商標取消審判
2022-300422
オービター、オルビター
- 審判番号
- 2022-300422
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1993-052077
- 登録番号
- 3193500
- 請求日
- 2022年05月12日
- 審決日
- 2023年08月02日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】アルノルド ウント リヒテル シネ テヒニーク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コムパニー ベトリーブス コマンディート ゲゼルシャフト
- 【請求人代理人】古関 宏
- 【被請求人】富士通 株式会社
- 【被請求人代理人】青木 篤
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 大山 健
- 分類
- T131 .1 -Z (009)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第38条第5項、商標法第2条第3項第8号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第3193500号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第3193500号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第3193500号商標(以下「本件商標」という。)は、「ORBITER」の欧文字を横書きしてなり、平成5年5月25日に登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケ―ブル,電子応用機械器具及びその部品〔電子管,半導体素子,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。)を除く。〕,磁心,抵抗線,電極,レコ―ド,録画済みビデオディスク及びビデオテ―プ,家庭用テレビゲ―ムおもちゃ」を指定商品として、同8年8月30日に設定登録がされ、同18年6月6日及び同28年5月17日に存続期間の更新登録がされた。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年5月30日であり、本件審判において商標法第50条第2項に規定する本件審判の請求の登録前3年以内の期間(令和元年(2019年)5月30日から令和4年(2022年)5月29日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁において要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標の商標登録原簿によれば、本件商標については、専用使用権及び通常使用権の設定登録がなされていない。
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)答弁書によれば、被請求人は、被請求人が「電子計算機用プログラム」について本件商標を現に使用している旨を主張し、乙第1号証ないし乙第4号証を提出している。
しかし、被請求人は、商標法第50条第2項の取消しを免れるために証明すべき事実を何ら証明していない。
(2)以下、乙各号証ごとに、被請求人の主張、立証について反論する。
ア 乙第1号証
被請求人は、被請求人製品を平成8年9月12日から新発売する旨の同月11日付けニュースリリースが掲載されている、被請求人のホームページの写しを、乙第1号証として提出している。
しかし、これは、2022年7月20日に印刷されたものであって、要証期間経過後のものである。また、平成8年(1996年)は、今から26年も前のことである。
したがって、乙第1号証をもって要証期間の本件商標の使用であるということはできない。
イ 乙第2号証
被請求人は、乙第2号証に現れる「ORBITER FORCE」に関し、「ORBITER」は被請求人によって平成8年9月から長期間にわたり販売されているソフトウェアパッケージであって、「FORCE」の文字は被請求人による「ORBITER」ソフトウェアのシリーズを示すものであること、当該使用に係る商標全体から生じる称呼はやや冗長であること、及び商標の前半部に位置する「ORBITER」は被請求人が永年にわたり使用をしているソフトウェアの名称であることを鑑みれば、常に一体不可分にのみ認識され把握されるべき格別の事情は見いだし難いといえ、「ORBITER」の文字部分自体も、独立して自他商品識別標識としての機能を果たす旨を主張している。
しかしながら、商標法第50条にいう「登録商標」には、それと社会通念上同一と認められる商標が含まれるだけである(商標法第38条第5項)ところ、被請求人が使用していると主張、立証している商標は、「ORBITER FORCE」であり、これが本件商標と社会通念上同一と認められるものでないことは明らかである。
すなわち、提出された乙各号証からすれば、被請求人は、「ORBITER FORCE」をもって一つの識別標識として使用しており、かつ、これに接する需要者、取引者も「ORBITER FORCE」を一つの識別標識と認識し、理解することは客観的に明らかである。
また、後半部の「FORCE」が「シリーズ」を示すものであるということもできない。むしろ、「FORCE」の語は、取消しに係る指定商品との関係上、識別力を有しないということができないばかりでなく、「ORBITER FORCE」は、軽重のない2つの英単語からなるものであるから、「ORBITER FORCE」の全体構成が1つの識別標識として機能することは明らかである。
加えて、被請求人は、乙第1号証をもって、平成8年頃の使用事実を立証しているが、その後の使用事実に関しては、何ら立証していない。
したがって、乙第2号証をもって、本件商標の使用ということはできない。
なお、被請求人は、乙第2号証を、令和4年7月14日付けでプリントアウトされた証拠である旨を主張しているが、左上の「2022/07/20 10:38」の表示からすると、令和4年(2022年)7月20日に印刷されたものであると考えられる。
ウ 乙第3号証
被請求人は、乙第3号証により、乙第2号証として提出された証拠が平成28年から現在に至るまで継続して公開され続けていることを主張、立証しようとしているが、乙第2号証自体、本件商標の使用ということはできない。
したがって、乙第3号証をもって、本件商標の使用ということはできない。
エ 乙第4号証
被請求人は、乙第4号証が、本件商標を使用した電子計算機用プログラムに関するパンフレットであり、当該パンフレットにおいても、ホームページと同様に、プログラムの名称として、本件商標と社会通念上同一と認識される「ORBITER」が表示されている旨を主張している。
しかし、乙第4号証に現れるのは、「ORBITER FORCE」であって、「ORBITER」ではない。
実際、「概要」の欄には、「ORBITER FORCEは人工衛星の軌道推定・軌道予報・軌道解析を行うソフトウェアです。」と記載されている。
さらに、乙第4号証の2葉目の「ご提供するサービス」の欄においても、常に「ORBITER FORCE」とのみ表示されており、「ORBITER」のみが表示されている箇所はない。
したがって、乙第4号証をもってしても、本件商標の使用ということはできない。
(3)以上、被請求人は、答弁書及び乙各号証によって、商標法第50条第2項に規定する使用事実を何ら証明していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
1 答弁の理由
(1)被請求人は、本件商標(「ORBITER」)を、その第9類の指定商品について現に使用している。
(2)使用商品
本件商標は、その指定商品に含まれる商品「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「電子計算機用プログラム」について使用される商標である。
(3)商標使用者
以下に示される証拠における商標の使用者は、本件商標権者自身である。
(4)使用証拠
ア 乙第1号証は、本件商標を使用した電子計算機用プログラムに関する、被請求人によるホームページのプリントアウトである。本件商標は、地球周回衛星の軌道解析のために用いられるパッケージソフトウェアについて用いられる商標であって、当該商品は平成8年9月12日より販売されている。なお、ホームページにおいては、本件商標と社会通念上同一と認識される「ORBITER」とともに、「for Windows」の文字が記載されているが、これは、Microsoft CorporationによるWindows OSの環境下において使用されるソフトウェアであることを示す記述的な表示である。
イ 乙第2号証は、乙第1号証と同様に、本件商標を使用した電子計算機用プログラムに関する被請求人によるホームページのプリントアウトである。このホームページにおいては、本件商標と社会通念上同一と認識される「ORBITER」とともに「FORCE」の文字が記載されている。「ORBITER」は、被請求人によって平成8年9月から長期間にわたり販売されているソフトウェアパッケージであって、「FORCE」の文字は、被請求人による「ORBITER」ソフトウェアのシリーズを示すものである。
当該使用に係る商標全体から生じる称呼はやや冗長であること、及び商標の前半部に位置する「ORBITER」は、被請求人が永年にわたり使用をしているソフトウェアの名称であることを鑑みれば、当該使用に係る商標において、「ORBITER」と「FORCE」の文字が常に一体不可分にのみ認識され把握されるべき格別の事情は見いだし難いといえ、「ORBITER」の文字部分自体も、独立して自他商品識別標識としての機能を果たすものというべきである。
(5)以上に記載した乙第1号証及び乙第2号証から、被請求人により、本件商標と社会通念上同一である「ORBITER」という名称の電子計算機用プログラムが販売されていることが確認できる。
また、乙第2号証は、令和4年7月14日付け(審決注:「令和4年7月20日」の誤記と認める。)でプリントアウトされた証拠であるが、WAYBACK MACHINEで確認できるとおり、平成28年から現在に至るまで、本ホームページは公開され続けている(乙3)。
(6)さらに、乙第4号証は、本件商標を使用した電子計算機用プログラムに関するパンフレットである。当該パンフレットにおいても、ホームページと同様に、プログラムの名称として、本件商標と社会通念上同一と認識される「ORBITER」が表示されている。なお、パンフレットには明確に発行日は記載されていないが、末尾に「Copyright 2014-2021 FUJITSU LIMITED」と記載されているとおり、2021年に被請求人によって発行されたものである。
(7)以上に述べたとおり、被請求人は、要証期間に、本件商標の指定商品に含まれる商品「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「電子計算機用プログラム」に関する取引書類等に、本件商標と同一又は社会通念上同一の商標を付して使用しており、かかる使用行為は、商標法第2条第3項第8号に定義される商標の使用行為に該当するものである。
(8)まとめ
以上述べたことからして、本件商標が、本件審判の取消請求に係る役務(審決注:「本件審判の取消請求に係る商品」の誤記と認める。)について要証期間に、被請求人又は被請求人の通常使用権者によって使用されていたことが客観的に証明された。
第4 当審における審尋
1 審尋の要旨
審判長は、令和5年2月9日付け審尋において、被請求人に対し、提出された証拠によっては、被請求人が商標法第50条第2項に規定する証明をしたものと認めることはできない旨の合議体の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、その暫定的見解及び請求人の令和4年9月16日付け弁駁書に対する意見を求め、要証期間に本件商標を使用したことについて、追加の証拠の提出を促した。
2 審尋に対応する回答
被請求人は、上記1の審尋に対し、何ら回答していない。
第5 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠によれば、以下のとおりである。
(1)「地球周回衛星用 軌道解析パッケージ「ORBITER for Windows」新発売」と題するニュースリリースのウェブページ(乙1)について
乙第1号証は、平成8年9月11日付けで商標権者が発表した、「地球周回衛星用 軌道解析パッケージ「ORBITER for Windows」新発売」と題するニュースリリースのウェブページ(全2葉)を、2022年7月20日に出力したものであるところ、その1葉目には、「~“業界初”大型計算機で行っていた軌道計算をパソコン上で実現~」、「当社はこのほど、国際標準ATパソコンで動作する地球周回衛星用軌道解析パッケージ“ORBITER for Windows”(Orbit Information Analyzer for Windows)を開発し、9月12日より販売を開始いたします。」、「ORBITER for Windowsは、従来大型計算機やワークステーションで行っていた地球を周回する人工衛星の位置や速度等のデータを入力して時系列で人工衛星の軌道を計算したり計算した軌道を世界地図上に地上軌跡として動的に表示する機能を、業界で初めてパソコン上に提供します。」、「当製品は、平成5年10月より当社製エンジニアリングワークステーション「Sファミリー」向けに提供している「ORBITER」をベースに開発しており、ワークステーションで実現している同等の機能を、1/6以下の価格でWindowsの操作性を加えて提供します。」、「[価格]/ORBITER for Windows:40万円(税別)」の記載があり、2葉目には、「[動作環境]/Windows3.1/97年春にはWindows95版を提供予定です。」、「[ORBITER for Windowsの特長]/・・・/・従来大型計算機やエンジニアリングワークステーション上で行っていた精密な軌道計算を、業界で初めてパソコン上に実現しました。/・Windowsで動作し、簡易な操作により軌道計算や計算結果データの蓄積が行えます。」、「*Windowsは米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。」、「プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。」の記載がある。
(2)「ORBITER FORCE-テクニカルコンピューティング:富士通」と題するウェブページ(乙2、乙3)について
乙第2号証は、「ORBITER FORCE-テクニカルコンピューティング:富士通」と題するウェブページ(全6葉)を、2022年7月20日に出力したものであるところ、その1葉目ないし6葉目の上部には、「ORBITER FORCE-テクニカルコンピューティング:富士通」の記載がある。
また、その1葉目には、「FUJITSU」、「製品概要/人工衛星の軌道推定・軌道予報・軌道解析を行うソフ・・・」の記載があり、その5葉目には、「「テクニカルコンピューティング」に関するお問い合わせ」として、「富士通コンタクトライン(総合窓口)」の記載が確認できる。
また、乙第3号証は、商標権者が、乙第2号証のウェブページが平成28年から現在まで公開され続けていることを示す証拠であるとして提出した、WAYBACK MACHINEのウェブページ(全2葉)を2022年7月20日に出力したものであるところ、その1葉目には、「衛星運用ソリューション FUJITSU Technical Computing Solution ORBITER FORCE -Fujitsu Japan」、「The Wayback Machine-https://web.archive.org/web20160516045817/http://www_.fujitsu.com:・・・」、「衛星運用ソリューション/FUJITSU Technical Computing Solution ORBITER FORCE」、「FUJITSU Technical Computing Solution ORBITER FORCE(オービターフォース)は人工衛星の軌道推定・軌道予報・軌道解析を行うソフトウェアです。」の記載がある。
(3)製品カタログ(乙4)について
乙第4号証は、「FUJITSU Technical Computing Solution/オービター フォース/ORBITER FORCE」と題する製品カタログ(全2葉)であるところ、1葉目には、「概要/ORBITER FORCEは人工衛星の軌道推定・軌道予報・軌道解析を行うソフトウェアです。」との記載があり、2葉目には、「サポート対象システム」のタイトル下に「項目名 クライアントOS」、「サポート対象システム Microsoft Windows10(64bit)」の記載、及び「ご提供するサービス」のタイトル下に、「項目名」、「ご契約形態」、「サービス内容」を項目とする一覧表に、「項目名 ORBITER FORCE」、「ご契約形態 一括」、「サービス内容 ORBITER FORCEのサーバ、クライアント、ソフトウェアを提供します。」、「項目名 ORBITER FORCE プログラムサポート」、「ご契約形態 月額/年額」、「サービス内容 導入したORBITER FORCEに対し、問題解決支援、情報提供、修正プログラム提供、レベルアップ版の提供を行います。」、「項目名 ORBITER FORCE クライアントライセンスプログラムサポート」、「ご契約形態 月額/年額」、「サービス内容 追加導入したORBITER FORCEクライアントに対し、問題解決支援、情報提供、修正プログラム提供、レベルアップ版の提供を行います。」、「項目名 ORBITER FORCE 解析サービス」、「ご契約形態 一括」、「サービス内容 導入したORBITER FORCEを使用し、軌道解析サービスを提供します。」の記載があり、さらに「お問い合わせ先/電話でのお問い合わせ/富士通コンタクトライン・・・」、「Copyright 2014-2021 FUJITSU LIMITED」の記載がある。
他方、乙第4号証には、製品カタログの作成日や、頒布日について記載されていない。
(4)上記(1)ないし(3)から以下の事実が認められる。
ア 商標権者は、平成8年9月頃、「ORBITER for Windows」(以下「使用商標1」という。)と称するWindows(Windows3.1又はWindows95)で動作する「地球周回衛星用軌道解析パッケージ」(以下「使用商品1」という。)の販売を開始し、そのニュースリリースを行ったこと。
イ 商標権者は、「ORBITER FORCE」(以下「使用商標2」という。)と称する「テクニカルコンピューティングソリューション」(以下「使用商品2」という。)を提供し、自社のウェブサイト及び製品カタログで広告したこと、及び当該「テクニカルコンピューティングソリューション」は、人工衛星の軌道推定・軌道予報・軌道解析を行うソフトウェアであり、Windows10でサポートされるものであること。
2 上記1からすれば、次のとおり判断できる。
(1)使用商品1に基づく使用商標1の使用について(乙1)
商標権者は、平成8年9月頃、使用商品1(「地球周回衛星用軌道解析パッケージ」)について使用商標1を表示してそのニュースリリースを行ったことが認められるとしても、上記平成8年9月は要証期間外であるし、これが要証期間において、広告や販売がされていたことを示すような記載は見当たらない。さらに、使用商品1はWindows3.1又はWindows95で動作するものであるから、要証期間には既に販売が終了していたと考えるのが自然である。
また、商品「地球周回衛星用軌道解析パッケージ」がWindowsで動作するソフトウェアであることがうかがえるとしても、その詳細は不明であることから本件商標の指定商品に含まれる商品と認めることはできない。
以上から、使用商標1の要証期間における使用を認めることはできず、使用商品1が本件商標の指定商品に含まれる商品と認めることもできない。
(2)使用商品2に基づく使用商標2の使用について(乙2~乙4)
商標権者は、使用商品2(「テクニカルコンピューティングソリューション」)について使用商標2(「ORBITER FORCE」)を表示し、自社のウェブサイト及び製品カタログで広告したことが認められるとしても、これを要証期間において販売や広告をしたことを示す証拠は確認できない。
ただし、製品カタログにおいて「サポート対象システム」として「Microsoft Windows10(64bit)」の記載があることや、「Copyright 2014-2021 FUJITSU LIMITED」の記載があることによれば、使用商品2が要証期間においても、販売及び広告されていたとみる余地はある。
しかしながら、仮に、使用商品2の要証期間における使用があったとしても、本件商標「ORBITER」と使用商標2「ORBITER FORCE」とは、「FORCE」の文字の有無といった外観の相違、構成文字から生じる称呼の相違などにおいて明確な差異を有するところ、その差異をもっても両商標が社会通念上同一の商標であると認めることができる事実を見いだすことができないため、使用商標2は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標とはいえない。
以上から、使用商品2に基づく使用商標2の使用は、社会通念上同一と認められる商標の使用と認めることができない。
なお、被請求人は、使用商品2について、「FORCE」の文字は、被請求人による「ORBITER」ソフトウェアのシリーズを示すものである旨を主張するが、そのことを裏付ける証拠は見当たらないし、「FORCE」の文字がソフトウェアのシリーズを示すことが取引の実情であるといった事情も見いだせないから、被請求人の主張は採用できない。
(3)小括
上記のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間に、商標権者が本件商標の指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたと認めることができない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していることを証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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