2022-020265
議事録の生成方法、装置、電子機器、及びコンピュータ可読記憶媒体
- 審判番号
- 2022-020265
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-206587外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年12月14日
- 審決日
- 2023年07月03日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
- 【請求人代理人】伊東 忠重
- 【請求人代理人】伊東 忠彦
- 【請求人代理人】宮崎 修
- 分類
- P18 .537-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 6項目
第1 手続の経緯
本願は、令和2年12月14日(パリ条約による優先権主張2020年6月30日、中国)の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 原査定の概要
原査定(令和4年8月9日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
・請求項 1-18
1 拒絶理由通知の指摘に対し、請求項1において、「前記文字会議記録中の文の時間の順序に従って、前記文字会議記録を分割して複数の会議段落を形成することであって、前記複数の会議段落のうちの各々が前記文字会議記録中の少なくとも1つの文を含む」との記載が新たになされ、意見書では補正によって拒絶理由が解消した旨主張がある。
しかしながら、文の時間の順序に従って分割する、会議段落の各々が少なくとも1つの文を含むといった要件が規定されただけでは、各会議段落に1以上のいくつの文を含めるかなどにより、分割の仕方が無数に存在し、特定することができない。
よって、意見書の主張は採用できず、文字会議記録をどのように分割するのかは依然として明確でない。
同様の記載を有する請求項16、請求項1を引用する請求項2-15、17-18についても同様である。
2 拒絶理由通知の指摘に対し、請求項1において、「会議指令の抽出は、……(中略)……会議の実体指令を確定すること……(中略)……観点指令を抽出すること……(中略)……態度指令を抽出することと、を含む」との記載が新たになされ、意見書では補正によって拒絶理由が解消した旨主張がある。
しかしながら、会議指令と、会議の実体指令、観点指令、態度指令との関係が明確でなく、確定あるいは抽出された、会議の実体指令、観点指令、態度指令が会議指令の抽出にどのように用いられるのかが不明である。
よって、意見書の主張は採用できず、会議指令をどのように抽出するのかは依然として明確でない。
同様の記載を有する請求項16、請求項1を引用する請求項2-15、17-18についても同様である。
・請求項 4-15、17-18
3 拒絶理由通知の指摘に対し、請求項4において、「前記スコアは前記文における情報の重複度に基づいて確定され、前記冗長値は前記文と前記会議段落における他の文との間の重複度に基づいて確定され、前記連続値は前記文と前記会議段落における他の文との間の関係の緊密度に基づいて確定される」との記載が新たになされ、意見書では補正によって拒絶理由が解消した旨主張がある。
しかしながら、重複度、緊密度については、その用語から、どのような処理によって算出される値であるのかが当業者にとって自明であるとは解されない。
よって、意見書の主張は採用できず、冗長値、連続値をどのような処理によって算出するのかは依然として明確でない。
請求項4を引用する請求項5-15、17-18についても同様である。
・請求項 1-18
4 拒絶理由通知の指摘に対し、請求項1において、「前記文字会議記録中の各文に対して文法解析を行って、前記文字会議記録中の実体語を識別し、識別された該実体語に基づいて会議の実体指令を確定することであって、前記実体指令は前記会議の複数の参加者実体と前記会議の話題実体とを含むことと、前記文字会議記録から観点特徴抽出を行って、観点を表す複数の文を識別し、前記観点を表す前記複数の文を組み替えることにより、前記参加者実体に対応する観点指令を抽出することと、前記文字会議記録から態度特徴抽出を行って、態度を示す複数の文を識別し、前記態度を示す前記複数の文を組み替えることにより、前記参加者実体に対応する態度指令を抽出することと、を含む」との記載が新たになされ、意見書では補正によって拒絶理由が解消した旨主張がある。
しかしながら、実体指令の確定に関して、文法解析の内容と参加者実体、話題実体との関係が明確でなく、文字会議記録中の各文にどのような文法解析を行い、その結果からどのように参加者実体、話題実体を識別するのかが明確でない。
また、観点指令の抽出についても、観点特徴抽出とはどのような処理であるのかが明確でなく、複数の文の組み替えについてもどのように組み替えるのかも明確でない。
さらに、態度指令の抽出についても、態度特徴抽出とはどのような処理であるのかが明確でなく、複数の文の組み替えについてもどのように組み替えるのかも明確でない。
よって、意見書の主張は採用できず、実体指令、観点指令、態度指令をどのように確定、あるいは抽出するのかは依然として明確でない。
5 拒絶理由通知の指摘に対し、意見書では補正により拒絶理由が解消した旨主張があるが、上記4で指摘したように、補正後の請求項1の記載でも、文法解析の内容と参加者実体、話題実体との関係は明らかにされておらず、文字会議記録中の各文にどのような文法解析を行い、その結果からどのように参加者実体、話題実体を識別するのかは依然として明確でない。
同様の記載を有する請求項16、請求項1を引用する請求項2-15、17-18についても同様である。
6 拒絶理由通知の指摘に対し、意見書では補正により拒絶理由が解消した旨主張があるが、上記4で指摘したように、補正後の請求項1の記載でも、複数の文の組み替えについて、どのように組み替えるのかは依然として明確でない。
同様の記載を有する請求項16、請求項1を引用する請求項2-15、17-18についても同様である。
7 拒絶理由通知の指摘に対し、意見書では補正により拒絶理由が解消した旨主張があるが、上記4で指摘したように、補正後の請求項1の記載でも、複数の文の組み替えについて、どのように組み替えるのかは依然として明確でない。
同様の記載を有する請求項16、請求項1を引用する請求項2-15、17-18についても同様である。
・請求項 9、17-18
8 拒絶理由通知の指摘に対し、請求項9において、「同一の話題実体について、前記複数の参加者実体の該話題実体に対する観点指令及び態度指令に基づいて、異なる参加者実体の同一の話題実体に対する観点及び態度を確定こと、及び/又は、同一の参加者実体について、該参加者実体の、複数の話題実体のうちの各々に対する観点指令及び態度指令に基づいて、同一の参加者実体の異なる話題実体に対する観点及び態度を確定する」(注:「確定こと」は、「確定すること」の誤記と解される)との記載が新たになされ、意見書では補正によって拒絶理由が解消した旨主張がある。
しかしながら、上記記載において用いられる、参加者実体、話題実体、観点指令、態度指令については、上記4で指摘したように、どのように識別、あるいは抽出するのかが明確でないことから、異なる参加者実体の同一の話題実体に対する観点及び態度、あるいは、同一の参加者実体の異なる話題実体に対する観点及び態度をどのように確定するのかは依然として明確でない。
請求項9を引用する請求項17-18についても同様である。
・請求項 14、17-18
9 拒絶理由通知の指摘に対し、請求項14において、「前記キーワード及び前記高頻度語には前記会議を記述するためのメタデータが含まれる、ことと、
前記キーワード及び高頻度語から抽出された、前記会議を記述するためのメタデータに基づいて、会議背景、会議の議題、会議の目標、会議の結論及び/又はタスクスケジューリングを確定すること」との記載が新たになされ、意見書では補正によって拒絶理由が解消した旨主張がある。
しかしながら、「会議を記述するための」というだけでは、メタデータがいかなる内容を有するのかが明確でなく、内容の明らかでないメタデータから、会議背景、会議の議題、会議の目標、会議の結論あるいはタスクスケジューリングをどのように確定を行うのかは依然として明確でない。
請求項14を引用する請求項17-18についても同様である。
・請求項 15、17-18
10 拒絶理由通知の指摘に対し、請求項15において、「前記統計ステップは、各参加者実体の発言の積極性が反映されるように、各参加者実体の発言回数、及び/又は、各参加者実体の発言の全発言に占められる割合を統計することを含み、少なくとも前記会議記録要約と前記会議指令とに基づいて前記議事録を生成することは、前記会議記録要約、前記会議指令及び各参加者実体の発言の積極性に基づいて、前記議事録を生成することを含む」との記載が新たになされ、意見書では補正によって拒絶理由が解消した旨主張がある。
しかしながら、この記載では、参加者実体の発言の積極性をどのように議事録の生成に用いるのかが明らかでなく、統計した結果がどのように用いられるのかは依然として明確でない。
請求項15を引用する請求項17-18についても同様である。
第3 本願発明
本願請求項1-15に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明15」という。)は、令和4年12月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-15に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-15は以下のとおりの発明である(下線部が補正箇所を示す。)。
「【請求項1】文字会議記録を取得することと、前記文字会議記録中の文の時間の順序に従って、前記文字会議記録を分割して複数の会議段落を形成することであって、前記複数の会議段落のうちの各々が前記文字会議記録中の、時間的に連続した少なくとも1つの文を含む、ことと、会議段落毎に会議段落要約を生成し、かつ会議段落毎の会議段落要約に基づいて会議記録要約を生成することと、続きを表示(全64行)前記文字会議記録中の文に基づいて会議指令を抽出することであって、前記会議指令は実体指令、観点指令及び態度指令を含み、前記会議指令の抽出は、前記文字会議記録中の各文に対して文法解析を行って、前記文字会議記録中の実体語を識別し、識別された該実体語に基づいて会議の実体指令を確定することであって、前記実体語は前記会議の複数の参加者実体及び前記会議の話題実体を含み、前記実体指令は前記複数の参加者実体と前記話題実体とを含むことと、前記文字会議記録から、参加者実体の観点を表すための第一語を抽出し、前記第一語を含む、観点を表す複数の文を識別し、前記観点を表す前記複数の文を組み替えることにより、前記参加者実体に対応する観点指令を抽出することと、前記文字会議記録から、参加者実体の態度を表すための第二語を抽出し、前記第二語を含む、態度を示す複数の文を識別し、前記態度を示す前記複数の文を組み替えることにより、前記参加者実体に対応する態度指令を抽出することと、を含む、ことと、少なくとも前記会議記録要約と前記会議指令とに基づいて議事録を生成することであって、前記議事録には前記会議記録要約及び前記会議指令が含まれる、ことと、を含む、議事録の生成方法。【請求項2】前記会議段落毎に会議段落要約を生成することは、前記会議段落中の各文を評価して前記文の評価値を得ることと、前記会議段落中の各文の前記評価値に基づいて候補文を確定し、候補文集合を形成することと、前記候補文集合に基づいて前記会議段落要約を生成することと、を含む、請求項1に記載の生成方法。【請求項3】前記文字会議記録を取得することは、会議録音を取得することと、前記会議録音を音声識別して前記文字会議記録を形成することと、を含む、請求項1に記載の生成方法。【請求項4】前記会議段落中の各文を評価して前記文の評価値を得ることは、ニューラルネットワークにより前記文のスコア、冗長値、及び連続値を算出することであって、前記スコアは前記文における情報の重複度に基づいて確定され、前記冗長値は前記文と前記会議段落における他の文との間の類似度の比較により確定され、前記連続値は前記文と前記会議段落における他の文との間の相関性の比較により確定される、ことと、前記スコアと、前記冗長値と、前記連続値とに基づいて前記評価値を算出することと、を含む、請求項2に記載の生成方法。【請求項5】前記スコアが高いほど、前記文に含まれる重要な情報が多いことを示す、請求項4に記載の生成方法。【請求項6】前記会議段落中の各文の前記評価値に基づいて候補文を確定し、候補文集合を形成することは、所定の条件を満たす文を選択して、前記候補文集合を構成することを含み、前記所定の条件は、前記評価値が評価値閾値よりも大きく、前記スコアがスコア閾値よりも大きく、前記冗長値が冗長値閾値よりも大きく、かつ前記連続値が連続値閾値よりも大きいことを含む、請求項4に記載の生成方法。【請求項7】同一の話題実体について、前記複数の参加者実体の該話題実体に対する観点指令及び態度指令に基づいて、異なる参加者実体の同一の話題実体に対する観点及び態度を確定こと、及び/又は、同一の参加者実体について、該参加者実体の、複数の話題実体のうちの各々に対する観点指令及び態度指令に基づいて、同一の参加者実体の異なる話題実体に対する観点及び態度を確定すること、をさらに含む、請求項1に記載の生成方法。【請求項8】単語ベクトル計算により前記会議指令の同義語及び/又は類義語を識別し、前記同義語及び/又は類義語を正規化処理することにより、同一の会議指令に対する記述を識別する、請求項1に記載の生成方法。【請求項9】前記態度指令は、態度傾向性を含み、前記態度傾向性は、積極、消極及び中性を含む、請求項1に記載の生成方法。【請求項10】会議段落ごとの会議段落要約に基づいて会議記録要約を生成することは、前記会議段落要約中の各要約文を評価して、前記要約文の評価値を得ることと、前記会議段落要約中の各要約文の前記評価値に基づいて候補要約文を確定して、候補要約文集合を形成することと、前記候補要約文集合に基づいて前記会議記録要約を生成することと、を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の生成方法。【請求項11】前記会議段落要約中の各要約文を評価して、前記要約文の評価値を得ることは、ニューラルネットワークにより前記要約文のスコア、冗長値及び連続値を算出することであって、前記スコアは前記要約文における情報の重複度に基づいて確定され、前記冗長値は前記要約文と前記会議段落要約における他の要約文との間の類似度の比較により確定され、前記連続値は前記要約文と前記会議段落要約における他の要約文との間の相関性の比較により確定される、ことと、前記要約文の前記スコアと、前記冗長値と、前記連続値とに基づいて、前記要約文の前記評価値を算出することと、を含む、請求項10に記載の生成方法。【請求項12】統計ステップをさらに含み、前記統計ステップは、各参加者実体の発言の積極性が反映されるように、各参加者実体の発言回数、及び/又は、各参加者実体の発言の全発言に占められる割合を統計することを含み、少なくとも前記会議記録要約と前記会議指令とに基づいて前記議事録を生成することは、前記会議記録要約、前記会議指令及び各参加者実体の発言の積極性に基づいて、前記議事録を生成することであって、前記議事録は各参加者実体の発言の積極性をさらに含む、ことを含む、請求項1に記載の生成方法。【請求項13】文字会議記録を取得するように構成される取得モジュールと、前記文字会議記録中の文の時間の順序に従って、前記文字会議記録を分割して複数の会議段落を形成し、会議段落毎に会議段落要約を生成し、かつ会議段落毎の会議段落要約に基づいて会議記録要約を生成するように構成される要約抽出モジュールであって、前記複数の会議段落のうちの各々が前記文字会議記録中の、時間的に連続した少なくとも1つの文を含む、要約抽出モジュールと、前記文字会議記録における文に基づいて会議指令を抽出するように構成される会議指令抽出モジュールであって、前記会議指令は実体指令、観点指定及び態度指令を含み、前記会議指令の抽出は、前記文字会議記録中の各文に対して文法解析を行って、前記文字会議記録中の実体語を識別し、識別された該実体語に基づいて会議の実体指令を確定することであって、前記実体語は前記会議の複数の参加者実体及び前記会議の話題実体を含み、前記実体指令は前記複数の参加者実体と前記話題実体とを含むことと、前記文字会議記録から、参加者実体の観点を表すための第一語を抽出し、前記第一語を含む、観点を表す複数の文を識別し、前記観点を表す前記複数の文を組み替えることにより、前記参加者実体に対応する観点指令を抽出することと、前記文字会議記録から、参加者実体の態度を表すための第二語を抽出し、前記第二語を含む、態度を示す複数の文を識別し、前記態度を示す前記複数の文を組み替えることにより、前記参加者実体に対応する態度指令を抽出することと、を含む、会議指令抽出モジュールと、少なくとも前記会議記録要約と前記会議指令とに基づいて議事録を生成するように構成される議事録生成モジュールであって、前記議事録には前記会議記録要約及び前記会議指令が含まれる、議事録生成モジュールと、を含む、議事録の生成装置。【請求項14】プロセッサと、前記プロセッサによって実行される際に、前記プロセッサに、請求項1~12のいずれか一項に記載の生成方法を実行させる命令を含むプログラムを記憶したメモリと、を備える、電子機器。【請求項15】電子機器のプロセッサによって実行されることで、請求項1~12のいずれか一項に記載の生成方法を前記電子機器に実行させる命令を含むプログラムが記憶された、コンピュータ可読記憶媒体。」
第4 判断
特許を受けようとする発明が明確であるか否かは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。
以下、この観点に立って、判断する。
1 「文字会議記録をどのように分割するのか」について(上記第2の1)
令和4年12月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1には、「前記文字会議記録中の文の時間の順序に従って、前記文字会議記録を分割して複数の会議段落を形成することであって、前記複数の会議段落のうちの各々が前記文字会議記録中の、時間的に連続した少なくとも1つの文を含む」が記載されている。
よって、文字会議記録を分割することが、文字会議記録中の文の時間の順序に従って行われ、かつ、分割して形成される複数の会議段落のうちの各々が前記文字会議記録中の、時間的に連続した少なくとも1つの文を含むように行われることが把握できるから、「文字会議記録をどのように分割するのか」について明確である。
なお、分割の仕方は複数存在するが、それ自体は特許請求の範囲の記載の不明確を来すものではない。
2 「会議指令と、会議の実体指令、観点指令、態度指令との関係」、「確定あるいは抽出された、会議の実体指令、観点指令、態度指令が会議指令の抽出にどのように用いられるのか」について(上記第2の2)
令和4年12月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1には、「前記文字会議記録中の文に基づいて会議指令を抽出することであって、前記会議指令は実体指令、観点指令及び態度指令を含み、」が記載されている。
よって、会議指令は、実体指令、観点指令及び態度指令を含むものであると認められ、「会議指令と、会議の実体指令、観点指令、態度指令との関係」について明確であり、さらには、「確定あるいは抽出された、会議の実体指令、観点指令、態度指令が会議指令の抽出にどのように用いられるのか」についても明確である。
3 「重複度、緊密度がどのような処理によって算出される値であるのか」、「冗長値、連続値をどのような処理によって算出するのか」について(上記第2の3)
令和4年12月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項4には、「前記スコアは前記文における情報の重複度に基づいて確定され、前記冗長値は前記文と前記会議段落における他の文との間の類似度の比較により確定され、前記連続値は前記文と前記会議段落における他の文との間の相関性の比較により確定される」が記載されている。
ここで、令和4年12月14日提出の手続補正書により補正される前の特許請求の範囲の請求項4における緊密度についての記載が削除されたことに伴い、「緊密度がどのような処理によって算出される値であるのか」について不明確な点は存在しない。また、技術常識を参酌すれば、重複度とは複数の要素の間の重複の度合いであることは自明であるから、「重複度がどのような処理によって算出される値であるのか」についても明確である。さらに、「冗長値は前記文と前記会議段落における他の文との間の類似度の比較により確定され」ること、「連続値は前記文と前記会議段落における他の文との間の相関性の比較により確定される」ことが記載されているから、「冗長値、連続値をどのような処理によって算出するのか」についても明確である。
4 「実体指令の確定に関して、文法解析の内容と参加者実体、話題実体との関係、文字会議記録中の各文にどのような文法解析を行い、その結果からどのように参加者実体、話題実体を識別するのか」、「観点指令の抽出について、観点特徴抽出とはどのような処理であるのか、複数の文の組み替えについてもどのように組み替えるのか」、「態度指令の抽出について、態度特徴抽出とはどのような処理であるのか、複数の文の組み替えについてもどのように組み替えるのか」、「参加者実体、話題実体、観点指令、態度指令について、どのように識別、あるいは抽出するのかが明確でないことから、異なる参加者実体の同一の話題実体に対する観点及び態度、あるいは、同一の参加者実体の異なる話題実体に対する観点及び態度をどのように確定するのか」について(上記第2の4-8)
ア 「実体指令の確定に関して、文法解析の内容と参加者実体、話題実体との関係、文字会議記録中の各文にどのような文法解析を行い、その結果からどのように参加者実体、話題実体を識別するのか」について(上記第2の4、5)
令和4年12月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1には、「前記文字会議記録中の各文に対して文法解析を行って、前記文字会議記録中の実体語を識別し、識別された該実体語に基づいて会議の実体指令を確定することであって、前記実体語は前記会議の複数の参加者実体及び前記会議の話題実体を含み、前記実体指令は前記複数の参加者実体と前記話題実体とを含むこと」が記載されている。
よって、参加者実体及び話題実体が文法解析の結果であることは明確であり、また、技術常識を参酌すれば、文法解析とは、言語の文法に基づいて文に対して語を識別する処理であると把握でき、文法解析の内容も十分理解できるものであるから、「実体指令の確定に関して、文法解析の内容と参加者実体、話題実体との関係、文字会議記録中の各文にどのような文法解析を行い、その結果からどのように参加者実体、話題実体を識別するのか」についても明確である。
イ 「観点指令の抽出について、観点特徴抽出とはどのような処理であるのか、複数の文の組み替えについてもどのように組み替えるのか」について(上記第2の4、6)
令和4年12月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1には、「前記文字会議記録から、参加者実体の観点を表すための第一語を抽出し、前記第一語を含む、観点を表す複数の文を識別し、前記観点を表す前記複数の文を組み替えることにより、前記参加者実体に対応する観点指令を抽出すること」が記載されている。
ここで、令和4年12月14日提出の手続補正書により補正される前の特許請求の範囲の請求項1に記載された「観点特徴」は「参加者実体の観点を表すための第一語」に置換されており、文字会議記録から語を抽出し得ることは当業者にとって自明であり、また、技術常識を参酌すれば、複数の文の組み替えが、複数の文に対して再び組み合わせを行う処理であることが把握できるから、「観点指令の抽出について、観点特徴抽出とはどのような処理であるのか、複数の文の組み替えについてもどのように組み替えるのか」についても明確である。
ウ 「態度指令の抽出について、態度特徴抽出とはどのような処理であるのか、複数の文の組み替えについてもどのように組み替えるのか」について(上記第2の4、7)
令和4年12月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1には、「前記文字会議記録から、参加者実体の態度を表すための第二語を抽出し、前記第二語を含む、態度を示す複数の文を識別し、前記態度を示す前記複数の文を組み替えることにより、前記参加者実体に対応する態度指令を抽出すること」が記載されている。
ここで、令和4年12月14日提出の手続補正書により補正される前の特許請求の範囲の請求項1に記載された「態度特徴」は「参加者実体の観点を表すための第二語」に置換されており、文字会議記録から語を抽出し得ることは当業者にとって自明であり、また、技術常識を参酌すれば、複数の文の組み替えが、複数の文に対して再び組み合わせを行う処理であることが把握できるから、「態度指令の抽出について、態度特徴抽出とはどのような処理であるのか、複数の文の組み替えについてもどのように組み替えるのか」についても明確である。
エ 「参加者実体、話題実体、観点指令、態度指令について、どのように識別、あるいは抽出するのかが明確でないことから、異なる参加者実体の同一の話題実体に対する観点及び態度、あるいは、同一の参加者実体の異なる話題実体に対する観点及び態度をどのように確定するのか」について(上記第2の8)
上記ア-ウを踏まえれば、「参加者実体、話題実体、観点指令、態度指令について、どのように識別、あるいは抽出するのか」について明確であるから、その結果として、「異なる参加者実体の同一の話題実体に対する観点及び態度、あるいは、同一の参加者実体の異なる話題実体に対する観点及び態度をどのように確定するのか」についても明確である。
5 「メタデータがいかなる内容を有するのかが明確でなく、内容の明らかでないメタデータから、会議背景、会議の議題、会議の目標、会議の結論あるいはタスクスケジューリングをどのように確定を行うのか」について(上記第2の9)
令和4年12月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲において、令和4年12月14日提出の手続補正書により補正される前の特許請求の範囲におけるメタデータについての記載は削除されていることに伴い、「メタデータがいかなる内容を有するのかが明確でなく、内容の明らかでないメタデータから、会議背景、会議の議題、会議の目標、会議の結論あるいはタスクスケジューリングをどのように確定を行うのか」について不明確な点は存在しない。
6 「参加者実体の発言の積極性をどのように議事録の生成に用いるのか、統計した結果がどのように用いられるのか」について(上記第2の10)
ア 「参加者実体の発言の積極性をどのように議事録の生成に用いるのか」について
令和4年12月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項12には、「前記会議記録要約、前記会議指令及び各参加者実体の発言の積極性に基づいて、前記議事録を生成することであって、前記議事録は各参加者実体の発言の積極性をさらに含む、こと」が記載されている。
よって、議事録に各参加者実体の発言の積極性を含むように議事録を生成することは明確であるから、「参加者実体の発言の積極性をどのように議事録の生成に用いるのか」についても明確である。
イ 「統計した結果がどのように用いられるのか」について
令和4年12月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項12の「前記統計ステップは、各参加者実体の発言の積極性が反映されるように、各参加者実体の発言回数、及び/又は、各参加者実体の発言の全発言に占められる割合を統計すること」の記載より、統計した結果は、各参加者実体の発言の積極性が反映される値として用いられると把握できるから、「統計した結果がどのように用いられるのか」についても明確である。
以上から、令和4年12月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-15の記載は、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、発明特定事項の意味内容や技術的意味を十分理解でき、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえないから、本願発明1-15が明確でないとはいえない。
第5 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-020265