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特許拒絶査定不服審判

2022-020558

ルールエンジンを使用した患者管理の方法及びシステム

審判番号
2022-020558
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-540622
請求日
2022年12月19日
審決日
2023年09月12日
公報発行日
2023年10月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
  • 【請求人代理人】田中 伸一郎
  • 【請求人代理人】▲吉▼田 和彦
  • 【請求人代理人】須田 洋之
  • 【請求人代理人】倉澤 伊知郎
  • 【請求人代理人】山本 泰史
  • 【請求人代理人】鈴木 博子
  • 【請求人代理人】上潟口 雅裕
審判長/審判官
  • 審判長 中野 裕二
  • 審判官 山内 裕史
  • 審判官 野崎 大進
分類
P18 .1 -WY (G16H) / P18 .537-WY (G16H)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項、特許法第36条
データ出所
審決公報(XML)

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特願2019-540622「ルールエンジンを使用した患者管理の方法及びシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 8月 2日国際公開、WO2018/138675、令和 2年 2月20日国内公表、特表2020-505704、請求項の数(19)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30年)1月26日(パリ条約による優先権主張2017年1月26日、米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年 1月20日: 手続補正書の提出 令和4年 1月27日付け:拒絶理由通知書 令和4年 8月 1日: 意見書、手続補正書の提出 令和4年 8月18日付け:拒絶査定 令和4年12月19日: 審判請求書、手続補正書の提出 令和5年 7月 3日付け:拒絶理由通知書 令和5年 8月22日: 意見書、手続補正書(以下、この手続補正書 による手続補正を「本件補正」という。)の 提出 第2 原査定の概要 原査定(令和4年8月18日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 (発明該当性)この出願の下記の請求項に記載されたものは、下記の点で特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。 ・請求項 14-16,18-19 本願の請求項14には、「患者管理方法であって、ネットワークを介して~中略~データをデータ管理サーバで受信すること~中略~前記データ管理サーバで前記受信データを査定すること~前記複数のルールの1つ又は複数を示す情報をコンピューティングデバイス上に表示させ~中略~前記複数の患者の1人又は複数を示す情報をコンピューティングデバイス上に表示させることを含む、患者管理方法。」と記載されている。 「データ管理サーバで」、「コンピューティングデバイス上に表示させ」という記載より、道具として「データ管理サーバ」、「コンピューティングデバイス」を利用することが特定されている。(つまり、「データ管理サーバ」、「コンピューティングデバイス」が文章における、動詞の主語ではない。) そして、これらの道具を利用するのは通常、人であるから、当該請求項14の内容は、人によるコンピュータの操作手順や業務の進め方という人為的な取決めに過ぎず、全体として、自然法則を利用したものとは認められない。 当該請求項14に従属する請求項15-16,18-19についても同様である。 第3 当審拒絶理由の概要 当審が令和5年7月3日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。 (明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない。 ・請求項 14-19 ・備考 1 請求項14は、「データ管理サーバ」と「コンピューティングデバイス」という二つの機器の処理によって特定される方法の発明であるが、当該二つの機器の関連及び当該二つの機器の処理の関連についての記載が存在しないため、「データ管理サーバ」と「コンピューティングデバイス」の処理の順序及び関係が不明確であり、請求項14に係る発明を明確に把握できない。 請求項14を引用する請求項15-19についても同様である。 2 請求項16には、「アラート状態のインディケーションをコンピューティングデバイス上に表示する」と記載されているが、請求項16が引用する請求項14には「コンピューティングデバイスが、前記複数のルールの1つ又は複数を示す情報と、示す情報が表示された前記複数のルールを満たす前記複数の患者の1人又は複数を示す情報と、を表示する」と記載されており、請求項14と請求項16の間で記載が整合していないため、請求項16に係る発明において、インディケーションをコンピューティングデバイス上に表示する主体が不明であり、請求項16に係る発明を明確に把握できない。 請求項16を引用する請求項17-19についても同様である。 3 請求項19には、「1人又は複数の患者が、1つ又は複数の有効性閾値を満たさないというインディケーションをコンピューティングデバイス上に表示させる」と記載されているが、請求項19が引用する請求項14には「コンピューティングデバイスが、前記複数のルールの1つ又は複数を示す情報と、示す情報が表示された前記複数のルールを満たす前記複数の患者の1人又は複数を示す情報と、を表示する」と記載されており、請求項14と請求項19の間で記載が整合していないため、請求項19に係る発明において、インディケーションをコンピューティングデバイス上に表示させる主体が不明であり、請求項19に係る発明を明確に把握できない。 よって、請求項14-19に係る発明は、明確でない。 第4 本願発明 本願請求項1-19に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明19」という。)は、本件補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1-19に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-19は以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 患者管理システムであって、 複数の患者に療法を提供するように構成された複数の耐久医療機器(DME)デバイスと通信するデータ管理サーバであって、 ネットワークを介して、前記複数のDMEデバイスのそれぞれからデータを受信することであって、前記データが、DME療法データ又は患者識別データの少なくとも一方を含むことと、 前記受信データが複数のルールを満たすという決定に少なくとも部分的に基づいて、前記受信データを査定することと、 を行うように構成されたデータ管理サーバを含み、 前記複数のルールの各ルールが、前記複数の患者の内のある特定のルールを満たす患者のセットを定義し、前記特定のルールを満たす患者のセットが、療法が前記複数のDMEデバイスによって提供される前記複数の患者のサブセットであり、 前記データ管理サーバが、前記複数のルールの1つ又は複数を示す情報をディスプレイに表示させ、示す情報が表示された前記複数のルールを満たす前記複数の患者の1人又は複数を示す情報をディスプレイに表示させるようにさらに構成される、患者管理システム。 【請求項2】 前記複数のDMEデバイスが、複数の呼吸圧力療法デバイスを含む、請求項1に記載の患者管理システム。 【請求項3】 前記複数の呼吸圧力療法デバイスのそれぞれが、療法セッション中に患者の気道への加圧空気の形態で、前記患者に呼吸圧力療法を与えるように構成される、請求項2に記載の患者管理システム。 【請求項4】 前記データが、前記複数のDMEデバイスの少なくとも1つによって前記患者に与えられた療法の1つ又は複数の変数を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の患者管理システム。 【請求項5】 前記データ管理サーバが、前記受信データが前記複数のルールの少なくとも1つのルールを満たすという決定に少なくとも部分的に基づいて、アラート状態のインディケーションを生じさせるようにさらに構成される、請求項1~4の何れか一項に記載の患者管理システム。 【請求項6】 前記データ管理サーバが、 複数のアクションの内のあるアクションを識別することと、 前記識別されたアクションを行うことと、 前記アラート状態の1つ又は複数の設定を調整することであって、前記調整が、少なくとも、前記アラート状態を消音にすることを含むことと、 前記受信データを再査定することと、 をさらに行うように構成される、請求項5に記載の患者管理システム。 【請求項7】 前記識別されたアクションが、患者注釈の追加、処方データの更新、患者への連絡、新しい機器の注文、又は患者レポートの生成の少なくとも1つを含む、請求項6に記載の患者管理システム。 【請求項8】 前記処方データを更新するために、前記データ管理サーバは、処方の変更、中止、又は一新の少なくとも1つを行うように構成されている、請求項7に記載の患者管理システム。 【請求項9】 前記アラート状態の前記消音は、予め定義された期間の間、前記アラート状態を消音にすることを含む、請求項6~8の何れか一項に記載の患者管理システム。 【請求項10】 前記受信データを査定するために、前記患者管理システムが、1人又は複数の患者の監視された療法治療及び前記1人又は複数の患者の処方された療法治療に少なくとも部分的に基づいて、患者コンプライアンスを決定するように構成される、請求項1~9の何れか一項に記載の患者管理システム。 【請求項11】 前記複数のルールの少なくとも1つのルールが、患者の使用データ、療法の継続期間、タイムスタンプ情報、又は機器情報の少なくとも1つに関連付けられた条件を含む、請求項1~10の何れか一項に記載の患者管理システム。 【請求項12】 ルールを満たすことが、患者が、処方された療法治療を順守していないことを示す、請求項1~11の何れか一項に記載の患者管理システム。 【請求項13】 前記データ管理サーバが、1人又は複数の患者が、1つ又は複数の有効性閾値を満たさないというインディケーションを生じさせるようにさらに構成される、請求項1~12の何れか一項に記載の患者管理システム。 【請求項14】 患者管理方法であって、 データ管理サーバが、ネットワークを介して、複数の患者に療法を提供するように構成された複数の耐久医療機器(DME)デバイスのそれぞれからデータを受信することであって、前記データが、DME療法データ又は患者識別データの少なくとも一方を含むことと、 前記データ管理サーバが、前記受信データが複数のルールを満たすという決定に少なくとも部分的に基づいて、前記受信データを査定することであって、前記複数のルールの各ルールが、前記複数の患者の内のある特定のルールを満たす患者のセットを定義し、前記特定のルールを満たす患者のセットが、療法が前記複数のDMEデバイスによって提供される前記複数の患者のサブセットであることと、 前記データ管理サーバが、前記複数のルールの1つ又は複数を示す情報と、示す情報が表示された前記複数のルールを満たす前記複数の患者の1人又は複数を示す情報と、をディスプレイに表示させること、 を含む、患者管理方法。 【請求項15】 前記複数のDMEデバイスが、複数の呼吸圧力療法デバイスを含み、前記複数の呼吸圧力療法デバイスのそれぞれが、療法セッション中に患者の気道への加圧空気の形態で、前記患者に呼吸圧力療法を与えるように構成される、請求項14に記載の患者管理方法。 【請求項16】 前記データ管理サーバが、前記受信データが前記複数のルールの少なくとも1つのルールを満たすという決定に少なくとも部分的に基づいて、アラート状態のインディケーションを生じさせる、請求項14又は15に記載の患者管理方法。 【請求項17】 前記データ管理サーバが、 複数のアクションの内のあるアクションを識別し、前記識別されたアクションが、患者注釈の追加、処方データの更新、患者への連絡、新しい機器の注文、又は患者レポートの生成の少なくとも1つを含み、 前記識別されたアクションを行い、 前記アラート状態の1つ又は複数の設定を調整し、前記調整が、少なくとも、前記アラート状態を消音にすることを含み、 前記受信データを再査定する、 ように構成されている、請求項16に記載の患者管理方法。 【請求項18】 ルールを満たすことが、患者が、処方された療法治療を順守していないことを示す、請求項14~17の何れか一項に記載の患者管理方法。 【請求項19】 前記データ管理サーバが、1人又は複数の患者が、1つ又は複数の有効性閾値を満たさないというインディケーションを生じさせる、請求項14~18の何れか一項に記載の患者管理方法。」 第5 原査定についての判断 本件補正により、請求項14について、「データ管理サーバ」が文章における動詞の主語となるように補正が行われた。これにより、請求項14の内容は、人によるコンピュータの操作手順や業務の進め方という人為的な取決めではないことが明らかになった。 よって、この拒絶の理由は解消した。 第6 当審拒絶理由についての判断 1 上記第3の1について、本件補正により、請求項14は、「データ管理サーバ」という機器の処理によって特定される方法の発明として記載されるものとなり、また、「コンピューティングデバイス」についての記載が削除されるものとなった。 よって、この拒絶の理由は解消した。 2 上記第3の2について、本件補正により、請求項14、16は、「データ管理サーバ」という機器の処理によって特定される方法の発明として記載されるものとなり、また、「コンピューティングデバイス」についての記載が削除されるものとなった。 よって、この拒絶の理由は解消した。 3 上記第3の3について、本件補正により、請求項14、19は、「データ管理サーバ」という機器の処理によって特定される方法の発明として記載されるものとなり、また、「コンピューティングデバイス」についての記載が削除されるものとなった。 よって、この拒絶の理由は解消した。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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