特許拒絶査定不服審判
2022-020419
リン含有難燃剤
- 審判番号
- 2022-020419
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-198645
- 請求日
- 2022年12月16日
- 審決日
- 2024年10月21日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
- 【請求人代理人】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
- 【請求人代理人】森田 拓
- 【請求人代理人】前川 純一
- 【請求人代理人】永島 秀郎
- 【請求人代理人】上島 類
- 【請求人代理人】江藤 聡明
- 【請求人代理人】倉脇 明子
- 【請求人代理人】山口 修
- 【請求人代理人】稲垣 謙司
- 【請求人代理人】長山 弘典
- 審判長/審判官
- 審判長 ▲吉▼澤 英一
- 審判官 北澤 健一
- 審判官 小出 直也
- 分類
- P18 .113-WY (C08G) / P18 .121-WY (C08G) / P18 .57 -WY (C08G)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法17条の2第5項特許法53条1項特許法159条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-198645「リン含有難燃剤」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 4月15日出願公開、特開2021- 59729、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2014年(平成26年)4月15日(パリ条約による優先権主張 2013年4月16日 (EP)欧州特許庁)を国際出願日とする特願2016-508132号の一部を平成31年1月8日に新たな特許出願とした特願2019-978号の一部を令和2年11月30日に新たな特許出願としたものであって、令和3年12月21日付けで拒絶理由が通知され、令和4年3月30日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年8月12日付けで拒絶査定がなされ、同年12月16日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がされ、令和5年1月18日に審判請求書の手続補正書(方式)が提出されたものである。
第2 補正の却下の決定
1.結論
令和4年12月16日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
2.理由
(1)本件補正の内容
本件補正は、本件補正前の請求項1、4を、本件補正後の請求項1、2とし、そして、次のとおりの補正事項α、βを含むものである。
ア 補正事項α
本件補正前の請求項1、4における「R1及びR2は、独立して、C1~C16-アルキル、C2~C16-アルケニル、C2~C16-アルキニル、C1~C16-アルコキシ、C2~C16-アルケノキシ、C2~C16-アルキノキシ、C3~C10-シクロアルキル、C3~C10-シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、C6~C10-アリール-C1~C16-アルキル、C6~C10-アリール-C1~C16-アルコキシ、C1~C16-アルキル-C6~C10-アリール、C1~C16-アルキル-C6~C10-アリールオキシを表す。」との記載を、「R1及びR2は、同一であり、それぞれフェニル、メトキシ-フェニル、トリル、フリル、シクロヘキシル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、エトキシ、又はメトキシを表す。」との記載とする。
イ 補正事項β
本件補正前の請求項1、4において、必須要件として規定していた、「R1及びR2の少なくとも1つが、C1~C16-アルキル、C2~C16-アルケニル、C2~C16-アルキニル、C2~C16-アルケノキシ、C2~C16-アルキノキシ、C3~C10-シクロアルキル、アリール、C6~C10-アリール-C1~C16-アルキル、又はC1~C16-アルキル-C6~C10-アリールを表し;」(以下、「必須要件[Z]」という。)を削除する。
(2)本件補正の適否について
ア 補正事項αについて
本件補正後の「R1及びR2」は、R1=R2=フリルといった選択肢を含めているが、この選択肢は、本件補正前の「R1及びR2」の対象範囲に属していないものである。
すなわち、補正事項αは、本件補正前には対象としていなかった「R1及びR2」の選択肢を、新たに追加するものであって、このような補正事項αの目的が、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」(いわゆる限定的減縮)を目的とするものであるとはいえないし、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明、といった目的に該当しないことは明らかである。
イ 補正事項βについて
本件補正後の「R1及びR2」の選択肢は、補正事項αを踏まえると、次の10個の選択肢となっている。
<A>R1=R2=フェニル
<B>R1=R2=メトキシ-フェニル
<C>R1=R2=トリル
<D>R1=R2=フリル
<E>R1=R2=シクロヘキシル
<F>R1=R2=フェノキシ
<G>R1=R2=ベンジル
<H>R1=R2=ベンジルオキシ
<I>R1=R2=エトキシ
<J>R1=R2=メトキシ
この10個の選択肢のうち、<B>、<D>、 <F>、 <H>、<I>、 <J>の6つの選択肢は、本件補正前の請求項1、4において規定していた、上記の必須要件[Z]に合致しないものである。
すなわち、補正事項βは、本件補正前の必須要件[Z]によって明らかに対象外としていた上記6つの選択肢を、「R1及びR2」の選択肢に追加するものであって、このような補正事項βの目的が、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであるとは言えないし、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明、といった目的に該当しないことは明らかである。
ウ 審判請求書の「手続補正書(方式)」を見ても、『請求項1及び2(補正前請求項4)に係る補正は、本願明細書の記載事項「R1及びR2は、同一であり、それぞれフェニル、メトキシ-フェニル、トリル、フリル、シクロヘキシル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、エトキシ、又はメトキシであることが特に好ましい。」(本願明細書の段落[0022])、……を、その根拠とするものです。』と釈明し、補正が「特許請求の範囲の限定的減縮又は誤記の訂正」を目的とするものであると主張しているが、根拠箇所を示すだけでは補正が新規事項を追加するものでないことの説明にしかならないし、これらが特許法第17条の2第5項に掲げる「特許請求の範囲の減縮」や「誤記の訂正」を目的とするものでないことは、上記のとおりである。
(3)補正の却下の決定のむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、同法第17条の2第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
第3 審判請求についての判断
令和4年12月16日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~8に係る発明は、令和4年3月30日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定されるものである。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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