2022-017411
光学積層体
- 審判番号
- 2022-017411
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-176796外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年10月31日
- 審決日
- 2023年10月20日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .113-Z (G02B) / P18 .121-Z (G02B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 9項目
第1 手続等の経緯
特願2017-176796号(以下「本件出願」という。)は、平成29年9月14日を出願日とする特許出願であって、その手続等の経緯の概要は、以下のとおりである。
第2 本願発明
本件出願の請求項1~5に係る発明は、令和4年3月31日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項によって特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明1」という。)は、次のものである。
「 偏光子と、λ/4板として機能する位相差層と、光拡散層とを有する光学積層体を含む反射型液晶表示装置であって、該光拡散層が粘着剤および光拡散微粒子を含み、該光拡散層に直進光を入射させた時の極角10°方向の透過光強度をI10、極角60°方向の透過光強度をI60としたときのI10/I60の値が30以上200以下である、反射型液晶表示装置。」
第3 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。
●理由1(新規性) この出願の請求項1、3、5に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
●理由2(進歩性) この出願の請求項1~5に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
(当合議体注:引用文献7は主引用文献であり、引用文献2及び引用文献3は周知技術を示す文献である。)
第4 当合議体の判断
1 引用文献の記載事項及び引用発明
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(1)引用文献7の記載
原査定の拒絶の理由で引用文献7として引用された、本件出願の出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じで公衆に利用可能となった文献である、特開2002-22947号公報には、以下の記載がある。なお、下線は当合議体が付与したものであって、引用発明の認定又は判断で利用した箇所である。
ア 「【特許請求の範囲】【請求項1】 偏光板と1層又は2層以上の位相差板と、光透過性の無着色粒子を分散含有して光拡散性を示す光透過性の光散乱粘着層を有する積層体からなり、その光散乱粘着層における光拡散性が、垂直入射光の垂直透過方向に対し10度又は30度傾斜した方向における透過光の強度を前者I10、後者I30としたとき100×I30/I10で定義される光拡散率に基づいて10%以下であることを特徴とする散乱型楕円偏光板。【請求項2】 請求項1において、光散乱粘着層が偏光板と位相差板の間、2層以上の位相差板の間、又は位相差板側の外側に位置する散乱型楕円偏光板。【請求項3】 請求項1又は2に記載の散乱型楕円偏光板を液晶セルの視認側に有することを特徴とする反射型液晶表示装置。」
イ 「【0001】【発明の技術分野】本発明は、光の透過率と拡散性のバランスに優れて明るさ等の視認性に優れる液晶表示装置の形成などに好適な散乱型楕円偏光板に関する。」
ウ 「【0003】【発明の技術的課題】本発明は、信頼性に優れる接着処理性を満足させつつ明るさと視認性に優れる反射型液晶表示装置を形成できる散乱型楕円偏光板の開発を課題とする。」
エ 「【0006】【発明の実施形態】本発明による散乱型楕円偏光板は、偏光板と1層又は2層以上の位相差板と、光透過性の無着色粒子を分散含有して光拡散性を示す光透過性の光散乱粘着層を有する積層体からなり、その光散乱粘着層が垂直入射光の垂直透過方向に対し10度又は30度傾斜した方向における透過光の強度を前者I10、後者I30としたとき100×I30/I10で定義される光拡散率に基づいて10%以下の光拡散性を示すものからなる。・・・(中略)・・・【0026】前記において本発明においては、無着色粒子の含有により光拡散率が10%以下の光拡散性を示す光散乱粘着層として形成することが必要である。その光拡散率が10%を超えると光の拡散度が過大となり、反射型液晶表示装置を照明下に視認する場合の正面(垂直)方向の明るさに乏しくなる。光の拡散性による良視認の視野角の拡大と前記正面方向の明るさとのバランスなどの点より好ましい光拡散率は、1~9%、就中1.5~8%、特に2~7%である。【0027】なお前記の光拡散率は、図3に例示した如く光散乱粘着層2に垂直光Hを入射させた場合に、その垂直入射光Hの垂直透過方向I0に対し10度傾斜した方向における透過光の強度をI10、前記I0に対し30度傾斜した方向における透過光の強度をI30としたとき、100×I30/I10(%)にて定義される。【0028】前記した光拡散率の達成性と接着力の制御性などの点より好ましく用いうる無着色粒子は、その平均粒径が0.5~10μm、就中1~9μm、特に2~8μmのものである。また後方散乱を抑制して透過方向に良好な拡散性をもたせる点などよりは無着色粒子の屈折率をn1、粘着層の屈折率をn2としたとき、式:0.01<┃n1-n2┃<0.1、就中┃n1-n2┃<0.09、特に-0.08<n1-n2<-0.01を満足する組合せとしたものが好ましい。【0029】なお光散乱粘着層に分散含有させる光透過性の無着色粒子の量は、上記した光拡散率などに基づいて適宜に決定されるが一般には、接着力を確保する点などより粘着層(固形分)100重量部あたり、1~200重量部、就中5~150重量部、特に8~100重量部の無着色粒子が用いられる。また光散乱粘着層の厚さは、目的とする光拡散率や接着力などに応じて決定しうるが一般には300μm以下、就中1~200μm、特に5~100μmの厚さとされる。」
オ 「【0041】【実施例】参考例1屈折率1.59、厚さ50μmのポリカーボネートフィルムを150℃で2.5%延伸処理し、複屈折光に基づいて波長550nmの光に対して1/4波長の位相差を与えるNZが1の延伸フィルムを得た。・・・(中略)・・・続きを表示(全14行)【0043】実施例1屈折率(n1)が1.43、平均粒径が4μmの光透過性無着色粒子をアクリル系粘着剤に混合してセパレータ上に塗工することにより、屈折率(n2)1.47、厚さ25μmの透明なアクリル系粘着層内に前記の無着色粒子を33重量%の割合で分散含有する光散乱粘着層を得た。この光散乱粘着層を参考例1で得た延伸フィルムの片面に付設し、その粘着層を介し反射防止層付きの防眩偏光板(日東電工社製、NPF-EG1425DUAG30ARS、以下同じ)と圧着積層して散乱型楕円偏光板を得た。なお偏光板の吸収軸と延伸フィルムの光軸(延伸軸)の交差角は、45度とした。・・・(中略)・・・【0047】評価試験光拡散率実施例1、比較例で得た光散乱粘着層の本発明にて定義される光拡散率を調べると共に、その光散乱粘着層を鏡面反射板上に接着して拡散光を入射させ、その正面(法線)方向の明るさを標準白色板の反射強度と比較した。なお光散乱粘着層は、鏡面反射板に強力に接着した。・・・(中略)・・・【0051】前記の結果を次表に示した。[図:0001405474000001.jpg]」
(2)引用文献7に記載された発明
上記(1)の記載を踏まえると、引用文献7には、請求項1に係る発明として「散乱型楕円偏光板」の発明が記載され、請求項1を引用する請求項3に係る発明として上記「散乱型楕円偏光板」を液晶セルの視認側に有する反射型液晶表示装置の発明が記載されている。また、同文献の【0041】及び【0043】の記載によれば、同文献には、上記請求項1に係る発明に対応する「散乱型楕円偏光板」の発明が実施例1として開示されている。
そうすると、引用文献7には、次の「反射型液晶表示装置」の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「 偏光板と位相差板と、光透過性の無着色粒子を分散含有して光拡散性を示す光透過性の光散乱粘着層を有する積層体からなり、光散乱粘着層における光拡散性が、垂直入射光の垂直透過方向に対し10度又は30度傾斜した方向における透過光の強度を前者I10、後者I30としたとき100×I30/I10で定義される光拡散率に基づいて10%以下である散乱型楕円偏光板を液晶セルの視認側に有する反射型液晶表示装置であって、(【請求項1】、【請求項3】)前記散乱型楕円偏光板として、波長550nmの光に対して1/4波長の位相差を与えるNZが1の延伸フィルムを得て、(【0041】)屈折率(n1)が1.43、平均粒径が4μmの光透過性無着色粒子をアクリル系粘着剤に混合してセパレータ上に塗工することにより、屈折率(n2)1.47、厚さ25μmの透明なアクリル系粘着層内に無着色粒子を33重量%の割合で分散含有する光散乱粘着層を得て、(【0042】)光散乱粘着層を延伸フィルムの片面に付設し、粘着層を介し反射防止層付きの防眩偏光板(日東電工社製、NPF-EG1425DUAG30ARS)と圧着積層して得た散乱型楕円偏光板を用い、(【0042】)前記光散乱粘着層の光拡散率を3.1%とした、(【0047】、【0051】)反射型液晶表示装置。」
2 対比及び判断
(1)本願発明1と引用発明の対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「延伸フィルム」は、「波長550nmの光に対して1/4波長の位相差を与える」ものであるから、本願発明1の「λ/4板として機能する位相差層」に相当する。
イ 引用発明の「光散乱粘着層」は、「光拡散性を示す」ものであるから、本願発明1の「光拡散層」に相当する。
また、引用発明の「アクリル系粘着剤」は、本願発明1の「粘着剤」に相当し、引用発明1の「無着色粒子」は、「平均粒径が4μm」であり、「分散含有して光拡散性を示す」ものであるから、本願発明1の「光拡散微粒子」に相当する。
そして、引用発明の「光散乱粘着層」(「光拡散層」)は、「無着色粒子をアクリル系粘着剤に混合してセパレータ上に塗工することにより」得られるものであるから、本願発明1の「該光拡散層が粘着剤および光拡散微粒子を含み、」との要件を満たす。
ウ 引用発明の「積層体」は、「反射防止層付きの防眩偏光板(日東電工社製、NPF-EG1425DUAG30ARS)」と「延伸フィルム」(「λ/4板として機能する位相差層」)と、「光散乱粘着層」(「光拡散層」)とを有するものであり、上記「反射防止層付きの防眩偏光板(日東電工社製、NPF-EG1425DUAG30ARS)」は偏光板である以上、偏光子を有することは明らかであるから、本願発明1の「偏光子と、λ/4板として機能する位相差層と、光拡散層とを有する」との要件を満たす、「光学積層体」に相当する。
エ 引用発明の「反射型液晶表示装置」は、本願発明1の「反射型液晶表示装置」に相当する。
また、引用発明の「反射型液晶表示装置」は、「散乱型楕円偏光板を液晶セルの視認側に有する」ものであり、「散乱型楕円偏光板」は「積層体」(「光学積層体」)からなるものであるから、本願発明1の「偏光子と、λ/4板として機能する位相差層と、光拡散層とを有する光学積層体を含む反射型液晶表示装置」との要件を満たす。
(2)一致点・相違点
ア 一致点
上記(1)の対比を総合すると、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致する。
「 偏光子と、λ/4板として機能する位相差層と、光拡散層とを有する光学積層体を含む反射型液晶表示装置であって、該光拡散層が粘着剤および光拡散微粒子を含む、反射型液晶表示装置。」
イ 相違点
また、本願発明1と引用発明とは、以下の点で相違又は一応相違する。
(相違点)
本願発明1は、「該光拡散層に直進光を入射させた時の極角10°方向の透過光強度をI10、極角60°方向の透過光強度をI60としたときのI10/I60の値が30以上200以下である」のに対して、引用発明は、「光散乱粘着層における光拡散性が、垂直入射光の垂直透過方向に対し10度又は30度傾斜した方向における透過光の強度を前者I10、後者I30としたとき100×I30/I10で定義される光拡散率に基づいて」「3.1%である」ものの、「I10/I60」の値は定かでない点。
(3)判断
上記相違点について検討する。
ア 引用発明は、「光散乱粘着層における光拡散性が、垂直入射光の垂直透過方向に対し10度又は30度傾斜した方向における透過光の強度を前者I10、後者I30としたとき100×I30/I10で定義される光拡散率に基づいて」「3.1%である」から、「垂直入射光の垂直透過方向に対し10度」「傾斜した方向における透過光の強度」(「I10」)/「垂直入射光の垂直透過方向に対し」「30度傾斜した方向における透過光の強度」(「I30」)は32.3程度となる。
ここで、反射型液晶表示装置に用いられる、粘着剤および光拡散微粒子を含む光拡散層の特性として、垂直入射光の垂直透過方向に対し30度傾斜した方向における透過光の強度/垂直入射光の垂直透過方向に対し60度傾斜した方向における透過光の強度が、1以下となることはなく、6を超えることもない程度のなだらかな拡散特性を選択すること(例えば、特開2003-90905号公報の【0029】、【0041】~【0049】、【図2】、特開2009-133907号公報の【0078】、【0079】、【0085】、【0086】、【0096】【表4】、【0098】、【図4】、【図7】、【図10】(特に、【図4】、【図7】、【図10】における観察角度が30度及び60度の拡散光強度)等を参照)は、本件出願時の技術常識といえる。
ここで、引用文献7には、垂直入射光の垂直透過方向に対し60度傾斜した方向における透過光の強度は記載も示唆もされていないが、上記本件出願時の技術常識を参酌すれば、引用発明は、「垂直入射光の垂直透過方向に対し10度」「傾斜した方向における透過光の強度」/垂直入射光の垂直透過方向に対し60度傾斜した方向における透過光の強度が、30以上200以下(32.3×1=32.3程度~32.3×6=193.8程度)であって、本願発明1の「該光拡散層に直進光を入射させた時の極角10°方向の透過光強度をI10、極角60°方向の透過光強度をI60としたときのI10/I60の値が30以上200以下である」との要件を満たす蓋然性が高い。
したがって、上記相違点は実質的な相違点ではない。
イ 仮に、引用発明において、「垂直入射光の垂直透過方向に対し10度」「傾斜した方向における透過光の強度」/垂直入射光の垂直透過方向に対し60度傾斜した方向における透過光の強度が上限値である200を超えてしまい、上記相違点が実質的な相違点であったとしても、引用文献7の【0026】には、「無着色粒子の含有により光拡散率が10%以下の光拡散性を示す光散乱粘着層として形成することが必要である。その光拡散率が10%を超えると光の拡散度が過大となり、反射型液晶表示装置を照明下に視認する場合の正面(垂直)方向の明るさに乏しくなる。光の拡散性による良視認の視野角の拡大と前記正面方向の明るさとのバランスなどの点より好ましい光拡散率は、1~9%、就中1.5~8%、特に2~7%である。」と記載されていることから、良視認の視野角の拡大と正面方向の明るさとのバランスをとるために、光拡散率(光拡散性)を調整することは、引用発明の内容中に示唆されているといえる。
そうすると、引用発明において、引用発明の内容中の上記示唆に基づいて、良視認の視野角の拡大のために、引用文献7の【0028】及び【0029】にしたがって、光拡散率が10%の以下の範囲で光拡散性を増大して、上記相違点に係る本願発明1の構成とすることは、当業者であれば適宜になし得ることである。
ウ 引用文献7の「光拡散率が10%を超えると光の拡散度が過大となり、反射型液晶表示装置を照明下に視認する場合の正面(垂直)方向の明るさに乏しくなる。光の拡散性による良視認の視野角の拡大と前記正面方向の明るさとのバランスなどの点より好ましい光拡散率は、1~9%、就中1.5~8%、特に2~7%である。」(【0026】)という記載を考慮すると、本件発明の効果は、本件出願の出願当時本件発明の構成が奏するものとして当業者が予測することができた程度のものと認められ、本件発明の構成から当業者が予測することができた範囲の効果を超える顕著なものとは認められない。
3 審判請求人の主張について
審判請求人は、審判請求書の「3.本願発明が特許されるべき理由」「(3)本願発明が特許とされるべき理由」「(3―1)本願発明1と引用文献7ならびに引用文献2および3に記載の発明との対比」において、主に以下のような主張を行っている。
「本願発明は、偏光子と、λ/4板として機能する位相差層と、粘着剤および光拡散微粒子を含み、I10/I60の値が30以上200以下である光拡散層と、を有する反射型液晶表示装置とすることにより、反射型液晶表示装置の視野角特性を向上させることができるものです。I10/I60の値が30以上200以下である光拡散層について開示も示唆もしていない引用文献7の記載からは本願発明を容易に想到することはできず、また本願発明の優れた効果を予測することもできません。したがって、本願発明は引用文献7に記載された発明ではなく、引用文献7に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到することができたものでもありません。」
そこで、上記主張について検討する。
上記2(3)アに示したとおり、引用文献7には、垂直入射光の垂直透過方向に対し60度傾斜した方向における透過光の強度は記載も示唆もされていないが、垂直入射光の垂直透過方向に対し30度傾斜した方向における透過光の強度よりも垂直入射光の垂直透過方向に対し60度傾斜した方向における透過光の強度は小さく、垂直入射光の垂直透過方向に対し30度傾斜した方向における透過光の強度と垂直入射光の垂直透過方向に対し60度傾斜した方向における透過光の強度にそれほど大きな差はないこと(なだらかな拡散特性であること)は、本件出願時の技術常識であるから、引用文献7の実施例1の光拡散率であれば、本願発明1の「光拡散層」の「I10/I60の値が30以上200以下である」との要件を満たす蓋然性が高い。
また、上記2(3)イに示したとおり、仮に、引用文献7に記載された発明が、本願発明1の「光拡散層」の「I10/I60の値が30以上200以下である」との要件を満たさないとしても、良視認の視野角の拡大のために、光拡散率(光拡散性)を調整して、本願発明1の構成とすることは、当業者であれば適宜になし得ることであるので、引用文献7の記載から本願発明1を容易に想到することができる。
そして、請求人が主張する上記効果については、上記2(3)ウに示したとおりである。
したがって、審判請求人の上記主張は採用できない。
4 小括
以上のとおりであるから、本願発明1は、引用文献7に記載された発明である。
また、本願発明1は、引用文献7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第5 むすび
以上のとおり、本願発明1は、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。また、本願発明1は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-017411