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特許拒絶査定不服審判

2022-017210

表示制御方法、表示制御装置およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体

審判番号
2022-017210
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-198226外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年10月27日
審決日
2023年12月07日
公報発行日
2024年05月31日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .536-Z (G09G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-198226「表示制御方法、表示制御装置およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 1月18日出願公開、特開2022- 13575〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、令和2年11月30日(パリ条約による優先権主張2020年6月30日、中国)の特許出願であって、その手続の経緯の概略は、以下のとおりである。

令和3年11月12日付け:拒絶理由通知書
令和4年 2月22日 :意見書、手続補正書の提出

同年 6月28日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)

(同年 7月 5日 :原査定の謄本の送達)

同年10月27日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 本願発明

本願の請求項1~14に係る発明(以下、請求項の番号に従って「本願発明1」などという。また、これらを総称して「本願発明」という。)は、令和4年10月27日に提出された手続補正書(以下、当該手続補正書による補正を「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1~14に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。

「【請求項1】
有機発光ダイオードディスプレイに適用される表示制御方法であって、
前記有機発光ダイオードディスプレイは、ピクセル回路を含み、ピクセル回路に電荷が供給され、前記表示制御方法は、
現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量と、前記ピクセル回路の各コンデンサの累積電荷量を集計し始めるようにトリガするために用いられる前記ピクセル回路の電荷量集計閾値とを決定するステップと、
続きを表示(全84行)
前記駆動電荷量が前記電荷量集計閾値より小さい場合、前記現在のピクセルを表示するように駆動する駆動電荷量を調整するステップと、を含み、
前記駆動電荷量と、前記電荷量集計閾値とを決定するステップでは、現在表示されることになるピクセル輝度に基づいて、前記駆動電荷量を決定し、
前記駆動電荷量と、前記電荷量集計閾値とを決定するステップでは、前記駆動電荷量と累積発光時間と累積電荷量との間は対応関係を有し、累積発光時間と前記駆動電荷量とに基づいて、対応する累積電荷量および電荷量集計閾値を決定し、
前記駆動電荷量と、前記電荷量集計閾値とを決定するステップでは、前記ピクセル回路の累積電荷量は、記録機能を有する画像データ処理チップまたは表示駆動チップを介して集計し、
前記方法は、
前記駆動電荷量が前記電荷量集計閾値より大きい場合、前記ピクセル回路の累積電荷量を集計して、前記駆動電荷量に基づいて前記現在のピクセルを表示するように駆動するステップをさらに含む、
ことを特徴とする表示制御方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記駆動電荷量が前記電荷量集計閾値より小さい場合、前記ピクセル回路の累積電荷量を集計せずに、前記ピクセル回路の現在放出された電荷量を集計するステップと、
前記ピクセル回路の放出された電荷量に基づいて、前記ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量を決定するステップと、をさらに含み、
前記現在のピクセルを表示するように駆動する駆動電荷量を調整するステップは、
前記ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量に基づいて、前記現在のピクセルを表示するように駆動する駆動電荷量を調整するステップを含み、
前記記録機能を有する画像データ処理チップまたは表示駆動チップには、前記駆動電荷量、累積発光時間および放出された電荷量の間の対応関係とが記録され、
前記ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量を決定するステップでは、前記駆動電荷量、累積発光時間および放出された電荷量の間の対応関係に基づいて、現在のピクセルの前記駆動電荷量に対応する現在放出された電荷量を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項3】
前記ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量に基づいて、前記現在のピクセルを表示するように駆動する駆動電荷量を調整するステップは、
前記ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量が電荷量補償閾値より大きい場合、前記駆動電荷量を補償するステップと、
補償された前記駆動電荷量に基づいて前記現在のピクセルを表示するように駆動するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御方法。
【請求項4】
前記駆動電荷量を補償するステップは、
前記駆動電荷量と、前記ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量との間の差を、補償された前記駆動電荷量とするステップを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示制御方法。
【請求項5】
請求項3に記載の表示制御方法であって、前記方法は、
前記ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量が前記電荷量補償閾値より小さい場合、前記駆動電荷量に基づいて前記現在のピクセルを表示するように駆動するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示制御方法。
【請求項6】
前記ピクセル回路の放出された電荷量に基づいて、前記ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量を決定するステップは、
前記駆動電荷量と累積発光時間と累積電荷量との間の対応関係に基づいて、前記駆動電荷量に対応する現在累積した電荷量を決定するステップと、
前記駆動電荷量、累積発光時間および放出された電荷量の間の対応関係に基づいて、前記駆動電荷量に対応する現在放出された電荷量を決定するステップと、
前記現在累積した電荷量と前記現在放出された電荷量との差を、前記ピクセル回路の一部の電荷量が放出された後の電荷量とするステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御方法。
【請求項7】
有機発光ダイオードディスプレイに適用される表示制御装置であって、前記有機発光ダイオードディスプレイは、ピクセル回路を含み、ピクセル回路に電荷が供給され、前記表示制御装置は、
現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量と、前記ピクセル回路の各コンデンサの累積電荷量を集計し始めるようにトリガするために用いられる前記ピクセル回路の電荷量集計閾値とを決定するための決定ユニットと、
前記駆動電荷量が前記電荷量集計閾値より小さい場合、前記現在のピクセルを表示するように駆動する駆動電荷量を調整するための調整ユニットと、を含み、
前記決定ユニットは、現在表示されることになるピクセル輝度に基づいて、前記駆動電荷量を決定し、
前記決定ユニットは、前記駆動電荷量と累積発光時間と累積電荷量との間は対応関係を有し、累積発光時間と前記駆動電荷量とに基づいて、対応する累積電荷量および電荷量集計閾値を決定し、
前記決定ユニットは、前記ピクセル回路の累積電荷量は、記録機能を有する画像データ処理チップまたは表示駆動チップを介して集計し、
前記駆動電荷量が前記電荷量集計閾値より大きい場合、
前記調整ユニットは、さらに、前記ピクセル回路の累積電荷量を集計して、前記駆動電荷量に基づいて前記現在のピクセルを表示するように駆動することに用いられる、
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項8】
前記駆動電荷量が前記電荷量集計閾値より小さい場合、
前記調整ユニットは、さらに、前記ピクセル回路の累積電荷量を集計せずに、前記ピクセル回路の現在放出された電荷量を集計することに用いられ、
前記決定ユニットは、さらに、前記ピクセル回路の放出された電荷量に基づいて、前記ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量を決定することに用いられ、
前記調整ユニットは、
前記ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量に基づいて、前記現在のピクセルを表示するように駆動する駆動電荷量を調整するという方法を用いて、前記現在のピクセルを表示するように駆動する駆動電荷量を調整し、
前記記録機能を有する画像データ処理チップまたは表示駆動チップには、前記駆動電荷量、累積発光時間および放出された電荷量の間の対応関係とが記録され、
前記決定ユニットは、前記駆動電荷量、累積発光時間および放出された電荷量の間の対応関係に基づいて、現在のピクセルの前記駆動電荷量に対応する現在放出された電荷量を決定する、
ことを特徴とする請求項7に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記調整ユニットは、
前記ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量が電荷量補償閾値より大きい場合、前記駆動電荷量を補償し、
補償された前記駆動電荷量に基づいて前記現在のピクセルを表示するように駆動する、という方法を用いて、前記ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量に基づいて、前記現在のピクセルを表示するように駆動する駆動電荷量を調整する、
ことを特徴とする請求項8に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記調整ユニットは、
前記駆動電荷量と、前記ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量との間の差を、補償された前記駆動電荷量とするという方法を用いて、前記駆動電荷量を補償する、
ことを特徴とする請求項9に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記ピクセル回路の一部の電荷量が放出された後の電荷量が前記電荷量補償閾値より小さい場合、
前記調整ユニットは、さらに、前記駆動電荷量に基づいて前記現在のピクセルを表示するように駆動することに用いられる、
ことを特徴とする請求項9に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記決定ユニットは、
前記駆動電荷量と累積発光時間と累積電荷量との間の対応関係に基づいて、前記駆動電荷量に対応する現在累積した電荷量を決定し、
前記駆動電荷量、累積発光時間および放出された電荷量の間の対応関係に基づいて、前記駆動電荷量に対応する現在放出された電荷量を決定し、
前記現在累積した電荷量と前記現在放出された電荷量との差を、前記ピクセル回路の一部の電荷量が放出された後の電荷量とする、という方法を用いて、前記ピクセル回路の放出された電荷量に基づいて、前記ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量を決定する、
ことを特徴とする請求項8に記載の表示制御装置。
【請求項13】
命令を記憶するためのメモリと、
前記メモリに記憶されている命令を呼び出して請求項1~6のいずれかに記載の表示制御方法を実行するためのプロセッサと、を含む、
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項14】
プロセッサによって実行される際に、請求項1~6のいずれかに記載の表示制御方法を実行する命令が記憶されている、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。」

第3 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由のうち、実施可能要件違反を指摘する理由は、次のとおりである。

理由2(実施可能要件)

この出願は、発明の詳細な説明の記載が下記の点で、特許法36条4項1号に規定する要件を満たしていない。

記

請求項1~16に係る発明に関して

発明の詳細な説明には、請求項1,8の「ピクセル回路の電荷量統計閾値とを決定する」という事項を、具体的にどのように行うのかについて、当業者がその実施ができる程度に明確かつ十分に記載されていない。

すなわち、発明の詳細な説明には、「パネルの特性に基づいて、特定の輝度で指定された時間表示するように、特定の駆動電荷量でピクセルを駆動した後、スクリーンが暗くなってヒステリシスが発生すると、ピクセル回路内の累積電荷量を対応して統計し、統計された電荷量の値は電荷量統計閾値と呼ばれる。」(段落0031)と記載されているものの、

(例えば、ヒステリシス発生時点での複数の位置のピクセルの累積電荷量、指定された時間内の複数の時点での1つのピクセルの累積電荷量、等の、)どのような複数の累積電荷量を対象として、平均、分散等の、どのような統計をとることにより電荷量統計閾値が決定されるのかについて、何ら具体的な記載や示唆がなされておらず、当業者がその実施ができる程度に明確かつ十分に記載されていない。

出願人は意見書において、段落0033,図3の記載から、駆動電荷量を決定すると、電荷量統計閾値を決定することができる旨主張しているが、

段落0033に「一実施例における駆動電荷量、累積発光時間、電荷量統計閾値、累積電荷量の間の対応関係を示している。図3に示すように・・・、駆動電荷量1、2および3に対応する電荷量統計閾値は順次減少する」と記載されているように、前記記載では、電荷量統計閾値も既知の値として対応関係で定められており、電荷量統計閾値の決定についての記載とはいえないことから、前記主張は採用できない。

第4 当合議体の判断

当合議体は、以下に詳述するとおり、本願発明の「前記駆動電荷量と、前記電荷量集計閾値とを決定するステップでは、前記駆動電荷量と累積発光時間と累積電荷量との間は対応関係を有し、累積発光時間と前記駆動電荷量とに基づいて、対応する累積電荷量および電荷量集計閾値を決定し」という構成に関し、「ピクセル回路の電荷量集計閾値」の「決定」が、「累積発光時間と前記駆動電荷量とに基づいて」、具体的にどのように行われるのか明らかではないから、本願の発明の詳細な説明の記載は、本願発明について、当業者がその実施ができる程度に明確かつ十分に記載されていないと判断した。

1 本願発明の構成

本願発明の構成として、以下では、本願発明1を例にとり、その構成について検討したものであるが、本願発明2~14についても同様である。

(1) 3つのステップ

本願発明1は、「ピクセル回路を含み、ピクセル回路に電荷が供給され」る「有機発光ダイオードディスプレイ」に適用される「表示制御方法」の発明であるところ、本願発明1の「表示制御方法」は、次の3つのステップA~Cを含むものであり、「電荷量集計閾値」の「決定」は、ステップAにおいて行われるものである。

<ステップA:駆動電荷量・電荷量集計閾値決定ステップ>

「現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量と、前記ピクセル回路の各コンデンサの累積電荷量を集計し始めるようにトリガするために用いられる前記ピクセル回路の電荷量集計閾値とを決定するステップ」

<ステップB:駆動電荷量調整ステップ>

「前記駆動電荷量が前記電荷量集計閾値より小さい場合、前記現在のピクセルを表示するように駆動する駆動電荷量を調整するステップ」

<ステップC:表示駆動ステップ>

「前記駆動電荷量が前記電荷量集計閾値より大きい場合、前記ピクセル回路の累積電荷量を集計して、前記駆動電荷量に基づいて前記現在のピクセルを表示するように駆動するステップ」

(2) ステップA

上記3つのステップのうち、ステップA(駆動電荷量・電荷量集計閾値決定ステップ)は、次の3つの構成を含むものである。

<構成A-1>

「現在表示されることになるピクセル輝度に基づいて、前記駆動電荷量を決定」すること

<構成A-2>

「前記駆動電荷量と累積発光時間と累積電荷量との間は対応関係を有し、累積発光時間と前記駆動電荷量とに基づいて、対応する累積電荷量および電荷量集計閾値を決定」すること

<構成A-3>

「前記ピクセル回路の累積電荷量は、記録機能を有する画像データ処理チップまたは表示駆動チップを介して集計」すること

2 「電荷量集計閾値」の「決定」について

(1) 構成A-2は、

「ピクセル回路の各コンデンサの累積電荷量を集計し始めるようにトリガするために用いられる」「ピクセル回路の電荷量集計閾値」の「決定」について、

「前記駆動電荷量と累積発光時間と累積電荷量との間は対応関係を有する」とした上で、

「累積発光時間と前記駆動電荷量とに基づいて」、

「電荷量集計閾値を決定」することを含むものである。

(2) 他方、構成A-2は、「対応する累積電荷量および電荷量集計閾値を決定」するとしているから、「電荷量集計閾値」の「決定」とともに、「対応する累積電荷量」も「決定」することを特定しているが、そもそも「電荷量集計閾値」は、「ピクセル回路の各コンデンサの累積電荷量を集計し始めるようにトリガするために用いられる」ものであるから、「累積電荷量」の「集計」の開始前に「電荷量集計閾値」は「決定」されていなければならないのは明らかであって、「電荷量集計閾値」の「決定」は、「累積電荷量」の「決定」に先行すべきものである。

(3) そうすると、「対応する累積電荷量および電荷量集計閾値」として、あたかも同時に「決定」されるように特定した構成A-2に関して、少なくとも「電荷量集計閾値」がどのように「決定」されるのか、本願の明細書の発明の詳細な説明の記載に基づいて検討する必要がある。

3 発明の詳細な説明に記載された事項

「電荷量集計閾値」の「決定」に関して、本願の発明の詳細な説明には、図面とともに以下の記載がある。

下線は当合議体によるものであり、以下同様である。

(1) 【0002】~【0003】

「【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)は有機エレクトロルミネッセンス、有機発光半導体とも呼ばれる。OLEDは電流型の有機発光素子であり、キャリアの注入および結合によって発光現象を発生させ、発光強度と注入された電流の大きさとは比例する。OLED表示技術は駆動方式によってパッシブ(パッシブマトリクスpassive matrix、即ちPM-OLED)およびアクティブ(アクティブマトリクスactive matrix、即ちAMOLED)という2つの種類に分けられる。AM(アクティブマトリックス、アクティブマトリックスとも呼ばれる)は、背後のピクセルアドレッシング技術を指す。AMOLEDは、現在の表示装置において幅広く応用されている主流のデバイスであり、当該AMOLEDは主にエレクトロルミネッセンス(Electro-Luminescence、EL)層、制御回路、および他の層で構成され、制御回路の部品にはプロセス欠陥が存在しており、ディスプレイ動作時に、当該欠陥によって電荷が制御回路内に累積し、電荷が即時に放出できず、累積値が高すぎると表示画面に一時的な残像が生成し、ユーザの使用体験に影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
関連技術に存在する課題を解決するために、本開示は表示制御方法、表示制御装置およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。」

(2) 【0025】~【0036】、【図1】~【図3】

「【0025】
関連技術において、AMOLEDは有機物発光体を基礎としており、単一のピクセル光源を放出する発光ユニットを制御する数千~数万個のトランジスタを特定の形態でスクリーンの基板に配置することができ、電圧が印加されると、ピクセルに対応する光を放出することができる。発光ユニットを制御するトランジスタはピクセルデータ薄膜トランジスタ(Date thin film transistor、DTFT)を含んでも良い。単一ピクセル光源は赤、緑または青のうちの任意のピクセル光源を含んでも良い。AMOLED表示パネルを用いてピクセルを表示する場合、ピクセルを表示するようにDTFTを駆動する駆動電荷量を調整することによって、異なる輝度を表示するピクセルを調整することができる。実際の応用では、AMOLEDパネル表示技術は、スキャン信号(行駆動信号)およびデータ信号(列駆動信号)を用いてピクセル回路を制御して、ピクセル回路内の陰極と陽極との間の発光層がキャリアによって励起して発光するものである。ピクセル回路はDTFT内に位置する。ディスプレイ発光の過程では、ピクセル回路は表示する必要のあるピクセルに応じて、当該ピクセルを表示するように駆動する電荷を生成し、当該ピクセルの表示に伴い、生成された電荷量が消費される。ディスプレイの長時間使用に伴い、データ信号に対応するピクセル回路内のMOSチューブは回路動作時間の長さの増加によってグリッドの電気的特性を引き起こして、一時的なオフセットを生成し、更新され続けるデータ信号値の一定の時間内に電圧によって駆動されるキャリアの大きさにも偏りが生じるため、一部のキャリアがピクセル回路内のコンデンサに流れ込んで、累積電荷量を生成する。累積電荷量の存在により、当該ピクセルを再び駆動する場合、ピクセル回路内の駆動電荷量が必要な電荷量より大きく、ピクセルの表示輝度が明るすぎて、一時的な残影という現象が発生し、即ち、ヒステリシス効果が生じ、ユーザの視覚効果体験に影響を与える。
【0026】
本開示において、表示制御方法を提供し、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量、およびピクセル回路の累積電荷量を統計し始めるようにトリガする電荷量統計閾値に基づいて、現在ピクセルを表示するように駆動するために必要な電荷量を調整し、調整された電荷量に基づいて、現在のピクセルを表示するように駆動することによって、ヒステリシス効果による一時的な残像がユーザに与える視覚的影響を改善し、従ってユーザの視覚体験を向上させる。
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【0027】
図1は例示的な一実施例によって示される表示制御方法に係るフローチャートである。図1に示すように、表示制御方法は、有機発光ダイオードディスプレイに適用され、有機発光ダイオードディスプレイはピクセル回路を含み、以下のステップS11乃至ステップS12を含む。
【0028】
ステップS11において、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量と、ピクセル回路の電荷量統計閾値とを決定する。
【0029】
本開示の実施例において、OLEDディスプレイにおいて、ピクセル表示の輝度はDTFT内の駆動電荷量によって決定される。ピクセル回路内の駆動電荷量の多少は、MOSチューブのグリッド端に印加される電圧の大小に関連する。印加される電圧が大きければ大きいほど、駆動電荷量が多く、生成された電流が多く、発光ユニットを制御するトランジスタが放出する光の強度が高い。輝度の相違により、必要とされる駆動電荷量も異なる。現在表示されることになるピクセル輝度に基づいて、当該現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量を決定することができる。
【0030】
DTFTにおいて、ピクセル回路の累積電荷量は、発光ユニットを制御するトランジスタの使用時間(累積発光時間)と関連する。ピクセル回路において、特定の駆動電荷量に対して、累積電荷量と累積発光時間とは線形関係を呈し、累積発光時間の増加とともに、ピクセル回路の累積電荷量も増加し続ける。異なる駆動電荷量を用いて同じピクセルを表示するように駆動する場合、ピクセル回路の累積電荷量と累積発光時間との間に現れる線形関係も異なる。同じ時に、駆動電荷量が多ければ多いほど、対応して累積する電荷量が多い。例えば、図2に示すように、1、2、3(1>2>3)はそれぞれ異なる駆動電荷量を表し、同じ時に、1の累積した電荷量は最も多く、その次は2、最後は3である。しかしDTFT自身の使用特性により、DTFTの累積発光時間が一定の時間を超えると、ピクセルを表示するように駆動することによって電荷量が放出される速度は、当該ピクセルを表示するように駆動する電荷量を取得する速度より低くなり、ピクセル回路の累積電荷量は限られた時間内に、累積した電荷を即時に放出することができない。ピクセル回路の長時間動作により、ピクセル回路内のMOSチューブグリッド端において励起して生成した電荷量の一部が次第にピクセル回路のコンデンサに累積し、コンデンサ充電の現象をもたらす。この時、当該ピクセルを表示する輝度を下げるまたは一時停止すると、ピクセル回路の取得する駆動電荷量が急激に減少し、DTFTは、表示するように駆動するために必要な電荷量以外に、即時に放出されずにピクセル回路に累積した電荷量をさらに含むため、この際のピクセルの輝度は、表示する必要のある輝度より高く、従ってヒステリシス効果を生成し、一時的な残像という現象が発生する。
【0031】
ピクセル回路の累積電荷量が累積し続けているが、電圧が小さい(駆動電荷量が少ない、または輝度が低いと理解してもよい)場合、ピクセル回路の累積電荷量が少なく、ヒステリシス効果の発生への影響は小さく、累積電荷量を統計しなくても良い。しかしながら、電圧が大きい(駆動電荷量が多い、または輝度が高いと理解してもよい)場合、一定時間表示するように大きい電圧でピクセルを駆動した後に輝度が低下し、スクリーンにヒステリシス効果が発生する可能性が高く、ヒステリシス効果の発生を回避するように、累積電荷量の統計を行う必要がある。本開示の実施例において、パネルの特性に基づいて、特定の輝度で指定された時間表示するように、特定の駆動電荷量でピクセルを駆動した後、スクリーンが暗くなってヒステリシスが発生すると、ピクセル回路内の累積電荷量を対応して統計し、統計された電荷量の値は電荷量統計閾値と呼ばれる。
【0032】
本開示の実施例において、DTFTによる表示をより容易にし、長時間使用によるヒステリシス効果という現象の発生を減少させるために、DTFTの使用特性を利用して、ピクセル回路の電荷量統計閾値を決定することができる。電荷量統計閾値は、ピクセル回路の累積電荷量を統計し始めるようにピクセル回路をトリガするものとして理解することができる。さらに、特定のピクセルを表示するように駆動する駆動電荷量が電荷量統計閾値を超えている場合、ピクセル回路の累積電荷量を統計し始めると理解してもよい。異なるメーカが製造した異なるパネルに対応する電荷量統計閾値は異なるものであってもよい。
【0033】
さらに、異なる駆動電荷量に対応する電荷量統計閾値も異なる。通常、駆動電荷量が多ければ多いほど、累積電荷量を統計し始めるようにトリガする時間が短く、駆動電荷量が少なければ少ないほど、累積電荷量を統計し始めるようにトリガする時間が長い。図3は、本開示の例示的な一実施例における駆動電荷量、累積発光時間、電荷量統計閾値、累積電荷量の間の対応関係を示している。図3に示すように、1、2、3(1>2>3)は異なる駆動電荷量をそれぞれ表し、駆動電荷量1、2および3に対応する電荷量統計閾値は順次減少する。
【0034】
ステップS12において、駆動電荷量が電荷量統計閾値より小さい場合、現在のピクセルを表示するように駆動する電荷量を調整する。
【0035】
本開示の実施例において、ピクセル回路の累積電荷量はOLED発光時間とともに、増加し続けるまたは放出され続ける。現在のピクセルの表示効果を確保するために、当該現在のピクセルを表示するように駆動する前、当該現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な電荷量を電荷量統計閾値と比較することによって、当該必要な駆動電荷量を用いる場合、ピクセル回路の累積電荷量の統計をトリガするか否かを決定する。現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量が電荷量統計閾値より多い場合、当該現在のピクセルに必要な駆動電荷量を用いて表示するように駆動する際に、ピクセル回路はより高い輝度で表示し、ピクセル回路の累積電荷量が、当該現在のピクセルを表示するように駆動することに影響せず、ヒステリシス効果も発生しない。そのため、駆動電荷量が電荷量統計閾値を超えている場合、駆動電荷量を調整せずに、駆動電荷量を保持したままで現在のピクセルを表示するように駆動し、ピクセル回路の累積電荷量を統計に取り入れる。現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量が当該電荷量統計閾値より少ない場合、当該現在のピクセルに必要な駆動電荷量を用いて表示するように駆動する際に、ピクセル回路はより低い輝度で表示し、ピクセル回路の累積電荷量はヒステリシス効果の発生をもたらし、従って現在のピクセルの正常な表示に影響する。そのため、駆動電荷量が電荷量統計閾値より少ない場合、ピクセル回路の累積電荷量を統計せずに、ピクセル回路の現在累積した電荷量の一部の電荷量を放出し、一部の電荷量が放出された後の電荷量に基づいて、現在のピクセルを表示するように駆動する電荷量を調整することによって、当該現在のピクセルが正常に表示できるように確保する。
【0036】
なお、本開示の実施例では、ピクセル回路の累積電荷量は、記録機能を有する画像データ処理チップまたは表示駆動チップを介して統計することができる。本開示の実施例の記録機能を有する画像データ処理チップまたは表示駆動チップは累積電荷量を統計することができる。駆動電荷量と累積発光時間と累積電荷量との間は対応関係を有し、累積発光時間、駆動電荷量に基づいて、対応する累積電荷量および電荷量統計閾値を検査することができる。駆動電荷量が電荷量統計閾値を超えている場合、累積電荷量を統計する。駆動電荷量が電荷量統計閾値を超えていない場合、累積電荷量を統計しない。」
「【図1】
[図:0001409692000001.jpg]
」
「【図2】
[図:0001409692000002.jpg]
」
「【図3】
[図:0001409692000003.jpg]
」

(3) 【0037】~【0042】、【図4】

「【0037】
同じ考えに基づいて、本開示の実施例は表示制御方法をさらに提供する。当該表示制御方法によって、現在表示するように駆動するために必要な電荷量を用いて表示するように駆動すると、ヒステリシス効果が発生するか否かを判断して、表示するように駆動する電荷量を調整する必要があるか否か、および当該必要な電荷量を累積した発光電荷総量の統計に取り入れる必要があるか否かを決定する。
【0038】
図4は例示的な一実施例によって示される他の表示制御方法に係るフローチャートであり、図4に示すように、表示制御方法はステップS21乃至ステップS23を含む。
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【0039】
ステップS21において、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量と、ピクセル回路の電荷量統計閾値とを決定する。
【0040】
ステップS22において、駆動電荷量が電荷量統計閾値より小さい場合、現在のピクセルを表示するように駆動する電荷量を調整する。
【0041】
ステップS23において、駆動電荷量が電荷量統計閾値より大きい場合、ピクセル回路の累積電荷量を統計して、駆動電荷量に基づいて現在のピクセルを表示するように駆動する。
【0042】
本開示の実施例において、駆動電荷量と電荷量統計閾値との間の比較に基づいて、駆動電荷量が電荷量統計閾値より大きいことが決定された場合、ピクセル回路の累積電荷量を統計して、必要とされる駆動電荷量を直接用いて現在のピクセルを表示するように駆動する。」
「【図4】
[図:0001409692000004.jpg]
」

(4) 【0043】~【0052】、【図5】~【図6】

「【0043】
同じ考えに基づいて、本開示の実施例は表示制御方法をさらに提供する。現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量が電荷量統計閾値より小さい場合、ピクセル回路の現在累積した電荷量に基づいて、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な電荷量を調整し、ヒステリシス効果の発生を回避または緩和する。
【0044】
図5は例示的な一実施例によって示される更なる表示制御方法に係るフローチャートであり、図5に示すように、表示制御方法はステップS31乃至ステップS33を含む。
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【0045】
ステップS31において、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量と、ピクセル回路の電荷量統計閾値とを決定する。
【0046】
ステップS32において、駆動電荷量が電荷量統計閾値より小さい場合、ピクセル回路の累積電荷量を統計せずに、ピクセル回路の現在放出された電荷量を統計する。
【0047】
本開示の実施例において、駆動電荷量と電荷量統計閾値との間の比較に基づいて、駆動電荷量が電荷量統計閾値より小さいことが決定された場合、この際に現在のピクセルの表示輝度が低いことが表明され、現在のピクセル回路に累積した電荷量を放出する。現在のピクセル回路の累積電荷量の一部が放出された後の残留電荷量を確定することに役立つために、現在のピクセル回路の現在放出された電荷量を統計する必要があり、従って表示するように駆動するための電荷を調整するか否かを決定することに役立つ。
【0048】
ピクセル回路において、放出された電荷量と累積発光時間とは線形関係を呈し、ピクセル回路の動作時間の増加とともに、放出された電荷量は次第に減少する。異なる駆動電荷量を用いて同じピクセルを表示するように駆動する場合、ピクセル回路の累積電荷量と累積発光時間との間に現れる線形関係は異なる。同じ時に、駆動電荷量が多ければ多いほど、対応して放出された電荷量が多い。例えば、図6は例示的な一実施例によって示される駆動電荷量、累積発光時間、放出された電荷量の対応関係に係る概略図である。図6に示すように、4、5、6(4>5>6)は異なる駆動電荷量をそれぞれ表す。同じ時に、4の放出された電荷量が最も多く、その次は5、最後は6である。当該線形関係により、ピクセル回路において、累積した電荷量の各時点で放出された電荷量を決定することができる。それによって、ピクセル回路の現在放出された電荷量を統計する際に、放出された電荷量と累積発光時間との間の対応関係に基づいて決定することができる。
【0049】
ステップS33において、ピクセル回路の放出された電荷量に基づいて、ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量を決定する。
【0050】
本開示の実施例において、記録機能を有する画像データ処理チップまたは表示駆動チップには、駆動電荷量と累積発光時間と累積電荷量との間の対応関係と、駆動電荷量、累積発光時間および放出された電荷量の間の対応関係とが記録されているため、駆動電荷量と累積発光時間と累積電荷量との間の対応関係に基づいて、現在のピクセルの駆動電荷量に対応する現在累積した電荷量を決定する。駆動電荷量、累積発光時間および放出された電荷量の間の対応関係に基づいて、現在のピクセルの駆動電荷量に対応する現在放出された電荷量を決定する。現在累積した電荷量と現在放出された電荷量との差を、ピクセル回路の一部の電荷量が放出された後の電荷量とする。
【0051】
ステップS34において、ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量に基づいて、現在のピクセルを表示するように駆動する電荷量を調整する。
【0052】
本開示の実施例において、ピクセル回路において、一部の電荷量が放出された後の電荷量は、現在のピクセルを表示するように駆動する際の輝度に影響を与える。一部の電荷量が放出された後の電荷量は、異なる輝度で表示するピクセルに生成された残像が人の目に与える感覚も異なる。ピクセル回路において、電荷量放出後の電荷量が小さいまたはゼロに近い場合、必要とされる駆動電荷量に合わせて表示するように駆動する際に、残像が生成されにくく、または生成された残像が人の目によって知覚されにくく、後続のピクセル回路における電荷量の継続的な放出によって残像を素早く消去することができ、ピクセル回路自身の電荷量放出特性に基づいて調整するだけでよく、現在のピクセルを表示するように駆動する電荷量を調整する必要がなく、計算コストの削減に役立つ。ピクセル回路において電荷量放出後の電荷量が多すぎる場合、ピクセル回路自身の電荷量放出だけでは、現在のピクセルによる正常な表示という要件を達成できない可能性があることが表明されるため、現在のピクセルを表示するように駆動する電荷量を調整する必要があり、それによって一時的な残像を緩和または消去するという目的を達成する。現在のピクセルを表示するように駆動する電荷量は、ピクセル回路に残された電荷量の調整、必要とされる駆動電荷量の調整、またはピクセル回路に残された電荷量と必要とされる駆動電荷量との調整を含んでも良い。」
「【図5】
[図:0001409692000005.jpg]
」
「【図6】
[図:0001409692000006.jpg]
」

(5) 【0053】~【0061】、【図7】

「【0053】
図7は、例示的な一実施例によって示される更なる表示制御方法に係るフローチャートであり、図7に示すように、表示制御方法はステップS41乃至ステップS45を含む。
【0054】
ステップS41において、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量と、ピクセル回路の電荷量統計閾値とを決定する。
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【0055】
ステップS42において、駆動電荷量が電荷量統計閾値より小さい場合、ピクセル回路の累積電荷量を統計せずに、ピクセル回路の現在放出された電荷量を統計する。
【0056】
ステップS43において、ピクセル回路の放出された電荷量に基づいて、ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量を決定する。
【0057】
ステップS44において、ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量および電荷量補償閾値に基づいて、駆動電荷量を補償する。
【0058】
本開示の実施例において、電荷量補償閾値が、人の目をピクセル回路に生成された残像を知覚するようにトリガする際に対応する累積電荷量として理解することができる。ピクセル回路の一部の電荷量が放出された後の電荷量はヒステリシス効果の発生をもたらす。しかし、一部の電荷量が放出された後の電荷量は異なり、異なる輝度で表示するピクセルに生成された残像が人の目に与える感覚も異なる。本開示の実施例において、同じピクセルに対して、異なる輝度において異なる電荷量補償閾値を設定する。本開示の実施例は複数の実験に基づいて、異なる輝度(駆動電荷量)に対する異なる電荷量補償閾値を得ることができる。駆動電荷量を修正する際に、現在必要とされる輝度に基づいて対応する電荷量補償閾値を決定することができ、ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量および電荷量補償閾値に基づいて、駆動電荷量を補償して、ヒステリシス効果の発生によって人の目が残像を知覚することを回避する。
【0059】
一実施形態では、ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量が電荷量補償閾値より大きい場合、現在のピクセル回路に残された電荷量に基づいて、必要とされる駆動電荷量に合わせて現在のピクセルを表示するように駆動することが表明され、対応して表示される輝度は人の目によって知覚されやすく、ユーザの使用に影響を与えるため、駆動電荷量を補償したり、現在のピクセルを表示するように駆動する電荷量を調整したりする必要がある。異なる駆動電荷量に基づいて、対応する電荷量の補償閾値も異なる。
【0060】
ステップS44において、補償された駆動電荷量に基づいて現在のピクセルを表示するように駆動する。
【0061】
本開示の実施例において、電荷量を補償する際に、駆動電荷量に対応する電荷量補償閾値、およびピクセル回路の一部の電荷量が放出された後の残留電荷量に基づいて、駆動電荷量を補償することができ、補償された駆動電荷量を用いて当該現在のピクセルを表示するように駆動する。例えば、電荷量統計閾値が60クーロン、現在駆動電荷量が50クーロンである場合、現在のピクセル回路の放出された電荷量を統計する。駆動電荷量と累積発光時間と累積電荷量との間の対応関係に基づいて、現在のピクセル回路において当該駆動電荷量に対して現在累積した電荷量が20クーロンである。駆動電荷量、累積発光時間および放出された電荷量の間の対応関係に基づいて、現在のピクセル回路の駆動電荷量に対応する、現在放出された電荷量が1クーロンであると決定すると、この時のピクセル回路の一部の電荷量が放出された後の残留電荷量が20-1=19クーロンである。この際に、現在の駆動電荷量に対する電荷量補償閾値が15クーロンである場合、残された電荷量が電荷量補償閾値より大きく、輝度が人の目の視覚に与える影響を低減するために、駆動電荷量を補償し、補償後の電荷量が50-(20-1)=31クーロンである。ピクセル回路の駆動電荷量を50クーロンから31クーロンに修正し、31クーロンを用いて現在のピクセルを駆動して、ヒステリシス効果による影響を除去する。」
「【図7】
[図:0001409692000007.jpg]
」

(6) 【0062】~【0067】、【図8】

「【0062】
図8は、例示的な一実施例によって示される更なる表示制御方法に係るフローチャートであり、図8に示すように、表示制御方法はステップS51乃至ステップS55を含む。
【0063】
ステップS51において、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量と、ピクセル回路の電荷量統計閾値とを決定する。
続きを表示(全12行)
【0064】
ステップS52において、駆動電荷量が電荷量統計閾値より小さい場合、ピクセル回路の累積電荷量を統計せずに、ピクセル回路の現在放出された電荷量を統計する。
【0065】
ステップS53において、ピクセル回路の放出された電荷量に基づいて、ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量を決定する。
【0066】
ステップS54において、ピクセル回路の一部の電荷量が放出された後の電荷量が電荷量補償閾値より小さい場合、駆動電荷量に基づいて現在のピクセルを表示するように駆動する。
【0067】
本開示の実施例において、ピクセル回路の一部の電荷量が放出された後の電荷量が電荷量補償閾値より小さいことにより、必要とされる駆動電荷量を用いて表示するように駆動する場合に、ヒステリシス効果が発生するが、形成された一時的な残像が人の目の視覚の許容範囲内であり、ユーザの視覚体験に大きな影響を与えない。そのため、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な電荷量を調整する必要はない。」
「【図8】
[図:0001409692000008.jpg]
」

(7) 【0068】~【0084】、【図9】

「【0068】
本開示の実施例は以下、一例と組み合わせて本開示の実施例に係る表示制御方法の作業プロセスを詳しく説明する。
【0069】
図9は、1つの例示的な実施シーンによって示される表示制御の作業フローチャートである。図9に示すように、ステップS61乃至ステップS66を含む。
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【0070】
ステップS61において、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量を決定する。
【0071】
本開示の実施例において、記録機能を有する画像データ処理チップまたは表示駆動チップを介して現在表示する必要がある画面を決定する。スキャン信号(行駆動信号)およびデータ信号(列駆動信号)を用いてピクセル回路を制御し、現在の画面内のすべてのピクセルを1つずつ取得することによって、AMOLEDパネルを介して現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量を決定する。
【0072】
ステップS62において、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量が電荷量統計閾値を超えているか否かを判断する。
【0073】
本開示の実施例において、決定された現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量と電荷量統計閾値とを判断し、ピクセル回路の累積電荷量を統計するようにピクセル回路がトリガされるか否かを決定する。駆動電荷量が電荷量統計閾値を超えている場合、ステップS531を実行し、必要とされる駆動電荷量を統計に取り入れ、当該必要とされる駆動電荷量を調整せずに、現在のピクセルに必要な駆動電荷量で表示するように駆動する。電荷量統計閾値を超えていない場合、ステップS532を実行し、視覚への影響を改善するように、現在のピクセルを表示するように駆動する電荷量を補償する必要があるか否かをさらに判断する。
【0074】
ステップS631において、駆動電荷量が電荷量統計閾値を超えている場合、累積電荷量を統計する。
【0075】
本開示の実施例において、駆動電荷量が電荷量統計閾値を超えている場合、ピクセル回路の累積電荷量を統計し始めるようにトリガして、必要とされる駆動電荷量を用いて表示するように駆動するだけでよい。
【0076】
ステップS632において、駆動電荷量が電荷量統計閾値より小さい場合、累積電荷量を統計せずに、ピクセル回路の現在累積した電荷量のうちの一部の電荷量を放出する。
【0077】
本開示の実施例において、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量が当該電荷量統計閾値より小さい場合、累積電荷量を統計に取り入れずに、ピクセル回路の現在累積した電荷量の一部を放出する。
【0078】
ステップS64において、電荷量放出後の電荷量が電荷量補償閾値を超えているか否かを判断する。
【0079】
本開示の実施例において、電荷量放出後の電荷量と電荷量補償閾値とを比較することにより、この際にDTFTが必要な駆動電荷量を直接用いて駆動することによって生成された一時的な残像がユーザの視覚効果に影響を与えるか否かを判断でき、従って現在のピクセルを表示するように駆動する電荷量を適切に調整して、一時的な残像という現象を改善または消去する。ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量が電荷量補償閾値より大きい場合、生成された一時的な残像がユーザの視覚効果に影響を与え、ステップS55を実行する。ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量が電荷量補償閾値より小さい場合、一時的な残像が生成されるにもかかわらず、ユーザの視覚効果に影響しないことが表明され、必要とされる電荷量を調整する必要はない。
【0080】
ステップS65において、電荷量放出後の電荷量に基づいて、現在のピクセルを表示するように駆動する電荷量を調整する。
【0081】
本開示の実施例において、ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量が電荷量補償閾値より大きい場合、必要とされる駆動電荷量に基づいて表示するように駆動することによって生成された一時的な残像がより目立ち、ユーザの視覚効果に影響を与える。そのため、ピクセル回路の現在累積した電荷量の一部を放出すると同時に、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量を適切に調整し、調整された駆動電荷量が、電荷量放出後の電荷量と組み合わせて現在のピクセルを駆動すると、本来必要とされる駆動電荷量になる。ピクセル回路に累積した未放出の電荷量によって生成された一時的な残像という現象を有効時間内に素早く軽減または消去することができる。
【0082】
ステップS66において、現在のピクセルを表示する。
【0083】
一例において、T1時刻の駆動電荷量が0、累積電荷量が0であるとする。T2時刻の駆動電荷量が255クーロン、電荷量統計閾値が100クーロン、累積電荷量が10クーロンであり、駆動電荷量の255クーロンが電荷量統計閾値の100クーロンより大きい場合、累積電荷量を統計する必要があり、現在統計された累積電荷量が10クーロンである。T3時刻の駆動電荷量が255クーロン、電荷量統計閾値が100クーロン、累積電荷量が10クーロンであるため、T3時刻に、駆動電荷量の255クーロンが電荷量統計閾値の100クーロンより大きいことによって、累積電荷量を統計する必要があり、統計された累積電荷量が10+10=20クーロンである。T4時刻の駆動電荷量が30クーロン、電荷量統計閾値が50クーロンであるため、T4時刻に、駆動電荷量の30クーロンが電荷量統計閾値の50クーロンより小さいことによって、累積電荷量を統計する必要がなく、すでに放出された電荷量を統計し、放出された電荷量が1であるとすると、電荷量放出後の電荷量が20-1=19クーロンである。電荷量補償閾値が5クーロンであるとすると、電荷量放出後の電荷量の19クーロンが電荷量補償閾値の5クーロンより大きいため、駆動電荷量の30クーロンを補償する必要がある。補償した電荷量が30-(20-1)=11クーロンである、補償した電荷量の11クーロンを用いて現在のピクセルを表示するように駆動すると、30クーロンの駆動電荷量の表示効果を実現することができる。T5時刻の駆動電荷量が30クーロン、電荷量統計閾値が50クーロンであるため、T5時刻に、駆動電荷量の30クーロンが電荷量統計閾値の50クーロンより小さいことによって、累積電荷量を統計する必要がなく、放出された電荷量を統計し、放出された電荷量が1であるとすると、電荷量放出後の電荷量が20-1-1=18クーロンである。電荷量補償閾値が5クーロンであるとすると、電荷量放出後の電荷量の18クーロンが電荷量補償閾値の5クーロンより大きいため、駆動電荷量の30クーロンを補償する必要がある。補償した電荷量が30-(20-1-1)=12クーロンであり、補償した12クーロンの電荷量を用いて、T5時刻に現在のピクセルを表示するように駆動すると、30クーロンの駆動電荷量の表示効果を実現することができる。
【0084】
本開示の実施例が提供する表示制御方法は、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量、およびピクセル回路の累積電荷量を統計し始めるようにトリガする電荷量統計閾値に基づいて、現在表示するように駆動するための電荷量を調整することができ、調整された電荷量に基づいて、現在のピクセルを表示するように駆動することによって、ヒステリシス効果による一時的な残像がユーザに与える視覚的影響を改善して、ユーザの視覚体験を向上させる。」
「【図9】
[図:0001409692000009.jpg]
」

(8) 【0085】~【0096】、【図10】

「【0085】
同じ考えに基づいて、本開示の実施例は表示制御装置をさらに提供する。
【0086】
なお、本開示の実施例が提供する表示制御装置は上記機能を実現するために、各機能に対応するハードウェア構造および/またはソフトウェアモジュールを含む。本開示の実施例で開示された各例のユニットおよびアルゴリズムステップと併せて、本開示の実施例はハードウェアまたはハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組み合わせという形態で実現することができる。特定の機能はハードウェアの形態で実行するか、またはコンピュータソフトウェアでハードウェアを駆動する形態で実行するかは、技術案の特定の適用および設計上の制約条件によって決定される。当業者であれば、特定の適用ごとに異なる方法を用いて説明された機能を実現できるが、このような実現は本開示の実施例の技術案の範囲を超えるものとして見なすべきではない。
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【0087】
図10は例示的な一実施例によって示される表示制御装置に係るブロック図である。表示制御装置は有機発光ダイオードディスプレイに適用され、有機発光ダイオードディスプレイはピクセル回路を含む。図10に示すように、当該表示制御装置100は決定ユニット101および調整ユニット102を含む。
【0088】
決定ユニット101は、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量と、ピクセル回路の電荷量統計閾値とを決定することに用いられ、電荷量統計閾値は、ピクセル回路の累積電荷量を統計し始めるようにトリガするために用いられる。
【0089】
調整ユニット102は、駆動電荷量が電荷量統計閾値より小さい場合、現在のピクセルを表示するように駆動する電荷量を調整することに用いられる。
【0090】
一実施例において、駆動電荷量が電荷量統計閾値より大きい場合、調整ユニット102は、さらに、ピクセル回路の累積電荷量を統計して、駆動電荷量に基づいて現在のピクセルを表示するように駆動することに用いられる。
【0091】
他の実施例において、駆動電荷量が電荷量統計閾値より小さい場合、調整ユニット102は、さらに、ピクセル回路の累積電荷量を統計せずに、ピクセル回路の現在放出された電荷量を統計することに用いられ、決定ユニット101は、さらに、ピクセル回路の放出された電荷量に基づいて、ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量を決定することに用いられ、調整ユニット102は、ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量に基づいて、現在のピクセルを表示するように駆動する電荷量を調整するという方法を用いて、現在のピクセルを表示するように駆動する電荷量を調整する。
【0092】
更なる一実施例において、調整ユニット102は、ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量が電荷量補償閾値より大きい場合、駆動電荷量を補償し、補償された駆動電荷量に基づいて現在のピクセルを表示するように駆動するという方法を用いて、ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量に基づいて、現在のピクセルを表示するように駆動する電荷量を調整し、電荷量補償閾値が、人の目をピクセル回路に生成された残像を知覚するようにトリガする際に対応する累積電荷量である。
【0093】
更なる一実施例において、調整ユニット102は、駆動電荷量と、ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量との間の差を、補償された駆動電荷量とするという方法を用いて、駆動電荷量を補償する。
【0094】
更なる一実施例において、ピクセル回路の一部の電荷量が放出された後の電荷量が電荷量補償閾値より小さい場合、調整ユニット102は、さらに、駆動電荷量に基づいて現在のピクセルを表示するように駆動することに用いられる。
【0095】
更なる一実施例において、決定ユニット101、駆動電荷量と累積発光時間と累積電荷量との間の対応関係に基づいて、駆動電荷量に対応する現在累積した電荷量を決定し、駆動電荷量、累積発光時間および放出された電荷量の間の対応関係に基づいて、駆動電荷量に対応する現在放出された電荷量を決定し、現在累積した電荷量と現在放出された電荷量との差を、ピクセル回路の一部の電荷量が放出された後の電荷量とするという方法を用いて、ピクセル回路の放出された電荷量に基づいて、ピクセル回路の電荷量放出後の電荷量を決定する。
【0096】
上記実施例の装置について、各モジュールが操作を実行する具体的な形態は当該方法に関連する実施例において詳しく説明したため、ここでは詳しい説明は省略する。」
「【図10】
[図:0001409692000010.jpg]
」

(9) 【0097】~【0109】、【図11】

「【0097】
図11は例示的な一実施例によって示される表示制御用の装置200に係るブロック図である。例えば、装置200は携帯電話、コンピュータ、デジタル放送端末、送受信機、ゲーム機、タブレットデバイス、医療機器、フィットネス機器、携帯情報端末などであってもよい。
【0098】
図11に示すように、装置200は、処理コンポーネント202、メモリ204、電源コンポーネント206、マルチメディアコンポーネント208、オーディオコンポーネント210、入力/出力(I/O)のインターフェース212、センサコンポーネント214、および通信コンポーネント216のうちの1つ又は複数の部品を含んでも良い。
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【0099】
処理コンポーネント202は通常、装置200全般の操作、例えば表示、電話の呼び出し、データ通信、カメラ操作及び記録操作に関連する操作を制御する。処理コンポーネント202は、上記方法の全部又は一部のステップを完成するように、命令を実行する1つ又は複数のプロセッサ220を含んでも良い。また、処理コンポーネント202は、他のモジュールとの間のインタラクションを容易にするように、1つ又は複数のモジュールを含んでも良い。例えば、処理コンポーネント202は、マルチメディアコンポーネント208との間のインタラクションを容易にするように、マルチメディアモジュールを含んでも良い。
【0100】
メモリ204は装置200での操作をサポートするために、様々な種類のデータを記憶するように構成されている。これらのデータの例は、装置200で操作されるあらゆるアプリケーション又は方法に用いられる命令、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、画像、ビデオなどを含む。メモリ204は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク又は光ディスクのようなあらゆる種類の揮発性メモリ又は不揮発性メモリ又はそれらの組み合わせで実現することができる。
【0101】
電源コンポーネント206は装置200の様々な部品に電力を供給する。電源コンポーネント206は、電源管理システム、1つ又は複数の電源、及び装置200のために電力を生成、管理及び分配することに関連する他の部品を含んでも良い。
【0102】
マルチメディアコンポーネント208は、装置200とユーザとの間に1つの出力インターフェースを提供するスクリーンを含む。一部の実施例では、一部の実施例では、スクリーンは液晶ディスプレイ(LCD)とタッチパネル(TP)を含んでも良い。スクリーンは、タッチパネルを含む場合、ユーザからの入力信号を受信するために、タッチスクリーンとして具現化することができる。タッチパネルは、タッチ、スライド、及びタッチパネルにおけるジェスチャーを検出するように、1つ又は複数のタッチセンサを含む。前記タッチセンサは、タッチ操作又はスライド操作の境界を検出できるうえ、前記タッチ操作又はスライド操作に関連する持続時間と圧力を検出することもできる。一部の実施例において、マルチメディアコンポーネント208は1つのフロントカメラおよび/またはリアカメラを含む。装置200が撮影モード又はビデオモードのような動作モードにある場合、フロントカメラおよび/またはリアカメラは外部からのマルチメディアデータを受信することができる。各フロントカメラおよびリアカメラ1つの固定された光学レンズシステムであっても良いが、又は焦点距離と光学ズーム能力を有する。
【0103】
オーディオコンポーネント210は、オーディオ信号を出力及び/又は入力するように構成される。例えば、オーディオコンポーネント210は1つのマイクロフォン(MIC)を含み、装置200が通話モード、記録モード及び音声認識モードのような操作モードにある場合、マイクロフォンは、外部のオーディオ信号を受信するように構成される。受信されたオーディオ信号は、さらにメモリ204に記憶するか、又は通信コンポーネント216を介して送信することができる。一部の実施例では、オーディオコンポーネント210は、オーディオ信号を出力するための1つのスピーカをさらに含む。
【0104】
I/Oインターフェース212は、処理コンポーネント202と周辺インターフェースモジュールとの間にインターフェースを提供し、上記周辺インターフェースモジュールはキーボード、ミドルクリック、ボタンなどであってもよい。これらのボタンは、ホームボタン、音量ボタン、電源ボタン及びロックボタンを含むが、これらに限定されない。
【0105】
センサコンポーネント214は、装置200のために各側面の状態評価を提供するために、1つ又は複数のセンサを含む。例えば、センサコンポーネント214は、装置200のオン/オフ状態と、装置200のディスプレイ及びキーパッドのような部品の相対位置とを検出できるうえ、装置200又は装置200の1つの部品の位置の変化、ユーザと装置200との接触が存在するか否か、装置200の向きと位置又は加速/減速及び装置200の温度変化を検出することもできる。センサコンポーネント214は、如何なる物理的接触もない時に周辺物体の存在を検出するように構成される接近センサを含んでも良い。センサコンポーネント214は、画像形成用途で用いられている、CMOS又はCCD画像センサのような光センサをさらに含んでも良い。一部の実施例では、当該センサコンポーネント214は加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気センサ、圧力センサ又は温度センサをさらに含んでも良い。
【0106】
通信コンポーネント216は、装置200と他のデバイスとの間の有線又は無線通信を容易にするように設定されるように構成される。装置200は、通信規格に基づく無線ネットワーク、例えばWiFi、2G又は3G、又はそれらの組み合わせにアクセスすることができる。例示的な一実施例では、通信コンポーネント216はブロードキャストチャネルを介して外部ブロードキャスト管理システムからのブロードキャスト信号又はブロードキャスト関連情報を受信する。例示的な一実施例では、前記通信コンポーネント216は、近距離通信を促進するように、近距離無線通信(NFC)モジュールをさらに含む。例えば、NFCモジュールにおいて、無線周波数識別(RFID)技術、赤外線データ協会(IrDA)技術、超広帯域無線(UWB)技術、ブルートゥース(登録商標)(BT)技術及び他の技術に基づいて実現することができる。
【0107】
例示的な実施例では、装置200は、上記方法を実行するために、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ又はその他の電子部品で具現化することができる。
【0108】
例示的な実施例では、命令を含む非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば命令を含むメモリ204がさらに提供される。上記命令は、上記方法を実現するように、装置200のプロセッサ220によって実行されてもよく、前記非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体はROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、テープ、フロッピーディスク及び光学データ記憶装置などであっても良い。
【0109】
非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記記憶媒体内の命令がモバイル端末のプロセッサによって実行される場合、モバイル端末は特定の表示制御方法を実行することができる。」
「【図11】
[図:0001409692000011.jpg]
」

4 「電荷量集計閾値」の意義

本願発明の「電荷量集計閾値」の「決定」に係る実施可能要件を検討する前提として、「電荷量集計閾値」の役割について、本願発明の解決しようとする課題の観点から検討する。

なお、本願発明の「電荷量集計閾値」は、発明の詳細な説明においては、「電荷量統計閾値」として説明されているため、以下では、請求項の記載に揃えて、「電荷量統計閾値」という語句については、「電荷量集計閾値」と読み替えて論じることとする(このように読み替えることについては、審判請求書の3-1の補正の根拠の明示に係る請求人の主張を踏まえると、当然許容されるべきことである。)。

(1) 本願発明の解決しようとする課題の認定

本願発明の解決課題は、段落【0002】~【0003】の記載を踏まえると、次のとおりであると認められる。

<本願発明の解決課題>

「アクティブマトリックス方式の有機発光ダイオードディスプレイ(AMOLED)の制御回路の部品に存在するプロセス欠陥によって、ディスプレイ動作時に電荷が即時に放出されず制御回路内に累積した電荷の値(累積電荷量)が高すぎると、表示画面に一時的な残像が生成し、ユーザの使用体験に影響するという問題を解決する表示制御技術を提供すること。」

(2) 一時的残像現象に関する事項について

ア 上記解決課題における累積電荷量と一時的残像現象の関係については、段落【0025】の記載を踏まえると、以下のように整理できる。

<累積電荷量と一時的残像現象の関係>

「AMOLED表示パネルを用いてピクセルを表示する場合、ピクセルデータ薄膜トランジスタ(DTFT)を駆動する駆動電荷量を調整することによって、異なる輝度を表示するようにできるところ、
ディスプレイ発光の過程では、ピクセル回路は表示する必要のあるピクセルに応じて、当該ピクセルを表示するように駆動する電荷を生成し、当該ピクセルの表示に伴い、生成された電荷量が消費されるが、
ディスプレイの長時間使用に伴い、データ信号に対応するピクセル回路内のMOSチューブは回路動作時間の長さの増加によってグリッドの電気的特性を引き起こして、一時的なオフセットを生成し、
(当審注:「MOSチューブ」とは「MOS電界効果トランジスタ」を意味し、「グリッド」とはMOS電界効果トランジスタの「ゲート」を意味する。審判請求書の3-2-2を参照。)
更新され続けるデータ信号値の一定の時間内に電圧によって駆動されるキャリアの大きさにも偏りが生じるため、一部のキャリアがピクセル回路内のコンデンサに流れ込んで、累積電荷量が生成され、
累積電荷量の存在により、当該ピクセルを再び駆動する場合、ピクセル回路内の駆動電荷量が必要な電荷量より大きくなり、ピクセルの表示輝度が明るすぎて、一時的な残影という現象が発生し、即ち、ヒステリシス効果が生じ、ユーザの視覚効果体験に影響を与える。」

イ また、上記解決課題に関連して、駆動電荷量、累積発光時間及び累積電荷量の関係については、段落【0030】の記載を踏まえると、以下のように整理できる。

<駆動電荷量、累積発光時間及び累積電荷量の関係>

「ピクセルデータ薄膜トランジスタ(DTFT)において、ピクセル回路の累積電荷量は、発光ユニットを制御するトランジスタの使用時間(累積発光時間)と関連しており、
ピクセル回路において、特定の駆動電荷量に対して、累積電荷量と累積発光時間とは線形関係を呈し、累積発光時間の増加とともに、ピクセル回路の累積電荷量も増加し続けるが、
異なる駆動電荷量を用いて同じピクセルを表示するように駆動する場合、ピクセル回路の累積電荷量と累積発光時間との間に現れる線形関係も異なり、
同じ時に(同じ累積発光時間において)、駆動電荷量が多ければ多いほど、対応して累積する電荷量は多くなり、例えば、図2に示すように、1、2、3(1>2>3)はそれぞれ異なる駆動電荷量を表し、同じ時に(同じ累積発光時間において)、1の累積した電荷量は最も多く、その次は2、最後は3である。
【図2】
[図:0001409692000012.jpg]
」

(3) 「電荷量集計閾値」の役割について

ア 前記(1)において認定した解決課題を解決するために、本願発明は、「現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量」(以下、単に「駆動電荷量」ともいう。)と、「ピクセル回路の累積電荷量を統計し始めるようにトリガする電荷量集計閾値」に基づいて、駆動電荷量を調整し、調整された駆動電荷量に基づいて、現在のピクセルを表示するように駆動することによって、ヒステリシス効果による一時的な残像がユーザに与える視覚的影響を改善し、従ってユーザの視覚体験を向上させるようにしたものである(段落【0026】)。

イ 具体的には、ピクセル回路の累積電荷量がOLED発光時間とともに、増加し続ける又は放出され続ける状態において、現在のピクセルの表示効果を確保するために、当該現在のピクセルを表示するように駆動する前に、「駆動電荷量」と「電荷量集計閾値」を比較し、その結果を次の(ア)又は(イ)のように場合分けして、駆動電荷量の調整を行わない又は行うようにしたものである(段落【0035】)。

(ア) 駆動電荷量が「電荷量集計閾値」より多い場合

駆動電荷量を用いて表示するように駆動する際に、ピクセル回路はより高い輝度で表示し、ピクセル回路の累積電荷量が、当該現在のピクセルを表示するように駆動することに影響せず、ヒステリシス効果も発生しないため、駆動電荷量を調整せずに、駆動電荷量を保持したままで現在のピクセルを表示するように駆動し、ピクセル回路の累積電荷量を統計に取り入れる。

(イ) 駆動電荷量が「電荷量集計閾値」より少ない場合

駆動電荷量を用いて表示するように駆動する際に、ピクセル回路はより低い輝度で表示し、ピクセル回路の累積電荷量はヒステリシス効果の発生をもたらし、従って現在のピクセルの正常な表示に影響するため、ピクセル回路の累積電荷量を統計せずに、ピクセル回路の現在累積した電荷量の一部の電荷量を放出し、一部の電荷量が放出された後の電荷量に基づいて、駆動電荷量を調整することによって、当該現在のピクセルが正常に表示できるように確保する。

ウ 前記ア及びイを踏まえると、本願発明においては、ピクセル回路の累積電荷量を原因とするヒステリシス効果(一時的残像現象)が発生することなく、現在のピクセルが正常に表示できるようにするために、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量を調整する必要があるところ、本願発明の「電荷量集計閾値」は、当該駆動電荷量の調整の必要性を判断するための比較判定指標としての役割を有するものであるといえる。

5 実施可能要件について

前記4(1)において認定した解決課題の下、前記4(2)において整理した一時的残像現象に関する事項についての理解を踏まえながら、前記4(3)ウにおいて述べた「電荷量集計閾値」の役割を前提にして検討すると、本願発明の構成A-2における「電荷量集計閾値」の「決定」が、具体的にどのようにして行われるものであるかは、本願発明の解決課題と密接に関連する事項であって、「電荷量集計閾値」の「決定」に係る事項が、本願の発明の詳細な説明において明確かつ十分な程度に開示されていなければ、本願発明について、当業者がその実施をすることはできないというべきである。

そこで、以下では、「電荷量集計閾値」の「決定」がどのようにして行われるものであるかについて、発明の詳細な説明はどの程度開示しているかを各段落の記載に基づいて検討する。

(1) 発明の詳細な説明の段落ごとの検討

ア 段落【0028】

上記段落には、「ステップS11において、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量と、ピクセル回路の電荷量統計閾値とを決定する。」との記載があるものの、「電荷量集計閾値」の「決定」が具体的にどのようにして行われるかについて開示されていない。

(段落【0039】、【0045】、【0054】、【0063】の記載についても同様である。)

イ 段落【0031】

(ア) 上記段落には、次の記載がある。

「パネルの特性に基づいて、特定の輝度で指定された時間表示するように、特定の駆動電荷量でピクセルを駆動した後、スクリーンが暗くなってヒステリシスが発生すると、ピクセル回路内の累積電荷量を対応して統計し、統計された電荷量の値は電荷量統計閾値と呼ばれる。」

上記段落は、「電荷量集計閾値」を定義したものであるとも解されるため、この記載に基づき、「電荷量集計閾値」の「決定」がどのようにして行われるかについて検討する。

(イ) 前記4(2)イの<駆動電荷量、累積発光時間及び累積電荷量の関係>も参照すると、「電荷量集計閾値」の「決定」は、次の手順a~fのようにして行われるのではないかとも一応考えられる。

a まず駆動電荷量の値を決める(「特定の駆動電荷量」)。これにより、例えば図2のグラフ1~3のうちのいずれかが選択される。

b 表示輝度Lを特定し、表示時間Δtを指定する(「特定の輝度で指定された時間表示」)。

c 表示時間Δt経過後、ピクセルの発光をやめ、スクリーン(パネル)を暗くしても残像が生じるかどうかを確認する(累積発光時間はΔt)。

d 残像が生じない場合には、再度、輝度Lで時間Δtだけ発光させて、残像の確認を行う(累積発光時間は2Δt)。

e それでも残像が生じない場合には、さらに時間Δtだけ発光させて、残像の確認を行う(累積発光時間は3Δt)。

f n回目の発光で、はじめて残像が生じたとすれば、横軸の累積発光時間がnΔtであるとして、aで選択したグラフ(例えば図2の1のグラフ)から、縦軸の電荷量(累積電荷量)を読み取り、それを「電荷量集計閾値」として決定する。

(ウ) しかしながら、前記a~fのような手順で「電荷量集計閾値」の「決定」が行われることは、そもそも発明の詳細な説明に記載されておらず、前記段落の記載にさまざまな仮定を加えて辛うじて導かれるものであり、かかる仮定が当業者にとって自明であるとはいえないし、技術常識であるともいえない。

(エ) 仮にそのような決定手順で行われるとしても、手順bにおいて、表示輝度Lの特定や表示時間Δtの指定をどのような観点から行うのか不明である。

さらに、駆動電荷量は、「現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量」であるから、手順aにおける駆動電荷量の決定は、現在の表示画像フレームでなく、過去の表示画像フレーム(例えば、1つ前のフレーム)において行われるべきものであるところ、手順b~fにおける各表示時間を過去のフレームにおいてどのように設定するのか不明である。

過去の複数のフレームに各表示時間Δtを割り振ったとしても、その場合に図2のグラフの縦軸から読み取られる電荷量が本願発明の「累積電荷量」に相当するといえるのか疑問である。

(オ) したがって、上記記載に基づいても、「ピクセル回路の電荷量集計閾値」の「決定」が、「累積発光時間と前記駆動電荷量とに基づいて」、具体的にどのように行われるのかについて明らかではない。

ウ 段落【0032】

(ア) 上記段落には、「本開示の実施例において、DTFTによる表示をより容易にし、長時間使用によるヒステリシス効果という現象の発生を減少させるために、DTFTの使用特性を利用して、ピクセル回路の電荷量統計閾値を決定することができる。」との記載があるが、ピクセルデータ薄膜トランジスタ(DTFT)の使用特性について、前記4(2)に示した一時的残像現象に関する事項についての理解を前提としても、かかる使用特性を利用して、「電荷量集計閾値」の「決定」が具体的にどのようにして行われるかについて開示されていない。

(イ) また、上記段落には、「異なるメーカが製造した異なるパネルに対応する電荷量統計閾値は異なるものであってもよい。」との記載があるものの、異なるパネルとどのような「対応」づけを行うことにより、「電荷量集計閾値」の「決定」が行われるかについて開示されていない。

エ 段落【0033】

(ア) 上記段落には、「異なる駆動電荷量に対応する電荷量統計閾値も異なる。通常、駆動電荷量が多ければ多いほど、累積電荷量を統計し始めるようにトリガする時間が短く、駆動電荷量が少なければ少ないほど、累積電荷量を統計し始めるようにトリガする時間が長い。」と記載されているところ、「電荷量集計閾値」は、「ピクセル回路の各コンデンサの累積電荷量を集計し始めるようにトリガするために用いられる」ものであるから、この記載に基づくと、「電荷量集計閾値」は、「駆動電荷量」を指定すれば、「累積発光時間」とは無関係に一意に決まるように理解できる。

(イ) また、上記段落には、「図3に示すように、1、2、3(1>2>3)は異なる駆動電荷量をそれぞれ表し、駆動電荷量1、2および3に対応する電荷量統計閾値は順次減少する。」と記載されており、【図3】からも、電荷量統計閾値は、駆動電荷量に対応して一意に決まっているものと理解される。

(例えば、特定の駆動電荷量を指定することにより図3のグラフ1、2、3のうちのいずれかを選択すれば、選択されたグラフに対応する電荷量統計閾値は自ずと決まっていると理解できる。)

(ウ) すなわち、上記段落の記載に基づくと、「電荷量集計閾値」は、「累積発光時間」によって決まるものではなく、「駆動電荷量」のみで「決定」されるものであるということになるから、どのようにして、本願発明の「累積発光時間と前記駆動電荷量とに基づいて」、「電荷量集計閾値を決定し[ている]」のか不明である。

「【図3】
[図:0001409692000013.jpg]
」

オ 段落【0083】

(ア) 上記段落には、「電荷量集計閾値」が「100クーロン」であることや、「50クーロン」であることの記載があるが、このような具体的な値はどのようにして決められたのか不明である。

(イ) この点に関し、上記段落には次の記載がある。

「T1時刻の駆動電荷量が0、累積電荷量が0であるとする」

「T2時刻の駆動電荷量が255クーロン、電荷量統計閾値が100クーロン、累積電荷量が10クーロン」

「T3時刻の駆動電荷量が255クーロン、電荷量統計閾値が100クーロン、累積電荷量が10クーロン」

「T4時刻の駆動電荷量が30クーロン、電荷量統計閾値が50クーロン」

「T5時刻の駆動電荷量が30クーロン、電荷量統計閾値が50クーロン」

(ウ) ここで、時刻T1~T5は本願発明の「累積発光時間」に対応しており、T1<T2<T3<T4<T5の関係が成立しているものと認められるところ、累積発光時間としてT2よりもT3の方が長いにも関わらず、駆動電荷量が255クーロンで同じならば、電荷量集計閾値は共通して100クーロンであり、累積発光時間としてT4よりもT5の方が長いにも関わらず、駆動電荷量が30クーロンで同じならば、電荷量集計閾値は共通して50クーロンであるから、上記記載に基づくと、電荷量集計閾値は、累積発光時間とは無関係に駆動電荷量にのみ基づいて決定されているように理解できる。

(エ) そうすると、上記記載を踏まえても、どのようにして、本願発明の「累積発光時間と前記駆動電荷量とに基づいて」、「電荷量集計閾値を決定し[ている]」のか不明である。

カ 段落【0088】

上記段落には、「決定ユニット101は、現在のピクセルを表示するように駆動するために必要な駆動電荷量と、ピクセル回路の電荷量統計閾値とを決定することに用いられ、電荷量統計閾値は、ピクセル回路の累積電荷量を統計し始めるようにトリガするために用いられる。」との記載があるものの、「電荷量集計閾値」の「決定」が具体的にどのようにして行われるかについて開示されていない。

(2) 小括

前記(1)で検討したとおりであるから、本願の発明の詳細な説明は、本願発明の「電荷量集計閾値」の「決定」に係る事項について、明確かつ十分な程度に開示されているとはいえないから、実施可能要件に違反する。

6 審判請求書における主張について

(1) 請求人の主張

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請求人は、審判請求書において、概略次の主張をしている。

補正後の各請求項では、「統計」を「集計」に補正した。従って、当業者は、補正後の請求項1、7における「ピクセル回路の電荷量集計閾値とを決定する」という事項を、具体的にどのように行うのかについて、発明の詳細な説明から理解する際、段落[0031]の記載を、「パネルの特性に基づいて、特定の輝度で指定された時間表示するように、特定の駆動電荷量でピクセルを駆動した後、スクリーンが暗くなってヒステリシスが発生すると、ピクセル回路内の累積電荷量を対応して集計し、集計された電荷量の値は電荷量集計閾値と呼ばれる。」と理解する。そして、当業者であれば、事前に駆動電荷量ごとに電荷量集計閾値を集計しておき、「記録機能を有する画像データ処理チップまたは表示駆動チップ」に記録しておけば、駆動電荷量を決定すると、電荷量集計閾値を決定することができると理解する。

(2) 請求人の主張に対する当合議体の見解

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請求人の主張は、駆動電荷量を決定すると、電荷量集計閾値を決定することができるというものであるが、本願発明は、構成A-2において、「累積発光時間と前記駆動電荷量とに基づいて、対応する累積電荷量および電荷量集計閾値を決定」すると規定しているのであるから、「累積発光時間と前記駆動電荷量とに基づいて」ということに対応した主張であるとは認められない(前記5(1)エ及びオにおける説示も参照)。

したがって、請求人の前記主張によっても、当合議体の判断は左右されない。

第5 むすび

以上のとおり、本願の明細書の発明の詳細な説明は、請求項1~14に係る発明について、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。

したがって、本願は、発明の詳細な説明の記載が特許法36条4項1号に規定する要件を満たしていない。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-017210

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