特許拒絶査定不服審判
2022-020231
情報処理装置、商品推薦方法、プログラム、及びシステム
- 審判番号
- 2022-020231
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-560033外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年12月13日
- 審決日
- 2023年09月25日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q) / P18 .537-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-560033「情報処理装置、商品推薦方法、プログラム、及びシステム」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 6月27日国際公開、WO2019/123714、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2018年(平成30年)8月17日(優先権主張 平成29年12月21日)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 8月26日付け:拒絶理由通知書
令和3年10月15日: 意見書、手続補正書の提出
令和4年 3月 7日付け:拒絶理由通知書
令和4年 5月16日: 意見書、手続補正書の提出
令和4年 9月 9日付け:拒絶査定
令和4年12月13日: 審判請求書の提出
令和5年 6月 2日付け:拒絶理由通知書
令和5年 8月 7日: 意見書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和4年9月9日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-9に係る発明は、以下の引用文献A-Gに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
A.特開2001-202571号公報
B.国際公開第2008/114358号
C.特開2007-316750号公報
D.特開2017-182554号公報
E.特開2015-166933号公報
F.国際公開第2013/147003号
G.特開2016-009249号公報
第3 当審拒絶理由の概要
当審が令和5年6月2日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。
1 (サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
・請求項 2-5
・備考
請求項2には、「前記推薦商品情報取得手段は、前記商品認識手段により認識された商品のうち、顧客が前回購入してから所定の期間経過している商品の商品情報を、前記推薦商品情報としてさらに取得する、」と記載されている。この記載及び請求項2が引用する請求項1の記載によれば、請求項2に係る発明は、顧客用の商品かご又はカートの中の商品を認識する商品認識手段である商品認識手段により認識された商品であって、顧客が前回購入してから所定の期間経過している商品の商品情報を推薦商品情報として取得していることになるが、そのような発明は、発明の詳細な説明に記載されていない。
すなわち、発明の詳細な説明(【0038】等参照)において、顧客が推薦商品と同じ商品を前回購入してから所定の期間が経過している場合に、推薦商品情報を取得する構成は記載されていると認められるが、顧客用の商品かご又はカートの中の商品を認識する商品認識手段である商品認識手段により認識された商品であって、顧客が前回購入してから所定の期間経過している商品の商品情報を推薦商品情報として取得する構成が記載されているとは認められない。
したがって、請求項2に係る発明は、発明の詳細な説明において発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えるものである。
また、請求項2を引用する請求項3-5にも同様の理由が該当する。
2 (明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
・請求項 1-9
・備考
請求項1には、「推薦商品情報取得手段」が「推薦商品情報」を取得する処理を特定する記載として、「前記商品購入履歴情報と店舗側で予め用意された推薦商品リストとの比較結果に基づいて、推薦商品情報を取得する推薦商品情報取得手段と、」及び「前記推薦商品情報取得手段は、前記商品認識手段により認識された商品の関連商品を特定し、当該関連商品の商品情報を、前記推薦商品情報として取得する」の2つの記載が存在するが、当該2つの記載における「推薦商品情報取得手段」が「推薦商品情報」を取得する処理が、それぞれ独立して行われる(すなわち、「前記商品購入履歴情報と店舗側で予め用意された推薦商品リストとの比較結果に基づいて、推薦商品情報を取得する」ことにより取得された「推薦商品情報」と、「前記商品認識手段により認識された商品の関連商品を特定し、当該関連商品の商品情報を、前記推薦商品情報として取得する」ことにより得られた「推薦商品情報」の2つの独立した「推薦商品情報」を取得している)構成を意味しているのか、または、当該2つの記載における「推薦商品情報取得手段」が「推薦商品情報」を取得する処理が、「前記商品購入履歴情報と店舗側で予め用意された推薦商品リストとの比較結果に基づいて、推薦商品情報を取得する」ことにより取得された「推薦商品情報」であって、かつ、「前記商品認識手段により認識された商品の関連商品を特定し、当該関連商品の商品情報を、前記推薦商品情報として取得する」ことにより得られた「推薦商品情報」であるという、絞り込んだ「推薦商品情報」を取得する構成を意味しているのかが不明確である。
なお、発明の詳細な説明には、当該2つの記載における「推薦商品情報取得手段」が「推薦商品情報」を取得する処理が、それぞれ独立して行われる(すなわち、「前記商品購入履歴情報と店舗側で予め用意された推薦商品リストとの比較結果に基づいて、推薦商品情報を取得する」ことにより取得された「推薦商品情報」と、「前記商品認識手段により認識された商品の関連商品を特定し、当該関連商品の商品情報を、前記推薦商品情報として取得する」ことにより得られた「推薦商品情報」の2つの独立した「推薦商品情報」を取得している)構成については記載されていないと認められる。
請求項2-9も同様。
よって、請求項1-9に係る発明は明確でない。
3 (進歩性)本願請求項1-3、5、6、8、9に係る発明は、以下の引用文献1、2に基づいて、本願請求項4、7に係る発明は、以下の引用文献1、2、4に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特開2006-011617号公報(当審において新たに引用した文献)
2.国際公開第2008/114358号(拒絶査定時の引用文献B)
3.(欠番)
4.特開2017-182554号公報(拒絶査定時の引用文献D)
第4 本願発明
本願請求項1-10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明10」という。)は、令和5年8月7日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-10に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1、6、10は以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】
店舗内の顧客を認識する顧客認識手段と、
前記顧客認識手段により認識された顧客の商品購入履歴情報を取得する購入履歴取得手段と、
前記商品購入履歴情報と店舗側で予め用意された推薦商品リストとの比較結果に基づいて、推薦商品情報を取得する推薦商品情報取得手段と、
前記推薦商品情報取得手段により取得された推薦商品情報を前記顧客に通知する通知手段と、
を備え、
顧客用の商品かご又はカートに設けられており、
前記顧客用の商品かご又はカートの中の商品を認識する商品認識手段を更に備え、
前記推薦商品情報取得手段は、前記商品認識手段により認識された商品の関連商品を特定し、当該関連商品の商品情報を用いて、前記通知手段によって通知する前記推薦商品情報を絞り込む情報処理装置。」
「 【請求項6】
コンピュータが、
店舗内の顧客を認識し、
前記認識された顧客の商品購入履歴情報を取得し、
前記商品購入履歴情報と店舗側で予め用意された推薦商品リストとの比較結果に基づいて、推薦商品情報を取得し、
前記取得された推薦商品情報を前記顧客に通知し、
前記コンピュータは、顧客用の商品かご又はカートに設けられており、
当該コンピュータが、
前記顧客用の商品かご又はカートの中の商品を認識し、
前記認識された商品の関連商品を特定し、当該関連商品の商品情報を用いて、通知する前記推薦商品情報を絞り込む、
ことを含む商品推薦方法。」
「 【請求項10】
店舗内の顧客を認識する顧客認識手段と、
前記顧客認識手段により認識された顧客の商品購入履歴情報を取得する購入履歴取得手段と、
前記商品購入履歴情報と店舗側で予め用意された推薦商品リストとの比較結果に基づいて、推薦商品情報を取得する推薦商品情報取得手段と、
前記推薦商品情報取得手段により取得された推薦商品情報を前記顧客に通知する通知手段と、
を備え、
顧客用の商品かご又はカートに設けられており、前記顧客用の商品かご又はカートの中の商品を認識する商品認識手段を更に備え、
前記推薦商品情報取得手段は、前記商品認識手段により認識された商品の関連商品を特定し、当該関連商品の商品情報を用いて、前記通知手段によって通知する前記推薦商品情報を絞り込む情報処理システム。」
また、本願発明2-5は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明7、8は、本願発明6を減縮した発明である。
さらに、本願発明9は、本願発明6-8のいずれかを引用する「プログラム」の発明である。
第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1及び引用発明
(1) 引用文献1
当審拒絶理由に引用した引用文献1には、以下の記載がある(下線は、特に着目した箇所を示す。以下同様。)。
「【図1】
[図:0001402577000001.jpg]
【図7】
[図:0001402577000002.jpg]
」
「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上の点に鑑みて、店舗側が商品販売促進を図るうえで買物客に対して効果的に商品販売促進電子情報を表示することができ、もって販売促進効果の拡大を期待することができる商品販売促進情報の配信方法を提供することを目的とする。」
「【0031】
図1ないし図3は、本発明の実施例に係る情報配信方法の実施に使用する装置構成説明図であって、以下のように構成されている。
【0032】
すなわち先ず、図1に示すように、店舗内1の買物時に使用される買物カート2に画像モニター(ディスプレイ)4を備えたパソコン3が搭載されており、買物客がこのカート2を用いて買物をするときに、店舗内1の売場毎、商品棚毎もしくは商品毎または買物客毎にカスタマイズされた商品販売促進電子情報がモニター4に出力される。
【0033】
上記カート2には、タグ5毎に識別が可能なアクティブ型のRFIDタグ5が取り付けられており、一方、店舗内1には、上記タグ5のタグ情報を読み取り可能なRFIDタグリーダー6が配置されている。カート2は店舗内1で多数が同時に使用されるので、タグ5はそれぞれが識別されるよう固有のタグ情報を発信する。一方、リーダー6は、図2に示すように、店舗内1各所の売場、商品棚または商品の近くに多数が配置されている。RFIDは、情報をICに記憶可能なIDタグとタグに読み書き可能なリーダー/ライター(R/W)とにより構成され、無線通信によってデータ更新可能な自動認識技術である。図3に示すようにリーダー6にはその設備として、タグ情報受信用のアンテナ(レーダー)7が備えられ、またタグ5およびリーダー6の作動を制御するIDコントローラ9、CPU10、ROM11、メモリ12、店舗内サーバー15との無線通信をなす送受信部13を有するアプリケーション部8が備えられている。対応する送受信部を備える店舗内サーバー15はアプリケーションサーバ16およびデータベースサーバ17を備え、データベース17にタグ情報、リーダー情報、各タグ情報に対応する販売促進情報、販売案内情報、商品情報、店舗情報、顧客情報、顧客毎の購買予定情報や購買履歴情報(POSデータ)等が記録されている。また、カート2搭載のパソコン3は、CPU19、ROM20、メモリ21、買物客が操作する入力部22、買物客が参照する出力部(上記モニター)4、店舗内サーバー15との無線通信をなすための送受信部23等を備えている。
【0034】
また、付帯的設備として、図1に示すように、店舗内1各所の売場、商品棚または商品の近くには、タグ25毎に識別が可能なパッシブ型のRFIDタグ25が多数配置されており、一方、店舗内1を任意に移動するカート2にはパソコン3とともに、上記タグ25のタグ情報を読み取り可能なRFIDタグリーダー26が搭載されてパソコン3と接続されている。パソコン3には上記CPU19等のほかに、タグ25およびリーダー26の作動を制御するIDコントローラ27を備えている。尚、上記したように店舗内1では多数のカート2が同時使用されるので、各カート2に搭載されるパソコン3はそれぞれがサーバー15側にて識別可能とされている。
【0035】
上記カート2を用いて買物客が買物をする場合、カート2が或るリーダー6に対して所定距離まで近付くと、このリーダー6がカート2取り付けのタグ5から発信されるタグ情報をアンテナ7で受信して読み取り、読み取ったタグ情報をアプリケーション部8からサーバー15へ送信する。サーバー15は、タグ情報を受信して特定し、併せて送信してきたリーダー6を特定し、特定したリーダー6に対応する販売促進情報をデータベース17から選定する。また、タグ情報からは、これから販売促進情報を送信すべき上記タグ5を取り付けたカート2搭載のパソコン3を特定する。次いで、選定した販売促進情報を特定したパソコン3に送信し、そのモニター4に出力する。尚、サーバー15側のデータベース17には予め、各リーダー6に対応して各リーダー6の配置に応じた売場毎、商品棚毎もしくは商品毎にカスタマイズされた販売促進情報を記録しておく。したがってこれらの結果として、店舗内1を移動するカート2に取り付けたタグ5が各リーダー6に近付くたびにリーダー6毎すなわち売場毎、商品棚毎もしくは商品毎にカスタマイズされた販売促進情報がカート2搭載のモニター4に出力され、例えば買物客がカート2を押しながら食品売場へ入ると、食品売場の入口に設置されたリーダー6が作動して、「食品売場へようこそ。本日のお買い得品はチーズです」といった内容の販売促進情報がリアルタイムでカート2搭載のモニター4に画面表示され、また買物客が食品売場の中のチーズが陳列された商品棚の前にいくと、ここに設置されたリーダー6が作動して、「この○○チーズは○○○が特徴です」「この○○チーズに合うワインは○○の赤ワインです」といった販売促進情報がリアルタイムでモニター4に画面表示される。したがって、買物客に対して目の前のチーズと更には別の商品棚にあるワインについての販売促進がなされることになる。
【0036】
尚、上記付帯的設備は、買物客が自ら求めて商品情報等をモニター4にて参照したいとき等に使用する。すなわち、買物客がリーダー26をかざして商品横のタグ25に近付けると、このタグ25のタグ情報がリーダー26によって読み取られてパソコン3を介してサーバー15へ逐次送信される。サーバー15は、受信したタグ情報を特定し、特定したタグ情報に対応する商品情報を選定してこれをパソコン3に返信し、モニター4に出力する。サーバー15側のデータベース17には予め、各タグ25に対応して各タグ25の配置に応じた商品毎の商品情報等を記録しておく。したがってこれらの結果として、買物客は、興味のある商品についての詳細情報をモニター4で参照することができる。
【0037】
また、この付帯的設備におけるタグ25およびリーダー26は、これを上記タグ5およびリーダー6の代わりとして使用することも可能であり、この場合にはタグ25が店舗内1各所の売場、商品棚または商品の近くに多数配置される。この場合、上記カート2を用いて買物客が買物をする場合、カート2がタグ25に一定距離まで近付くと、このタグ25のタグ情報がリーダー26によって読み取られてパソコン3を介してサーバー15へ逐次送信される。サーバー15は、受信したタグ情報を特定し、特定したタグ情報に対応する販売促進情報を選定してこれをパソコン3に返信し、モニター4に出力する。サーバー15側のデータベース17には予め、各タグ25に対応して各タグ25の配置に応じた売場毎、商品棚毎もしくは商品毎にカスタマイズされた販売促進情報を記録しておく。
【0038】
図4の例では、店舗側に通信サーバー31が備えられ、買物客の自宅にパソコン32が備えられ、この通信サーバー31と自宅パソコン32とが電子メール等の通信手段により通信可能とされている。通信サーバー31は図3に示した店舗側サーバー15と接続され、この店舗側サーバー15はカート2搭載のパソコン3およびRFID等と連係する。手順は以下のとおりとなる。すなわち図5に示すように、通信サーバー31から自宅パソコン32へ販売促進情報を送信し(S101)、例えば電子メールにて「本日のお買い得品は○○です」といった内容のお買い得情報を送信する。買物客はこれを見て(S102)購入を希望する場合には、折り返しパソコン32からサーバー31へ「○○の購入を希望する」といった内容の購買予定電子情報を送信する(S103)。送信した購買予定情報は店舗側サーバー15のデータベース17に登録する(S104)。次いで、買物客は店舗に出向いてカート2搭載のパソコン3を操作してサーバー15と通信し(S105)、ICカード等を用いた個人認証ステップ(S106)をクリアすると、サーバー15は、この買物客に係る登録した購買予定情報を抽出し(S107)、この購買予定情報に対応する購買案内電子情報を選定し(S108)、この購買案内情報をカート2搭載のパソコン3に送信し(S109)、モニター4に表示する(S110)。表示する購買案内情報は例えば、上記予め登録した商品の一覧やその売場についての案内等であり、店舗側サーバー15のデータベース17には予め、各商品に対応する売場案内情報等を記録しておく(買物客の誰彼如何を問わず、商品Aの購買予定をした買物客に対しては商品Aの売場についての案内情報を流すと決めておく)。
【0039】
したがって、以上の手順によれば、買物客はモニター4に表示される購買案内情報を見ながら買物を行なうことが可能となる。また、この買物はもともと情報配信者側のサーバー31から買物客のパソコン32へ販売促進情報を発信したことを契機としてなされる買物であるので、情報配信者すなわち店舗側にとってはその目的とするところの販売促進が実現されることになる。
【0040】
尚、この買物の買物客にとってのフローは以下のようになる(図6)。
入店前(自宅)
(1)電子メール等を通じて顧客(登録会員)に対して販売促進情報を告知。
(2)顧客は販売促進情報の中から買いたい商品を登録。
入店
(3)顧客は買物カートを借り受け、カートに付属するパソコンに会員カード情報等の本人を特定する情報を入力。
(4)自宅で登録した商品を元に買物コースが表示される。
(5)確認終了後、買物を始める。
買物開始
(6)カートのナビゲーションにより買物を進める。
(7)特定の売場に入ると、お勧め商品情報が提示される。
(8)同様にお買い得商品情報が提示される。
(9)同様にクーポンが配信され、該当商品をディスカウント価格で購入できる。
買物終了
(11)レジにて会計の際、クーポン情報を会計担当者に提示。
(12)カートを返却し、終了。
【0041】
上記図4の例では、情報配信者側の通信サーバー31から買物客の自宅のパソコン32へ販売促進情報を発信したことを契機として買物がなされるが、買物客が予告なく店舗に出向く場合であっても、買物客の使用するカート2に搭載したモニター4に、その買物客の過去の買物実績に基づいて過去に購買した商品と同種または類似の商品についての販売促進情報を表示すると、今回も購買する確率が高いので、販売促進を実現することが可能となる。
【0042】
この場合の手順は、以下のとおりとなる。尚、この場合は、店舗側サーバー15に買物客の購買履歴電子情報が予め記録されていることが前提となる。すなわち図7に示すように、買物客が店舗に出向いて販売促進情報の提供を希望して、カート2搭載のパソコン3を操作してサーバー15と通信し(S201)、ICカード等を用いた個人認証ステップ(S202)をクリアすると、サーバー15は、この買物客に係る購買履歴情報の有無をチェックし(S203)、有りの場合に購買履歴情報を抽出し(S204)、この購買履歴情報に対応する商品販売促進電子情報を選定し(S205)、この販売促進情報をカート2搭載のパソコン3に送信し(S206)、モニター4に表示する(S207)。表示する販売促進情報は、過去の購買商品毎にその表示内容を予め決定し、データベース17に登録しておく(買物客の誰彼如何を問わず、過去に商品Aを購入した買物客に対しては商品Aと同種または類似の商品Bについての販促情報を流すと決めておく)。したがって以上の手順によれば、買物客はモニター4に表示される販売促進情報を見ながら買物を行なうことが可能となる。
【0043】
また、店舗内1を任意に移動するカート2に取り付けたタグ5のタグ情報を各リーダー6が順次読み取った読み取り記録や店舗内1を任意に移動するカート2に取り付けたリーダー26が順次読み取ったタグ情報の読み取り記録は、店舗内サーバー15に送信して記録する。あるいは店舗内1各所に配置したリーダー6から順次送信されるタグ情報や店舗内1を移動するカート2搭載のパソコン3から順次送信されるタグ情報は、店舗内サーバー15に記録する。したがってこの記録を買物客の店舗内移動履歴として記録することにより、店舗側は買物客の買物行動パターンをのちに確認することが可能となる。したがってこの行動パターンを多数蓄積して分析することにより、店舗内商品レイアウトの変更等に役立てることができる。
【0044】
また、買物客が閲覧した販売促進情報、カート2の店舗内移動履歴、買物客の購買履歴を纏めてデータベースに管理・分析し、買物客の購買意向を予測して、販売促進情報をカスタマイズすることも考えられる。」
(2) 引用発明
したがって、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「情報配信方法の実施に使用する装置構成であって、
店舗内1の買物時に使用される買物カート2に画像モニター(ディスプレイ)4を備えたパソコン3が搭載されており、買物客がこのカート2を用いて買物をするときに、店舗内1の売場毎、商品棚毎もしくは商品毎または買物客毎にカスタマイズされた商品販売促進電子情報がモニター4に出力されるものであり、
買物客が店舗に出向いて、カート2搭載のパソコン3を操作してサーバー15と通信し、個人認証ステップをクリアすると、この買物客に係る購買履歴情報の有無をチェックし、有りの場合に購買履歴情報を抽出し、この購買履歴情報に対応する商品販売促進電子情報を選定し、この販売促進情報をカート2搭載のパソコン3に送信し、モニター4に表示し、買物客はモニター4に表示される販売促進情報を見ながら買物を行なうことが可能となる、
情報配信方法の実施に使用する装置構成。」
2 引用文献2、4、A、C、E-Gについて
(1) 引用文献2
引用文献2には、以下の記載がある。
【第5ページ第2行-第6ページ第9行】
「 以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の商品情報通知システムをスーパーマーケットのような小売り店舗に適用した一実施形態の概要構成を示す図である。本実施形態は、小売店舗に設置されたクライアント・サーバ・システムであり、サーバ10とクライアントとなる買い物用カート20を備える。なお、本発明は実際の店舗に限らず、ネット上の仮想ショップに適用することもできる。
サーバ10は、店舗で販売するすべての商品の情報を格納する商品情報データベース12、販促商品、販促期間などの販促情報を格納する販促情報データベース13、顧客ID、顧客購入商品IDなどを格納する顧客情報データベース14を備える。サーバ10の情報処理装置11は、クライアント20と通信して、さらにこれらのデータベース12~14を使用して、情報処理を実行する。
カート20は、顧客が押して動かすカートであるが、自走式のカートであってもよい。また、手持ち式のかごであってもよい。いずれにせよ、顧客が購入する商品を精算レジまで運ぶためのものであればよい。カート20は、精算時にレジ30で使用することができる顧客カード35から顧客識別コード(顧客ID)を読み取る顧客ID読み取り装置21を備えている。カート20を使用して買い物をする顧客は、顧客ID読み取り装置21に顧客カード35をセットすることにより、カート20に設置された情報表示装置23を介して各種情報を取得できるようになる。カート20は、サーバ10と通信を行う通信装置24を備える。顧客ID読み取り装置21によって読み取られた顧客IDは、通信装置24を介してサーバ10に送信される。情報表示装置23に表示される情報は、通信装置24を介してサーバ10から受信される。顧客カード35は、磁気カードでもICカードでもよく、顧客ID読み取り装置21による読み取りは、顧客カード35を接触させて行っても、非接触で行ってもよい。また、情報表示装置23は、液晶あるいは有機ELなどを用いるフラットパネルディスプレイでよく、また書き換え可能な電子ペーパを利用してもよい。
さらに、カート20には、顧客がカート20に入れた商品の識別コード(商品ID)を読み取る商品ID読み取り装置22を備え、カート20にどのような商品があるかを検出可能となっている。本実施形態では、非接触で商品情報を読み取ることができるRFタグのようなタグがすべての商品に付けられていて、顧客が商品を手にとってカート20に入れると商品ID読み取り装置22により、商品に付されたRFタグを読み取って、その商品の商品IDを取得することができる。読み取られた商品IDは通信装置24を介してサーバ10に送信される。商品ID読み取り装置22は、所定時間ごとに商品検出のために電磁波を走査して、RFタグを起動してカート内の商品を検出するようにしている。以下に詳しく説明するように、本実施形態では、顧客が実際に購入しようとする商品を識別して、購入しようとする商品と同種の販促商品についての商品情報を通知するようにする。」
【第9ページ第12-18行】
「 図2に示すように、商品棚40から顧客45がカート20に入れた商品Cは、商品情報データテーブルT5から、商品分類はS1で、同じ商品分類S1に入っている商品Aが販促商品(販促商品ID:A003)であることがわかる。
カート20に入れられた商品Cと同じ商品分類S1に属している商品Aが販促商品であることが分かると、サーバ10の情報処理装置11は、販促情報データベースを検索する。次いで、カート20の表示装置23に、商品Aの販促情報を表示して、商品Aの購入を促がす。」
【第11ページ第22行-第12ページ第10行】
「 アンケートが終了すると、図10に示すフローに進み、カート20に設けられた商品ID読み取り装置が、カート20内をスキャンして、カート20内の商品の商品コードすなわち商品IDの読み込み処理を行ない、カート20内に商品があるか否かをチェックする(ステップS19)。なければ、カート20内に商品が入るまで、このチェックを繰り返す。カート20内に商品が入ると、その商品の商品IDが読み込まれ、読み込まれた商品IDはサーバ10に送られる(ステップS20)。
サーバ10では、商品IDである商品コードに基づき、商品情報データベース12を検索し、カート20内の商品は、販促商品そのものか、販促商品と同じ分類の商品かを判定する。サーバ10の情報処理装置11による判定で、カート内の商品と同一分類で販促商品が存在することがわかると、販促情報データベース13を検索し、その販促商品に関する販促情報がカート20に送信される。
カート20では、販促情報を受信したか否かを判定し(ステップS21)、販促情報を受信すると、受信した販促情報をカート20の表示装置23に表示する(ステップS22)。
顧客は、自分が買うつもりの商品と同じ分野の商品で、割引されているあるいは特典が与えられている販促商品が表示されるので、興味をもってその表示を見ることになる。本実施形態によると、販促商品の購入が期待できる顧客を選択して、販促商品の情報を通知することができるので、通常より有効な販促を実行することができる。」
(2) 引用文献4
引用文献4には、以下の記載がある。
「【0053】
<<各選択方法の組み合わせ>>
商品情報出力部2060は、商品の価格、顧客の位置、及び顧客の購入履歴のいずれか1つ以上に基づいて、商品情報の出力対象とする商品を選択してもよい。例えば商品情報出力部2060は、以下の数式(1)を用いて、各商品の推奨度を算出する。
【数1】
[図:0001402577000003.jpg]
iは、商品の識別子(ID:Identifier)である。r(i)は、商品iの総合的な推奨度である。rv(i)は、価格に基づく商品iの推奨度である。rl(i)は、顧客の位置に基づく商品iの推奨度である。rh(i)は、顧客の購入履歴に基づく商品iの推奨度である。wr、wl、及びwhはそれぞれ価格に基づく推奨度、顧客の位置に基づく推奨度、及び顧客の購入履歴に基づく推奨度に付される重みである。なお、これら3つの指標のうち、利用しない指標の重みは0に設定される。rv(i)の値は、商品iの価格が低いほど大きい値となる。rl(i)の値は、顧客の現在位置と商品iとの間の距離が短いほど、大きい値となる。rh(i)については前述した通りである。
【0054】
商品情報出力部2060は、総合的な推奨度r(i)に基づいて、標追加額以上の金額の商品の中から、商品情報の出力対象とする商品を選択する。この方法は、前述した、顧客の購入履歴に基づく推奨度に基づいて商品を選択する方法と同様である。
【0055】
<<商品情報の取得>>
商品情報出力部2060は、前述した商品データベースから、商品情報の出力対象として決定した商品の商品情報を取得する。図6は、商品データベースに記憶されている商品情報をテーブル形式で例示する図である。図6のテーブルを商品情報200と表記する。商品情報200は、商品ID202、商品名204、価格206、画像208、及び位置210という5つの列を有する。商品ID202は、商品の識別子(ID: identifier)を示す。商品名204は、商品の名称を示す。価格206は、商品の価格を示す。画像208は、商品の画像を示す。位置210は、商品が陳列されている位置を示す。
【0056】
<商品情報の出力>
商品情報出力部2060は、取得した商品情報を出力する。商品情報出力部2060が商品情報を出力する方法は様々である。顧客が所有する計算機によって情報処理装置2000が実現されている場合、例えば商品情報出力部2060は、情報処理装置2000に接続されているディスプレイ装置に商品情報を表示させる。例えば情報処理装置2000が買い物カートに設置されている装置である場合、顧客は、買い物カゴに設置されているディスプレイ装置を見ることで、商品情報を閲覧することができる。」
(3) 引用文献A
引用文献Aには、以下の記載がある。
「【0019】以下、本発明の実施の形態に係る広告機能付きカードシステムの機能を各構成要素別に説明する。顧客は、商品購入時等に、購入代金支払い用カード(図示は省略)、または顧客管理用のカード(図2で例示する)を販売窓口(図示は省略)に提出する。
【0020】上記購入代金支払い用カード、または顧客管理用のカードは、上記販売窓口に設置されたカードリーダ・ライタ1によって読み取られ、これにより、該顧客の顧客情報が引き出されて、他の入力装置(図示は省略)から別途入力された該顧客の購入商品情報と共に、ネットワート10を介して顧客情報管理部2に送信される。
【0021】顧客情報管理部2の顧客管理制御部21は、上記顧客情報に含まれる顧客のID(会員番号等の識別子)をキーとして、顧客管理データベース22を検索し、該顧客が過去に購入した商品の商品リストを読み出し、該商品リストを所定の方法で分析して、上記選別情報を作成し、これをネットワーク10を介して商品情報管理部3に送信する。ここで、上記分析される商品リストには、該顧客が今回購入した商品の商品情報を含めることができる。
【0022】また、上記分析に使用される所定の分析方法は、本発明に係るシステムを採用する企業の業態により、任意に決定することが可能であるが、例えば、上記顧客の嗜好を分析する手段を含めることが可能であり、さらに、該嗜好を分析するための要素も、一般には任意に設定することが可能であるが、過去に該顧客が購入した商品の特徴(傾向)や、該顧客が過去に店を利用した時間帯別頻度や、時間帯毎の購入商品情報等を含めることが可能である。
【0023】商品情報管理部3の商品管理制御部31は、上記送信された選別情報に適合した1または2以上のキャンペーン商品の情報をそれぞれ提供商品データベース32から検索して読み出し、これらをネットワーク10を介して顧客情報管理部2に送信する。」
「【図5】
[図:0001402577000004.jpg]
」
「【0045】図5は、本発明の実施の形態に係るキャンペーン商品表示機能を付与したカードシステムの動作を示すフローチャートである。以下、図1乃至4を参照しつつ、図5に示すフローチャートを使用して、本実施の形態に係るキャンペーン商品表示機能を付与したカードシステムの動作を説明する。
【0046】まず、ステップS1では、カードリーダ・ライタ1が、顧客が提出した上記カード上の顧客情報を読み込む。ステップS2では、カードリーダ・ライタ1が、上記の顧客情報を顧客管理制御部21に送信する。
【0047】ステップS3では、顧客管理制御部21が、上記顧客情報に含まれる上記の顧客IDをキーにして、顧客管理データベース22を検索し、上記の顧客情報リストを得る。
【0048】ステップS4では、顧客管理制御部21が、上記の顧客情報リストを上記所定の方法で分析して選別情報を得る。ステップS5では、顧客管理制御部21が、上記の選別情報を商品管理制御部31に送信する。
【0049】ステップS6では、商品管理制御部31が、上記の選別情報に適合するキャンペーン商品を検索するためのキー情報を構成する。ステップS7では、商品管理制御部31が、上記のキー情報を使用して提供商品データベース32を検索し、1または2以上のキャンペーン商品に関する商品情報を得る。
【0050】ステップS8では、商品管理制御部31が、上記の1または2以上のキャンペーン商品に関する商品情報を顧客管理制御部21に送信する。ステップS9では、顧客管理制御部21が、上記1または2以上のキャンペーン商品に関する商品情報を必要に応じて所定の方法で編集する。
【0051】ステップS10では、顧客管理制御部21が、上記編集されて成る情報をカードリーダ・ライタ1に送信する。ステップS11では、カードリーダ・ライタ1が、上記送信された情報を上記カード上の表示窓に所定の方法で表示する。」
(4) 引用文献C
引用文献Cには、以下の記載がある。
「【0007】
第1の本発明は、電子的な決済を行なった内容を示す電子レシート上の商品表示部分の商品を選択すると、その選択された商品を再購入及び商品と予め商品の購入日以降の所定の日数が設定された関連商品のうち、電子レシートの決済を行なった日から所定の日数が経過している関連商品を購入する商品購入サイトへアクセスし、そのアクセス後、商品又は所定の日数が経過している関連商品を表示内容とする商品購入サイトを表示し、この表示された商品又は所定の日数が経過している関連商品のうちから商品を選択し、この選択した商品を注文商品として商品購入サイトへ送信する商品購入処理装置である。」
(5) 引用文献E
引用文献Eには、以下の記載がある。
「【0041】
図11は、推薦商品管理テーブルT8のデータ構成の一例を模式的に示す図である。推薦商品管理テーブルT8は、店舗サーバ4を管理している店舗が推薦している商品を記憶する。店舗が推薦している商品とは、例えば、セールやキャンペーンなどを実施している商品などである。推薦商品管理テーブルT8は、図11に示すように、店舗が推薦している推薦商品の商品IDに対応付けて、付加情報と、関連商品情報とを記憶する。
【0042】
付加情報とは、前述の付加情報と同様に、電子クーポンなどの販売促進に関する情報である。または、特定の店舗や商品を宣伝(広告)する広告情報等であってもよい。」
(6) 引用文献F
引用文献Fには、以下の記載がある。
「[0019] 関連物品情報データベース10は、物品の特徴量と、物品に関連する関連物品に関する関連物品情報とが関連付けられて記憶されたデータベースである。ここで、物品とは、例えば、衣服やメガネ、バッグ等の身につけるものを含むが、これらに限定されない。また、関連物品情報とは、その物品に関連する関連物品の情報であり、例えば、ある物品が、顧客が身に着けている商品である場合、その商品のシリーズものや、その商品の新作商品、または、その商品に合う他の商品の情報などであるが、これに限られない。情報としては、その商品の静止画又は動画や、紹介情報、在庫、サイズなどが考えられる。」
「[0032] 関連商品テーブル102は、現在までに扱った商品の商品識別情報と、その商品に関連する関連商品の商品識別情報とが関連付けられて記憶されたテーブルである。」
「[0051] また、関連物品情報データベース10に、関連商品として同一種類の商品のみならず、関連する商品を記憶させておけば、幅広い商品の提示を行うことができる。例えば、“商品D(鞄)”に関連して商品D(鞄)に合うネックレス”を記憶させておき、図9に示す如く、“商品D(鞄)”に関連する商品としてそのネックレスの画像を、ネックレスが対応する顧客の位置に表示するようにしても良い。」
(7) 引用文献G
引用文献Gには、以下の記載がある。
「【0119】
図20は、消耗品包含装置110で使用する機種別の消耗品と、その関連商品のデータテーブルの一例を示した構成図である。このデータテーブルは、購買予定情報管理サーバ120の外部メモリ211に記憶されている。また、このデータテーブルは、予め購買予定情報管理サーバ120(の外部メモリ211)に登録され、記憶されているデータテーブルである。
2001は、消耗品包含装置110の機種名である。
2002は、消耗品包含装置110の機種ごとに使用する消耗品である
【0120】
2003は、消耗品包含装置110の機種に関連する商品である。本実施例では消耗品のセット一式(消耗品と同じ型番または同じ成分のインクを含むインクカートリッジを含むインクセット)としているが、関連した商品であればよい。たとえば、L版の写真用紙セットを消耗品とした場合であれば、同じサイズ(例えばL版など)の種類の違う写真用紙のセットを関連商品にするケースが考えられる。また、同じ種類の用紙でサイズの違う写真用紙のセットを関連商品にするケース、同じL版かつ同じ種類の紙で封入枚数の違う写真用紙のセットを関連商品にするケース、等も考えられる。あるいは、エスプレッソマシンであれば、カプセルが消耗品とすれば、容器に封入されたミルクやスティックシュガーなど、エスプレッソマシンのカプセルと共に消耗することが予想される物品を関連商品とすることも考えられる。」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明において「買物客が店舗に出向いて、カート2搭載のパソコン3を操作してサーバー15と通信し、個人認証ステップをクリアする」場合における個人認証の対象となる買物客は、店舗に出向いた買物客、すなわち、店舗内の買物客であると認められる。また、個人認証を行う際に当該個人認証となる対象の個人を認識していることは明らかである。
したがって、引用発明の「買物客が店舗に出向いて、カート2搭載のパソコン3を操作してサーバー15と通信し、個人認証ステップをクリアする」構成は、本願発明1の「店舗内の顧客を認識する顧客認識手段」を備える構成に相当する。
イ 引用発明において「買物客が店舗に出向いて、カート2搭載のパソコン3を操作してサーバー15と通信し、個人認証ステップをクリアすると、この買物客に係る購買履歴情報の有無をチェック」することにおける「この買物客」が、個人認証ステップをクリアした買物客であることは明らかである。また、「購買履歴情報」が商品の購買の履歴を示す情報であることも明らかである。
したがって、引用発明の「この買物客に係る購買履歴情報の有無をチェックし、有りの場合に購買履歴情報を抽出」する構成は、本願発明1の「前記顧客認識手段により認識された顧客の商品購入履歴情報を取得する購入履歴取得手段」を備える構成に相当する。
ウ 引用発明における「商品販売促進電子情報」は、商品を推薦するための情報であるといえ、商品の販売側で予め用意される情報であることは明らかである。また、引用発明において「この購買履歴情報に対応する商品販売促進電子情報を選定」する場合における選定対象となる「商品販売促進電子情報」が複数存在することは明らかであり、当該選定対象なる複数の「商品販売促進電子情報」は、「選定」の前に店舗側で予め用意された、選定対象を示す一種のリストであると認められる。さらに、選定処理を行う際に「購買履歴情報」と選定対象との間で比較処理を行うことは当然に行うことである。
したがって、引用発明の「この購買履歴情報に対応する商品販売促進電子情報を選定」する構成は、本願発明1の「前記商品購入履歴情報と店舗側で予め用意された推薦商品リストとの比較結果に基づいて、推薦商品情報を取得する推薦商品情報取得手段」を備える構成に相当する。
エ 引用発明において「この購買履歴情報に対応する商品販売促進電子情報を選定し、この販売促進情報をカート2搭載のパソコン3に送信」することにおける「この販売促進情報」が、購買履歴情報に対応して選定された商品販売促進電子情報であることは明らかである。
したがって、上記ウを踏まえると、引用発明の「この販売促進情報をカート2搭載のパソコン3に送信し、モニター4に表示し、買物客はモニター4に表示される販売促進情報を見ながら買物を行なうことが可能となる」構成は、本願発明1の「前記推薦商品情報取得手段により取得された推薦商品情報を前記顧客に通知する通知手段」を備える構成に相当する。
オ 引用発明の「情報配信方法の実施に使用する装置構成」は、本願発明1の「情報処理装置」に相当する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「店舗内の顧客を認識する顧客認識手段と、
前記顧客認識手段により認識された顧客の商品購入履歴情報を取得する購入履歴取得手段と、
前記商品購入履歴情報と店舗側で予め用意された推薦商品リストとの比較結果に基づいて、推薦商品情報を取得する推薦商品情報取得手段と、
前記推薦商品情報取得手段により取得された推薦商品情報を前記顧客に通知する通知手段と、
を備える情報処理装置。」
(相違点)
本願発明1では、「顧客用の商品かご又はカートに設けられており、前記顧客用の商品かご又はカートの中の商品を認識する商品認識手段を更に備え、前記推薦商品情報取得手段は、前記商品認識手段により認識された商品の関連商品を特定し、当該関連商品の商品情報を用いて、前記通知手段によって通知する前記推薦商品情報を絞り込む」のに対し、引用発明では、このような構成について特定されていない点。
(2)相違点についての判断
「顧客用の商品かご又はカートに設けられており、前記顧客用の商品かご又はカートの中の商品を認識する商品認識手段を更に備え、前記推薦商品情報取得手段は、前記商品認識手段により認識された商品の関連商品を特定し、当該関連商品の商品情報を用いて、前記通知手段によって通知する前記推薦商品情報を絞り込む」構成は、上記引用文献1、2、4には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
よって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2、4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2 本願発明2-5、10について
本願発明2-5、10は、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2、4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3 本願発明6-9について
本願発明6-9は、本願発明1の構成に対応する構成を実質的に備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2、4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第7 当審拒絶理由について
1 理由1(特許法第36条第6項第1号)について
令和5年8月7日提出の手続補正書による手続補正により、補正前の請求項2は削除された。
よって、この拒絶の理由は解消した。
2 理由2(特許法第36条第6項第2号)について
令和5年8月7日提出の手続補正書による手続補正により、補正後の請求項1、6は、「推薦商品情報取得手段は、前記商品認識手段により認識された商品の関連商品を特定し、当該関連商品の商品情報を用いて、前記通知手段によって通知する前記推薦商品情報を絞り込む」ことが明確になった。
よって、この拒絶の理由は解消した。
第8 原査定についての判断
令和5年8月7日提出の手続補正書による手続補正により、補正後の請求項1-10は、相違点に係る本願発明1の構成を有するものとなった。
そして、当該構成は、原査定における引用文献A-Gには記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1-10は、当業者であっても、引用文献A-Gに基づいて容易に発明をすることができたものではない。
よって、原査定を維持することはできない。
第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-020231