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商標取消審判

2022-300897

クールキューブ、キューブ

審判番号
2022-300897
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2003-002693
登録番号
4718694
請求日
2022年10月06日
審決日
2023年09月06日
公報発行日
2023年11月24日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】キューブス インターナショナル ゲーエムベーハー
  • 【請求人代理人】名古屋国際弁理士法人
  • 【被請求人】三菱電機 株式会社
  • 【被請求人代理人】加藤 哲治
審判長/審判官
  • 審判長 小松 里美
  • 審判官 大山 健
  • 審判官 山田 啓之
分類
T131 .1 -Z (Y11)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第4718694号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第4718694号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第4718694号商標(以下「本件商標」という。)は、「COOL CUBE」の欧文字と「クールキューブ」の片仮名を2段に書してなり、平成15年1月17日に登録出願、第11類「乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,暖冷房装置,冷凍機械器具,太陽熱利用温水器,電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類,加熱器,火鉢類」を指定商品として、同年10月17日に設定登録がされ、その後、同25年10月8日に存続期間の更新登録がされた。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年10月25日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間(2019年(令和元年)10月25日~2022年(令和4年)10月24日)を以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第32号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 弁駁の理由 (1)被請求人は、要証期間に、本件商標が、本件審判の請求に係る指定商品について使用された旨主張し、また、その証拠として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。 しかしながら、以下に述べるとおり、被請求人は、本件商標が、要証期間に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品に使用されたことを証明していない。 (2)被請求人の主張の要約について 被請求人は、本件商標の一部を構成する「COOL CUBE」を、第11類「暖冷房装置」について、要証期間に使用していると主張する。 また、被請求人は、本件商標に係る商品は「EKZ-P20H-A」、「EKZ-P45HV-A」、「EKZ-P45HV-A-S」、「EKZ-P45HV-A-SET」であり、製造は既に終了しているが、本件商標に係る商品のパーツを販売していると表明している。 なお、本件商標は上段の欧文字「COOL CUBE」と下段の片仮名「クールキューブ」の2段書きで構成されているのに対し、被請求人が提出した乙第3号証、乙第5号証、乙第6号証には「COOL CUBE」の欧文字は表示されているものの、本件商標の下段に配された「クールキューブ」の片仮名の表示はない。 (3)被請求人の主張に係る本件商標の使用事実の不存在について ア 本件商標に係る商品は本件審判の請求に係る指定商品(第11類)には属さないことについて (ア)被請求人独自の分類について 被請求人は、答弁書において、本件商標に係る商品は、被請求人のウェブサイト「WIN2K」において「設備用パッケージエアコン」や「パッケージエアコン」に分類されているため、指定商品中、第11類「暖冷房装置」に含まれると主張する。 しかし、その分類はあくまでも被請求人独自の基準によるものであり、本件商標に係る商品を特許庁及び国際分類の基準に従って分類したものではない。 被請求人のウェブサイト「WIN2K」には、「設備用パッケージエアコン」の分類が記載されている(甲2)。 そして、被請求人が本件商標に係る商品と述べる「EKZ-P20H-A」、「EKZ-P45HV-A」、「EKZ-P45HV-A-S」及び「EKZ-P45HV-A-SET」は、被請求人の「WIN2K」における独自の分類によると「情報・通信用」の中の「冷却装置」に分類されている(甲3~甲5、乙2、乙4)。 (イ)本件商標に係る商品について 被請求人は、本件商標に係る商品は、被請求人のウェブサイト「WIN2K」において「設備用パッケージエアコン」や「パッケージエアコン」に分類されていると主張する。 しかし、本件商標に係る商品の取扱説明書(甲6~甲8)や乙第6号証の表紙には、「精密電子機器用冷却ユニット」と明記されているが、「パッケージエアコン」の記載はない。 そして、甲第6号証ないし甲第8号証によると、本件商標に係る商品「EKZ」シリーズの「精密電子機器用冷却ユニット」の設定温度範囲は、「20℃~35℃」又は「24℃~35℃」である。 電子機器は一般的に20℃以下になると負荷がかかるとされており、電子機器に大きな負荷をかけない適正温度は20~50℃であるとされている。つまり、本件商標に係る商品の設定温度範囲は電子機器に負荷をかけない温度設定である。 そして、甲第6号証ないし甲第8号証の「仕様」には、「冷房」ではなく「冷却」と記載されている。 それに対し、例えば、被請求人の製品「スプリット形電算室用空調機 室内ユニット」(甲9、甲10)は取扱説明書の表紙に「パッケージエアコン」と明記されている上、「スプリット形電算室用空調機 室内ユニット」(甲9、甲10)の設定温度範囲は、電算室用に限定していない被請求人のパッケージエアコン(甲11、甲12)と同様の「14℃~30℃」である。 そして、「スプリット形電算室用空調機 室内ユニット」は、「WIN2K」で本件商標に係る商品が分類されている「情報・通信用」の「冷却装置」ではなく、「空冷床置形・冷房専用」の「電算室用シリーズ」に分類されている(甲13)。 なお、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」、「労働安全衛生法」、「学校環境衛生管理マニュアル」等において、室温は温度基準(17℃~28℃)の範囲内となるよう指針が示されているように、一般的な暖冷房装置の設定温度範囲は、設備用であれ家庭用であれ、概ね14℃~30℃の範囲内であることが多い(甲9~甲12、甲14~甲20。)。 これは、本件商標に係る商品「精密電子機器用冷却ユニット」の設定温度範囲20/24℃~35℃と明確に異なる。 さらに、甲第9号証ないし甲第12号証、甲第14号証ないし甲第20号証の「仕様」や記事にはいずれも「冷却」ではなく、「冷房」又は「暖房」と記載されており、この点も、本件商標に係る商品と明確に異なる。 (ウ)特許庁の審査基準における「冷却装置」 特許庁の審査基準では、「冷却装置」は、用途等によって複数の区分に分類され、それぞれに類似群コードが充てられている。 なお、第11類「暖冷房装置」の類似群コードは、本件商標出願時に採用されていた第8版では「09E11」で、各種用途の冷却装置に充てられているいずれの類似群コードとも異なる。 (エ)まとめ 上述のように、本件商標に係る商品は、「WIN2K」において被請求人自身が「情報・通信用」の「冷却装置」に分類していること、本件商標に係る商品の取扱説明書やサービスパーツカタログに「精密電子機器用冷却ユニット」と明記されていること、かつ、本件商標に係る商品の設定温度範囲が電子機器に負担をかけないよう20℃以下にはならない「20/24℃~35℃」であることからも、本件商標に係る商品は「電子計算機の冷却装置,中央演算処理装置(CPU)用冷却装置(類似群コード 11C01)」、「電子応用機械器具用冷却ファン及びヒートシンク(類似群コード 11C01、11C02)」等が分類されている「国際分類第9類」に属するとされるのが自然である。 以上から、本件商標に係る商品は、特許庁及び国際分類の審査基準によれば、第9類の類似群コード11C01、11C02に該当する商品であることは明らかで、第11類「暖冷房装置(類似群コード 09E11)」には属しないとされるのが相当である。 イ 乙第1号証ないし乙第7号証に対する疑義 被請求人は、このWebサイトの上部「形名から製品を探す」に形名を入力することにより、被請求人の製造、販売に係る製品の資料を閲覧、ダウンロードすることができる、及び「形名から製品を探す」に、本件商標に係る商品の形名の一部である「EKZ」を入力すると、本件商標に係る商品(「EKZ-P20H-A」、「EKZ-P45HV-A」、「EKZ-P45HV-A-S」及び「EKZ-P45HV-A-SET」)が検索できると主張する。 しかし、被請求人のWebサイト「WIN2K」では形名のみならずキーワードで検索する機能もあり、被請求人が所有する、第11類「暖冷房装置」に係る登録商標(甲21~甲23)を「WIN2K」で検索すると、それぞれの商標に係る空調装置が検索できる(甲24~甲26)。 それに対し、そのキーワードでの検索機能で本件商標「COOL CUBE」又は「クールキューブ」を検索しても「ご指定の条件には該当がありません。条件を変えて再度検索してください。」と表示される(甲27、甲28)。 このように、被請求人自身のWebサイト「WIN2K」ですら、本件商標「COOL CUBE」での検索ができず、被請求人が形名と称する、いわゆる型番・品番である「EKZ・・・」でしか検索ができないという状態では、需要者が本件商標「COOL CUBE」を被請求人の商標と認識している可能性はない、又は極めて低いことを如実に物語るものである。つまり、かつては本件商標に信用が化体していたとしても、現在では保護すべき信用は消滅しているとされるのが相当である。 さらに、乙第1号証ないし乙第7号証は、下記の点から、いずれも本件商標の使用事実を証明する資料ではないとされるのが相当である。 ・乙第1号証:単に被請求人のWebサイト「WIN2K」を紹介するにすぎない。 ・乙第2号証、乙第4号証、乙第7号証:本件商標を構成する欧文字「COOL CUBE」、片仮名「クールキューブ」のいずれも記載されていない。 ・乙第3号証、乙第5号証、乙第6号証:いずれも要証期間外の資料である。 被請求人は、本件商標に係る商品の製造は既に終了しているが、本件商標に係る商品のパーツを販売していることからも分かるように、本件商標に係る商品を購入した顧客は、現在もその商品を使用しており、顧客は、保有する本件商標に係る商品から形名を把握し、乙第1号証にて検索して、本件商標に係る商品の各種資料を閲覧、ダウンロードしていると主張する。 しかし、本件商標に係る商品の各種資料を現在も閲覧、ダウンロードができるからといっても、又はサービスパーツカタログがあるからといっても、これらは単なるサポート情報の提供を示すものにすぎず、かつ、被請求人の主張によれば現在では独立した商品として本件商標に係る商品が要証期間に製造、販売されているわけではない。 したがって、本件商標に係る商品の各種資料を現在も閲覧、ダウンロードができることやサービスパーツカタログが存在することは、要証期間の本件商標の使用事実を証明する資料ではないとされるのが相当である。 このことは取消2012-300825(甲29)からも明らかである。 ウ 乙第8号証に対する疑義 乙第8号証には本件商標を構成する欧文字「COOL CUBE」、片仮名「クールキューブ」のいずれも記載されておらず、やはり、本件商標の使用事実を証明する資料ではない。 かつ、乙第8号証には、「EKZ-P20H-A」の記載すらない。 また、甲第30号証ないし甲第32号証にあるように、乙第8号証中の部品コードR634H6140のソウフウキダイ(送風機台)は、形名「EKZ・・・」のみならず、被請求人の他の製品(例えば、CAHV-P500YA-HPB、PUHYシリーズ、PURYシリーズ。)の部品としても使用されている汎用品であり、本件商標に係る商品形名「EKZ・・・」の専用品ではない。 これらのことからも、乙第8号証が「EKZ-P20H-A」に係るものであるとの被請求人の主張には強い疑義の念を抱かざるを得ない。 なお、乙第8号証はいわゆる「駆け込み使用」であり、その登録商標の使用は商標法第50条第1項に規定する登録商標の使用に該当しないとされるのが相当である。 (4)結論 被請求人が本件商標に係る商品と主張する商品は、「精密電子機器用冷却ユニット」と明記されている上、用途や設定温度範囲並びに特許庁及びニース国際分類の判断基準に鑑みると、本件商標に係る商品は、第9類の類似群コード11C01、11C02、例えば、「電子計算機の冷却装置,中央演算処理装置(CPU)用冷却装置,電子応用機械器具用冷却ファン及びヒートシンク」の範ちゅうに属する商品である。 つまり、本件商標に係る商品は、本件審判の請求に係る指定商品のいずれにも該当しないとされるのが相当である。 加えて、上記(3)で述べたように、乙第1号証ないし乙第8号証は、本件商標を付した商品が要証期間に販売されていたことを証明するものではない、又は証明するものとするには疑義があるとされるのが相当である。 以上から、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていたことは証明されていない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 理由 (1)本件商標の使用事実の要点 被請求人は、予告登録前3年以内に我が国において、その請求に係る指定商品中、第11類「暖冷房装置」について、本件商標を使用している。 かかる事実について、以下のとおり説明する。 (2)本件商標について 本件商標は、「COOL CUBE」と、その片仮名である「クールキューブ」とを2段書きしたものであって、その欧文字部分と片仮名部分とは同一の称呼であるとともに、観念を共通にするものである。 (3)本件商標の使用の事実 ア 納入仕様書での使用について 乙第1号証は、被請求人の製造、販売に係る各種製品の資料、技術資料、販促資料等を検索、閲覧、ダウンロードできる被請求人自身のWebサイト「WIN2K」である。このWebサイトの上部「形名から製品を探す」に形名を入力することにより、被請求人の製造、販売に係る製品の資料を閲覧、ダウンロードすることができる。したがって、乙第1号証にて検索された被請求人の製造、販売に係る製品に使用されている商標は、被請求人による使用である。 「形名から製品を探す」に、本件商標に係る商品の形名の一部である「EKZ」を入力すると、本件商標に係る商品(「EKZ-P20H-A」、「EKZ-P45HV-A」、「EKZ-P45HV-A-S」、「EKZ-P45HV-A-SET」)が検索できる。このうち、例えば「EKZ-P45HV-A」を押すと、本件商標に係る商品のページである乙第2号証が表示される。 なお、本件商標に係る商品の製造は既に終了しているが、本件商標に係る商品のパーツを販売している(下記イ参照)ことからも分かるように、本件商標に係る商品を購入した顧客は、現在もその商品を使用している。顧客は、保有する本件商標に係る商品から形名を把握し、乙第1号証にて検索して、本件商標に係る商品の各種資料を閲覧、ダウンロードしている。 乙第2号証には、「設備用パッケージエアコン」のタイトルの下、「納入仕様書」、「取扱説明書」及び「据付工事説明書」の記載があり、「納入仕様書」の記載から乙第3号証を閲覧することができる。乙第2号証のページから閲覧できることから、乙第3号証の「納入仕様書」に記載の商品が「設備用パッケージエアコン」であることは明らかであり、「設備用パッケージエアコン」は指定商品中、「暖冷房装置」に含まれるものである。 また、乙第1号証にて「EKZ」を入力し表示されたページにて「EKZ-P45HV-A-SET」を押すと、本件商標に係る商品のページである乙第4号証が表示される。この乙第4号証には、「設備用パッケージエアコン」のタイトルの下、「納入仕様書」の記載があり、「納入仕様書」の記載から乙第5号証を閲覧することができる。乙第5号証に記載されている商品も乙第3号証に記載されている商品と同様に、「設備用パッケージエアコン」であることは明らかである。 乙第3号証、乙第5号証の「納入仕様書」は、いずれも右下部に被請求人の商号である「三菱電機株式会社」及び欧文字の「COOL CUBE」が記載されている。過去の審決例(取消2020-300611、取消2015-300714等)において、「欧文字表記と片仮名表記の2段書きからなる商標のうち、片仮名が欧文字部分から生じる通常の称呼といえる場合、欧文字のみを使用していれば当該商標と社会通念上同一と認められる商標を使用しているといえる」と判断されており、乙第3号証、乙第5号証における欧文字の「COOL CUBE」についても、本件商標と社会通念上同一と理解されるべきと思料する。 ここで、「納入仕様書」とは、納入側、すなわち被請求人が顧客に対して発行するものであり、商品の概要や品質、性能の保証等が記載されている。これは商標法第2条第3項第8号の「取引書類」に該当するものである。 以上のことから、乙第3号証、乙第5号証は、商標法第2条第3項第8号の「商品に関する取引書類に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当するものと思料する。 イ 本件商標に係る商品のパーツでの使用について 乙第6号証の左上部に、本件商標に係る商品の形名である「EKZ-P20H-A」が記載されているように、乙第6号証は、本件商標に係る商品のサービスパーツカタログである。乙第6号証の第1ページの下部には、被請求人の商号である「三菱電機株式会社」が記載されており、上部には、「パッケージエアコン 精密電子機器用冷却ユニット COOL CUBE」と記載されている。上述のとおり「パッケージエアコン」は、指定商品「暖冷房装置」に含まれるものであり、欧文字の「COOL CUBE」は、本件商標と社会通念上同一と理解されるべきものである。 本件商標に係る商品のサービスパーツの写真である乙第7号証には、梱包箱に貼付されたシールの上部と下部にそれぞれ、被請求人の商号の英語表記である「MITSUBISHI ELECTRIC」と「Mitsubishi Electric Corporation」が記載されており、そのシールには、部品名「キバンソウクミタテ MAIN/S01」及び部品番号「R61 6E8 281」が記載されている。 また、出荷伝票である乙第8号証には、伝票中央部に本件商標に係る商品のパーツの発送元として、被請求人の商号の「三菱電機株式会社」が記載されており、インボイスNo.(出荷日、番号)欄に、「22-08-02」、部品コード欄に「R616E8281」、部品名欄に「キバンソウクミタテ MAIN/S01」が記載されている。なお、乙第7号証は、被請求人が出荷用に保有しているパーツであり、乙第8号証にて示すパーツは既に顧客へ出荷済みであるが、そのパーツは、乙第7号証にて示す梱包箱と同一の梱包箱、及び同一のパーツである。 乙第7号証及び乙第8号証には、本件商標の記載はないが、乙第6号証の第5ページの照合番号312には、部品コード「R61 6E8 281」、部品名「MAIN/S基板」が記載されており、これは、乙第7号証及び乙第8号証に記載されている内容と同一の内容である。そのため、これは乙第6号証にて記載されているパーツと、2022年8月2日に乙第8号証の出荷伝票にて取り引きされた乙第7号証のパーツとが同じパーツであることを指し示しており、さらに、乙第6号証には、本件商標と社会通念上同一と理解されるべき欧文字の「COOL CUBE」が使用されていることから、乙第8号証の出荷伝票にて取り引きされた乙第7号証のパーツが、本件商標に係る商品のパーツであることは、容易に把握可能である。 過去の審決(取消2002-30209)において、「システム全体としての取引下にある商品が、個々の部品のみにおいても取り引きされる場合、不使用を理由とする商標登録の取消しの審判の場において、個々の部品の登録商標の使用として立証することは、被請求人が述べるまでもなく、認め得る」と判断されているところ、本件商標についても、本件商標に係る商品のパーツである「MAIN/S基板」の取引をもって、本件商標に係る商品、すなわち「パッケージエアコン」それ自体の取引の存在を立証しているものであるといえる。 以上のことから、乙第7号証は、商標法第2条第3項第2号の「商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為」に該当し、乙第8号証は、商標法第2条第3項第8号の「商品に関する取引書類に標章を付して頒布する行為」に該当するものと思料する。 (4)むすび 上記(3)に述べたように、被請求人は、本件審判の予告登録日前3年以内において指定商品「暖冷房装置」に含まれる「パッケージエアコン」に対し、本件商標と社会通念上同一の欧文字「COOL CUBE」を、被請求人の商品の包装に付して譲渡し、また被請求人の商品に関する取引書類に付して頒布又は電磁的方法により提供しているので、商標法第2条第3項第2号及び同項第8号に照らして、本件商標を使用していることは明らかである。 よって、本件商標は、被請求人自身によって、その指定商品中、「暖冷房装置」の範ちゅうに属する商品について、本件審判の予告登録日前3年以内において使用されていた事実があるから、上記指定商品についての登録を商標法第50条第1項によって取り消されるべき理由は存在しない。 2 弁駁に対する意見 合議体は、相当の期間を指定して、請求人の弁駁(上記第2の2)に対する被請求人の意見を求めたが、応答はなかった。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出した証拠によれば、以下のとおりである。 (1)「暮らしと設備の業務支援サイト WIN2K」(乙1)並びに同サイトに掲載された商品「EKZ-P45HV-A」(乙2、乙3)及び商品「EKZ-P45HV-A-SET」(乙4、乙5)について ア 「暮らしと設備の業務支援サイト WIN2K」(乙1)について 乙第1号証は、「三菱電機」及び「MITSUBISHI ELECTRIC」の表記がある「暮らしと設備の業務支援サイト WIN2K」(以下「WIN2K」という。)と称するウェブサイトの出力物であり、形名から製品を探すための検索窓を配置するとともに、「製品情報」のタイトルの下、「製品情報では、製品画像、仕様書、説明書、設計図、マニュアルなどお客さまのお役に立てる情報を提供しています。」の記載、「業務用製品から選ぶ」の項には、「空調・換気」として「店舗・事務所用パッケージエアコン(Mr.SLIM)」「設備用パッケージエアコン」など、「住宅用製品から選ぶ」の項には、「エアコン(空調)・換気」として「ルームエアコン(霧ヶ峰)」などの記載があり、また、「技術資料」の項には「納入仕様書」「取扱説明書」などの記載がある。 イ 商品「EKZ-P45HV-A」(乙2、乙3)について 乙第2号証は、WIN2Kにおける商品「EKZ-P45HV-A」の製品概要ページの出力物であり、「設備用パッケージエアコン[本体]情報・通信用[本体]冷却装置EKZ-P45HV-A」の記載の下に、「製品概要」のタイトル下、「旧型品」「EKZ-P45HV-A」「オープン価格」「発売日:2004年02月01日」「※この製品は旧型品です。価格は販売終了時点での価格です。」などの記載があり、「納入仕様書」の項にリンクと思われる態様で「納入仕様書(289KB)pdf[2014/02/16]」の記載、「取扱説明書」の項にリンクと思われる態様で「取扱説明書(2MB)pdf[2014/02/16]」の記載、「据付工事説明書」の項にリンクと思われる態様で「据付工事説明書(3MB)pdf[2014/02/16]」の記載がある。 また、乙第3号証は、商品「EKZ-P45HV-A」の製品概要ページ(乙2)に配置された「納入仕様書」のリンク先にある商品「EKZ-P45HV-A」の「外形図」(1葉目)「電気配線図」(2葉目)「機外配線図」(3葉目)であるところ、「外形図」(1葉目)には、正面図及び右側面図、付属品の記載、注意書き等とともに、「三菱電機株式会社」「TITLE/EKZ-P45HV-A/COOL CUBE HV45 外形図」「作成日付/2004-02-04」「改定日付/2004-11-17」などの記載がある。 ウ 商品「EKZ-P45HV-A-SET」(乙4、乙5)について 乙第4号証は、WIN2Kにおける商品「EKZ-P45HV-A-SET」の製品概要ページの出力物であり、「設備用パッケージエアコン[本体]情報・通信用[本体]冷却装置EKZ-P45HV-A-SET」の記載の下に、「製品概要」のタイトル下、「旧型品」「EKZ-P45HV-A-SET」「価格:-」「発売日:2004年02月01日」「※この製品は旧型品です。価格は販売終了時点での価格です。」などの記載があり、「納入仕様書」の項にリンクと思われる態様で「納入仕様書(36KB)pdf[2014/02/16]」及び「納入仕様書(25KB)pdf[2008/01/16]」の記載がある。 また、乙第5号証は、商品「EKZ-P45HV-A-SET」の製品概要ページ(乙4)に配置された「納入仕様書」のリンク先にある商品「EKZ-P45HV-A-SET」の「防雪・防雨フード組込外形図」(全2葉)であるところ、これには、正面図及び右側面図、付属品の記載、注意書き等とともに、「三菱電機株式会社」「TITLE EKZ-P45HV-A-SET/COOL CUBE HV45/防雪・防雨フード組込外形図」「作成日付/2004-02-04」「改定日付/2004-02-04」などの記載がある。 エ 乙第1号証、乙第2号証及び乙第4号証は、それぞれの出力日について記載されていない。 (2)サービスパーツカタログ(乙6)及び部品「キバンソウクミタテ MAIN/S01」(乙7、乙8)について ア サービスパーツカタログ(乙6)について 乙第6号証は、「三菱電機株式会社 冷熱システム製作所」の記載のあるサービスパーツカタログ(全8葉)であるところ、その1葉目には「パッケージエアコン 発行2005年1月 BWA04090」「精密電子機器用冷却ユニット COOL CUBE H20」の記載、及び目次欄に「形名 EKZ-P20H-A」の記載があり、また、「図番、価格は平成17年1月現在のものです。」の記載がある。さらに、当該カタログの6葉目には、「制御箱部」のタイトルの下、「制御箱」を示す図面とともに、「照合番号」「部品コード」「部品名」などを項目とする表があり、当該図面には、基板と思われる部品に「312」の符号が付されており、また、当該表には、「照合番号」が「312」の欄に「部品コード R61 6E8 281」「部品名 MAIN/S基板」の記載がある。 イ 部品「キバンソウクミタテ MAIN/S01」(乙7、乙8)について 乙第7号証は、「2022.12.01」の表示のある段ボール箱とその側面に添付されたラベル部分を拡大した画像であり、段ボール箱の側面のラベルには、「部品名 キバンソウクミタテ MAIN/S01」「代表形名 EKZ-P20H-A」「部品番号 R61 6E8 281」「MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION」の記載がある。 乙第8号証は、三菱電機株式会社冷熱システム製作所が、三菱電機ビルソリューションズ株式会社に宛てて送付した「出荷案内書」であるところ、「注文日付 22-07-26」の記載があり、「出荷部品内容明細書」欄に「注文番号 32L96029」「部品コード R616E8281」「キバンソウクミタテ MAIN/S01」「出荷数量 1」などの記載がある。 (3)上記(1)、(2)及び被請求人の主張から以下の事実が認められる。 ア 商標権者のウェブサイト「WIN2K」(乙1)において、2004年2月に発売された「設備用パッケージエアコン」(以下「使用商品1」という。)である「EKZ-P45HV-A」及び「EKZ-P45HV-A-SET」の製品概要ページ(乙2、乙4)が検索でき、それぞれの製品概要ページ(乙2、乙4)におけるリンクをクリックすることにより、「EKZ-P45HV-A」の納入仕様書(乙3)及び「EKZ-P45HV-A-SET」の納入仕様書(乙5)が表示されるところ、商標権者のウェブサイト「WIN2K」(乙1、乙2、乙4)の出力日は不明であるが、製品概要ページ(乙2、乙4)の各「納入仕様書」のリンク横に記載された日付から、納入仕様書(乙3、乙5)は、2014年2月頃及び2008年1月頃には被請求人のウェブサイトにおいて閲覧可能であったと推認できる。 そして、納入仕様書(乙3、乙5)の記載内容から、使用商品1である「EKZ-P45HV-A」及び「EKZ-P45HV-A-SET」の図面等が記載された仕様書に「COOL CUBE HV45」の文字を表記したことが推認できる。 イ 商標権者は、2005年1月頃に、「パッケージエアコン」の「COOL CUBE H20」と称する「精密電子機器用冷却ユニット」(以下「使用商品2」という。)についてのサービスパーツカタログ(乙6)を発行し、個別に購入可能である部品コードが「R61 6E8 281」、部品名が「MAIN/S基板」である部品を掲載したといえる。 さらに、出荷案内書(乙8)から、使用商品2の部品「MAIN/S基板」は、2022年7月頃、取引先に出荷されたことは推認し得るものの、当該部品又はその包装に本件商標が付されていた事実は認められない。 2 上記1からすれば、次のとおり判断できる。 (1)使用商品について 使用商品1の納品仕様書(乙3、乙5)、及び使用商品2が掲載されたサービスパーツカタログ(乙6)に、それぞれ「COOL CUBE HV45」及び「COOL CUBE H20」の表示があるとしても、使用商品1「設備用パッケージエアコン」は「[本体]情報・通信用[本体]冷却装置」(乙2、乙4)と記載され、また、使用商品2は「精密電子機器用冷却ユニット」であることからすれば、使用商品1及び2はいずれも、専ら電子計算機又は電気通信機械器具に付属する冷却装置又はその部品であって、第9類「電子計算機及びその周辺機器」又は「電気通信機械器具の部品及び附属品」の範ちゅうに属する商品であると解するのが相当である。 以上から、被請求人が、本件審判の取消請求に係る指定商品(第11類「乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,暖冷房装置,冷凍機械器具,太陽熱利用温水器,電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類,加熱器,火鉢類」)について、本件商標を使用したことを証明したということはできない。 なお、被請求人は、第11類「暖冷房装置」について本件商標を使用している旨を主張するが、例えば、「暮らしと設備の業務支援サイト WIN2K」(乙1)において、「業務用製品」である「店舗・事務所用パッケージエアコン(Mr.SLIM)」、「設備用パッケージエアコン」と、「住宅用製品」である「ルームエアコン(霧ヶ峰)」が区別されているように、被請求人の製造販売するエアコンは、それぞれの用途に応じて、別々の商品として展開されていることに鑑みれば、使用商品1及び2は、それぞれの用途(情報・通信用、精密電子機器用)に特化した商品又はその商品の部品であり、汎用的な暖冷房装置であるということはできない。 (2)使用時期及び使用行為について 使用商品1の納入仕様書(乙3、乙5)が、2014年2月頃及び2008年1月頃、被請求人のウェブサイトから閲覧可能であり、また、サービスパーツカタログ(乙6)が2005年1月頃に発行されたことは認められるとしても、これらの時期は要証期間外である。 なお、被請求人の提出した証拠からは、納入仕様書(乙3、乙5)が要証期間に商標権者と顧客との間の取引に用いられたことも、サービスパーツカタログ(乙6)が要証期間に頒布された事実も見いだせない。 加えて、使用商品1及び2について、商品(部品)又はその包装に本件商標が付されていることを示す証拠は見あたらないから、使用商品1及び2は、要証期間に、商品(部品)又はその包装に標章を付したものを譲渡する行為が行われたと認めることもできない。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していた事実を証明したものと認めることはできない。 また、被請求人は、本件審判の請求に係る取消請求商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-300897

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