搬送ロボットR1は、アーム16、17がアーム基端部である基台B(上下軸11)に対して片持ち支持された構造となっている。 【0049】そして駆動指令に応じてモータM2、M3が駆動され水平駆動軸としての旋回軸12、第2軸13が駆動される。これによってアーム先端(ハンドHの回転中心14)の基台Bに対する水平移動量が変化する。つまり旋回アーム16の旋回中心(旋回軸12)からハンドHの回転中心(手首軸14)までの距離X(以下この距離のことをアーム伸ばし量Xという)が変化する。 【0050】図2に示すように旋回軸12が矢印A1方向に回転し第2軸13が矢印B1方向に回転することによってアーム16、17の先端が矢印a1方向に伸張する。旋回軸12が矢印A2方向に回転し第2軸13が矢印B2方向に回転することによってアーム16、17の先端(ハンドHの回転中心14)が矢印a2方向に縮退する。 【0051】また駆動指令に応じてモータM1が駆動され鉛直駆動軸として上下軸11が駆動される。これによってアーム16、17のZ軸方向の鉛直移動量Zが変化する。」 「【0069】そこで本実施形態では以下の制御が行われる。以下CP制御、PTP制御のそれぞれの場合について説明する。 【0070】・CP制御 図8はCP制御を行うための制御ブロック図である。以下図12を併せ参照して図8で行われる制御処理の内容について説明する。図12(a)、(b)、(c)はアーム16、17の動きを示す上面図であり、図12(d)、(e)、(f)はアーム先端14の動き(アーム先端14の撓み)を示す側面図である。なお本実施形態ではアーム先端14が現在位置(指令開始位置)P1から目標位置P2まで移動する場合を例にとり説明する。 【0071】同図8に示すように、目標位置設定部31ではアーム先端14の目標位置P2が設定される。たとえばアーム先端14の目標位置P2はティーチングにより求められ記憶される。現在位置設定部32ではアーム先端14の現在位置(指令開始位置)P1が検出される。たとえば各駆動軸11、12、13に設けられた回転角度センサの検出値に基づきアーム先端14の現在位置P1が検出される(図12(a)参照)。 【0072】撓み量算出部33では、アーム伸ばし量Xに対するアーム先端14の撓み量ΔZが算出される。 【0073】すなわちアーム16、17の撓みは、アーム基端部(旋回軸12)に対するアーム16、17、ワークWKの慣性モーメントによって定まる。したがってアーム16、17、ワークWKの重量が定まればアーム先端14の撓み量ΔZはワーク搬送ロボットR1のアーム伸ばし量Xによって一義的に定まる。したがってアーム先端撓み量ΔZはアーム伸ばし量Xの関数として表すことができる。 【0074】ここで図11はアーム伸ばし量Xと鉛直方向移動量Zとの関係を示す。図11のHLは水平線に対応しており、水平線HLの鉛直方向移動量Zを原点0とする。同図11の曲線L6はアーム伸ばし量Xに対するアーム先端撓み量ΔZの実測値を示している。曲線L4は曲線L6を正負反転させて得られた曲線でありアーム伸ばし量Xに対する撓み補正量ΔZを示している。 【0075】上記アーム伸ばし量Xとアーム先端撓み量ΔZとの対応関係L6は記憶テーブルに記憶される。なおL4を記憶させておいてもよい。 【0076】本実施形態では上記アーム伸ばし量Xとアーム先端撓み量ΔZとの対応関係L6を記憶テーブルに記憶しているが、関数fを所定の関数としてアーム伸ばし量Xからアーム先端撓み量ΔZを演算する演算式ΔZ=f(X)を記憶しておいてもよい。 【0077】撓み量算出部33では、指令開始位置P1におけるアーム伸ばし量X1に対応するアーム先端撓み量ΔZ1が上記記憶テーブルの設定記憶内容L6から算出される(読み出される)。同様にして目標位置P2におけるアーム伸ばし量X2に対応するアーム先端撓み量ΔZ2が上記記憶テーブルの設定記憶内容L6から算出される(図12(a)、(d)参照)。 【0078】軌跡プランニング部34では、指令開始位置P1から目標位置P2に至るまでの所望の軌跡L12が求められる。この所望軌跡L12はX軸に沿った直線である(図12(b)参照)。 【0079】そしてこのP1、P2間を結ぶ経路L12上に経由点P11、P12が設定され、経路L12が小区間に分割される(図12(b)、(e))。 【0080】逆変換部36では、サンプリング時間Taが経過する毎に各駆動軸11、12、13に対する駆動指令Z′、J1、J2が生成され出力される。 【0081】すなわちサンプラ35を介してサンプリング時間Taが経過する毎に軌跡L12上の各指令位置Ps1、Ps2、P11、Ps3、Ps4、P12、Ps5、Ps6、P2が逆変換部36に入力される。つまり指令開始位置P1と経由点P11との間が点Ps1、Ps2により補間され、経由点P11と経由点P12との間が点Ps3、Ps4によって補間され、経由点P12と目標点P2との間が点Ps5、Ps6によって補間される。 【0082】そしてサンプリング時刻毎の各指令位置Ps1、Ps2、P11、Ps3、Ps4、P12、Ps5、Ps6、P2におけるたわみ補正量ΔZが求められる(図12(f))。 【0083】たとえば図11に示すようにあるサンプリング時刻での指令位置がP12であったとすると、この指令位置P12に対応するアーム伸ばし量X12が求められ、このアーム伸ばし量X12に対応するアーム先端撓み量ΔZ12が対応関係L6から求められる。そしてこのアーム伸ばし量X12に対応する撓み補正量ΔZ12が、上記求めたアーム先端撓み量ΔZ12を正負反転させて求められる。つまりアーム伸ばし量X12に対応する撓み補正量ΔZ12が図11の曲線L4から求められることになる。 【0084】また指令開始位置P1における撓み補正量ΔZ1が同様にして求められる(図11参照)。 【0085】つぎに現在の指令位置P12を、上下軸11に対する駆動指令Z′に変換する処理が実行される。すなわち現在の指令位置P12における撓み補正量ΔZ12と指令開始位置P1における撓み補正量ΔZ1との差ΔZ12-ΔZ1が求められる。 【0086】そして指令位置P12における本来の駆動指令Z(=0)に対して上記偏差ΔZ12-ΔZ1を加えることによって駆動指令Zが補正されこの補正された駆動指令Z′が上下軸11に対して出力される。 【0087】現在の指令位置がP12のときを例にとり説明したが他の指令位置Pnのときも同様にして、指令位置Pnに対応する撓み補正量Znが求められ、現在の指令位置Pnにおける本来の駆動指令Z(=0)に対して偏差ΔZn-ΔZ1を加えることによって駆動指令Zが補正されこの補正された駆動指令Z′が上下軸11に対して出力される。 ・・・(中略)・・・ 【0090】現在の指令位置がP12のときを例にとり説明したが他の指令位置Pnのときも同様にして、現在の指令位置Pnに対応するアーム伸ばし量Xnが求められ、このアーム伸ばし量Xnが得られる各軸駆動指令J1n、J2nが逆変換によって求められ駆動指令J1nが旋回軸12に対して出力されるとともに駆動指令J2nが第2軸13に対して出力される。 【0091】制御部38では、各駆動軸11、12、13の駆動制御がサンプリング時間Tbが経過する毎に実行される。なおサンプリング時間Ta、Tbとの間にはTa≧Tbという関係が成立しているものとする。 【0092】すなわちサンプラ37を介してサンプリング時間Tbが経過する毎に各指令位置Ps1、Ps2、P11、Ps3、Ps4、P12、Ps5、Ps6、P2における駆動指令が制御部38に入力される。 ・・・(中略)・・・ 【0094】現在の指令位置がP12のときを例にとり説明したが他の指令位置Pnのときも同様にして、現在の指令位置Pnに対応する駆動指令Z′(=Z+(ΔZn-ΔZ1))が入力され、この駆動指令Z′に応じて上下軸11用のモータM1の位置、速度が制御される。この結果上下軸11は鉛直移動量Z′(=Z+(ΔZn-ΔZ1))だけ駆動される。 ・・・(中略)・・・ 【0097】現在の指令位置がP12のときを例にとり説明したが他の指令位置Pnのときも同様にして、現在の指令位置Pnに対応する駆動指令J1n、J2nが入力され、この駆動指令J1n、J2nに応じて旋回軸12用のモータM2、第2軸13用のモータM3の位置、速度がそれぞれ制御される。この結果旋回軸12が角度J1nだけ駆動されるとともに第2軸13が角度J2nだけ駆動される。 【0098】以上のようにしてアーム先端14は指令開始位置P1から目標位置P2まで、X軸に沿った直線経路L12上を移動する。そしてこの間、各サンプリング時刻tn毎に、アーム16、17の先端14が撓み方向とは反対の鉛直方向Zに、指令開始位置における撓み量に対する差分ΔZn-ΔZ1だけ鉛直移動するように鉛直方向駆動量Zの補正がなされている。このように本実施形態によれば鉛直方向駆動量Zの補正を行うようにしているので、アーム先端14は水平線HLに沿って直線状に移動する。つまりワークWKの移動軌跡が自重方向にずれた曲線になることが防止される。」 「図1 [図:0001408706000001.jpg] 」 イ 上記アより、引用文献1には以下の技術事項が記載されている。 (ア)段落0006には「ガラス基板(以下適宜「ワーク」という)WK」と記載されている。 よって、引用文献1には、ガラス基板であるワークWKが記載されている。 (イ)段落0043には「ワーク搬送ロボットR1は、基台Bに対して第1アームとしての旋回アーム16、第2アーム17が、上下軸11を介して鉛直軸Zの方向に上下動自在に配設されている。上下軸11はモータM1によって駆動される。」と記載されている。 よって、引用文献1には、基台Bに対して第1アームとしての旋回アーム16、第2アーム17が、モータM1によって駆動される上下軸11を介して鉛直軸Zの方向に上下動自在に配設される、ワーク搬送ロボットR1が記載されている。 (ウ)段落0044には「旋回アーム16の基端部は旋回軸12回りに回転自在に支持されている。旋回軸12はモータM2によって駆動される。」と記載され、図1から、上下軸11には旋回アーム16の基端部が支持されることが見てとれる。 よって、上下軸11には、旋回アーム16の基端部が、モータM2によって駆動される旋回軸12回りに回転自在に支持されるといえる。 (エ)段落0045には「旋回アーム16の先端部には、第2アーム17の基端部が第2軸13回りに回転可能に支持されている。第2軸13はモータM3によって駆動される。」と記載されている。 よって、旋回アーム16の先端部には、第2アーム17の基端部が、モータM3によって駆動される第2軸13回りに回転可能に支持されるといえる。 (オ)段落0046には「第2アーム17の先端部には、ハンドHが手首軸14回りに回転可能に支持されている。手首軸14はモータM4によって駆動される。」と記載されている。 よって、第2アーム17の先端部には、ハンドHが、モータM4によって駆動される手首軸14回りに回転可能に支持されるといえる。 (カ)段落0047には「ハンドH上にはワークWKが載置され保持される。」と記載されている。 よって、上記(ア)を踏まえると、ハンドH上にはガラス基板であるワークWKが載置され保持されるといえる。 (キ)段落0049には「水平駆動軸としての旋回軸12、第2軸13が駆動される。これによってアーム先端(ハンドHの回転中心14)の基台Bに対する水平移動量が変化する。つまり旋回アーム16の旋回中心(旋回軸12)からハンドHの回転中心(手首軸14)までの距離X(以下この距離のことをアーム伸ばし量Xという)が変化する。」(下線は強調のため当審にて付した。)と記載されている。 よって、水平駆動軸としての旋回軸12、第2軸13が駆動されることによって、アーム先端である手首軸14の基台Bに対する水平移動量であるアーム伸ばし量Xが変化するといえる。 (ク)段落0071には「目標位置設定部31ではアーム先端14の目標位置P2が設定される。」及び「現在位置設定部32ではアーム先端14の現在位置(指令開始位置)P1が検出される。」と記載されている。 よって、上記(キ)を踏まえると、引用文献1には、アーム先端である手首軸14の目標位置P2を設定する目標位置設定部31、及び、アーム先端である手首軸14の指令開始位置P1を検出する現在位置設定部32が記載されているといえる。 (ケ)段落0072には「撓み量算出部33では、アーム伸ばし量Xに対するアーム先端14の撓み量ΔZが算出される。」と記載されている。 よって、上記(キ)を踏まえると、引用文献1には、アーム伸ばし量Xに対するアーム先端である手首軸14の撓み量ΔZを算出する撓み量算出部33が記載されているといえる。 (コ)段落0078には「軌跡プランニング部34では、指令開始位置P1から目標位置P2に至るまでの所望の軌跡L12が求められる。」と記載されている。 よって、引用文献1には、指令開始位置P1から目標位置P2に至るまでの所望の軌跡L12を求める軌跡プランニング部34が記載されている。 (サ)段落0080には「逆変換部36では、サンプリング時間Taが経過する毎に各駆動軸11、12、13に対する駆動指令Z′、J1、J2が生成され出力される。」と記載されている。ここで、上記(イ)~(エ)を踏まえると、「駆動軸11、12、13」は上下軸11、旋回軸12、第2軸13を意味するものである。 よって、引用文献1には、上下軸11、旋回軸12、第2軸13に対する駆動指令Z′、J1、J2を生成し出力する逆変換部36が記載されているといえる。 (シ)段落0091には「制御部38では、各駆動軸11、12、13の駆動制御が」「実行される。」と記載され、段落0092には「駆動指令が制御部38に入力される。」と記載されている。ここで、上記(イ)~(エ)を踏まえると、前記「駆動軸11、12、13」は上下軸11、旋回軸12、第2軸13を意味し、上記(サ)を踏まえると、駆動指令は駆動指令Z′、J1、J2を意味すると認められる。 よって、引用文献1には、駆動指令Z′、J1、J2が入力され、上下軸11、旋回軸12、第2軸13の駆動制御を実行する制御部38が記載されている。 (ス)段落0051には「駆動指令に応じてモータM1が駆動され鉛直駆動軸として上下軸11が駆動される。これによってアーム16、17のZ軸方向の鉛直移動量Zが変化する。」と記載されている。ここで、上記(イ)を踏まえると、「アーム16、17」は旋回アーム16及び第2アーム17を意味するものである。 よって、駆動指令Z′に応じてモータM1が駆動され鉛直駆動軸として上下軸11が駆動されることによって旋回アーム16及び第2アーム17のZ軸方向の鉛直移動量Zが変化するといえる。 (セ)段落0075には「上記アーム伸ばし量Xとアーム先端撓み量ΔZとの対応関係L6は記憶テーブルに記憶される。」と記載されている。ここで、段落0074には「図11はアーム伸ばし量Xと鉛直方向移動量Zとの関係を示す。・・・(中略)・・・同図11の曲線L6はアーム伸ばし量Xに対するアーム先端撓み量ΔZの実測値を示している。」と記載されているから、図11の曲線L6は、アーム伸ばし量Xとアーム先端撓み量ΔZとの対応関係L6であり、曲線L6が示すアーム先端撓み量ΔZはアーム伸ばし量Xにおける実測値であるといえる。 よって、アーム伸ばし量Xと撓み量ΔZとの対応関係L6が記憶テーブルに記憶され、対応関係L6が示す撓み量ΔZはアーム伸ばし量Xにおける実測値であるといえる。 (ソ)段落0081には「サンプリング時間Taが経過する毎に軌跡L12上の各指令位置Ps1、Ps2、P11、Ps3、Ps4、P12、Ps5、Ps6、P2が逆変換部36に入力される。」と記載されている。ここで、段落0078に「軌跡プランニング部34では、指令開始位置P1から目標位置P2に至るまでの所望の軌跡L12が求められる。」と記載されているから、軌跡L12は指令開始位置P1から目標位置P2に至るまでのものであるといえる。 よって、サンプリング時間Taが経過する毎に、指令開始位置P1から目標位置P2に至るまでの軌跡L12上の各指令位置Ps1、Ps2、P11、Ps3、Ps4、P12、Ps5、Ps6、P2が逆変換部36に入力されるといえる。 (タ)段落0082には「サンプリング時刻毎の各指令位置Ps1、Ps2、P11、Ps3、Ps4、P12、Ps5、Ps6、P2におけるたわみ補正量ΔZが求められる」と記載されている。 よって、サンプリング時刻毎の各指令位置Ps1、Ps2、P11、Ps3、Ps4、P12、Ps5、Ps6、P2における撓み補正量ΔZが求められるといえる。 (チ)段落0083には「指令位置がP12であったとすると、この指令位置P12に対応するアーム伸ばし量X12が求められ、このアーム伸ばし量X12に対応するアーム先端撓み量ΔZ12が対応関係L6から求められる。そしてこのアーム伸ばし量X12に対応する撓み補正量ΔZ12が、上記求めたアーム先端撓み量ΔZ12を正負反転させて求められる。」と記載され、段落0085には「現在の指令位置P12における撓み補正量ΔZ12と指令開始位置P1における撓み補正量ΔZ1との差ΔZ12-ΔZ1が求められる。」と記載され、段落0086には「そして指令位置P12における本来の駆動指令Z(=0)に対して上記偏差ΔZ12-ΔZ1を加えることによって駆動指令Zが補正されこの補正された駆動指令Z′が上下軸11に対して出力される。」と記載されている。 よって、指令位置がP12であったとすると、この指令位置P12に対応するアーム伸ばし量X12が求められ、このアーム伸ばし量X12に対応する撓み量ΔZ12が対応関係L6から求められ、アーム伸ばし量X12に対応する撓み補正量ΔZ12が、上記求めた撓み量ΔZ12を正負反転させて求められ、現在の指令位置P12における撓み補正量ΔZ12と指令開始位置P1における撓み補正量ΔZ1との差ΔZ12-ΔZ1が求められ、指令位置P12における本来の駆動指令Z(=0)に対して上記偏差ΔZ12-ΔZ1を加えることによって駆動指令Zが補正されこの補正された駆動指令Z′が上下軸11に対して出力されるといえる。 (ツ)段落0087には「指令位置Pnのときも同様にして、指令位置Pnに対応する撓み補正量Znが求められ、現在の指令位置Pnにおける本来の駆動指令Z(=0)に対して偏差ΔZn-ΔZ1を加えることによって駆動指令Zが補正されこの補正された駆動指令Z′が上下軸11に対して出力される。」(当審注;「補正量Zn」は「補正量ΔZn」の誤記である。)と記載され、段落0094には「現在の指令位置Pnに対応する駆動指令Z′(=Z+(ΔZn-ΔZ1))が入力され、この駆動指令Z′に応じて上下軸11用のモータM1の位置、速度が制御される。この結果上下軸11は鉛直移動量Z′(=Z+(ΔZn-ΔZ1))だけ駆動される。」と記載されている。 よって、指令位置Pnのときも同様にして、指令位置Pnに対応する撓み補正量ΔZnが求められ、現在の指令位置Pnにおける本来の駆動指令Z(=0)に対して偏差ΔZn-ΔZ1を加えることによって駆動指令Zが補正され、この補正された駆動指令Z′が上下軸11に対して出力され、この駆動指令Z′に応じて上下軸11用のモータM1の位置、速度が制御され、その結果上下軸11は鉛直移動量Z′(=Z+(ΔZn-ΔZ1))だけ駆動されるといえる。 (テ)段落0090には「現在の指令位置Pnに対応するアーム伸ばし量Xnが求められ、このアーム伸ばし量Xnが得られる各軸駆動指令J1n、J2nが逆変換によって求められ駆動指令J1nが旋回軸12に対して出力されるとともに駆動指令J2nが第2軸13に対して出力される。」と記載され、段落0097には「現在の指令位置Pnに対応する駆動指令J1n、J2nが入力され、この駆動指令J1n、J2nに応じて旋回軸12用のモータM2、第2軸13用のモータM3の位置、速度がそれぞれ制御される。この結果旋回軸12が角度J1nだけ駆動されるとともに第2軸13が角度J2nだけ駆動される。」と記載されている。 よって、現在の指令位置Pnに対応するアーム伸ばし量Xnが求められ、このアーム伸ばし量Xnが得られる各軸駆動指令J1n、J2nが逆変換によって求められ駆動指令J1nが旋回軸12に対して出力されるとともに駆動指令J2nが第2軸13に対して出力され、この駆動指令J1n、J2nに応じて旋回軸12用のモータM2、第2軸13用のモータM3の位置、速度がそれぞれ制御され、その結果旋回軸12が角度J1nだけ駆動されるとともに第2軸13が角度J2nだけ駆動されるといえる。 (ト)段落0098には「アーム先端14は指令開始位置P1から目標位置P2まで、X軸に沿った直線経路L12上を移動する。そしてこの間、各サンプリング時刻tn毎に、アーム16、17の先端14が撓み方向とは反対の鉛直方向Zに、指令開始位置における撓み量に対する差分ΔZn-ΔZ1だけ鉛直移動するように鉛直方向駆動量Zの補正がなされている。このように本実施形態によれば鉛直方向駆動量Zの補正を行うようにしているので、アーム先端14は水平線HLに沿って直線状に移動する。」と記載されている。ここで、段落0078には「この所望軌跡L12はX軸に沿った直線である」と記載されているから、「X軸に沿った直線経路L12」は、X軸に沿った直線である軌跡L12であるといえる。 よって、上記(キ)を踏まえると、アーム先端である手首軸14は指令開始位置P1から目標位置P2まで、X軸に沿った直線である軌跡L12上を移動し、この間、各サンプリング時刻tn毎に、アーム先端である手首軸14が撓み方向とは反対の鉛直方向Zに、指令開始位置における撓み量に対する差分ΔZn-ΔZ1だけ鉛直移動するように鉛直方向駆動量Zの補正がなされ、アーム先端14が水平線HLに沿って直線状に移動するといえる。 (ナ)上記(ア)~(ト)より、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 (引用発明) 「基台Bに対して第1アームとしての旋回アーム16、第2アーム17が、モータM1によって駆動される上下軸11を介して鉛直軸Zの方向に上下動自在に配設され、 上下軸11には、旋回アーム16の基端部が、モータM2によって駆動される旋回軸12回りに回転自在に支持され、 旋回アーム16の先端部には、第2アーム17の基端部が、モータM3によって駆動される第2軸13回りに回転可能に支持され、 第2アーム17の先端部には、ハンドHが、モータM4によって駆動される手首軸14回りに回転可能に支持され、 ハンドH上にはガラス基板であるワークWKが載置され保持され、 水平駆動軸としての旋回軸12、第2軸13が駆動されることによって、アーム先端である手首軸14の基台Bに対する水平移動量であるアーム伸ばし量Xが変化する、ワーク搬送ロボットR1であって アーム先端である手首軸14の目標位置P2を設定する目標位置設定部31と、 アーム先端である手首軸14の指令開始位置P1を検出する現在位置設定部32と、 アーム伸ばし量Xに対するアーム先端である手首軸14の撓み量ΔZを算出する撓み量算出部33と、 指令開始位置P1から目標位置P2に至るまでの所望の軌跡L12を求める軌跡プランニング部34と、 上下軸11、旋回軸12、第2軸13に対する駆動指令Z′、J1、J2を生成し出力する逆変換部36と、 駆動指令Z′、J1、J2が入力され、上下軸11、旋回軸12、第2軸13の駆動制御を実行する制御部38とを備え、 駆動指令Z′に応じてモータM1が駆動され鉛直駆動軸として上下軸11が駆動されることによって旋回アーム16及び第2アーム17のZ軸方向の鉛直移動量Zが変化し、 アーム伸ばし量Xと撓み量ΔZとの対応関係L6が記憶テーブルに記憶され、対応関係L6が示す撓み量ΔZはアーム伸ばし量Xにおける実測値であり、 サンプリング時間Taが経過する毎に、指令開始位置P1から目標位置P2に至るまでの軌跡L12上の各指令位置Ps1、Ps2、P11、Ps3、Ps4、P12、Ps5、Ps6、P2が逆変換部36に入力され、 サンプリング時刻毎の各指令位置Ps1、Ps2、P11、Ps3、Ps4、P12、Ps5、Ps6、P2における撓み補正量ΔZが求められ、 指令位置がP12であったとすると、この指令位置P12に対応するアーム伸ばし量X12が求められ、このアーム伸ばし量X12に対応する撓み量ΔZ12が対応関係L6から求められ、アーム伸ばし量X12に対応する撓み補正量ΔZ12が、上記求めた撓み量ΔZ12を正負反転させて求められ、つぎに、現在の指令位置P12における撓み補正量ΔZ12と指令開始位置P1における撓み補正量ΔZ1との差ΔZ12-ΔZ1が求められ、指令位置P12における本来の駆動指令Z(=0)に対して上記偏差ΔZ12-ΔZ1を加えることによって駆動指令Zが補正されこの補正された駆動指令Z′が上下軸11に対して出力され、 指令位置Pnのときも同様にして、指令位置Pnに対応する撓み補正量ΔZnが求められ、現在の指令位置Pnにおける本来の駆動指令Z(=0)に対して偏差ΔZn-ΔZ1を加えることによって駆動指令Zが補正され、この補正された駆動指令Z′が上下軸11に対して出力され、この駆動指令Z′に応じて上下軸11用のモータM1の位置、速度が制御され、その結果上下軸11は鉛直移動量Z′(=Z+(ΔZn-ΔZ1))だけ駆動され、 現在の指令位置Pnに対応するアーム伸ばし量Xnが求められ、このアーム伸ばし量Xnが得られる各軸駆動指令J1n、J2nが逆変換によって求められ駆動指令J1nが旋回軸12に対して出力されるとともに駆動指令J2nが第2軸13に対して出力され、この駆動指令J1n、J2nに応じて旋回軸12用のモータM2、第2軸13用のモータM3の位置、速度がそれぞれ制御され、その結果旋回軸12が角度J1nだけ駆動されるとともに第2軸13が角度J2nだけ駆動され、 アーム先端である手首軸14は指令開始位置P1から目標位置P2まで、X軸に沿った直線である軌跡L12上を移動し、この間、各サンプリング時刻tn毎に、アーム先端である手首軸14が撓み方向とは反対の鉛直方向Zに、指令開始位置における撓み量に対する差分ΔZn-ΔZ1だけ鉛直移動するように鉛直方向駆動量Zの補正がなされ、アーム先端14が水平線HLに沿って直線状に移動する、 ワーク搬送ロボットR1。」 (3)対比及び判断 ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。 (ア)引用発明は「第2アーム17の先端部には、ハンドHが」「支持され」、「ハンドH上にはガラス基板であるワークWKが載置され保持され」、「アーム伸ばし量Xが変化」する「ワーク搬送ロボットR1」であり、引用発明の「ワーク搬送ロボットR1」は、基板を搬送する装置といえるから、本件補正発明の「基板搬送装置」に相当する。 (イ)本願明細書の段落0029には「一態様では、フレーム2000Fは」「基準参照表面を形成する取付け表面2010を含む」と記載され、本件補正発明の「フレーム」は基準参照表面を形成する取り付け表面を含むものであると認められる。 一方、引用発明は「基台Bに対して第1アームとしての旋回アーム16、第2アーム17が」「上下軸11を介して鉛直軸Zの方向に上下動自在に配設され」るものであるから、「基台B」は第1アームとしての旋回アーム16、第2アーム17の取り付け表面であるといえる。また、引用文献1の段落0013には「そして駆動指令に応じて水平駆動軸としての旋回軸12、第2軸13が駆動されることによってアーム先端(ワークWK)の基台Bに対する水平移動量が変化する。」と記載され、アーム先端(ワークWK)の水平移動量は基台Bを基準とするものであるといえる。 そうすると、引用発明の「基台B」は、基準参照表面を形成する取り付け表面を構成するものであるといえるから、本件補正発明の「フレーム」に相当する。 (ウ)引用発明は「基台Bに対して第1アームとしての旋回アーム16、第2アーム17が、モータM1によって駆動される上下軸11を介して」「配設され」るものである。 よって、引用発明の「上下軸11」は、基台Bに配設されモータM1によって駆動されるものであるといえるから、上記(イ)を踏まえると、本件補正発明の「フレームに接続される駆動部」に相当する。 (エ)引用発明の「上下軸11には、旋回アーム16の基端部が」「旋回軸12回りに回転自在に支持され」、「旋回アーム16の先端部には、第2アーム17の基端部が」「第2軸13回りに回転可能に支持され」ることは、旋回アーム16及び第2アーム17が上下軸11に動作可能に接続され、それぞれ旋回軸12及び第2軸13で回転自在であって、関節のように動くものであるから、本件補正発明の「前記駆動部に動作可能に接続される搬送アームであって、前記搬送アームは、関節式で」あることに相当する。 また、引用発明の「第2アーム17の先端部には、ハンドHが」「支持され」、「ハンドH上にはガラス基板であるワークWKが載置され保持され」ることは、本件補正発明の「前記搬送アームは」「基板保持部を備えるエンドエフェクタを有」することに相当する。 (オ)引用発明の「水平駆動軸としての旋回軸12、第2軸13が駆動されること」及び「基台Bに対する水平移動量であるアーム伸ばし量Xが変化」することは、上記(エ)を踏まえると、本件補正発明の「前記フレームに対する少なくとも一つの運動軸に沿った前記搬送アームの関節運動」及び「フレームに対し移動可能である」ことに相当する。また、引用発明の「指令開始位置P1から目標位置P2まで」は、本件補正発明の「第1位置と、前記第1位置と異なる第2位置との間」に相当し、引用発明の「X軸に沿った直線である軌跡L12上を移動」することは、本件補正発明の「画定される搬送スペース内において」「移動可能である」ことに相当する。 よって、引用発明の「水平駆動軸としての旋回軸12、第2軸13が駆動されることよって、アーム先端である手首軸14の基台Bに対する水平移動量であるアーム伸ばし量Xが変化し」、「アーム先端である手首軸14は指令開始位置P1から目標位置P2まで、X軸に沿った直線である軌跡L12上を移動」することは、本件補正発明の「前記フレームに対する少なくとも一つの運動軸に沿った前記搬送アームの関節運動により画定される搬送スペース内において、第1位置と、前記第1位置と異なる第2位置との間で、前記フレームに対し移動可能である」ことに相当する。 (カ)a 本願明細書の段落0053には実施形態として「一態様では、経験的垂下距離DRPの測定値は、既に説明したものと類似のルックアップテーブルの形態であるアーム垂下距離レジスタ700Aに記憶されてもよい。」と記載されているから、本件補正発明の「パラメータ化されていない経験的アーム垂下距離」は、ルックアップテーブルの形態で記憶される経験的垂下距離の測定値であるといえる。 b 引用文献1の段落0073には「アーム16、17の撓みは、アーム基端部(旋回軸12)に対するアーム16、17、ワークWKの慣性モーメントによって定まる。したがってアーム16、17、ワークWKの重量が定まればアーム先端14の撓み量ΔZは」「定まる。」と記載されており、引用発明の「撓み量ΔZ」は、旋回アーム16及び第2アーム17の重量による撓みであるから、アーム垂下によるアーム垂下距離であるといえる。 c そして、引用発明において「アーム伸ばし量Xと撓み量ΔZとの対応関係L6が記憶テーブルに記憶され、対応関係L6が示す撓み量ΔZはアーム伸ばし量Xにおける実測値で」あるから、「対応関係L6が示す撓み量ΔZ」は、記憶テーブルに記憶される実測値であり、上記a及びbを踏まえると、ルックアップテーブルの形態で記憶される経験的垂下距離の測定値であり、パラメータ化されていない経験的アーム垂下距離であるといえる。 d 次に、引用発明において「駆動指令Z′に応じてモータM1が駆動され鉛直駆動軸として上下軸11が駆動されることによって旋回アーム16及び第2アーム17のZ軸方向の鉛直移動量Zが変化」するから、「駆動指令Z′」は、旋回アーム16及び第2アーム17のZ軸方向の鉛直移動量Zを変化させるものである。 そして、引用発明の「指令位置がP12であったとすると」「アーム先端撓み量ΔZ12が対応関係L6から求められ」「撓み補正量ΔZ12が、上記求めた撓み量ΔZ12を正負反転させて求められ」、「差ΔZ12-ΔZ1が求められ、指令位置P12における本来の駆動指令Z(=0)に対して上記偏差ΔZ12-ΔZ1を加えることによって駆動指令Zが補正され、この補正された駆動指令Z′が上下軸11に対して出力され」ることは、対応関係L6から求めた指令位置がP12である撓み量ΔZ12を正負反転させた撓み補正量ΔZ12により駆動指令Zを補正して駆動指令Z′を出力することであるから、指令位置がP12である撓み量ΔZ12を補正すなわち解決するように構成されるものであるといえる。 e また、引用発明において「サンプリング時間Taが経過する毎に、指令開始位置P1から目標位置P2に至るまでの軌跡L12上の各指令位置Ps1、Ps2、P11、Ps3、Ps4、P12、Ps5、Ps6、P2が逆変換部36に入力され」、「指令位置Pnのときも同様にして、指令位置Pnに対応する撓み補正量ΔZnが求められ、現在の指令位置Pnにおける本来の駆動指令Z(=0)に対して偏差ΔZn-ΔZ1を加えることによって駆動指令Zが補正されこの補正された駆動指令Z′が上下軸11に対して出力され」ることは、上記dを踏まえると、指令開始位置P1から目標位置P2に至るまでの各指令位置Ps1、Ps2、P11、Ps3、Ps4、Ps5、Ps6、P2においても、指令位置がP12におけるときと同様に、対応関係L6から求めた撓み量ΔZnを正負反転させた撓み補正量ΔZnにより駆動指令Zを補正して駆動指令Z′を出力することであり、第1位置と第2位置との間の撓み量ΔZを解決することであるといえる。 f 本件補正発明の「アーム垂下補償装置」は「前記第1位置と前記第2位置との間の搬送アーム垂下による前記搬送アームのパラメータ化されていない経験的アーム垂下距離を解決するように構成される」ものである。 一方、引用発明の「アーム伸ばし量Xに対するアーム先端である手首軸14の撓み量ΔZを算出する撓み量算出部33と、指令開始位置P1から目標位置P2に至るまでの所望の軌跡L12を求める軌跡プランニング部34と、上下軸11、旋回軸12、第2軸13に対する駆動指令Z′、J1、J2を生成し出力する逆変換部36」は、少なくとも撓み量ΔZを算出し、駆動指令Z′を生成し出力するものであるから、上記c~eを踏まえると、第1位置と第2位置との間の撓み量ΔZを補償するものであり、第1位置と第2位置との間の搬送アーム垂下による搬送アームのパラメータ化されていない経験的アーム垂下距離を解決するものであるから、アーム垂下補償装置であるといえる。 g 引用発明の「制御部38」は、「駆動指令Z′、J1、J2が入力され、上下軸11、旋回軸12、第2軸13の駆動制御を実行する」ものであるから、上記(エ)を踏まえると、旋回アーム16及び第2アーム17が上下軸11に動作可能に接続され、それぞれ旋回軸12及び第2軸13で回転自在であって、駆動指令Z′、J1、J2に基づいて、関節のように動くよう駆動制御を実行する装置であるといえる。 よって、引用発明の「アーム伸ばし量Xに対するアーム先端である手首軸14の撓み量ΔZを算出する撓み量算出部33と、指令開始位置P1から目標位置P2に至るまでの所望の軌跡L12を求める軌跡プランニング部34と、上下軸11、旋回軸12、第2軸13に対する駆動指令Z′、J1、J2を生成し出力する逆変換部36と、駆動指令Z′、J1、J2が入力され、上下軸11、旋回軸12、第2軸13の駆動制御を実行する制御部38」は、駆動指令Z′、J1、J2を生成し出力し、出力された駆動指令Z′、J1、J2に基づいて、旋回アーム16及び第2アーム17が関節のように動くよう駆動制御を実行する装置であるから、上記fを踏まえると、搬送アームの関節運動をもたらすように駆動部に動作可能に接続される制御装置であって、アーム垂下補償装置を備える制御装置であるといえる。 h 上記c~gより、引用発明の「アーム伸ばし量Xに対するアーム先端である手首軸14の撓み量ΔZを算出する撓み量算出部33と、指令開始位置P1から目標位置P2に至るまでの所望の軌跡L12を求める軌跡プランニング部34と、上下軸11、旋回軸12、第2軸13に対する駆動指令Z′、J1、J2を生成し出力する逆変換部36と、駆動指令Z′、J1、J2が入力され、上下軸11、旋回軸12、第2軸13の駆動制御を実行する制御部38とを備え」、「アーム伸ばし量Xと撓み量ΔZとの対応関係L6が記憶テーブルに記憶され、対応関係L6が示す撓み量ΔZはアーム伸ばし量Xにおける実測値であり、サンプリング時間Taが経過する毎に、指令開始位置P1から目標位置P2に至るまでの軌跡L12上の各指令位置Ps1、Ps2、P11、Ps3、Ps4、P12、Ps5、Ps6、P2が逆変換部36に入力され、」「指令位置がP12であったとすると、」「撓み量ΔZ12が対応関係L6から求められ」「撓み補正量ΔZ12が、上記求めた撓み量ΔZ12を正負反転させて求められ」、「差ΔZ12-ΔZ1が求められ、指令位置P12における本来の駆動指令Z(=0)に対して上記偏差ΔZ12-ΔZ1を加えることによって駆動指令Zが補正されこの補正された駆動指令Z′が上下軸11に対して出力され、指令位置Pnのときも同様にして、指令位置Pnに対応する撓み補正量ΔZnが求められ、現在の指令位置Pnにおける本来の駆動指令Z(=0)に対して偏差ΔZn-ΔZ1を加えることによって駆動指令Zが補正され、この補正された駆動指令Z′が上下軸11に対して出力され」ることは、本件補正発明の「前記搬送アームの関節運動をもたらすように前記駆動部に動作可能に接続される制御装置であって、前記制御装置は、前記第1位置と前記第2位置との間の搬送アーム垂下による前記搬送アームのパラメータ化されていない経験的アーム垂下距離を解決するように構成されるアーム垂下補償装置を備える、制御装置とを備える」ことに相当する。 (キ)上記(ア)~(カ)より、本件補正発明と引用発明とは相違するところがなく、本件補正発明は引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、同法同条同項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 イ 審判請求人の主張について (ア)審判請求人は令和5年2月13日提出の審判請求書の[請求の理由]3.(3)(3-1)において、曲線L6は、1次または2次の線形式ΔZ=f(X)から解析的に決定されるものであって、請求項1に記載されるような「経験的アーム垂下距離」ではないことが明らかであるから、引用文献1には、請求項1に記載された「前記搬送アームの関節運動をもたらすように前記駆動部に動作可能に接続される制御装置であって、前記制御装置は、前記第1位置と前記第2位置との間の搬送アーム垂下による前記搬送アームのパラメータ化されていない経験的アーム垂下距離を解決するように構成されるアーム垂下補償装置を備える、制御装置」という特徴を明示的にも本質的にも開示するものがない旨主張している。 (イ)しかし、引用文献1の段落0074には「同図11の曲線L6はアーム伸ばし量Xに対するアーム先端撓み量ΔZの実測値を示している。」と記載され、図11には「L6たわみ量(測定値)ΔZ」と記載されているから、曲線L6が実測値又は測定値であり、1次または2次の線形式ΔZ=f(X)から解析的に決定されるものではないことは明らかである。さらに、引用文献1の段落0075には「上記アーム伸ばし量Xとアーム先端撓み量ΔZとの対応関係L6は記憶テーブルに記憶される。」と記載され、段落0076には「本実施形態では上記アーム伸ばし量Xとアーム先端撓み量ΔZとの対応関係L6を記憶テーブルに記憶しているが、関数fを所定の関数としてアーム伸ばし量Xからアーム先端撓み量ΔZを演算する演算式ΔZ=f(X)を記憶しておいてもよい。」と記載され、実測値であるアーム伸ばし量Xとアーム先端撓み量ΔZとの対応関係L6を記憶テーブルに記憶する方法、又は、アーム伸ばし量Xからアーム先端撓み量ΔZを演算する演算式ΔZ=f(X)を記憶する方法のいずれかを用いることが記載されている。そして、引用発明の「アーム伸ばし量Xと撓み量ΔZとの対応関係L6が記憶テーブルに記憶され、対応関係L6が示す撓み量ΔZはアーム伸ばし量Xにおける実測値で」あることは前者に該当し、請求人が主張する1次または2次の線形式ΔZ=f(X)から解析的に決定されるものは後者に該当する。よって、引用発明の「対応関係L6が示す撓み量ΔZ」は、1次または2次の線形式ΔZ=f(X)から解析的に決定されるものではなく、パラメータ化されていない経験的アーム垂下距離であるといえるから、上記主張を採用することはできない。 (4)本件補正の適否についてのむすび 以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~96に係る発明は、令和4年6月21日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~96に記載された事項により特定されるものと認められるところ、本願の請求項19に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2[理由]1(2)」において記載した請求項19のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、概略次のとおりである。 理由1(新規性)この出願の請求項19~25、27、31~33、35~37、39~45、47、67~73、75、79~81、83~85、87~93、95に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 理由2(進歩性)この出願の下記の請求項19~27、31~33、35~47、74、86、94に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1、3~5に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特開2000-183128号公報 3.特開2007-283436号公報(周知技術を示す文献) 4.特開2008-105125号公報(周知技術を示す文献) 5.特開2004-299010号公報(周知技術を示す文献) 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項は、上記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。 4 当審の判断 本願発明は、上記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「パラメータ化されていない」という限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の前記限定事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2の[理由]2(3)で検討したとおり、引用文献1に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当するものであるから、本願発明も引用文献1に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当するものである。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものである。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-002468

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  • 2019-005600拒絶査定不服審判 / 2019-12-13 / 請求不成立レーザ加工装置及びレーザ加工方法
    共通の審決分類: 113・H01L、572・H01L、575・H01L

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