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特許拒絶査定不服審判

2022-019254

携帯情報端末

審判番号
2022-019254
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-019735外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年11月30日
審決日
2024年01月29日
公報発行日
2024年03月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F) / P18 .537-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020- 19735「携帯情報端末」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 8月30日出願公開、特開2021-125095、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 22項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、令和2年2月7日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和3年 9月14日付け:拒絶理由通知書
令和3年10月11日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 3月 2日付け:拒絶理由通知書(最後)
令和4年 4月25日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 8月29日付け:令和4年4月25日の手続補正について の補正の却下の決定、拒絶査定
令和4年11月30日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の 提出
令和5年 5月19日付け:拒絶理由通知書
令和5年 7月20日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年10月24日付け:拒絶理由通知書(最後)
令和5年12月20日 :意見書、手続補正書の提出

第2 本願発明

本願請求項1~10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明10」という。)は、令和5年12月20日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~10に記載された事項により特定される発明であり、次のとおりの発明である。

「 【請求項1】
端末本体における長手方向の一端側に偏った位置に前記端末本体の厚み方向に突出して設けられ、内部に所定のデバイスが格納される格納凸部と、
所定の拡張基板を接続するための拡張コネクタ部であって、前記所定の拡張基板を電気的に接続するための端子部と、当該端子部に接続された前記所定の拡張基板を収納するための収納凹部と、を含む拡張コネクタ部と、
を備え、
続きを表示(全56行)
前記格納凸部は、前記長手方向における他端側から前記一端側に向かって低くなっていくように傾斜する第1傾斜部と、前記長手方向における前記一端側から前記他端側に向かって低くなっていくように傾斜する第2傾斜部とを有し、
前記所定のデバイスは、前記第1傾斜部側に設けられており、
前記拡張コネクタ部は、前記第2傾斜部側に設けられており、
前記端子部は、前記収納凹部における底面に設けられており、
前記端子部は、前記所定の拡張基板が前記第2傾斜部と平行となるように差込み可能に設けられており、
前記格納凸部における、前記端末本体の前記長手方向と直交する短手方向の両端側には、脚部がそれぞれ形成されており、
前記格納凸部を載置面に対向させた状態で前記端末本体を前記載置面に載置したときに、前記端末本体が、前記格納凸部の前記両端側にそれぞれ設けられた前記脚部と、前記長手方向における前記他端側に偏った位置に設けられた支持部と、により支持される、
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
端末本体における長手方向の一端側に偏った位置に前記端末本体の厚み方向に突出して設けられ、内部に所定のデバイスが格納される格納凸部と、
所定の拡張基板の基板コネクタを接続するための拡張コネクタ部と、
を備え、
前記格納凸部は、前記長手方向における他端側から前記一端側に向かって低くなっていくように傾斜する第1傾斜部と、前記長手方向における前記一端側から前記他端側に向かって低くなっていくように傾斜する第2傾斜部とを有し、
前記所定のデバイスは、前記第1傾斜部側に設けられており、
前記拡張コネクタ部は、前記第2傾斜部側に設けられており、かつ、前記基板コネクタが挿入される挿入口を有しており、
前記挿入口の奥行方向は、前記第2傾斜部の傾斜面と垂直である、
前記格納凸部における、前記端末本体の前記長手方向と直交する短手方向の両端側には、脚部がそれぞれ形成されており、
前記格納凸部を載置面に対向させた状態で前記端末本体を前記載置面に載置したときに、前記端末本体が、前記格納凸部の前記両端側にそれぞれ設けられた前記脚部と、前記長手方向における前記他端側に偏った位置に設けられた支持部と、により支持される、
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項3】
前記拡張コネクタ部は、前記所定の拡張基板を電気的に接続するための端子部と、当該端子部に接続された前記所定の拡張基板を収納するための収納凹部と、を含み、
前記端子部は、前記収納凹部における底面に設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯情報端末。
【請求項4】
端末本体における長手方向の一端側に偏った位置に前記端末本体の厚み方向に突出して設けられ、内部に所定のデバイスが格納される格納凸部と、
所定の拡張基板を接続するための拡張コネクタ部であって、前記所定の拡張基板を電気的に接続するための端子部と、当該端子部に接続された前記所定の拡張基板を収納するための収納凹部と、前記収納凹部を塞ぐため蓋体と、を含む拡張コネクタ部と、
を備え、
前記格納凸部は、前記長手方向における他端側から前記一端側に向かって低くなっていくように傾斜する第1傾斜部と、前記長手方向における前記一端側から前記他端側に向かって低くなっていくように傾斜する第2傾斜部とを有し、
前記所定のデバイスは、前記第1傾斜部側に設けられており、
前記拡張コネクタ部は、前記第2傾斜部側に設けられており、
前記端子部は、前記収納凹部における底面に設けられており、
前記所定の拡張基板は、当該所定の拡張基板が前記端子部に接続されたときに前記収納凹部の底面および前記蓋体に接触しないように前記底面と前記蓋体との間に配置される、前記格納凸部における、前記端末本体の前記長手方向と直交する短手方向の両端側には、脚部がそれぞれ形成されており、
前記格納凸部を載置面に対向させた状態で前記端末本体を前記載置面に載置したときに、前記端末本体が、前記格納凸部の前記両端側にそれぞれ設けられた前記脚部と、前記長手方向における前記他端側に偏った位置に設けられた支持部と、により支持される、
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項5】
前記端子部は、前記所定の拡張基板が前記第2傾斜部と平行となるように差込み可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の携帯情報端末。
【請求項6】
前記端子部は、前記長手方向の長さが前記端末本体における前記短手方向の長さよりも短くなるように設けられている、
ことを特徴とする請求項1、請求項3~5のいずれか一項に記載の携帯情報端末。
【請求項7】
前記拡張コネクタ部は、前記第2傾斜部側における前記他端側に偏った位置に設けられる、
ことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の携帯情報端末。
【請求項8】
前記第1傾斜部の前記他端側の箇所と、前記第2傾斜部の前記一端側の箇所とが前記端末本体の裏面側における頂部で接続されている、
ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の携帯情報端末。
【請求項9】
前記頂部は、前記端末本体における裏面側において最も突出している、
ことを特徴とする請求項8に記載の携帯情報端末。
【請求項10】
前記端末本体には、当該端末本体をユーザが手にもって使用するときに把持される把持部と、ユーザによる入力を受け付ける入力部とが設けられている、
ことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の携帯情報端末。」

第3 原査定の概要

原査定(令和4年8月29日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。

本願請求項1~11に係る発明は、以下の引用文献A、Bに記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献A:特開2011-138288号公報
引用文献B:特開平04-205612号公報

第4 当審拒絶理由の概要

1 当審拒絶理由1

当審が令和5年5月19日付けで通知された拒絶理由(以下、「当審拒絶理由1」という。)の概要は次のとおりである。

本願請求項1、6~10に係る発明は、以下の引用文献1~4に記載された発明に基づいて、本願請求項2~5に係る発明は、以下の引用文献1~5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

1.特開2012-43101号公報

2.特開2010-122938号公報

3.特開2006-119979号公報(周知技術を示す文献)

4.特開2007-109047号公報(周知技術を示す文献)

5.特開平4-205612号公報 (周知技術を示す文献、拒絶査定時の引用文献B)

2 当審拒絶理由2

当審が令和5年10月24日付けで通知された拒絶理由(以下、「当審拒絶理由2」という。)の概要は次のとおりである。

(サポート要件)本件出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

請求項1の記載に「前記端子部は、前記所定の拡張基板が前記第1傾斜部と平行となるように差込み可能に設けられ」とある。

しかしながら、発明の詳細な説明には、段落【0137】に「また、この携帯端末では、端子部である拡張コネクタ17が、拡張基板16を第2傾斜面7bと平行となるように差込み可能に設けられていることにより、拡張コネクタ17に拡張機能を有する拡張基板16の基板コネクタ16aを差し込んだ際に、拡張基板16を格納凸部7の第2傾斜面7bに沿って傾斜させて配置させることができ、これにより機能を拡張しても、機器ケース1のコンパクト化を図ることができると共に、良好に携帯することができる」と記載され、端子部が、拡張基板が第2傾斜部と平行となるように差込み可能に設けられることは記載されているが、拡張基板が第1傾斜部と平行となるように差込み可能に設けられることは記載されていない。

よって、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものではない。

また、請求項5にも同様の記載があり、請求項5に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものではない。

さらに、請求項6~10は、請求項5を引用するものであるから、同様の点で、請求項6~10に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものではない。

第5 引用文献の記載、引用発明等

1 引用文献1、引用発明

(1)引用文献1の記載事項

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当審拒絶理由1にて引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審による。以下同様。)。

ア 「【0016】
実施例に係るRFIDリーダについて説明する。図1~3に示すように、RFIDリーダライタ10は、本体ケース12を備えている。本体ケース12の正面の最上部には、バーコードリーダ14が設置されている。バーコードリーダ14は、バーコードから情報を読み出す。本体ケース12の正面のバーコードリーダ14の下側には、アンテナユニット16が設置されている。アンテナユニット16は、パッチアンテナ18を内蔵している。パッチアンテナ18は、無線によりタグと通信する。本体ケース12のアンテナユニット16の下側には、把持部22が形成されている。ユーザは、把持部22を把持してRFIDリーダライタ10を使用することができる。本体ケース12の背面の上部には、ディスプレイ24が設置されている。ディスプレイ24には、バーコードリーダ14によりバーコードから読み出された情報や、パッチアンテナ18によりタグから読み出された情報や、その他の各種の情報が表示される。本体ケース12の背面のディスプレイ24の下側(すなわち、把持部22の背面)には、複数のキーボタンを有する操作パネル26が設置されている。ユーザは、把持部22を把持している手により操作パネル26を操作することができる。
【0017】
図4に示すように、アンテナユニット16は、正面カバー16aと、パッチアンテナ18と、内側ケース16bと、スプリング20と、外側ケース16cを備えている。外側ケース16cは、有底円筒形状を備えている。外側ケース16cは、本体ケース12に形成されている孔12aに底部側から挿通された状態で、本体ケース12に固定されている。内側ケース16bは、有底円筒形状を備えている。内側ケース16bは、その底部側から外側ケース16c内にはめ込まれている。図5は、外側ケース16cと内側ケース16bとの接触部の拡大断面図を示している。図5に示すように、外側ケース16cの内周面には、ネジ溝が形成されており、内側ケース16bの外周面には、外側ケース16cのネジ溝に対応するネジ溝が形成されている。これらのネジ溝同士が螺合するように、内側ケース16bは外側ケース16c内にねじ込まれている。したがって、内側ケース16bは、図4の回転軸40の回りに、外側ケース16cに対して回転することができる。スプリング20は、圧縮された状態で、外側ケース16cの底部と内側ケース16bの底部との間に配置されている。スプリング20は、内側ケース16bを図4の右側に向けて付勢している。したがって、図5に示すように、内側ケース16bのネジ山の右側の面50aが、外側ケース16cのネジ山の左側の面50bに押し付けられている。これによって、内側ケース16bが外側ケース16cに固定されている。正面カバー16aは、略円板形状を備えている。正面カバー16aは、内側ケース16bに固定されており、内側ケース16bの開口部を塞いでいる。パッチアンテナ18は、接地導電板18aと、誘電体基板18bと、放射導電板18cの積層体により構成されている。パッチアンテナ18は、内側ケース16b内に収容された状態で、放射導電板18cが正面カバー16aに接触するように正面カバー16aに固定されている。パッチアンテナ18の放射導電板18cの表面は、上述した回転軸40に対して垂直である。」
イ 「【0021】
RFIDリーダライタ10は、パッチアンテナ18からタグに楕円偏波による信号を送信するとともに、パッチアンテナ18によってタグから送信される電波を受信する。例えば、タグから情報を読み出す際には、パッチアンテナ18からタグに向けて、読み出しコマンドが楕円偏波により送信される。タグは、楕円偏波を受信することで、電力を得るとともに読み出しコマンドを受信する。すると、タグは、読み出しコマンドに対応する情報をメモリから読み出し、その情報を電波により送信する。RFIDリーダライタ10は、タグからの電波をパッチアンテナ18によって受信することで、その情報を得る。また、タグに情報を書き込む際には、パッチアンテナ18からタグに向けて、書き込みコマンドとデータが楕円偏波により送信される。タグは、楕円偏波を受信することで、電力を得るとともに、書き込みコマンドとデータを受信する。すると、タグは、受信されたデータをメモリに書き込む。また、タグは、書き込み結果を電波により送信する。RFIDリーダライタ10は、タグらかの電波をパッチアンテナ18によって受信することで、書き込み結果を受信する。」
ウ 「【0029】
また、図2の点線110は、バーコードリーダ14の端部と本体ケース12の下端とを結んだ線を示している。図2に示すように、アンテナユニット16は、点線110よりも外側に突出しない位置に設置されている。したがって、バーコードリーダ14が落下した場合等に、アンテナユニット16に衝撃が直接加わらないようになっている。これによって、アンテナユニット16が破損し難くなっている。」
エ 「 【図1】 【図2】
[図:0001407358000001.jpg]
【図3】 【図4】
[図:0001407358000002.jpg]
」

(2)上記の記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。

ア RFIDリーダライタ10は、本体ケース12を備え、

本体ケース12の正面の最上部には、バーコードリーダ14が設置され、

バーコードリーダ14は、バーコードから情報を読み出す、

本体ケース12の正面のバーコードリーダ14の下側には、アンテナユニット16が設置され、

アンテナユニット16は、パッチアンテナ18を内蔵し、パッチアンテナ18は、無線によりタグと通信する、

本体ケース12のアンテナユニット16の下側には、把持部22が形成され、

本体ケース12の背面の上部には、ディスプレイ24が設置され、

ディスプレイ24には、バーコードリーダ14によりバーコードから読み出された情報や、パッチアンテナ18によりタグから読み出された情報や、その他の各種の情報が表示され、

本体ケース12の背面のディスプレイ24の下側(すなわち、把持部22の背面)には、複数のキーボタンを有する操作パネル26が設置され、

ユーザは、把持部22を把持している手により操作パネル26を操作することができる(【0016】)。

イ アンテナユニット16は、正面カバー16aと、パッチアンテナ18と、内側ケース16bと、スプリング20と、外側ケース16cを備え、パッチアンテナ18は、接地導電板18aと、誘電体基板18bと、放射導電板18cの積層体により構成されている(【0017】)。

ウ RFIDリーダライタ10は、タグからの電波をパッチアンテナ18によって受信することで、その情報を得る、また、タグに情報を書き込む際には、パッチアンテナ18からタグに向けて、書き込みコマンドとデータが楕円偏波により送信される(【0021】)。

エ 図2の点線110は、バーコードリーダ14の端部と本体ケース12の下端とを結んだ線を示し、アンテナユニット16は、点線110よりも外側に突出しない位置に設置され、落下した場合等に、アンテナユニット16に衝撃が直接加わらないようになっている(【0029】)。

また、上記【図1】および【図2】から以下のことが見て取れる。

オ RFIDリーダライタ10は、本体ケース12における長手方向の上端側に偏った位置に前記本体ケース12の厚み方向に突出して設けられ、内部にバーコードリーダ14が格納される凸形状部と、アンテナユニット16とを備えている。

カ 前記凸形状部は、前記長手方向における下端側から前記上端側に向かって低くなっていくように傾斜する第1の傾斜部分と、前記長手方向における前記上端側から前記下端側に向かって低くなっていくように傾斜する第2の傾斜部分とを有している。

キ 前記バーコードリーダ14は、前記第1の傾斜部分側に設けられている。

ク 前記アンテナユニット16は、前記第2の傾斜部分側に設けられている。

ケ 前記バーコードリーダ14の端部(点線110の上端側)である前記第1の傾斜部分の前記下端側の箇所と、前記第2の傾斜部分の前記上端側の箇所とが前記本体ケース12の正面側における頂部で接続されている。

コ 前記頂部は、前記本体ケース12の前記長手方向と直交する短手方向に延在し、前記本体ケース12における正面側において最も突出している。

さらに、上記エ及び【図2】の点線110に着目すると以下のことが認め

られる。

サ 前記凸形状部を載置面に対向させた状態で前記本体ケース12を前記載置面に載置したときに、前記本体ケース12が、前記バーコードリーダ14の前記本体ケース12の正面側における前記頂部と、前記長手方向における前記下端側に偏った位置である前記本体ケース12の下端と、により支持される。

(3)引用発明

上記(2)のア~サから、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が開示されているといえる。

「本体ケース12を備え、
前記本体ケース12の正面の最上部には、バーコードリーダ14が設置され、
前記バーコードリーダ14は、バーコードから情報を読み出し、
前記本体ケース12の正面の前記バーコードリーダ14の下側には、アンテナユニット16が設置され、
続きを表示(全22行)
前記アンテナユニット16は、パッチアンテナ18を内蔵し、パッチアンテナ18は、無線によりタグと通信し、
前記本体ケース12の前記アンテナユニット16の下側には、把持部22が形成され、
前記本体ケース12の背面の上部には、ディスプレイ24が設置され、
前記ディスプレイ24には、前記バーコードリーダ14によりバーコードから読み出された情報や、前記パッチアンテナ18によりタグから読み出された情報や、その他の各種の情報が表示され、
前記本体ケース12の背面の前記ディスプレイ24の下側(すなわち、前記把持部22の背面)には、複数のキーボタンを有する操作パネル26が設置され、
ユーザは、前記把持部22を把持している手により操作パネル26を操作することができる、
RFIDリーダライタ10であって、
前記アンテナユニット16は、正面カバー16aと、パッチアンテナ18と、内側ケース16bと、スプリング20と、外側ケース16cを備え、パッチアンテナ18は、接地導電板18aと、誘電体基板18bと、放射導電板18cの積層体により構成され、
RFIDリーダライタ10は、前記タグからの電波を前記パッチアンテナ18によって受信することで、その情報を得る、また、前記タグに情報を書き込む際には、前記パッチアンテナ18から前記タグに向けて、書き込みコマンドとデータが楕円偏波により送信される、
RFIDリーダライタ10において、
前記本体ケース12における長手方向の上端側に偏った位置に前記本体ケース12の厚み方向に突出して設けられ、内部に前記バーコードリーダ14が格納される凸形状部を備え、
前記凸形状部は、前記長手方向における下端側から前記上端側に向かって低くなっていくように傾斜する第1の傾斜部分と、前記長手方向における前記上端側から前記下端側に向かって低くなっていくように傾斜する第2の傾斜部分とを有し、
前記バーコードリーダ14は、前記第1の傾斜部分側に設けられており、
前記アンテナユニット16は、前記第2の傾斜部分側に設けられており、
前記バーコードリーダ14の端部である前記第1の傾斜部分の前記下端側の箇所と、前記第2の傾斜部分の前記上端側の箇所とが前記本体ケース12の正面側における頂部で接続されており、
前記頂部は、前記本体ケース12の前記長手方向と直交する短手方向に延在し、前記本体ケース12における正面側において最も突出しており、
前記凸形状部を載置面に対向させた状態で前記本体ケース12を前記載置面に載置したときに、前記本体ケース12が、前記バーコードリーダ14の前記本体ケース12の正面側における頂部と、前記長手方向における前記下端側に偏った位置である前記本体ケース12の下端と、により支持される、
RFIDリーダライタ10。」

2 引用文献2

(1)当審拒絶理由1にて引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0015】
図1(A),(B)に示すように、携帯端末10は、表側ケース12および裏側ケース13からなる筐体11内に制御基板20等の各種電気部品と、各種電気部品の電源として機能する電池とが収容されるように構成されている。
【0016】
また、筐体11は、操作者に把持される把持部14と、液晶表示器15aが取り付けられる液晶部15と、読取口16aが設けられる読取部16とを備えている。
【0017】
筐体11のほぼ中央両側面には、バーコード等の読取対象に対して照射光を照射する際に押圧されるトリガースイッチ17がそれぞれ設けられている。また、把持部14のうち表側ケース12上には、読取対象の情報や当該携帯端末10の操作に関する情報を入力可能なファンクションキー18や数字情報を入力可能なテンキー19等、情報を入力する際に操作される複数の情報入力キーが設けられている。
【0018】
制御基板20には、公知のコードリーダ(バーコードリーダ、二次元コードリーダ等)の読取機能とほぼ同様の基本機能を発揮するための基本モジュール(図示略)が制御回路等とともに実装されている。また、筐体11等の部品標準化を図るために、制御基板20には、上記基本モジュールによる基本機能を拡張するため複数の機能拡張モジュールのうちの少なくとも1つが装着可能な装着部21が形成されている。この装着部21に所定の機能拡張モジュールを装着することで、その拡張機能が発揮可能な状態となる。なお、図1(B)においては、機能拡張モジュールが装着されていない状態を図示している。
【0019】
ここで、機能拡張モジュールとしては、例えば、所定の無線タグに対して無線通信可能な機能を発揮するためのモジュールである無線リーダライタ41や、RFIDタグに対して無線通信可能な機能を発揮するためのモジュールであるRFIDリーダライタ42等が含まれる。なお、本実施形態においては、無線リーダライタ41は、RFIDリーダライタ42よりも軽量かつ小型である。」
イ 「【図3】 【図4】
[図:0001407358000003.jpg]
」

(2)引用文献2記載の技術的事項

上記(1)の記載から、引用文献2には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。

〈引用文献2記載の技術的事項〉

(ア)制御基板20には、公知のコードリーダ(バーコードリーダ、二次元コードリーダ等)の読取機能とほぼ同様の基本機能を発揮するための基本モジュールが制御回路等とともに実装され、

制御基板20には、上記基本モジュールによる基本機能を拡張するため複数の機能拡張モジュールのうちの少なくとも1つが装着可能な装着部21が形成され、この装着部21に所定の機能拡張モジュールを装着することで、その拡張機能が発揮可能な状態となる(【0018】)。

(イ)機能拡張モジュールとしては、例えば、所定の無線タグに対して無線通信可能な機能を発揮するためのモジュールである無線リーダライタ41や、RFIDタグに対して無線通信可能な機能を発揮するためのモジュールであるRFIDリーダライタ42等が含まれる(【0019】)。」

3 引用文献3

(1)当審拒絶理由1にて引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0019】
そして、本実施例のバーコードリーダ1にあっては、本体ケース2の外面部に、何かにぶつかった時や落下した時等の衝撃を吸収するための、例えばゴム等の弾性材からなる緩衝部材が複数設けられる。以下、これら緩衝部材について述べる。尚、図1では、これら緩衝部材を、判りやすく示すために、便宜上ハッチングを付して示している。
【0020】
まず、本体ケース2の先端部には、先端緩衝部材7が、前記読取窓3の外周縁部に沿う枠状に、先方に突出した形態に設けられている。また、本体ケース2の上面部の、前記表示部4の先端の辺部に沿う部位には、上面緩衝部材8が、横方向に延び且つ上方に盛上る形態に設けられている。さらに図1(b)にのみ示すように、本体ケース2の下面部の後端部には、下面緩衝部材9が横方向に延びて設けられている。これら緩衝部材7、8、9は、ゴム例えばEPDMの成型品からなり、本体ケース2に対して、嵌込み及び接着等の適宜の方法により取付けられている。」
イ 「【図1】
[図:0001407358000004.jpg]
」

4 引用文献4

当審拒絶理由1にて引用された引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0035】
なお、本発明のその他の実施形態として、例えば、図6(A) に示すように、バーコードハンディターミナルBHT(以下「BHT」という)1の裏面の四隅に、ベルトBLTの厚さ方向にベルトBLTの厚さ方向高さで突出する支持部W1、X1、Y1、Z1を設けて、これらを結んだ仮想線h1、i1、j1、k1によってキースイッチKEYを囲むように構成する。これにより、支持部W1、X1、Y1、Z1により囲まれる範囲内(図6(A) に示す右上がり斜線部分)にキースイッチKEYが位置するので、BHT1を確実に支えることができ、キースイッチKEYの操作性を向上させることができる。なお、図6(A) 、図6(B) および図6(C) に示す符号DSPは液晶ディスプレイを示す。
【0036】
また、例えば、図6(B) に示すように、BHT2の裏面の各辺のほぼ中間に、ベルトBLTの厚さ方向にベルトBLTの厚さ方向高さで突出する支持部W2、X2、Y2、Z2を設け、これらを結んだ仮想線h2、i2、j2、k2によってキースイッチKEYを囲むように構成しても良い。これにより、支持部W2、X2、Y2、Z2により囲まれる範囲内(図6(B) に示す右上がり斜線部分)にキースイッチKEYが位置するので、BHT2を確実に支えることができ、キースイッチKEYの操作性を向上させることができる。
【0037】
なお、キースイッチKEY’は、この範囲内から一部が逸脱するが、当該範囲を画定する仮想線h2、i2の近傍に位置するため、当該範囲内の他のキースイッチKEYと同視できる。また、このように当該範囲から逸脱するスイッチKEY’には、例えば、電源スイッチ等のBHT2の動作中には使用される頻度が低いものを配置し、使用頻度の高い数字・記号キーやエンターキーを当該範囲内に配置することで、操作性を向上させることができる。
【0038】
さらに、例えば、図6(C) に示すように、BHT3の裏面の各辺に、ベルトBLTの厚さ方向にベルトBLTの厚さ方向高さで突出する支持部U3、V3、W3、X3、Y3、Z3を設けて、これらを結んだ仮想線h3、i3、j3、k3、m3、n3によってキースイッチKEYを囲むように構成しても良い。これにより、支持部U3、V3、W3、X3、Y3、Z3により囲まれる範囲内(図6(C) に示す右上がり斜線部分)にキースイッチKEYが位置するので、BHT3を確実に支えることができ、キースイッチKEYの操作性を向上させることができる。この図6(C) に示すBHT3では、その裏面周囲の6箇所に、支持部U3、V3、W3、X3、Y3、Z3を設けたが、5箇所あるいは7箇所以上にこのような支持部を設けても上述と同様の作用・効果を得ることができる。」
「【図6】
[図:0001407358000005.jpg]
」

5 引用文献5

当審拒絶理由1にて引用された引用文献5には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「(実施例)
以下、この発明を第1図ないし第11図に示す一実施例にもとづいて説明する。第4図はこの発明を適用したラップトツブ型の携帯型パーソナルコンピュータの全体を示し、1は偏平な上側ケース1aと偏平な下側ケース1bとを組合わせて構成されるケースである。上側ケース1aおよび下側ケース1bのいずれも、全体が合成樹脂部材から形成されている。これら上側ケースla、下側ケース1bの全面はシールド用のメッキが施されていて、必要な部分には同メッキ層2(シールド用の第1導電層)の上側に化粧層3が被膜されている(第10図に一部図示)。
このケース1の厚み寸法が薄くなっているフロント部4a上面には、多数のキー5が配列されたキーボード6か設けられている。そして、キーボード6は、ケース1に内蔵の主回路基板7(電子機器;第2図に図示)などに接続されていて、キーボード6から主回路基板7へ情報を入力できるようになっている。
ケース1のリア部4bの前端部には、前後方向に回動自在なフラット形のディスプレィ8が取付けられている。
また第1図および第2図に示されるようにリア部4bの底面の右側部分には、偏平な長方箱形状の凹部9が形成されている。そして、この凹部9内にモデム10(機能拡張モジュール)が収容されるようにしである。」(第4ページ右下欄第14行~第5ページ左上欄第3行)

イ 「またユニット基板19の第1コネクター24と対応する凹部9の周壁部分には、コネクター導出用の長方形状の開口32が設けられている。この開口32から、ケース1内の主回路基板7にフレキシブルケーブル33を介してつながる第2コネクター34(接続手段)が凹部9内に導出している。これにより、ユニット基板19の収容時に、第2コネクター34を第1コネクター24に接続することにより、モデム10をケース内蔵の主回路に接続できるようになっている。」(第3ページ左上欄第16行~同ページ左下欄第3行)

ウ 「ついで、第1図で示すように開口32から導出している第2コネクター34とユニット基板19の第1コネクター24とを接続していく。」(第5ページ左下欄第14~16行

エ 「これにより、凹部9は蓋板10bで蓋される。この状態が第8図および第9図に示されている。その後、蓋板10bの各孔部43,43から、ねじ45をケース1側のねじ孔44に向って螺挿していく。」(第5ページ右下欄第16~20行)

オ 「第1図
[図:0001407358000006.jpg]
」
カ 「第11図
[図:0001407358000007.jpg]
」

キ 上記イ、上記第11図によれば、ユニット基板19の第1コネクター24に接続される第2コネクター34は、凹部9における周壁から導出しており、第2コネクター34は凹部9における周壁に設けられているといえる。

6 引用文献A

原査定の理由にて引用された引用文献Aには、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0023】
図2に示すように、カードリーダ装置1の装置本体2の裏面には、バーコードなどのコード(シンボル)で符号化された情報(バーコード情報など)を読み取るためのコードリーダ部6と、磁気カードのカード情報を読み取るためのカードリーダ部7が設けられている。このコードリーダ部6によって、コード(バーコードなど)を読み取る機能が実現され、また、カードリーダ部7によって、磁気カード(クレジットカードなど)を読み取る機能が実現される。なお、ここでは、コードがバーコードである場合を例示して説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、読取り対象のコードは、2次元バーコードやQRコードなどであってもよい。
【0024】
このカードリーダ装置1では、コードリーダ部6とカードリーダ部7の両方が装置本体2の上半部に設けられている。したがって、このコードリーダ部6とカードリーダ部7は、表示部3の反対側(裏側)に設けられているといえる。あるいは、コードリーダ部6とカードリーダ部7は、装置本体2の中心点を中心として、操作部4の反対側(操作部4と点対象の位置)に配置されているともいえる。また、この場合、カードリーダ部7は、コードリーダ部6よりも把持部寄りの位置に配置されており、したがって、このカードリーダ部7は、コードリーダ部6と把持部5との間の中間部8に設けられて
続きを表示(全11行)
いるといえる。
【0025】
なお、ここでは、図示していないが、表示部3の周囲には、アンテナパターンなどで構成されたアンテナ部が設けられている。このアンテナ部によって、カードリーダ装置1には非接触ICカードとの情報通信機能が備えられる。また、カードリーダ装置1の表示部3は、タッチ入力機能を備えたタッチパネルであってもよい。
【0026】
コードリーダ部6は、コード(バーコードなど)に読取り光(赤外光や可視光など)を照射して、そのコードの画像を撮影し、撮影された画像に画像解析処理を施すことによって、コード情報を読み取る。コードを読み取るための構成(部品や回路など)のサイズは比較的大きく、図3に示すように、その部分(コードリーダ部6が形成された部分)の装置本体2の厚さは比較的大きく(厚く)設定される。この場合、コードリーダ部6が形成された部分の厚さD1は、把持部5が形成された部分の厚さD2より大きく設定されている。また、コードの読取は上述の撮影画像の処理によるものに限らず、レーザー光等の光を対象に照射し、その反射を検出するものでもよい。反射光の検出はフォトトランジスタ、フォトダイオードが好ましい。
【0027】
図3に示すように、コードリーダ部6と把持部5との間には、装置本体2の厚さが徐々に小さくなる傾斜部9が形成されている。図4に示すように、この傾斜部9には、カードリーダ部7を設けるための凹部10が形成されており、カードリーダ部7は、この傾斜部9の凹部10に埋設されている。また、カードリーダ部7は、磁気カードからカード情報を読み取るための磁気ヘッド11を備えており、磁気ヘッド11には、磁気カードをスワイプさせるためのスリット部12が設けられている。傾斜部9の凹部10には、カバー13が取り付けられており、このカバー13の左右両側には、磁気ヘッド11のスリット部12に連続する延長スリット部14が設けられている。この場合、磁気ヘッド11のスリット部12の長さが、傾斜部9のカバー13の延長スリット部14によって、延長されているともいえる。」
イ 「【図2】
[図:0001407358000008.jpg]
」
ウ 「【図3】
[図:0001407358000009.jpg]
」

第6 当審拒絶理由1について(引用発明との対比・判断)

1 本願発明1について

(1)対比

ア 引用発明の「本体ケース12」は、本願発明1の「端末本体」に相当する。

引用発明の「(本体ケース12における長手方向の)上端側」及び「(長手方向における)下端側」は、それぞれ本願発明1の「(端末本体における長手方向の)一端側」及び「(長手方向における)他端側」に相当する。

引用発明の「バーコードリーダ14」は、本願発明1の「所定のデバイス」に相当する。

したがって、引用発明の「前記本体ケース12における長手方向の上端側に偏った位置に前記本体ケース12の厚み方向に突出して設けられ、内部に前記バーコードリーダ14が格納される凸形状部」は、本願発明1の「端末本体における長手方向の一端側に偏った位置に前記端末本体の厚み方向に突出して設けられ、内部に所定のデバイスが格納される格納凸部」に相当する。

イ 引用発明の「アンテナユニット16」は、「正面カバー16aと、パッチアンテナ18と、内側ケース16bと、スプリング20と、外側ケース16cを備え、パッチアンテナ18は、接地導電板18aと、誘電体基板18bと、放射導電板18cの積層体により構成され」、RFIDリーダライタ10は、タグからの電波を前記パッチアンテナ18によって受信することで、その情報を得て、ディスプレイ24に、前記パッチアンテナ18によりタグから読み出された情報を表示することから、「アンテナユニット16」は、RFIDリーダライタ10を、RFIDリーダライタとして機能させる所定機能モジュール挿着部であると認められる。

してみると、引用発明の「アンテナユニット16」と、本願発明1の「拡張コネクタ部」とは、「所定機能モジュール挿着部」で共通する。

ウ 引用発明の「凸形状部」が有する「前記長手方向における下端側から前記上端側に向かって低くなっていくように傾斜する第1の傾斜部分」及び「前記長手方向における前記上端側から前記下端側に向かって低くなっていくように傾斜する第2の傾斜部分」は、それぞれ本願発明1の「格納凸部」が有する「前記長手方向における他端側から前記一端側に向かって低くなっていくように傾斜する第1傾斜部」及び「前記長手方向における前記一端側から前記他端側に向かって低くなっていくように傾斜する第2傾斜部」に相当する。

エ 上記ア及びウより、引用発明の「バーコードリーダ14」と本願発明1の「所定のデバイス」は、「前記第1傾斜部側に設けられて」いる点で共通する。

オ 上記イ及びウより、引用発明の「アンテナユニット16」と本願発明1の「拡張コネクタ部」は、「前記第2傾斜部側に設けられて」いる点で共通する。

カ 引用発明において、「前記凸形状部を載置面に対向させた状態で前記本体ケース12を前記載置面に載置したときに」、「前記本体ケース12が」、「前記バーコードリーダ14の前記本体ケース12の正面側における頂部」と、「前記長手方向における前記下端側に偏った位置である前記本体ケース12の下端」と、により支持されることから、引用発明の「前記バーコードリーダ14の前記本体ケース12の正面側における頂部」と、本願発明1の「前記格納凸部の前記両端側にそれぞれ設けられた前記脚部」とは、「前記格納凸部に設けられた一端側支持部」で共通し、また、引用発明の「前記長手方向における前記下端側に偏った位置である前記本体ケース12の下端」は、本願発明1の「前記長手方向における前記他端側に偏った位置に設けられた支持部」に相当する。

(2)上記(1)から、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致する。

(一致点)

「端末本体における長手方向の一端側に偏った位置に前記端末本体の厚み方向に突出して設けられ、内部に所定のデバイスが格納される格納凸部と、
所定機能モジュール挿着部と、
を備え、
前記格納凸部は、前記長手方向における他端側から前記一端側に向かって低くなっていくように傾斜する第1傾斜部と、前記長手方向における前記一端側から前記他端側に向かって低くなっていくように傾斜する第2傾斜部とを有し、
前記所定のデバイスは、前記第1傾斜部側に設けられており、
前記所定機能モジュール挿着部は、前記第2傾斜部側に設けられており、
前記格納凸部を載置面に対向させた状態で前記端末本体を前記載置面に載置したときに、前記端末本体が、前記格納凸部に設けられた一端側支持部と、前記長手方向における前記他端側に偏った位置に設けられた支持部と、により支持される、
ことを特徴とする携帯情報端末。」

(3)また、本願発明1と引用発明とは、以下の点で相違する。

〈相違点1〉

上記「所定機能モジュール挿着部」が、本願発明1では、「所定の拡張基板を接続するための拡張コネクタ部であって、前記所定の拡張基板を電気的に接続するための端子部と、当該端子部に接続された前記所定の拡張基板を収納するための収納凹部と、を含む拡張コネクタ部」であり、さらに、「前記端子部は、前記収納凹部における底面に設けられており、前記端子部は、前記所定の拡張基板が前記第2傾斜部と平行となるように差込み可能に設けられて」いるのに対し、引用発明では、「アンテナユニット16」であって、所定の拡張基板を接続するためのものであることが特定されておらず、また、端子部、収納凹部も特定されていない点。

〈相違点2〉

本願発明1では、「前記格納凸部における、前記端末本体の前記長手方向と直交する短手方向の両端側には、脚部がそれぞれ形成されて」いるのに対し、引用発明では、「脚部」が形成されていない点。

〈相違点3〉

端末本体を支持する上記「一端側支持部」が、本願発明1では、「脚部」であるのに対し、引用発明では、前記本体ケース12の前記長手方向と直交する短手方向に延在する「頂部」である点。

(2)判断

相違点1について検討する。

引用文献2には、バーコードリーダに、機能拡張モジュール(拡張基板)を制御基板20の装着部21に接続することは記載されているが、機能拡張モジュールを収納する収納凹部は記載されておらず、さらに、制御基板20は筐体11の表側ケース12の面と平行であって、機能拡張モジュール(拡張基板)は表側ケース12の面と平行に取り付けられており、「前記所定の拡張基板が前記第2傾斜部と平行となるように」なるものではない。また、引用文献5には、ユニット基板19(拡張基板)と接続される第2コネクター34(端子部)、ユニット基板19(拡張基板)が収納される凹部9(収納凹部)が記載されているが、第2コネクター34(端子部)は凹部9の周壁に設けられるものであって、さらに、ユニット基板19(拡張基板)はラップトップ型の携帯型パーソナルコンピュータのケース1の底面と平行になるものであって、「前記所定の拡張基板が前記第2傾斜部と平行となるように」なるものではない。

また、引用文献3、4にも、本願発明1の上記相違点1の構成は記載されておらず、また、周知の技術であったとも認められない。

したがって、当業者といえども、引用発明及び引用文献2~5に記載された技術的事項から、上記相違点1に係る本願発明1の構成を容易に想到することはできない。

よって、上記相違点2、3について判断するまでもなく、本願発明1は、 当業者であっても、引用発明及び引用文献2~5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2 本願発明2について

本願発明2は、本願発明1の「所定の拡張基板を接続するための拡張コネクタ部であって、前記所定の拡張基板を電気的に接続するための端子部と、当該端子部に接続された前記所定の拡張基板を収納するための収納凹部と、を含む拡張コネクタ部」を、「所定の拡張基板の基板コネクタを接続するための拡張コネクタ部」とし、さらに、本願発明1の「前記拡張コネクタ部は、前記第2傾斜部側に設けられており、前記端子部は、前記収納凹部における底面に設けられており、前記端子部は、前記所定の拡張基板が前記第2傾斜部と平行となるように差込み可能に設けられており」を、「前記拡張コネクタ部は、前記第2傾斜部側に設けられており、かつ、前記基板コネクタが挿入される挿入口を有しており、前記挿入口の奥行方向は、前記第2傾斜部の傾斜面と垂直である」としたものであるから、上記相違点2、3に加え、以下の相違点4で相違する。

〈相違点4〉

上記「所定機能モジュール挿着部」が、本願発明2では、「所定の拡張基板の基板コネクタを接続するための拡張コネクタ部であって」、さらに、「前記基板コネクタが挿入される挿入口を有しており、前記挿入口の奥行方向は、前記第2傾斜部の傾斜面と垂直である」のに対し、引用発明では、「アンテナユニット16」であって、所定の拡張基板の基板コネクタを接続するためのものであることが特定されておらず、さらに、挿入口も特定されていない点。

相違点4について検討する。

引用文献2には、バーコードリーダに、機能拡張モジュール(拡張基板)を制御基板20の装着部21に接続することは記載されているが、機能拡張モジュール(拡張基板)のコネクタを挿入する挿入口は記載されていない。また、引用文献5には、ユニット基板19(拡張基板)の第1コネクター(基板コネクタ)と接続される第2コネクター34(端子部)が、凹部19の周壁の開口32から導出することは記載されているが、第1コネクター(基板コネクタ)と第2コネクター34は凹部内で接続されており、第1コネクター(基板コネクタ)が開口32に挿入されるものではない。

また、引用文献3、4にも、本願発明2の上記相違点4の構成は記載されておらず、また、周知の技術であったとも認められない。

したがって、当業者といえども、引用発明及び引用文献2~5に記載された技術的事項から、上記相違点4に係る本願発明2の構成を容易に想到することはできない。

よって、上記相違点2、3について判断するまでもなく、本願発明2は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2~5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3 本願発明3について

本願発明3は、本願発明2を減縮した発明であるから、本願発明2と同様の理由により、当業者であっても引用発明及び引用文献2~5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

4 本願発明4について

本願発明4は、本願発明1の「拡張コネクタ部」がさらに「前記収納凹部を塞ぐため蓋体」を含み、さらに、本願発明1の「前記端子部は、前記所定の拡張基板が前記第2傾斜部と平行となるように差込み可能に設けられており」を、「前記所定の拡張基板は、当該所定の拡張基板が前記端子部に接続されたときに前記収納凹部の底面および前記蓋体に接触しないように前記底面と前記蓋体との間に配置される」としたものであるから、上記相違点2、3に加え、以下の相違5で相違する。

〈相違点5〉

上記「所定機能モジュール挿着部」が、本願発明4では、「所定の拡張基板を接続するための拡張コネクタ部であって、前記所定の拡張基板を電気的に接続するための端子部と、当該端子部に接続された前記所定の拡張基板を収納するための収納凹部と、前記収納凹部を塞ぐため蓋体と、を含む拡張コネクタ部」であり、さらに、「前記端子部は、前記収納凹部における底面に設けられており、前記所定の拡張基板は、当該所定の拡張基板が前記端子部に接続されたときに前記収納凹部の底面および前記蓋体に接触しないように前記底面と前記蓋体との間に配置される」のに対し、引用発明では、「アンテナユニット16」であって、所定の拡張基板を接続するためのものであることが特定されておらず、また、端子部、収納凹部も特定されていない点。

相違点5について検討する。

引用文献2には、バーコードリーダに、機能拡張モジュール(拡張基板)を制御基板20の装着部21接続することは記載されているが、機能拡張モジュール(拡張基板)を収納する凹部、凹部を塞ぐ蓋体を有しておらず、「

前記端子部は、前記収納凹部における底面に設けられ」るものではない。また、引用文献5には、ユニット基板19(拡張基板)と接続される第2コネクター34(端子部)、ユニット基板19(拡張基板)が収納される凹部19(収納凹部)、蓋板10b(蓋体)は記載されているが、第2コネクター34(端子部)は凹部19の周壁に設けられるものであって、「前記端子部は、前記収納凹部における底面に設けられ」るものではない。

また、引用文献3、4にも、本願発明4の上記相違点5の構成は記載されておらず、また、周知の技術であったとも認められない。

したがって、当業者といえども、引用発明及び引用文献2~5に記載された技術的事項から、上記相違点5に係る本願発明4の構成を容易に想到することはできない。

よって、上記相違点2、3について判断するまでもなく、本願発明4は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2~5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

5 本願発明5~10について

本願発明5~10は、本願発明1、2、4、5を減縮した発明であるから、本願発明1、2、4、5と同様の理由により、当業者であっても引用発明及び引用文献2~5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第7 当審拒絶理由2(サポート要件)について

当審では、請求項1、5~10の、「前記端子部は、前記所定の拡張基板が前記第1傾斜部と平行となるように差込み可能に設けられ」という点は、発明の詳細な説明に記載されていないとの拒絶の理由を通知しているが、令和5年12月20日提出の補正において、「前記端子部は、前記所定の拡張基板が前記第2傾斜部と平行となるように差込み可能に設けられ」と補正された結果、当審拒絶理由(サポート要件)は解消した。

以上から、当審拒絶理由2は解消した。

第8 原査定について

上記第6で述べた点は、原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献A、Bについても記載されておらず、本願発明1~10は、当業者であっても引用文献A、Bに記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

したがって、原査定を維持することはできない。

第9 むすび

以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-019254

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